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高知県作業道開設基準 H21.2改定 高知県 林業改革課

高知県作業道開設基準...-1-第1 はじめに 〈作業道の役割と機械システムによる分類〉 1 作業道とは、いつでも誰でも山に行くことができて、魅力(収入)ある山にするための道

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高知県作業道開設基準

H21.2改定

高知県 林業改革課

目 次

第1 はじめに1 作業道とは 2 施業システム 3 路網の分類 p 1

4 林内路網の配置 p 2

第2 調査計画

1 作業道開設区域の調査 2 森林計画や制限林等との関係 p 3

3 補助金を活用する場合 4 ルート選定調査の流れ p 3

5 危険ゾーン p 4

6 安全、道を通したいゾーン 7 現地踏査 p 6

8 路線の計画ゾーンの決定 9 林内路網のモデル図 p 7

第3 設 計1 概 要 2 線形(路線位置) p 8

3 縦断勾配 4 曲線の設置 5 ヘアピン(基幹道、登坂道)p 9

6 標準横断(計画高と横断面) p10

7 排 水 p13

8 制札、標柱 p16

第4 施 工

1 施工順序 2 使用機械 p17

3 作業計画 4 伐 開 5 法尻土留め工と枝葉処理 p18

6 切取土工 7 曲線部の手直し p19

8 路肩丸太積みと路面処理 9 路面の安定化 10 洗越工 p20

第5 維持管理1 路面整備 2 法面保護 3 排水場所の掃除 p21

4 洗越工の点検 5 作業道台帳 p21

第6 設計書作成1 目 的 2 設計書の構成 p22

3 直営施行と請負施行 4 設計の種類 p23

5 測量から設計書作成までの手順 p24

第7 事業費積算1 直営施行 p25

2 請負施行 p27

3 標準単価等の適用 4 工事雑費等 p30

第8 補助金等の交付申請、検査1 補助金等の交付申請 p31

2 竣工検査 p31

3 査定設計の留意事項 p33

第9 参考資料1 高性能林業機械等と幅員の関係 p34

- 1 -

〈 〉第1 はじめに 作業道の役割と機械システムによる分類

いつでも誰でも山に行くことができて、魅力(収入)ある山にするための道1 作業道とは、① 日頃使っている車や市販されている林業機械が安全に使用できます。(幅員、勾配、曲線)

② 安価な開設費で、道が壊れず、維持管理が易しく、山を壊さず、自然に優しく、構造物は現地で

調達することを基本とします。 (線形、排水、土留、土工)

③ 簡易な搬出技術で、しかも低コストで木材が搬出できます。 (路網密度、作業ポイント)

にあった作業道2 施業システム(間伐材生産等)① 道は、「どこに」、「どんな規格の」、「どれだけ」を評価して、計画します。

道は、危険なところに開設したり、必要以上に広かったりすると山そのものを壊したり、開設費

や維持管理費が高くなるので、山や作業システムに適った構造や組み合わせが必要です。

やみくもに道を開設するだけでは、間伐材等の生産が非効率となるなど無駄な投資となります。

② 効率的かつ計画的な森林経営を目指す「森の工場」など、集約的に森林施業を実施する区域にお

ける作業道開設を優先的に行う必要があります。

③ 林内路網の整備状況の差異、地形や搬出方法の制約、施業システム等に見合った路網整備計画を

あらかじめ立てた後、作業道の開設を行います。

3 路網の分類ひとくちに作業道といっても、集材などの施業や木材搬出などの運搬の役割を担っており、それ

ぞれの役割を担う道や両方の役割を担う道があり、その役割に応じて構造が変わります。

そこで、林道を含めてそれぞれの担う機能と構造から、次のように分類しています。

路網の分類

集材距離 路網密 度路網の 路網の 主 な 主 な 幅員設置位置や構造など上:迂回率η

役割 名 称 集材機械 運搬車輌 m m ( / ) f延長 ㌶ 下:偏 り

位置:公道から稜線に至る基幹的な道トラフイック 林 道 トラック 3.0 ~ 15 0.3集材機~ 500(運 搬) スイングヤーダ

1.2タワーヤーダ自走式搬器本 線

位置:中腹や稜線を通過する比較的緩勾配作 運材型 3.0 ~ 30 0.5で、主にトラックが通行する道業 ~ 250 ~(高規格作業道を含む)道 (高規格) 1.0~

構造:縦断、曲線等は林道3級に準ずる。

位置:谷筋から稜線に至る比較的急勾配のアクセス 作 集材型Ⅰ 3.0 ~ 100スイングヤーダ ダンプ4㌧木材運搬用及び中腹から稜線の集材(集 材) フォワーダ業 ~ 100 ~用の道路 200(高性能林業機械 グラップル(ウイ

構造:集材機械に応じた幅員とし、安全な支 線 を中心とした道) ンチ付) (トラック)走行や木材搬出に支障がないこと。

位置:中腹から稜線の集材作業用の道集材型Ⅱ 1.8 ~ 200 0.5林内作業車 林内作業車構造:勾配はできるだけ緩くし、集材高率(小型作業車を中 ミニグラップル ダンプ2㌧ ~ 50 ~

の向上及び安全を確保します。心とした道) (ウインチ付) 3.0 1.0~曲線等は使用機械の安全な走行や、~木材の搬出に支障がないこと。

参考 小型作業車 小型作業車 1.8~(車幅) 小型タワーヤーダ 2.0

ダンプ2t 2.5

高性能林業機械のベースマシンは、7t(0.25m3)以上が望ましい。高性能林業機械造材機種:ハーベスタ、プロセッサ(造材機械等)

※(参考)高性能林業機械等と幅員の関係(第9)

- 2 -

4 林内路網配置

路網密度式

路網密度={ 2 / )/10,000} (1+ )( ×集材距離×道路延長 道路延長 × η

× η 集材距離={(5,000 (1+ )}/

η:路網迂回率(通常0.3~0.5)

うえの求められた理論的路網密度に

路網の偏りが少ない場合は、f=1.0

〃 中程度 f=1.5

〃 大きい f=2.0

を乗じて求められた数量が実際の路網密度(㌶当たりの延長(m))となります。

道路延長

f=1.0 f=1.33 f=1.67 f=2.0

林内路網配置図の例

支線

本線支線

支線

集材路網の配置モデルと f 値

- 3 -

第2 調査・計画

1 作業道開設区域の調査① 森林調査(施業の必要性)

当該森林の間伐材搬出等森林施業の必要性が高いこと。

② 意向調査(施業意向の確認)

森林所有者と施業計画や受託等について協議し、確実に実施できる旨を確認すること。

③ 作業システムの決定(計画作成)

間伐材生産等作業システムや作業道等路網計画の決定。

④ 作業道整備(実施)

作業道の実施、支障木処理の契約。

2 森林計画や制限林等との関係① 市町村森林整備計画や森林施業計画

整合性があること。

② 制限林、土地利用規制等

施工前に所要の手続きをとり、制限内容によっては計画しないこと。

※保安林、砂防指定地、地すべり防止区域、急傾斜地崩壊危険区域など

③ 公道からの取り付け

道路管理者の許可が必要となります。条件や災害の危険度によっては計画しないこと。

3 補助金を活用する場合造林補助事業など国庫補助金(交付金を含む)を活用する場合は、次の要件を満たしていること。

① 森林の区分(ゾーニング)

補助対象となる森林施業(搬出間伐等)が実施できる区域であること。

② 市町村森林整備事業計画等

事業量が掲載されていることを確認すること。

掲載のない場合は、市町村長と事業計画への掲載について協議すること。

③ 採択要件

ア 幅員3.0m以上の作業道等は、原則として「森の工場」に限ること。

ただし、間伐材搬出を目的に開設する場合は、「森の工場」以外もこれを認めます。

イ 水土保全林(保全型)における作業道等は、樹下植栽及び天然更新を伴う施業にあって

搬出を目的として開設する場合は、幅員3.0m以上を認めます。

エ 搬出間伐の実施面積1ha当たりの開設延長は概ね300mまでとし、作業道開設後には、概ね3h

a以上の森林施業を行うように努力すること。

オ 作業道の開設単価は、費用対効果を考慮し次の金額を上限の目処とします。

・幅員3.0m未満の場合 概ね7,500円/m

・幅員3.0m以上の場合 概ね10,000円/m(高規格の作業道 概ね40,000円/m)

④ その他、各々の事業に応じた補助金交付要綱等の要件に適合していること。

4 ルート選定調査の流れ① 5千分の1地形図、空中写真等を利用し、地形図に計画最適ゾーンを選定します。

「青(安全)」、「赤(危険)」、「黄(どちらでもない)」にゾーン分けします。

赤の危険なゾーン(道をつけることに適していない)は避け、青又は黄の安全なゾーンを道を付

けることができる候補地として選びます。

② 起点、重要通過点(ヘアピン、支線分岐点、集材等土場)、終点、およその勾配やル-トを図上

で仮決定します。

③ 現地踏査を行ってルートを決定します。

- 4 -

5 危険ゾーン(赤マーク)道をつけると、壊れる、開設費が高い、維持管理が難しい箇所があります。

こういった場所は、道を開設しないように、印をあらかじめつけるなどしておくこと。

急峻地①

(概 要)

・急斜面(40度以上(垂直5:水平6))は工事費が嵩むうえ、維持管理が難しくなります。

・盛土勾配1割2分を越えるような急斜面とすることは、なるべく避けること。

・人工構造物が必要になれば開設費がかさむことから、可能な限り土の移動だけで道を付けること.............

