73
関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) 平成25年2月4日 関東経済産業局 資料2

関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

  • Upload
    others

  • View
    1

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案)

平成25年2月4日

関東経済産業局

資料2

Page 2: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

本資料の目次

1

1.関東経済産業局 成長産業育成戦略 目次(案)・・・・・・・・・・・・・・2 2.関東経済産業局 成長産業育成戦略 概要(案)・・・・・・・・・・・・・・3 3.成長の実現に必要なソフト的基盤の整備(案)・・・・・・・・・・・・・・・6 4.成長を実現するために制度面等で留意すべき事項(案)・・・・・・・・・・16 5.成長産業育成に向けた今後の取組の方向性(案)・・・・・・・・・・・・・18 5-1.健康・医療・福祉関連産業の育成・・・・・・・・・・・・・・・・19 5-2.スマートコミュニティの実現と省エネ・新エネ関連産業の育成・・・・・・40 5-3.クリエイティブ産業の育成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・46 5-4.航空・宇宙産業など先端ものづくり産業の育成・・・・・・・・・・57

Page 3: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

1.関東経済産業局 成長産業育成戦略 目次(案)

2

1.戦略策定の背景

2.関東経済産業局のこれまでの取組

3.広域関東圏の産業の特徴

4.今後の取組方針

4-1 基本的な考え方

4-2 需要サイドの視点から達成すべき4つの目標 ① 安心・安全で健やかな生活の維持・向上

② クリーンでスマートなライフスタイルの実現

③ 刺激ある文化的生活の実現

④ ものづくり国家としての伝統の維持

4-3 成長の実現に必要なソフト的基盤の整備 ① 新しいチャレンジを担うプレイヤーへの支援

② プレイヤーに対する専門的な知識サービス機能の充実

4-4 成長を実現するために制度面等で留意すべき事項

5.成長産業の育成に向けた今後の取組の方向性

5-1 健康・医療・福祉関連産業の育成 5-2 スマートコミュニティの実現と省エネ・新エネ関連産業の育成 5-3 クリエイティブ産業の育成 5-4 航空・宇宙産業など先端ものづくり産業の育成

Page 4: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

2-1.関東経済産業局 成長産業育成戦略 概要(案)

3

需要サイドの視点から達成すべき4つの目標

国民的課題を解決し新たな価値提供を行う成長産業群の育成により、成長と富の創出の好循環を生み出し、強靱で活気のある地域経済社会の再構築を目指す。

○全国に比して急速に超高齢化社会が到来する地域

○我が国最大の財・サービス・電力消費地域

○世界的な情報及び文化発信基地

○多くの研究開発機関・企業が立地する地域

基本的な考え方

○グローバル化に起因する産業構造変化

○少子高齢化に起因する社会構造変化

○高度経済成長世代から次世代へのバトンタッチ

広域関東圏の特徴 3つの構造変化

中長期の構造変化を取り込んだ

新たな日本の再設計

成長産業の育成に向けた今後の取組の方向性

○地域の高齢者包括ケアに対応したサービスの育成 ○医療機器産業の国際競争力強化

○革新的医薬品の創出を担うバイオベンチャーの育成

○各地域のスマートコミュニティに係る取組の情報共有 等

健康・医療・福祉関連産業の育成

○コア企業を核としたコンテンツ産業の育成 ○価値創造人材を核としたクリエイティブ産業の創出 ○知日派外国人を核とした戦略的情報発信

クリエイティブ産業の育成

○航空・宇宙産業の強化

○精密計測等研究開発型中小企業の育成

航空・宇宙産業など先端ものづくり産業の育成

安心・安全で健やかな生活の維持・向上

クリーンでスマートなライフスタイルの実現

刺激ある文化的生活の実現 ものづくり国家としての伝統の維持

成長の実現に必要なソフト的基盤の整備

プレイヤーに対する専門的な知識サービス機能の充実 (ナビゲーション機能、専門的コーディネート機能等)

新しいチャレンジを担うプレイヤーへの支援 (中小企業若手後継者、大企業スピンアウト者、企業連携体等)

制度面等で留意すべき事項

スマートコミュニティの実現と省エネ・新エネ関連産業の育成

Page 5: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

2-2.需要サイドの視点から達成すべき4つの目標(案)

4

安心・安全で健やかな生活の維持・向上 1 世界に先駆けて少子高齢化が深刻化する我が国において、社会保障費の膨張等に起因する財政赤字のさらなる増大が予想される中で、現行の医療福祉システムの持続可能性が危ぶまれており、同時に、高齢者に対する医療福祉サービスのあり方が問われている。このような状況下で、高齢者に対して適切な終末医療、介護及び生活支援サービスが提供されるシステムを構築すること等を通じて、若年世代を含め全国民が生涯安心・安全で、健やかな生活が過ごせるような社会の実現を目指す。

クリーンでスマートなライフスタイルの実現 2 福島原発事故を契機に我が国が直面したエネルギー問題に対応するため、エネルギー政策の見直しが行われているところ。再生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・環境先進国として、スマートコミュニティの構築等を通じて、世界に先駆けてクリーンでスマートなライフスタイルの実現を目指す。

3 我が国は、高度経済成長期に大量生産型耐久消費財の普及等を実現し、1980年代後半のバブル経済を経て、物質的には世界でトップクラスの経済大国となった。さらに、リーマンショック以降に加速した円高環境の中で、生活面ではこれまで高価だった海外製品が手軽に購入できるようになるなど、我が国消費者においては従来の大量生産型製品では満足度が上昇しにくくなっている。このような状況下で、創造性にあふれた製品・サービス、個々人に適した新たなライフスタイルを提案する製品・サービス、「日本ブランド」を体現する文化的な製品・サービス等を享受し、満足度を向上できる刺激ある文化的な生活の実現を目指す。

刺激ある文化的生活の実現

4 ものづくり大国として経済発展を実現してきた我が国において、「ものづくり産業」は我が国経済の象徴となっている。グローバル経済化によって、海外への輸出拡大を通じて経済成長を牽引してきたエレクトロニクス及び自動車産業は、グローバル生産体制構築の仕上げ段階となり、国内生産体制の再構築を行っているところ。このような状況下で、次世代の若者が引き続きものづくり国家の伝統を継承し、世界に対してものづくりを通じたイノベーションを提供する国家であり続けることを目指す。

ものづくり国家としての伝統の維持

Page 6: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・
Page 7: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

3.成長の実現に必要なソフト的基盤の整備(案)

6

Page 8: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

3-1.成長の実現に必要なソフト的基盤整備

7

■ 今後、関東経済産業局管内中小企業が成長分野への取組を進める上で、これまでの「親企業から下請受注生産」や

「大量生産・価格競争」モデルから、高くても売れる商品やサービスを自ら生み出す「価値創造」モデルに転換していく

ことが必要。

■ このような中で成長産業の活性化を実現するためには、当該分野において新たなチャレンジを担うプレイヤー(起業

家精神およびビジネスに必要な基礎的スキルを有する人材や企業等)が次々と創出されることが不可欠。

■ さらに、このようなプレイヤーが経験の浅い新規分野において効率的に事業を開始する上で、様々な専門的知見を

提供する知識サービス業によるサポートの有効活用が重要。

知識サービス業

ナビゲーション機能

コーディネート機能

コンサルティング機能

インキュベーション機能

新しいチャレンジを担うプレイヤー

プレイヤー

創業型チャレンジ

新連携型チャレンジ

Page 9: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

3-2.我が国の新規ビジネスの課題①

8

ダブル・ディグリー(工学部と経営学部など)の慣習など、大学教育の段階で、技術だけでなく、MBA等のビジネスの基礎を十分習得している者が多く存在。また、ビジネスサポートをする人材が豊富なため、協力者(パートナー)を見つけやすい。

米国では、ビジネス志向であり、どの市場に参入すれば成功する可能性が高いかを熟慮して、その市場で成功するために必要な技術は何かを探すという順序(ニーズ・市場志向)。

新規ビジネスの経験が社会的に成熟していないこと等から、ビジネスの基礎を習得する機会があまりなく、有望な技術のみで起業する例が多数見られるが、成功しているケースは少ない。ビジネスの基礎が不足しているため、資金調達等でつまずき、死の谷を乗り越えることができないケースが多くみられる。

日本は、技術志向が強く、保有するよい技術を売りたいという「シーズ志向」。

米国の新規ビジネスの特徴

日本の新規ビジネスの特徴

■ グーグル、フェイスブックなど、米国では大学発の新規ビジネスが急成長する例があるが、日本では顕著な成功例は

少ない。その一因として、我が国の新規ビジネスは、技術志向が強すぎて、ビジネス面での力が不足しているのでは

ないか。

■ 我が国においても、大学・研究所発でこれから起業をしていく人材に対して、起業する前にビジネスの基礎を教育す

るサービスを提供することが重要。

Page 10: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

3-3.新規ビジネスの生まれる時代背景など(理論面での考察)

9

投資家

○資金的観点 上記の時代背景の中で、従来型の大企業の資金需要は減退するとともに、自己金融力も強まることから、大量の遊休資金が社会的に形成される。当該資金の一部は、インフレによる損出の回避(金利支払い以上のリターンの獲得)のため、リスク・キャピタルとしての運用を指向。

新規ビジネス

プレイヤー

リスク・ キャピタル

○人材的観点 大量生産型の製造業(80年代には重化学工業) が成熟段階に達し、経済のソフト化、サービス化や、産業の知識集約化、ノンルーティン(非定型)化が進展することにより、事業計画の立案やその具体的な遂行に当たって、企業経営者個人の能力、創造性が決定的に重要になる。このため、リスクをあえて引き受け、創造的なビジネスを展開する新規ビジネスプレイヤーが成功する可能性が高まることとなる。

