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iv 訳者序文 1992 A.B. ベル B.S. 1 メリ 5 ベル 5 2005 ベル フレ 2002 8 FRB 2005 6 CEA 2006 2 FRB FRB メリ メリ —– フレ —–

訳者序文 - cap-shuppan.co.jp訳者序文 v ド」,「キーダイヤグラム」,「重要方程式」および3 つのタイプの問題が配置 されており,学生諸君は全体を通じて本書を学習することにより経済学者の

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iv

訳者序文

1992年に出版された A.B.エーベル,B.S.バーナンキ著『マクロ経済学』

の第 1 版は,アメリカの大学のみならず世界中の大学の教師によってマク

ロ経済学のテキストとして幅広く採用され,多くの教師と学生から好評を得

て,版を重ねて現在第 5版である。本著はこのエーベル,バーナンキ著『マ

クロ経済学』の最新の第 5版(2005年)の日本語版である。この改訂版の

日本語版を出版することができ,訳者一同大変嬉しく思っている。

著者エーベル教授は投資理論や金融理論の分野の重鎮として活躍する経済

学者である。一方のバーナンキ教授はマクロ経済理論や物価安定の数値目標

を明示する「インフレ目標」の研究で最も注目されている経済学者であると

ともに,2002年 8月に連邦準備制度理事会(FRB)の理事に就任,2005年

6月から米大統領経済諮問委員会(CEA)委員長をつとめ,2006年 2月に

FRBアラン・グリーンスパン議長の後を引き継いで FRB議長に就任し,ア

メリカの金融政策の舵をとっている。

本書の特徴は,第一に,アメリカや日本をはじめとする先進国経済だけで

なく発展途上国経済をも対象とし,今日的なマクロ経済問題を幅広く取り上

げ,これらに対して,生産関数,現在の消費と将来のための貯蓄とのトレー

ドオフ,および需給分析などの核となる経済学の基本概念を幅広く応用し

ている点である。さらに,本書におけるすべての分析—–経済成長,景気循

環,インフレの分析,および古典派とケインズ学派—–では,単一の経済モ

デルやこのモデルの拡張にもとづく統一的なアプローチを採用している。

第二に,本書の上巻で古典派とケインズ学派が認めている長期の問題に焦

点をあてて分析し,次に下巻でこの基本理論モデルを用いて,各派の仮定に

もとづき短期の経済変動の問題や広範囲なマクロ経済問題を分析するとと

もに,実際のデータを重視し,問題を解決するための経済政策を提示してい

る。第三に,学生諸君の理解を助ける「要約表」,章末において「キーワー

訳者序文 v

ド」,「キーダイヤグラム」,「重要方程式」および 3つのタイプの問題が配置

されており,学生諸君は全体を通じて本書を学習することにより経済学者の

ように経済問題が解けるようになれるのである。

今回の改定版では原著を 2分冊にし,原著の第 I部(第 1章および第 2章)

と第 II部(第 3章~第 7章)を日本語版の上巻(マクロ経済理論編)に,原

著の第 III部(第 8章~第 11章)と第 IV部(第 12章~第 15章,および付

録 A)を日本語版の下巻(マクロ経済政策編)に収めた。すなわち,日本語

版の上巻はマクロ経済学の核となる基本理論モデルを説明したマクロ経済理

論編であり,下巻は景気循環,財政・金融政策,および国際経済政策などの

マクロ経済政策を論じたマクロ経済政策編である。さらに,今回の改訂版で

は主要な経済変数に関して日本のデータを追加した。

本書を教科書として利用するとともに,章末の「章の要約」や「キーダイ

ヤグラム」「キーワード」で基本概念を整理し,さらに復習問題・演習問題・

マクロ経済を使った演習問題をコツコツと自分で解き,ぜひ経済学者のよう

に現実の経済問題を分析し,経済問題に対して政策提言ができるようになっ

ていただけることを切望する次第である。

翻訳の分担は次の通りである。徳永澄憲 (第 1章~第 3章,第 7章,第 9

章,第 12章),伊多波良雄 (第 4章,第 5章,第 15章),谷口洋志 (第 6章),

大野幸一 (第 8章),高橋秀悦 (第 10章,第 11章,第 13章),成相修 (第 14

章)。また,日本のデータを用いた図表作成では阿久根優子さんと塩津ゆり

かさんの協力を得た。

2005年 12月

訳者一同

vi

原著序文

共著者のベン・バーナンキは,2002年 8月に米連邦準備制度理事会(FRB)