とし、必要不可欠な箇所にのみ構造物を設置します。

※コンクリート構造物(恒久的構造物)ではなく、丸太や空石等を活用すること。

(判 定)

・地形図で2cm円内の等高線数8本以上、1cm円内5本以上(5千分の1、10m間隔等高線)

・地形図は航空写真から作成しているので細部の省略や誤りがあるので、現地を踏査すること。

・特に幼齢林は根系が土をつかむ力が弱いので急勾配地での開設は避けること。

(事 例)

・切取高が1.5m以下では崩壊せず、3m以下(2m以下が望ましい)であればほとんど崩壊し

ません。

破砕地帯②

(概 要)

・破砕地帯は地形が乱れ、見るからに崩れやすそうな場所です。

(判 定)

・地形図では等高線が複雑に曲がり尖っている、皺が多い急峻、凹地形ではっきりしない小沢。とが しわ

・航空写真でみると岩石が破砕され水分が多いため木の生長が良く、濃い筋状に見えます。

・人工物ではなく、筋状にみえるものは全て要注意です。

(施 工)

・通らなければならないとき

ア 破砕地帯に沿わさず大きい角度で交差するなど、線形を調整すること。

イ 切取高を1m以下とし、路肩に構造物を入れて補強すること。

潰溜まり、崖錐など③

(概 要)

・崩壊した土砂や角礫が崖下や谷等に半円錐形に堆積して斜面をつくり、樹木の生育良好。

・比較的緩斜面で不安定であり、下の地層との境目を水が浸透しやすく、水脈となっているため、

切り取ると浸透水によって上部が滑りだすので、通過する場合でも極力切取をしないこと。

(判 定)

・地形図では等高線が緩くなり、半円状などに膨らんでいる。

・航空写真では半円錐状に色が濃く見える場合もある。

・谷沿いの下降斜面に崩土が堆積しているので、その上方は崖又は谷の形状です。

水脈が地表に近い場所④

(概 要)

・切り取ると豪雨時に切取面から水が噴出し崩壊を招くので切取をしないこと。

(判 定)

・異常に多くの水分が土壌に含まれ、樹木の成長がよく航空写真では色の濃い斑点となります。

- 5 -

川沿い⑤

(概 要)

・豪雨等で水嵩が増したときに洗掘され流出します。

・斜面からも水が噴き出す箇所が多くなり、崩壊の原因となります。

(施 工)

・道を付けないこと。

・やむを得ず、道を付ける場合は水面より相当高い位置に計画すること。

(川沿いのコケや灌木樹木の生育状態をみる)

大きな転石のある場所⑥

(概 要)

・開設費が嵩み、切取上部の転石が崩落し、道や樹木に被害を与えます。

(判 定)

・航空写真では地表に見えない場合でも樹木の生育は悪く、白っぽい斑点となります。

・地表に転岩が露出しています。

岩盤が地表に近い場所⑦

(概 要)

・通常の切取機械では破壊できないため、工事費が嵩みます。

・バックホーのバケットで切り取れる程度であれば、維持管理費はほとんど要らず適地です。

(判 定)

・航空写真では樹木の生育は悪く、転石の場合より大きい部分が白っぽく写ります。

・現地では、岩盤に到達し生長が阻害された時点で年輪幅が急に狭まくなります。

人家や公道に転石などの落下が予想される場所⑧

(概 要)

・自然災害であっても責任が問われることがあります。

崩壊地及び崩壊の多い場所⑨

(概 要)

・崩壊の多いところは崩壊しやすい何らかの要因をもっています。

・谷頭(谷になりつつある谷の上方の凹地形)もこの一つです。

斜面の形状は下降斜面から上昇斜面に変化する複合斜面となっています。

・凹地形は何らの要因で浸食され、凸地形は何らかの要因で浸食されていない箇所です。

(判 定)

・崩壊地は地形図に記入されていますが、航空写真でも容易にみられます。

・尾根の両側で受け盤、流れ盤となっている場合がしばしばあり、流れ盤は滑りやすく危険です。

・現地踏査で崩壊の予兆(地面に割れ目、土や礫が浮いたように、地表が波だつように)がみえる

場合。

生態系への影響の大きい場所⑩

- 6 -

6 安全、道を通したいゾーン(青マーク)赤マークのところ以外はどこを通ってもよいが、特に道を付けるのに都合の良い場所があります。

また、是非とも通しておきたい場所もあります。

そのような場所を通るか通らないかに関係なく、印を付けておくと作業道を計画するときの参考

となります。

棚地形①

(概 要)

・棚地形の上手な使い方が安い路網開設のポイントとなります。

・支線のルートとしては最も適しています。

(判 定)

・急傾斜でも傾斜には変化があって、ときに棚状の勾配の緩いところがあります。

・使う使わないは別にして、できるだけ多く探してマークしておきます。

・現地踏査の際に、対岸等の少し離れた場所から探してみます。

ヘアピンカーブに適した場所②

(概 要)

・上下の道の間隔をできるだけ広くとります。(間隔が狭いとその間の土が崩れやすいため。)

・間隔が狭い区間をできるだけ短くします。

・走行性を追求して緩くし過ぎるより、急勾配とすること。

(判 定)

・堅い尾根や緩勾配の広い場所(30度以下で凹型勾配の尾根で下が受け地形の所)

谷渡りに適した場所③

(概 要)

・谷を渡る必要がある道は、できるだけ工事の楽な工法「洗い越し」をつけやすい所がよい。

(判 定)

・洗い越しは谷川の勾配が緩く、谷川の両岸にゆとりのある場所がよい。

土の動いていない場所④

(概 要)

・土が動いていない箇所は安定しています。

(判 定)

・幅の広いゆったりとした尾根は土が動いていない場所。(土が動けば痩せると想定できます。)

・見た目の感じで良いところ。

支線が分岐できる場所⑤

(概 要)

・施業の容易性は路網密度が高いほどよい。

(判 定)

・斜面のなかで緩い箇所に道を通しておくと道の分岐や支線の取り付け箇所になります。

7 現地踏査

① 机上判定の確認

地形の詳細な凹凸やマークした現地の状況を知ること。

② 棚を見つける

地形図で見つけられなかった棚が帯状に連なっているのを現地で見つける

等高線沿いの支線もこの棚の部分につけるのが適当です。

③ ヘアピンカーブの適地を徹底的に探しマークする

特に、尾根を登坂し稜線に至る場合はヘアピンカーブを多くとるので、その適地を徹底的に探

しておくことが重要です。

④ 谷川を渡るところを見つける

谷川の洪水位や谷渡りに適した箇所とすること。

- 7 -

8 路線の計画ゾーンの決定

(1)計画ゾーンの選択

机上や現地での調査を参考に、本線や支線の設置によいと思われる候補地を、1/5,000程度の図面

を用いて幅の広い帯状のゾーンの形で選択し、できれば路線として記入すること。

(2)本線の計画ゾーン(運材型の作業道)

① 背骨である本線は最も安定したところに計画すること。

② なだらかな厚みのある尾根や中腹部が適当です。(アピンは尾根部が理想的です)

③ 安全ゾーンの中から本線を実際につけたい場所を選ぶこと。

④ トラックが安全に通行できる勾配及び曲線とすること。(3級林道に準じる)

(3)支線の計画ゾーン(集材型の作業道)

① 支線は主に集材作業と育林作業のベースとなります。(土場や作業ポイントの役割をもつ)

② 作業効率等を考慮しつつ、選定した集材用機械によって道の間隔や幅員が決まります。

例:スイングヤーダは幅員3m以上、間隔は100m程度

林内作業車は幅員2.0m程度、小型の単線集材は間隔をできれば50m程度

③ 簡易な構造とし、低価格でしかも集材用車両機械の通行や利用に耐えられること。

④ 主に作業用の道は、等高線(棚地形の利用)に沿った道とし作業を容易にすること。

⑤ 排水のため中腹でやや高く、尾根でやや低くすること。

⑥ 危険な場所は避けること。

⑦ ヘアピンカーブは、作業用の支線(本線と繋ぐ運搬兼用の道を除く)では極力作らないこと。

⑧ 本線から計画ゾーンの広い尾根までの間は急斜面となっている場合が多いので、この取り付け

部をどのようにとるかを慎重に検討すること。

9 林内路網のモデル図

     可住地、農地 急斜面 緩斜面

支線(作業路)

支線(作業路)

本線(作業道)

本線(林道)

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第3 設 計

1 概 要「設計」とは、決定した計画ゾーン内に、次のことを念頭に現地に設計図を描くことであり、現地

に道のしるしをつけることです。

① 路線の線形(平面と縦断)は地形に合わせて(切盛均衡)

② 道の横断形を描きます

③ 車両の安全な走行等を確保するため、必要に応じて盛土部などに路肩を設けます

路肩の設置は、片側0.5mを限度とします

④ 曲線は大きさと通る場所を決めます

⑤ とくに、ヘアピンカーブはよく踏査すること

⑥ 路面水を排水する凸地や、谷を安全にわたる場所と方法を選ぶこと

⑦ 構造物の材料はできるだけ現地調達すること

⑧ 構造規格の目安

参考(拡幅量の目安)作業道種類 設計車両 幅 員 m 縦断勾配% m最小半径

m (3 )m曲線半径 拡幅量 級

6 ~ 9 1.00トラック 以上 未満運材型 3.0~ 6m18%以下

9〃~13〃 0.75

13〃~25〃 0.50スイングヤーダ 登坂能力以下 通行可能なとし、集材箇 曲線や拡幅集材型Ⅰ 3.0~

25〃~50〃 0.25フォワーダ等 所はできるだ 量とする。け緩くする。

1.8~3.0林内作業車 等集材型Ⅱ

(機械幅×1.2)

2 線形(路線位置)決定した計画ゾーン内に、次のことに留意し、ハンドレベル、ポール、けん縄等を用いて、斜面勾配、

道の最急勾配、延長を確認しながら、そのポイントに印(杭の頭にテープを巻く)をつけます。

(1)本 線(運材型)

