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平成31年1月23日 東海財務局 理財部 融資課 財務状況把握の 結果概要

財務状況把握の 結果概要...財務支出(B) 394 405 410 425 454 104.3% 1,214 121.2% 財務収支 332 239 354 302 19 4.3% 212 21.2% 収支合計 117 262 169 47 43 18 償還後行政収支(A-B)

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Page 1: 財務状況把握の 結果概要...財務支出(B) 394 405 410 425 454 104.3% 1,214 121.2% 財務収支 332 239 354 302 19 4.3% 212 21.2% 収支合計 117 262 169 47 43 18 償還後行政収支(A-B)

平成 31 年 1 月 23 日

東海財務局 理財部 融資課

財務状況把握の

結果概要

Page 2: 財務状況把握の 結果概要...財務支出(B) 394 405 410 425 454 104.3% 1,214 121.2% 財務収支 332 239 354 302 19 4.3% 212 21.2% 収支合計 117 262 169 47 43 18 償還後行政収支(A-B)
Page 3: 財務状況把握の 結果概要...財務支出(B) 394 405 410 425 454 104.3% 1,214 121.2% 財務収支 332 239 354 302 19 4.3% 212 21.2% 収支合計 117 262 169 47 43 18 償還後行政収支(A-B)

(対象年度:平成29年度)

◆ヒアリング等の結果概要

債務償還能力 資金繰り状況

都道府県名 団体名

愛知県 南知多町

財政力指数 0.53 標準財政規模(百万円) 5,028

H30.1.1人口(人) 18,338 平成29年度職員数(人) 210

面積(K㎡) 38.37 人口千人当たり職員数(人) 11.5

積立低水準 収支低水準 該当なし ✔

【要因】 【要因】 【要因】

建設投資目的の取崩し 地方税の減少

債務負担行為に基づく支出予定額 資金繰り目的の取崩し 人件費の増加

公営企業会計等の資金不足額 積立原資が低水準 物件費の増加

土地開発公社に係る普通会計の負担見込額 その他 扶助費の増加

第三セクター等に係る普通会計の負担見込額 補助費等・繰出金の増加

その他 その他

建設債

実質的な債務

その他

債務高水準

(単位:千人)

 

17年国調 21.9 2.7 12.2% 13.4 61.1% 5.8 26.7% 2.5 21.0% 2.9 24.7% 6.3 54.1%

22年国調 20.5 2.2 10.7% 12.2 59.6% 6.1 29.6% 2.0 19.0% 2.6 24.8% 6.0 56.2%

27年国調 18.7 1.8 9.8% 10.4 55.8% 6.4 34.5% 1.9 19.1% 2.4 24.6% 5.5 56.3%

構成比第三次産業

就業人口構成比

総人口

年齢別人口構成 産業別人口構成

年少人口

(15歳未満)構成比

生産年齢人口

(15歳~64歳)構成比

老年人口

(65歳以上)構成比

第一次産業

就業人口構成比

第二次産業

就業人口

全国平均

愛知県平均 33.6%

25.0% 71.0%

64.3%27年国調

12.6% 60.7% 26.6% 4.0%

13.8% 62.4% 23.8% 2.2%

財務状況把握の結果概要 東海財務局融資課

◆対象団体

◆基本情報

債務償還可能年数

15年

-10%

0%

10%

20%

30%

0月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月

行政経常収支率

積立金等月収倍率

25年度 26年度 27年度 28年度 29年度

-10%

0%

10%

20%

30%

0月 6月 12月 18月 24月 30月

行政経常収支率

実質債務月収倍率

25年度 26年度 27年度 28年度 29年度

1

Page 4: 財務状況把握の 結果概要...財務支出(B) 394 405 410 425 454 104.3% 1,214 121.2% 財務収支 332 239 354 302 19 4.3% 212 21.2% 収支合計 117 262 169 47 43 18 償還後行政収支(A-B)

※1.債務償還可能年数について、分子(実質債務)が0以下となる場合は「0.0年」を表示する。分子(実質債務)が0より大きく、かつ分母(行政経常収支)が0以下となる場合は空白で表示する。

  2.右上部表中の平均値については、各団体の28年度計数を単純平均したものである。

  3.上記グラフ中の「類似団体平均」の類型区分については、28年度の類型区分による。

  4.平均値の算出において、債務償還可能年数と実質債務月収倍率における分子(実質債務)がマイナスの場合には「0(年・月)」として単純平均している。

(29年度)

