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電子情報技術産業協会規格 電子機器用固定抵抗器 個別規格: 表面実装用低抵抗値角形固定抵抗器 -形状 73 安定性クラス 5 %-評価水準 E 社団法人 電子情報技術産業協会 Standard of Japan Electronic and Information Technology Industries Association Fixed resistors for use in electronic equipment Detail specification: Surface mount low resistance rectangular fixed resistors – Form 73 Stability class 5 % – Assessment level E Japan Electronics and Information Technology Industries Association JEITA RC-2144 2010 4 月制定 受動部品標準化専門委員会 Technical Standardization Committee on Passive Components

電子機器用固定抵抗器 個別規格: 表面実装用低抵抗値角形固 …...品目別通則の名称及び番号 電子機器用固定抵抗器 第1 部:品目別通則

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電子情報技術産業協会規格

発  行

電子機器用固定抵抗器個別規格:

表面実装用低抵抗値角形固定抵抗器-形状 73安定性クラス 5 %-評価水準 E

社団法人 電子情報技術産業協会

Standard of Japan Electronic and Information Technology Industries Association

Fixed resistors for use in electronic equipmentDetail specification:

Surface mount low resistance rectangular fixed resistors –Form 73 Stability class 5 % – Assessment level E

Japan Electronics and Information Technology Industries Association

JEITA RC-2144

2010年 4月制定

作  成

受動部品標準化専門委員会Technical Standardization Committee on Passive Components

JEITA RC-2144

目 次 ページ

まえがき

個別規格表

1 一般事項 ······················································································································································ 1

1.0 適用範囲 ··················································································································································· 1

1.1 引用規格 ··················································································································································· 1

1.2 表示 ··························································································································································· 1

1.3 発注情報 ··················································································································································· 2

1.4 出荷対象ロットの成績証明書 ················································································································ 2

1.5 追加情報(検査目的以外のもの) ·········································································································· 2

1.6 品目別通則及び/又は品種別通則への追加,又はより厳しい要求事項 ·········································· 2

2 取付け,寸法,定格,特性及び試験方法 ································································································ 2

2.1 推奨する取付方法(実装用) ·················································································································· 2

2.2 寸法,定格及び特性 ································································································································ 2

2.3 試験方法 ··················································································································································· 4

3 検査の要求事項 ·········································································································································· 8

3.1 手順 ··························································································································································· 8 附属書 A (規定) 取付けに使用する試験用基板 ························································································ 13 附属書 B (規定) 形名の構成 ······················································································································· 17 解説 ·································································································································································· 18

JEITA RC-2144

まえがき

この規格は,社団法人 電子情報技術産業協会 電子部品部 受動部品標準化専門委員会 固定抵抗器グ

ループが作成したものである。

この規格は,著作権法によって保護されている著作物であるため,許可なくこの規格の一部又はすべて

を複製・転載することを禁止する。

この規格は,この規格の一部が,工業所有権(特許権,実用新案権,意匠権など)に抵触する可能性に

関係なく制定されている。社団法人 電子情報技術産業協会は,このような工業所有権に係る確認につい

て,責任はもたない。

この規格は,国際規格に整合化するために制定された次の規格に基づいて,JEITA TSC-16(電子情報技

術産業協会規格類の作成基準)の様式によって作成した個別規格である。

JIS C 5201-1:1998 電子機器用固定抵抗器-第 1 部:品目別通則

JIS C 5201-8:1998 電子機器用固定抵抗器-第 8 部:品種別通則:チップ固定抵抗器

JIS C 5201-8-1:1998 電子機器用固定抵抗器-第 8 部:ブランク個別規格:チップ固定抵抗器

評価水準 E

JEITA RC-2133B:2002 電子機器用固定抵抗器個別規格:角形金属皮膜チップ固定抵抗器-

形状 73 安定性クラス 1 %-評価水準 E

JEITA RC-2134B:2002 電子機器用固定抵抗器個別規格:角形金属系混合皮膜チップ固定抵抗器-

形状 73 安定性クラス 5 %-評価水準 E

この規格は,近年需要が増加している表面実装用低抵抗値角形固定抵抗器について,新たに制定するも

のである。

JEITA RC-2144 には,次に示す附属書がある。

附属書 A(規定)取付けに使用する試験用基板

附属書 B(規定)形名の構成

JEITA RC-2144

個別規格表

発行

社団法人 電子情報技術産業協会

個別規格の番号

JEITA RC-2144

ブランク個別規格の番号

JIS C 5201-8-1:1998

品目別通則の名称及び番号

電子機器用固定抵抗器

第 1 部:品目別通則

JIS C 5201-1:1998

個別規格の名称

電子機器用固定抵抗器

個別規格:

表面実装用低抵抗値角形固定抵抗器-形状 73

安定性クラス 5 %-評価水準 E

構造区分

絶縁形

外形図:(表 1A 参照)

(第三角法)

(規定寸法以内であれば,外形は異なってもよい。)

性能区分

評価水準:E

安定性クラス:5 %

W

L

T

d d

c c

c c

1 JEITA RC-2144

電子情報技術産業協会規格

電子機器用固定抵抗器 個別規格:

表面実装用低抵抗値角形固定抵抗器-形状 73

安定性クラス 5 %-評価水準 E Fixed resistors for use in electronic equipment

Detail specification: Surface mount low resistance rectangular fixed resistors –

Form 73 Stability class 5 % – Assessment level E

1 一般事項

1.0 適用範囲

この規格は,金属皮膜抵抗体及び金属系混合皮膜抵抗体を有する,表面実装用低抵抗値角形固定抵抗器

について規定する。

なお,この規格を適用する低抵抗値範囲は,10 mΩ以上 10 Ω未満とする。

1.1 引用規格

次に掲げる引用規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これ

らの引用規格のうちで西暦年を付記していない引用規格は,その 新版(追補・Amendment を含む。)を

適用する。

JIS C 60068-2-58 表面実装部品(SMD)のはんだ付け性,電極の耐はんだ食われ性及びはんだ耐熱性

試験方法

JIS C 5063 抵抗器及びコンデンサの標準数列

JIS C 5201-1 電子機器用固定抵抗器-第 1 部:品目別通則

JIS C 5201-8 電子機器用固定抵抗器-第 8 部:品種別通則:チップ固定抵抗器

JIS Z 9015-1 計数値検査に対する抜取検査手順-第 1 部:ロットごとの検査に対する AQL 指標

型抜取検査方式

1.2 表示

抵抗器及び包装への表示は,受渡当事者間の協定がない場合には,この規格の 1.2.1,1.2.2 及び附属書 B

の規定による。

1.2.1 抵抗器への表示

表示は,一般的に,抵抗器本体表面への表示をしない。ただし,抵抗器に表示をする場合には,抵抗器

の表面に,JIS C 5201-1 の附属書 1 の 2.5(定格抵抗値)に規定する 3 数字又は 4 数字によって表示する。

1.2.2 包装への表示

包装には, 小包装単位ごとに,次の事項を表示する。ただし,b)及び c)は,いずれかを省略してもよ

い。

a) 形名

b) 製造年月,製造年週又はその略号

2 JEITA RC-2144

c) 製造ロット番号

d) 製造業者名又はその略号

e) 数量

1.3 発注情報

この規格を適用する抵抗器を発注する場合は,少なくとも次の事項を明確に示すか,又は記号の形で示

す。

a) 定格抵抗値

b) 定格抵抗値の許容差

c) 個別規格の番号,版及び形式

d) 包装形態

1.4 出荷対象ロットの成績証明書

受渡当事者間の協定による。

1.5 追加情報(検査目的以外のもの)

なし

1.6 品目別通則及び/又は品種別通則への追加,又はより厳しい要求事項

なし

2 取付け,寸法,定格,特性及び試験方法

2.1 推奨する取付方法(実装用)

通常に使用する場合の取付方法は,リフローはんだ付けとする。試験及び測定を目的とする取付方法は,

JIS C 5201-1 の 4.31(取付け)による。ただし,取付けに使用する試験用基板は,この規格の附属書 A に

よる。

2.2 寸法,定格及び特性

表 1A―寸法,定格及び特性

寸法 mm 形式

定格電力 a) (70 °C)