の理事に就任した。この就任により,彼は本書の概念を用いてアメリカの金

融政策の舵取りに参画する機会を得たが,本書(第 5版)を書き上げるうえ

で時間的制約を受けることになった。しかし,われわれは幸いにもリッチモ

ンド大学経済学部のディーン・クルーショア準教授の助けを得ることができ

た。ディーンは本書の初版から第 4版までの教師用マニュアル・テストバン

クの共著者,第 3版と第 4版のスタディガイドの著者であるとともに,第 4

版までの原稿の協力者であり,初版以来本書と関連が深い経済学者である。

ディーンは,フィラデルフィアの連邦準備銀行のエコノミストとして 15年

間,その間の 12年間マクロ経済部門の長として活躍するとともに,その間

ペンシルベニア州立大学,テンプル大学,ペンシルベニア大学ウォートン・

スクール,ジョンズ・ホプキンズ大学,プリンストン大学,およびリッチモ

ンド大学で学生にマクロ経済学を教えており,学生諸君にアピールするよう

に,現実の経済問題を取り入れ,本書がつねに新鮮になるよう助けてくれて

いる。

第 5版では,われわれは,教師や学生諸君に本書を末永く使ってもらうた

めに,本書のデータを最新のものとするとともに,新しい材料を以下のよう

に付加した。

■ 現実の世界の応用例 教師の常なる挑戦によって,学生は本書で展開し

たアイディアを積極的に利用することができるようになる。本書のなか

の多様な応用例を活用することによって,経済学の概念が,現実問題,た

とえばアメリカと欧州の失業の対照的な動向,生産性の伸び率の減退や

復活,社会保障制度と連邦財政余剰とのリンク,国際金融危機の原因,お

よび金融政策の代替的なアプローチなどを説明するのに,いかに活用で

きるのかを示している。第 5版では,最良の応用例や古い版の分析の改

原著序文 vii

訂ばかりでなく,新しい応用例をも提供している。

■ 幅広い現代的な分野 本書は,マクロ経済学の概念から,短期の変動と

安定化政策を強調する伝統的な分野だけでなく,広範囲なマクロ経済問

題を対象とし,それらを精査し理解しようとする学生諸君の欲求に応え

ようとするものである。さらに,本書は伝統的なテーマを現代的に取り

扱うだけでなく,他の重要なマクロ経済問題,たとえば,長期の経済成

長の決定要因,貿易収支と資金の流れ,労働市場,および政策決定の制

度的枠組みなどを広範囲にしかも詳細に分析している。したがって,カ

バーするトピックやマクロ経済学について異なる考えを持つ教師にとっ

ても本書は役に立つ分析道具を提供している。

■ 核となる経済の考え方 幅広い主題を取り扱っているが,それぞれの問

題に関する新しいモデルや理論の発展を避け,その代わり,生産関数,現

在の消費と将来のための貯蓄とのトレードオフ,および需給分析のよう

な核となる経済の考えを幅広く応用することを強調する。本書では,こ

れらの核となる考えを用いて,長期と短期,開放経済と閉鎖経済,そし

て古典派とケインズ学派という本書で提供したすべてのマクロ経済分析

を包含する理論的枠組を提示している。

■ バランスのとれた記述 マクロ経済学は多くの論争から成り立っている。

それらは(古い,新しい,およびネオ)古典派とケインズ学派とのあいだ

の哲学的な考えの違いから生じたものである。時々,論争は 2つの学派

のあいだに存在する幅広い共通の立場を浮かび上がらせる。そこで,共

通の立場を次のように強調する。第一に,(古典派とケインズ学派がほぼ

同意する)長期の問題に多大の注意を払う。第二に,1つの枠組みでもっ

て,短期の経済変動に対する古典派とケインズ学派の分析を行う。これ

は,賃金と物価がいかにすばやく調整されるかという仮定に対してこの

2 つのアプローチのあいだに違いがあることを示している。失業に関す

る探索と効率賃金モデルの解釈のような見解の相違がある場合は,両方

の見解を示すとともに,批判点も併記する。このバランスのとれたアプ

ローチは,学生に現代のマクロ経済学におけるすべての最も良い考えを

聞かせるという便益を与えると同時に,古典派かケインズ学派に傾いて

いる教師にとっては本書にもとづいて容易に授業することができる。

viii

■ 革新的な教授法 過去の版と同様に,第 5 版においても,学生諸君の学

習,理解,および研究を助けるためのさまざまなツールを提供している。

この原著序文の後半でより詳細に記述しているように,これらのツール

には,学生諸君の学習を助ける要約表,キーダイアグラム,キーワード,

および重要方程式と,理解を深めるための 3 つのタイプの問題がある。

とくにデータを使う問題は,インターネットから得られるデータを用い

て,自分で簡単に実証分析ができる実践的な問題である。

新規かつ改訂されたトピック

中級マクロ経済学の授業の教える内容と教え方が,近年まったく変わって

きた。本書の初版(1992年)から第 4版は,このマクロ経済学の内容と教

授法に関して先導的な役割を果たし,大きく貢献した。この第 5版も,以下

のような新しくかつ改訂されたトピックを含む幅広いマクロ経済問題や考え

方をカバーしている。

■ 長期の経済成長 経済成長率は生活水準を決めるうえで中心的な役割を

果たすので,成長およびそれに関連する問題に第 II 部の多くをあてる。

最初に,生産性(第 3章)や貯蓄率と投資率(第 4章)といった成長に寄

与する諸要因を議論し,次に,第 6章で,成長会計やソロー・モデルと

いった分析道具を用いて,成長過程の完全な分析を行う。さらに,1973

年以降の生産性の低下,長期の生活水準を決定する要因,世界中の国々

における生活水準の収斂傾向,成長を刺激するための政府の政策や新し

い経済成長論のような成長に関連するさまざまなトピックを議論する。

第 5版では新規に,1990年代における情報・コミュニケーション技術革

命によって生じたアメリカの生産性の奇跡についての議論を付記する。

■ 国際的なマクロ経済問題 世界経済が統合の度合いを強めていることを

次の 2つの方法で示す。第一に,本著を通じて,国ごとの比較やアメリ

カ以外の他国の経験をもとにした応用例を頻繁に利用する。たとえば,

第 3章で,国ごとの勤務時間を比較し,第 6章で,数ヵ国の長期の経済成

長率を比較する。第 7章では,移行期のヨーロッパにおけるインフレの

原著序文 ix

経験を比較し,第 8章では,数ヵ国の工業生産の成長を比較する。第 12

