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鉄筋継手工事特記仕様書(2019 年) 公益社団法人日本鉄筋継手協会 鉄筋継手品質確保推進特別委員会 各種要領書・特記仕様書見直し小委員会

鉄筋継手工事特記仕様書(2019 年)鉄筋継手工事特記仕様書の改訂に当たって 建設工法が多様化し、鉄筋も高強度化・太径化が進み、それに伴って鉄筋継手工法も多

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鉄筋継手工事特記仕様書(2019年)

公益社団法人日本鉄筋継手協会

鉄筋継手品質確保推進特別委員会

各種要領書・特記仕様書見直し小委員会

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鉄筋継手工事特記仕様書の改訂に当たって

建設工法が多様化し、鉄筋も高強度化・太径化が進み、それに伴って鉄筋継手工法も多

くの種類が開発されてきました。そのため、鉄筋継手の品質管理が建物の構造品質に大き

な影響を与えるようになり、その重要性が増しています。

(公社)日本鉄筋継手協会(以下、「本協会」という)は、行政、(一社)日本建築学会、(公

社)土木学会、発注者、設計者、施工者(元請)、鉄筋継手施工会社、検査会社など多くの

関係者の参画を得て、鉄筋継手の品質確保のために各種鉄筋継手(圧接継手・溶接継手・

機械式継手)の品質管理体系の統一化を図り、2009 年に各種鉄筋継手の工事標準仕様書を

改訂し、「鉄筋継手工事標準仕様書 ガス圧接継手工事」、「鉄筋継手工事標準仕様書 溶接継

手工事」、「鉄筋継手工事標準仕様書 機械式継手工事」として発行しました。

鉄筋継手工事標準仕様書のうち、ガス圧接継手工事については、既に(一社)公共建築協

会(国土交通省大臣官房官庁営繕部監修)の「公共建築工事標準仕様書」、(一社)日本建築

学会、(公社)土木学会等の仕様書、規準等に採用されています。しかしながら、鉄筋継手

の品質にばらつきがあることから、発注者・設計者が、鉄筋継手工事標準仕様書の内容を

盛り込んだ構造特記仕様書を作成して、施工者(元請)に明示することが、鉄筋継手の品

質確保及び品質向上に不可欠であるとされました。

そのため、標準的な構造特記仕様書を、設計・工事監理・行政審査に携わる関係者の参

画により、「鉄筋継手工事特記仕様書」として 2013年に作成し、発行しました。

その後、JIS Z 3450「鉄筋の継手に関する品質要求事項」が 2015 年に制定されたこと、

及び鉄筋継手工事標準仕様書が 2017年に改訂されたことを受けて、それらとの整合を図る

ことを目的として改訂することとしました。 特に、継手の等級及び継手の位置の指定が重

要であることから、鉄筋継手工法・継手の等級・適用部材の部分を見直しました。また、

協会の鉄筋継手工事標準仕様書の規定は、平成 12 年建告第 1463 号、及びただし書きに準

拠していることから、告示の仕様規定について記載しないこととしました。

解説に鉄筋継手の設計の章を追加し、「鉄筋の継手に関する品質要求事項と鉄筋継手工事

標準仕様書」、「鉄筋継手の選定」に関して、特記仕様書の記載に当たって参考となるよう

詳しく説明しています。また、設計した鉄筋継手が、施工現場で確実に施工されるために

必要な技術的な要求事項や、継手の設計に際して配慮されなければいけない事項等を解説

しています。

鉄筋継手工事特記仕様書の作成に当たり活用していただくことで、鉄筋継手の品質確保

及び品質向上に寄与することを期待しています。

2019年3月

各種要領書・特記仕様書見直し小委員会

特記仕様書WG 主査 内海 博

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鉄筋継手工事特記仕様書作成小委員会

(平成 25年 3月末現在)

委 員 長 内海 博 ㈱入江三宅設計事務所 構造設計部 技術顧問

委 員 嵐山 正樹 ㈱久米設計 環境技術本部 副本部長・構造設計部 統括部長

委 員 安藤 欽也 (一社)東京都建築士事務所協会・安藤構造設計室 室長

委 員 柴田 昭彦 ㈱梓設計 執行役員 構造部 部長

委 員 武平 俊秀 日本建築行政会議・大阪市 計画調整局 建築指導部 建築確認課

担当係長

委 員 田極 義明 SGSジャパン(株) 建築認証部 部長

委 員 中川 崇 ㈱日本設計 構造設計群 主管

委 員 吉岡 順一 ㈱ヨシオカ設計 代表取締役

各種要領書・特記仕様書見直し小委員会

(2019年 3月末現在)

委 員 長 中澤 春生 清水建設㈱ 技術研究所 建設基盤技術センター架構技術グルー

プ グループ長

委 員 石川 洋 ㈱インテック 技術管理部 部長

委 員 内海 博 ㈱入江三宅設計事務所 構造設計部 技術顧問

委 員 犬伏 昭 清水建設㈱ 生産技術部本部 建築技術部 主査

委 員 鬼塚 雅嗣 鉄建建設㈱ 建築本部 建築技術部 部長

委 員 小林 誠治 城南ガス圧接㈱ 常務取締役

委 員 土井 克也 ㈱ダイイチ 代表取締役社長

委 員 藤田 英二 ㈱安井建築設計事務所 構造部 担当部長

委 員 前川 真一 ㈱ダンテック 執行役員 副支社長

委 員 前澤 澄夫 (公社)日本鉄筋継手協会 専務理事

委 員 矢部 喜堂 (公社)日本鉄筋継手協会 顧問

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鉄筋継手工事特記仕様書(2019年)