◆財務指標の経年推移

0

5

10

15

20

25

30

25年度 26年度 27年度 28年度 29年度

債務償還可能年数5ヵ年推移

南知多町 全国平均 類似団体平均

0

6

12

18

24

30

25年度 26年度 27年度 28年度 29年度

実質債務月収倍率5ヵ年推移

南知多町 全国平均 類似団体平均

-5

0

5

10

15

20

25

30

35

25年度 26年度 27年度 28年度 29年度

行政経常収支率5ヵ年推移南知多町 全国平均 類似団体平均

-40

-20

0

20

40

25年度 26年度 27年度 28年度 29年度

南知多町 全国平均 類似団体平均

(単位:億円)<参考指標>

<財務指標>

(単位:年) (単位:月)

(単位:月) (単位:%)

健全化判断比率 南知多町 早期健全化 基準 財政再生 基準

実質赤字比率 - 14.98% 20.00%

連結実質赤字比率 - 19.98% 30.00%

実質公債費比率 3 .6% 25.0% 35.0%

将来負担比率 11 .4% 350.0% -

債務償還可能年数 5.5年 207.0年 7.5年 10.8年 14.5年

実質債務月収倍率 5.8月 6.8月 6.7月 7.3月 7.4月

積立金等月収倍率 6.1月 5.7月 5.7月 5.8月 5.8月

行政経常収支率 8.6% 0.2% 7.5% 5.6% 4.2%

25年度 26年度 27年度 28年度 29年度(参考)

愛知県平均値 平均値 平均値

5.2年 7.4年 5.7年

7.9月 8.2月 5.8月

7.1月 7.5月 4.9月

14.4% 12.7% 12.5%

類似団体 全国

類似団体区分

町村Ⅳ-0

基礎的財政収支(プライマリー・バランス)5ヵ年推移

南知多町

※ 基礎的財政収支 ={歳入-(地方債+繰越金+基金取崩)}-{歳出-(公債費+基金積立)}

※ 基金は財政調整基金及び減債基金(基金積立には決算剰余金処分による積立額を含まない。)

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

25年度 26年度 27年度 28年度 29年度

積立金等月収倍率5ヵ年推移南知多町 全国平均 類似団体平均

※平均値は、いずれも28年度

2

Page 5: 財務状況把握の 結果概要...財務支出(B) 394 405 410 425 454 104.3% 1,214 121.2% 財務収支 332 239 354 302 19 4.3% 212 21.2% 収支合計 117 262 169 47 43 18 償還後行政収支(A-B)

◆行政キャッシュフロー計算書  (百万円)

構成比 構成比

■行政活動の部■

 地方税 2,413 2,368 2,384 2,390 2,365 39.3% 1,860 20.8%

 地方譲与税・交付金 374 386 564 489 507 8.4% 481 5.4%

 地方交付税 1,984 1,957 2,128 2,078 2,039 33.9% 4,548 50.9%

 国(県)支出金等 885 859 844 882 766 12.7% 1,581 17.7%

 分担金及び負担金・寄附金 22 16 20 42 100 1.7% 191 2.1%

 使用料・手数料 123 128 123 113 113 1.9% 169 1.9%

 事業等収入 140 124 137 142 131 2.2% 114 1.3%

行政経常収入 5,941 5,839 6,201 6,136 6,021 100.0% 8,944 100.0%

 人件費 1,389 1,455 1,421 1,382 1,443 24.0% 1,583 17.7%

 物件費 992 1,091 1,178 1,204 1,143 19.0% 1,636 18.3%

 維持補修費 52 57 68 63 66 1.1% 159 1.8%

 扶助費 779 871 817 882 822 13.7% 1,292 14.5%

 補助費等 1,344 1,432 1,312 1,319 1,347 22.4% 1,647 18.4%

 繰出金(建設費以外) 800 850 876 886 896 14.9% 1,198 13.4%

 支払利息 71 67 63 56 49 0.8% 105 1.2%

 (うち一時借入金利息) (-) (-) (-) (-) (-) (0)

