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高等教育を止めなかった遠隔授業 2020年9月 喜連川優 国立情報学研究所 所長、 東京大学 生産技術研究所教授 Chief Digital Officer(CDO) 日本データベース学会会長 1

高等教育を止めなかった遠隔授業• 高等教育を止めない:「4月からの大学等遠隔授業に関する取組 状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

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Page 1: 高等教育を止めなかった遠隔授業• 高等教育を止めない:「4月からの大学等遠隔授業に関する取組 状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

高等教育を止めなかった遠隔授業

2020年9月

喜連川優国立情報学研究所 所長、

東京大学 生産技術研究所教授 Chief Digital Officer(CDO)日本データベース学会会長

1

t-ayaka
テキスト ボックス
資料7
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• 「 4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム」の紹介をご依頼受けました。

国立情報学研究所

2

• 国立情報学研究所は 日本で唯一のコンピュータだけを研究する「大学共同利用 研究所」

: SINETノード

国立大学 公立大学 私立大学 短期大学高等専門

学校大学共同利用機関

その他 合計

加入機関数 86(100%)

87(94%)

406(67%)

76(24%)

56(98%)

16(100%)

205 932

(2020年3月31日現在)

大学 企業等研究機関

共同研究

全国各地大型実験

施設 スパコン クラウド

HPCI 12拠点 商用31拠点

海外

アクセス回線(最大100Gbps) セキュアモバイル網

ロサンゼルス

シンガポール

ニューヨーク

*

*

: 国内回線(100Gbps)

: 国際回線(100Gbps)

アムステルダム

: 東京-大阪回線(400Gbps)

2

全国 100ギガバックボーンネットワーク

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• 高等教育を止めない: 「 4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

• 著作権制限への働きかけ• データダイェット宣言• アンケート結果• 遠隔・対面ハイブリッドに向けて• シンポをして感じたこと!今やろうと考える事!

• これからの教育:「教育」をデータ駆動型へ

本日の内容

3

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• 高等教育を止めない: 「 4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

• 著作権制限への働きかけ• データダイェット宣言• アンケート結果• 遠隔・対面ハイブリッドに向けて• シンポをして感じたこと!今やろうと考える事!

• これからの教育:「教育」をデータ駆動型へ

本日の内容

4

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5

高等教育を止めない!世界に一切遅れない!

3月末、4月、5月

IT支援者は 膨大な数の学生と教員の遠隔講義対応に眠る時間無し(温かい目を)

「壮烈な戦い」(東大5000,東北大4400講義)

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対面授業

6

学生 先生

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遠隔授業

7

学生 先生

IT支援研究者・スタッフ

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発端は 大規模サイバーシンポジウム

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武漢/北京/上海の研究者との連絡(春節以降オンライン講義)

シンポジウムオンライン化 学会会長決断(学会発表の経験必須!)

DEIM サイバーシンポジウム開催(多くの見学)

2月始め2月半ば

3月2~4日

約600人参加 この規模は日本で初めて中国でも未着手(CCF会長とWechat)

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200303/k10012310661000.html

NHK NEWS WEB

https://www.asahi.com/articles/ASN326WBNN32ULBJ01G.html

朝日新聞デジタル

1月初旬 北京出張

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「こんなことが出来るんだ!」あっという間にIT屋に広まる

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ニューノーマル:子供抱いて発表・無数のポスターセッション

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ニューノーマル

・育児/介護しながら学会参加・多くの学生をもつ大学の頭痛の種、旅費問題を解消!!

何故いままでやらなかったのか?

・これからの国内学会は「遠隔と対面のハイブリッド」が常識となろう

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お手本は お見せしたものの、3月の国内学会はほぼ壊滅

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⇒ IT支援を何とかする必要がある。(NIIが7大学にシンポジウムを提案)

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卒業式も大切!

12https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200324/k10012346951000.html

NHK NEWS WEB

https://www.asahi.com/articles/ASN3S5Q50N3SULBJ007.html

朝日新聞デジタル

・ 卒業式も少人数での開催となり、在校生や家族の参加が困難となった。

・ 会場をネット配信するにより全校生がサイバー空間で参加し、卒業生を送ることを実現

・ 東大卒業式は、歴史上始めて全国に LINE配信

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主催:国立情報学研究所(NII)大学の情報環境のあり方検討会遠隔授業等の準備状況に関する情報を出来る限り多くの大学間で共有することを目的に、大学等関係者が現状の取組や課題等を発表するシンポジウムを開催オンライン会議形式。後日、国立情報学研究所ホームページにて、映像及び資料を掲載。参加者は、2,000名を超える回も。今後も定期的に開催予定

■開催経過 ■これまでの発表大学等(9月4日時点)• 北海道大学• 室蘭工業大学• 東北大学• 群馬大学• 千葉大学• 東京大学• 電気通信大学• 新潟大学• 名古屋大学• 滋賀大学• 京都大学• 大阪大学• 大阪教育大学• 徳島大学• 香川大学• 愛媛大学• 広島大学• 九州大学• 熊本大学• 九州工業大学• 北九州市立大学

