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2016.06.11 ©Creative Work Station Page 1 目 次 1.減価償却の方法を選択 ・償却方法と計算ルール ··················································· P.2 2.旧定額法、旧定率法の計算方法 ・平成 19 年 3 月 31 日以前に取得した資産 ···································· P.3 3.定額法、定率法による計算方法 ・平成 19 年 4 月 1 日以降に取得した資産 ····································· P.4 4.減価償却資産台帳の入力方法 ・前年が白色申告で、償却中の資産がある場合 ································ P.5 ・定率法を選択する場合 ···················································· P.6 1) 定率法の計算方法 2) 「改定取得価額」の入力方法 3) 耐用年数が2年の場合の入力方法 ・20 万円未満の資産を 3 年均等償却する場合 ·································· P.9 ・30 万円未満の資産を一括経費にする場合 (特例措置) ······················ P.10 ・資産を破棄・譲渡(売却)した場合 ········································ P.11 ・開業費の償却(繰延資産) ··············································· P.12 ・ソフトウェアの償却(無形固定資産) ····································· P.13 ・個人資産を事業へ転用した場合 ··········································· P.14 減価償却資産台帳の 入力マニュアル

減価償却資産台帳の 入力マニュアル...2016.06.11 ©Creative Work Station Page 5 事業年度: 19 年度 入力欄 →前年より No. 減価償却資産・ 繰延資産の名称

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2016.06.11

©Creative Work Station Page 1

目 次

■ 1.減価償却の方法を選択

・償却方法と計算ルール ··················································· P.2

■ 2.旧定額法、旧定率法の計算方法

・平成 19年 3月 31日以前に取得した資産 ···································· P.3

■ 3.定額法、定率法による計算方法

・平成 19年 4月 1日以降に取得した資産 ····································· P.4

■ 4.減価償却資産台帳の入力方法

・前年が白色申告で、償却中の資産がある場合 ································ P.5

・定率法を選択する場合 ···················································· P.6

1) 定率法の計算方法

2) 「改定取得価額」の入力方法

3) 耐用年数が2年の場合の入力方法

・20万円未満の資産を 3年均等償却する場合 ·································· P.9

・30万円未満の資産を一括経費にする場合 (特例措置) ······················ P.10

・資産を破棄・譲渡(売却)した場合 ········································ P.11

・開業費の償却(繰延資産) ··············································· P.12

・ソフトウェアの償却(無形固定資産) ····································· P.13

・個人資産を事業へ転用した場合 ··········································· P.14

減価償却資産台帳の

入力マニュアル

2016.06.11

©Creative Work Station Page 2

償却方法と計算ルール

減価償却費を計算する前に、償却方法の選択が必要です。償却する資産が、どれに該当するのかを

以下の表で確認してください。

減価償却の方法には、「定額法」「定率法」「一括償却(3年均等)」に「特例措置」を加えると4つの方

法があります。「定額法」「定率法」については、平成 19 年及び平成 23 年 12 月の税制改正で、取得

年月によって適用されるルールが違うため注意してください。

資産の金額が、20 万円未満は 3 年で均等償却、30 万円未満であれば、全額を一括経費(※特例措

置)にできますので、節税効果を考えて選択してください。特例措置は、毎年行われる税制改正で改

定されますので、必ずその年度の適用ルールをチェックしてください。

資産区分ごとの償却方法

区分 内容 償却方法 償却期間

減価償却資産

有形

固定資産

工具器具備品

車両運搬具

建物

建物付属設備

機械装置

●旧定額法/旧定率法

※平成 19年 3月 31日までに取得したもの 耐用年数

●定額法/定率法(200%、250%) ※平成 19年 4月 1日以後に取得したもの ※定率法の償却率の改正がありました。 平成 19年 4月 1日~平成 24年 3月 31日:250%定率法 平成 24年 4月 1日~:200%定率法

耐用年数

●一括償却(3年均等)

※20万円未満の資産 3年

●特例措置の適用

※30万円未満の資産

※適用期間:平成 30年 3月 31日まで

即時

無形

固定資産

ソフトウェア(※購入)

