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料飲店等期限付酒類小売業免許 専用
酒類販売管理研修“ふりかえり"テキスト
オンライン期限付酒類販売管理研修を受講された皆様へ
作成:全国小売酒販組合中央会
新型コロナウイルス感染症に関連して、飲食業界が大きな影響を受けて
いるなか、料飲店等が在庫酒類の持ち帰り用販売等により資金確保を図る
ために、時限的な酒類小売業免許として「料飲店等期限付酒類小売業免許」
が付与されることとなりました。
本研修は、通常の酒類販売管理研修とは異なる「料飲店等期限付酒類小
売業免許専用」研修となります。皆さまは免許期間中、酒類販売管理者と
して酒類の適正な販売管理の確保に努めなければなりません。
オンライン期限付酒類販売管理研修の講義内容の復習にお役立てくださ
い。
P8~11
P12~17
P18~21
目次
はじめに………………………………………………………………………1
1 料飲店等期限付酒類小売業免許●料飲店等期限付酒類小売業免許………………………………………2●留意事項…………………………………………………………………2●料飲店等期限付酒類小売業免許Q&A………………………………3
2 酒類販売管理者●社会的要請………………………………………………………………4●3つの「義務」…………………………………………………………5●酒類販売管理者選任時の留意事項……………………………………6●責任者の指名と配置……………………………………………………7
3 酒税法関係●記帳義務…………………………………………………………………8●申告義務…………………………………………………………………9●届出義務…………………………………………………………………10●承認を受ける義務………………………………………………………11●カクテル等の「酒類の無免許製造」について………………………11
4 酒類業組合法関係●酒類の品目等の表示義務………………………………………………12●「酒類の表示の基準」にかかる国税庁の定める重要基準…………13●酒類の陳列場所における表示…………………………………………14●陳列の具体例…………………………………………………………15~●酒類の通信販売における表示…………………………………………17
5 未成年者飲酒禁止法関係●未成年者飲酒禁止法とは………………………………………………18●年齢確認の方法を確認しよう………………………………………19~●なぜ20歳未満がお酒を飲んではいけないのか………………………21
P2~3
P4~7
P23
P24
P25
P26~28
P29
P30
P31~32
6 独占禁止法関係●酒類の公正な取引に関する基準………………………………………22
7 環境関係法●レジ袋の有料化…………………………………………………………23
8 酒類の分類方法●酒類の分類………………………………………………………………24
9 酒類の表示基準●清酒の製法品質表示基準………………………………………………25
10 酒類の歴史、製造方法と保存管理上の注意●酒類の歴史を振り返りましょう……………………………………26~●酒類の保存管理上の注意………………………………………………28
11 お酒と健康●急性アルコール中毒とは何か…………………………………………29
12 参考法令(道路交通法とお酒)●「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」…………………………………30
13 チェックテストの解答●研修の理解度をはかってみましょう………………………………31~
P22
2
はじめに
近年、酒類販売を取り巻く環境が大きく変化している中で、20歳未満の飲酒防止やアルコール健康障害対策をはじめとする酒類販売に対する社会的要請が一層高まっています。料飲店等期限付酒類小売業免許の方であっても、これらに適切に対応しながら、遵守すべき法律への対応、店内の法定表示、美味しいお酒を提供するためのお酒の知識の習得や商品管理を実践していかなければなりません。このテキストには、それらを行う上で必要な知識をしっかりと、コンパクトに詰め込みました。酒類は致酔性や習慣性を有する社会的配慮を有する物資であるとともに、国の担税物資です。売れさえすれば何でも良いという訳ではないということをしっかりと学び、日々のお仕事の中で実践していただく必要があります。
3
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Point 1
Point 2①酒類の仕入、販売について帳簿に記帳する義務が課されるほか、販売数量の報告等を行う必要がある。
②「量り売り」や「詰め替え」をすることが出来る。※但し、詰め替えを行うには手続(届出・表示)が必要。
③近隣からインターネット等を利用して2都道府県以上の広域な地域の消費者等を対象として酒類を販売することはできない。
④原価割れ販売を禁止する「酒類の公正な取引に関する基準」を遵守する必要がある。⑤酒類販売管理者を選任等する必要がある。
⑥各自治体から各種の要請等がある場合、これに従うことを条件とする。
対 象 料飲店等を経営している事業者
免許期間 免許日から6か月
仕入方法 既存の在庫や既存の取引先(酒販店)からの仕入に限る※新規の取引先から仕入れた酒類は販売できません。
料飲店等期限付酒類小売業免許
留意事項
1 料飲店等期限付酒類小売業免許
4
Point 3
Q:販売できる数量や酒類に制限はありますか?A:販売できる酒類の数量に制限はありませんが、販売できる酒類は、既存の在庫をはじめ、既存(従来)の取引先(酒販店)から仕入た酒類に限られます。
Q:電話やインターネットで注文を受け、例えば料理と併せて酒類も配達できますか?