目 次

1.鉄筋継手工事特記仕様書 .................................................. 1

2.鉄筋継手工事特記仕様書 解説

2.1 継手の施工及び検査について ........................................... 2

2.2 鉄筋継手工法・継手の等級・適用部材について ........................... 2

2.2.1 表内「鉄筋継手工法」について ..................................... 2

2.2.2 表内「継手の等級・継手位置の指定」について ........................ 2

2.2.3 表内「鉄筋の径・部位」について ................................... 3

2.3 継手施工会社について ................................................. 3

2.4 施工要領書の作成について ............................................. 3

2.5 鉄筋端部の切断について ............................................... 3

2.6 施工前試験について ................................................... 4

2.7 鉄筋継手部の検査について ............................................. 5

2.8 鉄筋継手部の第三者検査について ....................................... 6

2.9 柱の帯筋・梁のあばら筋について ....................................... 6

3.鉄筋継手工事特記仕様書の使用に当たって

3.1 構造特記仕様書における鉄筋継手工事の位置づけ ......................... 7

3.2 鉄筋継手工事特記仕様書の使用方法 ..................................... 7

3.3 鉄筋継手工事特記仕様書記入例 ........................................ 8

4.鉄筋継手の設計

4.1 鉄筋の継手に関する品質要求事項と鉄筋継手工事標準仕様書 ............... 9

4.1.1 継手に関する品質要求事項 ......................................... 9

4.1.2 技術的要求事項 ................................................... 9

4.2 鉄筋継手の選定 ...................................................... 10

4.2.1 鉄筋継手決定の流れ .............................................. 11

4.2.2 鉄筋継手位置と継手工法選定上の注意点 ............................ 11

4.2.3 鉄筋継手の種類と特徴 ............................................ 13

【鉄筋継手の種類と特徴】 ............................................ (別表)

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公益社団法人日本鉄筋継手協会

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1.鉄筋継手工事特記仕様書

鉄筋継手工事特記仕様書を次に示す。

鉄筋継手工事特記仕様書 (1)圧接継手、溶接継手、機械式継手の施工及び検査は、(公社)日本鉄筋継手協会「鉄筋継手工事標準仕様書

(ガス圧接継手,溶接継手工事,機械式継手工事)2017年」による。

(2)鉄筋継手工法・継手の等級・適用部材は表1の指定による。

表 1 鉄筋継手工法・継手の等級・適用部材

鉄筋継手工法 継手の等級・継手位置の指定(注1)

鉄筋の径・部位 A級 (1) 引張力最小部位 (2) (1)以外の部位

□重ね継手 □配筋標準図による

□図 1(a)による(注2) □圧接継手 □ □図 1(a)による □図 1(b)による

□溶接継手 □ □図 1(a)による □図 1(b)による

□機械式継手 □ □図 1(b)による

(注 1)継手位置の図 1(a),図 1(b)は、(公社)日本鉄筋継手協会規格 JRJS 0007:2017(A級継手使用基準)による。(A級継手以外:図 1(a)、A級継手:図 1(b)とする。)

(注 2)重ね継手を柱・梁の鉄筋に適用する場合、継手位置は図 1(a)による。

(3)継手施工会社は以下による。

圧 接 継 手: □ A級継手圧接施工会社 □ 優良圧接会社

溶 接 継 手: □ 優良A級継手溶接施工会社

機械式継手: □ 機械式主任技能者が所属する会社

(4)継手施工要領書の作成者は「継手管理技士」の資格を有するものとする。

(5)継手の鉄筋端部は直角かつ平滑に切断する。切断方法は以下による。

切断方法: □鉄筋冷間直角切断機 □その他( )

(6)施工前試験の対象継手工法は以下による。

施工前試験の対象工法:□圧接継手 □溶接継手 □機械式継手

(7)鉄筋継手部の検査は表 2による。

表 2 継手部の検査

鉄筋継手工法 検査の種類 検査数量 試験方法

圧接継手

□外観検査 全 数 目視又は計測

□超音波探傷検査 抜取り 1検査ロット当たり

( )箇所又は( )% JIS Z 3062:2014

□引張試験 抜取り 1検査ロット当たり

( )箇所又は( )% JIS Z 3120:2014

溶接継手

□外観検査 全 数 目視又は計測

□超音波探傷検査 抜取り 1検査ロット当たり

( )箇所又は( )% JRJS 0005:2017

□引張試験 抜取り 1検査ロット当たり

( )箇所又は( )% JIS Z 2241:2011

機械式継手

□外観検査 全 数 目視又は計測

□超音波測定検査 抜取り 1検査ロット当たり

( )箇所又は( )% JRJS 003:2017

□引張試験 抜取り 1検査ロット当たり

( )箇所又は( )% JIS Z 2241:2011

(注)抜取り 1検査ロットとは同一作業班が同一日に作業した継手箇所で、200箇所程度とする。

(8)検査会社の条件は以下による。

□鉄筋継手部の第三者検査(引張試験による検査は除く)は、(公社)日本鉄筋継手協会認定の優良鉄筋継

手部検査会社又は登録鉄筋継手部検査会社が行う。

(9)帯筋・あばら筋の継手が工場溶接である場合は以下による。

□(公社)日本鉄筋継手協会の認定を受けた「優良溶接せん断補強筋製造会社」の製品を使用する。

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公益社団法人日本鉄筋継手協会

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2.鉄筋継手工事特記仕様書 解説

2.1 継手の施工及び検査について

本特記仕様書では、圧接継手、溶接継手、機械式継手の施工及び検査は、(公社)日本鉄

筋継手協会(以下「本協会」という)が発行している「鉄筋継手工事標準仕様書 ガス圧

接継手工事(2017年)」、「鉄筋継手工事標準仕様書 溶接継手工事(2017年)」、「鉄筋継手

工事標準仕様書 機械式継手工事(2017年)」に基づくことを前提としている。

鉄筋継手工事標準仕様書は、土木及び建築における鉄筋継手工事の契約図書として使用

されるものである。これらの標準仕様書の改訂作業は、関係省庁、(一社)日本建築学会、(公

社)土木学会、発注者、設計者、施工者、鉄筋継手施工会社、検査会社など多くの関係者の

参画を得て行われている。

重ね継手の施工要領に関しては、(一社)日本建築学会「建築工事標準仕様書・同解説 JASS

5 鉄筋コンクリート工事」等を参照するとよい。

本特記仕様書において、“ガス圧接継手”の表記は、平成 12年建設省告示第 1463号(鉄

筋の継手の構造方法を定める件)における表記に合わせるため、“圧接継手”と表記した。

溶接継手は、突合せガスシールドアーク半自動溶接工法を対象としている。

各鉄筋継手工法を写真1~4に例示する。

2.2 鉄筋継手工法・継手の等級・適用部材について

2.2.1 表内「鉄筋継手工法」について

鉄筋継手工法は、“重ね継手”、“圧接継手”、“溶接継手”、“機械式継手”の4種類のうち、

使用する鉄筋継手工法を指定する。

2.2.2 表内「継手の等級・継手位置の指定」について

継手の等級をA級とする場合は特記し、混在する場合は鉄筋の径・部位の欄を利用して

明記する。継手位置については、引張力の最も小さい位置かそれ以外かを指定し、具体的

な位置については、鉄筋継手工事標準仕様書の付録2「日本鉄筋継手協会規格 JRJS 0007:

写真1 重ね継手 写真2 圧接継手

写真3 溶接継手 写真4 機械式継手

(ねじ節鉄筋継手)

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写真5 鉄筋冷間直角切断機

2017(A級継手使用基準)」によることとしている。

2.2.3 表内「鉄筋の径・部位」ついて

使用する鉄筋の径、部位(又は部材)等を具体的に記載する。

2.3 継手施工会社について

鉄筋継手工事の内容により継手施工会社を指定する。圧接継手及び溶接継手でA級継手

として施工する場合は、本協会の認定又は(一財)日本建築センターの評定を受けたA級継

手施工会社が行う。機械式継手については、継手施工会社の認定制度がないため、継手施

工会社ではなく、作業資格者を指定できることとした。

なお、認定(又は評定)を受けた会社の概要は、次のとおりである。本協会の認定を受け

た優良会社及びA級継手施工会社は、本協会ホームページ※1で確認できる。

・優良圧接会社:圧接継手の品質向上のため一定の審査基準に基づいて圧接会社の施

工体制、品質管理体制、品質管理能力を審査・評価し、その認定を受けた会社。

・A級継手圧接施工会社:優良圧接会社のうち、A級ガス圧接継手の施工管理を確実

に行う体制を具備していることを審査し、その認定を受けた会社。

・優良A級継手溶接施工会社:溶接継手の品質向上のため一定の審査基準に基づいて

鉄筋溶接施工会社の施工体制、品質管理体制、品質管理能力を審査・評価し、そ

の認定を受けた会社で、A級溶接継手の施工管理を確実に行う体制を具備してい

ることを審査し認定を受けた会社。

・機械式継手の施工会社:協会から認証された継手管理技士及び機械式継手主任技能

者が所属し、かつ、継手メーカーの主催する講習会を受講し、認定された作業資

格者が所属する会社。

2.4 施工要領書の作成について

施工要領書は、継手施工会社に所属している継手管理技士が作成する。

・継手管理技士:継手管理技士は、本協会が認証している資格で鉄筋継手全般を包括

的に管理できる「鉄筋継手管理技士」、それぞれの鉄筋継手工法に関する施工要領

書・施工計画書の作成及び指導ができる「圧接継手管理技士」、「溶接継手管理技士」、

「機械式継手管理技士」がある。継手管理技士とは、これらの 4資格の総称である。

2.5 鉄筋端部の切断について

鉄筋継手の施工において、継手の鉄筋端部に端曲がり等が生じている場合、継手の品質

に悪影響を及ぼすことがあるため、継手工法の種類に関わらず、鉄筋端部は直角かつ平滑

に切断・加工する必要がある。

鉄筋を切断・加工するための切断機は、主に工

事現場で切断・加工を行う「鉄筋冷間直角切断機」、

主に鉄筋加工組立会社で切断・加工を行う「平刃

シャー切断機」、「丸刃シャー切断機」及び「バン

ドソー切断機」と主に4つが挙げられる。

次に各切断機の特徴を示す。

・鉄筋冷間直角切断機:ハンディータイプの切断機で、施工現場での切断が可能であ

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写真6 圧接継手の不良施工例

圧接端面の不良例

(シャー切断のまま) 偏心+圧接面のずれ

る。鉄筋端部を直角かつ平滑に切断することができ、すべての鉄筋継手に適用可

能である。

・平刃シャー切断機:平刃によるせん断機で、鉄筋端部は直角かつ平滑にはならず、

端曲がり等が生じることがある。そのため、圧接継手及び溶接継手の場合は、現

場にて鉄筋冷間直角切断機等により切断加工する必要があり、機械式継手(ねじ

節鉄筋継手)の場合は、カプラーに鉄筋を挿入できないことがある。

・丸刃シャー切断機:せん断刃が丸型になっているせん断機である。切断された鉄筋

端部が直角かつ平滑でないことがあるため、圧接継手の場合は、現場にて再度グ

ラインダー等で鉄筋端部を加工することが必要である。溶接継手及び機械式継手

(ねじ節鉄筋継手)の場合は、そのまま使用できる。

・バンドソー切断機:のこぎり刃の切断機で一般的にバンドソーと言われている。鉄

筋端部は直角かつ平滑に切断することができ、すべての鉄筋継手に適用可能であ

る。ただし、平刃シャー切断機、丸刃シャー切断機による切断に比べ、切断作業

に時間を要する。

なお、鉄筋端部が直角かつ平滑ではない場合、以下の現象が生じることがあるので注意

する。

・圧接継手:圧接継手の品質の良否は、鉄筋端部(圧接端面)の状態に大きく左右さ

れ、鉄筋端部(圧接端面)の処理は、直角かつ平滑であることが重要である。鉄

筋端部が端曲がりの状態でガス圧接作業を行った場合、写真6に示すように、圧

接部に偏心、圧接面のずれ、片ふくらみ等が生じやすく、不良圧接の原因となる。

・溶接継手:鉄筋端面の端曲がりや、断面変形及び開先面の凹凸が著しい場合には、

適正なルートギャップを確保できず、溶接欠陥が生じる要因となる。

・機械式継手(ねじ節鉄筋継手):鉄筋端部が端曲がりや切断バリがある場合には、鉄

筋をカプラーに挿入できないことや、挿入長さを確保が困難となる要因となる。

2.6 施工前試験について

鉄筋継手工事標準仕様書では、以下の場合その継手工事(圧接・溶接)に従事するすべ

ての技量者に対して、施工前試験を行うこととしている。

1)圧接継手:手動ガス圧接の場合

・SD490の鉄筋を圧接する場合

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写真7 鉄筋の挿入不足

(機械式継手)

写真8 溶接継手部の超音波探傷

状況

・A級継手の施工を行う場合

注)手動ガス圧接以外は、それぞれ工法の標準仕様書の記載を参考とする。

2)溶接継手:

・異形棒鋼 D41又は丸鋼 42mmを超える径の鉄筋及びねじ節鉄筋の施工を行う

場合

・A級継手の施工を行う場合

3)機械式継手:

・使用するすべての機械式継手工法及びすべての鉄筋の組み合わせについて行う。

2.7 鉄筋継手部の検査について

鉄筋継手部の検査は、継手工法ごとに検査の種類及び検査数量を指定する。鉄筋継手工

事標準仕様書では、検査は“外観検査”及び“超音波探傷(又は測定)検査”を行うこと

としているが、特定行政庁により“引張試験による検査”が義務付けられている地域があ

るため、検査の種類は3種類とした。

(1)外観検査

外観検査は、本来の鉄筋継手の施工プロセスが正

しく行われているかどうかを判断するために行う

ものである。したがって、外観検査は施工の良否を

スクリーニングする非常に重要な役割を持ってい

る。そのため、外観検査は、全数実施することとし

た。外観検査の基準は、各継手工法の施工要領書、

鉄筋継手工事標準仕様書の他、本協会では、「鉄筋

継手部外観検査マニュアル(2013年)」を発行しているので、参照するとよい。

(2)超音波探傷検査(機械式継手の場合は超音波測定検査)

超音波探傷検査は、超音波を鉄筋内に入射させ、

継手部の欠陥からの反射波の強さを捕えて内部欠

陥を検査する方法で、圧接継手及び溶接継手に適用

される。また、超音波測定検査は機械式継手に適用

される方法で、カプラー又はスリーブに鉄筋が適正

な長さ挿入されているか超音波により測定する。

試験方法(又は測定方法)及び判定基準は継手工

法ごとに異なるため、その概要を次に示す。

・圧接継手:超音波探傷試験方法は、JIS Z 3062:

2014(鉄筋コンクリート用異形棒鋼ガス圧接

部の超音波探傷試験方法及び判定基準)によ

る。

・溶接継手:超音波探傷試験方法は、JRJS 0005:2017(鉄筋コンクリート用異形棒鋼

溶接部の超音波探傷試験方法及び判定基準)※2による。

・機械式継手:超音波測定方法は、JRJS 0003:2017(機械式継手の鉄筋挿入長さの超

音波測定方法及び判定基準)※2による。

(3)引張試験による検査

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圧接継手は、具体的な引張試験の方法として、JIS Z 3120:2014(鉄筋コンクリート用

棒鋼ガス圧接継手の試験方法及び判定基準)に規定されている。溶接継手及び機械式継手

の具体的な引張試験の方法は、JIS 規格に規定がないため、JIS Z 2241:2011(金属材料

引張試験方法)に則る。

本協会では、A級継手の試験方法及び判定基準を以下に定めており、これに準拠する

ことを推奨している。

JRJS 0009:2016(A級ガス圧接継手の試験方法及び判定基準)

JRJS 0010:2016(A級溶接継手の試験方法及び判定基準)

JRJS 0011:2017(A級機械式継手の試験方法及び判定基準)

なお、抜き取った箇所を再施工する場合、継手がヒンジゾーンにかからないように注

意する。

2.8 鉄筋継手部の第三者検査について

鉄筋継手部の検査(受入検査)は、施工者(元請)や継手施工会社と利害関係のない中

立・公正な立場であることが要求される。本協会は、第三者性が担保され、検査体制や品

質管理能力を有する会社を「優良鉄筋継手部検査会社」「登録鉄筋継手部検査会社」として

認定しており、それらの検査会社の活用を推奨している。認定会社は、本協会ホームペー

ジ※1で確認できる。

なお、登録鉄筋継手部検査会社の申請受付は 2018年度後期で終了しているので、2022年

からは、優良鉄筋継手部検査会社のみとなる。

2.9 柱の帯筋・梁のあばら筋について

工場溶接タイプ(工場で加工された突合せ溶接閉鎖型)の帯筋・あばら筋を使用する場

合、本協会の認定を受けている「優良溶接せん断補強筋製造会社」の製品を使用すること

を推奨している。認定会社は、本協会ホームページ※1で確認できる。

・優良溶接せん断補強筋製造会社:溶接閉鎖型せん断補強筋は、多くが公的機関等に

おいてA級継手の性能評価を取得しているが、現場における受入検査において、

溶接部で破断する事例も一部報告されている。本協会は、継手の品質確保のため

に、2010年 10月より「優良溶接せん断補強筋製造会社認定制度」を設け、溶接せ

ん断補強筋の製造体制、品質管理体制及び品質管理能力を有する会社(工場及び

製品)を「優良溶接せん断補強筋製造会社」として認定し、これらの認定会社の

活用を推奨している。なお、認定は製造会社の認定申請により、せん断補強筋の

製品を製造する会社の事業所(製造工場)ごとに認定を行っている。

※1.(公社)日本鉄筋継手協会ホームページ:http://www.tekkin-tsugite.or.jp

※2.JRJS:日本鉄筋継手協会規格の略称

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3.鉄筋継手工事特記仕様書の使用に当たって

3.1 構造特記仕様書における鉄筋継手工事の位置づけ

建築工事における構造特記仕様書は、一般的に表1の構成となっている。この中で鉄筋

継手工事は鉄筋工事に含まれており、鉄筋継手工事単独の項目はあまり見られない。これ

は、建設業法による建設工事の種類では、鉄筋継手工事は鉄筋工事に含まれているためで

ある。しかし、近年、建設工事における鉄筋の高強度化・太径化が進み、それに伴って鉄

筋継手工法も多くの種類が開発され、鉄筋継手工事の重要性が高まっている。

3.2 鉄筋継手工事特記仕様書の使用方法

本特記仕様書は、本協会ホームページ(http://www.tekkin-tsugite.or.jp)で電子デー

タを無償配布しているので、現在使用されている構造特記仕様書の鉄筋工事の項目にその

まま貼り付けて使用することを推奨する。また、他に記載事項があれば、その項目を追記

して使用する。

なお、使用に当たっては、次の(1)~(3)ついて留意する。

(1)“□”は、指定する項目を“■”マークとする。

(2)“鉄筋の径・部位”には、鉄筋の呼び名又は径及び適用部位を記入する。

(3)“検査数量”は、箇所数又は抜取り率を記入する。

1章 建築物の構造概要

2章 使用構造材料

3章 地盤

4章 地業工事

5章 鉄筋工事

(1)鉄筋

(2)鉄筋継手

6章 コンクリート工事

7章 鉄骨工事

8章 設備関係

9章 その他

表1 構造特記仕様書の構成の一例

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3.3 鉄筋継手工事特記仕様書記入例

鉄筋継手工事特記仕様書の記入例を次に示す。

鉄筋継手工事特記仕様書 (1)圧接継手、溶接継手、機械式継手の施工及び検査は、(公社)日本鉄筋継手協会「鉄筋継手工事標準仕様書

(ガス圧接継手,溶接継手工事,機械式継手工事)2017年」による。

(2)鉄筋継手工法・継手の等級・適用部材は表1の指定による。

表 1 鉄筋継手工法・継手の等級・適用部材

鉄筋継手工法 継手の等級・継手位置の指定(注1)

