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株式会社富士通総研 経済研究所 主席研究員 金堅敏 2014年3月11日(火)
中国の成長戦略と 改革計画の中間検証
FRI経済研ワークショップ
Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTIT
ご討論内容
1)中国経済の現状と課題
2)「12・5計画」の中間レビューと将来展望
3)市場原理に基づくガバナンス改革の検証
Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE 1
中国のGDP成長の推移
3456789
10111213141516
80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13
成長率%
中国経済失速の懸念が再び
出所:国家統計局など
三角債危機 信託業危機 「影の銀行」危機?
47
48
49
50
51
52
53
54% PMIの推移
中国物流購入連合会
HSBC(CLSA証券)
「上海超日」は中国社債市場初の債務不履行!
Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE 2
当面の政策方針: 改革、安定、発展の統合
方針のポイント ・政策核心: 「穏中求進」、「改革革新」(新改革元年)
・成長目標: 質と効率のある、後遺症のない合理的な成長 (7.0%~8.0%)
・マクロ政策: 積極的な財政政策と穏健な金融政策(中立) (2014を含む5年連続)
中国政府が認識している当面の課題 ①経済運営の下振れリスク、 ②一部の産業の設備能力過剰、
③高まる食料安全保障の難しさ ④拡大するマクロ債務水準
⑤突出する雇用の構造的ミスマッチ問題 ⑥生態環境の悪化
⑦深刻化する食品・医薬品の品質問題 ⑧悪化する社会治安状況
「底線思考」(ボトムライン):経済成長の「上限」と「下限」
1 「上限」(社会安定のため?): *物価上昇限度 3.5%前後
2 「下限」: 安定した成長「穏成長」、雇用維持「保就業」
*「双百目標」の実現(共産党設立100年、現中国誕生100年
*「保就業」の理解: 調査失業率5%以内 (当面7.5%前後の成長が必要)
Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE 3
前提条件①:物価は安定している
物価の推移
-4
-3
-2
-1
0
1
2
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4
5
2012年
1月
2月
3月
4月
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7月
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9月
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11月
12月
2013年
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
2014年
1月
2月
(%)
CPI PPI
出所:中国統計局など Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE 4
0.85
1.10
0.60
0.70
0.80
0.90
1.00
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1
01Q
3
02Q
1
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3
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1
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1
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3
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1
12Q
3
13Q
1
13Q
3
倍率 中国の有効求人倍率の推移
前提条件②:雇用問題が深刻でない
800
900
1000
1100
1200
1300
1400
1500
2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014
万人 都市部新規雇用者の計画と実績の推移
計画
実績
出所:人力資源部、2014年政府報告など Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE 5
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4
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2
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3
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4
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1
13Q
2
13Q
3
13Q
4
額(千億元)
比率(%)中国商業銀行の不良債権額と比率の推移
不良債権の額
不良資産比率
前提条件③不良債権の増加は緩やか
出所:中国銀行業監督管理委員会など
バーゼルⅢに基づく流動性カバー率(LCR)を2014年3
月1日から導入、2018年末に100%要求
不良債権償却を加速させるため税務規制緩和
(2013年商業銀行純利益14,180億元)
Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE 6
過剰成長・慣性低下をマネジャーし、安定成長へ
8.1
7.6
7.4
7.9
7.7
7.57.8
7.7
7
7.25
7.5
7.75
8
8.25
8.5
12Q1 12Q2 12Q3 12Q4 13Q1 13Q2 13Q3 13Q4
同期比% 四半期別のGDP成長率の推移
6.0
7.0
8.0
9.0
10.0
11.0
12.0
「10.5」計画 「11・5」計画 「12・5」計画 2011年 2012年 2013年 2014年
成長率% 中国のGDP成長の推移
実際
計画過剰成長
出所:国家統計局など Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE 7
が、「外需から内需」は成果、 「投資から消費」は課題
9
-37.4
4 -4.3 -2.2-4.4
44.149.8 43.1 55.5 51.8 50.0
46.9
87.6
52.948.8 50.4 54.4
2008年 09年 10年 11年 12年 13年
%
需要別のGDP成長への寄与率
投資 消費
純輸出
GDP成長への寄与度 *13年 7.7%=+3.85%(消費) +4.19% (投資) -0.34% (輸出) *12年 7.7%= +4.1%(消費) +3.9%(投資) -0.2%(純輸出) *11年 9.3%= +5.2%(消費) +4.5%(投資) -0.4%(純輸出) *10年 10.4%= +4.5%(消費) +5.5%(投資) +0.4% *09年 9.2%= +4.6%(消費) +8.1%(投資) -3.5%(純輸出) *08年 9.6%= +4.2%(消費) +4.5%(投資) +0.9%(純輸出)
出所:国家統計局など Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE 8
経済成長率と限界資本係数(ICOR)の推移
7.0
8 .0
9 .0
10.0
11.0
12.0
13.0
14.0
15.0
16.0
19
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20
13
伸び率(%)
0.0
1 .0
2 .0
3 .0
4 .0
5 .0
6 .0
7 .0
8 .0
限界資本係数(ICOR)
GDP成長率
投資の効率も悪くなった
ICOR
出所:国家統計局など Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE 9
民間固定資産投資と全国固定資産投資の伸び率推移
16
18
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24
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.1-
3
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5
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12
12
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2
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3