① 切盛均衡を基本とします。

② 壊れないことを第一に、できるだけ安全な場所や、

③ 斜面の勾配が35度以下の場所をできるだけ選ぶこと。

④ 35度を越える場合は法尻の地形が受けている所を選ぶこと。

⑤ 自然(地形)に逆らわず微地形の凹凸どおりに、

⑥ 棚型の地形を選択し、土工量を減らすこと。特にヘアピンは注意すること。

⑦ 支線が分岐できる地点(棚地形:斜面の緩くなったところ)を通ること。

⑧ 小さな谷や尾根が集まる複雑な地形は避けること。

⑨ 幼齢林では根系の支持力が小さいことから斜面勾配の緩い所を通ること。

⑩ 谷を渡るときは工事費が安くなる両側の開けた緩い箇所を通ること。→洗い越し工

⑪ 崩壊地は避けること。通る場合は崩壊地と堆積土砂の境とすること。

⑫ 谷沿いは避けること。谷川に隣接する場合は

・計画高及び構造物等の位置は洪水位より高い位置とすること。

・洪水位は川岸に残されている過去の洪水時の痕跡、露岩状態、植生や苔の状態で判断すること。

・谷の形状をしている最上部を洪水位として判断すること。

(2)支 線(集材型)

本線に準ずるが、あわせて次のことに留意すること。

① 集材作業する道であることに留意し、作業効率等を考慮すること。

② 主に作業用の道は、勾配を緩くし危険な個所は避けること。(勾配が急でもやむ得ない)

③ 尾根で排水する縦断勾配を設定するなど、排水箇所は注意すること。

- 9 -

3 縦断勾配① 縦断勾配を緩くするより危険な個所を避けることを優先すること。

② 勾配をいくらにするとか、あらかじめ固定化せず、地形に応じて柔軟に対応すること。

③ 稜線に上がることが目的であれば、勾配が急になっても延長はできるだけ短いほうがよい。

最急勾配は運材型18%以下、集材型30%程度以下(登坂能力以下)とする。

④ 縦断線形は尾根部で排水できるように、低くするとよい。

4 曲線の設置① 搬出する木材の長さに合わせ曲線半径6m以上を基本(8m材は曲線半径を10m以上)。

② 内側に拡幅を入れること。(3級林道に準ずる:第3の1の⑦参照)

③ 車外から出た材等を通りやすくするため、作業道開設後に必要に応じて立木の除去や切取面の

高い位置(材が法面に接触しないように)を切増しすること。

5 ヘアピン(基幹道、登坂道)(1)最も最適な位置は尾根

① 勾配の緩い(20度以下、急でも30度以下)尾根で下が受け型をしている場所とする。

② 幅の狭い尾根は向こう側の斜面が緩い場所とする。

③ パワーショベルで掘削できる程度の岩盤の尾根は適しています。

④ 凹地形ではよほど平坦でない限り作らないこと。

⑤ 尾根で排水を行い、排水系統を分けること。排水の分散は災害を未然に防ぐこととなります。

(2)谷筋でとる場合

① 一度対岸に渡り、再度ヘアピン状に道をとって谷を渡り返します。

② さらにヘアピンをとる場合は尾根でとり排水を尾根で分断すること。

(3)ヘアピンカーブの取り方

① 最小回転半径(6m)以上の曲線半径をとること。(集材型は使用機械に応じた曲線とする)

② 拡幅についても考慮すること。

③ 上下の道の間隔を早くあけること(崩壊防止のため)

④ 切取が大きくなるなど崩壊の危険がある場合はこの間の縦断勾配を緩くしないこと。

⑤ 道が上下に重複する凹地形に排水せず、ヘアピン外側の凸地形の箇所に排水すること。

⑥ 縦断勾配が急な(12%以上)場合は走行性の確保(路面工)と誘導排水(前後の排水、路面

中央の排水路)を行うこと。

⑦ ヘアピンに適した箇所とは

「地山勾配30°以下で」「できるだけ縦断勾配を急勾配として、切取高を低くする」

⑨ ヘアピンカーブの設定

i={h/(r 3.14)} 100× ×

=31.85 h/r×

i:縦断勾配、h:標高差

r:曲線半径、3.14:円周率

例1)h=3m(BC~EC)であれば

r=6mのときi=16%

例2)h=5m(BC~EC)であれば

r=6mのとき,i=26%

標高差

カーブの起点(BC)

カーブの終点(EC)

カーブの中心

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6 標準横断(計画高と横断面)

(1)現地で設計する(現地に絵を描く)

ア 基本的なルール

① 中心線及び計画高は決定した線にほぼあわすこと。(切盛均衡)

② およそ35度以上の斜面では土留めが必要となります。

③ 切取高は2.0m以下(直切り)を基本とすること。(1.5m以下が理想)

④ 切り取った土はその場の谷側の盛土に使うこと。

表層の植生は、盛土のり面(路肩)に利用するなど、早期緑化に努めること。

※「表土ブロック積(根株を利用した法面保護)」による植生回復の例があります。

⑤ 路肩は小丸太で補強すること。(必要に応じて施工すること)

⑥ 斜面の勾配を測定し、次の「イ 切盛均衡の盛土幅」を目安に切取の位置や土留めの位置を確

認すること。

イ 切盛均衡土工

① 切盛均衡の盛土幅(路肩からの距離)単位:m

幅員(m)斜面 2.0 2.5 3.0 摘 要勾配(度)

25 0.8 1.0 1.2 表中の値は、切取勾配を直とし、盛土勾配を1割2分とした

30 0.7 0.9 1.1 ※1.3※印は丸太積(S=1:0.6)の路側構造

35 0.5 ※0.9 0.7 ※1.1 0.8 ※1.3 物の設置

40 ※0.8 ※1.0 ※1.2 次の(2)の図を参照

② 土工等の構造規格

土質区分 法面勾配(1: ) 法面保護 路肩工 路面工

H=~2m H=2~5m

切取 土砂 直切 0.5 丸太積み工 現地発生の荒仕上げ(浮石等除去)等 岩砕等必要に応じ播種、種子吹付

、 直切 0.3岩 固結土

十分に締め固める。盛土 H=~1m H=1m~必要に応じ、土羽工、種子吹付工や法尻に土留め工0.6以上 1割2分以上

注1)切取、盛土の高さは、原則として2mを越えないようにします。2)曲線内側の切取は必要に応じて木材の搬出や安全な通行のため増し切りを行います。3)切取勾配は、森林植生の保護、土工量の軽減、降雨による洗掘防止から現地の土質に適った必要最小限に止めます。

4)1mを超える盛土の場合で、根株を活用した法面保護工を実施し、次に当てはまる場合は盛土勾配を概ね1割とすることができます。ア 幅員3.0m未満の作業道の場合は、原則、車道幅員外(路肩及び拡幅部分など)において実施するものとし、盛土部分が安定しているもの。

イ 幅員3.0m以上の作業道の場合は、原則、車道幅員外(路肩及び拡幅部分など)において実施するものとし、盛土部分が安定し、且つ、設計荷重を概ね10t以下とした作業道であるもの。

5)保安林等の制限林においては、関連機関と協議し、必要に応じて切取及び盛土勾配の指示を受けること。

- 11 -

(2) 現場調達丸太積み等を使用した標準断面

ア 30度斜面の標準断面[路肩に丸太積み等を利用]

イ 35度斜面の標準断面[土留めと路肩に丸太積みを利用]

”岩 砕”は、路面洗掘防止や走行性向上のために、路面材として使います。

”表層土”は、現地植生や肥沃な土壌を持つので、盛土のり面や路肩の緑化材として使います。

”枝 条”は、盛土法尻の土砂流出を防止するために、法尻に筋状におきます。

ウ 40度斜面の標準断面[路側に丸太積みを利用]

盛土法面を短くする又は盛土勾配が不足する場合に、路側に「丸太積み」を利用します。

切取の高さを、スギ根系の深さ1.6m以下の1.4m以下にすれば、切取法面が安定すると

いわれています。

30度の斜面

盛土幅 盛土幅

現地植生(表層土)の積み工

盛土高

1m以下

根の深さ1.6m

路面に岩砕を敷くとよい

切り取り高1.4m以下

枝条を筋上におく

35度の斜面

盛土幅

根の深さ1.6m

切り取り高1.4m以下

40度の斜面

盛土幅

切り取り高1.4m以下

根の深さ1.6m

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エ 丸太積み路肩施工

丸太積みは、路肩の補強と車両の逸脱防止の役割を兼ねています。

施工上の注意点は、木組みの間の締め固めや盛土の転圧を十分に行うこと。

オ 石や根株がある場合は路肩や路側に利用する。

○ 空石積

① 直高1.5mを越えないこと。

② 胴込め材や裏込め材も現地で発生する石等を利用します。

③ 材料及び控長(参考)

区分 規 格 面形状 寸法 控 長

野面石 天然産の稜線が不明な築石 不規則 ㎡当り 指定

雑 石 切取岩石又は同程度のもの 個数指定 35 ~ 45

④直高と法勾配

盛 土 切 土

直高m 法勾配 直高m 法勾配

~1.5 1:0.3 ~1.5 1:0.3

~3.0 1:0.4 ~3.0 1:0.3

⑤ 直高が1.5m以上となる場合

控長を長く、法勾配を緩くとり、積みをていねいに施工すること。

⑥ 張石工は勾配を1:1以上とすること。

○ ふとん篭工、蛇篭工

湧水等がみられる地盤の軟弱な箇所の土留工として、

現地発生又は現地採取の玉石、レキ等を利用すること。

区 分 高さ 法勾配 幅 m 厚 m 網目 止め杭 心杭 中詰め石用線径

風化しにくく、亀裂ふとん 原則2m 1:0.3 1.2 0.4 mm cm =8~12cmφが少ない網目以上の篭 以下 以上 ~2.0 ~0.6 3.2 10 マツ ,スギ類 等防腐処理材

石4.0 13 L=1.0m~1.2m 15~30cm径 の5.0 15

蛇篭 2段程度 1:1 0.45~0.90程度

丸太積み路肩詳細

一番上の控え木は長くする(両輪が乗るようにする)

