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国立研究開発法人 防災科学技術研究所 気象災害軽減イノベーションセンター副センター長(つくば市) 雪氷防災研究センター センター長(新潟県長岡市) 熊本災害復旧・復興支援本部 副本部長 首都圏レジリエンス研究センター 副センター長 上石 気象災害軽減イノベーションセンター による防災×IoTのとり くみ

気象災害軽減イノベーションセンター による防災×IoTのとり …リアルタイム予測手法の開発. 地表面変位. 斜面リアルタイムモニタリングによる監視

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Page 1: 気象災害軽減イノベーションセンター による防災×IoTのとり …リアルタイム予測手法の開発. 地表面変位. 斜面リアルタイムモニタリングによる監視

国立研究開発法人防災科学技術研究所

気象災害軽減イノベーションセンター副センター長(つくば市)雪氷防災研究センター センター長(新潟県長岡市)

熊本災害復旧・復興支援本部 副本部長首都圏レジリエンス研究センター 副センター長

上石 勲

気象災害軽減イノベーションセンターによる防災×IoTのとり くみ

Page 2: 気象災害軽減イノベーションセンター による防災×IoTのとり …リアルタイム予測手法の開発. 地表面変位. 斜面リアルタイムモニタリングによる監視

1.設立根拠

国立研究開発法人防災科学技術研究所法(平成11年12月22日法律第174号)

平成27年4月1日(昭和38年 国立防災科学技術センターとして設立)(平成 2年 防災科学技術研究所に改組)(平成13年 独立行政法人防災科学技術研究所に改組)(平成27年 国立研究開発法人防災科学技術研究所に改組)

3.目的

防災科学技術に関する基礎研究及び基盤的研究開発等の業務を総合的に行うことにより、防災科学技術の水準の向上を図ることを目的とする。(防災科学技術研究所法第4条)

6.平成28年度予算

運営費交付金70.2億円

5.職員数

平成28年4月1日 241名

4.役員

理事長 林春男理事1名,監事2名(うち非常勤1名)

2.設立

雪氷防災研究センター(新潟県長岡市)

新庄雪氷環境実験所(山形県新庄市)

防災科学技術研究所(茨城県つくば市)

兵庫耐震工学研究センター(兵庫県三木市)

1964.12 1969.10

1963.4(1978.4)

2004.10

災害から人命を守り、災害に強い社会を実現する

国立研究開発法人 防災科学技術研究所の概要

関連施設配置図

2

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組織図

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平成28年4月に設置

熊本地震災害復旧・復興支援本部も活動

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JST イノベーションハブ構築支援事業(H27-)

イノベーションハブ構築支援事業とその背景について

■ 国立研究開発法人の機能強化(研究開発システムの改革)• 研究開発法人の運営費交付金等独自資金と、JSTの資金をマッチングさせ、研究開発法人がイノベーションを駆動させる基盤を持つのに必要な改革を行うもの <=研究開発事業ではない

• 科学技術振興機構(JST) と研究開発法人の連携JST:ファンディングを活用した人材糾合、研究成果の

展開、技術の調査・分析など(運営にコミット)

研究開発法人:人材交流の場の提供(施設設備の整備・提供)、コア技術をベースにした研究開発推進など(テーマを設定し、ハブを構築)

• 新しい産学官連携拠点モデル(ハブの特徴)− 国内外の企業、大学、公設研究機関、自治体等の英知を

結集− オープンイノベーション拠点− 異分野・異セクターの人材交流を促進− 産業界や市場のニーズを起点とした研究開発マネジメント

(科学技術振興機構(JST)の資料を抜粋、加筆) 4

防災科研 「攻め」の防災に向けた気象災害の能動的軽減を実現するイノベーションハブの構築

H27F採択 H28本採択

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気象災害軽減イノベーションセンター

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防災科研が目指すハブ~人と技術の高流動化~

5年後~(波及・自立)これまで(限界) ~2年後(NIEDハブ化)

社会に近い大学・産業界・自治体等

成果展開

成果展開

成果展開

大学・研究機関、産業界、自治体・地域から人材がハブに結集し、

「知見・技術・経験」を会得して巣立つ

流動化既存研究コミュニティ

大学等 産業界

自治体等

大学等

糾合

産業界自治体等

大学等産業界(交通,観光,物流等)

自治体等(防災担当者の資質向上)大学等

(共同研究への発展)

外部とのネットワークが脆弱

産学官の強固なネットワークを形成

JSTによる初期駆動(アクセル)

