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品質管理基準書 ( CPC-B3 )

品質管理基準書 - unit.aist.go.jp · 標準品の品質確保に関する事項 標準品は「購買管理基準書」に基づき選定した業者から入手する。また、説明書に従

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品質管理基準書

( CPC-B3 )

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目 次

1. 目的························································································ 2

2. 適用範囲 ················································································· 2

3. 責任体制 ················································································· 2

4. 管理事項 ················································································· 2

4-1. 検体の採取及び保管管理に関する事項 ······································· 2

4-2. 参考品の採取及び管理に関する事項 ·········································· 2

4-3. 試験方法に関する事項····························································· 2

4-4. 試験委託に関する事項····························································· 3

4-5. 試験結果の判定に関する事項 ··················································· 4

4-6. 再試験を必要とする場合の取り扱いに関する事項 ························ 4

4-7. 試験記録の作成と維持管理に関する事項 ···································· 5

4-8. トレーサビリティに関する事項 ················································ 5

4-9. 標準品の品質確保に関する事項 ················································ 5

4-10. 試験に関する設備/機器の点検整備(計測機器の校正を含む)に

関する事項 ··········································································· 5

4-11. 器具滅菌に関する事項 ··························································· 6

4-12. 試験に携わる要員の認定に関する事項 ······································ 6

4-13. 参考データの取得に関する事項 ··············································· 6

5. 記録様式 ················································································· 6

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1. 目的 この品質管理基準書(以下、本基準書とする)は産業技術総合研究所 健康工学研

究部門 組織・再生工学研究グループ(以下、CPC とする)において製造された製品

の品質を評価する方法として、サンプリング方法、試験方法、結果判定方法、試験

記録の維持と管理等の遵守すべき基準を規定として定めるものである。

2. 適用範囲

CPC で製造される製品及び試料、中間体(中間製品)等の品質評価にかかわるすべて

の事項に適用する。

3. 責任体制

品質管理責任者が CPC における品質管理に関する責任と権限を有する。

4. 管理事項

4-1 検体の採取及び保管管理に関する事項

試料、中間体(中間製品)、製品を試験する場合の検体採取方法を「サンプリングに関

する手順書」及び「試液の調製と管理に関する手順書」に定める。手順書には、製品

の品質を管理するため対象物毎に設定したサンプリング場所、採取時期、採取量、ロ

ットが代表されるような採取方法を記載する。

検体は当該の試液又は製品に関する全ての試験(再試験、確認試験などを含む)が終

了するまで保管し、その後「廃棄物に関する手順書」に従い分別、廃棄する。

保管場所、保管条件は各試験法に関する手順書に定める。

4-2 参考品の採取及び管理に関する事項

CPC で製造される製品に関して、受領者からの苦情が発生した場合等に行う試験に必

要な参考品を採取・保管する。参考品を採取する時期、量及びその管理方法は「参考

品の採取及び保管管理に関する手順書」に定める。

4-3 試験方法に関する事項

・新しい試験法を採用する場合には、その試験方法を十分に評価・検証し、その結果を

もって採用するものとする。

・試験は、管理責任者の承認を得て制定された標準操作手順書に従い実施する。

① エンドトキシン試験法

1. 目的

エンドトキシンは、グラム陰性桿菌の細胞膜に存在するリポ多糖体(LPS)であ

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り、生体レベル、細胞レベル、分子レベルで多様な生物活性を示すが、とりわけ

生体レベルでは発熱の代表的な原因物質(パイロジェン)として知られている。

エンドトキシンが体内に入ると発熱やショックなどを引き起こすことから、注射

薬、輸液など、非経口医薬品の製造時には製品製剤中にパイロジェンが混入して

いないことを確認することが安全性確保のために必須となっている。また、注射

器、人工臓器、透析膜などの医療用具の製造においてもパイロジェンの混入防止

とその確認作業が不可欠となる。よって CPC で製造される製品に対してエンドト

キシン試験法を採用する。

2. 方法

「エンドトキシン試験に関する手順書」に従う。

② 無菌試験法

1. 目的

ヒト細胞を用いた医療用具については、ヒトに感染症を引き起こす可能性のある

病原菌が混在しないことを保証する必要がある。よって、CPC で製造される製品

に対して無菌試験法を採用する。

2. 方法

「無菌試験に関する手順書」に従う。

③ マイコプラズマ否定試験法

1. 目的

マイコプラズマは、無細胞壁の原核生物で、人工培地に発育可能な最小の微生物

である。汚染されても細胞障害性を示すことは少なく、不顕性感染となるため見

過ごされやすい。一方でマイコプラズマの汚染により、細胞本来の機能や性質が

様々に影響を受けることが知られており、ヒト細胞を用いた医療用具に汚染細胞

が混入することは重大な医療事故を招く可能性がある。また、一度マイコプラズ

マに汚染された細胞から完全にマイコプラズマを除去することは極めて困難であ

る。従ってヒト細胞を用いた医療用具については、高感度で迅速なマイコプラズ

マ否定試験を行い、汚染されていないことを確認する必要がある。よって、CPC

で製造される製品に対してマイコプラズマ否定試験法を採用する

2. 方法

「マイコプラズマ否定試験に関する手順書」に従う。

4-4 試験委託に関する事項

試験を外部委託する場合は、「購買管理基準書」基づき評価・選定された委託先に委託

する。予め委託先候補の組織、責任体制、試験設備などを確認し、試験条件、報告形

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式を打ち合わせておき、試験が指示した手順書通りに行われることを確実にする。

試験条件、方法および合否基準は各試験法に関する手順書に定める。

4-5 試験結果の判定に関する事項

試験実施者は、得られた試験結果が正しいことを確認するため、各試験手順の最後に実

施した試験方法、手順に間違いがないか以下の項目について再確認を行った上で、結果

判定を行う。

判定基準は各試験法に関する手順書に定める。

問題があった場合、品質管理責任者に報告の上、再試験などを検討する。

a) 施設内試験の確認項目

1. 機器・試薬の確認

・使用した機器に間違いは無いか

・機器の校正は行われているか、校正有効期間内であるか

・使われた標準品に問題はないか(有効期限等)

・使われた試薬に問題はないか(品名、量、有効期限等)

2. 記録の確認

・チェック項目に洩れはないか

・記載すべき欄に空欄はないか

・逸脱した手順はないか

b) 委託試験の確認項目

1. 報告書の確認

・サンプル名は正しいか

・試験方法、条件は指示した通りであるか

・委託先の試験実施者および責任者のサインがあるか

・品質管理責任者の受け入れ承認印があるか

問題があった場合、再試験等を検討すると同時に、委託先に対して問題提起を

行い、修正または是正措置を要求する。

2. 記録の確認

・チェック項目に洩れはないか

・記載すべき欄に空欄はないか

・逸脱した手順はないか

判定後に試験実施者以外の者が、同様の内容確認及び判定に間違いがないかを確認する、

二重チェック体制とする。結果は品質管理責任者が承認する。

4-6 再試験を必要とする場合の取り扱いに関する事項

再試験を実施する場合の必要な事項を各試験法に関する手順書に定める。

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4-7 試験記録の作成と維持管理に関する事項

試験結果を説明するために、オリジナルデータを含む文書記録を作成する。試験の記録

は試験実施者が作成し、品質管理責任者が承認する。詳細は各試験法に関する手順書に

定める。

製品に関する記録は症例ファイルへ、試液に関する記録は試薬・物品管理ファイルへ保

管する。

また、当該の製品についての安全性試験の結果をまとめた文書(品質試験成績書:様式

CPC-B3-1)を作成し、製品受領者に提出するとともにコピーを症例ファイルへ保管する。

4-8 トレーサビリティに関する事項

安全性試験に用いる試薬、消耗品、機器類はロット番号、使用日の記録を元に全て追跡

可能な状態を保つため、以下のように定める。

1) 使用品の制限

・試薬・消耗品類は、「購買管理基準書」に基づき購入したものを使用する。

・機器類は「機器管理台帳(品質管理機器リスト)」に記載されたものを使用する。

2) 使用の記録

・試薬類は試験実施時にロット番号、有効期限などの情報を各試験記録用紙に記入す

ることにより明確にする。

・ピペット等の消耗品類は、各症例(または各調製試薬)ごとに、必要な情報を「物

品使用記録」(様式 CPC-B3-2)に記入し、症例ファイル(または試薬物品管理ファイ

ル)に綴る。

・機器類は各機器の Log Book に保守状況を記録することにより管理する。

上記以外のもの(機器点検・校正中の代替機など)を使用した時は各試験記録用紙に

特記事項として記載する。

4-9 標準品の品質確保に関する事項

標準品は「購買管理基準書」に基づき選定した業者から入手する。また、説明書に従

い指示された保存期間・保存条件・使用期限などを遵守し、保管管理する。

その製品の性質上、標準品の入手が困難な場合は、製品標準書に記載しておく。

4-10 試験に関する設備/機器の点検整備(計測機器の校正を含む)に関する事項

試験設備及び機器は、設置時に予測的バリデーションを行い、また、定期的に、「品質

管理に使用する機器の点検整備及び校正に関する手順書」に基づき点検、校正を行っ

て、適切に作動していることを確認しておく。

不適切な場合は、修理またはその他の処置を行い適切な作動を確保する。

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4-11 器具滅菌に関する事項

CPC において直接製品に触れる器具についての無菌性を担保するため、使用前に滅菌を

行う。器具の滅菌手順、確認方法等は「器具滅菌に関する手順書」に定める。

4-12 試験に携わる要員の認定に関する事項

試験に携わる要員は「教育訓練基準書」に基づき教育・訓練及び認定を受けた者でなけ

ればならない。認定の有無は作業員力量表に示す。

4-13 参考データの取得に関する事項

製品の品質を評価する試験として性能評価試験および表面抗原解析を行う。ただし試

験結果は参考データとして取り扱い、搬出判定には使用しない。方法は「性能評価試

験に関する手順書」および「表面抗原解析に関する手順書」に従う。

5. 記録様式

CPC-B3-1 品質試験成績書

CPC-B3-2 物品使用記録

CPC-B3-3 試験フローチャート

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サンプリングに関する手順書

( CPC-B3-01 )

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1. 目的 CPC において製造される製品の品質管理に使用するサンプルの採取(サンプリング)に関す

る手順を記す。

2. 適用範囲 CPC から搬出される製品に適用する。

3. 責任体制 品質管理責任者がサンプリングに関する責任と権限を有する。 本手順書は、作業担当者が作成し、管理責任者が承認するものとする。

4. 遵守事項 品質管理基準書に基づき下記の手順書を遵守する。

5. 手順 下記の手順に従い、培養担当者がサンプリングする。 (人工足関節の場合:K1~K10、軟骨再生用間葉系細胞の場合:C1~C10、間葉系幹細胞の

場合:S1~S6) サンプリング後は試験担当者に引き渡すまで、培養担当者がサンプルの培養その他の処置を行う。

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<調製試薬のサンプリング>

<間葉系幹細胞症例(S)のサンプリング>

サンプリング工程 対象 量 サンプル記載事項 試験項目

TrypLE Select 分注時 通し番号が最大の物 5 mL 日付、TrypLE、(通し番号) 無菌

TCプロテクター 分注時 通し番号が最大の物 5 mL 日付、TC、(通し番号) 無菌

Heparin/PBS 調製時 通し番号が最大の物 3 mL 日付、Hepa/P、(通し番号) 無菌

作業者の手指 - 日付、Hepa/P、手指 (付着菌)

β-Glycerophosphate 調製時 通し番号が最大の物 8 mL 日付、bGP、(通し番号) 無菌・エンドトキシン

Vitamin C phosphate 調製時 通し番号が最大の物 8 mL 日付、VitC、(通し番号) 無菌・エンドトキシン

Dexamethasone 調製時 通し番号が最大の物 8 mL 日付、Dex、(通し番号) 無菌・エンドトキシン

FBS 分注時 参考品用に分注 1 mL 日付、FBS、(通し番号) -

検査用に分注 10 mL 日付、FBS、(通し番号) 無菌

No. 対象 量 サンプル記載事項 試験項目

S1 FBS培地調製 1: FBSの解凍 FBS 1 mL 日付、症例ID、参考品(1) -

S2 ↓ 2: FBS培地の調製 培養上清 15 mL 日付、症例ID、検査Ⅰ 無菌・エンドトキシン

S3 細胞培養工程(1次) 1: 骨髄の播種 骨髄 5 mL 日付、症例ID、検査Ⅱ 無菌

S4 ↓ 3: 細胞の回収 培養上清 10 mL 日付、症例ID、検査Ⅲ 無菌

S5 細胞培養工程(2次) 1: フラスコへの播種 細胞 2×106 cells 日付、症例ID、性能評価・FACS F1 性能評価・FACS

S6 ↓ ↓ ↓ 5×105 cells 日付、症例ID、マイコプラズマ マイコプラズマ

S7 ↓ 2: 細胞の増殖 培養上清(MC前) 20 mL 日付、症例ID、検査Ⅳ-1 無菌

S8 ↓ ↓ 培養上清(MC後) 20 mL 日付、症例ID、検査Ⅳ-2 無菌

S9 ↓ 3: 細胞の回収 培養上清 10 mL 日付、症例ID、検査Ⅴ-1 無菌

S10 ↓ ↓ 搬出細胞 10 mL 日付、症例ID、検査Ⅴ-2 無菌・エンドトキシン

S11 ↓ ↓ ↓ 2×106 cells 日付、症例ID、性能評価・FACS F2 性能評価・FACS

S12 ↓ ↓ ↓ 5×105 cells 日付、症例ID、参考品(2) -

S13 ↓ ↓ 未使用培地 1 mL 日付、症例ID、参考品(3) -

S14 ↓ ↓ PBS 1 mL 日付、症例ID、参考品(4) -

サンプリング工程

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5-1. 血清分離時 ・培地調製前の自己血清または FBS を 2mLクライオチューブに必要量サンプリングする。 ・チューブに日付、症例 ID、「参考品(1)」を記載する。 ・作業終了後、培養室より持ち出す。 ・細胞保存室で保管する(-80℃保存)。