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4
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5
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6
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7
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12
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2
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3
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4
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5
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6
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7
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8
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9
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.1-
10
13
.1-
11
13
.1-
12
伸び率(%)
民間固定資産投資
全国固定資産投資
民間資本の投資意欲も強くない
民間投資比重=63.0%
出所:国家統計局など Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE 10
消費拡大に住民所得向上が課題
GDP成長、財政収入、工業企業利益、住民収入伸び率の推移
10.1
12.2
7.77.0
9.3
5
10
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25
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45
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55
2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
伸び率(%)
財政収入
工業企業利益
GDP成長
都市部可処分所得
農村住民純収入
出所:中国統計局 Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE 11
95
100
105
110
115
120
01-
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2011
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2012
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2012
03-
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2012
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2013
11-
2013
12-
2013
01-
2014
2011年1月=100 中国の名目/実質有効為替レートの推移
名目有効為替レート
実質有効為替レート
為替上昇で輸出競争力に影響?
切り上げ
Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE 12
日米欧輸入市場における中国からのシェアの推移
12
13
14
15
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23
24
2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年2014年1月
シェア(%)
日本
米国
EU
出所:日米欧貿易により筆者計算作成
競争力はコスト優位性から非コスト要因へ
Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE 13
「12・5計画」の中間評価と中長期展望
Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE 14
「十二・五」計画の中期評価 主要指標 2015目標
・予想値 年平均成長率(%)
2011 2012 2013 筆者 評価
GDP成長 7.0 9.2 7.7 7.7 ○ サービス業比重(%) 47.0 5年4% 43.4 44.6 46.1 ○
都市化率(%) 51.5 5年4% 51.27 52.57 53.73 ○ R&D支出対GDP比(%) 2.2 5年0.45% 1.84 1.98 2.073 ○
万人発明特許所有量(件) 3.3 5年1.6件 2.37 3.23 4.02 ◎ 一次エネルギーに占める 非化石燃料の比重(%)
11.4 5年3.1% 8.0 9.4 9.8 ×
GDP原単位エネルギー削減(%) 5年16% 2.01 3.6 3.7 × GDP原単位CO2削減(%) 5年17% 1.58 5.02 3.70 ×
主要汚染物質削減(%) ①COD 5年8% 1.98 3.05 2.9 △ ②So2 5年8% 2.1 4.52 3.5 △
③アンモニア窒素 5年10% 1.52 2.62 2.5? × ④窒素酸化物 5年10% +5.73 2.77 4.0? ××
一人当可処分所得(都市、元、%) 26,810 7%以上 8.4 9.6 7.0 △ 一人当純収入(農村、元、%) 5919 7%以上 11.4 10.7 9.3 ◎
都市部新規就業者数増(万人) 5年4,500 1,221 1,266 1,310 ◎
Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE 15
技術力や生産性は確実に向上
-2
0
2
4
6
8
10
12
日本 韓国 中国 マレーシア フィリピン タイ インドネシア ベトナム
成長率(%)関係国の労働生産性成長率の推移
1995~2000 2000~2005 2005~2011
出所:APO、WIPO
46620
287013
148136
535313
9553 1114 1020 541 3821874643660
11848 18617 1313 289 67 13 13
ドイツ 日本 韓国 中国 インド マレーシア タイ インドネシア ベトナム
関係国の特許出願件数(2012)
自国(居住者) PCT海外技術導入額/国内R&D支出額
69.1%(2001) → 3.8%(2012)
Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE 16
エネ・環境に大きな借りを残している
「12・5」計画でGDP年平均成長率 7%だとしても
・目標: 一次エネルギー消費量 32.5億t(標準炭) → 40億t(2015年)
・2013年実績: 37.5億トン(標準炭) (3年5億トン増、残り2年2.5億トン)
→ 2014~15年のエネルギー使用総量規制は必死
・PM2.5 問題で全社会からプレシャーがかかる
2016年1月1日実施の新「環境空気質量標準」(GB3095-2012)
・2012年地区級都市の空気質基準クリア比率は 40.9%
・特に浮遊粒子状物質濃度の基準オーバーが一番酷い
基準オーバー比率: SOx1.2% NOx13.2%
粒子状物質(PM10/PM2.5 57.2%)
Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE 17
当局の想定を超えた環境問題の顕在化
*環境対策の進化
・1985年ごろ~ 粉塵対策
・1995年ごろ~ (COD)水対策
・2005年ごろ~ SOx対策
・2010年代~ NOx対策
・2015年ごろ~ PM10対策
・2015-20年ごろ~ PM2.5 CO2関連
出所:中国環境産業協会への筆者ヒアリング
1000
1200
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2009
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2011
2012
万トン 主要汚染物質排出量の推移
CODSO2Nox
公害問題 都市環境問題 農村環境問題
「大気汚染防止行動計画」(2013年9月12日公布、5ヵ年計画) 目標: ・2017年のPM10 濃度は、2012年比で10%削減
・同時期のPM2.5濃度: 華北地域(-25% ) 北京は60μg/m3以下 長江デルタ(-20%) 珠江デルタ(-15%)
Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE 18
規制の遅れでPM2.5問題に寄与!