• 神田外語大学• 杏林大学• 芝浦工業大学• 帝京大学• 慶應義塾大学• 東京医療保健大学• 東京通信大学• 東邦大学• 日本体育大学• 法政大学• 早稲田大学• 星槎大学• 藤田医科大学• 立命館大学• 人間環境大学• 大阪工業大学• 関西医療大学• 近畿大学• 関西学院大• 神戸女子大

• 苫小牧高等専門学校• 熊本高等専門学校• 町田高等学校• 青山学院中等部• 川崎北高等学校• 日出学園高等学校・中学

• 早稲田大学高等学院• 京都市立西京高等学校附属中学校

• 埼玉県立川越南高等学校

• アサンプション国際中学校高等学校

• 関西創価高等学校• 東京学芸大附属小金井小学校

• TWOLAPS TRACK CLUB

• 北京大学• ハーバード大学医学部• ノースカロライナ州立大学• タイ国立電子コンピューター技術研究センター

• 韓国教育学術情報院• シドニー大学• マサチューセッツ工科大学• メキシコ・ラスアメリカス大学• 宮城県教育委員会• 熊本市教育委員会• 広島県安芸太田町教育委員会• 奈良県立教育研究所• 国立情報学研究所• 国立教育政策研究所• 一般社団法人授業目的公衆送信補償金等管理協会

• 総務省• 文部科学省• 文化庁• 経済産業省

2020年3月26日 第 1回 オンライン開催2020年4月 3日 第 2回 オンライン開催2020年4月10日 第 3回 オンライン開催2020年4月17日 第 4回 オンライン開催2020年4月24日 第 5回 オンライン開催2020年5月 1日 第 6回 オンライン開催2020年5月 8日 第 7回 オンライン開催2020年5月15日 第 8回 オンライン開催2020年5月29日 第 9回 オンライン開催2020年6月 5日 第10回 オンライン開催2020年6月26日 第11回 オンライン開催2020年7月10日 第12回 オンライン開催2020年7月31日 第13回 オンライン開催2020年8月21日 第14回 オンライン開催2020年9月 4日 第15回 オンライン開催2020年9月11日 第16回 オンライン開催 ※予定

「4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム」

サイバーシンポジウムのURL:https://www.nii.ac.jp/event/other/decs/ 13

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2000人超え

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【第5回】2020.4.24 参加状況

登録者数内訳:2790名登録

Webex+Zoomオンライン参加者数:2332名視聴

【第6回】2020.5.1 参加状況

登録者数内訳:2306名登録

Webex+Zoomオンライン参加者数:1930名視聴

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目的:誰もやったことの無いことなので、大きな大学が率

先して失敗し、その経験知を皆と共有しよう!

「ここは何かを教えてくれると思わないで下さい。勘違いしないでください。皆で情報共有する場です。」

Fail Fast, Cheap, Smart

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4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム

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多様なテーマの取り上げ

教授法海外メンタル運動

遠隔・対面ハイブリッド 高等教育 学生の声 学生の気持ち 教員の気持ち サークル活動 非常勤の先生方のご苦労 学生に係るデータの取り扱い 実験の講義 海外事例(北京、チェコ、ドイツ、ハーバード、ノースカロライナ、オーストラリア、韓国、タイ、メキシコ)試験・モニタリング・ 落語 ウィズコロナ初中教育 教育委員会 大学付属事例 中学事例 データダイエットの定量的効果測定学生の声から 学習解析 見るニューノーマル 遠隔講義支援 図書館再開 教育データ 大学事例 教職員向け 高等学校 中学校 初等中等教 高等学校 超入門(LMSと学習解析) 国際特別レクチャー Fail Smart 成績評価 遠隔子守 大学間連携 実験 看護系・医療系・語学系 事例紹介 文科省 経産省 バーチャレ 運動こそ大事 授業設計 超入門 学習管理システム(LMS) 著作権 新入生支援 成績・評価 教育データ VR サポート体制 ピーク負荷メンタル 授業設計 高専 高大接続 オンライン会議サービス セキュリティ ネットワーク 合理的配慮 初等中等教育 私立大学情報保障

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• 遠隔講義のお作法:講義の作り方、著作権、通信環境、LMS, 教育データの利用

• 遠隔講義では困難な科目:実験、実習

• 試験:監視方式、オープン方式、対面試験

• アンケート:学生の気持ち、 先生の気持ち

• 人生:長尾(元京大総長)戦後直後に比べればまし、人間の人生を考え直す時期

• こころ:久保(九大総長、心療内科学会理事長) ストレス高いと免疫力低下 落語!• 吉本興業からのご支援(笑いの重要性)

• 世界事情:ハーバード、MIT、北京大学、ドイツ、韓国、メキシコ等からの現場の声

• 運動:日本体育大学、バーチャレ

• 初中:小学校、高校

4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム

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オンライン授業 障害記事の度, 何故を講演してもらう

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NHK NEWS WEB

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200420/k10012396181000.html

全国の大学でオンライン講義 初日にシステムトラブル相次ぐ(5/11)

NHK NEWS WEB

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200511/k10012425241000.html

東北大ネット講義で一時、アクセス障害(4/20)

朝日新聞デジタル

ttps://www.asahi.com/articles/CMTW2004200400001.html

・ 大規模な遠隔講義を開始するなかで、システムの不具合が多く発生。 報道相次ぐ

・ 大きなシステムの起動ではよくあること。とりわけ、多くの大学で財政的制約や人材が払底する中で、避けられない。トラブルとは言え、「FAIL CHEAP」で乗り切った!