A:注文を受け、近隣に配達する事は可能ですが、2都道府県以上の広域な地域の消費者等を対象として酒類を販売する場合は「通信販売酒類小売業免許」を取得する必要があります。
詳細については、税務署の酒類指導官までお問合せください。酒類指導官は全ての税務署に配置されていませんので、配置されている税務署を国税庁ホームページで確認して下さい。【国税庁ホームページ】https : //www.nta.go.jp/taxes/sake/sodan/index.htm
料飲店等期限付酒類小売業免許のQ&A
1 料飲店等期限付酒類小売業免許
5
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従来、酒類業者の責任は、酒類が担税物資であることから、酒税の円滑な確保に集約して考えられてきましたが、近年では酒類の特性を踏まえ、様々な社会的要請が求められるようになりました。酒類小売事業者が応えるべき主な社会的要請は以下の7つの項目です。
Point 1
①消費者ニーズに応えた商品・情報の提供②マナー広告の実施など飲酒教育及び啓発③法律遵守等による自由かつ公正な取引の確保④酒税の確保への貢献⑤20歳未満の者の飲酒防止⑥飲酒に起因する事件、事故等の発生防止⑦リサイクルに関する責任の遂行
社会的要請
2 酒類販売管理者
6
Point 2
酒類小売業者は酒類の小売販売場毎に酒類販売管理者を1名選任しなければなりません。酒類販売管理者に関連して、酒類小売業者が遵守しなければならない3つの義務は以下の通りです。
義務1 酒類の販売業務を開始するまでに、過去3年以内に酒類販売管理研修を受講した者のなかから1名、酒類販売管理者に選任しなければならない。
義務2 酒類小売業者は、酒類販売管理者に前回の受講から3年を超えない期間毎に研修を再受講させなければならない。※オンライン期限付酒類販売管理研修の研修有効期限内となります。
※期限付酒類小売業免許の方は、免許期限到来後、通常の酒類小売業免許に切り替える場合、通常の酒類販売管理研修を受講する必要があります。
義務3 酒類小売業者は、酒類の販売場毎に公衆の見やすい場所に酒類販売管理者の氏名や研修受講事蹟等を示した標識を掲げなければならない。
3つの「義務」
2 酒類販売管理者
7
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Point 3
酒類業者への社会的要請の高まりや、様々な法律の遵守など、酒類販売管理者の担う役割は多岐にわたり、また、その責任も重大です。酒類販売管理者を選任する際には、以下について留意するよう求められています。なお、酒類販売管理者を選任したら必ず「酒類販売管理者選任
(解任)届出書」を所轄の税務署に提出しなければなりません。
■留意事項1引き続き6ヶ月以上の期間、雇用を予定してる者。
■留意事項2他の販売場で酒類販売管理者に選任されていない者。
■留意事項3酒類を取り扱うという観点から、20歳未満の者などの場合には、選任できません。
酒類販売管理者選任時の留意事項
8
Point 4
酒類販売管理者が、選任された販売場に長時間不在となるなど、以下の場合は責任者を指名、配置するよう国税当局から指導が行われています。
①夜間(23時~翌日5時)に酒類販売を行う場合
②酒類販売管理者が選任された販売場に長時間(2~3時間以上)不在となる場合
③酒類販売場の面積が著しく大きい(100平方メートル以上)場合
