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日本血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師認定機構資料
第9回認定試験時第4回認定更新時
(2016年データ)
日本血管撮影・インターベンション 専門診療放射線技師認定機構 資料
装置基準線量について
装置の基準線量は透視や撮影の画質と患者および術者の被曝線量に影響を与える。
第9回日本血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師認定試験時申請書類(2016)および第4回更新時書類より透視・DA・DSAの基準線量(入射表面線量)について集計し、さらに第1回試験時(2008)における値との比較をおこなったので報告する。
自施設での基準線量と比較し、装置設定線量の最適化へ繋げる参考資料として下さい。
装置基準線量について
透視線量率データ 2016
0
20
40
60
80
100
1
12
23
34
45
56
67
78
89
10
0
11
1
12
2
13
3
14
4
15
5
16
6
17
7
18
8
19
9
21
0
22
1
23
2
24
3
25
4
26
5
27
6
28
7
29
8
30
9
32
0
33
1
34
2
35
3
36
4
37
5
38
6
39
7
40
8
41
9
43
0
mG
y/m
in
最小値0.07 mGy/min
最大値98.5 mGy/min
透視線量データ(mGy/min)
0.0
5.0
10.0
15.0
20.0
25.0
30.0
35.0
40.0
45.0
50.0
1 81
52
22
93
64
35
05
76
47
17
88
59
29
91
06
11
31
20
12
71
34
14
11
48
15
51
62
16
9
2008年
最小:1.1 mGy/min 最大:45.2 mGy/min平均:16.6 mGy/min
41倍の格差
最小:0.94 mGy/min 最大:43.3 mGy/min平均12.6 mGy/min
46倍の格差
施設間および装置間格差は小さくなっている。単位線量施設間格差は大きい。
mG
y/m
in
24 %低減
0
5
10
15
20
25
30
35
40
45
50
1
20
39
58
77
96
11
5
13
4
15
3
17
2
19
1
21
0
22
9
24
8
26
7
28
6
30
5
32
4
34
3
36
2
38
1
40
0
41
9
43
8
2016年 n=449
透視線量比較 2008年-2016年
P<0.01
2008年と比較し2016年で線量は相対的に低下している。2015年において線量値の幅が小さくなっており、診断・治療に必要な線量が標準化されつつある。
mG
y/m
in
0
5
10
15
20
25
30
35
2008 2016
percentile (90 75 50 25 10)
選択パルスの割合
51%
7.519% 10
9%
120%15
55%
309%
502%
連続
5%
2008年
7.5パルスの使用割合が増加30パルス以上の使用割合がほぼなし動き補正などのデジタル処理が発達、カテ視認が良くなった?
43%
7.541%
1017%12.5
5%
1533%
301%
2016年
0.0
5.0
10.0
15.0
20.0
25.0
30.0
1 8
15
22
29
36
43
50
57
64
71
78
85
92
99
10
6
11
3
12
0
12
7
13
4
14
1
14
8
15
5
16
2
16
9
17
6
2016年
7.5パルス時の透視線量
0.0
5.0
10.0
15.0
20.0
25.0
30.0
1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112131415161718192021222324252627282930
2008年
平均 10 mGy/min 平均 8.9 mGy/min
平均はやや低下
mG
y/m
in
P=0.06
7.5パルス時の透視線量比較2008年-2016年
2008年と2015年の透視線量に差は見られない。
mG
y/m
in
0
2
4
6
8
10
12
14
16
18
20
2008 2016
percentile (90 75 50 25 10)
15パルス時の透視線量
0.0
5.0
10.0
15.0
20.0
25.0
30.0
35.0