  また、横木は路面に半分だし、車輪止めにする

1m間隔

盛土は斜め方向によく締め固める。

横 断 図 平 面 図

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7 排 水

(1)路面排水

ア 概 要

① 誘導排水(洗い越し工をはじめ縦・横断勾配などを調整して道自体が排水するしくみ)などに

よって、長時間・長区間にわたり雨水等を道に抱えないように、安全な場所に、かつ分散して、

短時間で排水し、路面の洗掘を防止します。

② 特に、急勾配や湧水等が多い山の中腹や谷沿いの道は、路面工も含め、しっかりした排水対策

を行わないと、すぐに洗掘され、使えなくなります。

③ 排水場所は凸地形の地山が基本ですが、脆弱な場合は現採の張り石、木杭等で補強します。

イ 排水場所と排水の種類

① 凸地形箇所の地山(集めた路面水)

② 洗い越し工等を設けた箇所(谷や湧水)

③ 丸太組み工を設置した路肩(その場の路面水)

ウ 排水方法

a 誘導排水

縦断勾配や横断勾配を少し修正し、排水する箇所を凹型にして、路面水を速やかに安全な箇所

へ排水します。

① 凸地形(尾根)から排水(洗越工を凸地につくり、排水する方法です)

○凸地形(尾根)の縦断を下げる

凸地(尾根)で少し下げ、凹地(迫)で少し持ち上げます。

○凸地形(尾根)の横断勾配を少し川側に傾ける

走行に影響のない程度に緩やかで長い凹形状の縦断線形を作ります。

※尾根の川側に残った山が少しであれば、切り取ります。土場等にもできます。

② 路肩からの排水

路肩丸太積みの隣接する横木を横または縦にずらして排水します。

路面排水の例

凸地形 凹地形

谷川

①凸地形の排水洗い越し工に準じた凹型の縦断線形又は横断を川側への片勾配

②洗い越し工

③片勾配の排水

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b 横断溝

誘導排水が設置できない場合には、ゴム板、木材及び盛土等を使った排水方法を検討します。

c 路面排水の間隔

凸地形(尾根)ごとに排水します。

(参考)縦断勾配別の排水間隔(洗掘がおこらない)の目安

縦断勾配 % ~2 3~5 5~12 12~

排水間隔 m 必要に応じ 60~80 30~40 20程度

d 湧水処理

湧水は洗い越し工や誘導排水によって排水しますが、路体は現地発生の岩砕や木材を使って、

洗掘されない透水性の構造とします。

e 側 溝

路面の洗掘を防ぐためには、路面水(雨水)を集めず、路面からできるだけ早く除去すること

が肝要ですので、通常は設置しません。

○ 側溝の問題点

・設置に多額の経費を要すること。

・側溝に土砂や落葉落枝が堆積すると側溝に集った雨水等が越流し路面を洗掘すること。

・道の用地が広がり、森林を余分に壊すこと。

・側溝の凹地形が集材用の作業車等の作業に支障を来すこと。

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(2) 洗い越し工

ア 概 要

管渠は洪水時に流木や土石などが詰まって決壊することがあり、洗い越し工が最も安全で、

しかも経済的であるので、小谷川等を通過する場合は洗い越し工を設置します。

イ 設置する箇所

① 扇状地や崖錐地帯等を横断する箇所

② 上流部が荒廃渓流などで土石や木、枝条が流入する箇所

③ 管渠等で土かぶりの不足する箇所

④ 渓床勾配が急で路面上部に流入する箇所

⑤ 平時は出水がなく降雨時のみ出水する沢口等

⑥ 凸地形で路面水を排水する箇所

ウ 設 計

① 通常(流量が少ない)は全ての通水断面を路面上で確保します。

常水が多い場合は剛性管渠の併用を検討します。

② 常水処理のためU字溝や浸透水処理のための有孔管を設けるとよい。

③ 路面は、洗掘を防止するため、張り石やコンクリート(厚さ20cm、基礎が弱い場合は補強用

鉄網の併用)で覆います。

④ 洗越工の前後1m程度の幅は保護工(張り石やコンクリート厚20cm)を設けるとよい。

⑤ 荒廃渓流は呑口に山側に土留め工(石積みや丸太組み)を設けるとよい。

⑥ 路体は石等で透水構造とし、吐口は石張り(勾配1割)又は丸太積みでつくります。

⑦ 縦断勾配は緩やかな凹型として、谷の洪水断面を確保します。

⑧ 横断勾配は5~8%の片勾配とします。

洗い越し工の標準図縦断図

L L L L

勾配差s勾配差s

旧渓床 旧渓床の上に現採の石を敷く

中央縦距 y

計画洪水位

縦断曲線を用いた洗越工の構造規格設計速度 km/h 10.0 10.0 10.0 10.0 10.0 10.0 10.0勾配差  s(%)  10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0曲線長 L(m)  2.8 4.2 5.6 6.9 8.3 9.7 11.1曲線半径 R(m) 9.7 6.4 4.7 3.7 3.1 2.6 2.2中央縦距 y(cm) 3.0 8.0 14.0 22.0 31.0 43.0 56.0

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(3)呑吐口

①呑口の設置

上流の流路や地山が不安定で浸食、洗堀等を防ぐため

堰堤(丸太組み、布団籠等)を設置します。

②吐口の設置

地山等を浸食しないように張り石や現採の巨石を設置します。

(参考)管渠工の取り扱い

管渠は、流木、土石等が流入して、閉塞すると、道の決壊をおこすこと、さらに下流の森林等

に被害を及ぼすので、原則として設置しません。

管渠や管渠設置個所の問題点は次のとおりです。

(管渠の問題点)

① 管の最小径は、流木、土石等の流入による埋没防止のため60cm以上も必要になるうえ、

さらに、呑み口や吐け口にコンクリート構造物等が必要となり、経済的でないこと。

また、十分な施工や管理ができないとすぐに閉塞します。

(設置個所の問題点)

② 凹地を利用した残土処理のために設置する場合がありますが、残土処理が必要な作業道を計

画しないようにします。

こんな道は、費用もかかるうえ、大きな切り取りや盛土は災害の原因にもなります。

③ 地形等の制約から縦断勾配確保のための延長が不足する場合等に設置する場合がありますが、

深い谷地形は避けて、道を計画するようにします。

8 制札、標柱作業道は一般車両を制限し、事故や山火事などの危険を未然に防ぐため、

次のような制札や標柱による注意書きや入口の封鎖の処置をとります。

注意書きの例

「ここから先は森林作業用の仮設道路で行き止まりです。交通事故、山火事防止のため、森林作業用

以外の車両の通行をお断りします。」

横断図張り石の場合 丸太積みの場合

・呑み口は切り取らない。 

・荒廃している場合は山側にも丸太積みを

吐け口に洗掘防止の水叩き

浸透水

表流水

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第4 施 工1 施工順序

① 伐開

② 法尻土留め工

③ 枝条処理

④ 荒切り、盛土

⑤ 曲線部の手直しと排水工

⑥ 路肩丸太積みと路面処理

⑦ 路肩部と路面の盛土仕上げ

⑧ 洗い越し工と橋

⑨ 路面安定工(砂利やコンクリート)

2 使用機械① 幅員に合わない大型の機種は使ってはいけません。

機械が大きすぎると、安易な施工になり、

[土工量が大きくなる、危険な個所でも回避しない、道幅を必要以上に広げる]

山を壊し、災害を引き起こします。

② 使用するパワーショベル等掘削用機械の幅は、道幅の0.6~0.8が目安です。

③ 道幅と掘削機械の適否は次のとおりです。

掘削機械の諸元

バケット容量(平積) 0.04 0.10 0.20 0.35摘 要

機械幅 m 1.00 1.52 1.85 2.17

作業道 ~2.0未満(1.9) △ ○ ● ●× ~0.5

2.0~2.5未満(2.2) ● ○ ● △×0.51~0.6幅 員

2.5~3.0未満(2.7) △ ○ ● ○×0.61~0.8

3.0~ (3.2) △ ○ ●×0.8~

伐開幅できるだけ狭くする

間伐程度の隙間であれば、環境への影響が少ない

①伐開

②法尻土留め工

④荒盛土

⑤曲線手直し

⑥路肩丸太積み

⑦盛土締め固め

⑧洗越工

⑨路面工

⑤排水工

④荒切り

③枝条処理

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3 作業計画① 掘削機械作業は運転手と交代要員兼務の助手の計2名が適当です。

② 支障木の伐採、搬出は値段の良い時期(通常は秋から冬)がよい。

③ 施工時期は梅雨期、台風襲来期等の集中豪雨期を避ける10~3月頃が一般的によい。

④ 年間の各種作業日程計画を立て、計画的に行います。

なお、施工適期は10月~3月となりますが、年間の作業計画(間伐適期と同時期であるため)