5-2. 培地調製時 ・調製した培地のボトルから等量づつ培地を抜き取り、一本の 50 mLファルコンチューブに

必要量サンプリングする。 ・チューブに日付、症例 ID、「検査 I」を記載する。 ・作業終了後、培養室より持ち出す。 ・サンプルを E 棟検査室(1012)へ運び、試験担当者へ連絡する(室温保存)。 ・試験担当者は無菌試験に使用した後、エンドトキシン試験用サンプルを分取する。

5-3. 細胞培養工程(1 次)ステップ 1:骨髄播種時 ・骨髄を 50 mLファルコンチューブにプールした後、骨髄が入っていたアシストチューブに

それぞれ必要量の PBS を加える。 ・チューブに日付、症例 ID、「検査Ⅱ」を記載する。 ・作業終了後、培養室より持ち出す。 ・サンプルを E 棟検査室(1012)へ運び、試験担当者へ連絡する(室温保存)。

5-4. 細胞培養工程(1 次)ステップ 3 :間葉系細胞の回収時 ・細胞剥離前のフラスコから培養上清を抜き取る。同条件で培養中のフラスコすべてから一

本の 50mLファルコンチューブに必要量サンプリングする。 ・チューブに日付、症例 ID、「検査Ⅲ」を記載する。 ・作業終了後、培養室より持ち出す。 ・サンプルを E 棟検査室(1012)へ運び、試験担当者へ連絡する(室温保存)。

5-5. 細胞培養工程(2 次)ステップ 1: フラスコへの播種時 5-5-1. 性能評価・FACS (※参考試験:細胞数に余裕があるときのみ行う) ・細胞浮遊液(2 x 106 cells)を 15 mLファルコンチューブにサンプリングする。 ・チューブに日付、症例 ID、「性能評価・FACS A1 又は F1」を記載する。 ・培養室より持ち出す。 ・E 棟実験室に移動する。

5-5-1-1. 性能評価 ・E 棟実験室にて 2.4×105 cells を 50 mLファルコンチューブに分取し、total 18mL になる

よう FBS 培地を加え、1.5 mL/well で 12 well plate に播種する。 ・プレートに日付、症例 ID、「性能評価 A1 又は F1」、試験日を記載する。試験日は播

種後 14 日目とし、試験(予定)日を試験担当者に伝える。。

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・試験日まで培養担当者が培養(37℃, 5%CO2 )を行う。 ・播種翌日、下図に従い well No.1-No.5 および No.7-No.11 にカルセインを、well No.7-

No.12 に添加因子を加える。

・培養終了後(14 日目)、試験担当者へ連絡する。

5-5-1-2. 表面抗原解析 ・分取した残りの細胞を FACS 解析に用いる。細胞数は 1.5×106 cells 以上とする。 ・チューブに日付、症例 ID、「FACS A1 又は F1」を記載する。 ・サンプルを E 棟検査室(1012)へ運び、試験担当者へ連絡する(4℃保存)。

5-5-2.マイコプラズマ否定試験 ・細胞浮遊液(5 x 105 cells)を 15 mLファルコンチューブにサンプリングする。 ・total 4 mL になるよう自己血清培地を加え、6 well plate の 2 well に播種する(2 mL/well)。 ・プレートに日付、症例 ID、「マイコプラズマ」、試験日を記載する。試験日は最終培地

交換日とする。 ・試験日まで培養担当者が培養(培地交換)を行う。 ・培養終了後、プレートをアルミ箔に包んで培養室より持ち出す。 ・サンプルを E 棟検査室(1012)へ運び、試験担当者へ連絡する(室温保存)

5-6. 細胞培養工程(2 次)ステップ 2:間葉系幹細胞の増殖時 5-6-1. 培地交換前 ・培養中のフラスコから培養上清を抜き取る。同条件で培養中のフラスコすべてから一本の

50 mLファルコンチューブに必要量サンプリングする。 ・チューブに日付、症例 ID、「検査Ⅳ-1」を記載する。 ・作業終了後、培養室より持ち出す。 ・サンプルを E 棟検査室(1012)へ運び、試験担当者へ連絡する(室温保存)。 ・試験担当者は無菌試験に使用した後、マイコプラズマ否定試験用サンプルを分取する。 5-6-2. 培地交換後 ・培地交換の際、あらかじめ採取量を上乗せした分量の培地を入れる。フラスコが複数ある

場合、等量づつ入れる。 ・ゆっくりと撹拌した後、フラスコから培養上清を抜き取る。同条件で培養中のフラスコす

べてから一本の 50 mLファルコンチューブに必要量サンプリングする。 ・チューブに日付、症例 ID、「検査Ⅳ-2」を記載する。 ・作業終了後、培養室より持ち出す。

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・サンプルを E 棟検査室(1012)へ運び、試験担当者へ連絡する(室温保存)。

5-7. 細胞培養工程(2 次)ステップ 3 :間葉系幹細胞の回収時 5-7-1. 細胞の無菌試験 ・細胞剥離前のフラスコから培養上清を抜き取る。同条件で培養中のフラスコすべてから一

本の 50mLファルコンチューブに必要量サンプリングする。 ・チューブに日付、症例 ID、「検査 V-1」を記載する。 5-7-2. 搬出細胞の無菌試験 ・移植用細胞浮遊液を移し替えた後の 50 mLファルコンチューブに日付、症例 ID、「検査

V-2」を記載する。 ・試験担当者は「検査 V-2」を無菌試験に使用した後、エンドトキシン試験用サンプルを 分取する。

5-7-3. 性能評価・FACS (※参考試験:細胞数に余裕があるときのみ行う) ・細胞浮遊液(2 x 106 cells)を 15 mLファルコンチューブにサンプリングする。 ・チューブに日付、症例 ID、「性能評価・FACS F2」を記載する。 ・培養室より持ち出す。 ・E 棟実験室に移動する。

5-7-3-1. 性能評価 ・E 棟実験室にて 2.4×105 cells を 50 mLファルコンチューブに分取し、total 18mL になる

よう FBS 培地を加え、1.5 mL/well で 12 well plate に播種する。 ・プレートに日付、症例 ID、「性能評価 F2」、試験日を記載する。試験日は播種後 14日目とする。

・試験日まで培養担当者が培養(37℃, 5%CO2 )を行う。 ・播種翌日、下図に従い well No.1-No.5 および No.7-No.11 にカルセインを、well No.7-

No.12 に添加因子を加える。

・培養終了後(14 日目)、試験担当者へ連絡する。 5-7-3-2. 表面抗原解析 ・分取した残りの細胞を FACS 解析に用いる。細胞数は 1.5×106 cells 以上とする。 ・チューブに日付、症例 ID、「FACS F2」を記載する。 ・サンプルを E 棟検査室(1012)へ運び、試験担当者へ連絡する(4℃保存)。

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5-7-4.細胞の採取 ・作業終了後、残りの細胞浮遊液を 5×105 cells/mL となるよう、TC プロテクターに懸濁し、

1 mLを 2 mLクライオチューブにサンプリングする。 ・チューブに日付、症例 ID、「参考品(2)」と記載する。 ・培養室より持ち出す。 ・細胞保存室で保管する(-80℃保存)。 5-7-5.未使用培地の採取 ・作業終了後、ボトルに残っている培地 1 mLを 2 mLクライオチューブにサンプリングし、

日付、症例 ID、「参考品(3)」と記載する。 ・培養室より持ち出す。 ・細胞保存室で保管する(-80℃保存)。 5-7-6.未使用 PBS の採取 ・移植用細胞の懸濁に使用した PBS は、作業終了後ボトルに残っている 1 mLを 2 mLクラ

イオチューブにサンプリングし、日付、症例 ID、「参考品(4)」と記載する。 ・培養室より持ち出す。 ・細胞保存室で保管する(-80℃保存)。

6. 記録とその様式 様式 CPC-A1’’-1 製造指図記録書(間葉系幹細胞)

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エンドトキシン試験に関する手順書

( CPC-B3-02 )

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1. 目的 本手順書は CPC にて取り扱われる検体由来材料および調製した試薬のエンドトキシン試験

に関する手順を記す。

2. 適用範囲 CPC にて取り扱われる検体由来材料および CPC にて調製した試薬に適用する。

3. 責任体制 品質管理責任者がエンドトキシン試験に関する責任と権限を有する。 本手順書は、品質管理責任者が指名した者が作成し、管理責任者が承認するものとする。

4. 遵守事項 品質マニュアル、製品標準書、品質管理基準書の記載を守り、下記の手順を遵守する。

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5. 手順

5-1. 分析試験の方法、条件

日本薬局方に準拠した方法で行う(ゲル化法)。 ・ゲル化法では反応干渉因子試験と限度試験を行う。 ・反応干渉因子試験は、検体の品質に重要な変更があった場合に試料溶液の最適な前処理条

件の検討のために行う。前処理条件の決定後は限度試験のみ行う。 各反応条件は以下の通り。

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1)反応干渉因子試験 ・ 使用試薬:エンドトキシン標準品、パイロジェント 03 プラス、注射用水 ・ 試料溶液:10 倍希釈液を調製し、これを水浴にて約 100℃で 10 分間熱処理したもの ・ A 液:試料溶液 ・ B 液:下表に従い調製する

エンドトキシン標準液濃

度(EU/mL) エンドトキシン標準溶

液(µl) A 液 (µl)

全体量 (µl)

希釈後エンドトキシン濃

度(EU/mL)

10000 50 450 500 1000

1000 50 450 500 100 100 50 450 500 10

10 50 450 500 1

1 300 200 500 0.6

0.6 100 900 1000 0.06 (2λ) 0.06 500 500 1000 0.03 (1λ) 0.03 500 500 1000 0.015 (0.5λ) 0.015 500 500 1000 0.0075 (0.25λ)

*表示感度 0.03 EU/mLのライセート試薬を使用するため、2λは 0.06 EU/mL

・C 液:下表に従い調製する エンドトキシン標準液濃

度(EU/mL) エンドトキシン標準溶

液(µl) 注射用水 (µl)

全体量 (µl)

希釈後エンドトキシン濃

度(EU/mL)

10000 50 450 500 1000

1000 50 450 500 100

100 50 450 500 10 10 50 450 500 1

1 300 200 500 0.6

0.6 100 900 1000 0.06 (2λ) 0.06 500 500 1000 0.03 (1λ) 0.03 500 500 1000 0.015 (0.5λ) 0.015 500 500 1000 0.0075 (0.25λ)

・その他は日本薬局方に準拠する

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2)限度試験 ・ 使用試薬:エンドトキシン標準品、パイロジェント 03 プラス、注射用水 ・ 試料溶液:10 倍希釈液を調製し、これを水浴にて約 100℃で 10 分間熱処理したもの ・ A 液:試料溶液 ・ B 液:下表に従い調製する

エンドトキシン標準液濃

度(EU/mL) エンドトキシン標準溶

液(µl) A 液 (µl)

全体量 (µl)

希釈後エンドトキシン濃

度(EU/mL)

10000 50 450 500 1000 1000 50 450 500 100

100 50 450 500 10

10 50 450 500 1

1 300 200 500 0.6

0.6 50 450 500 0.06 (2λ) *表示感度 0.03 EU/mLのライセート試薬を使用するため、2λは 0.06 EU/mL

・ C 液:下表に従い調製する

エンドトキシン標準液濃

度(EU/mL) エンドトキシン標準溶

液(µl) 注射用水 (µl)

全体量 (µl)

希釈後エンドトキシン濃

度(EU/mL)

10000 50 450 500 1000

1000 50 450 500 100

100 50 450 500 10 10 50 450 500 1

1 300 200 500 0.6

0.6 50 450 500 0.06 (2λ) ・その他は日本薬局方に準拠する

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5-2. 委託手続き

エンドトキシン試験は検査委託により行う。 購買管理基準書に従い、手順 5-1.の内容を含む条件指定文書に従い実施可能であることを評

価・選定された検査機関に委託すること。 このため、委託先及びディーラー(直接取引きの場合は不要)が購買先リストに登録済みで

あること、試験条件指定文書の最新版を確認してから以下の手続きを行う。

5-2-1. 試験依頼 委託検体名は、工程内試験の場合は“症例 ID から年齢性別を除いたもの+サンプル名

(例:0501‐1)”、調製試薬の場合は“試薬略称+分注ロット(例:Dex-050401-01)”と

する。

1) 事前確認 委託するサンプルの採取日が決まったら、事前確認を行う。 ・委託予定日、検体数、希望納期等を検査機関に伝え、内諾を得る。 ・見積書(見積書 No.、検体名が記載されたもの)の提出を依頼する。

2) 発注 見積書を受領後、サンプル委託前に発注する。また、必要であれば検査機関指定の様式によ

る検査依頼も行う。

5-2-2. 委託検体の準備、引き渡し 1) 委託検体の準備 培養担当者から試験サンプルを受け取る。委託する検体は、試験サンプルから検査室(1012)の安全キャビネット内で無菌的に必要量を分取し、委託検体名を記載したアシストチューブ

に移したものとする。

2) 引き渡し 検査機関と事前に打ち合わせた方法に従い、担当者または宅配便等に引き渡す。

5-2-3. 試験結果の報告、受け取り 1) 結果速報の確認 試験結果が判明した時点で、検査機関よりメールまたは FAX にて結果速報を受け取る。 届いた結果速報を確認し、問題があれば品質管理責任者に報告する。 *引渡し日または試験予定日を 5 日過ぎても結果速報が来ない場合は、検査機関に問い合わ

せる。

2) 報告書の検収、承認 報告書を受領次第、試験担当者は以下の内容を確認する。 ・ 分析・試験項目 ・ 検体名 ・ エンドトキシン濃度 ・ 委託先責任者、担当者印 試験結果の受け入れ承認は品質管理責任者が行う。 承認された報告書は、症例ファイル(または各試薬の管理ファイル)に綴る。 複数サンプルの結果が同時に記載されている場合はサンプル数だけコピーをとり、各コピー