鉄筋の径・部位 A級 (1) 引張力最小部位 (2) (1)以外の部位

■重ね継手 ■配筋標準図による D16以下、スラブ・壁

□図 1(a)による(注2) ■圧接継手 ■ □図 1(a)による ■図 1(b)による D19以上、柱筋、梁筋

□溶接継手 □ □図 1(a)による □図 1(b)による

■機械式継手 ■ ■図 1(b)による D41,柱筋

(注 1)継手位置の図 1(a),図 1(b)は、(公社)日本鉄筋継手協会規格 JRJS 0007:2017(A級継手使用基準)による。(A級継手以外:図 1(a)、A級継手:図 1(b)とする。)

(注 2)重ね継手を柱・梁の鉄筋に適用する場合、継手位置は図 1(a)による。

(3)継手施工会社は以下による。

圧 接 継 手: ■ A級継手圧接施工会社 □ 優良圧接会社

溶 接 継 手: □ 優良A級継手溶接施工会社

機械式継手: ■ 機械式主任技能者が所属する会社

(4)継手施工要領書の作成者は「継手管理技士」の資格を有するものとする。

(5)継手の鉄筋端部は直角かつ平滑に切断する。切断方法は以下による。

切断方法: ■鉄筋冷間直角切断機(ガス圧接) □その他( )

(6)施工前試験の対象継手工法は以下による。

施工前試験の対象工法:■圧接継手 □溶接継手 ■機械式継手

(7)鉄筋継手部の検査は表 2による。

表 2 継手部の検査

鉄筋継手工法 検査の種類 検査数量 試験方法

圧接継手

■外観検査 全 数 目視又は計測

■超音波探傷検査 抜取り 1検査ロット当たり

(30)箇所又は( )% JIS Z 3062:2014

□引張試験 抜取り 1検査ロット当たり

( )箇所又は( )% JIS Z 3120:2014

溶接継手

□外観検査 全 数 目視又は計測

□超音波探傷検査 抜取り 1検査ロット当たり

( )箇所又は( )% JRJS 0005:2017

□引張試験 抜取り 1検査ロット当たり

( )箇所又は( )% JIS Z 2241:2011

機械式継手

■外観検査 全 数 目視又は計測

■超音波測定検査 抜取り 1検査ロット当たり

(10)箇所又は( )% JRJS 003:2017

□引張試験 抜取り 1検査ロット当たり

( )箇所又は( )% JIS Z 2241:2011

(注)抜取り 1検査ロットとは同一作業班が同一日に作業した継手箇所で、200箇所程度とする。

(8)検査会社の条件は以下による。

■鉄筋継手部の第三者検査(引張試験による検査は除く)は、(公社)日本鉄筋継手協会認定の優良鉄筋継

手部検査会社又は登録鉄筋継手部検査会社が行う。

(9)帯筋・あばら筋の継手が工場溶接である場合は以下による。

■(公社)日本鉄筋継手協会の認定を受けた「優良溶接せん断補強筋製造会社」の製品を使用する。

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4.鉄筋継手の設計

4.1 鉄筋の継手に関する品質要求事項と鉄筋継手工事標準仕様書

4.1.1 継手に関する品質要求事項

JIS Z 3450「鉄筋の継手に関する品質要求事項」では、鉄筋継手の品質要求水準の選択

において以下の項目及び附属書Aの選択基準の各項目を参考とすることとしている。

・安全性が重視される構造の重要度

・継手施工の複雑さ

・その他、施工実績など

附属書Aでは、施工者に要求する継手施工及び検査体制の整備など、17 項目を規定して

いる。また、この規格では発注者に対して鉄筋工事の仕様書で、鉄筋継手の品質要求の水

準を、附属書B(包括的品質要求事項)と附属書C(標準的品質要求事項)のどちらかを

選択するよう求めており、附属書Bでは、附属書Cより品質管理に関して詳細でかつトレ

ーサブルであることを要求している。

本協会の、鉄筋継手工事標準仕様書(ガス圧接継手工事、溶接継手工事、機械式継手工

事)では、施工者に対して継手工事の標準的な仕様及び技術的な情報を提示しているが、

さらに、A級継手については JIS Z 3450の附属書Bに対応できるよう規定している。

4.1.2 技術的要求事項

JIS Z 3450 では、施工者に対して以下の技術的要求事項に関するレビューの実施を求め

ている。

① 母材の仕様及び継手の諸性質

② 継手部の品質及び合否判定基準

③ 継手の位置及び継手施工手順(検査及び非破壊検査のしやすさを含む)

④ 継手施工要領書及び非破壊検査要領書

⑤ 継手施工法承認のための手順(検査及び不適合発生時の措置の承認を含む)

⑥ 要求事項に対する継手施工者及び継手検査者の実現能力

⑦ 要員の適格性確認

⑧ 選択、識別及び又はトレーサビリテイ(例えば、材料、継手部)の範囲

⑨ 品質管理の準備

⑩ 検査及び試験

⑪ 継手施工後の処理

⑫ その他の継手要求事項

⑬ 継手施工前の鉄筋組立状況及び完了後の継手の寸法・詳細

⑭ 継手施工に関する環境条件

⑮ 不適合品の取扱い

これらの要求事項に対して、発注者・設計者はレビューに必要な情報を施工者に提供し

なければならない。したがって、どの仕様書を適用するか明示することが重要となる。協

会の鉄筋継手工事標準仕様書には、上記のほとんどの事項に対して規定されているが、他

の仕様書では鉄筋継手に関する詳細な仕様について、記載されていない場合が多い。

特記仕様書記載において、技術的要求事項に関する注意すべき事項を以下に示す。

① の継手の諸性質とは、性能及び仕様のことを示し、たとえばA級継手の性能を確保

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する必要があるのか、あるいは告示の仕様規定に従えばよいかなどを明示すること

