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論文紹介_2012_Nov.ppt
星間空間での宇宙線電子の星間空間での宇宙線電子の星間空間での宇宙線電子の星間空間での宇宙線電子のスペクトルスペクトルクク
November 19th, 2012 @ 雑誌会
Webber and Higbie 2008, JGR 113, A11106and references therein
1T. Mizuno et al.
論文紹介_2012_Nov.ppt
Energy Spectrum of Energy Spectrum of Cosmic RaysCosmic Rays (1)(1)
• 地球に降り注ぐ相対論的粒子を宇宙線と呼ぶ
-1)
線と呼ぶ
• エネルギー密度は~1 eV/cm3で星間空間のガス, 磁場, 光子と同程度 m
-2sr
-1s
protons
– ガス(わずかに電離)や磁場の構造に効く
分子雲コアの電離を通して星形
(GeV
cm
electrons
positrons– 分子雲コアの電離を通して星形
成にも影響?• 1020 eVまで伸びるベキ関数 E2
dN/d
E
p
– 陽子は2.7, 電子は3.0程度のベキ指数
宇宙線源 SNRなどでのFermi加速
E
antiprotons
GalacticExtraGalactic
• 宇宙線源:SNRなどでのFermi加速が有力
– E-2.0~-2.2程度のスペクトルEknee Eankle
2T. Mizuno et al.
論文紹介_2012_Nov.ppt
Energy Spectrum of CRs (2)Energy Spectrum of CRs (2)
• 乱れた星間磁場により散乱を受ける(拡散)ジ 径 度 ズ 磁 が効
加速源のスペクトルが星間空間で変調を受けて地球に届く
– ジャイロ半径と同程度のサイズの磁場の乱れが効く
• 高エネルギーほど平均自由行程が大きく, 銀河系から逃げ出しやすい
地球で観測されたスペクトルは加速源の予想(E-2~-2.2)よりソフトに– 地球で観測されたスペクトルは加速源の予想(E 2 2.2)よりソフトに
• 宇宙線の2次成分/1次成分の比はこの逃げ出しのエネルギー依存性を反映 Strong+ 2007
「B/C ~ E-0.5程度。これは
g
- 加速源:E-2.2
- 星間空間:E-2.7(陽子)を説明する 電子は放射損を説明する. 電子は放射損失でさらにソフトになる」というのが基本的な理解
3T. Mizuno et al.
というのが基本的な理解
論文紹介_2012_Nov.ppt
We Do Not Know the CR Spectrum!We Do Not Know the CR Spectrum!
• 太陽活動は11年周期をもつ(黒点数の増減)
solar min
proton増減)• 太陽活動が活発になると, 太陽風により
乱流状の磁場が形成され, 宇宙線の侵solar max
proton
入が妨げられる
• このSolar modulationは数GeV以下で顕著
He顕著
– 真のスペクトル(星間空間でのスペクトル; IS)が分からない. どうするか?
• 陽子=>ガンマ線観測 (ただし, 電子の制動放射の寄与あり)電子の制動放射の寄与あり)• 電子=>シンクロトロン電波
Webber & Lezniak 1974
4T. Mizuno et al.
論文紹介_2012_Nov.ppt
Webber & Webber & HigbieHigbie 20092009
1-2 GeV以下の(真の)宇宙線電子スペクトルをシンクロトロン電波とVoyager 1号の観測により制限
5T. Mizuno et al.
シンクロトロン電波とVoyager 1号の観測により制限
論文紹介_2012_Nov.ppt
Webber & Webber & HigbieHigbie 20092009
• シンクロトロン電波データ (=電波 by 地上望遠鏡)• 宇宙線の伝播の最近の研究 (=宇宙線核子 by 気球・衛星@上空)
6T. Mizuno et al.
( y @ )• Voyager1による電子スペクトル (=宇宙線電子 by 衛星@ヘリオスフィア)
論文紹介_2012_Nov.ppt
Basic EquationBasic Equation (1)(1)
• 本論文では, 第一原理から得られるISと観測(シンクロトロン電波, 宇宙線電子スペクトル)を比較する宇宙線電子スペクトル)を比較する
• 基本方程式は以下の通り(原子核反応は省略) QbEdN 2 EQENEb
EEND
dtEdN
2
• N(E)は粒子の密度. エネルギー(と場所)の関数
• 第一項は拡散の効果. Dは拡散係数.密度の濃い方から薄い方へ正味の流れが生じる– 密度の濃い方から薄い方へ正味の流れが生じる
• 第二項は粒子のエネルギー損失. 電子の場合に考慮
– -(dE/dt) = b(E)(dE/dt) b(E)• 第三項は粒子の注入(SNなど)
7T. Mizuno et al.