W

アイソレーション電圧

(Vd.c.又は Va.c.の 実効値) L W T c d

73/1005 0.063 100 1.0±0.05 0.5±0.05 0.35±0.05 0.2±0.1 0.25 05.01.0

+−

73/1608 0.1 100 1.6±0.1 0.8±0.1 0.45±0.1 0.3±0.2 0.3±0.2

73/2012 0.125 150 2.0±0.1 1.25±0.1 0.55±0.1 0.4±0.2 0.4±0.2

73/3216 0.25 300 3.2±0.2 1.6±0.15 0.55±0.1 0.5±0.25 0.5±0.25

73/3225 0.25 400 3.2±0.2 2.5±0.2 0.55±0.1 0.5±0.25 0.5±0.25

73/5025 0.5 400 5.0±0.2 2.5±0.2 0.55±0.2 0.6±0.25 0.6±0.25

73/6332 1 b) 400 6.3±0.2 3.2±0.2 0.55±0.2 0.6±0.25 0.6±0.25

注 a) 定格電力は,抵抗器を JIS C 5201-1 の 4.31(取付け)に規定する取付け状態での,この規格の 2.2.1(負荷軽減)の規定による定格電力とする。

注 b) 形式 73/6332 の定格電力は,抵抗器をアルミナ基板に取り付けた状態での定格電力とする。

3 JEITA RC-2144

表 1B―抵抗温度係数及び定格抵抗値許容差別の抵抗値範囲

許容差別抵抗値範囲 a) Ω 形式 抵抗温度係数

×10-6/K ±1 % ±2 % ±5 % ±1 000 ― ― ― ±500 0.10~0.47 0.10~0.47 0.10~0.47 ±250 0.10~10 0.10~10 0.51~10

73/1005

±100 ― ― ― ±1 000 ― ― ― ±500 0.10~10 0.022~10 0.022~10 ±250 0.10~10 0.10~10 0.10~10

73/1608

±100 0.47~10 0.47~10 0.47~10 ±1 000 0.47~10 ― 0.030~10 ±500 0.050~10 0.022~10 0.010~0.091 ±250 0.050~10 0.050~10 0.050~10

73/2012

±100 0.068~10 0.068~10 0.047~10 ±1 000 0.10~10 ― 0.10~10 ±500 ― 0.10~10 0.056~10 ±250 0.050~10 0.050~10 0.030~10

73/3216

±100 0.10~10 0.20~10 0.047~10 ±1 000 ― ― 0.024~0.033 ±500 0.020~10 ― 0.036~10 ±250 0.050~10 0.05~10 0.05~10

73/3225

±100 0.050~10 0.047~10 0.047~10 ±1 000 0.10~10 ― 0.033~10 ±500 0.020~0.20 0.020~0.20 0.010~0.091 ±250 0.036~10 0.040~10 0.03~10

73/5025

±100 0.036~10 0.040~10 0.040~10 ±1 000 0.016~10 0.016~0.088 0.016~10 ±500 0.040~10 0.050~10 0.040~10 ±250 0.050~10 0.050~10 0.050~10

73/6332

±100 0.047~10 0.050~10 0.047~10 注 a) 定格抵抗値の推奨値は,JIS C 5063(抵抗器及びコンデンサの標準数列)の E12,E24,

E48 及び E96 の標準数列とする。

耐候性カテゴリ :55/125/56

注記 耐候性カテゴリ 55/125/56 は,次の定格を表したものである。

カテゴリ下限温度 :-55 °C

カテゴリ上限温度 :+125 °C

高温高湿(定常)の試験期間:56 日

安定性クラス :5 %

抵抗値変化の限界:

- 長期試験:±5 %

- 短期試験:±1 %

4 JEITA RC-2144

2.2.1 負荷軽減

ガラス布基材エポキシ樹脂積層板に取り付ける場合には,この規格を適用する抵抗器は,図 1 の軽減曲

線によって負荷を軽減する。形式 73/6332 は,アルミナ基板に取付け,同様に軽減曲線によって負荷を軽

減する。

図 1―軽減曲線による負荷軽減

注記 JIS C 5201-8 の 2.2.3(定格電力)による。

2.3 試験方法

2.3.1 抵抗値

a) 低抵抗値測定方法の注意すべき点については,次による。詳細は,EIAJ RCR-2112 の箇条 3 による。

1) 4 端子測定

抵抗値の測定では,測定回路のリード線の抵抗値を排除するため,4 端子(ケルビン接続)測定

方法を使用する。この測定方法の測定回路は,電流を供給する一対の端子と,電圧降下を測定する

一対の測定端子とで構成される。図 2 は,4 端子測定法を表している。

電圧測定端子の電流(ILEAD)は,電流(IRX)と比べて極めて微少のため,この電流によるリード

線の電圧降下は,無視できる値である。

したがって,次の関係式が成り立つ。

電圧 VR=VM

電流 I=ILEAD+IRX=IRX

ここに,供試抵抗器の抵抗値 RX=VR/IRXであるから,次になる。

RX=VR/IRX=VM/I

100

0

-55 °C +125 °C +70 °C

定格

電力比

%

推奨動作領域

周囲温度

5 JEITA RC-2144

図 2―4 端子測定法

詳細は,EIAJ RCR-2112 の 3.2 による。

2) 熱起電力

測定回路上の異種金属の接点部では,ゼーベック効果に起因し発生する熱起電力で,抵抗測定値

に誤差が生ずる。この誤差が無視できない場合には次の対策を講じる。

2.1) 電流反転方式

電流の極性を反転し正負二つの測定結果から,熱起電力を打ち消すことができる。すなわち,

図 3 に示すように極性を正負反転させたそれぞれの電圧 VM+と VM-には,それぞれ極性に関係な

く発生した熱起電力 VEMF が加算されて,VM+=VEMF+I・RX 及び VM-=VEMF-I・RX になる。そこ

で,VM+及び VM-を平均すると,VM=(VM+-VM-)/2=I・RXとなり,熱起電力を含まない電圧が

求まる。この式から RX を求めると RX=(VM+-VM-)/(2・I ) となり,熱起電力 VEMF の影響を排

除した抵抗値を求めることができる。

図 3―電流反転方式

DMM ディジタルマルチメータ RLEAD リード線の抵抗値 RX 供試抵抗器の抵抗値 BA 電流源 VM メータ VM によって測定される電圧

VR 供試抵抗器両端の電圧 I 電流印加リード線を通る電流 ILEAD 電圧測定リード線を通る電流 IRX 供試抵抗器に流れる電流

BA RX

RLEAD(電流印加)DMM

RLEAD(電圧測定)

RLEAD(電流印加)

RLEAD(電圧測定)

VM VR

電流 I

電流(ILEAD)

電流(

IRX

VM

VM

RX

VEMF

I VM

RX

VEMF

I

図 3b)―極性が負の場合図 3a)―極性が正の場合

RX 供試抵抗器の抵抗値

VM メータによって測定される電圧

VEMF 熱起電力によって生ずる電圧

I 測定電流

VM+=VEMF+I・RX

VM-=VEMF-I・RX

VM=(VM+-VM-)2=I・RX

RX=(VM+-VM-)/(2・I )

6 JEITA RC-2144

2.2) オフセット補正オーム方式 供試抵抗器に測定電流をオン時間及びオフ時間のサイクル印加することで,図 4a)及び図 4b)の状態を交互に繰り返す。熱起電力が加わった値となる図 4a)の状態での電圧測定値を求める。VM1