新規ビジネスの多数輩出

大企業や大学等で専門能力を蓄積した新規ビジネスプレイヤーが、その能力を発揮するためにスピンオフし、自分自身の組織をつくる。

一定以上の資金が

リスク・キャピタルとして流入

両者を結びつける投資家の存在が、新規ビジネスの発生の触媒となる

※日本中小企業政策史(清成忠男 著)等を参考に作成。

Page 11: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

3-4.我が国の新規ビジネスの課題②

10

米国等で新規ビジネスで成功する起業家は、大組織を安定的に管理するタイプではなく、リスクを積極的に引き受け、新規事業を起こすタイプの経営者。

彼らは、自己実現意欲が強く、大企業での経験等によって特定分野における高い専門性を有するとともに、スタートアップのマネジメント(起業のための基本的なノウハウ:例えば、マーケティング、財務、営業、契約交渉)を習得している者。

米国では、上記のような人材のモビリティが大きく、資金と人材を一挙に投入して急成長が可能。

米国等における成功事例

これまでの我が国においては、製造業、モノに係る技術力、集団としての成果などを重視する風潮の中で、知識サービス業、マーケティングなどの経営力、個人としての能力などに対する目配りが不足し、起業家などの高度人材育成に十分な政策資源が投入されてこなかったのではないか。

Page 12: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

3-5.ファミリー中小企業の後継者育成の重要性

11

研究開発型中小企業を立ち上げた大企業からのスピンアウト人材

関東経済産業局管内では、1970年代の高度経済成長期に大手企業をスピンアウトし、新事業を立ち上げた創業者

が同族で経営する中小企業(ファミリービジネス)が多いと言われ、現在研究開発型・試作開発型の競争力を有する企

業に成長しているケースも多く存在。こういった中小企業の若手後継者は、先代の築いた蓄積をベースに新たなチャレ

ンジをしやすい環境にあるとともに、承継時は新たな事業展開の好機であることから、このような若手後継者が取り組

む新事業展開を支援することが有効ではないか。

高度経済成長時代 現在

次世代を担う若手後継者人材

研究開発型中小企業等 高齢化に伴う事業承継の時期に直面

Page 13: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

3-6.大企業からのスピンアウト型の新規ビジネスの重要性

12

プレイヤー企業

■年功賃金制度の下、年齢と共に賃金が上昇。

■企業の業績等が比較的堅調であったため、昇進等も含めて社員の満足度が高い。

■バックオフィスが分厚いため、専門的な業務に専念できる。

■逆に、プレイヤーでは、さまざまな業務を一手に引き受けねばならず、負担が重い。

■大企業と比較すると平均給与が低い。

■成功事例が見えにくい等から新規ビジネスへの転職のモチベーションが低い。

80年代~

年功賃金は規模が縮小して、成果給・業績給など、在籍年数だけで賃金は上昇しなくなり、企業体質の効率化のためのリストラによる早期退職等が増加している。

■昨今、地域のインキュベーションセンター(例:大田区等)において、大企業で経験を蓄積した者が起業している例が増加。

■なお、管内の特長ある中小企業の経営者のうち、大企業からのスピンアウト組も多い。

((株)エリオニクス、スタック電子(株)、(有)リバー精工)など)

しかしながら、バブル崩壊、リーマンショック以降大企業の環境が激変。

大企業

人材が新規ビジネスへと向かわない。

(好むと好まざるとにかかわらず)大企業から人材が流出。

昨今の大企業の構造調整を受けて、大企業で経験を蓄積した人材が多く社会に流出。関東経済産業局管内におけ

る起業支援のあり方として、これら大企業で経験を蓄積した人材の活用を図ることが重要なのではないか?

我が国においては、米国型新規ビジネスを念頭に支援するよりも、即効性があるのではないか。

大企業 プレイヤー企業

現在

Page 14: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

3-7.コア企業を核とした企業連携体の重要性

13

■ 創業型の新規ビジネスの創出に加えて、地域にはポテンシャルの大きな中小企業が多く存在し、限られた領域で競争力ある技術等を保有。これらを新たに連携させて、新規ビジネスに取り組むケースも非常に有力。

■ このような新連携タイプの新規ビジネス創出においては、他の中小企業を取りまとめ、リードしていく起業家的なコア企業を核としつつ、競争力のある技術等を有する中小企業等からなる企業連携体を支援することが有効ではないか。

新しいチャレンジを担う企業連携体

連携 企業

連携 企業

コア企業

連携 企業

連携 企業

中小 企業

企業連携体の構築支援

中小 企業

中小 企業

中小 企業

成長産業分野におけるノウハウ等を有するリーダー的企業で、新たな技術等の導入により更なるチャレンジが可能となる

競争力ある技術等を有しつつも、単独では経営資源(人材・ノウハウ等)の不足により新たなチャレンジに踏み出しきれない

中小 企業

Page 15: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

14

3-8.我が国におけるプレイヤー支援に係る取組の方向性

創業型のプレイヤーに対しては、次代の起業家を輩出するような教育プログラム(大企業の退職者や中小企業の承継者、若者・女性起業家等に対するスタートアップのマネジメントの習得など)の充実やインキュベーションセンターの機能強化等を図るとともに、新連携型のプレイヤーに対しては、新規分野に詳しい経営コンサルティング人材の発掘及び整備や、新規事業に係る試作など事業立ち上げに係る支援を充実させることが重要ではないか?併せて、成長意欲のあるプレイヤーに対する社会的認知度を高めるための取組(エンジェル投資の促進支援等)が重要ではないか?

支援する対象によって、効果のある支援メニューが異なることから、例えば、大学・研究所発の起業や大企業からのスピンアウト型の起業、中小企業若手後継者等、支援対象群を意識しつつ、新規事業領域の特徴を踏まえたハンズオン型支援が重要。

Page 16: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

3-9.専門的な知識サービス機能の強化の重要性

15

国際競争力の強化に向けた戦略

的展開

イノベーティブな事業展開の促進

ニーズに応じて多様な専門的知識を活用

①ナビゲーション機能 ②専門的な

コーディネート機能 ③専門的な

コンサルティング機能

企業等の課題を的確に把握・

分析し、その解決に向けて取

組みの方向性をアドバイスす

るとともに、専門人材との連携

によりハンズオン支援等の橋

渡しを行う。 ○経営課題の把握・分析をも

とに最適なアドバイスを行う

窓口サービス

○新市場への参入に向けた

情報提供サービス

○経営課題に応じた専門家

(専門的なノウハウを有した

OB人材等)の紹介サービ

ス 等々

業界・市場動向等の経験・ノウ

ハウを有して異業種連携等を成

功に導く高度なコーディネート

サービスの提供を行う。 ○研究開発や事業化に係る企

業間連携・資金調達等をサ

ポートするサービス

○企業間マッチングイベントにお

けるきめ細やかなマッチング

サポートサービス 等々

事業化や研究開発等を効果的に

進めるために、業界等に特有な専

門知識を有したプロフェッショナル

集団による高度なサポートの提供

を行う。 ○医薬品開発に係る治験サポート

○知財ソリューション

○海外展開に関するマーケットリ

サーチや販路開拓支援サービ

ス 等々

④創業期を支えるインキュベーション機能

創業期の企業の成長・発展に必要なサービス(事業計画、資金調達、

顧客開拓、研究・商品・サービス開発等)の提供を行う。

成長産業の育成に向けて企業の競争力強化を主にサポート

課題発見・橋渡し 課題解決

■ 新たなチャレンジを行うプレイヤーが「価値創造」モデルへの転換を実現するためには、高度化する市場のニーズ把

握や新たな分野の市場開拓を行わなければならないが、必要なスキル習得に多くの時間がかかったり、社内等の人

的資源だけでは十分な対応がとれない場合が存在。

■ このため、個々の成長産業の育成の方向性に沿って、専門的な知識サービス機能(知識や情報の生産、販売、利用

に基盤を置いて戦略的に企業向けのサービスを提供)の強化を個別に図ることが重要ではないか。

Page 17: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

16

4.成長を実現するために制度面で留意すべき事項(案)

Page 18: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

4.成長を実現するために制度面で留意すべき事項

17

●検討の俎上に載せるべき制度的課題の例

新規参入組にとって非常に高いハードルとなっている規制

(薬事法の治験、農地法 等)

効率的な事業形態が制限されている分野(農業、医療など)の規制 産業界の国際競争を念頭においた国内標準のあり方

(国際標準と整合性のある国内標準のあり方など)

■ 成長実現のためには、新たなチャレンジを担うプレイヤー(企業や個人等)の活 動が損なわれない環境を整備していくことが肝要。

■ このためには、各成長産業分野において、プレイヤーの活動の妨げとなっている規制や制度について、当該規制等の趣旨を踏まえながら、現場の実態に合わせた具体的な解決方法を見つけることが必要。

■ 規制等の改革が必要な場合は、実態を十分に把握しつつ、規制等への正確な理解の下、具体的な改革内容を提言することが必要であることから、地域における当該活動に対して支援を行うことが重要ではないか。

■留意すべき事項の例

Page 19: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

5.成長産業育成に向けた今後の取組の方向性(案)

18

Page 20: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

5-1.健康・医療・福祉関連産業の育成

19

Page 21: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

健康・医療・福祉関連分野の成長に向けた現状と課題(1)

20

我が国はOECD諸国中で最も高齢化が進展し、今後更に高齢化が加速の見込み。アジア諸国の高齢化率も急速に進

展。日本の中では、特に東京・神奈川・埼玉では高齢化が急速に進展し、要支援・介護認定者数の大幅増加が予測さ

れる。地域の医療資源に対して住民の医療関連サービス需要の増加が著しいことから、医療関連サービスの場は、病

院から居宅へシフトする方向。

アジアの高齢化率の推移

自宅で療養したい割合

(出所)厚生労働省「終末期医療に関する調査」(各年)