行政経常支出 5,426 5,823 5,734 5,792 5,766 95.8% 7,620 85.2%

行政経常収支 516 16 467 344 255 4.2% 1,324 14.8%

 特別収入 134 135 142 121 136 203

 特別支出 - 11 33 6 17 173

行政収支(A) 650 140 576 459 374 1,353

■投資活動の部■

 国(県)支出金 316 175 487 234 570 96.4% 455 46.3%

 分担金及び負担金・寄附金 - 0 - 1 - 0.0% 169 17.2%

 財産売払収入 0 1 3 2 - 0.0% 25 2.5%

 貸付金回収 21 21 21 21 21 3.6% 71 7.2%

 基金取崩 2 2 - - - 0.0% 261 26.6%

投資収入 340 200 511 258 591 100.0% 981 100.0%

 普通建設事業費 1,180 818 1,247 941 956 161.6% 1,691 172.4%

 繰出金(建設費) 3 - 1 7 12 2.1% 17 1.7%

 投資及び出資金 - - - - - 0.0% 37 3.8%

 貸付金 21 21 21 21 21 3.6% 62 6.4%

 基金積立 1 1 2 3 1 0.2% 333 33.9%

投資支出 1,204 840 1,272 973 990 167.4% 2,140 218.2%

投資収支 ▲864 ▲641 ▲761 ▲714 ▲398 ▲67.4% ▲1,159 ▲118.2%

■財務活動の部■

 地方債 726 644 764 727 436 100.0% 1,002 100.0%

(うち臨財債等) (404) (393) (388) (297) (315) (276)

翌年度繰上充用金 - - - - - 0.0% - 0.0%

財務収入 726 644 764 727 436 100.0% 1,002 100.0%

 元金償還額 394 405 410 425 454 104.3% 1,214 121.2%

 (うち臨財債等) (211) (210) (203) (228) (253) (291)

 前年度繰上充用金 - - - - - 0.0% - 0.0%

財務支出(B) 394 405 410 425 454 104.3% 1,214 121.2%

財務収支 332 239 354 302 ▲19 ▲4.3% ▲212 ▲21.2%

収支合計 117 ▲262 169 47 ▲43 ▲18

償還後行政収支(A-B) 256 ▲265 166 34 ▲80 139

■参考■

実質債務 2,880 3,353 3,509 3,735 3,725 6,020

(うち地方債現在高) (5,804) (6,043) (6,397) (6,699) (6,680) (11,205)

積立金等残高 3,040 2,777 2,948 2,997 2,955 5,281

類似団体平均値(28年度)25年度 26年度 27年度 28年度 29年度

(百万円)

南知多町

8.6

0.2

7.5

5.6

4.2

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

8.0

9.0

10.0

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

25 26 27 28 29

地方税 地方交付税

国(県)支出金等 その他収入

人件費 扶助費

補助費等+繰出金(建設費以外) その他支出

行政経常収支率

行政経常収入・支出の5ヵ年推移

(百万円)

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

25 26 27 28 29国(県)支出金 貸付金回収 その他収入

普通建設事業費 貸付金 その他支出

投資収入・支出の5ヵ年推移(百万円)

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

25 26 27 28 29

臨財債等 臨財債等を除く財務収入(建設債等) 財務支出

財務収入・支出の5ヵ年推移(百万円)

(年度)

(年度)

(年度)

5.5 7.510.8

14.5

0

20

40

60

80

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

実質債務・債務償還可能年数の5ヵ年推移

実質債務 行政経常収支 債務償還可能年数

(百万円)

(年度)

(年)

(%)

3

Page 6: 財務状況把握の 結果概要...財務支出(B) 394 405 410 425 454 104.3% 1,214 121.2% 財務収支 332 239 354 302 19 4.3% 212 21.2% 収支合計 117 262 169 47 43 18 償還後行政収支(A-B)

◆ヒアリングを踏まえた総合評価

1.債務償還能力について

 債務償還能力の評価については、債務償還可能年数及び債務償還可能年数を構成する実質債務月収倍率と行政経常収支率を利用して、ストック面(債務の水準)とフロー面(償還原資の獲得状況)の両面から行っている。【診断結果】

①ストック面(債務の水準) 債務の水準を示す実質債務月収倍率は、直近5年間では悪化傾向にあるものの、平成29年度では7.4月と当方の診断基準である18.0月を下回っているため、債務高水準の状況にはない。 なお、平成28年度の実質債務月収倍率7.3月は、類似団体平均7.9月と比較すると優位している。

