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院外処方箋疑義照会簡素化プロトコル導入について
高槻赤十字病院 薬剤部薬剤師会説明用資料
はじめに
【疑義照会簡素化プロトコル】
あらかじめ合意されたルールに基づき、疑義照会なしで変更調剤を可能とする取り組み。
【目的】
形式的な疑義照会を減少させる。
保険薬局:患者待ち時間の短縮薬学的知見に基づく本来の疑義照会に注力
医療機関:医師・関係職員の負担軽減
【法的解釈】
薬剤師法第23条2項の変更調剤における医師の同意を、プロトコルにより合意が得られたとみなし、第24条の疑義照会義務に抵触しないという解釈。
【行政通知】
平成22年4月30日付厚生労働省医政局長通知
薬剤の種類・投与量・投与方法・投与期間について、医師・薬剤師等により事前に作成・合意されたプロトコルに基づき、専門的知見の活用を通じて、医師等と協働して実施すること。
プロトコル内容
【大原則】
・保険薬局店補ごとに合意書の締結が必要。
・麻薬・抗癌剤・覚せい剤原料は対象外とする。
・変更調剤の内容・価格等について、 患者に十分な説明を行い同意を得る。
・専用の報告書を用いて、FAXにて事後報告を行う。
・簡素化プロトコル外で対応可能な変更調剤は、お薬手帳の記載のみで報告の必要なし。
① 同一成分の銘柄変更
例:ステーブラ錠0.1mg → ウリトス錠0.1mg
例:プロペト → 白色ワセリン「ケンエー」
・先発品・局方品も変更可能です。
・変更不可欄にチェックが入っている場合は不可とします。
・患者に変更理由・価格等を説明のうえ、同意を得てください。
② 剤形の変更
例:ガスター錠20mg → ガスターD錠20mg例:セルベックスカプセル → セルベックス細粒例:ロキソニンテープ100mg → ロキソニンパップ100mg例:アセトアミノフェン原末 → カロナール細粒20%
(①②の併用事例)
・安定性・利便性向上のための変更に限ります。・安定性・溶解性・体内動態・服薬状況を考慮願います。・用法・用量が変わらない場合のみ可能です。・先発品・局方品も変更可能です。・外用薬は、パップ剤⇔テープ剤のみ含有量・枚数が同一であれば可能です。
・内服薬⇔外用薬(坐薬等)は不可とします。・変更不可欄にチェックが入っている場合は不可とします。・患者に変更理由・価格等を説明のうえ、同意を得てください。
③ 規格が複数ある医薬品の規格変更
例:ノルバスク錠5mg 0.5錠 → ノルバスク錠2.5mg 1錠
例:ノルバスク錠5mg 2錠 → ノルバスク錠10mg 1錠
・安定性・利便性向上のための変更に限ります。
・先発品・局方品も変更可能です。
・患者に変更理由・価格等を説明のうえ、同意を得てください。
④ 軟膏・クリームや湿布薬での用量規格の変更
例:マイザー軟膏0.05% 5g×2本 → 10g×1本
例:セルタッチパップ70 6枚入×7袋 → 7枚入×6袋
・合計処方量が変わらない場合に限ります。
・患者に変更理由・価格等を説明のうえ、同意を得てください。
⑤ 処方薬の半割・粉砕・混合(規格追加も含む)
例:ワソラン錠40mg 3錠 分3毎食後 → 分3毎食後 粉砕(嚥下困難あり)
例:ワーファリン錠1mg 2.5錠 → 1mg 2錠0.5mg 1錠
・安定性データに留意のうえ対応願います。
・服薬状況上の理由よる処方薬の半割・粉砕・混合に関する変更に限り可能とします。
・患者に変更理由・技術料算定による価格上昇等を説明のうえ、同意を得てください。
⑥ 一包化調剤の実施
例:プレドニン錠5mg 4錠ガスターD錠20mg 1錠 分1朝食後 → 分1朝食後 一包化
(患者希望)
・安定性データに留意のうえ対応願います。
・「患者希望」「アドヒアランス不良の改善が見込まれる」の理由のみ可能とします。
・一包化不可のコメントがある場合は不可とします。
・患者に変更理由・技術料算定による価格上昇等を説明のうえ、同意を得てください。
⑦ 残薬調整のための処方日数短縮
例:ジャディアンス錠25mg 1錠×30日分 → ×28日分(残薬2錠)
例:レスキュラ点眼液0.12% 15mL → 10mL(残薬1本)
・薬歴上継続処方薬に残薬があるため、投与日数を短縮する場合に限ります。
・外用薬の本数変更も含みます。・処方の削除や日数追加は不可とします。・頓用処方は不可とします。・「保険医療機関へ疑義照会した上で調剤」にチェックがある場合は疑義照会が必要です。
・著しいアドヒアランス低下がある場合は、理由を添えて疑義照会をお願いします。
⑧ 週1回・月1回・隔日投与製剤等の日数適正化
例:ボナロン錠35mg ×56日分 → ×8日分(他の連日処方薬が56日分)
例:ラシックス錠20mg 隔日×28日分 → ×14日分(他の連日処方薬が28日分)
・連日投与の他の処方薬と同一の日数で処方されている場合に限ります。
・明らかな処方間違いと判断された場合に可能とします。
⑨ 外用剤の用法追記
例:セルタッチパップ70 1日2回 → 1日2回 腰
例:ボアラ軟膏0.12% 右手首 → 1日1回 右手首
・適用回数・適用部位・適用タイミング等の追記に限ります。
・薬歴上あるいは患者面談上、医師の口頭指示を含め用法が明確な場合に可能とします。
・経皮吸収による全身作用を目的とする薬は不可とします。
⑩ 添付文書に基づく軽微な用法変更
例:ツムラ葛根湯エキス顆粒 7.5g 分3毎食後 → 分3毎食前(もしくは食間)
例:セイブル錠50mg 3錠 分3毎食前 → 分3毎食直前
・漢方薬の食後処方、添付文書上の食直前投与薬の食前処方に限り可能とします。
運用手順
※申込用紙・プロトコル本体は高槻赤十字病院ホームページからダウンロードできます。
【プロトコルへの参加】
保険薬局 高槻赤十字病院
運用開始
申込用紙※ ・合意書ひな形
・プロトコル本体※
・専用報告書合意書・薬局名・開設者名+印 合意書
・院長印・運用開始日
メール・FAX
メール
2部郵送
1部郵送
【合意書】word
乙欄を記載し開設者の押印
保険薬局名を記載店舗名は括弧内に記載
※電子カルテシステム上、非採用品への変更調剤が生じた場合は反映されません。
【変更調剤】
保険薬局 高槻赤十字病院
プロトコル外
FAXのみ
通常の疑義照会
プロトコル該当
9~17時
疑義照会案件
専用報告書 次回処方に反映※
患者説明・同意
変更調剤・交付
【専用報告書】word
該当する簡素化項目にチェック(複数該当する場合はすべて)
処方箋コピーを添付する場合はチェック(原則添付をお願いします)
変更調剤の内容を記載
【受付窓口】
簡素化プロトコル専用報告書・疑義照会共通FAX番号 072-690-6667(FAX専用)受付時間 病院開庁日(平日) 9時~17時
さいごに
【お知らせ】
2020年4月1日より、薬剤師会の人員派遣が終了し、FAXコーナーが完全無人化で運営されます。
電話連絡が必要な場合は、代表番号072-696-0571を通してご用件をお話し願います。
保険薬局の皆様のご理解・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
本資料は、高槻赤十字病院ホームページよりダウンロードできます。