工業所有権

営業権

旧定額法

定額法

※残存価額ゼロ

5~10年

繰延資産

開業費

研究開発費

共同施設の負担金

建物を賃貸するため

の権利金など

定額法

※任意償却も可 5年

減価償却できない

資産

土地、借地権

電話加入権など 償却しない

※「定率法」「旧定率法」を選択する場合は、税務署へ届出書が必要になります。 ※特例措置は、期間限定の減税措置になります。税制改正で、改定される場合があります。 ※平成 19 年の法改正で、減価償却の期間が短縮され、全額を償却できるようになりました。改正内容が適用されるのは平成 19年 4月 1日以降に取得した資産になります。

1 減価償却の方法を選択

2016.06.11

©Creative Work Station Page 3

平成 19年 3月 31日以前に取得した資産の場合

平成 19年 3月 31日までに取得した資産は、改正前の償却ルール(旧定額法、旧定率法)に従って計

算します。償却方法に選択した場合は、計算ルールを理解しておいてください。

ソフトの「減価償却資産台帳」へ必要事項を入力いただくと、以下の計算を自動で行います。

【計算例】 平成 19 年 3 月取得 取得価額 180,000 円、耐用年数 4 年のパソコン

年数 旧定額法 旧定率法

計算ルール

取得価額×90%×旧定額法の償却率

耐用年数経過後、95%まで償却。

その後 5年間で 1円まで償却。

未償却残高×旧定率法の償却率 耐用年数経過後、(期首の未償却残高×償却率)が、(期首の未償却残高-取得価額×5%)より下回った年に 95%まで償却、その後 5年間で 1円まで償却。