②フロー面(償還原資の獲得状況) 償還原資の獲得状況を示す行政経常収支率は、平成26年度に0.2%(前年度比▲8.4ポイント)と悪化し、その後改善傾向にあるものの、平成29年度の行政経常収支率は4.2%と当方の診断基準である10.0%を下回っている。他方、債務償還可能年数は、平成29年度では14.5年と当方の診断基準(15年)を下回っていることから、両指標を合わせてみれば、収支低水準に該当しないものの、償還原資の獲得状況はやや注意すべき状況にある。 なお、平成28年度の行政経常収支率(5.6%)、債務償還可能年数(10.8年)ともに類似団体平均(行政経常収支率:14.4%、債務償還可能年数:5.2年)と比較すると劣位している。

2.資金繰り状況について

 資金繰り状況の評価については、積立金等月収倍率と行政経常収支率を利用して、ストック面(資金繰り余力としての積立金等の水準)及びフロー面(経常的な資金繰りの余裕度)の両面から行っている。【診断結果】

①ストック面(資金繰り余力としての積立金の水準) 資金繰り余力の水準を示す積立金等月収倍率は、直近5年間では同水準を維持しており、平成29年度では5.8月と当方の診断基準(3月)を上回っていることから、積立低水準の状況にはない。 なお、平成28年度の積立金等月収倍率5.8月は類似団体平均7.1月と比較すると劣位している。

②フロー面(経常的な資金繰りの余裕度) 上記「1.債務償還能力について」「②フロー面」のとおり、収支低水準には該当しないものの、経常的な資金繰りの余裕度はやや注意すべき状況にあると考えられる。

南知多町

【参考②:平成28年度知多5町平均比較】

債務償還可能年数

実質債務月収倍率

行政経常収支率

10.8年>8.5年

7.3月>6.8月

5.6%<7.5%

5.8月>4.4月

5.6%<7.5%

【参考②:平成28年度知多5町平均比較】

積立金等月収倍率

行政経常収支率

※知多5町平均とは、阿久比町、東浦町、美浜町、武豊町に貴町を含めた知多5町の各団体数値を加重平均した数値

【参考①:平成28年度類似団体平均比較】

債務償還可能年数

実質債務月収倍率

行政経常収支率

10.8年>5.2年

7.3月<7.9月

5.6%<14.4%

【参考①:平成28年類似団体平均比較】

積立金等月収倍率

行政経常収支率

5.8月<7.1月

5.6%<14.4%

4

Page 7: 財務状況把握の 結果概要...財務支出(B) 394 405 410 425 454 104.3% 1,214 121.2% 財務収支 332 239 354 302 19 4.3% 212 21.2% 収支合計 117 262 169 47 43 18 償還後行政収支(A-B)

3.財務の健全性等に関する事項【収支系統】

○過去、収支低水準となっていた理由・背景①収支低水準該当年度 平成26年度:行政経常収支率0.2%、債務償還可能年数207.0年

②過去、収支低水準となっていた理由・背景 貴町は、町域の約85%が市街化調整区域となっており、大半が南知多県立自然公園として指定を受けている。また、市街地以外の多くの土地は農業振興地域に指定されていることから町内の土地利用については、各種法規制が伴うほか、地形上、土地の造成に適しない丘陵地が多く、大規模な開発に適した用地の確保が困難な状況にある。 こうした背景から、貴町の人口一人当たりの固定資産税(償却資産)や法人住民税は、類似団体平均・知多5町平均と比較すると、ともに劣位にある。一方、固定資産税(土地)においては知多5町平均と比較すると劣位にあるものの、類似団体平均と比較すると優位にある。

 また、貴町は知多半島の先端に位置し、昭和36年に内海町、豊浜町、師崎町、篠島村、日間賀島村の3町2村が合併した経緯により、2つの離島を含め町内に複数の集落が存在している。人口一人当たり支出の類似団体比較において、人件費、物件費、補助費等は優位にあるものの、知多5町平均と同支出を比較すると劣位する。これら地域特性において、以下のような行政コスト負担が生じていることによるものと考えられる。 人件費は、退職者不補充により職員数抑制を図っているものの、点在する集落や離島においても同水準の行政サービスを提供するため、非効率でありながらも一定数の職員を確保する必要がある。よって人口一人当たりの職員給は高くなり、知多5町平均と比較しても劣位となっている。 物件費は、離島におけるごみ・し尿等運搬業務や最終処分場の維持管理費で毎年2億円弱を計上していること等により、人口一人当たりの委託料が高くなっていることから、知多5町平均と比較して劣位している。 補助費等は、主要産業である漁業や観光業から排出される生ごみに水分が多く含まれることからごみ焼却コストが嵩み、人口一人当たりのごみ処分量も多いことから、人口一人当たりの補助費等(清掃)が高く、知多5町平均と比較して劣位している。 以上のことから、貴町の行政経常収支率は当方の診断基準である10%を下回って推移している。