(出所)平成24年版高齢社会白書

※先進地域とは、北部アメリカ、日本、ヨーロッパ、オーストラリア及びニュージーランドからなる地域をいう。

先進地域

東京圏とその他地域における高齢者人口の増加量と増加率 (平成17 年→平成47 年)

東京圏:埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県

周辺4県:茨城県、栃木県、群馬県、山梨県

(出所)国土交通省「平成23 年度首都圏整備に関する年次報告」

(資料)平成17 年は「国勢調査」(総務省)、平成47 年は「日本の都道

府県別将来推計人口(平成19 年5 月推計)」(国立社会保障・人口問題研究所)により関東経済産業局作成

増加量(千人) 増加率

埼玉県 958 82.8%

終末期の診療場所に関する希望

Page 22: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

今後、地域で安心・安全で健やかな生活を維持・向上するためには、居宅における在宅医療・介護等の公的保険による社会保障サービスや、移動が困難な高齢者や一人暮らし高齢者に対する生活支援サービスに対するニーズが拡大。少子化の進展により胴上げ型社会から肩車社会へと変化している現状を踏まえると、地域社会の様々な資源を動員し、当該ニーズに対して効率的かつ効果的なソリューションを提供することが求められることから、健康・医療・福祉産業分野の高度化が必要不可欠。

健康・医療・福祉関連分野の成長に向けた現状と課題(2)

肩車型社会へ 胴上げ型社会から

1965年 2012年 2050年

21

高齢者 高齢者

見守り

家事 代行

宅配 配食

健康 維持

生活関連を支えるサービス 在宅

医療

訪問 看護

介護

医療関連サービスを支えるソリューション(介護ロボット、福祉機器等)

居宅

病院

家族 家族

Page 23: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

5-1-1.地域の高齢者包括ケアに対応したサービスの育成

22

・高齢者の健康維持・増進等のサービス ・高齢者生活支援等に係るサービス ・在宅医療・介護サービスを直接支援するサービス ・医療・介護・福祉サービスを支える機器

Page 24: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

高齢者の健康維持・増進等のサービスの重要性

23

高齢者の急増に対して、医療・介護費の抑制や高齢者自身の生活水準の維持・向上等の視点から、健康増進や介

護予防の取り組みを推進することが重要。特に、要介護者の急増により、各自治体は介護保険財政の逼迫に直面し、

健康維持・増進や介護予防に対するニーズは高まっている。これらのニーズに着目したソリューションを自治体と連携し

ながら地域で展開していくサービスを後押ししていくことが有効ではないか。

■(株)つくばウエルネスリサーチでは、「歩いて暮らせる」ことを基

本としたまちづくり(スマートウエルネスシティ)を進め、健康づく

りに対する意識変容を促すことで、高齢者をはじめとした地域

住民の日常的な活動量の増加、健康増進に取り組む。

■全国50以上の自治体、企業健保等に対して、①地域・職場で

の成果の伴う健康づくりシステムの構築に向けたコンサルティ

ング事業、②「e-wellnessシステム」の提供、③健康づくりの核

となる人材育成事業を展開することで、地域や職域での健康づ

くりをトータルにサポート。

例:まちづくり施策と連動した健康増進サービスの取り組み

「平成24年版高齢社会白書」内閣府

日本は「ほぼ毎日」から「月に1回くらい」までの割合の合計が61.6%で最も高くなっている

健康寿命と平均寿命の推移

医療サービスの利用状況(国際比較) ※60歳以上

健康寿命は男女ともに延びているが、平均寿命に比べて延びが小さい

生活習慣病から市民を守るe-ウエルネスステーションの取組(流山市)

「スマートウエルネスシティ総合特区」参加7自治体(新潟県見附市ほか)において事業を展開。 ※(株)つくばウエルネスリサーチHPより

※見附市HPより

Page 25: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

高齢者生活支援等に係るサービスの重要性

24

■商店街のポイントカード事業を運営するA社(静岡県御殿場市)が、電話・メール注文による宅配や商店街への送迎事業を展開。

■初期投資(車両購入)は国補助事業を活用するとともに、ポイントカード加盟店からの手数料で運営する自立的な事業モデルを構築。

地域の高齢者を送迎する実際の様子

商店街 加盟店舗

A社

地域の高齢者等

商店街組合

まちづくり会社

スーパー運営 事業実施

高齢者が増加する状況においては、医療・介護に係るニーズとともに食料品等の日常の買い物に困る等の生活支援

に係るニーズも増加することが予測される。様々なサービス提供形態が考えられるが、特に高齢者向けの生活支援

サービスを展開する上では、日常生活の基盤となる地域コミュニティの関与が重要な役割を果たすこともあり、商店街

やNPO、自治会等との連携による新たなサービス創出の取組を支援することが有効ではないか。

60歳以上の人が地域で不便に思っていること

「平成24年版高齢社会白書」内閣府

買い物弱者等を踏まえた着目すべき新たな流通サービス形態

「地域生活インフラを支える流通のあり方研究会報告書」経済産業省(平成22年5月)

事例:商店街と連携した高齢者向け宅配・送迎サービス

日常の買い物に不便と回答する者が年々増加

Page 26: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

先に述べたように、今後、関東経済産業局管内の高齢者の急増に対して、地域の限られた医療・介護資源で対応す

ることが予想されるが、その対応を効率的に実施するため、情報端末を活用して高齢者情報を共有し在宅医療介護

サービスの質を高めるサービス、ITを活用して訪問医療介護の巡回時間を効率化するサービス等が重要となるのでは

ないか。また、PFI活用による高齢者受入れ施設の整備などを通じて、地域の取組をサポートする産業群の立地促進

が重要ではないか。

高齢者居住団地

在宅医療・介護サービス享受者

クラウドシステムセンター

在宅医療・介護 共有データベース

診療所医師

病院医師

訪問歯科医師

訪問薬剤師

訪問看護師

訪問ヘルパー

管理栄養士

ケアマネージャー

リハビリスタッフ

在宅医療介護共有システム

在宅診療に関わる多職種のスタッフが患者さんの情報を共有

在宅介護機関 ・居宅介護支援事業所 ・訪問介護ステーション ・デイサービスセンター ・ショートステイ施設

携帯電話

タブレット端末

パソコン

医療機関 ・総合病院 ・診療所

チーム内の ・信頼感アップ(情報共有) ・作業効率アップ(モバイル入力)

患者さんと家族の 安心感アップ

総合警備会社

監視・駆けつけ

見守りパス&マップ(医療介護連携)システム構想 ~自治体レベルでの在宅介護サービスモデルの例~

25

健康手帳マイカルテ

食事・運動 体重・血圧・歩数 血糖値

バイタルデータ

在宅医療・介護サービスを直接支援するサービスの重要性

(資料)ミテネインターネット(株)作成

Page 27: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

医療・介護・福祉サービスを支える機器の重要性

26

■産業技術総合研究所では、ロボット・セラピーの研究を進め、アザ

ラシ型メンタルコミットロボット「パロ」を実用化。

■介護老人保健施設等に導入され、高齢者の心理的効果(うつの改

善等)、社会的効果(高齢者同士や介護者との会話の増加)等が

あるとともに、介護者の心労を低減することにも有効。

高齢化の進展を背景に、家庭及び医療・福祉施設等で提供される医療・介護等サービスの質や多様なサービ

ス提供へのニーズが高まることになる。特に、利用者ごとの「福祉用具サービス計画」作成がレンタル事業者

に義務づけられるなど、多様なニーズに応じた製品バリエーションが求められることから、小回りがきく中小

企業の技術とセンスを活用して「サービスの業務効率の向上等に繋がる福祉・介護機器」の開発を支援するこ

とが有効ではないか。

医療・介護現場にロボット・セラピー技術を導入

アザラシ型ロボット「パロ」 介護老人保健施設でのロボット・セラピー

■要介護者の車椅子への移乗、風呂場やトイレへの搬送等は、

介護士・看護師にとって大きな負担。

■エーアンドエー社は、半導体製造で培った技術を生かし、看護

師・介護士の負担を軽減する優しく、簡単、且つ安全に移乗す

ることが出来る電動式移乗器を開発し提供。

看護・介護士の負担を軽減する福祉・介護用具の提供

※産業技術研究所ホームページより

電動式移乗器「パルチェ」 「パルチェ」は要介護者のベッドへの移乗が約60秒で可能

※エーアンドエー(株)ホームページより

Page 28: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

(参考)福祉機器の分野

27

・福祉車両 例:障害者用自動車運転装置、車いす等用福祉車両、入浴用特殊車両、福祉施設等業務用自動車・エコカー

・コミュニケーション機器 例:補聴器、緊急通報・見守り装置、障害者用OA機器・ソフトウェア・装置補助具、障害者用AV機器

・自助具 例:食事(スプーン・フォーク、箸、食器)、更衣(磁石式ボタン、ソックスエイド)、入浴(ボディウオッシュ)、家事(包丁付きまな板)、コミュニケーション(ハンドタイパー)

・リフト等移乗用品 ・例:リフト(シート型つり具、脚部剥型つり具、床走行式リフト)、つり具(シート型つり具、脚部離型つり具、トイレ用つり具)