耐 用 年 数 4年 4年

償 却 率 0.250 0.438

1年 180,000円×90%×0.250×10/12=33,750円

未償却残高:146,250円

180,000円×0.438×10/12=65,700円

未償却残高:114,300円

2年 180,000円×90%×0.250×12/12=40,500円

未償却残高:105,750円

114,300円×0.438×12/12=50,063円

未償却残高:64,237円

3年 〃

未償却残高:65,250円

64,237円×0.438×12/12=28,135円

未償却残高:36,102円

4年 〃

未償却残高:24,750円

36,102円×0.438×12/12=15,812円

未償却残高:20,290円

5年 24,750円-(180,000円×5%)=15,750円

未償却残高:9,000円

20,290円×0.438×12/12=8,887円

未償却残高:11,403円

6年

(9,000円-1円)÷5年=1,800円

未償却残高:7,200円

11,403円×0.438×12/12=4,994円

4,994円>11403円-償却限度額

11,403円-(180,000円×5%)=2,403円

未償却残高:9,000,円

7年 〃

未償却残高:5,400円

(9,000円-1円)÷5年=1,800円

未償却残高:7,200円

8年 〃

未償却残高:3,600円

未償却残高:5,400円

9年 〃

未償却残高:1,800円

未償却残高:3,600円

10年 1,800円-1円=1,799円

未償却残高:1円

未償却残高:1,800円

11年 1,800円-1円=1,799円

未償却残高:1円 ※年の中途で取得した資産は、その年に事業に使用した月数分の金額になります。

2 旧定額法、旧定率法の計算方法

2016.06.11

©Creative Work Station Page 4

平成 19年 4月 1日以降に取得した資産の計算例

平成 19 年 4 月 1 日以後に取得した資産は、改正後の償却ルールが適用になります。定率法につい

ては、償却率の改正があり、平成 24年 4月 1日以後は「200%定率法」になります。ソフトの「減価償

却資産台帳」へ必要事項を入力いただくと、以下の計算を自動で行います。

【計算例②】 平成 19 年 4 月取得 取得価額 150,000 円、耐用年数 4 年のパソコン

年の中途で取得した資産は、その年に事業に使用した月数分の金額になります。

年数 定額法 250%定率法 200%定率法

計算ルール 取得価額×定額法の償却率

耐用年数経過後、1円まで償却。

1) 未償却残高×定率法の償却率

2) 改定取得価額×改定償却率 償却額が、償却保証額に満たなくなった年分以後は、2)の計算式へ変更。耐用年数経過後、1円まで償却。

耐 用 年 数 4年 4年

償 却 率 0.250 0.625 0.500

改定償却率 1.000 1.000

償却保証率 0.05274 0.12499

償却保証額 150,000 円×0.05274=7,911 円 150,000 円×0.12499=18,749 円

1年 150,000円×0.250×9/12=33,750円

未償却残高:146,250円

150,000 円×0.625×9/12=70,313 円

未償却残高:79,687円

150,000 円×0.500×9/12=56,250 円

未償却残高:93,750円

2年 150,000円×0.250×12/12=45,000円

未償却残高:101,250円

79,687 円×0.625×12/12=49,805 円

未償却残高:29,882円

93,750 円×0.500×12/12=46,875 円

未償却残高:46,875円

3年 〃

未償却残高:56,250円

29,882 円×0.625×12/12=18,677 円

未償却残高:11,205円

46,875 円×0.500×12/12=23,438 円

未償却残高:23,437円

4年

未償却残高:11,250円

11,205円×0.625×12/12=7,004円

償却額:7,004 円<償却保

証額:7,911円

↓変更

11,205 円×1.000×12/12

=11,205円 →11,204円

※1円を残す。

未償却残高:1円

23,437 円×0.500×12/12=11,719 円

償却額:11,719 円<償却

保証額:18,749円

↓変更

23,437 円×1.000×12/12

=23,437円 →23,436円

※1円を残す。

未償却残高:1円

5年 11,250円-1円=11,249円

未償却残高:1円

節税効果の高い「定率法」で減価償却の計算をする場合は、確定申告期限までに税務署へ

「減価償却資産の償却方法の届出書」の提出が必要です。届出書を提出していない場合は、

「定額法」により計算を行います。

3 定額法、定率法による計算方法

2016.06.11

©Creative Work Station Page 5

事業年度: 19 年度

入力欄 →前年より

No.減価償却資産・繰延資産の名称

期首の未償却残高(前年末残高)

償却累計額面積又は数量

①取得価額 改定取得価額償却方法

耐用年数

円 円 年 月 円 円 年

例1 パソコン 198,438 51,562 1 18 2 250,000 旧定額 4

例2 パソコン 1 19 5 250,000 定率 4

例3 一括償却資産 1 19 5 180,000 3年均等

例4 編集機材 1 19 3 280,000 特例

1 パソコン 149,625 30,375 1 18 5 180,000 旧定額 4

2

3

選択入力▼

取得年月

入力欄

前年が白色で、償却中の資産がある場合

前年が白色申告で、償却中の資産がある場合には、「収支内訳書の減価償却の計算」の欄へ記入し

ている内容を、以下の手順で入力してください。

青色申告者になると、特例措置(※期間限定の減税措置)を使って、30 万円未満の資産を一括経費

にできます。ただし、対象となるのは購入年度になるため、償却中の資産には適用できません。ご注

意ください。

※「旧定額法」「旧定率法」で、取得価額の 95%まで償却した資産は、その翌年から向こう 5 年間で1

円まで均等償却していきます。

平成 10 年 4 月 1 日以後に取得した建物の償却方法は、「旧定額法」になります。「旧定率

法」は選択できません。

入力欄 入力欄 →次年度へ 入力欄

④本年中の使用期間

⑤本年分の普通償却費(②×③×④)

⑥割増(特別)償却費

⑦本年分の償却費合計(⑤+⑥)

⑧事業使用の割合

⑨必要経費への算入金額(⑦×⑧)