④同一建物内において酒類販売場を設置している階が複数ある場合
⑤同一階にある複数の酒類販売場が著しく離れている(20メートル以上)場合
⑥複数の酒類販売場が著しく離れていない場合であっても同一の階において点在が著しい場合(3箇所以上)
⑦酒類販売管理者のみでは適正な販売管理の確保が困難と認められる場合
責任者の指名と配置
2 酒類販売管理者
9
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Point 1
酒類小売業者は、酒類の仕入・販売について帳簿に記帳し、帳簿閉鎖後5年間保存しなければなりません。この義務に違反すると1年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑に処されます。また、罰金刑以上に処された場合、免許の取消事由になります。
仕入・販売ともに、数量、価格、年月日、取引相手先の住所及び氏名または名称の記載が必要です。なお、いわゆるPOSシステムを採用してい
る販売場の場合、システムにより作成された帳簿類に必要事項が出力されるのであれば、出力されたものを綴って保存することで記帳義務が果たされます。
仕入・販売に関する帳簿に記載すべき事項
記帳義務
3 酒税法関係
10
Point 2
酒類小売業者は、以下の事項について所轄税務署長に申告する義務があります。
免許期限日から1カ月以内●酒類の販売数量等報告書
該当することになった場合に申告●酒類販売業休止・申告書※申告を怠った場合、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑に処されます。
●異動申告書●酒類蔵置所設置・廃止申告書
税務署長から求めがあった場合に申告●酒類の販売先等報告書
申告義務
3 酒税法関係
11
Point 3
酒類を詰め替えようとする場合には、詰替えを行う2日前までに「酒類の詰替え届出書」により所轄の税務署長に届け出なければなりません。届出を怠った場合には、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑に処せられます。
酒類の詰替えってなんだろう??
酒類の詰替えとは、例えば、酒類小売事業者が、樽入等の大型容器で仕入れた酒類を、予め他の小型容器に小分けする等して販売することを指します。酒屋さん等で見かける、いわゆる「量り売り」
の場合は税務署への届出は必要ありません。※期限付酒類小売業免許でも同様です。
酒類販売管理者の基礎知識
届出義務
12
Point 5
Point 4
酒類小売業者が酒類に水又は酒類を混和しようとする場合、所轄税務署長に承認を受けなければなりませんが、現在この承認は原則として与えられないこととなっています。承認を受けずに混和した場合、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑に処せられます。
バー、酒場などの料飲店等において、消費者(客)の求めに応じてカクテル等を作り、提供することが一般的に行なわれていますが、カクテル等を作ること(酒類等を混和する行為)は、本来、酒税法の規定により「酒類の製造」に該当します。 ただし、料飲店等が自店舗において消費者(客)の求めに応じてカクテル等を作り、提供することは、「消費の直前」の行為であることに鑑み、例外的に酒類の製造には当たらないこととされています。このため「消費の直前」を前提としない「カクテル等の販売」については、酒類の無免許製造の規定に抵触しますので、①「酒類の製造」を伴わない販売方法、②通常の料飲店等が行う「酒類の提供」の範囲内で行う必要があることにご注意ください。