から,電圧測定値が熱起電力と等しい図 4b)の状態での VM2 を差引いて熱起電力の影響を排除す

る。その電圧値 VMを電流値 I で除して,抵抗値 RXを求める。

図 4―オフセット補正オーム方式

注記 詳細は,EIAJ RCR-2112 の 3.3 による。電流反転方式又はオフセット補正オーム方式の機

能を有する測定機器を用いてもよい。 3) 抵抗器の自己発熱について

一般的なマルチメータは,測定レンジで測定電流が固定されているので,低抵抗値の供試抵抗器

にとっては,定格電力以上か,又はそれに近い負荷となる場合が考えられるが,その場合には大き

な自己発熱をする。測定中に供試抵抗器の自己発熱による抵抗温度係数に起因する抵抗値変化が無

視できない場合には,次の対策を講じる。 3.1) トリガーを利用する方法

一回のトリガーで短い電流パルスを印加し発熱を小さく押える。 3.2) 基準抵抗器との比較による方法

図 5 のように,基準抵抗器と供試抵抗器とを直列に接続して測定電流を通電し,基準抵抗器及び

供試抵抗器のそれぞれの電圧降下を同じデジタルマルチメータで交互にスイッチ切替しつつ測定

し,双方の比及び基準抵抗値から供試抵抗器の抵抗値を求める。

図 5―基準抵抗器と比較する方法

注記 詳細は,EIAJ RCR-2112 の 3.4 による。

図 4a)―測定電流をオン にする電圧測定

図 4b)―測定電流をオフ

にする電圧測定

RX 供試抵抗器の抵抗値

VEMF 熱起電力によって生じる電圧

I 測定電流

VM1=VEMF+I・RX

VM2=VEMF

VM=(VM1-VM2)=I・RX

VM1

RX

VEMF

I VM2

RX

VEMF

I

RREF

VM

RX 供試抵抗器の抵抗値 RREF 基準抵抗器の抵抗値 VEMF 熱起電力によって生ずる電圧

I 測定電流 VM1=I・RX VM2=I・RREF RX=VM1・RREF/VM2

RX

SW SW

7 JEITA RC-2144

b) 試料をはんだ付けする場合の試験用基板は,この規格の附属書 A の試験用基板 A,B 又はそれと同等

の特性が得られる,受渡当事者間で取り決めた 4 端子形試験用基板を使用する。

c) 試料をはんだ付けせず抵抗値測定する場合には,この規格の附属書 A の接触形 4 端子低抵抗値測定治

具条件を満たす 4 端子形測定治具を使用する。

2.3.2 はんだ耐熱性試験方法

a) 初期測定

試験用基板に予備はんだ付けする場合は,試験用基板(附属書 A の試験用基板 B 又は同等特性の基

板)に供試抵抗器を図 6 及び表 2 に示す予備はんだ付けリフロー温度プロファイルによって予備はん

だ付けし,初期測定を行う。

b) 試験用基板への実装

初期測定を接触形 4 端子低抵抗測定治具で行った場合は,試験用基板(附属書 A の試験用基板 B)

に,はんだペーストを塗布し,供試抵抗器を実装する。

c) 試験条件

はんだ耐熱性試験は,図 6 及び表 2 に示すリフロー温度プロファイルのリフローはんだ付けを連続

3 回行う。連続するリフローはんだ耐熱性試験間の回復時間は,供試品の温度が 50 °C 以下になるまで

とする。詳細は,JIS C 60068-2-58 の 7.2.4 及び 8.1.2 による。

図 6―リフロー温度プロファイル“台形”

注記 はんだ付け領域での昇温及び降温の傾きは,部品の損傷,酸化,フラックスのひび割れなど

のはんだ付けの結果に影響する。

T1 予備加熱 低温度 T2 予備加熱 高温度 T3 はんだ付け温度 T4 ピーク温度 t1 予備加熱時 t2 はんだ付け時間 t3 ピーク温度維持時間

T4 T3 T2

T1

t3

t2

t1

8 JEITA RC-2144

表 2―はんだ耐熱性試験のリフロー温度プロファイル

リフロー温度プロ ファイル

適用

T1 °C

T2 °C

t1 s

T3 °C

t2 s

T4 °C

t3 s

予備はんだ付け 150±5 180±5 120±5 220 60~90 250 T4-5 °C で

20~40

はんだ耐熱性試験 150±5 180±5 120±5 220 60~90 250 T4-5 °C で

20~40

3 検査の要求事項

3.1 手順

3.1.1 品質認証のための手順は,JIS C 5201-8 の 3.2(品質認証)による。

3.1.2 品質確認検査のための試験計画(表 3)には,抜取方法,周期,厳しさ及び要求事項を規定してい

る。検査ロットの構成は,JIS C 5201-8 の 3.3.1(検査ロットの構成)による。

注記 乾燥が要求される場合には,JIS C 5201-1 の 4.3(乾燥)の手順Ⅰによる。

9 JEITA RC-2144

表 3―品質確認検査のための試験計画

IL AQL 項目番号及び試験 (注記 1 参照)

D 又は ND

試験条件 (注記 1 参照)

(注記 2 参照)

要求性能 (注記 1 参照)

群 A 検査 (ロットごと) 副群 A1 4.4.1 外観

ND

S-4

1.0 %

4.4.1 による。

副群 A2 4.4.2 寸法

(ゲージ法,測定投影

機による) 4.5 抵抗値

ND この規格の 2.3.1 による。

S-4 1.0 % この規格の表 1A による。

個別規格の規定による。

群 B 検査 (ロットごと) 副群 B1 4.7 耐電圧

ND

方法:4.6.1.4(角形チップ 抵抗器の方法)