についてそれぞれの記録に添付しファイルに綴る。

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5-3. エンドトキシン試験の判定 承認された報告書のエンドトキシン濃度により、判定を行う。

・ エンドトキシン濃度が<0.5 EU/mLの時、陰性と判定する。(試験終了) (*日本薬局方における「生理食塩水」のエンドトキシン濃度は<0.5 EU/mL)

・ 0.5 EU/mLを超える場合は陽性が疑われるため、要再試験と判断する。 ・ 判定不能(試験無効など)の場合も、要再試験と判断する。

5-4. 再試験および再判定

要再試験と判断した場合は、品質管理責任者の指示を受け、再サンプリングの上、再試験を

行う。 1) 再試験を行う場合は製造管理責任者に報告の上、培養担当者に再サンプリングを依頼す

る。 2) 手順 5-2 に従い委託先に再試験の依頼を行う。委託検体名は再試験であることが明確な

ものにする[ re + 委託検体名 例:re0501-1 ]。 3) 手順 5-3 に従い、試験結果の判定を行う。

・ 再試験で陰性判定の場合は、当該製品を陰性と判断する。 ・ 再試験でも陽性が疑われる場合は、状況を品質管理責任者に報告する。 品質管理責任者はグループ長と各責任者に報告し、対応を協議する。必要があれば

主治医に連絡し、最終判定を陽性とするか、更に再試験を実施するか検討する。

5-5. 陽性判定時の処置 最終判定を陽性とした場合、当該の製品を不適合品とし、不適合管理基準書に従い処理す

る。

5-6. 試験の記録・報告 1) 試験実施記録の作成 試験実施者は「エンドトキシン試験結果記録」(様式 CPC-B3-02)を用意し、必要事項

を記入する(検体採取日、手順のチェック等)。

2) 実施者による報告 試験手順終了の際は、チェック項目に漏れがないか、空欄がないか確認を行い、逸脱し

た手順があれば記載する。判定基準に従い判定を行い、サインをする。完成した記録は

確認者に提出する。

3) 確認者による確認 当該試験の実施者以外の者(1 名)が試験記録の内容確認を行い、サインをする。確認

した試験記録は品質管理責任者に提出する。

4) 責任者による承認 品質管理責任者が、承認を行う。

5) 試験記録の保管 確認と承認を得た試験記録と報告書(またはそのコピー)は以下のファイルに保管する。 ・製品の安全性試験の場合は、症例ファイルに綴る。 ・試薬の安全性試験の場合は、試薬物品管理ファイルの当該試薬の調製記録に続けて綴

る。

6) 結果のまとめ

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・製品の安全性試験の場合は、「品質試験成績書」(様式 CPC-B3-1)に検体の種類、サ

ンプリング日、判定結果を記入する。ただし、再試験による判定結果の場合、その旨

を併記するとともに製品受領者に説明すること。 ・試薬の安全性試験の場合は、当該試薬の調製記録に判定結果を記入し、実施者のサイ

ンをする。

■ 再試験の記録 再試験の記録は上記と同様のフォーマットを用いた上、再試験であることを明記する。

記録には再試験の経緯を記載し、使用したサンプルの詳細も明記する。

6. 記録様式

CPC-B3-02-1 エンドトキシン試験結果記録

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無菌試験に関する手順書

( CPC-B3-03 )

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1. 目的 本 CPC にて取り扱われる検体由来材料および調製した試液について、微生物(細菌または

真菌)の存在を否定するための無菌試験法に関する手順を記す。

2. 適用範囲 CPC にて取り扱われるすべての検体由来材料および調製した試液に適用する。

3. 責任体制

品質管理責任者が無菌試験に関する責任と権限を有する。 本手順書は、品質管理責任者が指名した者が作成し、管理責任者が承認するものとする。

4. 遵守事項

品質マニュアル、製品標準書、品質管理基準書の記載を守り、下記の手順を遵守する。

5. 手順 製品の工程内試験および調製試液の無菌試験の際は「無菌試験 A」を、搬出前最終試験の際

は「無菌試験 B」を実施する。

無菌試験を行う際は、検査室専用白衣(青色)を着用する。ディスポーザブルのゴム手袋を

装着し、クリーンベンチ(安全キャビネット)内に入る部位(手、腕)のエタノール消毒を

行って検体を取り扱う。

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5-1. 「 無菌試験 A 」

BacT/ALERT 3D 微生物培養システムを利用する。 BacT/ALERT 機器にサンプルを播種した専用培養ボトルを設置し、培養および判定は機器に

負う。 5-1-1. BacT/ALERT 専用培養ボトルへの検体サンプル播種 培養担当者または試薬の調製者より受け取ったサンプルは試験開始まで室温で保管する。

受け取り後は 5 時間以内に無菌試験を実施すること。 1) 検査室(1012)安全キャビネット内にサンプル及び以下のものを準備する。すべて 70%エ

タノールで清拭し、消毒してからキャビネット内に入れること。 ・ 5 mLシリンジ ・ 21 G 注射針 ・ サインペン ・ BacT/ALERT FA 培養ボトル(好気性菌用) ・ BacT/ALERT FN 培養ボトル(好気性菌用) ※参考データ サンプル 1 本につき 1 つずつ用意する。

2) ボトルに症例 ID から年齢性別を除いたもの(以下、検体 ID)、サンプル名、試験日

を記入する。 (※FN ボトルの場合は識別のため、ボトル名に N を含める)

3) ボトルからキャップを取り去りゴム部分を 70%エタノールで十分に清拭する。 4) シリンジに針を取り付け、サンプルを 2 mL ~2.5mL吸引する。 5) ボトルのゴム部分中央に針を立てる。(陰圧によりサンプルが自動的に注入されるの

で手を離しておくこと) 6) サンプルがすべて注入されたらシリンジを引き抜き、鋭利な感染性廃棄物として安全

キャビネット内に備え付けの専用箱に一時保管し、全ての作業終了後にプラスチック

製の医療系廃棄物入れに捨てる。 (安全のため、リキャップはせずにそのまま廃棄すること)

7) サンプル注入部を 70%エタノールで清拭する。 8) サンプルの残りはフタをしてパラフィルムで封をし、検査室の 4℃冷蔵庫で保存する。 9) ボトルは BacT/ALERT 機器に設置し、培養を行う(手順 5-1-2)。

5-1-2. BacT/ALERT 機器への設置、培養 ボトルの機器への設置、取り出しは必ず 1 本ずつ行うこと。 (複数本同時に扱う場合は前のボトルの処理が終わってから次のボトルを取り扱う。)

1) 検査室にて BacT/ALERT メイン画面の (ボトル設置ボタン)を押し、設置モード

へ切替える。 2) 【ボトル ID 入力】 バーコードを読み取らせる、またはキーボードにて直接入力する。 3) 【検体受付番号入力】 ボトル名を登録する。ボトル名は[検体 ID_サンプル名_試験

日]または[試薬略称_分注ロット_試験日](15 文字まで)とする。 4) ラックを引き出し、緑のランプが点灯しているセルにボトルを設置する

(ボトル底面を右にし、穴の奥まで差し込む)。 5) 各ボトルについて 2~4 を繰り返す。 6) 全てのボトルを設置し終わったらラックを閉じる。 7) 最後に (チェックボタン)を押し、設置モードを終了する。(操作終了) 8) 7 日間、35℃で培養する。

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5-1-3. ボトルグラフの表示と印刷 培養期間中いつでもボトルグラフの確認が出来る。 1) 試験記録用紙を参考に、表示したいボトルの設置位置を確認する。 2) メイン画面から画面右下の右矢印ボタンで、セットアップ画面に移動する。 3) パスワードを入力し、鍵ボタンを押す。

4) (ボトル情報確認ボタン)を押す。(ラック全体のボトル設置状況が一覧で示

され、判定中のボトルは*、判定済みのボトルは緑の○が表示される) 5) 確認したいボトルの位置をタッチする。(ボトル名、ボトル設置時間、設定温度等

が表示される)

6) 画面右下の (グラフボタン)を押し、ボトルグラフを表示させる。

7) グラフ画面右下の (印刷ボタン)を押し、グラフをプリントアウトする。

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5-1-4. 判定 試験後、使用した機器に間違いはないか、校正有効期限内であるか、試薬の品名・量・有

効期限に問題はないかを確認の上、判定を行う。 <1 次判定> 1) 培養 3 日目に 1 次判定を行う。BacT/ALERT の画面に陽性判定表示が出ていないかを

確認する。手順 5-1-3 に従いボトルグラフを表示し目視による CO2 量変動の確認を行

う。 ・ グラフの上昇が認められない場合、陰性と判定し、培養を続行する。 ・ グラフの上昇が認められる場合、陽性が疑われるため、要再試験と判断する。ボト

ルグラフをプリントアウトし、品質管理責任者に状況を報告する。 <最終判定> 2) 陰性のまま培養 7 日間が過ぎたボトルは、メイン画面に判定結果が表示される。( 陰

性の場合は陰性ボトルのボタン が青色に点灯し、陽性の場合は画面全体が黄色

になり、陽性ボトルのボタン が点灯する。) 3) 判定の示されたボトルは手順 5-1-3 に従いグラフをプリントアウトする。 4) 機器の判定を参考に、以下の判定を行う。

・ 機器の判定が陰性の場合は、最終判定を陰性と判断する。(試験終了) ・ 機器の判定が陽性の場合は、要再試験と判断する。

5-1-5. 判定済み培養ボトルの取り出し 1) 機器が陰性または陽性と判定するとメイン画面上部の (陽性ボトル取り出しボ

タン)または (陰性ボトル取り出しボタン)が青色に点灯する。 2) 点灯しているボトルボタンを押す。 3) ラックを引き出し、番号の部分が緑に光っているセルのボトルを取り出す。 4) ボトルのサンプル名等を確認する。

(間違ったボトルを引き出してしまった場合はそのまま元のセルに戻す) 5) 全てのボトルを取り出し終わったらラックを閉じる。 6) 最後にチェックボタンを押し、取り出し操作を終了する。 7) 試験終了の場合、取り出したボトルは廃棄用冷蔵庫に保管する。

陽性または要再試験の場合、取り出したボトルは原因追究のため、識別して室温で

保管する。

5-1-6. 再試験および再判定 要再試験と判断した場合は、品質管理責任者の指示を受け、再サンプリングの上、再試験

を行う。 1) 再試験を行う場合は製造管理責任者に報告の上、培養担当者に再サンプリングを依頼

する。 2) 再試験前には試薬の使用期限、操作マニュアルのチェックおよび Log Book を見て試

験機器の稼動状況のチェックを行う。 3) 再試験のためのサンプルを培養担当者より受け取り、手順 5-1-1、5-1-2 と同様に無菌

試験を行う。ただし再試験では 1 サンプルにつきボトル 2 本に播種する(n=2)。 4) 手順 5-1-4、5-1-5 に従い判定と処理を行う。

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・ 再試験で 2 本とも陰性判定の場合、最終判定を陰性とする。(試験終了) ・ 再試験でいずれか 1 本または 2 本とも陽性判定の場合、品質管理責任者に状況を報告

する。品質管理責任者はグループ長と各責任者に報告し、対応を協議する。必要があ

れば主治医に連絡し、陽性と判定するか、更に再試験を実施するか検討する。 5-1-7. 陽性判定時の処置 陽性と判定した場合、当該の製品を不適合品とし、不適合管理基準書に従い処理する。

5-1-8. 試験の記録・報告 1) 試験実施記録の作成

試験実施者は「無菌試験結果記録」(様式 CPC-B3-03-1)を用意し、必要事項を記

入する(試験サンプル名、ボトル Lot No.および使用期限、手順のチェック等)。 2) 実施者による報告

試験手順終了の際は、チェック項目に漏れがないか、空欄がないか確認を行い、逸

脱した手順があれば記載する。判定基準に従い判定を行い、サインをする。完成し

た記録は確認者に提出する。 3) 確認者による確認

当該試験の実施者以外の者(1名)が試験記録の内容確認を行い、サインをする。確

認した試験記録は品質管理責任者に提出する。

4) 責任者による承認 品質管理責任者が、承認を行う。

5) 試験記録の保管 確認と承認を得た試験記録と印刷したボトルグラフは以下のファイルに保管する。

・製品の安全性試験の場合は、症例ファイルに綴る。

・試薬の安全性試験の場合は、試薬物品管理ファイルの当該試薬の調製記録に続け

て綴る。 6) 結果のまとめ

・製品の安全性試験の場合は、「品質試験成績書」(様式 CPC-B3-1)に検体の種類、

サンプリング日、判定結果を記入する。ただし、再試験による判定結果の場合、そ

の旨を併記するとともに製品受領者に説明する。 ・試薬の安全性試験の場合は、当該試薬の調製記録に判定結果を記入し、実施者の

サインをする。 ■ 再試験の記録

再試験の記録は上記と同様のフォーマットを用いた上、再試験であることを明記す

る。記録には再試験の経緯を記載し、使用したサンプルの詳細も明記する。

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5-2. 「 無菌試験 B 」 搬出前最終試験の無菌試験

BacT/ALERT 3D 微生物培養システム及び寒天平板表面塗抹法を併用する。 使用する培地の有効期限を確認し、有効なものを用いること。 平板培地は 1 回の試験につき未開封の培地各 1 包(10 枚)を使用する。

5-2-1. BacT/ALERT 専用培養ボトルへのサンプル播種 搬出前最終試験サンプルを手順 5-1-1 と同様に培養ボトルに播種する。 ただし 1 検体につき FA ボトル 3 本に播種し(n=3)、ボトル名はⅤ-1a, Ⅴ-1b, Ⅴ-1c, Ⅴ-2a, Ⅴ-2b, Ⅴ-2c などとする(FN ボトル 1 本にも同様に播種する ※参考データ)

5-2-2. BacT/ALERT 機器への設置、培養 手順 5-1-2 に従いボトルを機器に設置する。 (設置した翌日に培養中のボトルから培養液を一部採取し、平板培地に播種する)