  平成26年度は収入面において、主に漁業従事者の事業所得が減少したことに伴い個人住民税が減収となったことに加え、地方交付税や元気臨時交付金・社会資本整備交付金などの国庫支出金の減少により、行政経常収入が前年度比▲103百万円減少した。また支出面においては、マイナンバー制度導入に向けた総合住民システム改修委託料などにより物件費が増加したことに加え、日間賀島配水池能力増強事業にかかる一般会計から水道事業への繰出金増加により補助費等が一時的に増加したため、行政経常支出が前年度から+397百万円増加した。 以上のことから、平成26年度は行政経常収支が大幅に減少し、債務償還可能年数が当方の診断基準である15年を上回ったことから収支低水準となった。

③収支低水準を解消した理由・背景(取組等) 貴町は平成27年度に収支低水準を解消した。収入面において漁業従事者の営業所得増加に伴い個人住民税が増加したことや、支出面において日間賀島配水池能力増強事業の終了により補助費等(繰出金)が減少したことなどから、平成27年度行政経常収支が前年度比+450百万円増加した。 以上のことから、平成27年度以降は行政経常収支が改善し、債務償還可能年数が当方の診断基準である15年を下回ったことから、収支低水準を解消している。

南知多町

法人住民税 固定資産税(土地) 固定資産税(償却)

南知多町 5.20 17.85 9.01

類似団体平均 12.32 16.73 25.91

知多5町平均 8.75 27.38 15.82

○平成28年度・類似団体平均・知多5町平均との人口一人当たりの比較

(単位:千円/人)

補助費等 一組・清掃費 物件費 委託費 人件費 職員給

南知多町 70.41 26.59 64.29 28.24 73.82 50.53

類似団体平均 107.9 12.35 86.87 44.02 82.25 52.12

知多5町平均 41.56 10.63 55.16 25.58 57.51 39.35

○平成28年度・類似団体平均・知多5町平均との人口一人当たりの比較 (単位:千円/人)

平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度

1,344 1,432 1,312 1,319 1,347

56 136 43 40 46

992 1,091 1,178 1,204 1,143

370 428 495 529 483

1,389 1,455 1,421 1,382 1,443

933 981 958 946 989

(単位:百万円)○補助費等、物件費、人件費の経年推移

補助費等

 うち上水道

物件費

 うち委託料

人件費

 うち職員給

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Page 8: 財務状況把握の 結果概要...財務支出(B) 394 405 410 425 454 104.3% 1,214 121.2% 財務収支 332 239 354 302 19 4.3% 212 21.2% 収支合計 117 262 169 47 43 18 償還後行政収支(A-B)

【積立系統】

○過去から積立低水準となっていない理由・背景(取組等) 貴町は、財政調整基金について、想定される南海トラフ巨大地震等の激甚災害時対応に備え1,000百万円程度を維持する方針として、決算剰余金の2分の1を積み立てている。同基金残高は、直近5年間においては、平成26年度に収支不足を補填するため取崩を行ったものの、平成28年度以降は収支の改善により、残高増加傾向にある。 その他特定目的基金については、過去に積み立てた都市計画事業基金が残高の大部分を占めており、直近5年間においては横ばいで推移している。 以上のことから、積立金等月収倍率は、直近5年間において、5.7月~6.1月で推移しており、当方の診断基準である3.0月を上回っていることから積立低水準に該当していない。

※積立金等残高=現金預金(歳計現金・財政調整基金・減債基金)+その他特定目的基金

【債務系統】

○債務高水準となっていない理由・背景(取組等) 貴町は各建設事業の実施にあたって、事業の重要性や緊急性に加えて補助・交付金有無を勘案しているほか、起債においては交付税算入のある地方債を優先的に借入する方針としている。 直近5年間においては、南海トラフ巨大地震に備えるための防災拠点建設事業や日間賀島・篠島渡船施設整備事業などの大型普通建設事業の実施に伴い地方債残高は増加傾向にあった。また臨時財政対策債は、財源不足を補填するため発行可能額の上限まで発行する方針とし、近時発行額は減少傾向にあるものの残高は増加傾向にある。 以上のことから、地方債は増加傾向にあるものの、積立金等を控除した実質債務月収倍率は、直近5年間において5.8~7.4月で推移し、当方の診断基準である18.0月を下回っていることから、債務高水準になっていない。