・杖・歩行器等補助用品 例:ロフストランド杖、松葉杖、多脚杖、歩行車、シルバーカー

・ベッド 例:ベッド、マットレス、床ずれ防止製品、サイドテーブル、介護用シーツ

・車いす 例:自走用車いす、介護用車いす、電動車いす

・住宅改修 例:屋外スロープの設置、玄関、廊下、階段、トイレ、浴室

・入浴機器 例:滑り止めマット、入浴用いす、浴槽台、バスボード、浴槽内昇、浴室用リフト

・トイレ・排泄用品 例:簡易手すり、補高便座、自動昇降機、失禁パンツパッド、ポータブルトイレ、パンツタイプオムツ、しびん

※一般財団法人保健福祉広報協会のホームページ等より作成

Page 29: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

5-1-2.医療機器産業の国際競争力強化

28

Page 30: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

29

健康・医療・福祉関連産業の成長に向けた現状と課題(3)

円高等の経済状況の下、わが国製造業のグローバル展開が加速する中で、関東経済産業局管内の中小企業は、

これまでのものづくり技術を活用し、今後の高い成長が見込める医療機器産業に対し大きな関心。

我が国の医療機器産業の国際競争力は、自動車、エレクトロニクスと比較して弱く、大幅な輸入超過。例え

ば、超音波画像診断装置やX線CT装置など国際競争力を有する分野はあるが、人工心臓や人工関節などの治

療用・手術用機器はほとんどが輸入に頼っている状況。我が国のものづくり国家としての伝統を維持する意味

でも、中小企業のものづくり力の活用を通じた医療機器産業の成長は必要不可欠。

(参考)医薬品の輸出入の推移

(出所)薬事工業生産動態統計

(出典)ともに「医療機器メーカーの成長戦略」みずほコーポレート銀行産業調査部

大分類別の輸出入状況(2010年) 輸入比率が高い製品(2010年)

医療機器の輸出入の推移 国内市場における外国製品の割合

(出所)薬事工業生産動態統計

Page 31: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

・主要プレイヤーを繋ぐ機会 ・地域発医工連携 等

中小企業のものづくり力の活用を通じた医療機器産業の成長に向けては、①中小企業の新規参入の促進、②ネット

ワーク形成(新たなニーズ発掘、販路・開発パートナーの開拓等)、③医療機器の開発・改良支援、④海外への販路

開拓支援が主となるが、中小企業のレベルや案件のステージに応じた支援を提供することが必要。

医療機器 製造業者

医療機器 製造販売業者

医療機器 販売業者

薬事法の対象範囲(それぞれ許可が必要)

・自社ブランドの医療機器を製造販売 ・医療機器のOEM(他社ブランドの製品を製造)

部材・加工技術等の供給業者

①新規参入のための環境整備

中小企業

・新規参入促進セミナーの開催 ・医療機器製造販売業者とのマッチング ・支援情報の提供 等 中小

企業

中小企業

大手企業

医療 機関

・課題解決型医療機器等開発事業 ・サポイン事業 等

参入

マッチング

③機器開発・改良支援を通じた技術力の涵養

②ネットワーク形成支援を通じたマッチング・ニーズ発掘

④海外販路開拓支援

中小の医療機器メーカー及び 中小の部材供給事業者を対象に 海外有力展示会への出展支援 等

マッチング

30

医療機器産業の育成に向けた取り組みの方向性

Page 32: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

薬事法を踏まえた開発目標の設定

クラスⅣ

クラスⅠ

クラスⅡ

クラスⅢ

新規参入に当たっては、自ら保有する技術シーズが応用できる医療機器分野を探すというアプローチだけではなく、

当該医療機器の国内外市場の状況、薬事法上の承認に係る期間・コスト、製品になった場合に得られる機器に支払わ

れる報酬など、薬事・事業化戦略をしっかりと検討することが重要。特に異業種のものづくり中小企業がこれらを独力で

検討することは難しいため、アドバイスを行える専門家や、パートナー企業等との間をつなぐコーディネータが活躍する

ような支援体制を構築することが有効ではないか。

専門家・コーディネータ・エキスパートによる、アドバイス

■地域企業等の声の例

・薬事法の申請は、申請資料の作り方によって承認期間の長短が変わる

・クラス分類によっては比較的短期に承認されるが、支払われる報酬が低くなるなどのトレードオフがある

・同一機能の機器であっても、診療科毎に薬事承認が必要となる場合がある 等

患者への侵襲性が高く、不具合が生じた場合、生命の危険に直結するおそれがあるもの

不具合が生じた場合、人体へのリスクが比較的高いと考えられるもの

不具合が生じた場合でも人体へのリスクが比較的低いと考えられるもの

不具合が生じた場合でも、人体へのリスクが極めて低いと考えられるもの

31

新規参入に当たってのマーケティングの重要性

Page 33: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

地域発の医療機器開発にあたっては、薬事対応及び事業化を担う機能を組み込んだ実施体制づくりが非常に重要。

特に医療機器産業の中心プレイヤーである医療機器メーカー(例:診療科毎に強みを持っている専門メーカー等)を巻

き込むことが重要。そのためには、地域発医療機器開発を目指す際に、医療機器メーカーの新市場開拓に資するプロ

ジェクトメイキング(技術開発・海外販路開拓支援など)が必要であり、これらのプロジェクトを通じて、部材供給を図る

ものづくり企業等への裨益を目指すことが有効ではないか。

■ 浜松医科大学及び共同研究企業で開発した、光学式3次元形状計測装置を用いた内視鏡手術用ナビ

ゲーターを採用し、耳鼻科分野での事業化に向けてシステム化。

■ コンピューター断層撮影装置(CT)画像と表面3次元形状の座標が自動的に一致する仕組み。ヘッドギ

アなどを装着せずに非接触で患者の動きを追うことができる。手術中は手術器具の位置を標識球の位

置計測で把握し、位置合わせを補正。CT画像に表示する。タッチパネル等を採用し操作性を高めた。

耳鼻科の内視鏡手術ナビゲーションシステム「NH-Y100」の開発

内視鏡手術ナビゲーションシステム「NH-Y100」

浜松医科大学 准教授 山本清二

・(株)アメリオ パルステック工業(株) ・(株)エヌエスティー ・(株)ゾディアック ・本多電子(株) ・永島医科器械(株)

共同研究企業

研究代表者

■ 本社:東京都文京区 ■ 永島医科器械は1910年創業、創業当時より耳鼻咽喉科機器

専門の製造・販売業者。耳鼻咽喉科機器のほぼ全てを扱う。 ■ ナビゲーションシステムの開発においては、耳鼻咽喉科分野で

長年培った同社のノウハウを活用、薬事法などの課題をクリアして製品化を達成。

リーダーとなる中小医療機器メーカーの巻き込みの重要性

浜松地域を中心とする地域内の医工連携体制が発端となり、医療機器メーカーの新事業展開に繋がったケース

32

※浜松・東三河地域オプトロニクスクラスターHPより

Page 34: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

■名称 第25回日本内視鏡外科学会総会 「医工連携 出会いの広場」

■日程 平成24年12月6日(木)~8日(土)

■場所 パシフィコ横浜(展示ホールA)

■主催 一般社団法人日本内視鏡外科学会

■共催 経済産業省関東経済産業局、日本医工ものつくりコモンズ

■後援 独立行政法人医薬品医療機器総合機構

■内容 ①ものづくりを中心とした中堅・中小企業の出展(17社)

②医療現場からの医療機器開発に係る課題・ニーズ発表(13名)

③医工連携の加速化にサポートを提供する機関による出展

④医療機器開発に関する相談・マッチングスペースの提供 等 医師によるニーズ発表の例。毎回多くの立ち見客で取り囲まれていた。

中小企業展示ブースには、医師や大手メーカー担当者も来訪。

学会と連携した医療現場のニーズ発信とソリューションのマッチング

医療分野に活用できる技術の情報発信のあり方(イメージ)

33

機器開発に繋がる医療現場との結びつきの重要性

地域で新たな医療機器の開発に取り組む際には、医療現場の課題・ニーズを出発点とすることが必要であるが、そのニーズが単に、医師個人のニーズではなく、多くの医師に共通なニーズであることが望ましい。したがって、特定の診療分野の医療機器のニーズを有する当該診療分野の専門医が多く集まる学会等との結びつきを強めるなど、機器開発に対する医療現場の関心を体系的に喚起し、可能な限り包括的なニーズを抽出することが有効ではないか(例:整形インプラント開発に関心の高い医師グループとの共同開発プロジェクトの創設など)。 また、ものづくりに関心を持った医師が、自らの医療現場に活用できる技術や組織の情報を容易に入手できるような情報提供のモデルを構築することが有効ではないか。

情報

情報

情報

「戦略的基盤技術高度化支援事業」等にて支援した医療分野にも応用できる技術情報等

情報

情報

情報 情報 集約 発信

情報

情報

情報

応用できる医療分野等に整理

情報

情報

情報

ホームページ等で情報発信

企業・技術情報

Page 35: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

極めて広い医療及び周辺分野の中で、薬事法規制のある医療機器がカバーする範囲は狭い

医療機器分野は、これまでの高度ものづくり技術が応用できる分野として有望である一方、薬事法の問題や事業化ノ

ウハウ等が必要であり、特に異業種からの参入は時間がかかるケースも多い。他方、薬事法の対象以外でも、より大

きなマーケット(潜在需要)が存在しており、異業種からの参入にあたっては、薬事法対象となる医療機器の市場に限ら

ず、薬事法対象外の市場のニーズを幅広く捉えることが有効ではないか。

34

検査機器等 医療機器

(薬事法対象)

その他備品

薬事法対象外の医療等関連機器の重要性

医療教育において、医療用シミュレーターは不可欠であるが、それらはアメリカ、スウェーデン、イスラエル等、その多くが輸入品であり、1,000~5,000万円と非常に高価。また、故障時のメンテナンス及びシステム更新においても輸入品であるが故に費用が嵩み、臨機の対応が難しい等の問題が生じている。