絶縁抵抗

S-3

1.0 %

絶縁破壊又はフラッシ オーバがない。

≧1 GΩ

副群 B2 4.17 はんだ付け性

D エージングなし

S-3 2.5 % 4.17.4.5 による。

副群 B3 4.31 取付け 4.13 過負荷

(取り付けた状態) 4.30 表示の耐溶剤性

D 基板材質:ガラス布基材

エポキシ樹脂積層板 試験用基板:この規格の 附属書 A の試験用基板 A 又は B

個々の抵抗器の間隔: 抵抗器の 大寸法以上

定格電流の 2.5 倍 印加時間:2 s 外観 抵抗値 溶剤:2-プロパノール 溶剤温度:23 °C±5 °C 方法 1 ラビング材質:脱脂綿 後処理:なし

S-3 2.5 % 外観の損傷がない。 △R≦±1 % 表示が判読できる。

10 JEITA RC-2144

表 3―品質確認検査のための試験計画(続き)

試料数及び 合格判定数

(注記 3 参照) 項目番号及び試験 (注記 1 参照)

D 又は ND

試験条件 (注記 1 参照)

p n c

要求性能 (注記 1 参照)

群 C 検査 (定期的) 副群 C1 4.31 取付け 4.33 耐プリント板

曲げ性 4.33.6 終測定

D

基板材質:ガラス布基材 エポキシ樹脂積層板

試験用基板:この規格の 附属書 A の試験用基板 A又は B

たわみ量:

3 mm(形式 73/3225 以下)

1 mm(形式 73/5025 以上)

抵抗値 外観

3

20

1

△R≦±1 % 外観の損傷がない。

副群 C2 4.18 はんだ耐熱性 4.29 部品の耐溶剤性

D この規格の 2.3.2 による。 外観 抵抗値 溶剤:2-プロパノール 溶剤温度:23 °C±5 °C 方法 2 後処理:48 h 外観 抵抗値

3 20 1 外観の損傷がない。 △R≦±1 % 外観の損傷がない。 △R≦±1 %

副群 C3 4.31 取付け 4.32 固着性 4.19 温度急変

D

基板材質:ガラス布基材 エポキシ樹脂積層板

試験用基板:この規格の 附属書 A の試験用基板 B

外観 TA:-55 °C TB:+125 °C 外観 抵抗値

3 20 1 外観の損傷がない。 外観の損傷がない。 △R≦±1 %

11 JEITA RC-2144

表 3―品質確認検査のための試験計画(続き)

試料数及び 合格判定数

(注記 3 参照) 項目番号及び試験 (注記 1 参照)

D 又は ND

試験条件 (注記 1 参照)

p n c

要求性能 (注記 1 参照)

4.23 一連耐候性 ・高温(耐熱性) ・温湿度サイクル (12+12 時間サイクル) 初のサイクル

・低温(耐寒性) ・温湿度サイクル (12+12 時間サイクル) 残りのサイクル

・直流負荷

外観 抵抗値

外観の損傷がない。 △R≦±5 %

副群 C4 4.31 取付け 4.25.1 70 °C での耐久性

D 基板材質:ガラス布基材 エポキシ樹脂積層板 (形式 73/6332 だけは, アルミナ基板とする。)

試験用基板:この規格の 附属書 A の試験用基板 A又は B

個々の抵抗器の間隔: 抵抗器の 大寸法以上

試験時間:1 000 h

48 h,500 h 及び 1 000 h での検査:

外観 抵抗値

3 20 1 外観の損傷がない。 △R≦±5 %

副群 C5 4.31 取付け 4.8 温度による

抵抗値変化

ND 基板材質:ガラス布基材 エポキシ樹脂積層板

試験用基板:この規格の 附属書 A の試験用基板 A又は B

-55 °C/+20 °C a)

+20 °C/+125 °C a)

3 20 1 この規格の表 1B による。

12 JEITA RC-2144

表 3―品質確認検査のための試験計画(続き)

試料数及び 合格判定数

(注記 3 参照) 項目番号及び試験 (注記 1 参照)

D 又は ND

試験条件 (注記 1 参照)

p n c

要求性能 (注記 1 参照)

群 D 検査 (定期的) 副群 D1 4.31 取付け 4.24 高温高湿

(定常)

D

基板材質:ガラス布基材 エポキシ樹脂積層板

試験用基板:この規格の 附属書 A の試験用基板 A又は B

成極の電圧[4.24.2.1 の c)]

は,適用しない。 外観 抵抗値

12

20

1

外観の損傷がなく, 表示が判読できる。

△R≦±5 %

副群 D2 4.4.3 寸法(詳細) 4.31 取付け 4.25.3 カテゴリ上限

温度での耐久性

D 基板材質:ガラス布基材

エポキシ樹脂積層板 試験用基板:この規格の 附属書 A の試験用基板 A又は B

個々の抵抗器の間隔: 抵抗器の 大寸法以上

試験時間:1 000 h

48 h,500 h 及び 1 000 h での検査:

外観 抵抗値

36 20 1 この規格の表 1A による。

外観の損傷がない。 △R≦±5 %

注記 1 試験の項目番号及び要求性能は,JIS C 5201-1 による。ただし,抵抗値変化の要求事項は,JIS C 5201-8 の

表Ⅰ及び表Ⅱから適切に選択したものである。 注記 2 検査水準及び合格品質限界は,JIS Z 9015-1 から選択したものである。 注記 3 この表で,

p =周期(月) n =試料数 c =合格判定数(許容不適合数) D =破壊試験 ND =非破壊試験 IL =検査水準 AQL =合格品質限界

注 a) 簡易測定法として,室温及び室温より約 100 °C 高い温度の 2 点で測定してもよい。 なお,室温とは,標準状態の温度(15 °C~35 °C)をいう。

JIS Z 9015-1

13 JEITA RC-2144

附属書 A (規定)

取付けに使用する試験用基板 A.1 適用範囲

この附属書は,本体の 1.1(推奨する取付方法)に規定する取付けに使用する試験用基板について適用する。

注記 ソルダペーストを用いたはんだ付けには,JIS C 60068-2-58[表面実装部品のはんだ付け性,電極

の耐はんだ食われ性及びはんだ耐熱性試験方法]の 7.1.2 のはんだリフロー用ソルダペーストを

参考とする。

A.2 試験用基板 A

図 A.1―試験用基板 A

e a

b

0.15

f

d

e

a

b

c

0.15

d f c

図 A.2―試験用基板 A 試料実装部拡大図

(73/1005 用)

図 A.3―試験用基板 A 試料実装部拡大図

(73/1608,73/2012,73/3216,73/3225,73/5025,73/6332 用)

b

(12

.5)