40.0
45.0
50.0
1 5 9 13 17 21 25 29 33 37 41 45 49 53 57 61 65 69 73 77 81 85 89 93
平均17.7 mGy/min 平均17.4 mGy/min
2008年 2016年
mG
y/m
in
変化なし
0.0
5.0
10.0
15.0
20.0
25.0
30.0
35.0
40.0
45.0
50.0
1 7
13
19
25
31
37
43
49
55
61
67
73
79
85
91
97
10
3
10
9
11
5
12
1
12
7
13
3
13
9
P=0.29
15パルス時の透視線量比較2008年-2016年
2008年と2016年の透視線量に統計学的有意差は見られない。
低パルス化が全体の線量を下げている
mG
y/m
in
0
5
10
15
20
25
30
35
2008 2016
percentile (90 75 50 25 10)
透視 視野サイズによる違い
-20 20 30 40 50
視野サイズが小さい(拡大)すると線量が高くなる。高パルスでは線量も増加する。被曝線量を下げるには、不要なインチアップは避け低パルスを選択する。
mG
y/m
in
0
5
10
15
20
25
30
35
40
45
50
1
11
21
31
41
51
61
71
81
91
10
1
11
1
12
1
13
1
14
1
15
1
16
1
17
1
18
1
19
1
20
1
21
1
22
1
23
1
24
1
25
1
26
1
27
1
28
1
29
1
30
1
31
1
32
1
33
1
34
1
35
1
36
1
37
1
38
1
39
1
40
1
41
1
42
1
43
1
44
1
2016
対角サイズ
ave.17.2ave.13.9
ave.11.0
ave.9.4
付加フィルターによる透視線量違い
2016年基準線量データより: パルスレート7.5f / 視野サイズ 20-29.8 cm(対角)
9 mmAl未満 9 mmAl以上
Ave. 13.0 mGy/min Ave. 9.9 mGy/min
0
5
10
15
20
25
条件① 条件②
percentile (90 75 50 25 10)
装置導入年
R² = 1E-05
0
5
10
15
20
25
30
35
40
45
50
2000 2005 2010 2015
R² = 0.0254
0
5
10
15
20
25
30
2000 2005 2010 2015
mG
y/m
in
7-10パルス 15-30パルス
装置導入年と透視線量との相関はない。
年 年
メーカ別の透視線量m
Gy/
min
海外メーカ3社、国内メーカ2社のデータ
0
5
10
15
20
25
30
GE
SE
PH
SH
I
TO
percentile (90 75
50 25 10)
国内外 各メーカ
最新血管造影装置と他装置の透視線量m
Gy/
min
0
5
10
15
20
25
Allra Clarity Other
percentile (90 75 50 25 10)
中央値 5.3 mGy/min 6.0 mGy/min
P<0.05
最新 他装置
DA線量(mGy/s)
0.0
1.0
2.0
3.0
4.0
5.0
6.0
7.0
8.0
9.0
10.0
1 5 91
31
72
12
52
93
33
74
14
54
95
35
76
16
56
97
37
78
18
58
9
2008年 n=91
最小0.4 mGy/s 最大7.9 mGy/s平均3.4 mGy/s
21倍の格差
最小0.2 mGy/s 最大9.0 mGy/s平均2.6 mGy/s
51倍の格差
平均線量は下がっているが、施設間および装置間格差が広がっている。単位線量格差は51倍ある。施設における線量管理が重要。
mG
y/s
0.00
1.00
2.00
3.00
4.00
5.00
6.00
7.00
8.00
9.00
10.00
1 91
72
53
34
14
95
76
57
38
18
99
71
05
11
31
21
12
91
37
14
51
53
16
11
69
17
71
85
19
32
01
20
92
17
22
52
33
24
1
2016年n=246
DA線量比較2008年-2016年
P<0.01
2008年と比較し2015年でDA線量は低下している。
mG
y/s
2008年 2016年
0
1
2
3
4
5
6
7
percentile (90 75 50 25 10)
単位を間違えていませんか?