繰り返しシミュレータで訓練するため、機器には消耗・破損が生じるものの、応急修理で対応している状況国内企業におけるメンテナンスや消耗品の提供等が求められるところであり、更には、日本企業のロボット技術を活かすことが期待される。

※管内大学医学部等ヒアリングより

医療用シミュレーターのケース

全自動糖鎖自動抽出装置のケース

全自動糖鎖プロファイル診断システムの開発。

人体の成長・疾病・感染症などが起こるメカニズムを解明するには、糖鎖研究が有用と考えられてきたが、従来からの糖鎖精製は非常に難しく、熟練した研究者が数日かけて作業する必要があったところ、大学と中小企業との連携により生体試料から糖鎖のみをを自動抽出する装置の実用化に成功。

※システム・インスツルメンツ(株)ホームページより

薬事法

対象外

健康器具

福祉・介護機器・用品

非医療機器(教育用シミュレータ等)

部材供給等

Page 36: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

5-1-3.革新的医薬品の創出を担うバイオベンチャーの育成

35

Page 37: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

次世代のバイオ医薬品(抗体、核酸、遺伝子など)分野を中心としてオープンイノベーション競争が激化していることから、我が国企業が世界的な競争に打ち勝つには、新たなバリュー チェーンの構築が必要。我が国アカデミア等の研究成果を活用した革新的医薬品が早期に市場に投入されるためには、橋渡しを担うバイオベンチャーの役割が今後ますます重要。

我が国バイオベンチャーは、他のベンチャーと同様にいわゆる「死の谷」を克服できず停滞する例が多く、これを克服し、突破していくためのビジネスモデルの構築を支援していくことが重要ではないか。

我が国の大学発・研究所発バイオベンチャーは、技術志向が強く、有望な技術のみを抱えて事業スタートに踏み切るケースが多く、将来の産業化の方向性の見極めや、資金調達、財務管理、成果物の営業など企業経営力の不足によって、停滞するケースが散見される。

バイオベンチャー支援の現状と課題

販路開拓への重点的な支援 これまでの支援の軸足

バイオベンチャーの経営力強化の支援 今度力を入れて支援して

いくべき部分

36

基礎研究 非臨床試験 フェーズ2a フェーズ1

死の谷

特許の強みを最大化するための早期の提携実現

【課題】

サイエンスの追求、こだわりだけでは、出口を見失い停滞

ビジネスとして 出口を見据え 医薬品開発に むけた経営体制

損益

【課題】

早すぎる起業、技術頼みの経営など

スタートの タイミング・準備

ゴールまでの期間の短縮

Page 38: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

製薬業界での経験豊富な

経営人材、アドバイザー

バイオベンチャーの経営力強化に資する知識サービス業の重要性

バイオベンチャーの経営力強化を図るため、事業開始に先立って、保有する技術に照らしたビジネスモデルの構築等、スタートアップに必要な事項について助言等を行う知識サービス業の創出支援を行うとともに、バイオ分野に明るいビジネスパーソンの発掘等、技術志向の強い大学発ベンチャーの創始者を補完する経営パートナー人材を供給できる仕組みの拡大を図ることが重要。

37

各ステージごとに、専門性の高い外部資源と連携、活用

優れた経営体制の構築 継続的な資金調達可能な ビジネスモデルの確立

医薬品分野のコンサルタント

・新薬候補の有効性や安全性評価 ・早期POCの確保にむけた戦略立案 ・市場調査 ・特許戦略アドバイス ・治験の計画立案 など

・ライセンス先の選定 ・事業提携交渉、契約交渉 ・臨床試験(計画、進捗管理、試験結 果のレビュー等) ・薬事(規制当局対応等) など

・経営体制構築、アドバイス ・ビジネスモデルの評価 ・事業提携の交渉・契約 ・VCの選定、交渉(準備) ・株式公開(準備) など

高度な創薬シーズ創出

事業連携コーディネータ

臨床経験豊富な研究者

ベンチャー企業の

元経営者など

ラインセス経験豊かな

弁理士など 提案型のCROなど

スタートアップ(死の谷前) POC〔技術検証〕(死の谷後)

Page 39: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

38

基礎研究 非臨床試験 フェーズ2a フェーズ3 フェーズ2b フェーズ1

高度な研究成果・シーズ

研究・開発

POC確保

製薬企業と開発・製造・販売権供与契約

ベンチャーキャピタルからの出資

複数の製薬企業と研究開発契約

完成度の向上、パイプライン開発

製薬業界に精通した経営者の起用

開発費用の獲得 経験に基づき、ステージ毎の戦略を開発

経営・戦略

死の谷

研究開発支援(助金等)

ゴールを見据えた開発戦略

高度な創薬シーズ創出

優れた経営人材の獲得

継続的な資金調達可能なビジネスモデルの確立

パイプラインの開発拡充

信頼度の高いデータの創出

POC確保にむけた体制づくり

株式上場 市場からの資金調達

臨床試験

契約一時金、研究協力金の獲得

提携先との第2・第3臨床試験

承認申請

上市

オープンイノベーションの推進 ■バイオジャパン ■マッチング ■海外展示会 ■ミッション交流■各種研究会 ■セミナー

知識サービス機能の活用 ■CROによる臨床開発の支援 ■コンサルによる薬事対応の支援

知識サービス機能の活用 ■早期POC勉強会 ■セミナー

公的支援制度の活用 ■助成金等

公的支援制度の活用 ■助成金等

臨床試験の戦略(~フェーズ2A)

ベンチャーから製薬企業へ 産業化の橋渡し

パイプラインの拡充

国内外製薬企業とのマッチング

複数のパイプラインとアライアンス戦略で死の谷を突破

(参考)バイオベンチャーの産業化ロードマップ(イメージ)

Page 40: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

革新的医薬品の市場投入を早期化しバイオベンチャーがいち早く成果を上げるためには、国内だけではなく、海外

の大手製薬企業等との事業連携やロイヤリティ契約等を促進していくことが有効。そのためには、海外の製薬企業の

研究開発動向やニーズを踏まえながら、海外の産業支援機関等との交流・連携を通じて、海外大手企業に対して、わ

が国バイオベンチャーの涵養した創薬シーズを的確に発信し、契約の成立する事例が多数生まれる環境を作り出して

いくことが重要ではないか。

海外大手企業との新たなバリューチェーン構築の重要性

新薬の実用化にむけた事業連携(例:HIV 治療薬に関するライセンス契約の締結)

39

オンコリスバイオファーマ㈱は、癌と感染症を克服するための新薬開発を行っているバイオベンチャー。2010年に、H

IV感染患者を対象として第II 相臨床試験を進めている1 日1 回の経口投与で効果を示す核酸系逆転写酵素阻害剤で

あるフェスティナビルの製造、開発および商業化について全世界を対象とした独占的な権利をブリストル・マイヤーズ

スクイブ社に許諾するライセンス契約を締結。

出所:日本のがんワクチン関連国際特許の出願状況

出所:医薬産業政策研究所「政策研ニュースNO.33」より

今後、がんなどをはじめとする、創薬へのニー

ズの高い疾患領域において、我が国バイオベン

チャーの有望な技術を海外展開等を通じて実用

化を支援していくことが重要ではないか。

※各社IR資料等より作成

Page 41: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

5-2.スマートコミュニティの実現と

省エネ・新エネ関連産業の育成

40

Page 42: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

41

スマートコミュニティに関する取組コンセプト

■我が国は、エネルギーの太宗を輸入に頼っているため、近年のエネルギー価格上昇が経済成長の足かせとなって いる。このような状況を打開するため、再生可能エネルギーを積極的に導入するとともに、ピークシフトや省エネなどエネルギー使用の効率化を同時に達成することが必要。

■既に個別の住宅やビル、工場等では最適なエネルギーマネジメントを導入する取組がなされており、さらにIT、蓄電池等を用いて家庭、産業、交通などの分野を視野に入れた取組を地域に展開するスマートコミュニティの形成を促進していくことが重要。

■現在、我が国及び関東地域において、スマートコミュニティ形成に向けた先駆的な取組がなされているところ。これらの取組の内容及び推進体制の優れた点を整理し、他の地域への展開を図っていく。

Page 43: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

スマートコミュニティの先進事例:国レベルでの大規模実証事業(横浜市)

42

■横浜市では、CO2の削減を目的として、みなとみらい21などの主要3地区で、市民が実際に暮らす既成市街地でのシステム構築のための実証実験を実施中(2010年~2014年)。

■横浜市と東芝がコーディネータとなり、CEMSとHEMS・BEMS・EV・蓄電池SCADAが連係し、大規模既成市街地を舞台にした、地域エネルギーマネジメントの導入を目指す。

出所:横浜市資料より抜粋

Page 44: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

スマートコミュニティの先進事例:地場企業が連携した地域レベルの取り組み(三島市)

43

日産リーフ

■静岡ガスがコーディネータとなり、「エネファーム」+「太陽光発電」+「蓄電池」に「エネルギーマネージメントシステム」を搭載した全22区画からなるエコタウンを建設、販売し、エネルギーマネジメントサービスを提供。

■電気自動車(EV)2台を全22戸で共有するカーシェアリング事業を行い、使用頻度や環境性を調査。CO2削減にどの程度寄与するか明らかにし、低炭素社会に向けた暮らしのあり方について提言する予定。

出所:静岡瓦斯(株)HPより

Page 45: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

スマートコミュニティの先進事例:公・民・学の連携による地域レベルの取組(柏市)