章では,いろいろな国々における犠牲率を比較し,第 14章では,各国の

金融政策決定に用いられる戦略について議論する。第二に,国際問題に

対して,とくに第 5章と第 13章の 2つの章を割りあてる。第 5章では,

貿易収支が一国の投資と貯蓄率に対してどのように関係しているのかを

示し,さらに,1994年のメキシコの危機とアメリカの貿易赤字といった

問題を議論するためにこの枠組みを応用する。第 13章では,為替レート

の決定を議論するために単純な需給の枠組みを用いる。さらに,この章

では,なぜ通貨が投機行動に直面するのかの説明を含む,固定為替レー

ト制度や通貨同盟について解説を行う。この第 5版における新規または

改訂されたトピックは,ユーロとドルのあいだの為替レートの変化(第

13章)と 2002年のペソとドルのあいだの固定為替レート制度下のアル

ゼンチンの危機(第 13章)である。

■ 景気循環 景気循環に関する分析は,理論的な分析よりむしろ事実を踏

まえることから行う。すなわち,第 8章では,アメリカの景気循環の歴

史を示し,それから,さまざまな重要な経済変数の観察された周期的行

動(「景気循環の事実」)を説明する。第 9章から第 11章において,われ

われは景気循環に対する古典派とケインズ学派の対照的な理論を,各理

論の事実の説明度によって評価する。この第 5版における新規のトピッ

クは,1980年代の中期における生産量のボラティリティの減少について

(第 8章),NBERはどのように景気循環の山が 2001年 3月であると決

定したのかの説明(第 8章),景気後退を予測するための先行指標指数の

精度(第 8章),モデルに家計生産を包含することによっていかにデータ

に合うようになるか(第 10章),技術の改善がすぐに産出量を増加させ

るかどうか(第 10章)である。

■ 金融政策と財政政策 本書のほぼすべての章において,理論と応用の両

面からマクロ経済政策の効果について議論する。政策の適切な利用に関

する古典派(第 10 章),ケインズ学派(第 11 章)とマネタリスト(第

14 章)の見解を提示する。この第 5 版における新規または改訂された

トピックは,2002年の経済刺激プラン(第 4章),2001年の減税(第 4

章),1980年代以来の経済ボラティリティを減少させる政策の貢献(第 8

x

章),および 2001年の景気後退を撃退するために連邦準備はどのように

対処するのか(第 14章)である。

■ 労働市場の問題 雇用,失業,および実質賃金に関連する問題により注意

を払う。第 3章において,労働市場における基本的な需給モデルを導入

するとともに,失業について議論する。さらに第 12章では,失業に関し

てより包括的に議論し,とくに,インフレと失業のトレードオフ,失業

の費用,および失業を減少させる政府の政策について議論する。労働市

場に関する他のテーマとしては,効率賃金(第 11章),失業の履歴現象

(第 12章),および労働供給に及ぼす限界・平均税率変化の効果(第 15

章)がある。この第 5版における新規または改訂されたトピックは,家

計部門の生産とそれがいかに景気循環に影響を及ぼすか(第 10章),お

よび生産性と自然失業率のあいだの関係(第 12章)である。

第 5版を準備する段階で,本書を新鮮にかつ最新にすることをわれわれの

主たる目的とした。そこで,全体を通して新しい応用例,ボックス,問題を

付加するとともに,最近の出来事や各分野の最近の研究成果を取り入れるた

めに本書を大幅に改訂した。さらに,章末に実証分析用の問題を付加した。

これは,直接学生が St. Louis の連邦準備銀行のウエブサイトから無料の

FREDデータベースにアクセスし,適当なデータをダウンロードし,データ

を使って実証分析を行うものである。この良い点は,FREDデータベースは

無料で最新のデータをつねに更新しているので,学生諸君はマクロ経済学の

授業が終了した後でも継続して使え,マクロ経済問題が分析できるという点

である。

フレキシブルな構成

第 5版は,以前の版と同様にフレキシブルな構成を維持している。第 I部

(第 1章~第 2章)では,マクロ経済学の分野を紹介し,そして,国民所得

勘定を含めた国民経済の測定に関する問題を論じる。第 II部(第 3章~第 7

章)では,生産性,貯蓄,投資,貿易収支,経済成長,およびインフレを含

む長期の問題に焦点をあてる。第 III部(第 8章~第 11章)では,短期の経

原著序文 xi

済変動および安定化政策に関する研究にあてる。最後に,第 IV部(第 12章

~第 15章)では,政策決定に関する問題と諸制度をかなり詳細に検討する。

付録 A では,いくつかの役に立つ代数やグラフに関する分析ツールを解説

する。

中級マクロ経済学を担当する教師は,自分の授業に何を取り入れるかにつ

いて異なった選好をもっているし,その選択は学生の経歴や学期の長さに

よって制約を受ける。そこで,われわれは本書をこれらの異なったニーズに

答えるためにフレキシブルなものとした。本書を授業でどのように用いるか

を考える際に,次の点を考慮することは役に立つであろう。

■ 核となる章 次の章はどの授業でも取り入れることを薦める。

第 1章 イントロダクション

第 2章 国民経済の測定と構造

第 3章 生産性,産出量および雇用

第 4章 消費,貯蓄および投資

第 7章 資産市場,貨幣および物価

第 9章 IS-LM/AD-ASモデル:マクロ経済分析の一般的な枠組み

第 1章と第 2章は,国民所得勘定を含むマクロ経済学に対するイント

ロダクションである。第 3章,第 4章,第 7章,および第 9章の 4つの

章は,本書の分析の核となる章である。すなわち,第 3章では労働市場

を分析し,第 3章と第 4章では財市場について詳述する。第 7章では資

産市場について議論し,第 9章では,これら 3つの市場を一般均衡モデ

ルとしてまとめ,(古典派かケインズ学派かどちらかの立場で)短期の分

析に利用する。

■ 追加する章 上記の核となる 6つの章を含んだシラバスに対して,教師

は自分の選好や必要性に応じて,他の章をさまざまな形で組み合わせる

ことができる。以下は,いくつかの可能な選択である。

• 短期に焦点をあてる場合 短期の問題(景気循環の変動や安定化政策)