カクテル等の「酒類の無免許製造」について
承認を受ける義務
3 酒税法関係
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Point 1
品目:果実酒容量:750㎖アルコール分:13%酸化防止剤(亜硫酸塩)含有原産国:フランス輸入者:㈱●●ワイン住所:東京都目黒区中目黒●―●―●《お酒は20歳になってから》
日本国内で流通する酒類には、必要事項を酒類の容器又は包装に表示しなければなりません。違反すると、50万円以下の罰金刑に処され、免許の取消事由になります。
①住所②氏名または名称③取引先または詰替の場所の所在地④内容量⑤酒類の品目⑥アルコール分⑦税率の適用区分を表す事項⑧発泡性を有する酒類である旨
酒類の品目等の表示義務
4 酒類業組合法関係
14
Point 2
酒類小売業者は、酒類の品目等の表示義務のほか、以下について表示をしなければなりません。表示の基準を遵守しなかった場合には、命令を受け、その命令に違反する者は50万円以下の罰金刑に処せられ、免許の取消事由になります。
上記のうち、下線を引いた3つの基準は、酒類小売業者が直接に遵守すべき表示の基準です。
「二十歳未満の者の飲酒防止に関する表示基準」
イ.酒類容器又は包装に対する表示ロ.酒類の陳列場所における表示ハ.酒類の自動販売機に対する表示二.酒類の通信販売における表示
国税庁の定める重要基準
「酒類の表示の基準」にかかる国税庁の定める重要基準
4 酒類業組合法関係4 酒類業組合法関係
15
お酒コーナー
■文字の大きさは 100ポイント以上の 大きさにしてください。
■100ポイントは最低基準です。
売場に合わせてできるだけ大きな文字で表示しましょう。
20歳以上の年齢であることを確認できない場合には酒類を販売しません
お酒コーナー
20歳以上の年齢であることを確認でき
ない場合には酒類を販売しません
<酒類の陳列場所における表示例>■表示① 「酒類の売場である」旨等の表示
■表示② 「明確に区分」するための表示(文字の大きさの定めはありません。)
これはお酒です。20歳以上の年齢であることを確認できない場合には酒類を販売しません。
■酒類の陳列場所における表示
Point 1
Point 2
20歳以上の年齢であることを確認できない場合には酒類を販売しません。
お酒コーナー
文字の大きさ
お酒コーナーパネルの設置
①「酒類の売場」または「酒類の陳列場所」である旨の表示
②「20歳以上の年齢であることを確認できない場合は酒類を販売しない」旨の表示
①①
②② ⬇
16
■酒類の陳列場所における表示
Point 3酒類の適正な販売管理を確保するためには、酒類と酒類以外の商品を明確に区分して陳列することが必要です。陳列の具体例を確認してみましょう。
上図のように、陳列されている商品が酒類であると購入者が容易に認識できるよう表示をしてくだい。
酒類の商品陳列の具体例
4 酒類業組合法関係4 酒類業組合法関係
17
▼酒類売場である旨の表示酒類の陳列場所の見やすいところに、「酒類の売場である」又は「酒類の
陳列場所である」旨、「20歳以上の年齢であることを確認できない場合には酒類を販売しない」旨を表示して下さい。
CHECK! 販売場に合わせた適切な表示・陳列をしましょう!