・ 東北大はそもそも本番ではなく練習の際の不具合

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失敗が委縮効果を生まないように!何か問題だったか? ⇒ たいしたことないどうすれば解決できるか?

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月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 土曜日 日曜日

午前中:夕方の幹事会の提案(K)

遠隔会議の設定:通知メール(D)

話者への依頼(担当者)

プログラム調整(K+D)

話者への依頼(担当者)

プログラム調整(K+D)

話者との打ち合わせ(D)

プログラム確定(K)

広報と関係者への通知(K+D)

接続テスト(D)

接続テスト(D)

10:30-12:40または12:15-14:10サイバーシンポジウム実施

アンケート回収(O)

アンケート整理(O)

アンケート結果配布(O)

統計データ整理(O:NII)

4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム

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毎週のシンポの準備も悲壮!

19:00-21:00幹事会前回の反省問題提起話者選定担当決定情報交換

アンケート結果の確認(全員)

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• 高等教育を止めない: 「 4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

•著作権制限への働きかけ• データダイェット宣言• アンケート結果• 遠隔・対面ハイブリッドに向けて• シンポをして感じたこと!今やろうと考える事!

• これからの教育:「教育」をデータ駆動型へ

本日の内容

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3月23日内閣府知財戦略構想委員会での喜連川より発言『コロナ時には以下における著作権問題を

緩和すべし・遠隔講義・異時送信(オンデマンド)』

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO57319340X20C20A3TCJ001/

日経デジタル版

著作権制限への活動

22

Page 23: 高等教育を止めなかった遠隔授業• 高等教育を止めない:「4月からの大学等遠隔授業に関する取組 状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

5月に間に合う!

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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57900670Q0A410C2MM0000/

日経デジタル版

https://mainichi.jp/articles/20200406/k00/00m/040/186000c

・ 北大、東北大、東大、名大、京大、阪大、九大の総長、並びに、国立情報学

研究所所長の名を連ねた要請文をSARTRASに提出。・ 遠隔講義シンポジウムでも再三取り上げる中で、4月28日より令和2年度は遠隔講義においても著作物の無償利用可能。

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4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム

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文科省との一体化内閣官房【第15回 9/4】「ご挨拶」総務省【第4回 4/17】「インターネットトラヒック関連動向と新型コロナウイルス感染症の影響拡大に伴う学生等の学習に係る通信環境の確保について」経済産業省【第7回 5/8】「国内のPCの需給状況と見通し」文化庁【第1回 3/26】「著作権に関する説明」【第3回 4/10】「平成30年著作権法改正(授業目的公衆送信補償金制度)の早期施行」【第4回 4/17】「授業目的公衆送信補償金制度に関する最新の状況」【第6回 5/1】「授業目的公衆送信補償金制度に関する施行等について」文部科学省大臣官房【第9回 5/29】「ご挨拶」文部科学省総合教育政策局【第13回 7/31】「ご挨拶」文部科学省初等中等教育局【第3回 4/10】「初等中等教育における取組」 【第8回 5/15】「初等中等教育におけるオンライン学習への文科省の取り組み」文部科学省高等教育局【第2回 4/3】「大学・高専における遠隔授業の環境構築の加速による学修機会の確保~文部科学省高等教育局の対応状況~」【第3回 4/10】「大学・高専の遠隔授業の推進施策に関する最新状況~緊急経済対策と学生の通信環境の配慮等を中心に~」【第5回 4/24】「遠隔授業の活用に係るQ&A等の更新について(4月21日付大学振興課事務連絡)」

【第6回 5/1】「大学等における遠隔授業の環境構築の加速による学修機会の確保 補正予算概要説明」【第7回 5/8】「大学・高専の遠隔授業の推進施策に関する最新状況~遠隔授業の実施に係る留意点、補正予算に関する公立大学の対応等を中心に~」【第9回 5/29】「遠隔授業の推進に関する文部科学省の取組状況(進捗)~事務連絡通知(5/15)、Q&A更新(5/22)、2次補正予算編成を中心に~」【第11回 6/26】「大学教育のデジタライゼーション・イニシアティブ(Scheem-D)の開始について」

【第13回 7/31】「大学・高専の遠隔授業・DX化の推進施策に関する最新状況について」 【第14回 8/21】「遠隔授業に関するアンケート調査への協力依頼と新型コロナウイルス感染症対策事例の紹介」

文部科学省科学技術・学術政策局【第11回 6/26】「ご挨拶」文部科学省研究振興局【第7回 5/8】「ご挨拶」 【第14回 8/21】「ご挨拶」

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「参加者」と「シンポジウムオーガナイザ」の一体化

25

発表の呼びかけ、自発的に発表を申し出る方も!