⑩期末の未償却残高

摘要

月数 円 円 円 % 円 円

12 56,250 56,250 50 28,125 221,875

8 73,000 73,000 100 73,000 177,000

- 60,000 60,000 100 60,000 120,000 レーザープリンター

- 280,000 280,000 100 280,000 0 措法28の2

12 40,500 40,500 100 40,500 109,125

4 減価償却資産台帳の入力方法

⑤「本年度中の使用期

間」が 12ヶ月になってい

るか確認してください

⑥「事業使用の割

合」を%で入力

②前期末の未償却残高

を「期首の未償却残高」

へ入力

25

24

24

24

24

③「償却方法」を、プルダウンメニューか

ら選択。※「定率法」の場合は、次ページ

の入力方法を参照してください

④ 「耐用年

数」を選択

①黄色マーカーのセルへ、資

産の名称、面積・数量、取得

年月、取得価額を入力

定額法

⑦「必要経費参入

額」と「期末の未償

却残高」を自動計算

2016.06.11

©Creative Work Station Page 6

定率法を選択する場合

耐用年数によって毎年同じ金額を償却していく「定額法」に対して、「定率法」は、購入年の償却額が

大きくなります。節税効果が期待できますが、減価償却制度の改正によって、「定率法」の計算が複

雑になってしまいました。「定率法」を選択する場合は、計算手順と「改定取得価額」の入力方法をご

確認ください。

1)定率法の計算方法

(1)取得した年度は、「取得価額×償却率×(使用月数/12)」で計算。

(2)翌年からは、「未償却残高×償却率×(使用月数/12)」で計算。

(3)その年の償却額が、「償却補償額(取得価額×償却保証率)」に満たなくなった年以後は、その年

の期首残高を「改定取得価額」として、償却額の計算式を「改定取得価額×改定償却率」へ変更。

均等償却へ切り替える。

(4)耐用年数を経過した年に備忘価格1円(※)まで償却。

※備忘価額1円とは: 経理上で、資産が残っていることを忘れないために残しておく帳簿

価額です。破棄又は譲渡した場合に「0」になります。

【計算例】

償 却 資 産 事務机

取 得 年 月 平成 19年 4月

取 得 価 額 150,000円

耐 用 年 数 8年

償 却 率 0.313 (※定率法の償却率)

改定償却率 0.334

償却保証率 0.05111

償却保証額 150,000円×0.05111=7,667円

償却費の計算式 取得価額*×償却率×使用月数(00/12) *2年目以後は、未償却残高。

変更後の計算式 改正取得価額×改定償却率

年数 1年 2年 … 6年 7年 8年 9年

取得価額(期首未償却残高) 150,000 114,788 … 25,571 17,568 11,701 5,834

償却費の額 35,212 35,928 … 8,003 6,645

改定償

却率によ

る計算

改定取得価額 17,568 17,568 17,568

償却費の額 5,867 5,867 5,833

期末未償却残高 114,788 78,860 … 17,568 11,701 5,834 1

償却額が「償却保証額:7,667 円」に

満たない年から、計算式が変更にな

ります

変更する年の期首残高を「改定取得

価額」として、均等償却に切り替わり

ます

耐用年数が経過し

た年に、1円まで

償却します

2016.06.11

©Creative Work Station Page 7

②償却の基礎になる金額

③償却率

改定償却率

償却保証率

償却保証額

④本年中の使用期間

⑤本年分の普通償却費(②×③×④)

円 円 月数 円

225,000 0.250 - - - 12 56,250

250,000 0.438 8 73,000

180,000 1/3 - - - - 60,000

280,000 - - - - - 280,000

17,568 0.313 0.334 0.05111 7,666 12 5,868

事業年度: 25 年度

入力欄 →前年より

No.減価償却資産・繰延資産の名称

期首の未償却残高(前年末残高)