▼区分陳列酒類とそれ以外の商品を明確に区分して陳列し、「酒類の売場である」旨、「20歳以上の年齢であることを確認できない場合には酒類を販売しない」旨を表示して下さい。
18
■酒類の通信販売における表示
1 酒類に関する広告又はカタログ等(インターネット等によるものを含む。)・「20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されている」又は「20歳未満の者に対しては酒類を販売しない」旨・酒類販売管理者の氏名や、酒類販売管理研修の受講事績等2 酒類の購入申込者が記載する申込書等の書類(インターネット等により申込みを受ける場合には申込みに関する画面)申込者の年齢記載欄を設けた上で、その近接する場所に「20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されている」又は「20歳未満の者に対しては酒類を販売しない」旨3 酒類の購入者に交付する納品書等の書類(インターネット等による通知を含む。)「20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されている」旨
表示義務が課せられる通信販売とは、商品の内容、販売価格その他の条件を提示し、郵便、電話その他の方法により売買契約の申込を受けて、提示した条件に従って行う商品の販売を指します。料飲店等期限付酒類小売業免許においてもインターネット等で注文を
受け、近隣に配達することは可能です。しかし、2都道府県以上の広域な地域の消費者等を対象として、インターネット等を利用して酒類を販売する場合は「通信販売酒類小売業免許」を取得しなければなりません。
4 酒類業組合法関係4 酒類業組合法関係
19
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Point 1
①20歳未満の飲酒は未成年者飲酒禁止法で禁じられています。
②親権者等は、その子供が飲酒していることを知った場合には、これを制止しなければならず、制止しない場合には、科料に処せられます。
③事業者は、20歳未満の飲酒防止に資するため、「年齢の確認その他必要な措置」を講じなければなりません。この規定は酒類の購入者の年齢を確認する法的根拠となります。
④20歳未満が飲用することを知って酒類を販売又は供与した場合には、50万円以下の罰金に処せられます。※未成年者飲酒禁止法の規定に違反し罰金の刑に処せられた場合、酒税法の規定により酒類販売業免許等の取消事由になります。
・20歳未満と思われる者に対する年齢確認の徹底・夜間における20歳未満の酒類購入を責任をもって防止できる者を配置する等、販売体制の整備・酒類と清涼飲料との分離陳列の実施・酒類自動販売機の撤廃及び設置した改良型酒類自動販売機※の適切な管理※年齢確認機能を備えた酒類自動販売機・20歳未満と思われる者に対する年齢確認の実施方法などの従業員研修等の実施
「年齢確認その他必要な措置」とは?
未成年者飲酒禁止法とは
5 未成年者飲酒禁止法関係
20
保護者の皆様へ保護者の皆様へ
当店では
20歳未満には
お酒を売りません。 保護者の皆様へ保護者の皆様へ
当店では、お使いでも20歳未満には酒類を販売しません。ご理解とご協力をお願いします。
酒店
CASE1
Point 2
POINT親御さん等からのお使いであっても、20歳未満に酒類を販売することはできません。20歳未満には酒類を販売することはできない旨を丁寧に説明し、保護者に宛てた手紙をお渡しするのも良いでしょう。
明らかに20歳未満と思われるお客様への対応例
年齢確認の方法を確認しましょう
5 未成年者飲酒禁止法関係
21
CASE2
POINT20歳未満と思われる者が酒類を購入しようと場合には、年齢確認が必要です。身分証明書を持ち合わせていないと言われた際には、20歳以上であると確認できないため、酒類を販売することはできない旨の説明をしましょう。
一般的に見て20歳未満と思われるお客様の対応例
22
Point 3
従業員が20歳未満に酒類を販売した場合には、従業員のみならず、免許者も処罰の対象になります。また、適切な年齢確認を行わないと、20歳未満の間で「あのお店なら酒を売ってくれる」といった風評が立ち、事件につながる可能性があります。
20歳未満の飲酒は、心身の成長に様々な悪影響を及ぼします!
私たちに求められていることは?
なぜ20歳未満がお酒飲んではいけないのか
・脳の神経細胞への影響が大きい・成長障害・性腺機能障害の危険・肝臓等の臓器障害 など
・急性アルコール中毒のリスクが高まる・アルコール依存症を発症しやすい
など
・学校生活への悪影響・成績の低下、交友関係への影響
など
5 未成年者飲酒禁止法関係
身 体
精 神
社会性
23
仕入原価
購入代価、リベート 運送費
販売費 一般管理費
広告費、人件費倉庫費
福利厚生費光熱費
総販売原価国税庁
酒類の公正な取引の基準
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独占禁止法の不当廉売のほかに、酒類については「酒類の公正な取引に関する基準」を順守する必要があります。
総販売原価とは?