膨大な数のリクエスト と 「莫大な数の感謝の声」やめられなくなった。

Page 26: 高等教育を止めなかった遠隔授業• 高等教育を止めない:「4月からの大学等遠隔授業に関する取組 状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

• 高等教育を止めない: 「 4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

• 著作権制限への働きかけ

•データダイェット宣言• アンケート結果• 遠隔・対面ハイブリッドに向けて• シンポをして感じたこと!今やろうと考える事!

• これからの教育:「教育」をデータ駆動型へ

本日の内容

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Page 27: 高等教育を止めなかった遠隔授業• 高等教育を止めない:「4月からの大学等遠隔授業に関する取組 状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

通信量の増大とデータダイエット

27

1600万人が入るか?

通信量の増大 データダイエットご協力のお願い(5/8)

NTT東日本https://www.ntt-east.co.jp/aboutus/traffic/20200428/

Page 28: 高等教育を止めなかった遠隔授業• 高等教育を止めない:「4月からの大学等遠隔授業に関する取組 状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

「データダイエットへの協力のお願い:遠隔授業を主催される先生方へ」として国立情報学研究所のホームページに掲載するとともに、サイバーシンポジウムにおいても呼びかけを行った

出典:国立情報学研究所ホームページ https://www.nii.ac.jp/event/other/decs/tips.html

サイバーシンポジウムにおける取組の例①

画面共有 ≒ 音声

黒板の前で演技してはダメ

余った通信帯域は小学生や配慮の必要な方々へ

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Page 29: 高等教育を止めなかった遠隔授業• 高等教育を止めない:「4月からの大学等遠隔授業に関する取組 状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

データダイエットに関する記事

29NHK NEWS WEB https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200508/k10012421931000.html

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61196100W0A700C2SHE000/

日本経済新聞

・ 通信帯域を節約するための「データダィエット」を

呼びかけ、 現在 多くの大学がこのスタイルを実施したと想定される。

・ 初中における遠隔授業の実施率が10%程度と低い状況が続いたが、今後本格化すると予見される中で、重要性が増す

Page 30: 高等教育を止めなかった遠隔授業• 高等教育を止めない:「4月からの大学等遠隔授業に関する取組 状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

※国立情報学研究所主催「4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム」(https://www.nii.ac.jp/event/other/decs/)における事例等を基に作成

グループワークの実践

○同時双方向型(ウェブ会議サービスを使用)

○アイデアソン(グループワーク)を実施

○ZOOMを活用し、全体説明・発表とチーム活動(グループワーク)を切り替えながら実施

○OneDrive、オンライン版PowerPointを活用し、チームで共同作業(複数人で同時編集可能)・コメント機能を使用し、他チームの学生や教員との

ディスカッションを実施

○教員(複数、学外を含む多地点)は、自由に各チームのセッションに参加し、直接アドバイス

○チームワークを取り入れた教育手法に関する知見・ノウハウを集積

○複数大学合同型の可能性を実証

※自宅に遠隔授業を受ける環境が無い学生に対して会場を提供

教員が別室からオンラインで指導

ハウリング防止のためにヘッドセットを使用3密を避けるため

着座位置をあけた

愛媛大学名古屋大学

医学部における取組

○講義情報基盤センターが運用するLMS(NUCT)上にアップロードした授業資料を用いた事前学習+リアルタイム型オンライン教育によって学生が適宜質問する反転授業を実施。

○実習臨床実習はレポート課題を課して単位保証をした上で、任意でのリアルタイム型オンライン実習を実施。解剖実習は秋以降に実施するようカリキュラムを組み替え。アクティブラーニング型のオンラインPBLを実施したところ学生の討議参加は例年よりも活発。

○試験レポート課題に代替を基本とするが、LMS(NUCT)を使ったオンライン試験も選択肢に。

○学生との協働毎週2~3回、全学年の学生代表と共にオンライン会議を行って、コロナ禍での教育に関する戦略を立案。

○学内でのFD医学部内で定期的に教育取り組み事例の共有と教育ツールの利用方法に関するオンラインFDを実施。

○通信環境支援インターネット環境が脆弱な学生の調査は記名式アンケートで行い、最後は電話掛けで100%の把握率。

文科省高等局による取り纏めと大学への周知

30

Page 31: 高等教育を止めなかった遠隔授業• 高等教育を止めない:「4月からの大学等遠隔授業に関する取組 状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

• 高等教育を止めない: 「 4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

• 著作権制限への働きかけ• データダイェット宣言

•アンケート結果(遠隔は続けて欲しい、しかし。。。)• 遠隔・対面ハイブリッドに向けて• シンポをして感じたこと!今やろうと考える事!