スマートシティ企画株式会社(JV) 柏の葉キャンパスシティをフィールドに「スマートシティのモデル構築」を目指して、2009年9月に設立したジョイントベンチャー。現在、23社の環境関連リーディング企業が参画している。 (イーソリューションズ株式会社、伊藤忠商事株式会社、SAP AG、NEC、NTTグループ、LG CNG Co.,Ltd、川崎重工業株式会社、国際航業グループ、JX日鉱日

石エネルギー株式会社、清水建設株式会社、シャープ株式会社、積水ハウス株式会社、ツネイシホールディングス株式会社、東京ガス株式会社、凸版印刷株式会社、株式会社日建設計、日本ヒューレット・パッカード株式会社、株式会社日立製作所、一般社団法人フューチャーデザインセンター、三井不動産株式会社、三井ホーム株式会社、株式会社山武)

■三井不動産株式会社がコーディネータとなり、東京大学、千葉大学の知を活用した「公・民・学の連携」により、柏の葉キャンパスシティ(千葉県柏市)において地域全体の発電量・受電量・消費電力量を一元管理する「エリア・エネルギー管理システム(AEMS)」を新たに構築。

44 出所:三井不動産(株)HP及びスマートシティ企画(株)HPより

Page 46: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

取組の方向性

45

プロジェクト コーディネータ

企業連携の例

主な資金負担

メーカー ディベロッパー エネルギ事業者 (マネジメント)

横浜市 市役所

東芝 三井不動産 東京電力 東京ガス

国、横浜市

日産自動車 三菱地所 JX日鉱日石

三島 静岡ガス パナソニック シード 静岡ガス 住民

静岡ガス 国

柏の葉 三井不動産 日立製作所 三井不動産 東京大学 テナント 国、県

■エネルギー使用を効率化していくことにより、産業のみならず住民・テナント等の需要家も利益を享受できるシステムを形成・導入していくことを目指す。

■このようなスマートコミュニティの取組を進めていくためには、地域の資源を最大限に活用した体制を構築し、その連携を深化させていくことが重要。

■先駆け的な取組から優れた事業モデルを他の地域の事情に応じて情報提供するとともに、国や地方の施策の活用を進めていくことにより、展開を図る。

Page 47: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

5-3.クリエイティブ産業の育成

46

Page 48: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

世界市場へのブランド展開

【背景】

日本食、アニメ等による新たなファンの拡大

刺激ある文化的生活の実現

【背景】 ・IT技術の進化

・価値観、ライフスタイルの多様化

高度経済 成長期

刺激ある文化的な生活の実現にとってのクリエイティブ産業の重要性

47

大量生産

成熟した経済を実現した我が国において刺激ある文化的な生活を可能にするためには、大量生産による画一化され

た製品・サービスでは十分に満足できない消費者ニーズを的確にとらえた商品開発をしたり、新たなライフスタイルと

いった従来とは異なる価値を創造したり、地域産品等の中に我が国の素晴らしさを表現するようなクリエイティブな産業

が必要。クリエイティブ産業は、国内消費者の需要を喚起する効果だけではなく、海外に我が国の素晴らしさを発信し

浸透させることにより、国際的な我が国の地位を向上させる効果があることから、支援を強化していくべき重要な分野。

消費型社会

大規模 流通

細かなニーズ への対応・ 高付加価値化

オリジナリティ ・差別化

産地の繋がり ・顔の見える

流通

オリジナリティ 差別化

国別のマーケティングと戦略策定

世界に通用する 商品開発

効果的な 情報発信

【戦略】

①コア企業を核としたコンテンツ産業の育成

②価値創造人材を核としたクリエイティブ産業の創出

【戦略】

③グローバルマーケットへの展開促進

Page 49: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

舞台美術

アート

デザイン

テレビ・ラジオ

音楽・ビデオ

皮革製品

ジュエリー

繊維・アパレル

食・農

コンピュータソフト

伝統的工芸品

コンテンツ 地域資源 デザイン

クリエイティブ産業は、コンテンツ分野やデザイン分野のようなクリエイティブな商品を作り発信するプレイヤーや、地

域資源分野や観光分野等のクリエイティブな商品の素材を提供するプレイヤーからなる。関東経済産業局管内のクリエ

イティブ産業の活性化のためには、従来の枠組みを超えた複数のプレイヤーの新結合を図ることが重要との認識の下

、新たな事業展開の萌芽が見え始めた中小コンテンツ企業の支援、管内に存在する有望な地域資源(食・農・伝統的工

芸品等)、観光資源と価値創造人材との連携、グローバルマーケットに絞った情報発信戦略を推進。

①コア企業を核としたコンテンツ産業の育成

②価値創造人材を核としたクリエイティブ産業創出

③知日派外国人を核とした戦略的情報発信

48

刺激ある文化的な生活の実現と魅力発信 【クリエイティブ産業とそれを支える関係産業】

Page 50: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

5-3-1.コア企業を核としたコンテンツ産業の育成

49

Page 51: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

50

SNSなど新たなコミュニケーションツールが導入され、既存の情報流通構造が革新されたことにより、従来の大手企

業が販売を独占する業界構造は変化しつつあり、中小コンテンツ企業にとっては発展の大きな好機が到来。コア企業が

リーダーとなり、複数のクリエーターの特性を束ねて新たな付加価値を創出する事例が生まれ始めている。これら新た

な価値を創造するコア企業への支援を強化することにより、多様化する消費者ニーズを的確にとらえる成長機会を拡大

することが重要ではないか。

コア企業によるコンテンツ産業の牽引の重要性

ユーザー・消費者

中小コンテンツ企業群

ユーザー・消費者

大手企業

中小コンテンツ企業群

IT基盤の進化

・取引形態の多様化

・消費者ニーズ多様化

知識サービス支援

○新たな取引プラット フォー ムとのコラボレー ション(eyeka,wao等)

○人材育成支援 (知財・経営・SNS活用)

コア企業 大手企業

マス 流通

・高付加価値化 ・個別ニーズ対応

多様化

従来 現状

Page 52: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

51

コア企業によるニーズ対応の具体例

(株)リプロモは、ネット上でキャラクタービジネスの企画を提案し、広く全国の中小デザイナーからキャラクターデザイン

を募集。その中からマーケットのニーズにあったキャラクターを抽出し、スマートフォン用ゲーム、4コマ漫画等をプロ

デュースしコンテンツを高付加価値化し、ソーシャルメディアを活用し低コストでキャラクターのプロモーションを展開。

また、国内バイヤーや海外エージェント等とのマッチング支援の知見・ノウハウを有する知識サービス人材・企業を活

用し、国内外マーケットでのキャラクター商品の販売を拡大。

コア企業の具体例:(株)リプロモ

<知識サービス人材・企業>

海外における商談ノウハウを有するコーディネーターが海外エージェント等とのマッチングを支援

国内の販路開拓ノウハウを有するコーディネーターが国内バイヤーとのマッチングを支援

全国の中小デザイナー等

国内外マーケット (国内バイヤー、海外エージェント等)

キャラクター商品の開発・販売

ソーシャルメディアネットワーク活用 低コストでキャラクターの認知度向上 のためのプロモーションを展開

ネット活用 ・ネット上でキャラクタービジネス企画を提案 ・多数のデザイナーが参加するコンペにより 新たなキャラクターを制作

(株)リプロモがプロデュースするキャラクター「KOKEくん」

(株)リプロモ コンテンツの高付加価値化

スマートフォン用ゲーム、ショートアニメ、4コマ漫画、ツイッター等をプロデュース

Page 53: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

5-3-2.価値創造人材を核としたクリエイティブ産業の創出

52

Page 54: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

53

料理関連業者(シェフ等)

農業事業者 中小ハウスウェア企業等

【食・農】 【ものづくり(工業製品・伝統工芸品等)】

プロダクト・デザイナー

中小ものづくり企業

【建築(内外装)】

建築・デザイナー

中小建築関連企業

【地域活性化・街作り】

アート・クリエーター

自治体 観光組合 商店街

地域発のクリエイティブ産業を成長させるためには、地域資源、観光等の関連事業者の保有するクリエイティブ商品と

なり得る素材を掘り起し、新たな付加価値を創出する「価値創造人材」の活用が重要。複数の産業や地域を越えて、こ

のような専門人材を中核とする新たな連携を促進することにより、新たな価値を提示する商品が次々に創出される環境

整備が重要ではないか。

「価値創造人材」を核とした連携の重要性

Page 55: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

54

シェフと地域プロデューサーとがタッグを組み、地域の「食材」だけではなく「ものづくり技術」「伝統文化」などの魅

力を組み合わせて、新たなコンセプト・ストーリーを構築することにより、世界に通用する日本食の楽しみ方を提案

する『 Global Neighbor Kitchen in KANTO』を開催。地域の選りすぐりの地域資源(食材、地酒、器、道具、テーブル

ウエア等)を世界に向けて発信。

価値創造人材を核とした取り組みの具体例

伝統的工芸品

漆器 伝統的工芸品

鎚起銅器・刃物

地域資源

伝統野菜 伝統的工芸品

陶磁器

地域資源

畜産・漁業 地域資源

酒・ワイン

Page 56: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

5-3-3.知日派外国人を核とした戦略的情報発信

55

Page 57: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

56

クリエイティブ産業振興の大きな目標は、日本の文化やライフスタイルの総合的発信。世界市場に向けて効果的に発

信し、日本ブランドの浸透を図るためには、我が国に長期間滞在する親日外国人や首都圏の大使館や外資系企業に

在籍する外国人等といった、発信する日本ブランドと発信先の海外現地の双方をよく知る人材を中核として、受け入れ

先の目線に適したマーケティング・情報発信を行うことが有効ではないか。

知日派外国人を核とした戦略的情報発信の重要性

地域・中小企業 【課題】 ・魅力を発掘できていない ・ブランディングできていない ・海外目線で発信できていない

Japan Local Innovators Committee In KANTO

日本への理解が深く、グローバルマーケットに向けて情報発信力のある親日外国人プロデューサーをネットワーク化

①地域や中小企業と連動したプロジェクト創出 ②完成商品のマーケティング ③SNS等を活用した情報発信

プロデュース

世界市場へのブランド展開を支援

Page 58: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

5-4.航空・宇宙産業など先端ものづくり産業の育成

57

Page 59: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

航空・宇宙産業など新たなものづくり産業の成長を牽引するプレイヤーの支援

58

我が国のものづくり国家としての伝統を維持する観点から、次世代の若者が引き続きものづくり国家の伝統を継承し、

世界に対して我が国のものづくり力を発信し得る産業を育成していくことが重要。

このため、今後、世界市場が拡大することが見込まれるとともに、関東経済産業局管内中小企業の技術力が活かせる

産業分野(航空・宇宙産業、ロボット産業など)に対する戦略的な支援、我が国のものづくり分野の研究開発活動に不可

欠な産業技術分野(精密計測技術、微細加工技術、最先端の部素材技術)を担う中小企業の技術力維持・向上を支援

することが重要ではないか。

管内中小企業の支援の方向性

新成長分野の支援 (航空・宇宙産業、介護ロボット等)