イノベーションハブの持続的発展成果が社会に届きにくい

ニーズからゴールを見据えた

技術開発

イノベーションハブ構築を通じて「防災研究の中核的機関のNIED」へ

気象災害軽減イノベーションハブが先行

産業界自治体等大学等

教官(クロアポ)学生(連携大学院)

気象・雪氷土砂

地震・津波

E-ディフェンス

災害リスク

気象・雪氷土砂

全所へ波及展開

火山

人材糾合

技術糾合

情報糾合

システム化

社会実装

性能評価・標準化

5

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防災科研イノベーションハブの三層の技術新技術を用いて的確な予測情報を創出する

実現化技術・要素技術開発予兆を早期に捉え予測につなげる防災科研の知

知識基盤・基礎的研究ステークホルダーとの協働によるニーズにマッチした

システム化・技術統合

交通インフラ・物流

気象災害軽減のための観測予測技術

雪氷災害軽減のための観測予測技術

土砂災害軽減のための観測予測技術

風災害軽減のための観測予測技術

次世代センシング技術センサー高機能・低価格化

IoT情報技術IoT・データ連携等の新技術の適用

リスクコミュニケーション技術人が動く情報提供 地域

産業界

市民

データ連携・統合

IoT・ビッグデータ

土砂SAR・ミューオン

気象ドップラーライダー

雪氷 GNSS(GPS)

非接触・広域

既存データ利用

低コスト・多点設置

新センサー開発

落石

暴風

落雷

地域特性に適応した避難誘導、災害時の行動判断に真に役立つ地域防災システムの実装と他地域への展開

個々人の災害時の避難等の行動判断、平時の安心・快適な生活にも役立つ気象防災システムの実装

Danger

産業界との協働により特定された、ニーズに応じた観測・予測技術成果をスピード感を持って多様に展開

局地風を高精度に再現可能なLES乱流シミュレーション技術

高精度降雨情報・リアルタイム斜面危険度評価、マルチセンシング・IoTによる避難行動支援

マルチセンシング・IoT解析・雪氷現象同化技術による高度雪氷災害発生予測システム

積乱雲の一生のマルチセンシングの高度化、データ同化手法の高度化

専門家と市民①危機管理の認識を共有②気象災害リスクを認識③判断、④行動

基礎的な知見

システム要件

システム要件

要素技術

自治体と市民とのリスクコミュニケーション例

災害情報の理解

事前学習

市民

災害情報

自治体リスクマネジメント

リスクコミュニケーション

センシング技術開発

コンテンツ

フィードバック

・判断支援・現象理解支援

・タイミング・情報精度

ニーズに合わせた伝達

精度向上

行動判断

リスクコミュニケーションモデル

気象災害予測システムの交通インフラへの実装とサプライチェーンマネジメントへの波及による経済損失の軽減

倒壊危険家屋

7

IoTプラットフォーム

システム要件

データ

ユーザー

システム要件

情報プロダクツ

モデル化観測システム化

Page 8: 気象災害軽減イノベーションセンター による防災×IoTのとり …リアルタイム予測手法の開発. 地表面変位. 斜面リアルタイムモニタリングによる監視

2/17 10:00 2/19 10:00

:知識基盤・基礎的研究

土砂

気象+

雨量・土壌水分

ゲリラ豪雨等の極端気象の早期予測技術の開発

雪氷防災実験棟

雪氷雪崩リアルタイムハザードマップ

降雪分布予測

積乱雲の一生のマルチセンシング

大型降雨実験施設

崩壊メカニズム解明

センシングによるリアルタイム予測手法の開発

地表面変位

斜面リアルタイムモニタリングによる監視

着雪・吹雪リアルタイム予測

2mm

防災科研の“知”・現象検知・モデル化・予測シミュレーション・同化技術

風の3次元測定・可視化

システム要件

データ

ユーザー

システム要件

情報プロダクツ

モデル化観測システム化

8

多点設置にはまだまだ、高価

Page 9: 気象災害軽減イノベーションセンター による防災×IoTのとり …リアルタイム予測手法の開発. 地表面変位. 斜面リアルタイムモニタリングによる監視