• これからの教育:「教育」をデータ駆動型へ

本日の内容

31

Page 32: 高等教育を止めなかった遠隔授業• 高等教育を止めない:「4月からの大学等遠隔授業に関する取組 状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

※国立情報学研究所主催「4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム」(https://www.nii.ac.jp/event/other/decs/)

実施日 : 令和2年8月21日(金)(~ 9月7日(月)の期間に回答のあったものを集計)

実施方法: 令和2年8月21日(金)に行われた第14回「4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム」※の終了後に参加者及びこれまでのシンポジウム参加者を対象にアンケートを実施

回答数:909件

問 所属の機関について1つ選択して下さい 問 あなたの役職を教えて下さい

回答者の所属機関、役職について

文科省高等局による遠隔授業に関するアンケート調査の概要

327

72.7%

13.2%

5.3%8.8%

教員

技術・事務職員などの職員

民間企業などの会社員

その他N=909 N=909

24.8%

8.1%

47.0%

4.2%2.4%5.0%

8.6%国立大学

公立大学

私立大学

高等専門学校

小学校・中学校・高等学校

一般企業

その他

初中も僅かに参加

企業が徐々に増加

32

Page 33: 高等教育を止めなかった遠隔授業• 高等教育を止めない:「4月からの大学等遠隔授業に関する取組 状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

33

遠隔授業を実施した教員等へのアンケート調査結果①

197

103

88

141

42

22

135

25

①のみ

②のみ

③のみ

①+②

①+③

②+③

①+②+③

その他

リアルタイム・同時双方向授業は、場所の制約がないため、通学列車の遅れの影響を受けず、就活中の学生も電車の中や待合室から出席できるといったメリットがある。

非同期・オンディマンド型の授業は、時間的制約がなく、履修者自身のペースで、また、わからないところは何回も繰り返して視聴できるので、理解度を高めることができる。

グループディスカッションや、学生同士の画面共有による議論は、オンラインの方が良い。

■教員等からの声(オンライン授業のメリット)

■教員等からの声(オンライン授業のデメリット)コンピュータやソフトウェア、ネットワーク環境が異なるため、同一指導が困難な場面があった。

演習、実習はオンラインでは限界があると感じている。特に、臨地に出向き、第三者とのコミュニケーション等が必要な場合、施設側との調整が可能な場合においても前例がないため、お互いに試行錯誤となる。

学生が理解したか、しなかったかということ以上の反応がわからない。学生が理解できていないちょっとしたことをその場でサポートできない。

①リアルタイム・双方向型(ビデオ会議システムなどのツールを利用)

②非同期・オンデマンド型(講義映像などのデジタル教材等を配信して課題や小テストを実施)

③ハイブリッド型(1つの授業において上記の両方を利用)

■オンライン授業の手法 問 あなたは、どのような形式でオンライン授業を実施しましたか? 授業毎に形式が異なる場合は、当てはまるものを複数選択ください。(複数選択可)

N=753

(26.2%)

(13.7%)

(11.7%)

(18.7%)

(5.6%)

(2.9%)

(17.9%)

(3.3%)

Page 34: 高等教育を止めなかった遠隔授業• 高等教育を止めない:「4月からの大学等遠隔授業に関する取組 状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

603556

450406

360324

261

611536

504371

290266263

192163

N=753

問 オンライン授業のデメリット(課題)を選択してください(複数選択可)

遠隔授業を実施した教員等へのアンケート調査結果②

通信環境に左右される

実技や実験実習での利用が難しい

学生の反応や理解度がわからない

学生に対して、よりきめ細かなサポートやメンタルケアが必要

コミュニケーションやリフレクションが難しい

従来の教場試験による成績評価の方法を見直す必要がある

グループワークに参加しない学生に参加を促すことが難しい

(80.1%)

(73.8%)

(53.9%)

(59.8%)

(47.8%)

(43.0%)

(34.7%)

その他の回答:学生間の理解度の差が大きくなった、授業以外の対応(ネット環境などのトラブル)に時間がとられる 等

対面での授業よりも学修ログを収集し、フィードバックすることにより学修効果を向上させることができる

学生・教員ともに移動時間がない

いつでもどこでも受講できる

自分のペースで繰り返し学習できる

授業の記録やエビデンスを残しやすい

グループ学習が苦手な学生にはむしろ受講しやすい

質問がでやすい(質問しやすい)

学生の自律的な学習習慣の訓練になる

教え方や成績評価方法の選択肢が広がる

その他の回答:ハラスメントが起こりにくい、現時点では感染予防、メリットと評価すべきでない、個別に学生に対応する必要があるときは、むしろ容易である 等

問 オンライン授業のメリットを選択してください(複数選択可)

N=753

(71.2%)

(66.9%)

(49.3%)

(38.5%)

(35.3%)

(34.9%)

(25.5%)

(21.6%)

(81.1%)

34

Page 35: 高等教育を止めなかった遠隔授業• 高等教育を止めない:「4月からの大学等遠隔授業に関する取組 状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

170

116

66

89

65

76

59

41

35

65

82

86

48

31

29

29

19

8

68

71

66

49

25

26

36

14

19

161

148

129

97

96

91

62

71

74

52

50

47

39

22

69

59

48

47

41

37

32

【実施手法別】問 オンライン授業のデメリット(課題)を選択してください(複数選択可)