論文紹介_2012_Nov.ppt
Basic EquationBasic Equation (2)(2)
• 本論文では, 第一原理から得られるISと観測(シンクロトロン電波, 宇宙線電子スペクトル)を比較する宇宙線電子スペクトル)を比較する
• 基本方程式は以下の通り
QbEdN 2 EQENEbE
ENDdt
EdN
2
• D(E) Eとして=0.5程度. 注入時のベキを~2.2として+~2.7• 電子は, シンクロトロン/逆コンプトン散乱がb(E) E2, 制動放射が
b(E) Eなので さらなる変調を受けるb(E) Eなので, さらなる変調を受ける.
Nsource(E) NIS(E)D(E)
~2.2 ~0.5 p~2.7(proton)P~3.0(electron)
& energy loss
=X
8T. Mizuno et al.E EE
& energy loss
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VoyagerVoyager ProgramProgram
• NASAによる太陽系の惑星および太陽系外の探査計画
げ び• 1977年打ち上げ(Voyager 1号および 2号)• Voyager 1は2004年に終端衝撃波を通過し, Heliopause(太陽風と
星間ガスの圧力のつり合い=境界)へ航行中星間ガスの圧力のつり合い 境界) 航行中
– Solar Modulationのない(最も少ない)宇宙線データ取得
Voyager Golden Record
9T. Mizuno et al.
論文紹介_2012_Nov.ppt
CRE before Voyager 1CRE before Voyager 1
• E-2.2~-2.4のインジェクション & D(E) P0.5の予想(赤)と観測の比較
「• 「AMSによる地球上の電子スペクトルはIS&標準的solar modulationよりかなり小さい」ことが以前から知られていた
– solar modulationの影響が予想より大きい?solar modulationの影響が予想より大きい?– インジェクションにbreak? (Galprop「標準」モデル)
観測(AMS)は標準的moulationの予想より大分小さい
注1:緑の線は無視してください注2: 青の線は定性的
10T. Mizuno et al.
より大分小さい 注2: 青の線は定性的
論文紹介_2012_Nov.ppt
CRE by Voyager 1CRE by Voyager 1
• E-2.2~-2.4のインジェクション & D(E) P0.5の予想(赤)と観測の比較
「• 「AMSによる地球上の電子スペクトルはIS&標準的solar modulationよりかなり小さい」ことが以前から知られていた
– solar modulationの影響が予想より大きい?solar modulationの影響が予想より大きい?– インジェクションにbreak? (Galprop「標準」モデル)
• Voyager Iのデータ=>solar modulationが主な原因ではない
Heliosheath(2008 0)
11T. Mizuno et al.
Termination Shock(2004.95)
(2008.0)
論文紹介_2012_Nov.ppt
Diffusion CoefficientDiffusion Coefficient
• B/C比のデータとモデルの比較(一番上の実線のみに着目)• Diffusion係数(Eに比例)に強いbreakを入れると観測に合う
– 宇宙線による磁場乱流の散逸と解釈(Ptuskin+06)
Strong & Moskalenko1998
D E D Eor
(1 0 6 2 0 6
D(E)
~0.6
D(E)~0.6~-0.6
12T. Mizuno et al.
(=0.6; w/o break) (1=-0.6, 2=0.6; w/ break)
E E
論文紹介_2012_Nov.ppt
Diffusion CoefficientDiffusion Coefficient (This Work)(This Work)
• 従来のモデル(1)を出発点にする
• 低エネルギーで増加するモデル(2)(3)を検討– 以後(2)をIS-7, (3)をIS-11と呼ぶ
• 拡散係数が大きい=>銀河の外に抜けやすい. よって右上がりなら宇宙線スペクトルがsoftになり, 右下がりならhardになる.
IS-11
IS 7IS-7
baseline
13T. Mizuno et al.