を強調したい教師は,第 5 章と第 6 章を省いてもさしつかえない。第

1 章と第 2 章のイントロダクションの部分からいきなり景気循環と IS-

LM/AD-AS モデルを導入した第 8 章と第 9 章に進むことも可能であ

xii

る。その場合,第 8章と第 9章は章ごとに完結しているが,第 3章から

第 7章までをスキップする教師はさまざまな行動関係や均衡条件に関す

る背景を説明しなければならないであろう。

• 古典派を強調する場合 現代の古典派に力点をおいて講義をしたい教師

には,第 II 部のすべての章を授業に取り入れることを薦める。第 III 部

の第 8章から第 10章までは,古典派の景気循環理論の部分である。他の

興味深い章は,フィリップス曲線に関するフリードマン=フェルプスの解

釈(第 12章),金融政策における信頼性の役割(第 14章),そして多数

世代にわたるリカードの等価定理(第 15章)である。

• ケインズ学派を強調する場合 ケインズ学派を強調したい教師は,第 10

章(古典派の景気循環理論)を省くことも可能である。前述したように,

もし短期に焦点をあてたいならば,第 5章(開放経済下の完全雇用分析)

と第 6章(長期の経済成長)を省いてもさしつかえない。

• 国際経済に焦点をあてる場合 第 5章では,完全雇用の枠組みによって

開放経済下における貯蓄,投資,および貿易収支の関係を議論する。一

方,第 13章では,短期的には完全雇用から乖離する可能性をもった開放

経済モデルにおける為替レート決定とマクロ経済政策を議論する。第 5

章は役に立つが,必ずしも第 13章を理解するうえで必要ではない。国内

経済に焦点をあてるコースでは,この両章を省いてもさしつかえない。

マクロ経済学の現実の経済問題への応用

経済学者は,時として形式上のモデルの美しさにとりつかれ,モデルまた

は理論が最終的な実証分析で実際とどれだけ妥当しているかということを忘

れがちである。『マクロ経済学』の過去の版では,各章の大部分を割いて,理

論が現実の出来事や問題にどう応用されているのかを示した。その努力は教

師や学生たちから大好評を得たので,この版でも,学生諸君に「経済学者の

ように考えることができる方法」を学んでもらうために,次のような点に配

慮し,学習上の工夫をした。

原著序文 xiii

■ 応用例 各章の応用例を見れば,重要な問題を理解するうえで,学生は

どのように経済理論を利用すればよいかがわかる。応用例として,技術

変化と賃金の不平等とのあいだのリンク(第 3章),株価のブームと破裂

のマクロ経済的帰結(第 4章),2001年の減税の消費に与える影響(第 4

章),債務国としてのアメリカ(第 5章),景気循環のカリブレーション

(第 10章),欧州通貨ユーロの導入が為替レートにどのように影響したか

(第 13章),マネー・ターゲティングとインフレ・ターゲティング(第 14

章),および労働供給と税改革(第 15章)などを含める。

■ ボックス 最近の研究からしばしば用いられる,興味深い追加的な情報や

間接的な説明をボックスに掲載する。トピックとして扱ったのは,景気

循環と季節循環の関係(第 10章),インフレ計測のバイアス(第 2章),

資本投資と株式市場のあいだのリンク(第 4章),アメリカドルの海外へ

の流出(第 7章),ルーカス批判(第 12章),購買力平価とハンバーガー

価格(第 13章),および社会保障の概観(第 15章)などである。

■ マクロ経済にふれよう 経済学者のように考えるための重要な決め手の 1

つは,マクロ経済データに親しくなることである。すなわち,どのデー

タが入手可能であり,そのデータの利点と欠点はどこにあるのかを知る

ことである。そのために,労働市場のデータ(第 3章),国際収支のデー

タ(第 5章),および景気の先行指標指数(第 8章)のような重要なマク

ロ経済データをどこで見つけ,どのように解釈するかを示した一連のコ

ラム「マクロ経済にふれよう」を提供する。オンラインデータ・ソース

はより伝統的なメディアとともに用いられる。

学習上の特徴

本書の以下のような特徴により,学生諸君は重要な概念を理解し,応用

し,そして忘れないでいることができる。

■ グラフの多用 本書の全体を通して,理論の実証的な妥当性を強調する

データ付きのグラフおよび段階的にモデルと理論の展開を通じて学生を

案内する分析的グラフを多用している。両グラフとも詳細な解説を付記

xiv

している。

■ キーダイアグラム 選択された章の最後にキーダイアグラムが図示され

ている。この図は,本書を通して重要な分析的な図であり,語句や方程

式の定義や解説がなされている。したがって,グラフは何を示している

のかを分析し,そしてグラフのなかの曲線をシフトさせる要因について

議論する。

■ 要約表 本書の全体を通して,分析の主要な結果を要約表にまとめた。学

生諸君はこれらの要約表によっての理解と記述に要しなければならない

時間を削減することができ,これらの重要な結果の理解と応用に集中す

ることができる。

■ 章末の復習教材 学生諸君が復習を容易にするために,各章の終わりに

各章の主なポイントをカバーする章の要約,キーワード・リスト,重要

方程式リストがある。

■ 章末の復習・演習問題 章末に基本的な内容を自分でチェックする復習

問題,基本的な関係や概念を用いて解く演習問題,さらに St. Louisの連

邦準備銀行の FRED データベースから適当なデータをダウンロードし,

データを使って実証分析を行う実証分析用の問題がある。これらは,学

生諸君がその章の基本的な概念と重要な基本式を理解しているかどうか

を確かめるのに有益である。

■ 付録の便利な分析ツール 本書では,高校生で習う代数の水準を超える

数学を使っていないが,数学に不慣れな読者に対して,付録で関数とグ

ラフに関するいくつかの便利な分析ツールを解説している。内容は,一

変数と多変数の関数,グラフ,傾き,指数,成長率に関する公式などで

ある。

■ マクロ経済学の基本用語 本書の最後にある基本用語の解説ではすべて

の重要な用語の定義を記している。

補助教材

本書に付属する,教師用および学生用の補助教材を開発している。

原著序文 xv

■ スタディガイド Dean Croushore準教授は,各章の復習と選択式問題,

および復習・演習問題(その解答を含む)からなるスタディガイドを作

成してくれた。

■ 教師用マニュアル/試験問題 Dean Croushore 準教授は,本書をテキ

ストとして使う教師のために教師用マニュアルを作成してくれた。これ

は教師が本書を授業で用いる際の指針を示してくれ,すべての章末問題

の解答,試験と演習用の追加的な問題,さらにクラスで使う討論用のト

ピックを提供してくれるものである。

■ 教師用 CD-ROM 授業を助けるために,すべての図がパワーポイントの

なかに含まれている。本書をテキストとして使う教師は,このプログラ

ムからトランスペアレンシーをつくれるかもしれない。CD-ROM を利

用することにより,試験用の問題や選択式の問題が容易につくれる。

謝辞

今日,教科書の作成は著者または共著者の孤独な冒険ではなく,多くの技

術をもった熱心な人たちとの共同プロジェクトである。第 5版の完成に向け