遠隔授業を実施した教員等へのアンケート調査結果③

通信環境に左右される

実技や実験実習での利用が難しい

学生の反応や理解度がわからない

学生に対して、よりきめ細かなサポートやメンタルケアが必要

コミュニケーションやリフレクションが難しい

従来の教場試験による成績評価の方法を見直す必要がある

グループワークに参加しない学生に参加を促すことが難しい

対面での授業よりも学修ログを収集し、フィードバックすることにより学修効果を向上させることができる

学生・教員ともに移動時間がない

いつでもどこでも受講できる

自分のペースで繰り返し学習できる

授業の記録やエビデンスを残しやすい

グループ学習が苦手な学生にはむしろ受講しやすい

質問がでやすい(質問しやすい)

学生の自律的な学習習慣の訓練になる

教え方や成績評価方法の選択肢が広がる

【実施手法別】問 オンライン授業のメリットを選択してください(複数選択可)

①リアルタイム・双方向型のみ ②非同期・オンデマンド型のみ ③ハイブリッド型のみ

N=197 N=103 N=88

①リアルタイム・双方向型のみ ②非同期・オンデマンド型のみ ③ハイブリッド型のみ

N=197 N=103 N=88

(81.7%)

(75.1%)

(65.5%)

(49.2%)

(48.7%)

(46.2%)

(31.5%)

(68.9%)

(71.8%)

(50.5%)

(48.5%)

(45.6%)

(37.9%)

(21.4%)

(78.4%)

(67.0%)

(54.5%)

(53.4%)

(46.6%)

(42.0%)

(36.4%)

(86.3%)

(58.9%)

(33.5%)

(45.2%)

(33.0%)

(38.6%)

(29.9%)

(20.8%)

(17.8%)

(63.1%)

(79.6%)

(83.5%)

(46.6%)

(30.1%)

(28.2%)

(28.2%)

(18.4%)

(7.8%)

(78.2%)

(81.6%)

(75.9%)

(56.3%)

(28.7%)

(29.9%)

(41.4%)

(16.1%)

(21.8%)

35

Page 36: 高等教育を止めなかった遠隔授業• 高等教育を止めない:「4月からの大学等遠隔授業に関する取組 状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

(参考)各大学で実施した遠隔授業に関する学生アンケートの結果

学生からの声(メリット)

※国立情報学研究所主催「4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム」(https://www.nii.ac.jp/event/other/decs/)における事例(学生アンケートについて発表した東京大学、慶応義塾大学、名古屋大学等)を基に作成(令和2年●月●日時点)

学生からの声(デメリット)

・時間や場所の制約を受けず、効率が良い・通学時間を予習復習に充てることができる、地理的制約がないので働きながら受講できる・チャット機能などで質問しやすい・自分のペースで学習できる・他キャンパスの授業を受けられる ⇒満足しているorある程度満足している学生は74%

東大UmeeT編集部資料から

自宅でのインターネットを活用した遠隔授業による学習で支障のあることは何ですか。

・課題提出が多い・他の受講者と仲良くなれない、孤独感や不安感がある・肉体的な負担(目の疲れ、腰の痛み)・通信環境・PC環境が不安定・資料配付のみの授業や講義録画が見返せない授業がある 名古屋大学の資料から

名古屋大学の資料から

36

Page 37: 高等教育を止めなかった遠隔授業• 高等教育を止めない:「4月からの大学等遠隔授業に関する取組 状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

遠隔講義に対する学生の満足度

学部1年生と2~4年生の気持ちの違い

37九州大学:「九州大学のオンライン授業に関する学生アンケート(春学期)について」より(【第12回サイバーシンポジウム】7/10)

Page 38: 高等教育を止めなかった遠隔授業• 高等教育を止めない:「4月からの大学等遠隔授業に関する取組 状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

東大アンケート

38

Page 39: 高等教育を止めなかった遠隔授業• 高等教育を止めない:「4月からの大学等遠隔授業に関する取組 状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

名大アンケート

39

⇦名大

Page 40: 高等教育を止めなかった遠隔授業• 高等教育を止めない:「4月からの大学等遠隔授業に関する取組 状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

東北大アンケート結果

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Page 41: 高等教育を止めなかった遠隔授業• 高等教育を止めない:「4月からの大学等遠隔授業に関する取組 状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

九大アンケート

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Page 42: 高等教育を止めなかった遠隔授業• 高等教育を止めない:「4月からの大学等遠隔授業に関する取組 状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

課題地獄(東大)

東京大学:オンライン授業に関するアンケート結果の紹介より(【第15回サイバーシンポジウム】9/4)

学部1-4年生平均:授業時間21時間(例年比+5~6時間) 授業外学習時間11時間(例年比+5~6時間)学部1年生平均 :授業時間28時間 授業外学習時間14時間

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Page 43: 高等教育を止めなかった遠隔授業• 高等教育を止めない:「4月からの大学等遠隔授業に関する取組 状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

課題地獄

43

Page 44: 高等教育を止めなかった遠隔授業• 高等教育を止めない:「4月からの大学等遠隔授業に関する取組 状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