5-2-3. 培養中のボトルの取り出し、平板培地播種 1 サンプルにつき各培地 3 枚ずつ(n=3)、計 6 枚に播種する。 使用する平板培地は当日まで検査室の 4℃冷蔵庫に保管し、使用時に室温に戻す。(結露を

解消するため、試験実施 1 時間程度前に包装を外して安全キャビネット内で静置する)

1) 検査室安全キャビネット内に以下のものを準備する。 ・ 20 mLシリンジ x2 ・ 21 G 注射針 x2 ・ 5 mLピペットx4 ・ サインペン又はシール ・ 15 mLファルコンチューブ x2 ・ トリプケースソイ寒天培地 x6 ・ サブロー寒天培地 x6

2) シャーレのフタにボトル名、日付、培地の種類を明記する。 3) 手順 5-1-3 に従い、前日に BacT/ALERT 機器に設置したボトルの培養状況を確認する。 4) 1 サンプルのボトル(例: Ⅴ-1)3 本の内、取り出すボトルを 1 本選び(例: Ⅴ-1 c)、セル

位置の確認をする。 5) ラックを引き出し、選んだボトルを 1 本引き抜く。

→警告 911 が出るがそのまま無視する

6) ラックを閉める。 7) 取り出したボトルの周囲をエタノールでよく清拭した後、安全キャビネット内に入

れる。 8) ボトルをよく振り、口のゴム部分をエタノールで清拭する。 9) 注射針を装着したシリンジで、ボトル内溶液を約 9 mL引き抜く。(かなり力が必

要)

* check ボタンを押すとそのボトルは必要なくなったものと見做されてサンプル情報

が破棄されてしまうので画面には触らないこと。 また、続けて 2 本以上取り出した場合は最後のサンプル以外の情報が破棄されるの

で必ず 1 本ずつ処理を行うこと

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10) 内容液を 15 mLファルコンチューブに回収する。チューブにはサンプル名を明記す

る。 11) 取り出したボトルはゴム部分を清拭し、BacT/ALART 機器の元のセルに戻す。他の

ボトルと共に残り 7 日間培養し、機器による判定を行う。 12) 複数のサンプルがある場合、同様に手順 5-2-3. 3)~11)を繰り返す。 13) 回収した内容液は大きな浮遊物(活性炭など)を除くため、遠心する。(500×g、3

分間)。 14) 遠心後のチューブをエタノールで清拭し、安全キャビネット内へ持ち込む。 15) 平板培地への播種作業前に、作業用ゴム手袋を滅菌手袋に交換する。 16) 内容液の上清を 5 mLピペットを用いて 3 mL 吸引し、重ねた平板培地 3 枚に 1 mL /

plate 滴下し、シャーレのフタを閉めてすぐに傾け、内容液を広げる。作業中の汚染

を防ぐため、一度に播種する平板培地は 3 枚までとする。 17) 同様の操作を繰り返し 1 サンプルあたり 6 枚の培地に播種する。 18) 培地はフタをしたまましばらく安全キャビネット内に静置し、内容液を培地に染み

込ませる。(播種後の培養時間を出来るだけ長くするため、および乾燥させすぎな

いように 30 分程度までとする) 19) 培地表面が乾燥した事を確認し、裏返して(フタが下になるようにして)重ねる。

(未乾燥の場合は上向きのまま重ねる) 20) 培養期間中の乾燥防止のため専用コンテナに入れて検査室インキュベータで 7 日間

培養する。 (上向きのまま設置した培地は乾燥を確認できたら裏返す) ・トリプケースソイ寒天培地 30℃ ・サブロー寒天培地 25℃

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5-2-4. 最終試験の判定 搬出前判定および搬出時の処置 <搬出前判定(搬出日)> 通常、平板培地播種後 2 日目か 3 日目が搬出日になるので、搬出日の朝に判定を行う。

1) 平板培地は蓋をしたまま観察する。 ・ すべての培地にコロニーが認められない時、陰性と判定する。 ・ 平板培地はいずれかの培地にコロニーが 1 つ以上認められた場合、陽性が疑われるた

め、要再試験と判断する。 2) 培養ボトルは平板培地播種に用いなかった 2 本について判定を行う。手順 5-1-4 に従い、

ボトルグラフの目視による確認を行う。 ・ グラフの上昇が認められない場合、陰性と判定する。 ・ グラフの上昇が認められた場合、陽性が疑われるため、要再試験と判断する。

3) 平板培地の結果と培養ボトルの結果を合わせて搬出前判定を行う。 ・ すべて陰性の判定が出た場合は、最終試験を適合と判断し、搬出準備の措置を行う。 ・ いずれか 1 つ以上で陽性が疑われる場合、状況を品質管理責任者に報告する。品質管

理責任者はグループ長と各責任者に報告し、対応を協議する。必要があれば主治医に

連絡し、陽性と判定するか、再試験を実施するか検討する。 <搬出準備> 1) 品質管理責任者に結果を報告し、承認を得る。 2) BacT/ALERT のボトルグラフをプリントアウトする(培養ボトルはそのまま培養を続行

する)。平板培地は Triplicate の内の 1 枚(1 サンプルあたり 2 枚)をインキュベータか

ら取り出す。残りの培地については最終判定日までそのまま培養を続行する。 3) 取り出した培地とプリントしたボトルグラフを品質管理責任者に渡す。(取り出した

培地は製品受領者が直接確認し、その後廃棄する) 4) 品質試験成績書(様式 CPC-B3-1)に結果を記載し、品質管理責任者に提出する(最終

試験については搬出日を判定日として記録する)。

5-2-5. 最終試験の再試験および再判定 品質管理責任者から指示があった場合、再試験を行う。 1) 再試験前には試薬の使用期限、操作マニュアルのチェックおよび Log Book を見て試験

機器の稼動状況のチェックを行う。 2) 再試験のためのサンプルを培養担当者より受け取り、手順 5-2-1.~5-2-3.に従いボトル

への播種および平板培地播種を行う。 3) 手順 5-2-4.に従い最終判定を行う。 ・ 再試験ですべて陰性の判定が出た場合は、最終試験を陰性と判断する(試験終了)。

品質管理責任者に結果を報告し、承認を得た後、品質試験成績書を作成する。 ・ 再試験でもどれか 1 つ以上陽性が疑われるものがある場合は、搬出前判定と同様に関

係者で協議を行い、陽性と判定するか、更に再試験を行うか検討する。

5-2-6. 最終試験(搬出前)の陽性判定時の処置 陽性と判定した場合、当該の製品を不適合品とし、不適合管理基準書に従い処理する。

5-2-7. 最終試験(搬出前)の記録・報告 1) 実施記録の作成

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搬出前判定では、「無菌試験結果記録 (最終試験)」(様式 CPC-B3-03-2)、「無菌試

験結果記録(平板培地播種)」(様式 CPC-B3-03-3)を用意し、必要事項を記入する

(試験サンプル名、試薬類ロット、サンプル播種日、判定日、判定結果等)。 4) 実施者による報告

チェック項目に漏れがないか、空欄がないかの確認を行い、逸脱した手順があれば

記載する。判定基準に従い判定を行い、サインをする。完成した記録は確認者に提

出する。 5) 確認者による確認

当該試験の実施者以外の者(1名)が試験記録の内容確認を行い、サインをする。確

認した試験記録は品質管理責任者に提出する。

6) 責任者による承認 品質管理責任者が、承認を行う。

7) 試験記録の保管 確認と承認を得た試験記録とボトルグラフは症例ファイルに保管する。

8) 結果のまとめ ・品質試験成績書に結果を記載する(最終試験については搬出日を判定日として記録す

る)。ただし、再試験による判定結果の場合、その旨を併記するとともに製品受領者

に説明する。 ・品質試験成績書の全ての欄に記入し終えたら、品質管理責任者に提出する。

■ 再試験の記録 再試験の記録は上記と同様のフォーマットを用いた上、再試験であることを明記す

る。記録には再試験の経緯を記載し、使用したサンプルの詳細も明記する。

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5-2-8. 引渡し後の最終試験判定 < 最終判定 > 製品引渡し後も培養を続けていた平板培地および培養ボトルについて、平板培地の培養 7日目に最終判定を行うこととする(培養ボトルは培養 8 日目にあたる)。 手順 5-2-4.<搬出前判定>、5-1-5 と同様に、判定と処理を行う。 ・ 引渡し後の判定ですべて陰性の判定が出た場合は、最終試験を適合と判断する。

1) 品質管理責任者に結果を報告し、承認を得る。 2) BacT/ALERT のボトルグラフをプリントアウトする。平板培地はインキュベータから

取り出して、写真撮影を行う。 ・ 引渡し後の判定でどれか 1 つ以上で陽性が疑われる場合、直ちに状況を品質管理責任者

に報告する。品質管理責任者はグループ長と各責任者に報告し、対応を協議する。主

治医に状況を報告する。

5-2-9. 平板培地の写真撮影 1) 培養 7 日目に判定を行った後の平板培地を検査室(1012)のデスクに並べる。(種類ご

とに並べて全てが 1 枚の写真に収まるようにする) 2) シャーレのフタを取りデジタルカメラで上から撮影する。 3) 平板培地を片付け、デスクの上を 70%エタノールで清拭する。 4) 撮影後の平板培地は廃棄用冷蔵庫で保管する。 5) 写真データを検査室専用パソコン内「平板培地写真」ファイルに保存する。パワー

ポイントファイルに写真、症例 ID、培養期間、撮影日、使用サンプル、培地名等を

記入し保存した上プリントアウトし、症例ファイルに綴る。

5-2-10. 最終判定の記録・報告 1) 実施記録の作成

最終判定時には、一次判定を行った「無菌試験結果記録 (最終試験)、 (平板培地播

種)」に続けて記入する。 2) 実施者による報告

チェック項目に漏れがないか、空欄がないか確認を行い、逸脱した手順があれば記

載する。判定基準に従い判定を行い、サインをする。完成した記録は確認者に提出

する。

2) 確認者による確認 当該試験の実施者以外の者(1名)が試験記録の内容確認を行い、サインをする。確

認した試験記録は品質管理責任者に提出する。

3) 責任者による承認 品質管理責任者が、承認を行う。

4)試験記録の保管

・最終試験の記録は、確認と承認を得た試験記録とボトルグラフを症例ファイルに

保管する。 ・平板培地の記録は、確認と承認を得た試験記録とパワーポイントファイル「平板

培地写真」のプリントアウトを症例ファイルに保管する。

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5-3. 試験終了後の処置

当該の試液または製品に関する全ての試験(再試験、確認試験等を含む)終了後に、廃棄

用冷蔵庫に保管した培養ボトル、培地類をオートクレーブ滅菌し、感染性廃棄物として処

理する。

6. 記録様式 CPC-B3-03-1 無菌試験結果記録 CPC-B3-03-2 無菌試験結果記録 (最終試験) CPC-B3-03-3 無菌試験結果記録 (平板培地播種)

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マイコプラズマ否定試験に関する手順書 ( CPC-B3-04 )

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1. 目的 本 CPC にて取り扱われる検体由来材料についてのマイコプラズマ否定試験に関する手順を記

す。

2. 適用範囲 CPC にて取り扱われるすべての検体由来材料に適用する。

3. 責任体制

品質管理責任者が CPC にて取り扱われる検体由来材料のマイコプラズマ否定試験に関する責

任と権限を有する。本手順書は、品質管理責任者が指名した者が作成し、管理責任者が承認す

るものとする。

4. 遵守事項 品質マニュアル、製品標準書、品質管理基準書の記載を守り、下記の手順を遵守する。

5. 手順 ・作業はすべてゴム手袋を着用して行い、チューブ類の取り出しはピンセットを用いる。 ・PCR 用試薬については、現在使用中のもの以外に未開封の予備品があることを確認する。 ・アルミブロック恒温槽は温度安定化のため試験開始前(出来れば前日)にスイッチを入れて

おく(37℃)。

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5-1. 試験の実施 マイコプラズマ否定試験(PCR)は、専用の器具類を用い、実験台も専用とする。 作業はすべてゴム手袋を着用して行い、チューブ類の取り出しはピンセットを用いる。 5-1-1. DNA 回収

細胞溶解および DNA 抽出には以下のキットを用いる。 【 PUREGENE DNA Isolation Kit】 ・交差汚染防止のため Cell Lysis Solution および Protein PPT Solution はそれぞれ 1 回分ずつ

1.5ml tube に分注したものを用いる。*ボトルから適宜数本に分注する(1 度に全てを分注しな

くてもよい)

1) 培養担当者より検体細胞培養プレート (6 well) または細胞浮遊液を受け取り、 検査室 (1012 室)に運ぶ。

2) [プレートの場合] 上清を除去し、Cell Lysis solution 300 µl ずつ 2 well に添加する。セル

スクレーパーで細胞を掻きとり、ピペッティングによりしっかりと懸濁する。 [細胞浮遊液の場合] 500 x g で 5 分間遠心し、上清を取り除く。タッピングでペレット

をほぐした後 Cell Lysis solution 600 µl を加え、よく懸濁する 3) 1.5 ml チューブ 2 本に分けて回収し( 1 well 分/tube )、1 本を DNA 抽出用として以下に用

いる。残りの 1 本は再試験に備えるため、試験結果の確認および判定が終わるまで冷蔵庫

で保管する。 4) RNase A solution 1.5 µl を添加し、よく混合した後、 37℃、30 min インキュベートする。 5) 室温に戻した後、Protein PPT Solution 100 µl を添加する。 6) 白濁するまで激しく vortex する。 7) 15,000 rpm、 3 min、4℃ にて遠心し、上清を新しい 1.5 ml チューブに移す。 8) 2-propanol 300 µl を加え、ゆっくりと約 50 回転倒混和する。DNA が見えてくることを確

認する。 9) 15,000 rpm、3 min、 4℃ にて遠心を行う。 10) ペレットを確認しながら上清を除去し、70% EtOH 300 µl を添加する。 11) 15,000 rpm、1 min、4℃ にて遠心を行う。 12) 上清を全て除去する。 13) ペレットを乾燥させる。 14) 注射用水 15 - 30 µl に溶解し、DNA サンプルとする。溶解する注射用水の量は、ペレット