償却累計額面積又は数量

①取得価額 改定取得価額償却方法

耐用年数

円 円 年 月 円 円 年

例1 パソコン 198,438 51,562 1 18 2 250,000 旧定額 4

例2 パソコン 1 19 5 250,000 定率 4

例3 一括償却資産 1 19 5 180,000 3年均等

例4 編集機材 1 19 3 280,000 特例

1 事務机 17,568 132,432 1 19 4 150,000 定率 8

2

3

選択入力▼

取得年月

入力欄

2)「改定取得価額」の入力方法

定率法は、償却額が「償却保証額」に満たなくなった年に、「償却の基礎となる金額」と「償却率」を変

更する作業が必要になります。

切り替えが必要な事業年度に至った場合は、「期首の未償却残高」を入力していただいた後に、「改

定取得価額」の入力欄がオレンジ色に変わります。マーカーされた「改定取得価額」へ「期首の未償

却残高」を手入力してください。変更後は、毎年、「改定取得価額」への入力が必要になります。

7,667

セルの色がオレンジ

に変わります。

17,568

②「改定取得価額」へ「期首の未償却残高」を

手入力してください。これ以後、この金額が

「改定取得価額」になります

①事業年度を確認して、期首の未償

却残高欄へ、前年末の残高を入力

してください

③償却率が変わり、償却費

の計算が、均等償却に切り

替わります

19 25

23

24

24

24

20

2016.06.11

©Creative Work Station Page 8

3)耐用年数が2年の場合の入力方法

定率法では、耐用年数が2年の場合は、「償却率/1.000」になるため、実質1年で減価償却できるこ

とになります。

【計算例②】 平成 25 年 1 月取得 取得価額 600,000 円、耐用年数 2 年の中古車

1月に取得した場合は、購入年に1円を残して、全額減価償却できます。2月以降に取得した場合は、

月割りになるため、2年で償却になります。

年数 250%定率法

耐 用 年 数 2年

償 却 率 1.000

改定償却率 -

償却保証率 -

1年

600,000円×1.000×12/12=600,000円

償却額 599,999円 ※備忘価額1円を残す。

未償却残高: 1円

2年 ※償却額 0円

未償却残高: 1円 ←

※備忘価額1円とは: 経理上で、資産が残っていることを忘れないために残しておく帳簿価額です。

破棄又は譲渡した場合に「0」になります。

減価償却資産台帳へ「定率法(250%、200%)/耐用年数2年」と入力いただくと、「改定取得価額」の

入力欄がオレンジ色に変わります。マーカーされた「改定取得価額」へ「取得価額」を手入力してくだ

さい。翌年も、「改定取得価額」への入力が必要になります。

セルの色がオレンジ

に変わります。

「改定取得価額」へ「取得価

額」を手入力してください。

25

25

2016.06.11

©Creative Work Station Page 9

事業年度: 19 年度

入力欄 →前年より

No.減価償却資産・繰延資産の名称

期首の未償却残高(前年末残高)

償却累計額面積又は数量

①取得価額 改定取得価額償却方法

耐用年数

円 円 年 月 円 円 年

例1 パソコン 198,438 51,562 1 18 2 250,000 旧定額 4

例2 パソコン 1 19 5 250,000 定率 4

例3 一括償却資産 1 19 5 180,000 3年均等

例4 編集機材 1 19 3 280,000 特例

1 パソコン 1 19 3 180,000 旧定額 4

2

3

選択入力▼

取得年月

入力欄

20万円未満の資産を 3年で均等償却する場合

10万円以上 20万円未満の資産は、耐用年数に関係なく、購入金額を 3年間で均等割りして、必要経

費にできます。この償却方法を選択すると、償却資産税の課税対象から除外されるメリットがありま

す。「3 年均等」を選択する場合は、資産の名称の欄へ、「一括償却資産」と入力して、摘要欄へその

資産内容を記入してください。

※一括償却資産: 本ソフトでは、便宜上償却内容を表して「3 年均等」と記載していますが、税法上で

3年均等償却を選択した資産を「一括償却資産」と呼んでいます。

25

入力欄 入力欄 →次年度へ 入力欄

④本年中の使用期間

⑤本年分の普通償却費(②×③×④)

⑥割増(特別)償却費

⑦本年分の償却費合計(⑤+⑥)

⑧事業使用の割合

⑨必要経費への算入金額(⑦×⑧)

⑩期末の未償却残高

摘要

月数 円 円 円 % 円 円

12 56,250 56,250 50 28,125 221,875

8 73,000 73,000 100 73,000 177,000

- 60,000 60,000 100 60,000 120,000 レーザープリンター

- 280,000 280,000 100 280,000 0 措法28の2

10 33,750 33,750 100 33,750 146,250

⑤「事業使用の

割合」を%で入

25

25

25

25

②「償却方法」は、プルダウンメ

ニューから「3年均等」を選択

①資産の名称へ「一括償却資

産」と入力。購入月は空欄のま

一括償却資産 3年均等

60,000 60,000 60,000 120,000 編集機材

③「耐用年数」は

空欄のまま

⑥「必要経費参入

額」と「期末の未償

却残高」を自動計算

⑦「摘要」へ資産内

容を記入

④ 「本年度中

の使用期間」

は空欄のまま

2016.06.11

©Creative Work Station Page 10

事業年度: 21 年度

入力欄 →前年より

No.減価償却資産・繰延資産の名称

期首の未償却残高(前年末残高)

償却累計額面積又は数量

①取得価額 改定取得価額償却方法

耐用年数

経過年数

残存割合

②償却の基礎になる金額

8

9

10 パソコン 1 21 2 180,000 特例 180,000

11 編集機材 21 540,000 特例 (明細は別途保管)