中国のガソリン品質(全国硫黄分規制値)の推移
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2012
2013
2014
2015
2016
2017
2018
2019
2020
PPM
出所:報道など
1000PPM
800PPM (EURO01)
500PPM (EURO02)
150PPM (EURO03)
50PPM (EORU04) 10PPM
(EURO05)
(2005年7月1日から)
EU (10PPM)
日本 (10PPM)
米国(15PPM)
北京市は2008年に50PPM、 2012年5月に10PPMへ
北京、上海、江蘇省などは規制の先行実施
参考: 韓国 10PPM(2007年) マレーシア:50PPM(2012年) タイ 50PPM(2010年) インド(大都市) 50PPM(2010年) (2003年7月1日から)
Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE 19
0
1000
2000
3000
4000
5000
6000
7000
1969 71 73 75 77 79 81 83 85 87 89 91 93 95 97 99
件数日本の公害事案検挙数の推移
出所:日本『警察白書』など
中国:2005ー2010年、環境刑事事 件30件しかなかった(年平均5件!) 災害賠償制度の整備、刑事罰の強化!
日本の経験から中国の環境問題克服には 10年以上かかる!
1960年代北九州市
現在の北九州市
Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE 20
その他①:地方債務問題
Gross Public Household NF Corporate 合計
US 108.1 80.0 44.0 232.1
Japan 245.4 65.0 86.0 396.4
Germany 80.3 58.0 53.0 191.3
Spain 92.3 78.0 126.0 296.3
Turkey 36.5 15.0 33.0 84.5
China 57.0 31.0 85.0 173.1
Thailand 45.9 25.0 24.0 94.9
India 66.4 9.0 37.0 112.4
Mexico 43.5 15.0 26.0 84.5
Brazil 67.2 16.0 38.0 121.2
Debt Indicators
(GDP比%、2013年9月BBVA推定)
Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE 21
額自体よりもいかに善処するのか? 2013年6月現在債務状況 ・債務規模(中央と地方政府の合計): GDP比で39.43%(政府統計) よりも伸び率57.6%が高い! (2010年末 → 2013年6月 地方省・市・県政府のみ) 省、市、県の年平均伸び率: 14.41%、17.36%、26.59% ・銀行融資から「影の銀行」への依存度が高まっていること 銀行融資比率: 74.84%(2010年) → 50.8%(2013年6月) ・資金プールの問題: 短期借り入れから長期投資へ
地方債務問題解決に道筋をつける
・条件付で起債を認めると同時に、ルール化する
・資産証券化、経営権市場化、デット・エクイティ・スワップなど
・限定したデフォルトを許すことで、リスク意識教育・モラルハザード防止(「上海超日」の例)
・経済分野から地方政府の手を引かせること(仕事を再定義する)
Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE 22
-4
-2
0
2
4
6
8
10
12
2011年
1月 2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
2012年
1月 2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
2013年
1月 2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
2014年
1月
% 70大中都市新設住宅加重平均販売価格変動
前年比
前期比
住宅価格の上昇が続くが、ただし、ピークアット?
その他②:不動産バブルの退治
Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE 23
5年後、10年後の中国経済?