教員への本格的大規模アンケートはまだ未着手

44

名古屋大学 藤巻副総長

Page 45: 高等教育を止めなかった遠隔授業• 高等教育を止めない:「4月からの大学等遠隔授業に関する取組 状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

• 遠隔授業は基本好評、これからも続けて欲しい–移動不要

–落ち着いて勉強が出来る(静かな環境がある学生は)

–繰り返し学べる

• 限界もある。–新入生には講義以前の問題。生活がなじめない(高学年は問題なし)

–「課題地獄」 先生がどんどん宿題を

–実習、演習は難しい

–試験が悩ましい

–通信環境

アンケートの大局的纏め

45

(学生も先生も)

Page 46: 高等教育を止めなかった遠隔授業• 高等教育を止めない:「4月からの大学等遠隔授業に関する取組 状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

• 高等教育を止めない: 「 4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

• 著作権制限への働きかけ• データダイェット宣言• アンケート結果

•遠隔・対面ハイブリッドに向けて• シンポをして感じたこと!今やろうと考える事!

• これからの教育:「教育」をデータ駆動型へ

本日の内容

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ハイブリッド教育への期待と課題①

問 今後、大学等の高等教育において対面授業の良さとオンライン授業の良さを組み合わせた授業を展開していくことについて、あなたはどう思いますか。

◆期待する声

知識をオンラインで得て、対面で演習をすることになるのではないか。自分で知識を得るように仕組むと、思考力が伸びていくことを体験したので、演習も深いものになるのではないかと思う。

グループ分けなどオンラインだと簡単にできたり、話し合いやすかったりする場合もある。逆に対面では、直接でなければ見れない実習系は重要なことと思われる。それらを上手く組み合わせることで、より良い授業ができると考えている。

オンライン可能な講義科目は、オンラインに移行すれば、オンライン化が無理な科目に資源のある部分を集中できると思う。

オンデマンドに切り替えできる授業運営とすることで出張等の場合も休講や補講とせず、学生に迷惑をかけずに授業ができる。

48.3%

42.8%

6.9% 1.2%0.8%とても期待している

期待している

どちらでもない

期待していない

全く期待していない

N=909

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ハイブリッド教育への期待と課題②

◆期待する声(続き)

オンライン授業により、県外在住の教員に依頼することがこれまでより容易になる。

オンライン授業で多様な学生(障害を持つ学生、心の病等を抱えている学生、スポーツ入学の学生)へのフォローができる。

留学など国外への移動が制限される状況下で、オンライン授業は国際化に直結する手法であると思う。

リカレント教育として、既に働いている人が、開講形態や開講時間がフレキシブルになることで、修士課程や博士課程で学びやすくなることを期待している。

デジタルでの授業の(ビッグ)データを分析し授業の改善に生かす。実験・実習など、まだデジタルでは十分に実施できないところに教育資源を重点投入。

大学間の単位互換の促進(特に地理的垣根を超えた地域の)に期待しています。

学生に「分散登校」させているので、同時に対面とオンラインをやらなければなりません。そう言った場合のより良い授業方法についての実践の蓄積が欲しいです。

現在オンライン授業をせざるを得ない状況下で、様々な課題が生じていると認識しておりますが、裏返せばこれまでの対面授業における課題にも通じるものと感じています。これまで対面がベストと考えられた学習指導方法について、オンライン授業としての取り組みをどのように行えるかの挑戦として模索する必要を感じています。

48

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ハイブリッド教育への期待と課題③

◆ 授業別導入型 ◆ 反転授業型

◆ 同時中継型 ◆ ICTツール活用型

講義による知識提供はオンライン、学生のグループによる対話や活動などの演習・実習、実験は対面授業

学習到達目標や学習内容に応じて、科目ごとにオンラインでの学習を柔軟に取り入れるとよいと思う。

少人数では対面、大人数ではオンラインがメリットが多いように思う。

オンラインで基礎知識の教授と課題に取り組んだ上で、対面によるディスカッション・グループワーク等のアクティブラーニング、ブレンディッドラーニング

対面授業を1~2回やり、取り組む課題を明確にした後、オンライン授業とし、途中1~2回対面、オンライン、最終講義は対面の形が良いのでは。

対面授業を基本に、遠隔地の学生が同時中継で参加(基礎疾患や障害のある学生が参加できる)

オンサイトでの教員とオンラインでの外部教員とによるコラボ・ライブ授業、複数校をオンラインで結んでのワークショップ

対面とオンラインとを自由に学生が選択(ハイフレックス)

対面授業に端末も持ち込んで、生徒各人のQ&A・進捗・理解度などを同時並行的に確認しながら、インタラクティブに授業を進める。

VR、ARを活用した実験・実習授業

対面授業を行いながらオンラインツールで小テストを実施しすぐにフィードバック

<ハイブリッド教育として考え得る手法(例)>

※この他、対面授業を原則としつつオンライン授業は補講や一時的に登校できない学生向け、海外など容易に会えない人を交えた議論など補完的扱いにとどめるべき、1年生には対面が望ましい、そもそもオンライン授業の必要性が不明等の意見あり。 24 49