が重要となる。

② 継手部の品質管理上の要求事項や、合否判定基準を明示する。

③ 継手の位置を、たとえ応力の最も小さい位置とする場合であっても、その範囲を明

確にしておくべきである。また、特に応力変動の大きな位置の近傍に継手を設ける

場合は、より重要となる。また、施工の手順とは、鉄筋が所定の位置に配筋された

後に継手施工を行うのか、継手施工及び検査が終了してから所定の位置に配筋する

のか、明示する必要がある場合は、特記する。

④ 協会の鉄筋継手工事標準仕様書に準拠した要領書を要求する場合は、仕様書の指定

以外に特記することは少ないが、特殊な部位に継手を設ける場合や、施工実績の少

ない継手工法の場合は、要領書の作成に必要な情報を提示することが重要である。

⑤ 監理者のみではなく、設計者の承認を必要とする場合は特記しておくとよい。

⑥ 協会の鉄筋継手工事標準仕様書に詳しく記載されている。継手作業資格者や、検査

資格者は、それぞれ有資格者であることを求めている。また、協会から認定された

優良会社は、附属書Bの要求事項を満たすことの出来る会社なので、事前の指定は

会社選定において有効である。

⑦ 協会の鉄筋継手工事標準仕様書に詳しく記載されているが、協会が認証している有

資格者であることを確認する。

⑧ 圧接継手、溶接継手、機械式継手それぞれに複数の工法があり、限られた範囲から

選択する場合は、特記しておく。

・圧接継手 :酸素アセチレン、天然ガス、水素エチレンなど燃料ガスの違いや

手動、自動、熱間押抜きなどの工法の違い

・溶接継手 :ガスシールド方法や、裏当て材の違い

・機械式継手:ねじ節鉄筋継手、モルタル充填継手、端部ねじ加工継手など工法

及び無機グラウト材、有機グラウト材などグラウト材料の違い

⑨ 鉄筋継手工事標準仕様書では施工計画書への記載を求めているが、要求事項(附属

書)を明示しておくことで、発注者が意図する水準が明確になる。

⑩ 鉄筋継手工事標準仕様書の規定に、さらに追加する必要がある場合は、検査の方法

や、試験機関、検査会社について特記する。

⑪ 継手施工後の、養生などについて必要に応じて特記する。気候、周辺環境、施工環

境などが特殊な場合を除いて、特記する必要はない。

⑫ ~⑮

協会の鉄筋継手工事標準仕様書に記載されている以外に、特に施工者に対して情報

提供が必要な場合は、特記する。

4.2 鉄筋継手の選定

鉄筋の継手は、鉄筋母材の種類、鉄筋の径、継手の位置、RC 部材の応力状態、継手に要

求される性能等に応じて、適切に決定されなければならない。設計者は、部材の応力状態

及び設計断面寸法、採用するコンクリート強度等から鉄筋の種類、径、本数等の必要な配

筋を決めている。継手の仕様によっては、鉄筋のならびやかぶり寸法に影響するので、こ

の配筋量を決める時点で鉄筋の継手の位置や工法が検討されていなければならない。した

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がって、鉄筋コンクリート構造物の部材計画には、断面寸法、コンクリート強度、鉄筋の

種類等の他、鉄筋継手の仕様も含んでいなければならない。部材を PCa とする場合は、ジ

ョイントが重要であることから、鉄筋の継手について詳細な検討を行うが、現場打ちコン

クリート部材の場合は十分検討されていない場合が多い。

以下に、鉄筋継手の計画段階において配慮すべき事項について解説する。実施設計段

階や施工段階では、他部署との協議において解決しなければならない課題が多く、その

都度適切な対応が必要となるが、計画段階ではここに示した解説を参考とされたい。

4.2.1 鉄筋継手決定の流れ

計画段階で、鉄筋継手の仕様決定に至る流れの例を以下に示す。

① 構造躯体の計画を確定する(要求性能、規模、構造種別等)-RC 造

② 鉄筋コンクリート部材の断面寸法を計画する

構造断面、コンクリート強度、鉄筋の種別、径

③ 鉄筋の配置位置を計画する

鉄筋の本数、並び、鉄筋のかぶり

④ 鉄筋継手の位置を決定する

構造物の規模、鉄筋の組立方法など、施工計画を勘案

⑤ 継手位置毎に継手に要求される性能を決定する

SA級、A級、その他(応力の最も小さい位置に設ける継手)

⑥ 継手の選定(チェック項目)

継手の性能

品質要求

継手の位置

鉄筋の種類(種別、ふし形状)、径

継手の種類(継手の性能、継手の特徴、形状・大きさ、かぶりなど納まりの制約、

鉄筋の縮みなど施工上の制約)

継手の施工(技量資格者、継手施工会社)

継手の品質管理(検査方法、検査技術者、検査会社)

⑦ 継手の計画と、部材寸法・形状との整合を確認する

⑧ 特記仕様を決定する

4.2.2 鉄筋継手位置と継手選定上の注意点

(1)継手に要求される性能

RC 構造物の各部材に要求される性能レベルと、鉄筋に継手を設けたことによる部材

の性能レベルに差異のないことを確実にするため、継手の位置毎に継手の性能とその

保証レベルを規定する必要がある。検討方法と注意点を以下に示す。

・部材の性能に影響しないよう、部材の応力が最も小さい部位に継手位置を計画す

る。

・部材の端部が大きな応力によって塑性化する場合は、鉄筋の応力が 80%程度低下す

る位置に継手を設ける等、部材の性能に影響しない位置に継手位置を決定する。

・ピロテイ柱のように、構造物のメカニズム時に鉄筋を破断させてはならない部材に、

継手を設ける場合は SA級の継手を選択すべきであるが、建築構造物に使用できる継

手では、継手単体で SA級と評定された継手は無い。したがって、母材破断が保証出

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来るレベルの施工管理・検査ができる継手を選定し、品質要求のレベルを明記して