IoTプラットフォーム

通信ネットワーク

分析

情報プロダクツ化

図表・グラフ GISテキスト

交通インフラ・物流 地域防災産業観光・農業

アプリケーション

アプリケーション

アプリケーション

アプリケーション

ドップラーライダー 積雪重量 雪質水位

衛星・航空機土砂災害リモセン

画像熱水分 加速度・振動・変位・水分

オープンデータ国・自治体・民間

観測データ

蓄積データ

防災科研のデータ

災害事例DB従来観測データ

コンソーシアムメンバーによる実現化技術の開発

次世代センシングデータ オープンデータソーシャルデータ

+AI・機械学習

SNS・画像ふるリポ等

ブロックのようにコネクティビティが容易なシステム→展開促進

コンテンツ

8

防災科研の“知”・現象検知・モデル化・予測シミュレーション・現象同化

リスクコミュニケーション

ビッグデータ

収集・蓄積 整理

現業機関利用

北東 東北

86.5mm/h11:002/2

避難

気象研究所荒木氏提供行動に結びつくリアリティ

+BIGdata解析

MP-PAR

+GIS

交通・物流・人流・物販・生産など各種データ

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気象災害軽減イノベーションハブの4つの取り組み

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長岡モデルとは

多様なメンバーで

Fail Fast Fail Cheep Fail SmartBy Google元会長エリック シュミット

×IoTを活用した地域防災システム開発

ニーズ・地域の防災・行動に直接役立つ土砂災害や雪氷災害の情報が欲しい。

・地方創生、地域活性化にもつなげたい。

長岡モデルの成功と横展開により

災害予測情報による自己決定力向上(被害者10人減/年・全国)

地産地防による地域創生と全国/海外展開

新潟県・山梨県

ほか地域と協働

「長岡モデル」の構築と他地域への展開

地域の防災の課題発見 センサー開発、システム開発、実証実験スタート

低コスト化と課題の抽出

社会実装に向けた伝達法・製品化・システム化検討

5つの

実証実験

Fail Fast

Fail CheepFail Smart

地域・産業・研究者参加

実現

素早く安く

たくさんやってみる

1

2

3

P D

A C

地域

高専大学

産業

Smart 積雪重量Smart 水害避難Smart 安否確認Smart スコップ

1

2

3

4

5 Smart 路面管理

安くて良い物を国内外に→爆発的に普及

2017年度末までに開発、2018年度から社会実装

11黒字:他プロジェクトと共通

Page 12: 気象災害軽減イノベーションセンター による防災×IoTのとり …リアルタイム予測手法の開発. 地表面変位. 斜面リアルタイムモニタリングによる監視

IoTを活用した地域防災システム開発

新潟: 長岡サテライトを中核とする地域課題解決の取組(水害対策:小河川の水位;雪害対策:屋根雪重量、道路雪氷等)

山梨: 道路交通・物流の課題解決(「大雪対応サプライチェーンマネジメントシステム」のモデル地域)

熊本: 熊本地震の応急・復旧・復興支援(土砂災害)

大学、各地の国立高専との連携

12

土砂災害センサーによる監視

西原村・大峰山地区

データ時刻時間雨量日雨量連続雨量雨量グラフ

データ時刻角度端末ステータス変位グラフ

西原村・大峰山地区センサー No.2

地域・産業・研究者参加

鶴岡高専HP

水位センサー設置

Page 13: 気象災害軽減イノベーションセンター による防災×IoTのとり …リアルタイム予測手法の開発. 地表面変位. 斜面リアルタイムモニタリングによる監視

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長岡での実証実験例1

地域

高専大学

産業

Fail Fast Fail Cheap Fail Smart

現状では高い水位計を安く作り、家の裏の川に見に行かなくても洪水の危険がわかるように

Page 14: 気象災害軽減イノベーションセンター による防災×IoTのとり …リアルタイム予測手法の開発. 地表面変位. 斜面リアルタイムモニタリングによる監視

降雪センサーとは…各消雪パイプの井戸に一個付いており、降雪の有無を検知して、消雪パイプの稼働を制御

長岡市内だけでも、2万個以上のセンサーが稼働

今までは個別の消雪パイプの稼働のみに利用されており、情報は集まってこなかった!

降雪センサー情報を集約し活用できるようにする(今冬はとりあえず20台分のデータ)

降雪センサー情報の集約と活用システムの構築

Page 15: 気象災害軽減イノベーションセンター による防災×IoTのとり …リアルタイム予測手法の開発. 地表面変位. 斜面リアルタイムモニタリングによる監視

長岡市内降雪センサー稼働状況

Page 16: 気象災害軽減イノベーションセンター による防災×IoTのとり …リアルタイム予測手法の開発. 地表面変位. 斜面リアルタイムモニタリングによる監視