て,Denise Clinton(エディター),Adrienne D’Ambrosio(エディター),

および Sylvia Mallory(ディレクター)の際立った管理力に対して特別な感

謝をささげたい。さらに,Katherine Watson(プロダクション・スーパー

バイザー),Heather Johnson(プロジェクト・エディター),Gina Hagen

Kolenda(デザイン・スーパーバイザー),Melissa Honig(上級メディア・

プロデューサー),Deborah Meredith(マーケティング・マネージャー)の

諸氏に感謝したい。また,本書の第 5版の草稿に対して貴重なコメントを下

さった試読者(レビューア)や同僚の方々にも謝意を表したい。

Ugur Aker, Hiram CollegeTerence J. Alexander, Iowa State UniversityEdward Allen, University of HoustonRichard G. Anderson, Federal Reserve Bank of St.LouisDavid Aschauer, Bates CollegeMartin A. Asher, The Wharton School, University ofPennsylvaniaDavid Backus, New York University

Daniel Barbezat, Amherst CollegeParantap Basu, Fordham UniversityValerie R. Bencivenga, University of TexasCharles A. Bennett, Gannon UniversityJoydeep Bhattacharya, Iowa State UniversityRobert A. Blewett, Saint Lawrence UniversityScott Bloom, North Dakota State UniversityBruce R. Bolnick, Northeastern UniversityDavid Brasfield, Murray State University

xvi

Audie Brewton, Northeastern Illinois UniversityStacey Brook, University of Sioux FallsNancy Burnett, University of Wisconsin, OshkoshMaureen Burton, California Polytechnic University,PomonaJohn Campbell, Harvard UniversityKevin Carey, American UniversityJ. Lon Carlson, Illinois State UniversityWayne Carroll, University of Wisconsin, Eau ClaireStephen Cecchetti, Brandeis UniversityAnthony Chan, Woodbury UniversityLeo Chan, University of KansasS. Chandrasekhar, Pennsylvania State UniversityJen-Chi Cheng, Wichita State UniversityMenzie Chinn, University of California, Santa CruzK.A. Chopra, State University of New York, OneontaNan-Ting Chou, University of LouisvilleJens Christiansen, Mount Holyoke CollegeReid Click, Brandeis UniversityJohn P. Cochran, Metropolitan State College of Den-verJuan Carlos Cordoba, Rice UniversitySteven R. Cunningham, University of ConnecticutBruce R. Dalgaard, St. Olaf CollegeJoe Daniels, Marquette UniversityEdward Day, University of Central FloridaRobert Dekle, University of Southern CaliforniaGreg Delemeester, Marietta CollegeWouter J. Den Haan, University of California, SanDiegoJohan Deprez, Texsas Tech UniversityJames Devine, Loyola Marymount UniversityWael William Diab, Cisco SystemPeter Dohlman, International Monetary FundPatric Dolenc, Keene State CollegeAllan Drazen, University of MarylandRobert Driskill, Vanderbilt UniversityBill Dupor, Ohio State UniversityDonald H. Dutkowsky, Syracuse UniversityJames E. Eaton, Bridgewater CollegeJanice C. Eberly, Northwestern UniversityAndrew Economopoulos, Ursinus CollegeAlejandra Cox Edwards, California State Univer-sity, Long BeachMartin Eichenbaum, Northwestern UniversityCarlos G. Elias, Manhattan CollegeKirk Elwood, James Madison UniversitySharon J. Erenburg, Eastern Michigan UniversityChristopher Erickson, New Mexico State UiversityJames Fackler, University of KentuckySteven Fazzari, Washington UniversityJ. Peter Ferderer, Clark UniversityAbdollah Ferdowsi, Ferris State UniversityDavid W. Findlay, Colby CollegeThomas J. Finn, Wayne State UniversityCharles C. Fischer, Pittburg State UniversityJohn A. Flanders, Central Methodist CollegeJuergen Fleck, Hollins CollegeAdrian Fleissig, California State University, Fuller-ton