12

▼選択入力

取得年月

入力欄

30万円未満の資産を一括経費にする場合の入力方法

青色申告者を対象にした減税措置に、平成 15年 4月 1日から平成 26年 3月 31日までに取得した

減価償却資産で 30万円未満であれば、合計 300万円まで一括経費にできるという特例があります。

この適用を受けて、購入した年に全額を経費にする場合は、行 No.16~20へ入力してください。

※行 No.1~15 は、定額法・定率法、旧定額法・旧定率法、一括償却(3 年均等)が、自動計算されま

す。No.11~15は、「本年度の使用期間」がプルダウンメニューから選択できます。

特例措置は、期間限定の減税措置のため、税制改正で、延長・廃止されることがあります。

必ず申告年度の税制を確認してください。

②償却方法へ「特

例」と入力

※資産が複数ある場合は、「資産の名称」へ「○○

他」と記入した上、「取得価額」へ合計金額を入力し

てください

入力欄 入力欄 →次年度へ 入力欄

④本年中の使用期間

⑤本年分の普通償却費(②×③×④)

⑥割増(特別)償却費

⑦本年分の償却費合計(⑤+⑥)

⑧事業使用の割合

⑨必要経費への算入金額(⑦×⑧)

⑩期末の未償却残高

摘要

180,000 180,000 100 180,000 0 措法28の2

540,000 540,000 100 540,000 0 措法28の2

※「償却の基礎になる金

額」へ「(明細は別途保

管)と記入

④「本年分の普通

償却費」へ取得価

額を入力

⑤「事業使用の割

合」を%で入力

③「償却の基礎にな

る金額」へ取得価額

を入力

⑥「摘要」へ「措法

28の 2」と入力

25

25 3

①行 No.16~20 へ

入力してください

14

15

16

17

18

18

2016.06.11

©Creative Work Station Page 11

事業年度: 21 年度

入力欄 →前年より

No.減価償却資産・繰延資産の名称

期首の未償却残高(前年末残高)

償却累計額面積又は数量

①取得価額 改定取得価額償却方法

耐用年数

6

7 パソコン 84,375 65,625 1 19 4 150,000 定額法 4

8

9

10

▼選択入力

取得年月

入力欄

入力欄 入力欄 入力欄 次年度へ→ 入力欄

④本年中の使用期間

⑤本年分の普通償却費(②×③×④)

⑥割増(特別)償却費

⑦本年分の償却費合計(⑤+⑥)

⑧事業使用の割合

⑨必要経費への算入金額(⑦×⑧)

⑩期末の未償却残高

摘要

7 21,875 21,875 100 21,875 0

資産を破棄・譲渡(売却)した場合

減価償却中のパソコンが壊れて破棄した、車や機材を譲渡(売却)した場合には、帳簿上の資産残高

を「0」にする処理を行います。次のような手順で入力してください。 3年で均等償却している「一括償却資産」は、破棄・売却後も 3年で償却を行います。

【入力例】 定額法で償却中のパソコンを、7月に破棄

・本年度の使用期間: 1月~7月までの 7 ヶ月

・期末の未償却残高: 破棄したため「0」になる

【仕訳例】 償却費の記帳方法

帳簿上には、「期首の未償却残高: 84,375 円」が、「器具工具備品」の残高として残っています。これ

を次の科目で仕訳して、帳簿の残高を「0」にします。入力は「決算仕訳入力」から行います。 ・破棄した 7月までの「償却額 21,875円」 → 「減価償却費」で経費へ

・「期首残高 84,375円-償却額 21,875=62,500円」 → 「固定資産除却損」で経費へ

取引内容 借方 貸方

パソコンの減価償却費 減価償却費 21,875 工具器具備品 21,875

パソコンを破棄した 固定資産除却損 62,500 工具器具備品 62,500

※「固定資産除却損」を使用する場合は、経費の勘定科目へ追加してください。

①行 No.11~15 へ

入力してください

④「事業使用

の割合」を%

で入力

②「資産の名称」「期首の未

償却残高」ほか、必要事項を

入力

破棄・譲渡した場合 年の途中で、破棄・譲渡した場合は、プルダウンメニューから「0」を選択してください。

62.500 0

⑤「減価償却

費」の金額

3 4 5 6 7 8 ▼

③プルダウンメ

ニューから「7ヶ

月」を選択

⑥プルダウンメニューから「0」

を選択 ※クリックすると、右の

メッセージが表示されます

⑦「摘要」へ「平

成 21 年7月、破

棄」と記入

11

12

13

22

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事業年度: 21 年度

入力欄 →前年より

No.減価償却資産・繰延資産の名称

期首の未償却残高(前年末残高)