緑測器直線変位センサー LP-10F

屋根雪荷重測定システム

A/D変換+通信

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セブン&アイHLDGS.が18000店の店舗

数千台の配送車をセンサーに

ハブで共同開発した

センサーにより精度向上した大雪実況・予測情報と道路情報

店舗に雪センサー・カメラ

車両に路面センサー

現在関東に15箇所の積雪観測点が1,500箇所へ降積雪予測を雪観測値で

同化し予測精度向上+路面情報

予測に基づくサプライチェーンの確保、顧客・社会への

防災情報・サービス提供

セブンイレブンが防災拠点に

新開発積雪センサー:衛星電波で雪の状態を自動観測

地面

17

×

ニーズ・H26.2の南岸低気圧大雪で数十億円/年の損害。

・大雪は復旧に時間必要:地震の次に損害額大。

・物流・製造・顧客サービスを劇的に向上させたい。

大雪対応サプライチェーンマネジメントシステムで

気象・積雪情報提供で顧客サービス向上 サプライチェーンの確保・営業損失大幅軽減(数十億円/年) 顧客への防災情報、関連新サービス提供

実現

積雪深、積雪重量、含水率、表面状態

大雪対応サプライチェーンマネジメントシステム開発

セブン&アイHLDGS.

協働

2017年度までに30店舗・30台で試験運用

2017年度末までに開発

黒字:他プロジェクトと共通

Page 18: 気象災害軽減イノベーションセンター による防災×IoTのとり …リアルタイム予測手法の開発. 地表面変位. 斜面リアルタイムモニタリングによる監視

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セブンイレブン店舗屋上への観測機器の設置

山梨県、新潟県の店舗にセンサー試験設置

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多点データで作成した正確な初期値を用いて積雪予測を高精度化→大雪時の物流の確保、雪氷災害軽減情報発信に活かす 19

2.成果のイメージ~低コスト・多点設置型センサーを使った積雪予測の高度化~

【現在】積雪深 東京1地点 関東15地点 【将来】セブンイレブン店舗複数店に設置

19

大きなリスクはない?

時間内配送にリスクが発生

リスクを回避するルート

交通に支障の可能性

時間内に納品されるかな?

または別の工場からの出荷を検討

通常どおりの出発

低精度の気象データ・・・リスクが顕在化されず予想が困難 高精度の気象データ・・・リスクを予見した対応が可能

アメダス+新開発センサーから作成した積雪マップ

アメダスから作成した積雪マップ

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熊本地震による土砂移動分布図

熊本地震における土砂災害に関する活動

• 遠隔監視(衛星、レーザープロファイラ)による地形データの復旧、土砂移動兆候の把握

• 危険斜面への土砂センサーの設置と監視

・台風シーズンまでに1~2か月で対応

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熊本地震による土砂災害 現地調査

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斜面監視の概要■崩壊や段差などが発生している箇所付近に設置。

■崩壊検知センサーは、プラスチック製の杭の中に傾斜を感知するセンサーを内蔵。

■斜面が地すべりや崩壊などにより傾くと、それをセンサーが検知して、無線で基地局に情報を送り、WEBでの監視さらにメールで関係者に知らせます。

■雨量計は、この地区の雨量を測ることで土砂災害が発生の可能性を把握することを目的に併用設置。

斜面モニタリングシステム概要

Page 23: 気象災害軽減イノベーションセンター による防災×IoTのとり …リアルタイム予測手法の開発. 地表面変位. 斜面リアルタイムモニタリングによる監視

崩壊センサー、監視装置、雨量計等、地盤のリアルタイム観測データの提供

県に提供している地図情報地図情報の拡大

西原村・大峰山地区

データ時刻時間雨量

日雨量

連続雨量

雨量グラフ

データ時刻

角度端末ステータス変位グラフ

西原村・大峰山地区センサー No.2

斜面変動検知用センサー9危険箇所ー90点の傾斜計を設置

課題・費用・設置し易さ・多数点計測・ビッグデータ処理・危険度の見える化

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国立研究開発法人防災科学技術研究所

○台風12号(9/5 午前1時 長崎県長崎市付近上陸)の実施内容・台風12号の接近に伴い、雨量計・センサーが計測する変化を地図に重ね合わせた情報を県に提供防災科研職員も現地入りし、モニターの見方等についてフォロー。

・県の砂防課を通じて、避難勧告等を発令していた南阿蘇村・阿蘇市・西原村にも情報提供。・南阿蘇村から「リアルタイムデータが避難情報発令時に必要」との意見があり。・熊本県に大きな被害はなく、センサー等が異常値を検出することはなかった。

○台風16号(9/20 0時過ぎ 鹿児島県大隅半島に上陸)の実施内容・防災科研職員も現地入りし、モニターの見方等についてフォロー。・県の砂防課を通じて、避難勧告等を発令していた南阿蘇村・西原村、その他、阿蘇市にも情報提供。・西原村から、「リアルタイムデータを活用すると住民に安心いただけると思う」とのご意見があった。・熊本県に大きな被害はなく、センサー等が異常値を検出することはなかった。