R.N. Folsom, San Jose State UniversityKevin Foster, City University of New YorkJ.E. Fredland, U.S.Naval AcademyJames R. Gale, Michigan Technological UniversityEdward N. Gamber, Lafayette CollegeWilliam T. Ganley, Buffalo State ColelgeCharles B. Garrison, University of Tennessee,KnoxvilleKathie Gilbert, Mississippi State UniversityCarlos G. Glias, Manhattan CollegeRoger Goldberg, Ohio Northern UniversityJoao Gomes, The Wharton School, University ofPennsylvaniaFred C. Graham, American UniversityJohn W. Graham, Rutgers UniversityStephen A.Greenlaw, Mary Washington CollegeAlan F. Gummerson, Florida International Univer-sityA.R. Gutowsky, California State University, Sacra-mentoDavid R. Hakes, University of Northern IowaMichael Haliassos, University of MarylandGeorge J. Hall, Yale UniversityJohn C. Haltiwanger, University of MarylandJames Hamilton, University of CaliforniaDavid Hammes, University of HawaiiReza Hamzaee, Missouri Western State CollegeRobert Stanley Herren, North Dakota UniversityCharles Himmelberg, Federal Reserve Bank of NewYorkBarney F. Hope, California State University, ChicoFenn Horton, Narval Postgraduate SchoolE. Philip Howrey, University of MichiganJohn Huizinga, University of ChicagoNayyer Hussain, Tougaloo CollegeMatthew Hyle, Winona State UniversityKenneth Inman, Claremonut Mckenna CollegeLiana Jacobi, Washington UniversityPhilip N. Jefferson, Swarthmore CollegeUrban Jermann, The Wharton School, University ofPennsylvaniaCharles W. Johnston, University of Michigan, FlintPaul Junk, University of MinnesotaJames Kahn, Federal Reserve Bank of New YorkGeorge Karras, University of Illinois, ChicagoRoger Kaufman, Smith CollegeAdrienne Kearney, University of MaineJames Keeler, Kenyon CollegePatrick R. Kelso, West Texas State UniversityKusum Ketkar, Seton Hall UniversityF. Khan, University of Wisconsin, ParksideRobert King, Boston UniversityMilka S. Kirova, Saint Louis UniversityNobuhiro Kiyotaki, London School of EconomicsMichael Klein, Tufts UniversityPeter Klenow, Stanford UniversityKenneth Koelln, University of North TexasDouglas Koritz, Buffalo State CollegeEugene Kroch, Villanova UniversityCorinne Krupp, University of North Carolina,

原著序文 xvii

Chapel HillKishore Kulkarni, Metropolitan State College ofDenverKrishna B. Kumar, University of Southern CaliforniaMaureen Lage, Miami UniversityJohn S. Lapp, North Carolina State UniversityG.Paul Larson, University of North DakotaJames Lee, Fort Hays State UniversityKeith J. Leggett, Davis and Elkins CollegeCarol Scotese Lehr, Virginia Commonwealth Univer-sityJohn Leyes, Florida International UniversityMing Chien Lo, University of VirginiaMary Lorely, Syracuse UniversityCara Lown, Federal Reserve Bank of New YorkRichard MacDonald, St. Cloud State UniversityThampy Mammen, St. Norbert CollegeLinda M. Manning, University of MissouriMichael Marlow, California Polytechnic State Uni-versityKathryn G. Marshall, Ohio State UniversityPatrick Mason, University of California, RiversideBen Matta, New Mexico State UniversitySteven McCafferty, Ohio State UniversityJ. Harold McClure, Jr, Villanova UniversityKen McCormick, University of Northern IowaJohn McDermott, University of South CarolinaMichael B. McElroy, North Carolina State Univer-sityRandolph McGee, University of KentuckyTim Miller, Denison UniversityTommaso Monacelli, Boston CollegeB. Moore, Wesleyan UniversityW. Douglas Morgan, University of California, SantaBarbaraJon Nadenichek, California State University,NorthridgeK.R. Nair, West Virginia Wesleyan CollegeJeffrey Nugent, University of Southern CaliforniaMaurice Obstfeld, University of California, BerkleyStephen A. O’Connell, Swarthmore CollegeWilliam P. O’Dea, State University of New York,OneontaHeather O’Neill, Ursinus CollegeSpencer Pack, Connecticut CollegeWalter Park, American UniversityRandall Parker, East Carolina UniversityAllen Parkman, University of New MexicoDavid Parsley, Vanderbilt UniversityJames E. Payne, Eastern Kentacky UniversityRowena Pecchenino, Michigan State University