おかなければならない。

・曲げ壁の壁脚も曲げ降伏させないことを前提として設計されているものもあるが、

曲げ降伏を許容している場合は特に、柱筋、壁縦筋の継手についてはピロテイ柱と

同様の注意が必要となる。

・短スパンの梁では、長期的な応力が最も小さな位置であっても、短期的には母材 と

同等の性能が継手に必要となる場合があるので注意が必要である。このような場合

は、継手の位置が応力の小さい位置であっても、A級継手として特記すべき

である。

(2)継手の位置と鉄筋の納まり

鉄筋の継手位置は、鉄筋の加工・組立方法によって必要な箇所が決定される。鉄筋

の加工工場から現場への搬送条件や、現場での組立方法(人力又は機械施工など)に

よって、鉄筋に継手を設けずに配筋できる場合もあるが、多くの場合部材のどこかに

鉄筋の継手が必要となる。継手の位置は、部材の最も応力の小さい位置を選択するか、

鉄筋の加工・配筋上効率のよい位置とするか、継手施工・検査のしやすい位置とする

かなど総合的に検討し決定する。

継手の工法が機械式継手の場合、スリーブやカプラーの形状・寸法が大きいことか

ら、鉄筋のあきやかぶり寸法に影響し、断面の決定を左右する。継手部のかぶり寸法

には、鉄筋に求められる耐火性や耐久性と同様に、建築基準法施行令第 79 条の規定、

及び施工を考慮して定めた日本建築学会の「JASS 5 コンクリート工事」の最小かぶり

厚さ以上とすることが求められている。また、継手部のあきも機械式継手のように長

尺なものについては、継手が同一断面に配置される場合、継手間でのあき寸法を確保

する必要がある。

継手の検討における、留意すべき事項を以下に示す。

・ねじ節鉄筋継手においては、グラウト材に樹脂系の材料を使用する場合、耐火か

ぶり厚さが2時間、3時間の耐火時間に対してそれぞれ6cm以上、8cm以上と大

きく、主筋の配筋位置がこの制約によって決定するので注意が必要である。

・RC部材の構造断面が変わる(ハンチなど)近傍では、圧接継手では圧接器の寸法、

溶接継手では支持器の寸法、機械式継手では継手自身の寸法を考慮して、継手の

位置を鉄筋の折れ曲がり位置から十分離れた位置としなければならない。また、

施工上では、圧接継手の場合アプセットによって鉄筋が移動するので、かぶりに

影響しないよう配慮が必要となる。

・多段配筋部分に継手を設けると、継手の施工や検査が難しく継手の品質に影響す

るので、十分納まりを検討する必要がある。

・不具合が発生した場合の是正方法や、切断再施工も考慮した位置に設定する必要

がある。

・機械式継手は、継手寸法が大きく周辺に影響するので、貫通孔などの補強筋と干

渉しない位置とする必要がある。

(3)同一断面、全数継手とする場合

鉄筋工事の省力化のため、先組み鉄筋工法とするなど、同一断面全数継手として計

画することが多くなっている。設計段階においても、その配慮が必要となってきてい

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る。大きな理由は、施工段階での継手の種類や位置の変更は、設計の見直しが必要と

なり、確認申請まで影響する事態もあり得る。特に他の継手から機械式継手に変更す

る場合は、継手部のかぶりや、継手部のあきの確保のため、断面幅内の1列の鉄筋本

数が変更になったり、多段配筋の見直しが必要になる等、設計断面の変更が必要とな

るので注意を要する。その他の注意事項を以下に示す。

① 同一断面、全数継手とする場合は継手の位置が応力の最も小さな位置とならない

ことが多いため、継手はA級継手を選定することが望ましい。

② A級継手と指定した場合は、継手施工会社も認定されたA級継手施工会社によるこ

とを特記しなければならない。

③ 先組み鉄筋工法の場合、定着鉄筋によって鉄筋の移動が阻害される場合は、アップ

セットが必要な圧接継手では対応できない場合がある。

④ 不具合が発生した場合は、継手の工法によって違いはあるが、継手部を切断し再施

工となることを想定し、鉄筋をばらさずに是正できるよう鉄筋間隔は余裕を持って

確保しておく。

⑤ 多段配筋・同列配置は、どの継手の場合でも施工性が悪く品質に影響するので、そ

のような部位に継手を設けない計画とする。

4.2.3 鉄筋継手の種類と特徴

ガス圧接継手、溶接継手、機械式継手の以下の項目に関する、継手の特徴を表【鉄

筋継手の種類と特徴】に纏めている。以下に概要を示す。

(1)性能

圧接継手、溶接継手、機械式継手のいずれの継手も継手単体としてA級継手として、

認定又は評定された工法である。機械式継手には、SA継手として評定又は性能評価さ

れた工法があるが、建築では一般的には採用することはできない。解析や実験によっ

て継手の性能の範囲で使用可能なことを証明することが求められている。また、B級、

C級の性能が規格としてはあるが、該当する製品は流通していない。

継手工法ごとに、適用できる鉄筋の種類や径に制限があるので、確認しておくこと

が大切である。

(2)適用の範囲

① 鉄筋材料

圧接継手、溶接継手、機械式継手の各工法に概ね共通する範囲を表に示している。

注記にあるように、A級継手として評定された継手ごとに、その適用の範囲が定め

られているので、採用に当たって確認する必要がある。

② 鉄筋組立工法

在来の現場打ちコンクリート工法や先組み鉄筋工法には、圧接継手、溶接継手、

機械式継手のいずれの工法も採用されている。PCa間の鉄筋継手では、継手の施工に

よって縮みが生じない溶接継手や機械式継手が採用される。打継ぎ部では専用の機

械式継手を採用することが多くなっている。

③ 継手位置

鉄筋の継手位置は、応力の最も小さい位置に設ける継手として採用されてきた圧

接継手と違って、溶接継手や機械式継手は部材の塑性域以外の応力変動が大きい位

置に継手を設けられるA級継手として開発されており、継手の施工は認定又は評定

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された施工会社で無ければならない。圧接継手も継手性能としてA級であることが