償却累計額面積又は数量

①取得価額 改定取得価額償却方法

耐用年数

経過年数

残存割合

②償却の基礎になる金額

10 開業費 1 21 2 350,000 定額 5 350,000

11

12

▼選択入力

取得年月

入力欄

入力欄 入力欄 入力欄 次年度へ→ 入力欄

④本年中の使用期間

⑤本年分の普通償却費(②×③×④)

⑥割増(特別)償却費

⑦本年分の償却費合計(⑤+⑥)

⑧事業使用の割合

⑨必要経費への算入金額(⑦×⑧)

⑩期末の未償却残高

摘要

11 64,167 64,167 100 64,167 285,833

開業費の償却 (繰延資産)

「開業費」は、(経費ではなく)その支出の効果が 1 年以上の期間に及ぶものということで「繰延資産」

という扱いになります。「繰延資産」も、減価償却資産台帳へ記帳が必要です。償却方法は、減価償

却資産と同じように、決められた償却期間で必要経費に繰り入れていきます。開業費の償却期間は 5

年です。しかし、任意償却が認められているため、以下の計算方法によらずに、任意の金額を必要経

費にすることができます。例えば、開業年に全額を必要経費にすることもできます。

【計算ルール】 繰延資産の償却費の計算方法

●開業費を定額法(5年)で償却する場合

支出合計金額÷償却期間 5年×(本年中に事業に使用した月数)/12

【入力例】 平成 25年 2月に開業、開業費 350,000円、定額法で償却

・本年度の使用期間: 2月~12月までの 11 ヶ月

・本年分の普通償却費の計算: 350,000÷5年×11/12 ヶ月=64,167円 (※端数切り上げ。)

【仕訳例】 償却費の記帳方法

以下の仕訳を入力すると、「開業費」から償却分が差し引かれ、経費に繰り入れられます。

入力は「決算仕訳入力」から行います。

取引内容 借方 貸方

開業費償却 開業費償却 64,167 開業費 64,167

※「開業費償却」を使用する場合は、経費の勘定科目へ追加してください。

②「取得年月」へ開業年月を、

「取得価額」と「償却の基礎にな

る金額」へ合計金額を入力

③ ※5 年間で均等償却の場合は、「償却方

法」へ「定額」、耐用年数へ「5」と入力。行

No.10~12は、手入力になります

⑥「事業使用

の 割 合 」 へ

100%を入力

⑦「期末の未

償却残高」が

表示される

7 8 9 10 11 12

④プルダウンメ

ニューから「11

ヶ月」を選択

⑤「本年分の普

通償却費 」 へ

64,167円を入力

16

17

18

①開業費は、行 No.16~

20へ入力してください

25

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ソフトウェアの償却(無形固定資産)

10万円以上のソフトウェアは、無形固定資産になるため、資産へ計上して減価償却を行っていきます。

購入したソフトウェアの耐用年数は5年で、定額法で償却していきます。

購入金額が 20 万円未満の場合は「3 年均等償却」、30 万円未満の場合は「特例措置により一括経

費」にすることもできます。

● 「3年均等償却」する場合 → P.8を参照してください

● 「特例措置により一括経費」にする場合 → P.9を参照してください

5年の定額法で償却する場合は、次のような計算方法になります。

【計算ルール】 無形固定資産の定額法の計算方法

●ソフトウェアを定額法(5年)で償却する場合

支出合計金額÷定額法(5年)の償却率 0.200×(本年中に事業に使用した月数)/12

【入力例】 平成 25年 2月に 350,000円で購入、定額法(※残存価格ゼロ)で償却

・本年度の使用期間: 2月~12月までの 11 ヶ月

・本年分の普通償却費の計算: 280,000×0.200×11/12 ヶ月=51,334円 (※端数切り上げ。)