の大きさで判断する。 (以下に使用する水は全て同一ロットの注射用水とする。) * DNA サンプルはマイコプラズマ否定試験の結果が出るまで 4℃、判定が出た後はチューブ

に検体 ID(症例 ID から年齢性別を除いたもの) を記入して、-20℃に保存する。 *培養担当者より受け取った培養上清は PCR まで冷蔵庫で保管する。試験終了後は搬出まで

引き続き 4℃で保管する。 5-1-2. DNA の定量

1) 吸光値測定用サンプル(DNA サンプル 10 倍希釈液)を用意する。 (DNA サンプル 2 µl + 注射用水 18 µl)

2) 吸光光度計にて DNA 濃度を測定する。

5-1-3. 上清サンプルの前処理

1) 冷蔵庫から最終検査用培養上清(最終培地交換前の上清)を取り出す。 2) 安全キャビネット内で、少量を クライオチューブに分注する。 3) 実験台で 0.2 ml チューブに 50 µl を分注する。 4) PCR 機で 95℃、5 min 加熱し、5 秒間スピンダウンする。 5) Sample A として以下に用いる。

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5-1-4. PCR

PCR には以下のキットを用いる。 *使用するキットの選定について 本試験では、市販 の“Venor GeM Mycoplasma Detection Kit for conventional PCR” (minerva biolabs, 一段 PCR 法)を用いる。日本薬局方においては、感度の点から二段 PCR 法が推奨さ

れているが、マイコプラズマ DNA を用いた感度及び特異性の検証を行い、本キットの妥当性

を判断した(061212 および 070206 臨床ミーティング資料参照)。また、本キットはメーカー

による詳細なバリデーション・レポートが添付されており、少なくともマイコプラズマ (23 種)、アコレプラズマ (1 種)、ウレアプラズマ (1 種)が検出できることが証明されている (メー

カーバリデーションレポート参照)。レポート中で検証されているマイコプラズマにはヒト由

来のものが多く含まれており、ヒト細胞を用いる再生医療用サンプルの検査にも適していると

考えられる。さらに、プライマーの設計位置からも、薬局方に例示されている二段 PCR 法よ

りも広範囲のマイコプラズマ種の検出に適していると考えられる。以上のことより、本キット

を選定し、本試験に用いることを決定した。 なお、検出限界は約 1 fg /µl とする(070206 臨床ミーティング資料及びメーカーバリデーション

レポート参照)。 また、用いるバッファーと酵素は、PCR 阻害物質の作用を抑制する働きがある製品で、採用

にあたり検討を行い、妥当性を判断した(070206 臨床ミーティング資料参照)。 なお、交差汚染防止のため、キット付属のマイコプラズマ DNA はコントロールとして使用し

ない。 【Venor GeM Mycoplasma detection kit for conventional PCR】

開封時、使用しないチューブ(10 ×Reaction Buffer,Positive control DNA )は取り出す。 ・キット中の Primer/Nucleotide Mix、 Positive Control DNA、 Internal Control DNA は 購入

時乾燥状態(4℃保管)なので、添付説明書に従い同キット付属の PCR grade Water を用

いて融解する。融解後はキットのケースに戻し、-20℃に保管する。 ・Primer/Nucleotide Mix が複数本ある場合は、チューブの頭に番号を記入し、早い番号の

ものから使用する。 ・ロット及び使用期限はケースに記載されているものとする。

【Ampdirect Plus 】 購入時の袋に使用期限が記載されているので、使用開始時、チューブにマジックで明記

する。上記 PCR キットのケースに入れ、-20℃保存。 【Nova Taq Hot Start DNA Polymerase】

1) DNA 定量で得られたデータに基づき、DNA サンプルを 100 ng/µl になるように注射用水

で希釈し、Sample B として以下に用いる。 2) 検査室冷凍庫 (-20℃)保存の Venor GeM PCR キットのケースから、Ampdirect Plus (Buffer)、

PCR grade water、Primer/Nucleotide Mix 及び Internal control DNA を取り出し、解凍する。 3) 8 連チューブを用意し、検体 ID と日付を記入する。 4) 下表に従い 1.5 ml チューブに(必要サンプル数+1)サンプル分の PCR Mixture を調整す

る。

1 サンプル

分 6 サンプルで

試験を行う場合 Ampdirect Plus 12.5 µl 87.5 µl PCR grade water 4.87 µl 34 µl Primer/Nucleotide Mix 2.5 µl 17.5 µl Nova Taq * 0.13 µl 1 µl 合計 20 µl 140 µl

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* Nova Taq (酵素)は混合直前まで-20℃で保管し、使用後は直ちに-20℃に戻す。 5) よく混合した後、8 連チューブに 20 µl ずつ添加する。 6) 下記の表にしたがって Sample, Internal control DNA, Extra H2O(注射用水)を加える。

*添加時、内容液がチューブ外面に付着しないように注意する。交差汚染を防ぐため、残り

のサンプル、試薬類は確実にキャップをして片付ける。

7) キャップを確実に閉めて混合し、PCR 反応前専用遠心機でスピンダウンする。 8) 以下の条件で PCR を行う。

*最終の保持温度は PCR 機の結露を防ぐため 15℃とする。

9) 交差汚染防止のため、使用エリアのクリアランスを行う。 ・使用した器具、機械は 70%エタノールで拭く(特に遠心機のフタ、ピペットマンの先) ・実験台はペーパータオルに DNA 除去剤を含ませて拭き、その後 milliQ・70%エタノール

で清拭する。 ・チューブ立て及び PCR 機付属のトレーは水洗い後、70%エタノールで殺菌して乾燥させ

る 10) PCR 産物は電気泳動を行うまで 4℃で保存する。

5-1-5. アガロースゲルの作製 1) 2 % agarose gel(7well 以上のもの)を 2 枚作製する。 2) 作製後すぐ使用しない場合は 1 × TAE 中、4℃で保存する。

5-1-6. PCR 産物の電気泳動

1) 泳動槽にゲルをセットし 1 × TAE を満たす。 2) 以下の通り、サンプルをアプライする。

Lane M: 100bp Ladder Marker Lane 1: Negative control (H2O) Lane 2: Positive control (H2O + Internal Control) Lane 3: Sample A Lane 4: Sample A + Internal Control Lane 5: Sample B Lane 6: Sample B + Internal Control

1 cycle

cool down 15℃ for ∞

Thermal Profile

39 cycles

95℃ for 10 min

94℃ for 30 sec

55℃ for 30 sec

72℃ for 30 sec

Tube No. 1 2 3 4 5 6

Sample nameNegativecontrol

Positivecontrol

Sample A(培養上清)

3 +Internalcontrol

Sample B(細胞 DNA)

5 +Internalcontrol

PCR mixture 20 20 20 20 20 20Sample 2.5 (H2O) 2.5 (H2O) 2.5 2.5 2.5 2.5

Internal Control DNA - 2.5 - 2.5 - 2.5Extra H2O 2.5 - 2.5 - 2.5 -

Total 25 25 25 25 25 25

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3) 100 V で 30 分泳動する。(泳動開始後しばらく見守り、泳動方向に間違いがないか確認

する) 5-1-7. ゲルの染色、解析、撮影

1) 検査室実験台下の試験専用ゲル染色槽 ( 0.5 μg/ml EtBr ) で 15 分程度ゲルを染色する。 2) UV サンプル撮影装置で写真を撮影し、記録用紙に貼る。

5-1-8. PCR 結果の確認

電気泳動写真を見て、以下の試験成立基準を確認する。 これら全てが満たされていない場合は試験が成立していないと判断し、PCR をやり直す。いず

れの場合も、非特異的増幅、プライマーダイマーによるバンドは無視する。 ・ Lane 1 にバンドが認められない ・ Lane 2 に 1 本(191 bp 付近)のバンドが認められる。 ・ Lane 4, 6 に 1 本 (191 bp 付近) のバンドが認められる*。

*lane 3, 5 で標的のバンド (265-278 bp) が認められた時は、この基準を満たさなくてよい ⇒バンドが認められない場合、サンプルに反応阻害物質が含まれている可能性があるので、

当該サンプルを希釈して PCR をやり直す。培養上清サンプルは 5 倍に希釈し、加熱処理

を行う。 ( 191 bp・・・Internal control DNA 増幅産物サイズ)

再測定(PCR のやり直し)の前には試薬の有効期限、操作手順及び試験機器の点検・校正状況

の再確認を行う。PCR をやり直しても基準を満たさない場合は試験不成立として、品質管理責

任者に状況を報告する。

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5-1-9. 判定 5-1-8 の基準を満たしたサンプルについて、以下の判定を行う。 試験に使用した機器に間違いはないか、点検・校正有効期限内であるか、試薬の品名・量・有

効期限に問題はないかを確認の上、判定を行う。いずれの場合も、非特異的増幅、プライマー

ダイマーによるバンドは無視する。 ・ Lane 3, 5 のいずれにもバンドが認められない場合、陰性と判断する。(試験終了) ・ Lane 3, 5 のいずれかで 265 – 278 bp 間にバンドが認められる場合、陽性が疑われるため、要

再試験と判断する。(再試験 A へ)

判定結果を品質管理責任者に報告する。

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5-2. 再試験および再判定 <再試験 A> 要再試験と判断した場合は、品質管理責任者の指示を受け、5-2-1 の手順で再試験 A-1 および A-2 を行う。

5-2-1. 再試験 A-1 および A-2 1) 本試験で用いた DNA サンプルおよび上清サンプルを希釈し直した上で、5-1-4 に従い PCR

を行う(A-1)。 2) 手順 5-1-1. (3) で保管しておいた細胞懸濁液を用いて再度サンプルを調整し、5-1-4 に従い

PCR を行う(A-2)。 3) 5-1-9 に従い、 A-1 および A-2 の判定を行う。 ・どちらも陰性の場合、最終判定を陰性とする。(試験終了) ・どちらか、または両方で陽性が疑われる場合、状況を品質管理責任者に報告する。

品質管理責任者はグループ長と各責任者に報告し、対応を協議する。必要があれば主治医 に連絡し、最終判定を陽性とするか、再試験 B を実施するか検討する。

<再試験 B> 再試験 B の実施が決定された場合は、凍結保存細胞を融解して 5-2-2 以降の手順で再試験 B-1および B-2 を行う。 ただし、再試験 B に用いるサンプルは下記のものに限らず、再試験 A 終了後の関係者協議で

決定したものを用いる場合がある。使用したサンプルは記録書に明記する。

5-2-2. 参考品からのサンプリング 1) 凍結保存しておいた細胞の参考品を 1 本 (5 × 105 cells/ml, 500 µl) 融解する。 2) 融解した細胞懸濁液のうち、200 µl は培地で洗浄した後、6 well plate の 1 well に播種し、

培養を行い、再試験 B-2 (5-2-4) に用いる。 3) 残りの 300 µl の細胞懸濁液を用いて再試験 B-1 (5-2-3) を行う。

5-2-3. 再試験 B-1 1) 5-2-2 で採取した細胞懸濁液 300 µl から DNA を抽出、精製して、5-1-4 に従い PCR を行う。 2) 再試験前には試薬の使用期限、操作マニュアルのチェックおよび Log Bookを見て試験機器

の稼動状況のチェックを行う。 3) 5-1-9 に従い判定を行う。 ・陰性の場合は、5-2-4 に進んで再試験を続行する。 ・陽性が疑われる場合、再試験 A の場合と同様に関係者で協議を行い、最終判定を陽性とす

るか、更に再試験を実施するか検討する。

5-2-4. 再試験 B-2 再試験 B-2 には 5-2-2 で培養を開始した参考品の細胞および再サンプリングした製品の培養上

清の計 2 サンプルを用いて試験を行う。 1) 製造管理責任者に報告の上、培養担当者に上清の再サンプリングを依頼する。 2) 2 回の培地交換を経た参考品の培養細胞を用いて、5-1-1 からの方法に従い DNA サンプル

を作製する。 3) 5-1-4 に従い PCR を行う。再試験前には試薬の使用期限、操作マニュアルのチェックおよ

び Log Book を見て試験機器の稼動状況のチェックを行う。 4) 5-1-9 に従い判定を行う。 ・陰性の場合、最終判定を陰性とする。ただし、再試験 B による判定であることを品質管理

責任者に報告する。 ・陽性が疑われる場合、再試験 A の場合と同様に関係者で協議を行い、最終判定を陽性とす

るか、更に再試験を実施するか検討する。

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5-3. 陽性判定時の処置 最終判定を陽性とした場合、当該製品を不適合品とし、不適合管理基準書に従い処理する。

5-4. 試験の記録・報告 1) 試験実施記録の作成

試験実施者は「マイコプラズマ否定試験結果記録」(様式 CPC-B3-04)を用意し、必要

事項を記入する。DNA 吸光値の波形プリントアウトと電気泳動写真はオリジナルデータ

を貼り付ける。 2) 実施者による報告

試験手順終了の際は、チェック項目に漏れがないか、空欄がないか確認を行い、逸脱し

た手順があれば記載する。判定基準に従い判定を行い、サインをする。完成した記録は

確認者に提出する。 3) 確認者による確認

当該試験の実施者以外の者(1 名)が試験記録の内容確認を行う。確認した試験記録は品

質管理責任者に提出する。 4) 責任者による承認

品質管理責任者が、承認を行う。 5) 試験記録の保管

確認と承認を得た試験記録用紙は症例ファイルに綴る。 6) 結果のまとめ

「品質試験成績書」に検体の種類、サンプリング日、判定結果を記入する。ただし、再

試験による判定結果の場合、その旨を併記するとともに製品受領者に説明する。 ■ 再試験の記録 再試験の記録は上記と同様のフォーマットを用いた上、再試験であることを明記する。記録

には再試験の経緯も記載する。

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5-5. 試験後の処理 * DNA サンプル:1.5mL チューブに検体 ID(症例 ID から年齢性別を除いたもの)を記入し、