に応じで、夏場(梅雨明け以降)における施工を考慮すること。

4 伐 開支障木の伐開は最小限にとどめます。

① 短区間の先行伐採であれば、ルート変更があっても無駄な伐採が回避できます。

② 路肩から下の盛土に埋もれる木や切取法面の上の木も切らずに残します。

・ 切取法面の上の木は切取高が根の深さ以下であれば、法面の崩壊を防止します。

・ 盛土された木は、盛土の崩壊防止に役立つうえ、枯れることもありません。

・ 伐開に伴う風穴を最小限に押さて、風害や林地の乾燥を防ぎます。

③ 間伐を繰り返して行う持続的林業経営を目標にして、1本1本の木を大事にしましょう。

・ 道ができてから適期に伐れば収益が期待できます。

5 法尻土留め工と枝条処理ア 斜面の傾斜度

① 35度までの斜面 :必要に応じて盛土法尻に土留め工を作ります。

② 35度を越える斜面 :必要に応じて路側に土留め工を作ります。

イ 土留め工の種類

丸太積み、石積み、芝積みなどの工法があります。

ウ 丸太積みの施工

① 伐開木の価値の低い木を使って丸太積みをすれば、工費も安くてすみます。

② 高さ1m位、勾配57~60度(1:0.6)であれば、自然に低木類や雑草が生えやすくなります。

③ 土留工は

高さが1.6m以下:横木は長さ3m~末口12cm以上、控え木は長さ1.0~1.5m末口12cm以上

高さが1.6m以上:横木は長さ3m~末口18cm以上、控え木は長さ1.0~1.5m末口16cm以上

の丸太を活用します。なお、商品価値の低い曲がり材を利用します。

④ D10の鉄筋で上の段だけドリルで穴を開け打ち込みます。下段は重みで安定します。

⑤ 水が湧出している場合は、すべて鉄筋でつなぎます。

⑥ 控木(横木)は水平に設置します。後に荷重がかかり、次第に沈下して安定します。

⑦ 桁木(縦木)は継ぎ目が同じ位置に来ないようにします。

⑧ 一番下の横木を地山に埋め、その上に控え木を1段だけ入れておき、後は土工の進行に合わ

せて、積み上げます。

法尻土留め拡大図

① 鉄筋、釘で留め、一番上や両端は必ず留める

② 丸太積みは水平に設置する

    ③ 横丸太は、長さ2、3、4m末口12~18cm

     ④ 控え丸太は、長さ1~1.2m、末口12~16cm

地山

桁木(縦木)

控木(横木)

勾配 1:0.6

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エ その他の土留め工

① 構造物の高さが高くなれば(1m程度以上)、石があれば石積みや布団かごがよい。

② 山側に構造物が必要な場合は、湧水がよくあるので、布団かごや石積みがよい。

オ 「末木枝条の利用」

法尻辺の立木の根元にもたせ平行に集めておくと土砂や石の滑落を防ぎ、立木を傷つけません。

6 切取土工ア 法面をできるだけ急勾配に切り取って、高さをできるだけ低くします。

① 幼齢林では切取高をもっと低くします。

② 根系の土壌保持力

・伐採後15~20年で保持力がなくなります。

・保持力減少速度の早い順:広葉樹、ス ギ、ヒノキ、マ ツ

落葉広葉樹;胸高直径10cmで3年、20cmで5年たつと保持力がなくなります。

ス ギ;5年で40%、10年で8%の保持力になります。

ヒ ノ キ、マ ツ

③ 根系の状態

スギ 根が深い。細根の発達は中間程度、全体として細根は密生し、根系の支持力は大きい。

ヒノキ 根が浅い。細根は地表近くに集中、密生している。根系の支持力は小さい。

マツ 根が深い。細根は少なく、スギ、ヒノキに比べて太い。根系の支持力は大きい。

ブナ 根が浅い。細根は分散しており、全体としては密生している。

イ 切り取った土を路側に盛土し、道型を作ってゆきます。

・ 根をもつ表土(芝)を盛土面に積むと、早く自然に緑化できます。

・ 盛土を行う際には、盛土地盤の表面をかき起こし、又は25°を超える斜面の場合は、基礎地盤

を段切りし、十分に締め固めを行うこと。

ウ 狭い尾根や狭い谷の部分の曲線手直しは後で行います。

エ できれば道の縦断線形は排水線形(尾根(凸地形)で下げ、中腹(凹地形)で上げる)とします。

オ 掘り出された岩や石及び伐根などは、路肩の補強や法尻等に活用し土砂の流出を防止します。

カ 切り取り後、地表の細根層30cmを残して法面が崩れますが、

その後、上の細根層がかぶさって安定してきます。

この崩土上の轍は排水溝にならず、谷側の轍が排水溝となりますが、路面をねじって排水します。わだち

キ 切り取りに出てきた根のみをチェーンソーで切って、ほかの根は土中に残します。

力まかせに抜くと法面崩壊の原因になることがあります。

7 曲線部の手直しア 尾根部は内側を削って道幅を広げ、外向きの排水のための横断勾配をつけます。

イ 狭い谷は両岸を削るか、谷を渡る位置を少し下流側に移動させます。

一般的には下流に出して、切取法面を大きくしないようにします。

両側を削る下流側に移動

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8 路肩丸太積みと路面処理ア 目的

路肩を補強すれば、幅員一杯に道を使え、伐開幅も小さくてすみます。

ただし、安易な補強は開設単価の高騰を招くことから、必要に応じて施工します。

イ 施工する箇所

路肩が盛土であれば使用します。

ウ 施工方法

① 桁丸太は末口12~18cm程度のものを路肩に半分くらい埋まるように掘って埋めます。

② その上に末口12~16cm程度で、できれば道幅程度の長さの横木を1m間隔で、

桁丸太に10mm位の鉄筋で留めます。

③ その上に土留め丸太(桁丸太)を重ねて、鉄筋で留めます。

ねじれを入れて一部押さえの上桁丸太を切って排水できるようにします。

④ 路面上の横木の間は現場にある岩砕や礫混じりの透水性のよい盛土を入れます。

⑤ 横木の間隔は勾配が急なほど短くし、路面水の流速を押さえます。

⑥ 桁丸太の上半分を路面に出すと車輪止めになり、走行の安全のために是非必要です。

⑦ 横木は車体荷重の分散にもなります。

9 路面の安定化① 縦断勾配が急な区間は5cm以上の砕石(岩砕、礫でもよい)を敷きます。

② 尾根部の切取で発生する岩砕や礫土等が路面材に適しています。

③ 雨水による路面洗掘を防止するため、横断溝を設置します。

横断溝は、縦断勾配が急峻であるほど設置間隔を短くします。

※第3設計の7の(1)を参考にして下さい。

10 洗越工① 谷川を渡るときは洗越工を使います。

② 多少の豪雨では水が道づたいに流れないように十分な通水断面積をもたせます。

③ 谷の勾配が急で上流からの土砂や水の流入が予想される場合は、丸太積みや布団かごによって、

谷の勾配を緩くして、土石の流入を防ぎます。

※第3設計の7の(2)を参考にして下さい。

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第5 維持管理

1 路面整備① 使用によって轍ができて凹凸になった凸部は削らず、凹部に大きい砕石等で埋めて平坦にします。

わだち

② 路面に草を生やすと土は流れ難くなります。

2 法面保護① 高い法面では草の種を蒔いて草を生やすこと。

② 草が生えてから、痩せ地に強い木本類を植えてもよい。

3 排水場所の掃除や構造物の点検① 開設後1年位は安定しません、雨の前や定期的に見回りましょう。

② 排水場所には土が溜まるので雨期(梅雨、台風など)の前に掃除します。

③ 壊れた箇所は早めに手直しを行い、長持ちさせます。

4 洗い越しの点検① 急勾配で土砂が流出している不安定な谷には堰堤を作って谷勾配を緩くします。

幅の狭い谷では間伐木で簡単に作れます。

② 谷に貯まっている流れそうな流木や根株は取り除きます。

5 作業道台帳作業道の管理者等は作業道台帳を整備し、実施状況、利用状況及び維持管理状況を把握します。

補助事業等で整備した作業道については、市町村や県は台帳の副本を備え、管理者等を指導します。

調整年月日 市町村名整理番号 管理者 実施者

所在地 所在地

区分 有無 位置 保険の種類 保険会社名 加入年月日 区分 路線名 幅員 管理者名 計画名称 計画期間 計画延長標柱制札ゲート

年度 開設延長 幅員 事業費 補助金 利用間伐 素材生産 切捨間伐

樹種 Ⅱ以下 Ⅲ~Ⅵ Ⅶ~Ⅸ Ⅹ~ 計 工場名 認定年度スギヒノキ計

維持管理の状況年月日 路面、洗

越等の種位置(追加距離等)

補修費用(人役等)

年月日 路面、洗越等の種

位置(追加距離等)

補修費用(人役等)

作業道台帳

事業名

制札等の状況 交通災害保険加入状況 接続道路の状況

うち人工林面積

開設等の状況 森林整備の状況

路線名 所在地

森林所有者数

受益者名森の工場

点検結果、補修内容

開設計画の状況

利用区域森林面積

うち保安林面積

利用区域の森林の状況

点検と結果、補修内容

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第6 設計書作成

1 目 的設計書は現地の状況と「3 設計」に基づいた設計の内容について図面、数量及び金額として明示す

るものです。

測量はそのために現地の状況を把握する作業となります。

2 設計書の構成

直 営(受託含む) 請 負工事方法設計書

幅員等 幅員3.0以上(主に作業道) 幅員3.0m未満(主に作業路) 幅員3.0以上(主に作業道) 幅員3.0m未満(主に作業路)の内容

設計車輌 主にトラック(高規格含む) 主に林業機械 主にトラック(高規格含む) 主に林業機械

(森林計画図等)当 平面図 森林計画図等、線形の概要 平面図1/500-1/1000 1/5000

初 縦断図 省略可 縦断図 1/200 1/500 省略可縦 横(簡易な縦断図でも可とする)・

変横断図 標準横断図(代表的な横断図) 横断図( 1/100) 標準横断図測点等

更 ( )(ポイントとなる変化点でも可とする) 代表的な横断図

設 数 量 概算 数量計算表※受託の場合は、委託者への見積書及

計 事業費積算 びその根拠資料を整理すること 積算書(請負設計書・見積書)

森林整備事業設計積算要領に準じ積算す 第7事業費積算により積算すること書ること(諸経費等は第7による)

程度(森林計画図等) 程度(森林計画図等)平面図 1/500~1/1000 1/5000 1/500~1/1000 1/5000(曲線設定は省略可) (曲線設定は省略可)出

来 縦断図 縦1/200、横1/500 省略可 縦1/200、横1/500 省略可

高変化点毎の適用断面(単価)に応 変化点毎の適用断面(単価)に応じ横断図 測点等1/100 測点等1/100じ作成する(記載方法は任意) 作成する(記載方法は任意)設