2000年以降 自動車産業における

グローバル生産体制の再構築

1970~90年代

自動車、エレクトロニクス産業の輸出拡大による日本経済の牽引

先端ものづくり研究開発基盤の強化 (精密計測、微細加工、先端部素材)

1950~70年代 高度経済成長

(繊維産業から重化学工業へシフト)

石油危機

リーマンショック後の円高でさらに加速

エレクトロニクス産業の海外展開

1985年以降、グローバル化の進展

ものづくり大国 としての

伝統の維持

Page 60: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

5-4-1.航空・宇宙産業の強化

59

Page 61: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

航空機需要の高まりと日本企業への期待

出所:(財)日本航空機開発協会「平成23年度 民間輸送機に関する調査研究」平成24年3月(一部追記)

細胴機

広胴機

2031年は2011年の2倍強。

うち、29,800機が新規販売。

○ 世界の航空旅客輸送量は、今後も平均4.8%で成長することが見込まれ、20年後には約2.6倍になり、特に、

アジア・太平洋が世界最大の市場となって、約4割のシェアとなることが予想されている。

○ 航空輸送の主力であるジェット旅客機は、現在の約1.8万機から、20年後(2031年)には、約3.7万機となることが見込まれている。国産のMRJの受注も好調で、当初目標の1,000機を上回る見込み。

○ これらの需要増への対応から、ボーイング社、エアバス社、ロールスロイス社など欧米メーカーから我が国の航空

機関連部品製造能力に対する期待が高まっており、日本に新たなサプライチェーンの検討の動きもある。

2013年年初の段階では、三菱・川崎・富士の三重工は、MRJ対応や主に米国ボーイング社の新型機対応で製造能力をフルに活用しているとともに、石川島播磨重工も欧米のエンジン開発等への対応で製造能力のフル活用の状況。欧米メーカの潜在需要はこれ以上に存在していると見込まれ、我が国中堅・中小企業が海外大手企業との直接契約を結ぶ大きな好機が到来している状況。 60

Page 62: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

管内プロジェクトには各地に航空宇宙産業のクラスターが存在し、Nadcap取得企業も存在するが、その取組状況は一様ではない。

○三遠南信地域(浜松) 「宇宙航空技術利活用研究会」 H17.2 設立 会員数35社

内9社が共同受注G「浜松航空機プロジェクト(SOLAE)」 として活動中。JISQ9100は4社取得済み。

パリエアショー初め、海外展示会へも出展。

https://www.dopita.net/groups/group_list/1/

○三遠南信地域(飯田) 「飯田航空宇宙プロジェクト」 H17.2 設立 会員数28社内8社が共同受注G「エアロスペース飯田」として活動中。JISQ9100は6社取得済み。パリエアショー初め、海外展示会へも出展。

http://www.aerospace-iida.com/pj/org.html ○AMATERAS H21.5 設立

多摩地区と大田区の中小企業10社で構成する共同受注G。米PMAメーカーから、中小企業コンソーシアムとして、日本初直接受注実績あり。

http://www.amateras-tyo.biz/

○栃木県

栃木航空宇宙懇話会(TASK) H9.7 設立、会員数89社

http://www.tasc-tochigi.com/

とちぎ航空宇宙産業振興協議会 H19.11 設立、会員数141社・団体 JA2012出展

http://www.pref.tochigi.lg.jp/f01/work/shoukougyou/sesaku/kouku-uchusinkou_top.html

○東京都

東京国際航空宇宙産業展(ASET)2011主催。

http://www.tokyoaerospace.com/guideline/information.html

○神奈川県

航空宇宙産業参入プロジェクト “Aerospace Project in KANAGAWA” を発足。

航空宇宙産業分野への参入に関心のある県内中小企業の事業展開を支援。

○まんてんプロジェクト H15.9 設立、会員数140社

うち10社で構成する共同受注Gとして、JASPA株式会社あり。パリエアショーを初め、

海外展示会に出展

http://www.manten-project.org/ 、http://www.jaspa.co.jp/

○長野県

NAGANO航空宇宙プロジェクト H21.6 設立、会員数71社

財団法人長野県テクノ財団が事務局。

パリエアショーを初め、海外展示会に出展及び各種セミナー開催。

http://www.tech.or.jp/event/event4.php?eventid=180

下の「飯田航空宇宙プロジェクト」はプロジェクト会員。

○新潟市

NIIGATA SKY PROJECT

(産学官連携による航空機関連産業支援取組みの総称)を立上げ。

2008~2011年ファンボロー及びパリエアショーに連続出展、

2012年は、 UAVショーヨーロッパに出展。

http://www.city.niigata.lg.jp/business/kigyo/sokushinho/sky_project/index.html

(参考1)関東経済産業局管内の航空宇宙産業クラスター

61

○燕三条航空機産業参入研究会 H21.1 設立、会員数21社

航空機産業関連の講演会の開催、参入に関する検討会の実施。

http://www.tsjiba.or.jp/kaihatsu/sangaku.html

Page 63: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

(参考2)関東経済産業局管内のNadcap取得企業(34社43事業所)

出雲産業(株) 宇都宮市ほか【機械加工】

富士重工(株) 宇都宮市ほか【複合材】

櫻護謨(株) 大田原市【ゴム部品】

古河スカイ(株) 小山市ほか【鋳物・鍛造】

亀田産業(株) 宇都宮市【機械加工】

(株)三洋製作所 宇都宮市【熱処理】

加治金属工業(株) 宇都宮市【機械加工他】

ACM栃木(株) さくら市ほか【複合材】

ミネベア(株) 御代田町【機械加工】

大同特殊鋼(株) 渋川市【金属材料】

(株)日機装 牧之原市【CFRP】

多摩川精機(株) 飯田市【ジャイロセンサ】

プラクスエア工学(株) 北本市【表面処理】

MMCスーパーアロイ(株) 桶川市【金属材料】

イーグル工業(株) 坂戸市【メカニカルシール】

日本プレシジョンキャスティング(株) 長南町【精密鋳造品】

カヤバ工業(株) 相模原市【アクチュエータ】

(株)アイ・シイ・エス 愛川町【熱・表面処理】

ミネベア(株) 藤沢市【機械加工】

横浜ゴム(株) 平塚市【タイヤ】

住重フォージング(株) 横浜市【精密鍛造品】

日本飛行機(株) 横浜市【機械加工他】

(株)ジャムコ 調布市【熱処理】

(株)吉増製作所 あきる野市【レーザ加工他】

東成エレクトロビーム(株) 瑞穂町他【溶接】

(株)IHIキャスティング 昭島市【精密鋳造】

昭和飛行機(株) 昭島市【複合材・装備品】

相互発條(株) 品川区【熱処理】

(株)住友金属工業 上越市【金属材料】

Nadcapとは、ボーイング、エアバス、ロールスロイス、GE等の航空機メーカー及びエンジン・メーカーのプライム各社がメンバーとして参加しているプログラム。PRI(Performance Review Institute)という機関が開発し、1990年から運用を開始した品質保証及び特殊工程の監査・認証プログラム。(International

Aerospace Quality Group HPから引用)https://www.sae.org/?PORTAL_CODE=IAQG

山之内製作所 新潟市【機械加工】

(株)IHI瑞穂工場 瑞穂町【皮膜処理】

多摩冶金(株) 武蔵村山市 【熱処理】

平和産業(株) 船橋市【機械加工】

平和産業(株) 駒ヶ根市【機械加工】

(株)上島熱処理工業所太田区【熱処理】

増幸クローム精鍍(株) 太田区【メッキ】

(株)吉増製作所 村上市【レーザ加工他】

(株)テツカクリエート 宇都宮市【複合材】

ミネベア(株) 安中市【機械加工】

62

Page 64: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

一貫受注・生産のイメージ

Tier上位企業より提供される図面を元に、Tier上位企業における複数の工程を受注側で引き受け(工程外注)、完成部品として生産・納入する体制。この場合、材料・設計・ラインなど全てTier上位企業が指定すること等から、受注するためのハードルは高くなる。

のこぎり(型)発注のイメージ

Tier上位企業が、Tier下位企業に対し材料などを支給し、加工などのみを行う加工外注が主流。これは1工程毎に発注元に戻され、品質検査後に再度別の工程に外注されるため、Tier上位企業におけるコストの増大を招く。