-20℃に保存する。 *培養上清:搬出まで 4℃で保管する。エンドトキシン試験等すべての試験終了後はオートク

レーブ滅菌し、感染性廃棄物として処理するする。

6. 記録様式

様式 CPC-B3-04-1 マイコプラズマ否定試験結果記録

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性能評価試験に関する手順書 ( CPC-B3-05)

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1. 目的 CPC において培養される細胞の骨分化能を評価するための手順を記す。

2. 適用範囲 CPC において培養される細胞に適用する。ただし試験結果は参考データとして扱い、搬出

判定には使用しない。

3. 責任体制 品質管理責任者が CPC での性能評価試験に関する責任と権限を有する。 本手順書は、品質管理責任者が指名した者が作成し、管理責任者が承認するものとする。

4. 遵守事項

品質管理基準書に基づき下記の手順書を遵守する。

5. 手順 5-1. 細胞培養

14 日目までの培養は症例の培養担当者が行うものとする。

骨分化誘導を行う症例で移植用細胞の分化誘導と同時に行う場合は CPC 内で培養を行い、

それ以外の場合は実験室で培養を行う。

5-1-1. 細胞播種

細胞浮遊液 2.4×105 cells(5×105 cells/mLの場合 480 μL)に対して培地を加え、18

mLに調整し、 1.5 mL/well で 12 well plate へ播種する。

5-1-2. 分化誘導

播種翌日に分化誘導を行う。

分化誘導培地を作製する。

Dex(-)系用培地の調製:培地に 1/100 量のβ-GP を添加

Dex(+)系用培地の調製:培地にそれぞれ 1/100 量のβ-GP、VitC、Dex を添加

培地を吸引し、下図の様に Dex(-)系用培地と Dex(+)系用培地を 6 well ずつ 1.5 mL/well

で加える。

実験室で培養する場合、下図の点線で囲まれた well 以外にカルセイン溶液を 1well につ

き 15μL添加する。

*播種翌日が休日の場合、播種当日に分化誘導を行う。

その場合、播種後の plate に各試薬を 1well につき 15μLずつ添加する。

Dex(+) Dex(-)

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5-1-3. 培地交換

5-1-2.と同様に分化誘導培地を作製し、培地交換を行う。

週 3 回程度培地交換を行い、14 日間培養する。

*CPC 内で培養している場合は、移植用細胞の培地交換に合わせて交換する。

5-2. 性能評価試験

培養 14 日目に 5-2-1~5-2-4 の試験をこの順序で行なうものとする。

*データの整理、解析等はこの順でなくてもよい。

*CPC 内で培養していた場合は、培養 14 日目に限らず搬出時に CPC から実験室に移し、

試験を行う。

5-2-1. 写真撮影

1) 写真撮影は原則として Dex(-),Dex(+)から上図色つき部分の well について行なう。

細胞が剥がれている場合などは別の well で代用する。撮影は、それぞれの well につ

き倍率 40 倍および 100倍で行なう。

*CPC 内で培養していた場合、カルセイン添加後に写真撮影をしてもよい。

2) CPC データ記録用のパソコンに写真データを保存する。(症例フォルダ)

3) 症例フォルダのパワーポイントファイルに写真データを貼り付ける。

4) 印刷する。

5-2-2. カルセイン測定

1) CPC 内で培養していた場合、測定の 4 時間前に上図の点線で囲まれた well 以外にカ

ルセイン溶液を 1well につき 15μLずつ添加する。

2) 準備

PBS(-)を 37℃に温めておく。

Typhoon scanner を起動させておく。

( Typhoon 本体の電源 ON → ランプが赤色から緑色に変わったらコンピュータ電源 ON

→Typhoon Scanner Control を起動する)

3) 各 well から培養液を吸引する。

Dex(+) Dex(-)

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4) 各 well を PBS(-)で 2 回洗浄する。

5) PBS(-)を各 well に 1mL 入れる。

6) Culture plate を Typhoon scanner の左下隅にセットする。

7) 測定

以下のように設定し、SCAN をクリックする。

Acquisition mode: Fluoresence

Set up: Emission Filter; 526SP Fluorecein, PMT; 500, Laser; Green(532), Sensitivity; Normal

Focal Plane: +3mm

Pixel size: 200microns

Image Analysis :Image Quant

*plate が縦向きに取り込まれるようにする。横向きに取り込まれた場合はやり直す。

(plate を縦長の向きに置いた場合 orientation の R を縦向きにする。)

8) 保存場所を E ドライブに指定する。

ファイル名は症例 ID、血清種別および継代数とする。

9) 解析

Image Quant を立ち上げ、保存ファイルを開く。(測定直後は自動的に表示されるた

め不要)

10) Image Data を編集する。

ツールバーの Ellipse を選び、well より一回り小さい円領域を作製する。

コピー&ペーストで同じ領域を 12 個作り、それぞれの well に配置する。

Text を選び、plate名、日付、Dex(-)、Dex(+)を書き込む。

11) Image Data を上書き保存し、印刷する。

12) 解析エリアを指定する。

[Analysis] → [Background correction] →Inspector が自動的に開くので ELPS-1 から

ELPS-12 を全て選び、 [None]にチェックを入れ、[Set] →Inspector window を閉じる

[Analysis] → [Volume Report] →Inspector が自動的に開くので ELPS-1 から ELPS-12

を全て選び、 [Report] →表示された window(Volume Report #1)を閉じる→ [Yes] →

Dex(+) Dex(-)

No.1

No.2

No.3

No.4

No.5

No.6

No.7

No.8

No.9

No.10

No.11

No.12

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自動的に Excel fileに変換される。

13) Volume/Area を計算する。

Volume 値から Area 値を割り control (calsein(-))値を引く。 (以前の表データを改変し

てもよい。)

14) Excel 表を Image Data と同フォルダに同名で保存する。

15) Excel 表を印刷する。

5-2-3. DNA 量測定

1) Wallac plate reader を起動させておく。

( Wallac 本体の電源 ON →コンピュータ電源 ON →Wallac 1420 Workstation を起動する)

2) DNA buffer の作製

10×DNA buffer 5mLに miliQ 水 45mLを加え、50mLの DNA buffer を作製する。

3) カルセイン測定後の Culture plate から PBS を吸引する。

4) Culture plate の各 well に 1well あたり 500μLの DNA buffer を入れる。

5) セルスクレーパーで細胞を剥がし、1.5mLエッペンチューブに細胞を回収する。

6) 細胞回収後の Culture plate に 20% ギ酸を 1well あたり 500μL入れ、室温で放置してお

く。

7) 細胞を回収したチューブを超音波処理機のチューブホルダーにセットし、ボルテック

スミキサーで攪拌する。

8) チューブホルダーを超音波処理機にセットし、5 分 超音波処理する。

(破砕が不十分な場合、さらに 5 分程度追加する。)

9) 超音波処理後のサンプルは直ちに氷上にて保管する。

10) Salmon sperm DNA 10mg/mL溶液および Hoechst33258 2.5mg/mL溶液をフリーザーか

ら取り出す。Hoechst33258 は遮光保存する。

11) 100, 50, 25, 10, 5, 0μg/mLの DNA 標準溶液を下記のように作製する。

100μg/mL: DNA buffer 198μL + Salmon sperm DNA 10mg/mL溶液 2μL

50μg/mL: DNA buffer 100μL + 100μg/mL DNA 標準溶液 100μL

25μg/mL: DNA buffer 100μL + 50μg/mL DNA 標準溶液 100μL

10μg/mL: DNA buffer 120μL + 25μg/mL DNA 標準溶液 80μL

5μg/mL: DNA buffer 100μL + 10μg/mL DNA 標準溶液 100μL

0μg/mL: DNA buffer

12) 各 DNA 標準溶液および試験サンプルを 96well Black plate に 20μLずつ入れる。測定

は 2 重測定で行なうものとし、各サンプル 2well ずつ使用する。

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サンプル位置

DNA 標準溶液:1, 2 列目の上から 0, 5, 10, 25, 50,100μg/mL

試験サンプル:Dex (-); 3, 4 列目の上から順に、Dex (+); 5, 6 列目の上から順に

(2 plate を同時に測定する場合は Dex (-); 7, 8 列、Dex (+); 9, 10 列を使用してもよい)

13) 発色液を調製する。

Hoechst33258 2.5mg/mL溶液 5μLを DNA buffer 10mLで 2000 倍に希釈し、発色液を作製

する。

14) 発色液を各 DNA 標準溶液および試験サンプルが入った well に 200μLずつ入れる。

15) プレートミキサーで攪拌後、暗所で 5 分間放置する。

16) Wallac plate reader で測定する。

( Instrument control の protocol から Clinical DNA assayを選び、Start → (Live displayでリ

アルタイムに数値を確認 → ) 測定終了を確認 → Latest assay run アイコンをクリック→

開いた Result ファイルの Plate シートを印刷)

5-2-4. ALP 活性測定

1) DNA 量測定後の試験サンプルを遠心分離する。(12000rpm、3 分間、4℃)

2) 希釈用 well(10 倍および 100 倍希釈用として、試験サンプル数の 2 倍数の well)に

DNA buffer を 180μLずつ入れる。(測定に使用する plate の開いている well もしくは希

釈用に別の plate を使用する)

3) 未希釈サンプル測定用 well (Dex (-); 2 列目の上から順に、Dex (+); 3 列目の上から順

に)および 10 倍希釈用 well に、試験サンプルを 20μLずついれる。

4) プレートミキサーで攪拌する。

5) 10 倍希釈用 well から 20μLずつ取り、100 倍希釈用 well に入れる。

6) プレートミキサーで攪拌する。

7) 10 倍および 100 倍希釈用 well から 20μLずつ取り、測定用 well に入れる。

10 倍希釈サンプル:Dex (-); 4 列目の上から順に、Dex (+); 5 列目の上から順に

100 倍希釈サンプル:Dex (-); 6 列目の上から順に、Dex (+); 7 列目の上から順に

8)ネガティブコントロールとして DNA buffer を 1 列目 A に、ポジティブコントロール

として 1.25μmol/mL PNP 溶液を 1 列目 B にそれぞれ 20μLずつ入れる。

9) PNPP 試薬をコントロールおよび試験サンプルが入った well に 100μLずつ入れる。

10) プレートミキサーで攪拌する。

11) 37℃、暗所で 30 分間反応させる。

12) 反応停止液(1N NaOH)を各 well に 100μLずつ入れる。

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13) プレートミキサーで攪拌する。

14) Wallac plate reader で測定する。

(Instrument control の protocol から Clinical ALP @ 405 (0.1s)を選び、Start → (Live display

でリアルタイムに数値を確認 → ) 測定終了を確認 → Latest assay run アイコンをクリッ

ク→開いた Result ファイルの Plate シートを印刷)

15) ALP 活性測定後、試験サンプルの残り(450μL程度)に DNA 量測定 6)で Culture

plate に入れた 20% ギ酸 500μLを回収し加える。

5-2-5. 試験結果の解析

居室の共用パソコン(マッキントッシュ)を使用し、デルタソフトで回帰計算を行なう。

*試験結果の解析は後日でもよい。

DNA 量

1) 「骨グループ」フォルダ→「臨床関係のデータ」フォルダ→「性能試験」フォルダか

ら「Clinical-DNA」ファイルを立ち上げる。(デルタソフト起動)

2) [Template]→[View Template]でデータ入力場所を確認する。( [Edit Template]で変更可)

(上段にサンプル名、下段に倍率(1.000)を入力する)

3) [Plate]→[Enter Plate]で plate に Wallac のデータを入力する。

4) [Analysis]→[Plate & Template]で入力データが指定したテンプレートに正確に入力され

ているか確認する。間違っている場合は[Plate]→[Edit Plate]で訂正し、再度確認する。

5) [Analysis]→[Curve Fit]で検量線を作成する。

6) [Analysis]→[Custom Report]で濃度計算をする。

7) 名前を付けてデータを保存する。

保存場所:「骨グループ」フォルダ→「臨床関係のデータ」フォルダ→「性能試験」フ

ォルダ→「データ」フォルダ→年別フォルダ内に症例毎のフォルダを作成して保存

保存名:症例 ID、血清種、継代数 、DNA 例:0501A1 DNA

8) データを印刷する。

[Plate & Template] [Curve Fit] [Custom Report]が選択されていることを確認する。

ALP 活性

1) 「骨グループ」フォルダ→「臨床関係のデータ」フォルダ→「性能試験」フォルダか

ら「Clinical-ALP」ファイルを立ち上げる。(デルタソフト起動)

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2) [Template]→[View Template]でデータ入力場所を確認する。(異なる場合は[Edit

Template]で変更する)(上段にサンプル名、下段に倍率(コントロール:1.000、1 倍希

釈:25.00、10 倍希釈:250.0、100 倍希釈:2500)を入力する)

3) [Plate]→[Edit Plate]で plate に Wallac のデータを入力する(フロッピーディスクに保存

したエクセルデータを貼り付ける)

4) [Analysis]→[Plate & Template]で入力データが指定したテンプレートに正確に入力され

ているか確認する。間違っている場合は[Plate]→[Edit plate]で訂正し、再度確認する。

5) [Analysis]→[Curve Fit]で検量線を作製する。

6) [Analysis]→[Custom Report]で濃度計算をする。

7) 名前を付けてデータを保存する。

保存場所:DNA 量解析データと同一フォルダに保存

保存名:症例 ID、血清種、継代数 、ALP 例:0501A1 ALP

8) データを印刷する。

[Plate & Template] [Curve Fit] [Custom Report]が選択されていることを確認する。

9) それぞれのサンプルについて吸光度が 2.0 以下程度で、希釈率の小さい well のデータ

を採用する。

5-2-6. 試験結果のまとめ

1) 「骨グループ」フォルダ→「臨床関係のデータ」フォルダ→「性能試験」フォルダ内

の「性能評価まとめ(様式 CPC-B3-05-1)」の黄色いデータ入力部分に、DNA 量、ALP

活性、カルセインのデータを入力する。(自動的に計算された値が表示される。)