計 工作物図 必要に応じて作成

書 数 量 数量計算書

工事 ①起点、終点、中間点(変化点)の施工前(必要に応じ添付すること)施工前写真 ②工作物は施工箇所毎に施工状況(隠蔽部分は数量等が確認できるもの)施工中

③岩掘削状況(ブレーカ破砕)、敷き砂利等(掘削、施工状況)④掘削機械、ダンプ等の使用機種

完成後 (起点、終点、中間点(変化点)で可とする場合あり)①各測点が確認できる写真。②工作物は施工箇所毎の写真。

事業費積算 労務・機械の延べ日数は日誌等で、資 請負契約書(精算設計書)材は伝票等で整理しておくこと

森林整備事業設計積算要領に準じ積算す 第7事業費積算により積算することること(諸経費等は第7による)

このほかの設計書の様式、設計図の作成、数量計算及び単位等は、特に補助事業での指示がある

場合を除き、森林整備事業設計積算要領の林道関係事業に準じます。

※保安林における作業許可申請書を行おうとする場合は、

① 添付図面は、「請負」により実施する場合の「当初設計書」に準じ作成すること。

② 排水施設(菅渠及び洗越など)がある場合は、施工位置を平面図で明確とすること。

③ 構造物がある場合は、標準図を添付し、施工前の現地写真を添付すること。

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3 直営施行と請負施行① 直営施行 :事業主体が自ら施工します。

② 受託施行 :森林所有者に替わり事業主体が施工します。(受委託契約により実施します)

③ 請負施行 :ア 事業主体が建設業者等に請け負わします。

したがって、設計は請負予定金額を算定する内容であることが必要です。

イ 「500万円」を超える工事を請負に出す場合は、建設業法第3条の規定による

「許可」を受けた事業体であること。

※直営(受託含む)の場合でも、「500万円」を超える工事を継続的に行う事業体等は、同法の許

可を受けるように努めてください。

4 設計の種類

(1)当初設計

(概 要)

請負者が見積もるためや受託する場合に施工内容を森林所有者等に説明するために、図面や書面

にする作業です。

(測 量)

① 現地で決定した線形等(第2調査・計画や第3設計による)について、きめ細かなIP(方位

角、IP間距離は20m以下)を設定し、測量します。

② IPの方位角から得られた交角とルートからカーブの大きさ(MCのESから判定)を決定しま

す。

③ 番号測点(NO)や地形変化点(間点)を設置し、横断測量を行う。

なお、幅員3.0m未満の作業道については、変化点(適用単価に変更のない測点)がない場合は、

番号測点を省略(原則20m間隔で設置)することができます。

④ 横断測量した測点等の地盤高を測定する。

(設 計)

⑤ 地形に合った横断設計となるように計画高を決定する。

縦断勾配はきめ細かく設定する。

勾配変化点間の距離は縦断勾配差が5%以上でも20mあればよい。

⑥ 図面を仕上げ、土工や構造物の数量計算や工事に要する費用を積算して設計書を作成すること。

直営施行の場合は、設計書を作成する必要はありませんが、工事費の把握は必要です。

(2)変更設計

(概 要)

当初設計の内容を変更するための設計です。

当初設計で前提とした条件が相違する場合などに行います。

(3)出来高設計

(概 要)

① できあがった内容(出来形)について構造規格や金額を書面で明らかにして、代価の支払など

を請求する根拠とするために作成します。

② 直営(受託含む)においては、労務費及び機械経費など実際に支出した金額を積上げ積算し、

森林所有者等へ知らせるために作成します。

(測 量)

③ 仕上がった出来形を平面、縦断、横断について測量します。

(設 計)

④ ③の出来形から合理的に土工や構造物の数量の計算や工事に要した費用を積算して、出来高設

計書を作成します。

- 24 -

5 測量から設計書作成までの手順

(1)平 面

ア 測 量

① 利用する器械など

ポケットコンパス、けん縄、ポール、測量杭など。

② IPの設置

地形に沿ってきめ細かく設置し、IP間距離は20m程度以下にします。

③ 方位角

ポケットコンパスによって30分単位で測定します。

④ 曲線設定

BC、MC、EC

地形に沿った線形(現地に描いた線形に合わす)の曲線半径にします。

縦断もあわせて地形に沿わします。

イ 設 計 図

① 縮尺1:500、1:1,000

② 記入事項;路線(単線の実線)、起終点(◎)、IP(◎、IP1・・)測点(○、NO1・・)、

カーブ(R、BC,MC,EC)、間点(/)、主な構造物(洗越工、横断溝、車回しなど)、主な地

況(谷など、接続道路、林況等)

(2)縦 断

ア 測 量

① レベルやハンドレベル等によって現地を測定します。

② 地形に沿うような計画高とするため、同一勾配の延長は20m以内とします。

イ 設計図

① 縮尺(高さ1:200)(延長1:500)で測点ごとの地盤高と計画高を記入します。

現地等で決定した横断となる計画高にすること。(地盤高と計画高はおよそ同じになる)

② 参考となる事項の記入;カーブ、構造物など

(3)横 断

ア 測 量

(当 初)

① 当初設計の基礎となる現地の状況を把握するためにポール等で

地山線(横断傾斜角)の測定や土質、地況、林況を把握し設計の参考とします。

② 測点(原則20mごと)や間点(路線の変曲点、地形の変化点、構造物の設置個所等)をとる

こと。

③ 平面、縦断等をきめ細かにとり、地形に沿った横断とし必要な構造物を測ること。

(出来形)

① 完成時の出来形の状況を把握するためにスラントル-ル、ポ-ル等で全幅員、切土盛土法勾配、

土質、法長を出来形を各測点を測定すること。

イ 設 計

① 測量した内容と縦断計画高にしたがって設計すること

(4)その他

ア 土質区分

現地を調査して次の区分を適用し横断図に記入する。

崩積土か、固結土か、その程度は。粘性土か。基岩までの深さは。バケット切取可能な岩かどう

か。転石の混ざりはどうか。湧水は。

:砂、砂質土/粘性土/石樂まじり土/転石まじり土/軟岩ⅠA/軟岩ⅠB/軟岩Ⅱ/中硬岩/硬岩)(参考

イ 工作物等の調査

丸太積み、路面工、洗い越し工等は必要かどうか、その数量等を調査すること。

ウ 数量計算

「林道工事工種区分及び数量計算法の基準」を参考とすること。

- 25 -

第7 事業費積算高知県造林補助事業等における作業道に適用します。

高規格の作業道(「森林・林業・木材産業づくり交付金」を適用する場合)にあっては、治山林道必

携(森林整備事業設計積算要領:林道関係事業)に準じます。

1 直営施行(1)直営とは

① 事業主体が自ら施行するもの(受益者負担金を徴収して施行する場合を含む)

② 森林組合等が受託により施行するもの

(2)事業費の構成

工事雑費及び事務雑費

事業費 本工事費 資材費

労務費

保険料

労務者輸送費

運搬費

機械損料

準備費

(3)消費税の取扱い

① 各費に消費税相当額を含みますが、事業主体または委託者が課税業者であるときは、

「費用」と「消費税」に分けて積算します。

② 本工事費は

・受託以外のときは事業主体が課税業者であれば消費税相当額は補助対象外経費とします。

・受託のとき委託者が課税業者であれば消費税相当額は補助対象外経費とします。

③ 工事雑費及び事務雑費の消費税相当額は事業主体が課税業者であれば補助対象外経費とします。

(4)事業費の内容

① 資材費等

対象経費:工事の施工に直接必要な資材費(丸太、コンクリート、ふとん篭等)、燃料費(建設機

械等の燃料)、工事用消耗品費並びにこれらの運賃、荷造り等に要する費用

リース料や委託料等

証拠書類:納品書、支払い伝票、契約書

※支障木の取り扱い

・切り捨て等の「負価木」は「伐開費」に含め、作業道工事費として計上しますが、

搬出利用する人工林等の「価値木」は「林産事業」として別会計(補助対象外経費)とします。

・支障木を丸太組みに利用する場合の丸太価格は

原木市場の丸太価格から運搬費、市場手数料、はえ立て料等の相当額を差し引きます。

また、森林所有者が受け取る額はうえの丸太価格から受託林産費を差し引いた額になります。

② 労務費

対象経費:工事の施工に直接必要な労務者等に支払う賃金

証拠書類:賃金台帳、出面簿等(氏名、作業内容、作業日)、支払いが確認できる書類

労務単価:日額算定の例

月額(給料+手当)×12ヶ月+賞与}/{(5日×52週)-(祝日、年末年始休日、夏季休日)}

なお、日々雇用賃金の非課税(源泉徴収)日額は 円未満

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③ 保険料

対象経費:工事の施工に直接必要な賃金に対応する事業者負担保険料

労災、雇用保険、健康保険、農林年金、林退共など

証拠書類:支払い額や保険料率が確認できる書類

保険料率の例(×1/1000) (注)料率等は、時期や実施主体によって異なります。

区 分 労災保険 雇用保険 健康保険 農林年金 林退共 中退共

報酬や 料率等 林業 60 19.5 82 194.9賃金総

円/日額 うち事業主 事業主負担 11.5 41 97.5 460

理事、嘱メリット制 適用外(託、季節雇用、日々雇備 考 強制保険用、65歳新規雇用)

④ 労務者輸送費

対象経費:労務者輸送に必要な車両の燃料費、損料等

証拠書類:損料は⑥を参照、燃料は請求書、支払い伝票等

⑤ 運搬費

対象経費:工事の施工に必要な機械器具、車両の運搬及び現場内の移動に要する費用(運賃など)

証拠書類:請求書、支払い伝票

⑥ 機械損料 建設機械器具損料等積算基準によって算定します。

基礎価格は事業体の資産台帳価格とします。

対象経費:工事の施工に直接必要な機械器具、車両の損料。

工事期間内の供用日当たり損料又は運転時間当たり損料を積み上げて計算します。

ただし、国庫補助及び県補助を受けた機械器具等(耐用年数期間内に限る)の減価償却

費は補助金圧縮価格(取得価格から補助金額を控除した額)を基礎価格とします。

また、耐用年数が経過したものは、減価償却費を計上しません。

○機械損料積算方法

・供用日当たり

基礎価格(取得価格-補助金額)×償却費率(1-残存率)/標準使用年数×年間標準供用日数減価償却費:

取得価格×(維持修理費率/標準使用年数+年間管理費率)/年間標準供用日数維持修理、管理費:

・運転時間当たり

基礎価格(取得価格-補助金額)×償却費率(1-残存率)/標準使用年数×年間標準運転時間数減価償却費=

取得価格×(維持修理費率/標準使用年数+年間管理費率)/年間標準運転時間数維持修理、管理費=

証拠書類:取得価格 や償却額、補助金圧縮額がわかる固定資産台帳等の写し(減価償却前の帳簿価額)

機械の諸元や能力がわかる書類の写し

機械供用日又は運転時間がわかる機械器具等運転日誌など

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○使用機械の例示(平成20年版治山林道必携 建設機械損料算定表)

使用機械 残存率 標準 年間標準 維持 年間 年間標準

使用年数 供用日数 修理費率 管理費率 運転時間数

バックホウ 0.1m3 0.14 8.5年 180日 40% 9% -

バックホウ 0.2m3 0.14 8.5年 190日 45% 9% 750時

ダンプトラック 4t 0.12 10年 190日 60% 12% 900時

ライトバン 5人 0.07 8.0年 250日 45% 12% 720時

総輪駆動車 0.07 10年 280日 60% 12% 620時

⑦ 準備費

対象経費:工事に必要な準備、跡片づけ、伐開、除根等に要する費用

(丁張り、測点杭設置を含み、これに要する労務費等を含む)

2 請負施行(1)事業費の構成

運搬費(積み上げ)

工事雑費及び事務雑費 間接工事費 準備費(定率)

事業費 本工事費 工事価格 工事原価

消費税相当額 諸経費 資材費

直接工事費 労務費

測量及び試験費 機械損料

準備費は、1の(4)⑦準備費の定率を適用します。

○適用する準備費(定率)算定式

300万円以下

300万円を超え5億円以下

5億円を超えるもの

A b

7.11% 727.4 -0.3103 1.45%

対  象  額

ただし変数値は下記による。

Jr=A・Pb

 ただし、Jr:準備費率(%)

      P:対象額(円)

     A,b:変数値

Jrの値は小数点以下第3位を四捨

五入して2位止めとする。下記の率とする

下記の率とする

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(2)諸経費

対象経費:労務者輸送費、現場管理費、一般管理費等とし、工事原価に別に定める率を乗じて計算

します。○工事原価に、次に定める率を乗じるものとする。

  ① 森林組合等の事業体(会社組織)が事業主体として開設する場合は、①を適用すること。

    ※会社としての機能を伴わないことから、一般管理費相当を減じている。

率(%)

参考 前段階最高額(万円)

率(%)

参考 前段階最高額(万円)

100 以下 43.5 26.4100 を超え 200 以下 29.8 43.5 18.0 26.4200 〃 300 〃 23.9 59.6 14.5 36.0300 〃 400 〃 20.4 71.7 12.3 43.5400 〃 500 〃 18.1 81.6 10.9 49.2500 〃 600 〃 16.3 90.5 9.8 54.5600 〃 700 〃 15.0 97.8 9.1 58.8700 〃 800 〃 14.0 105.0 8.4 63.7800 〃 900 〃 13.1 112.0 7.9 67.2900 〃 1,000 〃 12.1 117.9 7.3 71.11,000 〃 1,100 〃 11.7 121.0 7.1 73.01,100 〃 1,200 〃 11.2 128.7 6.7 78.11,200 〃 1,300 〃 10.7 134.4 6.4 80.41,300 〃 1,400 〃 10.3 139.1 6.2 83.21,400 〃 1,500 〃 9.9 144.2 6.0 86.81,500 〃 1,600 〃 9.6 148.5 5.8 90.01,600 〃 1,700 〃 9.3 153.6 5.6 92.81,700 を超え 1,800 以下 9.0 158.1 5.4 95.21,800 〃 1,900 〃 8.7 162.0 5.2 97.21,900 〃 2,000 〃 8.5 165.3 5.1 98.82,000 〃 2,100 〃 8.2 170.0 4.9 102.02,100 〃 2,200 〃 8.0 172.2 4.8 102.92,200 〃 2,300 〃 7.8 176.0 4.7 105.62,300 〃 2,400 〃 7.7 179.4 4.6 108.12,400 〃 2,500 〃 7.5 184.8 4.5 110.42,500 〃 2,600 〃 7.3 187.5 4.4 112.52,600 〃 2,700 〃 7.2 189.8 4.3 114.42,700 〃 2,800 〃 7.0 194.4 4.2 116.12,800 〃 2,900 〃 6.9 196.0 4.1 117.62,900 〃 3,000 〃 6.8 200.1 4.1 118.93,000を超える額 一般式による 204.0 一般式による 123.0

※一般管理費を減じる積算方法  治山林道必携による現場管理費と一般管理費を対比し、その比率を適用し造林作業道の諸掛率を減じる。  積算は、純工事費500万円で、道路工事を適用する。   現場管理費 28.67%   一般管理費14.38%  一般管理費は工事原価(純工事費+現場管理費)に乗じるため、一般管理費に現場管理費見合いを上澄みする。   一般管理費14.38%×1.2867=18.50%(一般管理費相当額)

   ○減率割合=18.5÷(28.67+18.5)=39.3%(少数第3位切上)

※諸掛費適用の例(事業体の場合) 工事原価が「3,158,000円」となった場合の適用  ・諸掛率20.4%となり  3,158,000円×20.4%=644,232円  ・前段の最高額717,000円 > 644,232円 となっていることから  ・諸掛費=717,000円となる。

一般式

   y=82450x-0.5463

  ただし、当該算出された額がその前段階において算出される最高額を下回るときは、当該最高額の範囲内で増額

  ② 森林組合等の事業体が個人等へ請負により実施する場合や、代理申請にあって会社等の法人以外の事業体(個人)   が作業道を開設する場合は、②を適用すること。

工事原価(万円)

事業体(会社等)に適用 個人に適用

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(3)近接工事における諸経費等の積算

「森林土木工事における隣接工事の諸経費等の取扱いについて(平成16年高森整第525号森林整備

課長通知)」により、次により適用するものとします。

ア 諸掛費の調整を行うもの

・工事区域が近接する工事で、工事期間が重複する場合

※近接工事とは、作業道の起終点が接する工事又は工事路線の支線を開設する場合など、主

に森林施業計画団地内等での工事の場合。

・年度内に同一路線等の補助金申請が2回以上あった場合。

※補助金申請は、原則として路線の完成後に申請するものであり通常は該当しません。

イ 諸掛費等を調整しないもの

・原則として実施主体が異なる場合。

・同一路線等に係る補助金申請が複数年度に跨り行われる場合。

ただし、工事期間が重複又は継続的に行われる場合は除く。

※継続的とは、休止期間を設けず工事を続行する場合を指します。ただし、諸事情により補

助金申請が年度内に出来なかった分を、休止後に開設した工事と併せて次年度に補助金申

請する場合は調整の必要はありません。

・造林補助事業以外の工事。

ウ 事業主体が工事を請負等に出す場合の注意点

・調整に該当する工事を随意契約する場合は、予め調整した諸掛費を考慮すること。

・指名(一般)競争入札の場合は、入札条件に次による条件を附し諸掛費の調整を行わないで入

札を行い、入札後に入札条件に該当する場合には調整を行うこと。

※入札条件の例

入札条件

平成○○年度○○作業道開設工事と同一業者が落札した場合は、契約締

結後、変更契約により、積上げ運搬費、準備費及び諸経費の調整を行うこ

ととする。

エ 積上げ運搬費について

積上げ運搬費の復路相当分の計上については、その先線又は近接する箇所に補助事業を活用予

定の路線がない場合にのみ計上すること。

オ 一般的な調整の方法

A工事 ①

B工事 ②

C工事 ③

①A工事・・単独で設計額Aを算出する。

②B工事・・AとBの差額計算法により設計額Bを算出し精算する。

※設計額B=直接工事費(A+B)による設計額-精算済設計額A

③C工事・・AとBとCの差額計算法により設計額Cを算出し精算する。

※設計額C=直接工事費(A+B+C)による設計額-精算済設計額(A+B)

工 事 が 重 複

同 一 路 線 等 で 、 年 度

内 に 工 事 を 分 け て 施

工し た場合

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3 標準単価等の適用高知県造林事業等に適用する標準単価等は、別に定める標準単価としますが、定めのない単価等は

治山林道必携(森林整備保全事業標準歩掛)、土木共通単価を適用します。

4 工事雑費等対象経費:現場等において必要な雑費や事業の実施にかかる人件費等とします。

工事雑費

経 費 の 種 類 内                         容( 説 明 ) 事業施行のため現場事務所等において直接必要な庁費報 酬用地交渉、土地物件等の評価及び登記事務に限る。賃 金日々雇用者並びに事務及び技術補助員(臨時職員)の賃金共 済 費賃金の支弁者にかかる事業主負担の保険料報 償 費用地買収及び補償における立会人の謝金等需 用 費消耗品費、燃料費、食料費(説明会、意見聴取等事業遂行上特に必要会議用弁当、茶菓子賄い

料等とする。)、印刷製本費、光熱水費及び修繕費役 務 費通信運搬費、手数料、筆耕翻訳料、自動車損害賠償責任保険料、自動車重量税委 託 料登記事務、測量等の委託料使用料及び賃借料自動車、会議用会場、駐車場、物品等の使用料及び賃借料並びに有料道路通行料備 品 購 入 費事業実施に直接必要な庁用器具及び事業用機械器具