Point 1
酒類業者は次のいずれにも該当する行為を行ってはなりません。①正当な理由なく、酒類を総販売原価を下回る価格で継続して販売すること②自己又は他の酒類業者の酒類事業に相当程度の影響を及ぼすおそれがある取引をすること
酒類の公正な取引に関する基準
6 独占禁止法関係
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Point 1
令和2年7月1日より、全国でプラスチック製買物袋(いわゆるレジ袋)の有料化が始まっています。これはプラスチック製買物袋を取り扱う全ての事業者が対象です。対象とは、消費者が購入した商品を持ち運ぶために用いる持ち手のついたプラスチック製買物袋です。有料化の判断には4つのポイントがあります。
ただし、一定の条件にあるプラスチック製買物袋については有料化の対象外となります。提供するプラスチック製買物袋の価格や売上の使途は事業者が自ら設定することになります。
①素材がプラスチックである。
②持ち手が付いている。
③商品をいれるための袋である。
④消費者が辞退することが出来る。
レジ袋有料化の判断ポイント
レジ袋の有料化
7 環境関係法
25
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製造方法による分類①醸造酒イ.単発酵酒 …ワイン 等ロ.単行複発酵酒 …ビール、発泡酒 等ハ.並行複発酵酒 …日本酒
②蒸留酒 …焼酎、ウイスキー 等③混成酒(再生酒) …みりん、リキュール 等
酒税法による分類
Point 1
酒類には大きく2つ、「製造方法による分類」と「酒税法による分類」に分けることが出来ます。
酒類の分類
酒類の分類(種類) 該当する酒類(品目) 酒類の分類(種類) 該当する酒類(品目)
1 発泡性酒類
①ビール②発泡酒
【その他の発泡性酒類】(品目ではありません。)※ビール及び発泡酒以外の品目の酒類のうち、アルコール分10度未満で発泡性のある酒類
3 蒸留酒類(注)
⑥連続式蒸留焼酎⑦単式蒸留焼酎⑧ウイスキー⑨ブランデー⑩原料用アルコール⑪スピリッツ
2 醸造酒類(注)
③清酒④果実酒⑤その他の醸造酒
4 混成酒類(注)
⑫合成清酒⑬みりん⑭甘味果実酒⑮リキュール⑯粉末酒⑰雑酒
(注)その他の発泡性酒類に該当するものは除かれます。
8 酒類の分類方法
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かつて清酒には、吟醸酒や純米酒などの表示に統一された基準がありませんでした。消費者からどのような品質のものかよく分からないという声が高まったことから、平成元年11月に「清酒の製法品質表示基準」が定められました。
Point 1 清酒の製法品質表示基準を確認しよう
特定名称 使用原料 精米歩合 こうじ米使用割合 香味等の要件
吟 醸 酒 米、米こうじ、醸造アルコール 60%以下 15%以上 吟醸造り、固有の香味、
色沢が良好
大 吟 醸 酒 米、米こうじ、醸造アルコール 50%以下 15%以上 吟醸造り、固有の香味、
色沢が特に良好
純 米 酒 米、米こうじ ― 15%以上 香味、色沢が良好
純米吟醸酒 米、米こうじ 60%以下 15%以上 吟醸造り、固有の香味、色沢が良好
純米大吟醸酒 米、米こうじ 50%以下 15%以上 吟醸造り、固有の香味、色沢が特に良好
特別純米酒 米、米こうじ60%以下又は特別な製造方法(要説明表示)
15%以上 香味、色沢が特に良好
本 醸 造 酒 米、米こうじ、醸造アルコール 70%以下 15%以上 香味、色沢が良好
特別本醸造酒 米、米こうじ、醸造アルコール
60%以下又は特別な製造方法(要説明表示)
15%以上 香味、色沢が特に良好
9 酒類の表示基準
27
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清酒(日本酒)紀元前4世紀頃の縄文時代末期から弥生時代初期に稲作が日本に伝わったのに伴ってお米を原料とする酒造りが始まったのではないかといわれています。奈良、平安時代には宮廷に造酒司という組織が置かれ、米のお酒が供されていたようです。日本の伝統文化に深く結びついたお酒として、日本の國酒に位置付けられています。
焼酎単式蒸留焼酎(乙類)が日本に登場したのは15世紀中頃の沖縄といわれています。その後、16世紀になると鹿児島に上陸し、次第に九州へ伝播したようです。単式蒸留焼酎は、芋や麦など自然の原料を使い、「本格焼酎」などと呼ばれています。こちらも日本の國酒に位置付けられています。