減価償却資産台帳への入力方法は、開業費と同様になります。P.12を参照してください。

残存価額ゼロで計算するため、自動計算の「定額法」の欄は使用できません。入力欄にご注意くださ

い。

【仕訳例】 償却費の記帳方法

購入時の仕訳を入力する際、勘定科目は「ソフトウェア」になります。初期登録されていないため、「勘

定科目の設定」にて資産の勘定科目へ追加してください。

次に、決算の際に「減価償却費」を経費へ繰り入れる仕訳パターン(以下)を、「仕訳パターンの設定

/決算処理」の区分へ追加してください。

以上、追加登録いただくと、「決算仕訳入力」から選択入力できるようになります。決算仕訳を入力す

ると、資産へ計上した購入金額から償却分が差し引かれ、経費に繰り入れられます。

取引内容 借方 貸方

ソフトウェアの償却 減価償却費 51,334 ソフトウェア 51,334

2016.06.11

©Creative Work Station Page 14

入力欄 入力欄 入力欄 次年度へ→ 入力欄

④本年中の使用期間

⑤本年分の普通償却費(②×③×④)

⑥割増(特別)償却費

⑦本年分の償却費合計(⑤+⑥)

⑧事業使用の割合

⑨必要経費への算入金額(⑦×⑧)

⑩期末の未償却残高

摘要

7 21,875 21,875 100 21,875 0

個人資産を事業へ転用した場合

自宅を事務所にしている場合(※)、自家用の車を仕事にも使う場合は、経理上で、それら個人の資

産を事業へ転用(譲渡)する処理を行うと、減価償却費を経費にすることができます。

※住宅ローン控除を「居住用 100%」で申請している場合は、事業の経費にできません。

【計算ルール】 事業へ転用する手順と計算方法

計算事例: 平成 22年 3月に 120万円で購入した自動車 耐用年数:4年

平成 25年 6月に事業へ転用 ① 個人使用期間の減価償却額を計算

(取得金額-残存価額 10%)×償却率×使用期間=個人使用期間の減価償却額

(1,200,000円-1,200,000円×10%)×0.166×3年=537,840円

※償却率: 耐用年数4年×1.5=6年 耐用年数6年の旧定額法の償却率: 0.166

耐用年数を 1.5倍して、1年未満の端数がある場合は切り捨て。

※個人使用年数: 6ヶ月以上は1年とし、6ヶ月未満は切り捨て。 ② 事業転用時の資産価値(未償却残高)を計算

取得金額-個人使用期間の減価償却額=未償却残高

1,200,000円-537,840円=662,160円

【入力例】 減価償却資産台帳への入力方法

・本年度の使用期間: 6月~12月までの 7 ヶ月

・償却方法: 定額法/事業使用の割合: 60% の場合

事業年度: 21 年度

入力欄 →前年より

No.減価償却資産・繰延資産の名称

期首の未償却残高(前年末残高)

償却累計額面積又は数量

①取得価額 改定取得価額償却方法

耐用年数

6

7 パソコン 84,375 65,625 1 19 4 150,000 定額法 4

8

9

10

▼選択入力

取得年月

入力欄

11

12

13

21 3

1,200,000

自動車 662,160

537,840

▼ 破棄・譲渡した場合 年の途中で、破棄・譲渡した場合は、プルダウンメニューから「0」を選択してください。

3 4 5 6 7 8

487,160 0

①行 No.11~15 へ

入力してください

⑤「事業使用

の割合」を%

で入力

②「期首の未償却

残高」へ転用時の

未償却残高を入力

⑥「減価償却

費」の金額が

自動表示

④プルダウンメ

ニューから使

用月数を選択

⑦「期末の未償却残高」のセ

ルをクリックして、プルダウン

メニューから残高を選択

③「取得年月」「取得価

額」「償却方法」「耐用

年数」を入力

175,000

175,000

60

105,000

487,16

0

2016.06.11

©Creative Work Station Page 15

【仕訳例】 仕訳帳への記帳方法

事業へ転用する際の仕訳は、未償却残高を資産へ計上します。

取引内容 借方 貸方

車(事業へ転用) 車両運搬具 662,160 事業主借 662,160

減価償却費を経費に繰り入れる際、家事使用分がある場合は、年間の減価償却額のうち、事業使用

分を「減価償却費」として経費へ、家事使用分は個人の費用として次のように入力します。

入力は「決算仕訳入力」から行います。

取引内容 借方 貸方

車の減価償却費(事業使用分) 減価償却費 (事業分) 車両運搬具 (事業分)

車の減価償却費(家事使用分) 事業主貸 (家事分) 車両運搬具 (家事分)