事務雑費経 費 の 種 類 内                         容給料、手当、共済事業に直接従事する職員の給料、職員手当等並びに共済組合負担金及び保険料賃 金日々雇用者並びに事務及び技術補助員(臨時職員)に対する賃金共 済 費賃金の支弁者にかかる事業主負担の保険料報 償 費調査、試験、研究及び研修の講師を委嘱された者に対する謝金等旅 費事業施行のため直接必要な旅費。用務(設計審査、工程協議、用地交渉及び検査等のための

旅費並びに官公署等への常時連絡及び工事の施行、監督、用地交渉、測量、調査又は検査のための管内出張旅費)

需 用 費消耗品費(事務用品、印紙等)、燃料費(自動車等の燃料費)、食料費(用地交渉等事業遂行上特に必要な会議用弁当、茶菓子賄い料)、印刷製本費(図面、諸帳簿等の印刷費及び製本費)、修繕料(庁用器具類及び自動車等の修繕料)

役 務 費通信運搬費、手数料、筆耕翻訳料、自動車損害賠償責任保険料委 託 料登記事務、測量等の委託料使用料及び賃借料自動車、会議用会場、駐車場、物品等の使用料及び賃借料並びに有料道路通行料備 品 購 入 費庁用器具類、事業用機械器具等の購入費

 ※ 自己森林において自己で整備する場合の積算方法(諸掛相当額を除く率)    造林事業における諸掛相当額 : 直接工事費の30%(上限)    工事雑費等 = 7.3%÷1.30 = 5.6%(少数第2位切捨て)

工事雑費及び事務雑費には測量及び試験費を含み、その費用の内容は次表によるものとし、工事雑費、事務雑費の合計額は本工事費の7.3%以内とします。

 なお、自己森林において自己で整備する場合は、工事雑費、事務雑費の合計額は本工事費の5.6%とします。

- 31 -

第8 補助金等の交付申請、検査

1 補助金等の交付申請補助金等の交付申請は、交付申請書に次の書類を添付して行います。

(1)出来高設計書(金抜き設計書で可)

(2)工事写真

(3)作業道台帳

2 竣工検査(1)現地検査

出来高設計を基に、現地と照合を行います。

(2)書類検査

事業費の積算や関係書類の整備、補助事業等の採択基準等の合致及び法規制等の手続き等について確

認します。

検査項目 幅員3.0m未満の作業道幅員3.0m以上の作業道(高規格作業道含む)

幅員、延長 ①幅員、延長の確認 ①管理図表に基づく出来高、出来形の確認①標準断面(幅員、土質、傾斜)の適用 併せて工事写真等での確認②盛土の締め固めや法勾配等による安定の確認 ②工種、工法、数量等の必要性の確認③切取法面の浮き石等の除去の確認④敷き砂利、法面保護工の数量、必要性の確認①施設の必要性の確認②適切な排水による路面洗掘防止の確認③寸法、数量、施工状況等の確認①数量、寸法、必要性の確認②隠蔽された構造物は工事写真等で確認①作業システム等に見合う必要性の確認②寸法等の確認

土工

排水施設

積工

作業ポイント

検査項目 幅員3.0m未満の作業道幅員3.0m以上の作業道(高規格作業道含む)

計画書作業道台帳

保安林作業許可等①積算根拠となる証拠書類の確認②単価、明細、諸経費等積算の確認

工事写真等 ①隠蔽部分の施工状況 ①管理図書の確認①契約書類の確認 ①契約書類の確認その他②工事雑費等の積算

利用区域

設計書

①保安林内の作業許可等(砂防指定地、地すべり防止区域、急傾斜地崩壊危険区域など)

①共通単価、歩掛け、諸経費等の積算の確認

①採択事業の計画書との照合(路線名、延長、事業費等)①作業道台帳の確認①採択基準に見合う利用区域の確認(第2の3の③)②利用計画の確認

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(3)査定設計書(出来高設計書)の作成

① 出来高設計書は、下段の例を参考とし作成すること。

② 県は、出来高設計書を基に査定し、査定設計書を作成します。

査定設計書は別途作成するか、出来高設計書に朱書きします。

査定設計書(出来高設計書)の例

路 線 名 名 称

所 在 地所 属

幅 員 職 氏 名

延 長 所 属職 氏 名

所 属職 氏 名

検査年月日

区分 面積ha 作業種 面積ha 整備年度 延長

人工林 年度

天然林 年度

計 年度うち保安林 年度

平成    年度作業道(出来高、査定)設計書

整備計画事業名

実施主体

設 計 者

審 査 者

検 査 者

全 体 計 画 の 概 要利用区域森林面積 利用計画

所 在 地

事業費(補助金査定)総括表

費  目 工  種 数  量 単位 単  価 金  額 摘  要直接工事費 作業道開設 m ※標準単価 ○号明細表のとおり

作業ポイント(土場) 箇所 ○号明細表のとおり作業ポイント(車廻し) 箇所 ○号明細表のとおり丸太積工 m ※標準単価 ○号明細表のとおり丸太土留工 m ○号明細表のとおり洗越工 箇所 ○号明細表のとおり

直接工事費計間接工事費 運搬費

準備費 定率間接工事費計

消費税抜き定率

(円単位)千円単位 千円以下切り捨て

請負工事本工事費の7.3%以内

補助率 備  考

工事雑費等(測試費含む)事業費

工事原価諸経費

本工事費消費税相当額

査定 査定事業費 補助金額

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3 査定設計の留意事項○幅員3.0m未満の の査定設計は次のように取り扱います。作業道

(1)土工

ア 切取、盛土(標準単価)

幅員、土質、地山傾斜別の標準断面による標準単価を設定します。

①幅員 (1.5m~2.0m未満)、 (2.0m~2.5m未満 )、 (2.5m~3.0m未満 )

②土質 礫質土、岩あり(軟岩 (Ⅰ)A面積20%程度以上)

ただし、転石の破砕など標準単価によることができない場合は別途積算します。

岩破砕は「軟岩 (Ⅰ )B破砕+ルーズ90度BH」を適用します。

③傾斜 ~20度、21度~30度、31度~40度、41度~

④法勾配(切取 直切~1:0. 5)

イ 切取法面整形(標準単価)

2mを超える切土面の浮き石の除去等の荒仕上げ経費を標準単価に計上しています。

ウ 敷き砂利等(積み上げ)

積算対象は「ルーズ積み込み(90度BH)+作業道開設区域内DT運搬」とします。

敷き砂利は作業道開設区域内から良質の岩砕や礫等を利用します。

旧作業道の整備に必要な崩土の除去や盛土は適用外となります。

エ 法面保護工(積み上げ)

固結度が低く雨水による浸食、凍上による崩落や景観保持等で必要な場合に、盛土法面

整形や吹きつけ工を計上します。

(2 )排水施設

必要最小限の経費を積み上げで計上します。

ア 側溝

下方への排水や誘導排水が困難な場合を除き、計上しません。

※誘導排水:縦断勾配や横断勾配の調整による路面水等の排水

イ 洗越工

設計基準を参考にすること。

ウ 排水管

深い谷など洗越工の設置ができない場合を除き、計上しません。

エ 横断溝

誘導排水が困難な場合を除き、計上しません。

(3 )構造物、付帯施設

ア 積み工

路体保持のため路側等に積工に要する経費を計上できます。

丸太積工等は標準単価から計上します。

その他の積み工は、必要最小限の経費とします。

イ 起点制札等

作業道である旨等を記載した制札等の設置に要する経費を計上できます。

ウ 作業ポイント(作業場、車廻し)

作業場は、作業システムに応じて計上できます。

車輌系の集材の場合は安全な作業ができる幅とします。

車廻しの間隔は、500m以内を目安とします。

切取り高は最大でも5m以下に止めます。

エ 恒久的構造物

原則として、補助対象と出来ません。

ただし、排水用のコルゲート菅、受口の目地モルタルなどは除きます。

(4 )諸掛率の適用

造林事業で実施する作業道においては、第7事業費積算に準じます。

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○幅員3.0m以上の の査定設計は次のように取り扱います。作業道

(1)設計基準

ア 治山林道必携(森林整備保全事業標準歩掛)の基準に準じます。

イ 土砂の流用は、切盛均衡とし積算するものとします。

ウ 土砂の工区外捨土は、高規格作業道(「森林・林業・木材産業づくり交付金」を

適用の場合及び、旧森林地域環境整備事業費補助金において高規格作業道として開

設し、現在も継続して開設している作業道)にのみ適用します。

(2 )諸掛率の適用

ア 造林事業で実施する作業道においては、第7事業費積算に準じます。

イ 高規格作業道にあっては、治山林道必携(森林整備事業設計積算要領:林道関係

事業)に準じます。

○その他の留意点

(1 )ゾーニング区域を跨いで作業道を開設する場合

目的とする森林整備の区域が大勢を占める区域で実施したものとします。

※例 水土保全林12ha、資源循環林5haであった場合は「水土保全林」となります。

(2 )目的とする森林整備の査定係数が異なる場合

森林整備の面積に応じて、作業道の延長を按分すること。

この場合、設計書を分割する必要はありません。

第9 参考資料

1 高性能林業機械等と幅員の関係

必要な幅員(m)全 幅

ベースマシンのタイプ 標準バケット 直切り(m) 走 行

旋 回 作 業

0.25m3 2.3 2.5 3.1 4.0標 準 機

0.45m3 2.5 2.7 3.6 4.7

0.25m3 2.4 2.6 2.7 3.6後方超小旋回

0.45m3 2.5 2.7 2.9 4.4

※1 「必要な幅員」は、余幅(0.2m)を含む。法切は直高2.0mで計算。

2 旋回は、作業道上で上部を旋回するに必要な幅員。(小旋回機は前方側)

3 作業はスイングヤーダが安全作業をする場合の幅員。

4 プロセッサの場合は、旋回の幅が最低必要な幅員となります。

5 効率的な作業を行う場合は「必要な幅員」以上の幅員が必要となります。