0.00
10.00
20.00
30.00
40.00
50.00
60.00
70.00
80.00
1 71
31
92
53
13
74
34
95
56
16
77
37
98
59
19
71
03
10
91
15
12
11
27
13
31
39
14
51
51
15
71
63
16
91
75
18
11
87
19
31
99
20
52
11
21
72
23
22
92
35
24
12
47
25
3
2016年
DA線量(mGy/sec)
最小0.04 mGy/sec 最大72 mGy/sec
72 mGy/min?min or sec
多くの装置は2.5 mGy/min
DA選択フレームの割合
10f
2% 12f
1%
15f
89%
25f
1% 30f
7%
2008年 2016年
2008年、2016年とも15 f/sが主流であることには変わりない2016年では30 f/sは使われなくなり、5 f-7.5 f/sの低フレームが比較的使われるようになっている。
5f
1%7.5f
6% 10f
5%
15f
87%
30f
1%
DA 視野サイズによる違い
0.0
1.0
2.0
3.0
4.0
5.0
6.0
7.0
8.0
9.0
10.0
1 4 71
01
31
61
92
22
52
83
13
43
74
04
34
64
95
25
55
86
16
46
77
07
37
67
98
2
2008年
ave.3.6
ave.2.9
ave.3.2
13cm- 18cm- 22cm- 13cm- 18cm- 22cm-
2008と2016年で、大視野において単位線量が下がってきているが、多くの施設で心臓カテーテルに用いられている、18 cm付近で線量がやや高くなっている。
mG
y/s
0.0
1.0
2.0
3.0
4.0
5.0
6.0
7.0
8.0
9.0
10.0
11
01
92
83
74
65
56
47
38
29
11
00
10
91
18
12
71
36
14
51
54
16
31
72
18
11
90
19
92
08
21
72
26
23
5
2016年
ave.3.6
ave.3.3
ave.2.2
DAまとめ
• 2008年と2016年では有意に線量の低下がみられる。
• 透視同様に低パルス化の傾向がみられ、2008年で見られた25フレーム以上の高パルスは用いられなくなった。
被曝線量を下げるには、検査・治療状況に応じ、より低パルスレートを用いることが有用。
DSA線量(mGy/f)
最小:0.5 mGy/f 最大:8.6 mGy/f平均2.7 mGy/f
17倍の格差
最小:0.1 mGy/f 最大:9.9 mGy/f平均1.6 mGy/sec
80倍の格差
平均線量は下がっているが、施設間および装置間格差が広がっている。
単位線量格差は80倍ある。施設における線量管理が重要。
0.0
2.0
4.0
6.0
8.0
10.0
1 11 21 31 41 51 61 71
2008
mG
y /f
0.0
2.0
4.0
6.0
8.0
10.0
1 9
17
25
33
41
49
57
65
73
81
89
97
10
5
11
3
12
1
12
9
13
7
14
5
15
3
16
1
16
9
2016 n=174
DSA線量比較2008年-2016年
P<0.01
2008年 2016年
mG
y/f
2008年と比較し2015年でDSA線量は低下。
0
1
2
3
4
5
6
percentile (90 75 50 25 10)
2.4
1.3
DSA視野サイズによる違い
すべての視野サイズにおいて2008年と比べ2016年のほうが単位線量が下がってきている。広い視野サイズのほうが線量値は小さい傾向になる。
2008年 2016年
-20 cm -29 cm 30 cm-
0.00
1.00
2.00
3.00
4.00
5.00
6.00
7.00
8.00
9.00
1 4 7 10131619222528313437404346495255586164677073767982
ave.4.0
ave.2.8
ave.2.3
0.0
1.0
2.0
3.0
4.0
5.0
6.0
7.0
8.0
9.0
1 8
15
22
29
36
43
50
57
64
71
78
85
92
99
10
6
11
3
12
0
12
7
13
4
14
1
14
8
15
5
16
2
16
9
17
6
-20 cm-29 cm 30 cm-
ave.3.0
ave.1.8
ave.1.5
DSAまとめ
• 2008年と2016年では有意に線量の低下がみられる。
• 血管撮影担当者が線量を管理しないと、非常に高い線量が臨床に用いられている可能性がある。
被曝線量を下げるには、装置管理者の線量管理が重要になる。