一方、連続式蒸留焼酎(甲類)は19世紀にアイルランドで開発され、日本で初めて造られたのは1900年頃といわれています。
Point 1
私たちが日常的に口にするお酒にも様々な歴史があります。その中でも特に身近なものについて、歴史と製造方法について確認してみましょう。
酒類の歴史を振り返りましょう
酒類の歴史、製造方法と保存管理上の注意10
28
ビールビールの歴史は大変に古く、紀元前4000年頃にまで遡ります。その後15世紀末にドイツのバイエルン地方において、低温で発酵する酵母を使用した「下面発酵方式」が登場すると味がまろやかで香りも良いビールが醸造できるようになりました。日本でビールが醸造されるようになったのは明治になってからです。当時は大変な高級酒でした。
ワイン世界には実に様々なワインがありますが、近年では日本の風土や食文化に育まれたワインとして「日本ワイン」が注目を集めています。平成27年10月に、国税庁は国産ブドウのみを原料とした果実酒を「日本ワイン」と定義付けしました。北海道や山形県、山梨県、長野県などが国内の主なワインの産地となっています。
10 酒類の歴史、製造方法と保存管理上の注意
29
「日光(紫外線)に当てないこと」「高温の場所に置かないこと」は、お酒を美味しく保つうえで大切です。
美味しいお酒をお客様に提供するには、正しい保存管理がとても重要です。
Point 2 酒類の保存管理上の注意
UVCUVCUVCUVC
UVBUVB UVBUVB
UVAUVA
30
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Point 1
過度な飲酒は、急性アルコール中毒や神経障害その他の障害を招く場合があります。
飲んだお酒は、胃や小腸から吸収され、血液中に入り全身に行き渡ります。飲酒によって血中アルコール濃度が最高に達するまでには通常30分から1時間程度かかります。いっきにお酒を飲めば身体からの警告を感じる前に全身にお酒がまわってしまい、気付いた時には予想以上の深酔いになっている場合があります。「酔い」とは、お酒による麻酔効果の現れです。全身麻酔と同じような状態になり、嘔吐物がのどに詰まって窒息して死に至るケースがあります。
急性アルコール中毒とは
急性アルコール中毒とは何か
11 酒類と健康
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Point 1
●酒気帯び運転とは
●酒酔い運転とは
(法第八十六条の九第一項の財務省令で定める法令)・不当景品類及び不当表示防止法・資源の有効な利用の促進に関する法律・食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律・米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律・アルコール健康障害対策基本法を遵守する必要があります
●酒気を帯びて車両等を運転するおそれのある者に対して酒類を提供することも禁止されています。
血液1ml につき0.3mg以上、又は呼気1ℓにつき0.15mg以上のアルコールが検出された場合【罰則】3年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑
酒に酔った状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれのある状態)で車両等を運転した場合【罰則】5年以下の懲役又は100万円以下の罰金刑
飲酒運転同乗者及び酒類提供行為者のうち、運転者が酒気帯び運転の場合には、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金、運転者が酒酔い運転の場合には3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されます。
酒類販売管理者の基礎知識
「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」
12 参考法令(道路交通法とお酒)
ご質問は、以下の当会ホームページ 期限付酒類販売管理研修ペー
ジの「よくあるご質問」をまずご確認ください。お問合せは、
同ページ内「お問合せフォーム」よりお願いいたします。
[全国小売酒販組合中央会 期限付酒類販売管理研修
ページ]http://ajlma.or.jp/tarining/kigen.html