データ出所:IMF(2013.10)
中国
51%
日本
20%
インド
10%韓国
6%
インドネシア
5%
タイ
2%
マレーシア
2%フィリピン
2%シンガポー
ル
1%ベトナム
1%
ASEAN613%
アジア関係国のGDPシェア(2018年)
中国
42%
日本
31%
インド
9%
韓国
6%
インドネシア
5%
タイ
2%
マレーシア
2%フィリピン
1%シンガポル
1%ベトナム
1%
ASEAN612%
アジア関係国のGDPシェア(2012年)
高度成長から
中国のGDP成長率の長期トレンド
0
2
4
6
8
10
12
14
16
1981 83 85 87 89 91 93 95 97 99 01 03 05 07 09 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29 31 33 35
成長率%
1981-2011年平均9.8%
2012-2030年平均6%-7%前後?を目指す
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市場原理に基づくガバナンス改革の検証
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「三中全会」の改革計画の検証
改革計画の基本は以下の4点に集約される
●基本目標: 国家ガバナンスシステムの制度設計とガバナンス能力建設
→ 制度設計(ハードからソフトへ)
●市場の「決定的」役割の強調 → 資本の自由化、許認可縮小
政府の役割を再定義
●党内に「改革指導グループ」の設立 → ガバナンス体制の強化
●改革のタイムリミット(2020年)の設定 → 各分野に改革のロードマップと
タイムテーブルの設定へ
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政府改革は大きく前進 許認可事項の削減と残存リストの公開
・李政府以降、416項目の許認可項目をなくすか、地方に委譲した
(2013年3月に5年で 1700中 567件削減を約束)
・残った許認可リストをネットで公開、再検討意見募集
2014年2月21日現在、47の政府部分、1,031項目が公表された
今後、すべての許認可は法律に根拠に → 「法による行政」へ
・課題:
*許認可に何を残るか、残った場合のプロセスの最適化、手段の効率化
*行政権限のモニタリング体制などの確立
「ネガティブリスト」式と「投資前内国民待遇」を基本に ・禁止事項以外、市場参入自由へ 「上海自由貿易区」で先行
・企業設立の資本登記制度改革: 大幅自由化へ
・課題: *国有部門の抵抗勢力をいかに打破するのか
*市場秩序の確立(自由で公正な競争秩序の確保)
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地方政府の評価制度改革 事例: 広州市政府や幹部への評価指標 評価採点: M1(トップ)=M×60%+P×20%+C×20% (M=実績点数、P=上層リーダ採点、C=部下や一般市民満足度採点 M=経済発展(9小類、30%) 社会発展(10小類、22%) 人民生活(5小類、23%) 態環境(8小類、25%) 指 標 指 標
経済 発展指標
(30%)
GDP成長率 環境指標 (25%)
環境投資/財政支出 一人当たりGDP成長/GDP成長率 緑化率 財政成長率 耕地保有量 行政コスト/財政支出 主要汚染物質削減完成率 民営経済成長率 雨水・汚水分別率 建設用地単位産出率 河川対策完成率 ハイテク産業VA/GDP 道路「三線」地下化率 R&D支出/GDP 景観環境衛生総合評価 近代サービス業/サービス業 PM2.5、安全など
債務率、過剰投資削減など Copyright 2014 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE 28
国有経済及び国有企業改革:遅れている
公有制経済と非公有制経済の平等性確保
・「混合所有制」の積極的発展: 国有マジョリティー、私有マジョリティー
⇒ 資本自由化へ: インフラ事業
例:石油事業への民間資本参入
金融
例:民間銀行設立など
通信業
例:仮想移動体通信業への民間資本参入など)
国有企業改革(効率化)の漸進的推進
⇒ ・中央:国有企業経営者所得水準、財務監査、情報公開などから改革へ
・上海: 経営監視と執行の分離を徹底に、政府は経営監視へ
経営者の外部登用を拡大、プロ化へ
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国有資産管理監督委 共産党組織部
××集団公司(100%国有)
「党管幹部」の原則 出資者としての「株主」
子会社1 上場企業1
100%或いは
マジョリティー
国有企業のガバナンスシステム改革
重要経営トップの任用 経営業績の管理
2003年の国有資産監督管理委員会の設立
政資分離
政径分離
所有と経営分離
資産管理会社?
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今後、「改革計画」のチェックポイント
マクロ経済管理の手法 ・資本自由化 ・法による行政の実現 地方政府のガバナンス・システム ・役割の再定義(経済分野から撤退) 国有企業のガバナンス・システム ・競争原理に基づくガバナンス 土地制度の市場化 ・特に農村の土地財産権確立 その他(技術的): 金融制度、為替、社会保障、教育など
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