論文紹介_2012_Nov.ppt
New Data & Model of CRE SpectrumNew Data & Model of CRE Spectrum
• 低エネルギー側で拡散係数が大きい=>銀河の外に抜けやすい >強度が下がるい=>強度が下がる
• IS-7, IS-11はVoyager 1の観測値にかなり近く, モデルが正しいことを示唆.
• Heliospauseを超えるまでは, 電波シンクロトロンのデータが必要 (0.1-1 GeVのスペクトルの制限も同様)
Heliosheath(2008 0)
14T. Mizuno et al.
Termination Shock(2004.95)
(2008.0)
論文紹介_2012_Nov.ppt
Radio Radio Synchrotron Synchrotron (1)(1)
• 電子(粒子数スペクトル)のベキp, シンクロトロン(エネルギースペクトル)のベキ として ( 1)/2トル)のベキとして=(p-1)/2
• p=2.5, B=5[G]の時, eff~4*(Ee/220MeV)2 [MHz] (単色電子の場合のpeak frequencyの3~4倍)p q y )
• Ee=0.2-1GeVでpは1.8程度. これは~0.4@10MHzに対応し, 観測を概ね説明 (上は1400 MHzまでOK)より低エネルギ は? >電離ガス(W i t t ll di )による• より低エネルギーは?=>電離ガス(Warm interstellar medium)による吸収(次頁)
15T. Mizuno et al.
論文紹介_2012_Nov.ppt
Radio Radio Synchrotron Synchrotron (2)(2)
• 4 MHz以下は電離ガスの吸収(free-free abs.)が効く
放射 が 空 起• 放射(シンクロトロン)と吸収(free-free abs.)が同じ空間スケールで起きている
eII 1)/( ,0>>1でI~Io/
• 周波数依存性を入れて以下を得る
2/2,0 1/
eII
低周波数でが-2で大きくなる ,0
• Berkhuijsen+06によりWIMは温度T~7000 Kopt. depthは~3@1MHz
• WIMによる吸収を入れると, sub MH に至るまで電波シ ク ト
2MHzに至るまで電波シンクロトロンを説明できる
16T. Mizuno et al.
論文紹介_2012_Nov.ppt
Summary (+Personal View)Summary (+Personal View)
• 電波シンクロトロンのデータ, 星間空間の宇宙線拡散に関する研究, Voyager 1による電子スペクトルを総合し, 星間空間での電子スペクトルを制限した
拡散係数が数GVで極小値を持 と考えると i l PL• 拡散係数が数GVで極小値を持つと考えると, single PLのインジェクションで電波シンクロトロン(0.2 MHz-1400 MHz)と電子スペクトル(10 MeV-100 GeV以上)を1400 MHz)と電子スペクトル(10 MeV-100 GeV以上)をおおむね説明可能
• Voyager 1がHeliopauseを超えた時のデータが興味深いVoyager 1がHeliopauseを超えた時のデ タが興味深い
• (私見) 拡散係数のbreak以外の解もあるだろうが 幅広い(私見) 拡散係数のbreak以外の解もあるだろうが, 幅広いデータを論じていて面白い. 拡散係数は, 加速/注入の理論の面でも重要であり, 宇宙線陽子の議論にも効いてく
17T. Mizuno et al.
るかも.
論文紹介_2012_Nov.ppt
ReferencesReferences
• Webber & Higbie 2008, JGR 113, A11106• Ptuskin et al. 2006, ApJ 642, 902• Strong & Moskalenko 1998, ApJ 509, 212• Webber & Lezniak 1974, ApS&S 30, 361• Strong et al. 2007, ARNPS 57, 285• Longair 2011 “High Energy Astrophysics” (Cambridge
Univ. Press)
18T. Mizuno et al.
論文紹介_2012_Nov.ppt
AppendixAppendix
19T. Mizuno et al.
論文紹介_2012_Nov.ppt
Basic EquationBasic Equation (3)(3)
• 基本方程式は以下の通り
EQENEbE
ENDdt
EdN
2
• 電子は, シンクロトロン/逆コンプトン散乱がb(E) E2, 制動放射がb(E) Eなので, さらなる変調を受ける.
星間空間で 電子 ネ ギ星間空間での電子のエネルギーロスは数100 MeVで最小 => Diffusionの効果が見えやすい
Strong & Moskalenko 1998
20T. Mizuno et al.