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環境・都市基盤
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研究者 ● 北山和宏
連絡先 ● 042-677-2802
E-mail ● [email protected] R L ● http://www.eng.metro-u.ac.jp/kitayama-lab/
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北山 和宏 教授̶Kazuhiro Kitayama̶
工学博士。東京大学大学院工学研究科建築学専攻博士課程中退。宇都宮大学助手、千葉大学助手、東京都立大学講師、同助教授、首都大学東京准教授を経て、09年より現職。
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PCることが可能となる。 鉄筋コンクリート建物の耐震性能向上を目指すと同時に、一般の人たちにも建物の保有する耐震性能が理解できるような耐震設計法の研究に寄与していく。
研究概要鉄筋コンクリート部材の耐震性能評価法、および耐震設計法の研究 世界各地で大地震が発生するたびに、鉄筋コンクリート建物が崩壊して大勢の犠牲者が出る。このような悲劇を防ぐためには、鉄筋コンクリート建物の耐震設計法を確立することが重要である。それにはまず、鉄筋コンクリート建物が地震の際に、どのように挙動して破壊に至るかを精度よく評価することが必要となる。北山研究室では、柱や梁といった鉄筋コンクリート部材が地震時にどのくらいの強度を保持するのか、どのくらい変形するのか、またどのように壊れるのかを、実験と解析によって検討している。実験では実際の建物を使うことは困難であるため、建物の主要な構成要素である柱と梁を組み合わせた十字形の部分骨組を用いている。 鉄筋コンクリート部材の壊れ方
には、良い壊れ方(曲げ破壊)と悪い壊れ方(せん断破壊)とがある。悪い壊れ方は、建物に甚大な被害を与え、人命をより危険にさらす。耐震設計ではすべての部材について、悪い壊れ方をいかに防止して、良い壊れ方に導くかが問われる。そのために必要な精度よい耐震性能評価法を研究している。そして、最終的には合理的な耐震設計法の構築を目指している。
最近のトピックスコンクリートの弱点を克服するPC構造を、耐震設計・性能に利用 コンクリートは圧縮力には強いが、引張力には弱く、ひび割れが生じやすい。しかし、コンクリート部材にPC鋼材という太い針金を通して引っ張ると、PC鋼材が元に戻ろうとする圧縮力がコンクリートに加わるため、ひび割れが生じにくくなる。このように、あらかじめ圧縮力を作用させて補強
したものをプレストレスト・コンクリート(略してPC)構造と呼ぶ。このPC構造は主として自重に対して有効であるとされてきたが、地震に抵抗する構造としても利用できると考えられる。北山研究室では、鉄筋コンクリート部材と同様に、PC部材の耐震性能評価に関する研究にも取り組んでいる。
今後の展望耐震性能に関する理解を広め、防災に貢献する 精度よい耐震性能評価法が確立されれば、地震の規模によって、建物のどの部分がどの程度の被害を受けるかや復旧にかかる費用を、施主に明確に示すことができるようになる。同時に、施主が必要とする耐震性能(例えば、病院であれば地震後も継続して使用できなければならないので、相当に高い耐震性能が要求される)を確実に備えた建物を設計して建設す
キーワード耐震設計、性能評価、地震、防災、せん断破壊、曲げ破壊、付着すべり、主筋の抜け出し、ひび割れ
研究テーマ
鉄筋コンクリート建物の耐震性能評価法、および耐震設計法に関する研究
鉄筋コンクリート(RC)構造、およびプレストレスト・コンクリート(PC)構造を対象とした、新たな耐震設計法を開発し、地震による被害を防ぐ。
都市環境学部 建築都市コース都市環境科学研究科 都市環境科学専修 建築学域
北山研究室