Peter Pedroni, Williams CollegeMark Pernecky, St. Olaf CollegeChristopher Phelan, Federal Reserve Bank of Min-neapolisKerk Phillips, Brigham Young UniversityPaul Pieper, University of Illinois, ChicagoAndrew J. Policano, State University of New York,Stony BrookRichard Pollock, University of Hawaii, ManoaJay B. Prag, Claremount McKenna CollegeKojo Quartey, Talladega CollegeVaman Rao, Western Illinois UniversityColin Read, University of Aalska, FairbanksMichael Redfearn, University of North TexasCharles Revier, Colorado State UniversityPatricia Reynolds, International Monetary FundJack Rezelman, State University of New York, Pots-damRobert Rich, Federal Reserve Bank of New YorkLibby Rittenberg, Colorado CollegeHelen Roberts, University of Illinois, ChicagoKenneth Rogoff, Harvard UniversityRosemary Rossiter, Ohio UniversityBenjamin Russo, University of North CarolinaPlutarchos Sakellaris, University of MarylandChristine Sauer, University of New MexicoEdward Schmidt, Randolf-Macon CollegeStacey Schreft, Federal Reserve Bank of Kansas CityWilliam Seyfried, Rose-Hulman Institute of Technol-ogyTayyeb Shabbir, University of PennsylvaniaAndrei Shevchenko, Michigan State UniversityVirginia Shingleton, Valparaiso UniversityDorothy Siden, Salem State CollegeScott Simkins, University of North Carolina, Greens-boroAbdol Soofi, University of WisconsinNicholas Souleles, The Wharton School, Universityof PennsylvaniaDavid E. Spender, Brigham Young UniversityDon Stabile, St.Mary’s CollegeRichard Startz, University of WashingtonGabriel Talmain, State University of New York, Al-banyBryan Taylor, California State University, Los AngelsSusan Washburn Taylor, Millsaps CollegeM. Dekalb Terrell, Kansas State UniversityWillem Thorbecke, George Mason UniversityStephen J. Turnovsky, University of WashingtonMichael Ulan, U.S. Department of StateRonald Warren, University of Georgia

St. Louisの連邦準備銀行のリサーチ・ディレクターの Robert H. Rasche

氏に感謝申し上げたい。Robert H. Rasche氏は,本書の各章末にある「マ

クロ経済データを使った演習問題」で利用する FRED データベースの提供

にあたって多大な尽力をしてくれた。

xviii

最後に,本書の初版に対して多大な貢献をしてくれたMark Gertler,Rick

Mishkin,および Steve Zeldes にも謝意を表したい。このテキストの発展

に向けてわれわれを助けてくれたペンシルベニア大学とプリンストン大学の

学生に対しても感謝したい。最後に最も重要なことであるが,われわれの家

族の忍耐と助けに対して礼をいいたい。われわれはこのテキストを家族にさ

さげる。

A. B.エーベル

フィラデルフィア,PA

B. S.バーナンキ

プリンストン,NJ

xix

目 次

著者紹介 iii

訳者序文 iv

原著序文 vi

第 I部 マクロ経済学の基礎

第 1章 イントロダクション························································· 31.1 マクロ経済学とは何か································································ 3

長期の経済成長/景気循環/失業/インフレーション/国際経済

/マクロ経済政策/集計

1.2 マクロ経済学者の役割 ······························································ 22マクロ経済予測/マクロ経済分析/マクロ経済研究/経済理論/

データ開発

ボックス 1.1:経済理論の開発と検証 ················································ 27

1.3 なぜマクロ経済学者は見解が一致しないのか······························ 29

古典派対ケインズ学派/マクロ経済学の統合的アプローチ

章の要約·························································································· 36

キーワード/復習問題/演習問題/マクロ経済データを使った演習問題

第 2章 国民経済の測定と構造···················································412.1 国民所得勘定:生産,所得,および支出の測定 ·························· 42

なぜ 3つのアプローチは等しいのか

マクロ経済にふれよう:国民所得と生産物勘定 ·································· 46

2.2 国内総生産(GDP) ································································ 47生産面アプローチから見た GDP /支出面アプローチから見た

GDP/所得面アプローチから見た GDPボックス 2.1:天然資源,環境,および国民所得勘定 ························· 52

2.3 貯蓄と富·················································································· 63

xx

総貯蓄の計測/民間貯蓄の利用/応用例:2001 年第 4 四半期の

GDPは期待を無視する/貯蓄と富の関係2.4 実質 GDP,物価指数,およびインフレーション························· 74

実質 GDP/物価指数

ボックス 2.2:コンピューター革命と連鎖ウエイト GDP ···················· 78

ボックス 2.3:CPIインフレーションは生計費の増加を過大評価するの

か·············································································· 81

2.5 利子率····················································································· 83

実質利子率と名目利子率

章の要約·························································································· 89

キーワード/重要方程式/復習問題/演習問題/マクロ経済データを使

った演習問題

第 II部 長期の経済分析

第 3章 生産性,産出量,および雇用······································· 993.1 経済はどれだけ生産するか?—–生産関数································ 100

応用例:アメリカ経済の生産関数と生産性の伸び/生産関数の

形状/供給ショック

3.2 労働需要················································································ 112労働の限界生産力と労働需要:例/賃金の変化/労働の限界生

産力と労働需要曲線/労働需要曲線のシフト要因/総労働需要

3.3 労働供給················································································ 125所得と余暇のトレードオフ/実質賃金と労働供給/労働供給曲