2) チェック項目に漏れがないか、空欄がないか確認を行い、逸脱した手順があれば記載

する。

3) 名前を付けてデータを保存する。

保存場所:DNA 量、ALP 活性解析データと同一フォルダに保存

保存名:症例 ID、血清種、継代数 例:0501A1

4) データを印刷する。

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5-3. 試薬一覧

・β-GP:1M beta-glycerophosphate disodium salt (CALBIOCHEM: 35675) 溶液 (Final: 10mM)

・VitC:2.05mg/mL L-アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩n水和物 (WAKO:

013-12061) 溶液 (Final: 20.5μg/mL )

・Dex:10μM Dexamethasone (SIGMA: D8893) 溶液 (Final: 100nM)

・PBS(-):Phosphate Buffered Saline pH7.4 (GIBCO:10010-023)

・カルセイン溶液:Calcein(3,3’-Bis[N,N-bis(carboxyethyl)-aminomethyl]fluorecein)(Dojin:344-

00431)を PBS(-)に 100μg/mLで溶解したもの

・10×DNA buffer:100mM NaCl, 10mM Tris-HCl, 1mM EDTA (pH 7.4)

・20% ギ酸

・Salmon sperm DNA 10mg/mL溶液:Salmon Sperm DNA solution (Invitrogen:15632-011)

・Hoechst33258 2.5mg/mL 溶液

・1.25μmol/mL PNP 溶液

・PNPP 試薬:PNPP (1×)-Substrate for Alk. Phosphatase (Zymed Laboratories Inc.:00-2212)

・1N NaOH:

5-4. 試験結果の記録及びサンプル保存

1) 下記データを性能評価まとめ(様式 CPC-B3-05-1)と共に症例ファイルに綴じる。

・細胞の写真

・Typhoon scanner の Image Data 及び解析データ

・DNA 量測定データ(Raw data)及び解析データ

・ALP 活性測定データ(Raw data)及び解析データ

2) ギ酸を添加したサンプルは 2 日程度 4℃で放置し、その後凍結保存する。

6. 記録様式

CPC-B3-05-1 性能評価まとめ

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表面抗原解析に関する手順書 ( CPC-B3-06)

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1. 目的 CPC において培養される細胞の表面抗原を解析するための手順を記す。

2. 適用範囲 CPC において培養される細胞に適用する。ただし試験結果は参考データとして扱い、搬出

判定には使用しない。

3. 責任体制 品質管理責任者が CPC での表面抗原解析に関する責任と権限を有する。 本手順書は、品質管理責任者が指名した者が作成し、管理責任者が承認するものとする。

4. 遵守事項

品質管理基準書に基づき下記の手順書を遵守する。

5. 手順 <事前準備> ・使用予定日が決まったら、FACS Calibur の予約を取っておく (2013 号室のカレンダーに記入、

解析に約 2 時間かかる見込み)

・シース液:1x PBS 在庫を確認しておく (2013 号室)

・分注済みの Wash buffer(-30℃@1012 号室)を溶解しておく

Wash buffer :PBS にブロックエース原液を 10%添加したもの。25mLずつ分注し-30℃保存。 ブロックエース原液 :MQ 100ml にブロックエース 4g を溶かし、ろ過したもの

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5-1. 使用抗体の準備

使用抗体 Clone

No.1: Control IgG Mouse IgG1-FITC 679.1Mc7

No.2: CD13 CD13-FITC SJ1D1

No.3: CD34 CD34-FITC 581

No.4: CD44 CD44-FITC J.173

No.5: CD45 CD45-FITC J33

No.6: CD90 CD90-FITC F15-42-1-5

No.7: HLA-DR HLA-DR-FITC Immu-357

・抗体の保存:検査室(1012)、4℃保存

・抗体の使用量:20μL/チューブ

・反応条件:4℃、15min

5-2. 抗体染色

準備

・Wash buffer を約 20mL程度

・PI 液の調製:(10µl ずつ分注済みの PI(:Propidium Iodide (1mg/mL),-20℃保存)を 5mL

の Wash buffer に溶解する) →4℃で保持

・クラッシュアイス

・セルストレーナー付 5mL ラウンドチューブ 7 本

1) 培養担当者から FACS 解析用の細胞を受けとり、染色開始まで 4℃で保存しておく。

2) 1.6mL (8×105 cells)を別チューブに分注する(*5×105 cells/mLの場合)。残りのサンプル

は検査室(1012)の冷蔵庫にて保管する。

3) 遠心(900rpm、5min、4℃)

4) 上清を捨てペレットをタッピングでほぐした後、5mL の Wash buffer を入れて懸濁する。

5) 遠心 (900rpm、5min、4℃)

6) 上清を捨てペレットをほぐした後、640μl の Wash buffer で細胞を懸濁する。

7) 1 から 7 までナンバリングした 1.5mL tube に 80μl ずつ分注する。これ以降、細胞懸濁液は

常に氷上に保持するようにする。

8) 抗体を FACS 抗体表に従って 20μl ずつ添加し、ピペッティングによりよく混ぜる。

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9) 反応 (4℃、15min)、この間に 5-3.FACS Calibur の立ち上げを行ってもよい。

10) 反応時間経過後、各チューブに Wash buffer を 900μl ずつ加える。

11) 遠心(3000rpm、5min、4℃)

12) 上清を捨てペレットをよくほぐす。

13) No.1 に PI 液 500µl を加え、セルストレーナーを通して細胞をラウンドチューブに回収する。

14) No.2~ 7 も同様に行い、チューブにナンバーを記載しておく。

15) チューブは氷上に保持したまま FACS 解析室(2013)へ移動する。

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5-3. FACS Calibur の立ち上げ

5-3-1. 準備

以下の Calibrite Beads とサンプルを持って 2F FACS 解析室(2013 号室)へ移動する。

5-3-2. 電源立ち上げ

《順番通りに行うこと》

1) 安定化電源(Calibur の裏にある箱)スイッチ ON

2) 本体右奥グリーンのボタン ON (測定 30 分前に電源を入れておく)

3) ボックススイッチ(オレンジ:PC、プリンタ用)ON

4) プリンタ電源 ON

5) パソコン(Mac)電源 ON

5-3-3. FACSCalibur スタートアップ

*以下、Calibur 本体のボタンは下線で、パソコンソフト上のボタンは囲みで示す。

1) トレーを引き出し、向かって左のタンクにシース液(1x PBS)が 3/4 以上入っているこ

とを確認する。

2) 向かって右の廃液タンクが空になっていることを確認する。

3) トレー内の黒いつまみ(加圧弁)を手前に倒す→2,3 分でシースタンクが加圧される。

4) フィルター、ラインの気泡を取り除く。コマを元に戻す。

5) トレーを元に戻す。

6) サンプル吸引部にセットしてあるチューブ(ミリ Q)を取り外し、アームを横にした状

態で本体右手の PRIME ボタンを押す→自動的に STNDBY に切り替わる。

7) 6)を 3 回繰り返す。

8) チューブをセットしなおしアームを元に戻す。

5-3-4. FACSCalibur 機器精度管理

・<ビーズサンプル調製>

1) 5mLラウンドチューブを 2 本用意し、それぞれ U (unlabeled )、M (mixed) と書く。

2) U に 1cm、M に 3cm 程度 PBS(-)を分注する。(目分量で良い)

3) 試薬 Calibrite ビーズ(白、緑、赤)を箱から取り出し、よく振る。

4) U に白を 1 滴滴下し、よく振り混ぜる。

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5) M に白、緑、赤を 1 滴ずつ滴下し、よく振り混ぜる。

・ソフトのセットアップ

6) PC 上アップルメニューより FACSComp を選ぶ。

7) Accept

8) ビーズ Lot ID を確認する(Calibrite の箱の内側に貼ってあるシールの右側の欄 Bead’s

IDs FACSFlow Sheath の記載と合っているか)。合っていない場合は書き換える。

9) Run

10) ミリ Q のチューブをはずす。

11) 本体の RUN および HI ボタンを押す。

12) U をセットし、Start:完了と同時に音がする(Successfullyが点灯してすぐ消える)

13) M をセットし、Start

14) 完了後、自動的に Summary Report が表示されるので、Result を確認する:

Pass でない場合は 1)からやり直す。ビーズはよく振ること。

全て Pass であれば Quit→

15) 自動的にレポートが印刷されるので、Calibur 下の引き出しに保管する。

16) ミリ Q の入ったチューブをセットし、RUN から STNDBY に切り替える。

17) ビーズの箱に使用日をメモする。使用したビーズは出来るだけすぐ 4℃に戻す。

(数回やり直しても FSC、SSC が Pass しなくなった場合はシースフィルターの劣化が考えら

れるのでシースフィルターを交換する。交換方法の詳細は FACS メンテナンスガイド参照)

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5-4. CELL QUEST による解析

5-2.抗体染色が終わったら FACS Calibur による測定とデータの取り込みと解析ソフト CELL

QUEST による解析を同時に行う。

<CELL QUEST 解析条件のセット>

1) デスクトップ上の「骨チーム」フォルダ → clinical case → 抗体染色シート開く。

2) メニューバーから Acquire → Connect to Cytometer → 開いたウィンドウ(Acquisition

Control パネル)を画面の端によせる。

3) Cytometer → Detectors/Amps を開いて画面の端によせる。

4) Cytometer → States を開いて画面の端によせる。

5) Cytometer → instrument setting → Open → 骨チーム → clinical case

→instrsettings hBMC 開く(測定設定ファイル呼び出し) → Set を押す(Detectors/Amps

の値が変わるのを確認)→ 値が変わり終えたら、Done を押す。

6) Acquire → Acquisition Storage を開き、Event Count: 10000 of G2=R2 になっていること

を確認。OK

7) Acquire → counters を開いて画面の端に寄せる。

8) Acquire → Parameter Description を開く → Folder → clinical case を開き、その年

のフォルダ内に新しいフォルダを作製して Select”新しいフォルダ名”を押す → File →

Custom Prefix: (症例 ID を入力) → File count: (1 に書き換える) → Sample ID:

( 何も記入しなくてよい)→ OK → 画面の端によせる。

9) 抗体染色シートウィンドウをアクティブにし、サンプル解析をはじめる。

<サンプルの測定条件設定>

まずサンプル No.1 (Control IgG)を用いてサンプル全てに共通の測定条件のセットアップを

行う。条件設定だけでサンプルを使いすぎないため以下の操作は素早く行うこと。(~15)

のチューブをはずすまで)

10) Acquisition Control パネルの Set up にチェックが入っていることを確認する。(set up 中は、

測定記録は残らない。)

11) 本体の RUN・LO ボタンを押す。

12) サンプル No.1(control)のチューブのフタを取ってよく振り、セットする。

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13) 素早く Acquisition Control パネルの Acquire を押す。(本体の RUN ボタンと解析ソフト

の開始が連動していないので注意)

14) 抗体染色シートの左上の図で細胞集団を囲むように Gate : R1 を動かす。次に右上の図で

同様に細胞集団を囲むように Gate : R2 を動かす。さらに左下の図でドットプロットの集

団がだいたい 100~101以内に収まるように、Detectors / Amps パネルの FL1 の voltage 値

を上下に調整する。(調整後の FL1 の値を記録用紙に記入)

15) サンプル No.1 のチューブをはずす(他のチューブをセットしなくてもよい)

16) States パネルの Laser Power、Laser Current、Sample Voltage の値を記録用紙に記入。

17) Pause を押し、File → Print で抗体染色シートを印刷する。

<サンプルの測定>

18) Abort → set up のチェックを外す

19) サンプル No.1 のチューブを再びセットし、RUN・LO、Acquire で測定を開始する。

20) 測定が順調に始まったら HI に切り替える。

21) 測定終了と同時に音が鳴り、次サンプルの測定待機状態になる。測定の終わったチュー

ブを取り外し、Acquires count で示されたサンプルをセット→ Acquire で測定開始する。

※ 測定途中でサンプルの液がなくなってきたら、Pause → Save し、サンプルを

1x PBS で薄めて測定を続行する。またはサンプル染色やり直し。

・測定終了

22) 全てのサンプル測定が終わったらサンプルチューブを取り外し、ミリ Q のチューブをセ

ットして STNDBY にする。

23) 測定終了後のサンプルチューブは感染性廃棄物に捨てる。

24) メニューバーから Acquire → Disconnect from Cytometer で測定画面を消す。

25) 消えなかった画面も片付ける。

26) 抗体染色シートを閉じる。Don’t Save を選択。

続いて機器のシャットダウン(5-3.)とデータ解析(5-4.)を行う。

データ解析はシャットダウン操作中もしくは後日行ってもよい。

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5-5. シャットダウン手順

1) 5mLラウンドチューブを 2 本用意し、FACSClean と FACSRinse をチューブの半分まで入れる。

2) 本体の HI・RUN ボタンを押す。

3) アームは倒した状態で FACSClean のチューブをセット:1 分間

4) アームは倒さず FACSClean のチューブをセット :5 分間

5) アームは倒した状態で FACSRinse のチューブをセット:1 分間

6) アームは倒さず FACSRinse のチューブをセット :5 分間

7) アームは倒した状態でミリ Q のチューブをセット:1 分間

8) アームは倒さずミリ Q のチューブをセット :5 分間

9) ミリ Q(または FACSRinse)約 1cm 入りのチューブをセットし、本体の STNDBY ボタンを押す。

10) トレーを引き出し、加圧弁を奥側に倒す。

11) シース液を補充し、廃液タンクを空にする。(廃液はオートクレーブ後廃棄)

12) FACS Calibur 横に貼ってある FACS Calibur 使用記録に記録をつける。

13) レーザー保護のため、本体の STNDBY ボタンを押し 5 分以上経過後、以下の順で全ての機器

の電源を落とす。

1. コンピュータのシャットダウン

2. プリンタ電源 OFF

3. ボックススイッチ(オレンジ) OFF

4. 本体右奥グリーンのボタン OFF

5. 安定化電源 OFF

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5-6. データ解析

後日でもよい。続けて行う場合はシャットダウン操作中に行うとよい。

1) 骨チーム → clinical case → 条件の近い症例の解析シート(三角フラスコマークの

ファイル)を開く

2) File → Save as → 新しいファイル名で保存し、これに上書きしていく。

3) テキストツールを選択し、症例 ID を入力する。

4) control.の 4 つのグラフの内、1番左上のグラフをアクティブにし、Prot → Format Dot

Plot → Select File → 測定データ 001 を選択 → Open → OK

(Apple ロゴ ( )+D でも測定データ選択画面になる)