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<主な課題>

時間割の調整

- 1日のうちで対面とオンライン授業が混在しないよう時間割を作成することが困難 等

教員負担の増加、教員に対する組織的なサポート

- 事前準備、授業運営等。対面/オンラインの学生の出席管理、成績評価(不正対策を含む)。教員のICT活用スキルの向上、サポートスタッフ 等

多様な学生ニーズへの対応

- 学生毎に対面/オンライン授業の合う・合わないがある中での難しさ、障害のある学生への合理的配慮、プライバシー保護 等

学内インフラの整備(学習スペースやWi-Fi環境等)

学生の情報通信環境の確保(デジタルディバイド等)

ハイブリッド教育への期待と課題④

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講演者

• 青木 孝文 東北大学 理事・副学長(プロボスト)

• 福田 裕穂 東京大学理事・副学長

• 藤巻 朗 名古屋大学副総長(教育・留学生担当)

• 進藤 修一 大阪大学副学長(全学教育担当)

• 安浦 寛人 九州大学理事・副学長

• 笠原 博徳 早稲田大学 副総長

11日(先週金曜日)のシンポジウム:ハイブリッド特集

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東大ハイブリッド(福田先生)

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授業の高品質化と感染予防e-ラーニング

Page 53: 高等教育を止めなかった遠隔授業• 高等教育を止めない:「4月からの大学等遠隔授業に関する取組 状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

東北大学 青木先生

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Page 54: 高等教育を止めなかった遠隔授業• 高等教育を止めない:「4月からの大学等遠隔授業に関する取組 状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

スケジュールは非常に難しい制約充足問題

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Page 55: 高等教育を止めなかった遠隔授業• 高等教育を止めない:「4月からの大学等遠隔授業に関する取組 状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

各大学は全力でハイブリッドに取組み中

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Localization

何が何でも対面では無い!良い所をミックス

Page 56: 高等教育を止めなかった遠隔授業• 高等教育を止めない:「4月からの大学等遠隔授業に関する取組 状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

技術的にも 工夫が必要(ハイフレックス)

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Page 57: 高等教育を止めなかった遠隔授業• 高等教育を止めない:「4月からの大学等遠隔授業に関する取組 状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

遠隔講義 引きこもりの学生に極めて有効対面がつらい学生も居る

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健常学生でも質問は対面より遠隔の方がずっと多い(心理的抵抗感が低い)

新たな重要な発見

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• 高等教育を止めない: 「 4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

• 著作権制限への働きかけ• データダイェット宣言• アンケート結果• 遠隔・対面ハイブリッドに向けて• シンポをして感じたこと!今やろうと考える事!• これからの教育:「教育」をデータ駆動型へ

本日の内容

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• 大量の計算資源、人材を有する大規模大学は 中規模、小規模大学で困っているところを助けるべきではないか

– お金ではない、 即効性が必須、サーバの購入の手間を無くし、大規模大学はクラウド資源を提供(LMS運用スキル付き)

– 講義コンテンツの提供こそが速攻! 大学間での講義相乗りの積極的な推進を検討すべきではないか。

• 学会が主導的役割を• 学生はより自由に指導教官に相談可能な時代へ

– 学生の積極的な参画をエンカレッジすべし• IT環境整備の支援• 初中に対し 大学の経験値を提供!

シンポをして感じたこと!今やろうと考える事!

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国立情報学研究所(NII)

1000人ライセンスを必要時に利用可能に!技術支援(NIIの多様な経験知):

天皇陛下皇后陛下の国連オンライン初参加のバックヤード

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• 高等教育を止めない: 「 4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

• 著作権制限への働きかけ• データダイェット宣言• アンケート結果• 遠隔・対面ハイブリッドに向けて• シンポをして感じたこと!今やろうと考える事!

• これからの教育:「教育」をデータ駆動型へ

本日の内容

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Page 61: 高等教育を止めなかった遠隔授業• 高等教育を止めない:「4月からの大学等遠隔授業に関する取組 状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

私は純粋にITの「研究者」で、教育学者では全くございませんし、教育経験も希薄ですが。。。

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Page 62: 高等教育を止めなかった遠隔授業• 高等教育を止めない:「4月からの大学等遠隔授業に関する取組 状況共有サイバーシンポジウム」の経緯

• Society 5.0 : データ駆動型社会

• ビッグデータイニシアティブ 米国オバマ政権 (2012年)

• AI(深層学習) : Data Fuel AI AIにとってデータが全て (2012年)

• 4thパラダイム: データ駆動型サイエンス (2009年)– 1st 観測の科学、– 2nd 理論科学– 3rd 計算科学(スパコン)

これからの教育:「教育」をデータ駆動型へ

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教育を「データ駆動」へ変革することが肝(長い目で見ると必ずこうなる!)教育ビッグデータに関する法整備教育ビッグデータIT基盤の整備全国の初中学生の学習状況をデータで補足、 施策の定量的効果把握教育コホートの確立(久山の教育版)民はwelcome!しかし基本データは共通フォーマットとして文科省等が利用可能とすべし

要するに全て『データ』が中心になる時代を示唆

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ご清聴ありがとうございました

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