証明されているが、継手の施工は日本鉄筋継手協会が認定するA級継手施工会社に

よらなければならない。

(3)継手の形状

圧接継手の場合は、圧接によって鉄筋径程度の縮みが生じ、継手部の形状は鉄筋径

の 1.5倍から 1.8倍程度、長さは 1.1倍から 1.2倍程度となる。溶接継手の場合は、

10mm程度の隙間に溶接金属を溶かし込み接合するが、縮み代は1mm程度と小さく継手

部の大きさは鉄筋より若干大きくなる程度であるが、鋼製などの裏あて金が溶接部に

残るものもある。機械式継手が、継手部としては外径・長さ共最も大きく、鉄筋間隔

やかぶりに影響するので断面計画では詳細な検討が必要となる。それぞれの工法によ

って形状がさまざまなので、継手メーカーかつ工法ごとに鉄筋の納まりなどを確認す

ることが必要である。

(4)継手の施工

① 母材、継手材料

継手の工法によって、鉄筋や継手材料が限定されるものや、特殊な継手材料を必要

としないなど、それぞれの継手工法に特徴がある。圧接継手では、鉄筋同士を直接接

合するため継手材料は必要ない。溶接継手では、溶接ワイヤが鉄筋の種類に適合する

JIS規格品又は大臣認定品を選択する必要がある。また、機械式継手では、継手メーカ

ーが開発した継手部材が必要となり、ねじ節鉄筋継手では、接合できる鉄筋はねじ節

鉄筋に限られる。

② 継手施工機材、動力の要否

圧接継手、溶接継手ではそれぞれ機材一式が必要となるが、機械式継手では比較的軽

微な機材で済む。また、圧接機器、溶接機には電源が必要である。機械式継手では、グ

ラウト材の練り混ぜの機材が必要な工法もあり、その場合には電源が必要となるが、動

力が一切不要な工法もある。

③ 施工工程

継手の施工では、施工前の準備が継手工法ごとに違いがあるが、特に継手端面の確

認については、それぞれの工法に適合する方法で確認しておくことが重要である。圧

接継手では、端面が平坦でかつ直角であることが必須であることから、冷間直角切断

機で加工することとしている。溶接継手の場合は、ルートギャップの確保と均一な溶

け込みが得られるよう、端面は平たんであることが必要である。機械式継手では、そ

れぞれの工法に適合する端面とし、必要な挿入長さを示すマークが正確に施されてい

ることを確認する。さらに、機械式継手の場合は、鉄筋が各部材に配筋される前に、

継手の片方に事前に継手部材を装着しておく必要がある。

また、施工後の対応として圧接継手や溶接継手では、継手部が施工後十分冷えた段

階で検査を行い、合格が確認できしだい配筋の所定の位置へ移動することができる。

機械式継手の工法によっては、静置期間が必要なものもあり、施工後すぐに移動でき

ないものもあるので注意が必要である。

④ 作業空間の制約

継手施工のためには、安全に作業ができる足場が必要となるが、圧接継手・溶接継

手では、それぞれ必要な作業姿勢で継手施工できなければならない。また、圧接継手・

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溶接継手では、それぞれ圧接器、支持器を鉄筋の継手部をまたいで取り付けるが、そ

の作業が容易にできなければならない。機械式継手では、養生ナットの締め付けやグ

ラウト材の注入が確実に行える作業空間を確保しなければならない。

地下の外周部など、一方向からの作業となる場合は継手工事・検査のための空間確

保と同時に、施工・検査工程の確保も重要である。

⑤ 気候等、作業環境の制約

継手の工法によって、天候の影響が大きなものと比較的影響されないものがある。

圧接継手や溶接継手は降雨や強風の影響が大きく、必要な対策を行わなければ施工で

きない場合がある。一方、機械式継手は、風の影響を受けることも少なく、天候に左

右されることの少ない工法と言える。

⑥ 継手施工者―資格の要否

継手施工を行うにはそれぞれの工法に必要な資格があり、圧接継手・溶接継手では

日本鉄筋継手協会が認証する鉄筋の種類や径に適合する技量資格が必要となる。機械

式継手では、工法ごとに継手メーカーが主催する講習を受講し、メーカーから認定さ

れることが必要で、さらに継手作業班の責任者は、日本鉄筋継手協会から機械式継手

主任技能者として認証されていなければならない。

⑦ 継手施工会社―認定の要否

継手施工会社がA級継手を施工する場合、圧接継手では日本鉄筋継手協会からA級

継手施工会社として認定されていなければならない。溶接継手の場合は、日本鉄筋継

手協会から認定された優良A級継手溶接継手施工会社か、日本建築センターから評定

された会社でなければ、A級継手の施工はできない。機械式継手は、継手メーカーか

ら認定された作業者が継手を施工することを前提に評定された工法であるため、継手

施工会社としての認定制度はない。しかしながら、継手の品質管理の重要性から会社

としての品質管理体制、施工体制の必要性から日本鉄筋継手協会では、機械式継手の

品質管理能力が高く信頼性のある会社を認定する制度を検討している。

⑧ 施工前試験

日本鉄筋継手協会では圧接継手及び溶接継手のA級継手の施工に当たり、施工前試

験を行うことを規定している。その他の場合については、日本鉄筋継手協会の鉄筋継

手工事標準仕様書を参考に実施することを推奨する。機械式継手は日本建築センター

などで評定された当初、施工前試験を義務付けていたが、最近では監理・責任技術者

の了承があれば省略できるとしている。

(5)継手部の検査

① 検査の工程

継手部の検査において、継手工法の特徴によってその検査工程、自主検査方法、受

入検査方法に差異がある。圧接継手では、加熱・加圧の工程も重要であるが、継手施

工後の形状や内部欠陥検査で十分継手性能が担保できるため、自主検査・受入検査と

も継手施工完了後に実施される。溶接継手では、圧接同様継手施工後に行う外観検査

及び超音波探傷試験による検査が一般的であるが、評定された工法ごとに溶接条件が

決められているためその重要性から、溶接施工中の検査が第三者検査機関によって行

われることもある。機械式継手では、各プロセスの確実な施工が重要であることから、

各プロセスの確認・検査を、継手施工者及び施工者の双方が行うこととしている。

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② 自主検査

圧接継手・溶接継手では、技量資格者自身が施工した継手部の外観検査を、自主検

査として、継手作業完了したものから全数行うこととしている。そのほかに協会が認

定している優良会社では、継手施工者本人以外の検査資格者が自主管理として抜取り

による外観検査・超音波探傷検査を行っている。標準仕様書には、特に指定が無い場

合の、補修や再施工方法について規定されているので、それに従う。

機械式継手では、機械式継手主任技能者が各プロセスの検査を継手全数について目

視で実施し、施工者に報告して確認・承認を得て、次の工程へ進む。検査の結果、鉄

筋挿入長さの不足や、グラウト材の充填不良などの重大な不合格が発生した場合は、

継手メーカーが主体となって、再発防止を計る必要がある。

③ 受入検査

受入検査は、施工者に代わって第三者性を有する検査会社の、協会から認証された

有資格者が行う。いずれの継手の場合も、外観検査・超音波検査とも協会から認証さ

れた有資格者が行わなければならない。

(6)不具合の是正措置

受入検査でロット不合格が発生した場合は、全数検査を行い全ての不合格部を是正

すると同時に、原因を究明し再発防止を確かなものとする必要がある。圧接継手や溶接継

手では、継手施工者が主体となって再発防止に努めるが、施工者や検査会社の意見も重要

である。機械式継手の場合は、継手メーカーが主体となるが継手施工に関わる全ての部署

が参加して協議することが重要である。

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【別表】鉄筋の種類と特徴

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