5) 同様の操作で control.の 4 つの図を全て今回測定データ.001 に置き換える。(右下の図の

場合は Prot → Format histgram →)

6) control.右上の図の、Gate : R1 を動かし、細胞集団を囲む。

7) control. 右下の図の M1 を、%Gated の値が 0.5 前後になるようにずらす。

8) 他のグラフはそれぞれの抗体に対応した今回の結果に入れ替える。(操作は 4 と同じ)

9) 抗体 No.2~6 の Histgram 図から前回の M1 を削除し、今回の control.の M1 をコピー&ペ

ーストする。(削除後でないと貼り付けできない)

10) 上書き保存し、印刷する。(きれい印刷で)

5-7. 解析結果の記録

表面抗原解析記録 (様式 CPC-B3-06-1)及びを作成し、Histgram 図、5-4.で印刷した抗体染色シ

ートとともに症例ファイルに綴じる。

6. 記録様式 CPC-B3-06-1 表面抗原解析記録

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参考品の採取及び保管管理に関する手順書 ( CPC-B3-08 )

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1. 目的 CPC から搬出される製品に関する参考品の採取及び保管管理の手順を記す。

2. 適用範囲 CPC 内から搬出される製品すべてに適用する。

3. 責任体制 品質管理責任者が参考品の採取及び保管管理に関する責任と権限を有する。 本手順書は、作業担当者が作成し、管理責任者が承認するものとする

4. 遵守事項 品質管理基準書に基づき下記の手順書を遵守する。

5. 手順 5-1 対象サンプル並びに参考品番号 以下のサンプルを製品毎に参考品として採取し、サンプル種別に以下の番号を付ける。 ・培養に用いた自己血清または FBS:参考品(1) 血清分離時、培地調製前の自己血清または培地調製前の FBS 1mL ・基材播種時または搬出時の細胞:参考品(2) 基材播種時または搬出時の細胞を TC プロテクターに懸濁したもの 5×105cells 以上 ・最終まで使用した培地:参考品(3)

最後に培地を使用した後に残っている未使用培地 1mL ・細胞と同時に移植される試液、基材等:参考品(4~)

搬出時に細胞を懸濁した PBS 1mL、細胞を播種した基材 1mLまたはチューブに入る程

度の大きさの物を数個

5-2 参考品の採取 参考品をグレード A の環境下で、2 mLクライオチューブに採取する。参考品を採取したチ

ューブに ID 番号、保存年月日、参考品番号を明記する。 5-3 保管条件 採取した参考品を製品毎に並べて保管ボックスに入れ、-80℃フリーザーにて保管する。

5-4 保管期間 保管期間は 10 年間とする。

6. 記録とその様式 参考品保管記録(様式 CPC-B3-08-1)を作成し、ID 番号、保存年月日、保管ボックス番号を

明記する。 7. 関連する標準

品質管理基準書、当該製品標準書

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品質管理に使用する機器の点検整備及び校正に関する手順書

( CPC-B3-09 )

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1. 目的

7.6 項に則り CPC において製造される製品の品質管理に使用する機器についての点検整備お

よび校正に関する手順を記す。

2. 適用範囲 CPC において製造される製品の品質管理に用いられる機器に適用する。

3. 責任体制 品質管理責任者が CPC の品質管理に使用する機器の点検整備と校正に関する責任と権限を

有する。

4. 遵守事項 品質マニュアル、品質管理基準書の記載を守り、トレーサビリティを確保する。

5. 機器管理 5-1.機器管理台帳

品質管理責任者は、品質管理に使用する機器に関する以下の項目を確認し、機器管理台

帳(品質管理機器リスト)に登録する。メーカー、校正委託先、ディーラーは購買管理

基準書に従い評価を行ってから登録する。機器管理台帳の更新の際は、管理責任者の承

認を得る。

・ 品名

・ 型式

・ シリアル番号

・ メーカー

・ 校正委託先

・ ディーラー

・ 設置場所

・ 資産番号

・ 点検または校正の必要性(必要ならばその頻度および内容)

・ 保守担当者 なお、機器を使用して得られる結果が製品の品質に大きな影響を与える機器を重点管理

機器として定め、機器管理台帳(品質管理機器リスト)に明記する。重点管理機器は委

託先による定期点検または定期校正の他に内部基準による点検も実施し、頻回な点検に

より機器異常の早期検出を図るものとする。 5-2.Log Book

品質管理責任者は、機器管理台帳へ登録された機器に対する Log Book を作成する。

Log Book は機器の保守履歴を記録するものであり、以下のように使用する。

・品質管理責任者は、作成時に点検・校正の区別、管理幅、頻度およびその方法につい

て記入する。 ・担当者は、本手順書に従って機器の点検・校正及び修理を行い、Log Book に記録する。

報告書等があれば、記録番号をつけ Log Book に記録、保管する。代替機を手配した場

合は添付書類のコピーを取り、同様に記録、保管する。部品の交換等も記載する。

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・担当者は、機器の不具合等を発見した場合、その内容と行った対応を Log Book に記録

し、品質管理責任者に報告する。 ・品質管理責任者は、Log Book の記入結果を確認する。(年1回)

6. 点検・校正 6-1. 点検・校正の種類 点検整備は、日常点検、定期点検、定期校正に分けられる。 日常点検:使用前に Logbook に記載されている点検項目を確認する。 定期点検:機器管理台帳(品質管理機器リスト)に記載されている頻度で、担当者または

当該機器メーカー(委託先)が実施する。 定期校正:機器管理台帳(品質管理機器リスト)に記載されている頻度で、委託先が実施

する。 6-2. 点検・校正の実施 担当者は Log Book に従い、点検・校正を行う。

6-3. 点検・校正委託

1) 事前打ち合わせ 担当者は直接やりとりを行うディーラー及び点検・校正委託先が購買先リストへ登録済み

であることを確認する。 発注前に、委託先へ点検・校正内容を問い合わせ、品質管理責任者を中心に内容を文書ま

たはメールにて確認する。提出依頼書類、代替機の手配についても打ち合わせを行ってお

く。確認した書類は記録番号をつけ Log Book と共に保管する。 ■ 提出依頼書類 点検については、メーカーの点検報告書を入手する。 校正については、校正証明書もしくはそれに類する書類を入手する。書類は JCSS 標章ま

たは JCSS 認定シンボル付のもの、もしくは以下の内容を含むものとする。 ・校正実施日 ・校正実施場所 ・試験条件 ・作業者 ・校正に使用した標準 ・上位標準(国家標準)へのトレーサビリティ体系図 ■ 代替機 必要な場合は代替機を手配する。代替機には提出依頼書類と同等のものを添付するよう依

頼する。 2) 発注 購買先リスト及び実施内容の確認後、発注する。発注は物品購入台帳に入力することで行

う。 3) 検収および検証 点検・校正を外部委託した場合は、担当者が検収し、購買管理基準書に従い提出依頼書類

に問題がないことを確認(検証)する。検収・検証結果は物品購入台帳に入力する。 管理幅の逸脱が判明した場合は 7. 不具合発生時の処置に従い、それまでの測定結果につい

て妥当性評価を行う。 6-4. 実施の記録

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定期点検・定期校正を行った機器は、Log Book に経緯および検収日、有効期限(次回実施

予定)、添付書類が有る場合は記録番号を記載する。点検・校正の有効期限は各機器また

はその近傍にも明示する。

7. 不具合発生時の処置 品質管理に用いる機器に関して不具合が判明した場合(管理幅の逸脱・故障発見、異常に

気がついた等)には、以下の処置を行う。

1)Log Book に不具合の判明日、内容を記録し、品質管理責任者に報告する。 2)定期点検時に不具合が判明した場合は、是正処置管理基準書に基づき処置の実施と記

録を行う。作業工程内での不具合は、不適合管理基準書に基づき処置の実施と記録を行

う。 3)当該機器の近傍に他の使用者への伝達事項(使用停止について、代替機について、使

用上の注意など)を明示し、品質管理責任者に報告する。

8. 修理 修理作業は、基本的には当該機器のメーカーに委託し実施する。 修理に際し、点検・校正も同時に行う場合には 6-3. 点検・校正委託の手順も参考にする。

8-1. 修理委託手順 担当者は、直接やりとりを行うディーラー及び当該機器のメーカー(修理作業をメーカー

以外に委託する場合は、その委託先)が購買先リストへ登録済みであることを確認し、発

注する。必要な場合は、代替機を依頼する。 Log Book に修理の経緯、修理期間中の代替手段について記載する。

8-2. 修理の確認 修理完了の際は、購買管理基準書に従い担当者が当該機器および報告書に問題がない事を

確認(検収・検証)する。 入手した報告書類は記録番号をつけ、Log Book と共に保管する。Log Book に検収日、記

録番号を記載する。点検・校正も行った場合は有効期限を再設定する。

9. 記録とその様式 様式 CPC-B3-09-1 機器管理台帳(品質管理機器リスト) 様式 CPC-B3-09-2 Log Book(品質管理) 様式 CPC-B3-09-3 BacT/ALERT3D 内部点検記録書・1 様式 CPC-B3-09-4 BacT/ALERT3D 内部点検記録書・2 様式 CPC-B3-09-5 標準温度計を用いた機器温度の内部点検記録書 様式 CPC-B3-09-6 GeneSpecIII の内部点検記録書

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器具滅菌に関する手順書 ( CPC-B3-10)

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1. 目的 CPC において培養に用いる細胞の無菌性を担保するため、直接製品に接触する器具について

は適切な滅菌が施されていなければならない。本手順書は、CPC において製品に使用する器

具の滅菌に関する手順を記す。

2. 適用範囲 CPC において製品に直接接触する器具で、滅菌が施されていないものに適用する。

3. 責任体制 品質管理責任者が CPC での器具滅菌に関する責任と権限を有する。 本手順書は、品質管理責任者が指名した者が作成し、管理責任者が承認するものとする。

4. 遵守事項

品質管理基準書に基づき下記の手順書を遵守する。

5. 手順 滅菌が必要な器具(人工関節の症例においては培養容器)について、使用する 3 日前までに

滅菌が終わるように計画する。(培養担当者より依頼がある)

準備 ・ E 棟検査室(1012)のヒートブロックを 56℃にセットしておく ・ インジケータ 3 本を用意する。

5-1. 器具の包装 1) 滅菌する器具を必要個数(培養容器の場合は、必要個数+1 個)用意する。 2) 器具を前室流しにて滅菌精製水でよく濯ぐ(各部 7 回ずつ)。 3) 洗浄した器具は滅菌バックにまとめて入れる。 4) 前室の乾熱滅菌器を 50℃にセットし,水滴がなくなる程度に乾燥させる。 5) 滅菌バック (中×1、小×1) を用意する。 6) 器具は 1 包装につき 1 つずつ、2 重包装にする。 7) 包装した全ての器具を 1 つのオートクレーブバックに入れる。 8) インジケータは 1 包装につき 2 本封入し、同様に 2 重包装した後、別に用意したオートク

レーブバックに入れる。 ※培養容器の滅菌の場合は、余剰分の培養容器の内部にインジケータを入れて包装し、イ

ンジケータを取り出した後の容器は使用せず廃棄する。 5-2. オートクレーブ滅菌 1) 126℃で 30 分間滅菌する。 2) オートクレーブ終了後、インジケータのラベルがピンク(非加熱)から茶色(加熱済)に変

わっていることを確認する。 3) 滅菌器具は前室の乾燥器(50℃)で 1 晩乾燥させる。 4) インジケータ入りオートクレーブバックは E 棟検査室(1012)に持って行く。 5-3. インジケータの培養 1) インジケータ(滅菌操作済み n=2)はオートクレーブバックから取り出し、さらに control(未

滅菌 n=1)も加えて計 3 本を以下の試験に用いる。 2) 鋏の持ち手部分を使ってインジケータ中のアンプルを割る(強く押しすぎると外装が破損

するので注意する)と細菌と培地が混ざる。 3) 56℃のヒートブロックで 48 時間培養する。

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4) 24 時間目で仮判定(黄変しないことを確認)、48 時間で最終判定を行う。

5-4. 判定 ・ control の培養液が黄色に変色し、滅菌操作済みのものは紫色のままの時、滅菌完了と判定

する。 ・ 滅菌操作済みのものが黄色に変色する場合は適切な滅菌効果が得られていないと判定し、再

滅菌を行う。 ・ control も含め全てが紫色のまま変色しない場合はインジケータの品質不良が疑われるので

別 Lot のインジケータを用意して再滅菌を行う。 5-5. 再滅菌 ・ インジケータの判定が陽性の場合は、再滅菌を行う。 ・ 再滅菌後も陽性の場合は、状況を品質管理責任者に報告する。 5-6. 記録 1) 適切に滅菌された器具には滅菌ロット番号を付与する(ロット番号:滅菌日 6 桁-通し番号)。 2) 「器具滅菌記録用紙」をプリントアウトし、必要事項を記入する(滅菌日、作業実施者名、

判定結果、滅菌ロット番号)。 3) 器具滅菌記録用紙は「試薬・物品管理ファイル」に綴じる。 4) 結果を品質管理責任者に報告し、承認を得る。 5) 再滅菌の記録は同様のフォーマットを用いた上、再滅菌であることを明記する。 5-7. 保管 1) 滅菌完了の判定が出たら、ロットシールを作製し(滅菌ロット番号と通し番号を記載)、

各々の器具の外包装に貼り付ける。 2) ロットシールを貼った器具はサプライ室の所定の場所に保管する。

6. 記録とその様式 CPC-B3-10-1 器具滅菌記録用紙