  【今後の見通し】

○計画名称:第6次南知多町総合計画 第8期実施計画 (計画期間:平成30年度~平成32年度) (平成29年度策定)○前提条件:本計画は、第6次南知多町総合計画の第8期実施計画書(計画期間:平成30年度~平成32年度)に基づき、検査財政課が策定した財政シミュレーションによるものである。また、歳入総額と歳出総額が一致する(繰越財源がない)前提。○計画最終年度の4指標に基づく将来の債務償還能力及び資金繰り状況:債務償還能力及び資金繰り状況ともに注意を要する見通しである。

南知多町

平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度

1,581 1,436 1,423 1,600 1,678

993 991 993 996 996

財政調整基金

(単位:百万円)

その他特定目的基金

○財政調整基金・その他特定目的金の経年推移

平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度

5,804 6,043 6,397 6,699 6,680

2,221 2,276 2,445 2,678 2,598

3,584 3,766 3,952 4,021 4,082

地方債現在高

  建設債残高

○地方債現在高の経年推移                         (単位:百万円)

  臨財債等残高

○4指標の今後の見通し(※診断基準に該当している場合、「注意」は赤色、「やや注意」は黄色で表示

29年度 32年度

指標値 29年度との比較

算定不能○実質債務(分子)の増加○行政経常収支(分母)の減少

・新給食センター事業の実施・地方税、国・県支出金等の減少

11.6月 ○実質債務(分子)の増加

上昇・新給食センター事業の実施

4.6月 ○積立金等残高の減少

低下 ・新給食センター事業の実施

▲7.8% ○行政経常収支の減少

低下

・納税義務者減少による個人住民税の減少・評価替えによる固定資産税の減少・会計年度任用職員制度による人件費の増加

指標財務上の問題点

主な要因

①債務償還可能年数

②実質債務月収倍率 なし

収支低水準④行政経常収支率

14.5年

7.4月

5.8月

4.2%

③積立金等月収倍率 なし

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Page 9: 財務状況把握の 結果概要...財務支出(B) 394 405 410 425 454 104.3% 1,214 121.2% 財務収支 332 239 354 302 19 4.3% 212 21.2% 収支合計 117 262 169 47 43 18 償還後行政収支(A-B)

【今後の見通し】

 ○経常収支の改善に向けて

 貴町は、伊勢湾と三河湾に囲まれた知多半島の先端に位置し、篠島、日間賀島などの島々を含め古くから漁業で栄え、また風光明媚な地形を生かし観光業も同時に発展してきた。しかしながら、土地の大半が起伏に富み平地が乏しい地形であることから、大規模な土地開発や企業誘致が難しい地域特性を有している。

 収入面においては従来から法人住民税収は少なく、町内事業所数も減少傾向にある。主要産業である漁業・観光業を営む個人事業主からの個人住民税は漁獲高や天候等によって左右される。また、貴町の地価は下落傾向にあることから、今後は固定資産税の減収も想定されるなど、不安定な税収構造であると考えられる。一方、支出面おいては、町内に離島を含めた集落が点在していることから、各種の行政窓口サービスや助成金、消防・清掃などに至るまで、町民に均質な行政サービスを提供するための様々な団体負担が大きくなっている。

 また、今後は、新給食センター整備事業や新ごみ処理施設事業などの大型建設事業実施も控えるほか、過去に整備した公共建築物、道路、橋梁、上水道に漁港、港湾を含めた公共施設やインフラの老朽化対策を必要としている。そのため、これら施設やインフラ等の維持管理ならびに更新費用の増加が見込まれることから、当該費用の財源確保が喫緊の課題となっている。

 以上のことから、これら課題を明確に反映した「財政計画」を策定するなど、財政運営の中長期指針を持つことが肝要であると考えられる。そのうえで、貴町は「南知多町まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づき、主要産業である漁業・観光業の振興を図りつつ、若年層の定住化や新たな労働者の移住を促進することで、地方税収入を確保していくことが期待される。行財政運営にあたっては、「第6次南知多町総合計画後期計画」に基づき、広域連携の推進や効率的な人員配置、施策・事務事業の抜本的な整理及び合理化により行政コスト削減を図られたい。また、公共施設の管理においては、「南知多町公共施設等総合管理計画」に基づき、施設等の長寿命化や、統廃合、転用等を図るなど、経費の抑制に努め、更新等財源を確保されたい。

南知多町

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