納入

材料調達

材料・図面・治具の支給

・・・

求められる一貫受注・生産体制の整備

1st-Tier などの上位企業

2nd-Tier 以下の企業グループや共同受注グループ

1st-Tierなどの上位企業

材料メーカ

商社 検査 検査 検査 検査 発注 発注 発注 発注

3rd-Tier 3rd-Tier 3rd-Tier ・・・

特殊工程 組立 加工 熱処理

検査 発注

検査 検査 検査

納入

図面(治具)の支給

先の状況から、海外大手企業は、我が国の中堅・中小企業の生産能力に期待をしつつも、いわゆる「のこぎり発注」では効率が低いことから、一定規模のコンポーネント単位で一貫生産をしてくれる中堅・中小企業を要望している。

納入

納入

納入

2nd-Tier

加工

2nd-Tier

特殊工程等

2nd-Tier

熱処理 検査

63

Page 65: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

一貫生産を主導するリーダー企業の重要性

64

営業活動 リーダー(中核)企業からなる企業グループ

【リーダー(中核)企業】

特殊工程などの

中心的技術

【企業A】 難削材加工

【企業C】 表面処理・熱処理

【企業E】 溶接

【企業B】 難削材加工

• グループ内の取りまとめ

• 受注配分

• 納入部品の品質管理

• 納期管理 など

【企業D】 特殊部品(歯車など)

国内外見本市など

海外1st-Tier企業など

国内重工メーカ

契約締結

単工程を有する地域の中小企業がグループ化をして、一貫生産工程で海外から受注を受けるためには、当該生産工程で供給するコンポーネントの最終的な品質を管理するリーダー企業が不可欠。

さらに、受注を拡大し、利益を上げていくためには、当該リーダー企業が、海外大手企業に営業活動し、適切な契約条件を交渉し、当該内容で契約締結できる能力を保有していることが必要。

Page 66: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

関東経済産業局管内の航空宇宙産業支援の方向性①

○ 関東経済産業局管内における航空宇宙産業の振興に当たっては、海外大手企業から一貫生産受注を目指し、リーダー企業の存在する中小企業グループに重点的な支援を行っていくのが一案ではないか?

○ 宇都宮市

・ 栃木航空中懇話会

・ とちぎ航空宇宙産業振興協議会

・ 加治金属工業株式会社 他

○ 新潟市

・ NIIGATA SKY PROJECT

・ JASPA株式会社

・ 山之内製作所株式会社 他

○ 飯田市

・飯田航空宇宙プロジェクト

・多摩川精機株式会社

・エアロスペース飯田 他

○ 東京都

・AMATERAS 他

65

Page 67: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

関東経済産業局管内の航空宇宙産業支援の方向性②

66

○ リーダー企業が主導する中小企業グループの状況を把握しつつ、海外大手企業からの受注を獲得するための支援として、

① 当該中小企業グループの一貫工程の高度化に対する支援(品質管理能力の向上、当該一貫工程に新規特殊工程の拡充支援など)

② 当該中小企業の海外展開支援(海外展示会への出展支援、海外大手企業の日本支社とのマッチングなど)

等について、関東経済産業局の活用可能な政策ツールを総動員。

○ 現時点で、一貫生産の受注が困難と考えられる地域に対しては、

① 一貫生産を実現している中小企業グループのビジネスモデルにつき、情報提供(具体事例として、次頁以降の参考1、2を参照)。

② 地域における取組の方向性を尊重しつつ、広域での連携に興味がある地域に対しては、当該連携に係る支援を実施。

③ 地域において、一貫生産を目指す場合にも必要な支援を実施。

Page 68: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

共同工場

(参考1)共同工場を中心とする協力・協業体制モデル

67

【リーダー(中核)企業】

共同受注グループ

地域において一貫生産工程を実現する中小企業グループを支援する方策として、自治体(あるいは地域産業支援機関)の管理・運営する共同工場を整備して、中小企業グループに欠けていた工程の補充等を支援することは有効。また、表面処理、熱処理、非破壊検査等の特殊工程を担当できる中小企業の育成も重要。

表面処理・非破壊検査等の

特殊工程

その他工程の貸し工場

一 貫 受 注

一 貫 受 注

地元自治体あるいは地域産業支援機関による管理・運営

入居企業用事務所

企業連携のための

産業コーディネータの常駐

一体的に機能

Page 69: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

既に確立されたライン③

(参考2)全自動一貫生産工程などによる競争力のある生産モデル

68

全自動一貫生産ライン

地域中小企業グループが受注を拡大していくモデルとして、リーダー(中核)企業が一貫生産工程を確立し、安定的な生産に移行した後に、当該ラインをグループ内で生産を引き継ぎ、空いた生産能力で新たな一貫生産の受注を目指すモデルが有望。さらに、これを実現するために当該生産工程が全自動化されていることが望ましい。

一 貫 受 注

【企業○】 特殊工程

①製造ライン確立 ② ライン自動化 ③ ラインを構成企業 へ引き継ぎ

【企業○】 検査

引 き 継 ぎ

【リーダー(中核)企業】 (ライン構築担当)

【リーダー(中核)企業】 (営業担当)

既に確立されたライン①

【企業C】 検査

【企業A】 加工

【企業B】 特殊工程

既に確立されたライン②

【企業F】 検査

【企業D】 加工

【企業E】 特殊工程

【企業I】 検査

【企業G】 加工

【企業H】 特殊工程

工程毎に、確立された ラインの複線化などに よる更なる競争力強化

【企業○】 加工

Page 70: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

5-4-2.精密計測等研究開発型中小企業の育成

69

Page 71: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

精密計測等研究開発基盤を担う中小企業の育成の重要性

70

関東経済産業局管内中小ものづくり企業の中には、精密計測技術、微細加工技術、最先端の部素材技

術といったニッチな分野で世界のトップシェアを有する企業が存在。これらの技術は、我が国のものづくり

の高付加価値の源泉であるとともに、高付加価値の創出を維持するための研究開発活動に不可欠な産

業技術分野であることから、今後これらの産業技術分野を担う管内中小企業の技術力維持向上を支援す

ることが重要ではないか。

R&Dが支える我が国産業の発展

研究機関 大手部素材メーカー

研究開発部門

研究開発型

中堅企業

市場が発する普遍的要求:「安全」、「高機能」、「小型・軽量」、「美しく」、「快適」、「健康」・・

我が国の成長産業の発展に 精密計測等研究開発型中小企業が

極めて重要な存在

Page 72: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

精密計測技術等の必要性

71

微細加工技術 精密計測技術

●ナノ粒子分散機

粒子のダメージを

最小限に抑えた粉砕・攪拌を実現

●超高精度電子ビーム描画装置

高加速・長時間の安定性の両立により、均一な超微細パターンを描画可能

精密計測技術 は、高速・高解像度での試料の可視化を実現し、これまで解明できなかった分子レベルのメカニズムが解明できるなど、医学・生物学、金属、半導体、セラミックスなど様々な分野の研究開発に貢献。

微細加工技術 は、高精度描画技術による小型・高集積化を実現し、小型で多機能なデバイスの開発に貢献。粉砕・均等技術による高輝度な高級車向け塗料の開発や高画質なタッチパネル・ディスプレーの開発に貢献。

先端部素材 は、炭素繊維複合材料の高度成形技術による軽量で高強度な航空機・自動車機材等の開発や、カーボンナノチューブの導電性、耐摩耗性等の特性を利用した高効率、長寿命な電池部材等の開発など、環境・エネルギー分野に貢献。

●原子間力顕微鏡

世界で初めて

液中分子動画観察を実現

●走査型電子顕微鏡

低加速電圧時の最高レベルの超高分解能を実現

先端部素材

●高分子・プラスチック材料 ポリマーアロイ等

●触媒材料

●ナノカーボン材料

カーボンナノチューブ、グラフェン等

●炭素繊維複合材料

Page 73: 関東経済産業局 成長産業育成戦略 骨子(案) · 生可能エネルギーの導入促進の加速化、次世代自動車の普及促進等エネルギー面での新展開が進捗する中で、エネルギー・

精密計測等研究開発基盤を担う中小企業の支援の方向性

72

国内市場の縮小に伴い、一定の市場で競争力を保持してきたニッチトップ企業も、新たな産業分野や北米、欧州、ア

ジア等の成長が見込まれる地域への展開が必要。

新規市場への参入にあたり、国内外市場の状況、開発コスト、安全性評価、知的財産管理、関連規制への対応等、事

業化戦略を十分に検討することが重要であるが、中小企業が独自に情報を入手することは困難であることも多く、マー

ケティングの支援など知識サービスを提供できる人材・企業の活用が有効ではないか。また、既存市場の確保のため、

保有している技術分野の一層の高度化をさらに深化させることが必要ではないか。

戦略的ターゲティング

海外マーケットへの展開

大学・研究機関・企業R&D部門

一般市場

バイオ・医療

・・

材料

電子・情報

環境・エネルギー

航空・宇宙

微細加工 精密計測

先端部素材

A社 B社

A社

自社の加工技術をナノレベルまで高度化し、 当該市場で競合の少ない地位を確立。

市場ニーズ、新需要創造、差別化、戦略商品、・・・

C社

設立当初から高い技術を有しており、コア技術の高度化により市場を開拓。

セットメーカー

部材メーカー

大手企業 R&D部門

研究開発型 中堅企業

大学・研究機関

新規市場への参入

既存市場だけでなく、その技術を生かせる分野をマーケティングし、他の市場にも新規参入することが必要。

国内マーケットが縮小する中で、保有する高度な加工装置や計測・分析機器を海外へ発信していくことも重要。