130

40

斜線部:レジスト塗布

c f

単位 mm

>25 >25

14 JEITA RC-2144

表 A.1―試験用基板 A のランド寸法

寸 法 mm 形式

a b c d e f

73/1005 0.5 1.6 0.6 0.2 0.25 3.5

73/1608 1.0 3 1.2 0.3 0.25 4.5

73/2012 1.2 4 1.65 0.4 0.35 5.0

73/3216 2.2 5 2 0.4 0.5 7.1

73/3225 2.2 5 2.9 0.5 0.5 8.1

73/5025 3.2 7.6 3 0.5 0.6 10

73/6332 4 10 4 0.5 0.6 10

注記 1 基板は,JIS C 5201-1 の 4.31.1 による(ただし,本規格の附属書 1 の試験用基板 A は,試験用

基板の例)。材質は,ガラス布基材エポキシ樹脂積層板とし,銅はくの厚さは,公称 0.035 mm

とする。

注記 2 図の斜線の部分には,ソルダレジスト(はんだ耐熱性樹脂)を塗布する。

注記 3 図の括弧で示す寸法は,参考値とする。

注記 4 コネクタで接続する場合には,接続用端子に金めっきなど接触抵抗低減処置を施す。

注記 5 図 A.1 から図 A.3 に示した試験用基板は,参考図である。原則 4 端子測定ができるものとする。

同等の測定結果が得られれば,参考図以外のパターン及び寸法に替えてもよい。

A.3 試験用基板 B

図 A.4―試験用基板 B

130

ランド c

a

接続用端子(プリントコンタクト)f

>25

b

>25

(10) p

(10) p×2 n

単位 mm

n は,サンプル取付け数

15 JEITA RC-2144

表 A.2―試験用基板 B のランド寸法

寸 法 mm 形式

a b c d e f p

73/1005 0.5 1.6 0.6 0.2 0.25 3.5 10

73/1608 1.0 3 1.2 0.3 0.25 4.5 10

73/2012 1.2 4 1.7 0.4 0.25 5 10

73/3216 2.2 5 2 0.4 0.5 7.1 15

73/3225 2.2 5 2.9 0.5 0.5 8.1 15

73/5025 3.2 7.6 3 0.5 0.6 10 20

73/6332 4 10 4 0.5 0.6 10 20

注記 1 基板は,JIS C 5201-1 の 4.31.1 による(ただし,本規格の附属書 1 の試験用基板 B は,試験用

基板の例)。ガラス布基材エポキシ樹脂積層板では,銅はくの厚さは,公称 0.035 mm とする。

アルミナ基板ではアルミナ純度 90 %~98 %,公称厚さ 0.635 mm とする。取付けに関しては,

受渡当事者間の協議にて定めてよいものとする。

注記 2 図の斜線の部分には,ソルダレジスト(はんだ耐熱性樹脂)を塗布する。

注記 3 図の括弧で示す寸法は,参考値とする。

注記 4 コネクタで接続する場合には,接続用端子に金めっきなど接触抵抗低減処置を施す。

注記 5 図 A.4 から図 A.6 に示した試験用基板は,参考図である。原則 4 端子測定ができるものとする。

同等の測定結果が得られれば,参考図以外のパターン及び寸法に替えてもよい。

e

c

f

a

(0.15)

b

d

a b e 0.

15

c

f

図 A.5―試験用基板 B 試料実装部

拡大図(73/1005 用)

図 A.6―試験用基板 B 試料実装部

拡大図(73/1608,73/2012,73/3216,

73/3225,73/5025,73/6332 用)

d

16 JEITA RC-2144

A.4 接触形 4 端子抵抗値測定治具

図 A.7―接触形 4 端子抵抗値測定治具概念図

注記 1 測定治具は,4 端子測定ができること。

注記 2 測定治具は,各サイズの供試抵抗器に対応し位置を固定する試料位置決め測定部,4 端子測定

用の測定端子部,前記の各測定端子をデジタルマルチメータと接続する電流コード及び電圧測

定コードから構成される。

注記 3 測定端子が供試抵抗器電極の同じ位置に再現よく接触するように,測定端子の形状,寸法及び

試料台座構造が取り決められている。

注記 4 測定端子の供試抵抗器電極への押し当て荷重を取り決められている。

注記 5 測定端子及び試料台座の形状,並びに寸法は,供試抵抗器電極の同じ位置に再現よく接触する

ように,取り決める。測定端子,その他の部品の材質及び表面処理は,その耐久性,熱起電力

対策及び供試抵抗器の自己発熱の放熱を促す観点から検討し,取り決められている。

注記 6 抵抗器の受渡当事者間において取り決めた 4 端子測定治具を使用してもよい。

デジタルマルチメータ

測定治具

試料位置決め測定部

電圧測定

電流計 電源

測定端子部測定端子部

電圧測定コード 電流コード

測定試料

17 JEITA RC-2144

附属書 B (規定)

形名の構成 B.1 適用範囲

この附属書は,本体の 1.4(表示)に規定する形名の構成について適用する。

B.2 形名の構成

JIS C 5201-1 の附属書 1 の箇条 2(形名の構成)の規定によって次の構成とする。

例 RK 73/2012 U 2A R01 J E J T

B.2.1 抵抗器の種類を表す記号

JIS C 5201-1 の附属書 1 の 2.1 及び附属書 1 表 1 によって,金属皮膜抵抗器の記号は,RN とし,金属系

混合皮膜抵抗器の記号は,RK とする。

B.2.2 形状記号及び区分記号を表す記号

形状記号は,JIS C 5201-1 の附属書 1 の 2.2 及び附属書 1 付表 1 によって 73 とする。また,区分記号

は,本体の表 1A に規定する長さ(L)及び幅(W)の公称寸法を 4 数字で表した記号とする。

例 1.0(L) 0.5(W):1005

B.2.3 特性(温度係数)を表す記号

特性(温度係数)を表す記号は,JIS C 5602 によるほか,次による。

±100×10-6/K :記号 S

±250×10-6/K :記号 U

±500×10-6/K :記号 V

±1 000×10-6/K :記号 W

±1 500×10-6/K :記号 X

B.2.4 包装形態を表す記号

包装形態を表す記号は,次による。

テーピングのもの:記号 T

B.2.5 その他の記号は,JIS C 5201-1 の附属書 1 による。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

参考文献

EIAJ RCR-2112 低抵抗値の測定方法について

抵抗器の 種類を 表す記号

形状記号

及び区分

記号を

表す記号

特性 (温度 係数)を

表す記号

定格 電力を

表す記号

定格 抵抗値を

表す記号

定格 抵抗値の

許容差を

表す記号

評価水準

を表す 記号

安定性 クラスを

表す記号

包装形態

を表す

記号

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2010 年 4月発行

JEITA RC-2144

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