○台風18号(10/5 福岡の北を通過)の実施内容・防災科研職員も現地入りし、モニターの見方等についてフォロー。・県の砂防課を通じて、南阿蘇村・阿蘇市・西原村にも情報提供。・熊本県に大きな被害はなく、センサー等が異常値を検出することはなかった。

センサー設置斜面(東下田川)白川の増水状況 避難所になっている白水体育館9/4 17時 24名の避難者あり

(南阿蘇村)

普段は水が全く流れていないセンサー設置河川(南郷川)

防災科研職員による台風時現地調査センサー設置斜面 センサー設置位置

熊本県における台風に対する防災科研の対応

3個の接近台風に

よる大規模は土砂移動はなし

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熊本復興支援(地域産学バリュープログラムタイプ)課題事例

課題名 : 多点センサー観測に基づくリアルタイム広域斜面監視型の防災情報システム開発

研究責任者: 酒井直樹(防災科学技術研究所)ニーズ元企業: エー・シー・エス株式会社他参画機関: 株式会社ドコモ

<研究概要>

・現在の各自治体の防災情報システムでは、地震で不安定化した地盤の状態を踏まえて警戒避難情報発令・解除の判断をすることができない。

・本研究では、多点に設置された斜面監視センサーなどの現地観測データをもとに土砂災害の危険性をリアルタイムで把握し、自治体による警戒・避難・立ち入り禁止等の判断を支援する防災情報システムを開発する。

<研究開発内容>①リアルタイムデータ処理技術開発

アメダスが数分かけて処理するところを、30秒以内で処理する。②斜面崩壊の危険度判定技術

4段階(平常、危険1、危険2、発災)の危険レベルを段階分けする。③他の防災情報も混ぜ合わせることによる危険度可視化技術開発

斜面監視センサーデータとタイムスケジュールの異なる雨量データなどを同一画面でわかりやすく可視化する。

<終了後の展開>・土砂災害の危険性が高い熊本県外での検証、工事現場など応用可能性のある環境での検証を実施。

・土砂災害についてはH32年度、応用用途はH33年度の実用化を目指す。

課題名 : LPWA通信を用いた災害時斜面機動観測システムの開発研究責任者: 入江博樹(熊本高等専門学校)ニーズ元企業: 株式会社Rimos他参画機関: 防災科学技術研究所、ソナス株式会社、

株式会社ドコモ

<研究概要>・地域の住民が自ら安心安全を確保できるように、LPWA通信技術とIoT技術を基にした斜面の危険度を見える化できる杭型センサシステムを開発する。

・本提案では、観測データをインターネットに接続するためのゲートウェイを高所1ヶ所に集約し、従来よりも広域で長期間のデータ収集ができるプロトタイプの確立を目指す。

・本提案で開発したセンサーでデータを集約し、防災科研の別課題にて住民が利用できる防災情報システムを開発する。

防災科研 熊本高専

<研究開発内容>① LPWA通信技術の検証

現地実験で植生状況とセンサのアンテナ部の高さを検討項目として定量的に計測可能範囲を明らかにする。② IoT杭型センサ開発

通信間隔1分で4~6ヶ月ほどバッテリ交換無しで動作することを目指す。③設置方法の確立

現地での計測結果をとりまとめ、設置方法の評価を行う。

資料2

3

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防災関連企業

NTTドコモ・TI

防災科研・基礎的研究・観測データ・大型実験施設活用・災害関連情報収集・社会実装技術・防災教育

地域の学高専 大学

地域の産・IT・システム・ものづくり

地域の官市町村、県、国出先機関

イノベーションハブ地域サテライト

地産地防

防災産業の全国、世界への展開

防災産業育成

BCP

地域活性化地域防災減災

安心

安全

復旧復興支援

IoT活用

防災

情報

センサー・システム開発

イノベーションハブ地域モデルの目指す地産地防

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人材

ニーズからゴールを見据えた検討・技術開発

社会実装へ

ワーキンググループ

による検討

個別共同研究製品開発、システム開発クローズ

イノベーションセンター事業防災教育、性能評価オープン

関係府省庁

自治体

団体研究機関

教育機関

企業

情報

技術人材

知財

気象災害軽減コンソーシアム

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現在約200個人団体8割以上が民間

コンソーシアム設立記念シンポ参加者 200名

1/2ユーザー・研究者1/2センサー・システム開発関係者

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最後に• 水位計なども 現場(草ぼうぼう)で使えるもの

• 普段使い、多用途

• みなさまのアドバイスをお願いいたします。

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