線/総労働供給/応用例:1週間当たりの労働時間と国富3.4 労働市場の均衡 ······································································ 135

完全雇用産出量/応用例:石油価格ショック時の産出量,雇用と

実質賃金/応用例:技術変化と賃金の不平等

3.5 失業 ······················································································ 145失業の計測/雇用状態の変化/どれだけ長く失業するのか/失

業者がつねに存在する理由

マクロ経済にふれよう:労働市場データ ·········································· 149

目 次 xxi

3.6 産出量と失業の関係:オークンの法則······································ 153

章の要約························································································ 156

キーダイアグラム/キーワード/重要方程式/復習問題/演習問題/

マクロ経済データを使った演習問題

補論 3.A オークンの法則の成長率形式 ·········································· 166

第 4章 消費,貯蓄,および投資············································ 1674.1 消費と貯蓄············································································· 169

個人の消費と貯蓄決定/現在所得の変化の影響/期待将来所得

の変化の影響/応用例:消費者心理と 1990~1991 年の景気後

退/富の変化の影響/実質利子率の変化の影響/財政政策/応

用例:リカード的減税

マクロ経済にふれよう:利子率 ······················································· 182

4.2 投資 ······················································································ 190望ましい資本ストック/望ましい資本ストックの変化/応用例:

税の投資に及ぼす効果を測る/望ましい資本ストックから投資

へ/在庫投資と住宅投資

ボックス 4.1:投資と株式市場 ························································ 197

4.3 財市場の均衡 ········································································· 208

貯蓄・投資図/応用例:株価高騰と暴落のマクロ経済的影響

章の要約························································································ 221

キーダイアグラム/キーワード/重要方程式/復習問題/演習問題/

マクロ経済データを使った演習問題

補論 4.A 消費と貯蓄の理論モデル················································· 231

第 5章 開放経済における貯蓄と投資 ···································· 2575.1 国際収支················································································ 259

経常勘定/資本・財務勘定/経常収支と資本収支の関係/対外

純資産と国際収支/応用例:国際的債務国としてのアメリカ

マクロ経済にふれよう:国際収支 ···················································· 265

ボックス 5.1:火星では経常収支は黒字か········································ 270

5.2 開放経済における財市場の均衡 ··············································· 273

xxii

5.3 小国開放経済における貯蓄と投資 ············································ 275小国開放経済における経済的ショックの影響/応用例:発展途

上国の債務危機/応用例:1994年のメキシコ危機5.4 大国開放経済における貯蓄と投資 ············································ 289

5.5 財政政策と経常収支······························································· 292重要な要素:国民貯蓄の反応/政府財政赤字と国民貯蓄/応用

例:双子の赤字vspace0.2cm

章の要約························································································ 299

キーダイアグラム/キーワード/重要方程式/復習問題/演習問題/

マクロ経済データを使った演習問題

第 6章 長期の経済成長···························································· 3076.1 経済成長の源泉 ······································································ 308

成長会計/応用例:1973年以降における生産性成長の減速/応

用例:アメリカの生産性の奇跡?

6.2 成長動学:ソロー・モデル······················································ 323ソロー・モデルの構築/長期的生活水準の基本的決定要因/応

用例:経済は収斂するか/内生的成長理論

6.3 長期的生活水準を引き上げるための政府の政策························· 349貯蓄率に影響を及ぼす政策/生産性の成長率を上昇させるため

の政策

章の要約························································································ 352

キーワード/重要方程式/復習問題/数値問題/分析問題/マクロ経

済データを使った演習問題

第 7章 資産市場,貨幣,および物価 ···································· 3617.1 貨幣とは何か ········································································· 362

貨幣の機能/貨幣の測定:貨幣集計量/マネーサプライ

ボックス 7.1:捕虜収容所での貨幣·················································· 364

マクロ経済にふれよう:貨幣集計量················································· 369

ボックス 7.2:すべてのドルはどこに行ったのか?··························· 370

7.2 資産選択と資産需要································································ 373

目 次 xxiii

期待収益/リスク/流動性/資産需要

7.3 貨幣需要················································································ 375物価水準/実質所得/利子率/貨幣需要関数/貨幣需要に影響

を与える他の要因/貨幣需要の弾力性/流通速度と貨幣数量説

/応用例:金融規制,イノベーションおよび貨幣需要の不安定性

7.4 資産市場均衡 ········································································· 390

資産市場均衡:集計の仮定/資産市場均衡条件

7.5 貨幣成長とインフレーション··················································· 394応用例:移行期のヨーロッパ諸国における貨幣の成長とインフ

レーションの推移/期待インフレ率と名目利子率

章の要約························································································ 400

キーワード/重要方程式/復習問題/演習問題/マクロ経済データを

使った演習問題

索引································································································· 407

下巻目次

第 III部 景気循環とマクロ経済政策

第 8章 景気循環

第 9章 IS-LM/AD-ASモデル:マクロ経済分析の一般的な枠組第 10章 古典派の景気循環分析:市場均衡のマクロ経済学

第 11章 ケインズ主義:賃金と価格の硬直性のマクロ経済学

第 VI部 マクロ経済政策:政策環境と制度

第 12章 失業とインフレション

第 13章 開放経済における為替レート,景気循環,および,マクロ経済政策

第 14章 金融政策と中央銀行

第 15章 政府支出と財源の調達

付録 A いくつかの便利な分析ツール

重要用語

訳者あとがき

索引