24
子どもの生活と学びに関する 親子調査 2015 - 2016 速報版 東京大学社会科学研究所 親子パネル調査にみる意識と実態の変化

親子調査2015 2016 - ベネッセ教育総合研究所子どもの生活と学びに関する 親子調査2015-2016 速報版 東京大学社会科学研究所 親子パネル調査にみる意識と実態の変化

  • Upload
    others

  • View
    1

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 親子調査2015 2016 - ベネッセ教育総合研究所子どもの生活と学びに関する 親子調査2015-2016 速報版 東京大学社会科学研究所 親子パネル調査にみる意識と実態の変化

子どもの生活と学びに関する親子調査2015-2016

速報版

東京大学社会科学研究所

親子パネル調査にみる意識と実態の変化

Page 2: 親子調査2015 2016 - ベネッセ教育総合研究所子どもの生活と学びに関する 親子調査2015-2016 速報版 東京大学社会科学研究所 親子パネル調査にみる意識と実態の変化

22

2018 年

2015年

2021年

2024年

③複数時点の成長・発達変化

②複数時点の時代変化

①1時点の学年による違い

……

……

……

小1生

小2生

小3生

小4生

小5生

小6生

中2生

中3生

高1生

高2生

高3生

中1生

■研究プロジェクトの目的東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所は、2014年1月に、「子どもの生活と学び」の実態を明らかにする共同研究プロジェクトを立ち上げました。このプロジェクトは、子どもの生活や学習の状況、保護者の子育ての様子を複数年にわたって調査し、それらが子どもの成長とともに、どのように変化するのかを明らかにするものです。これにより、子どもの生活や学習、子育ての現状や課題をとらえ、よりよい教育や子育てのあり方を検討します。

■研究プロジェクトの特徴1. 小学1年生から高校3年生の「現在」と「時代変化」をとらえることができる

このプロジェクトでは、小学1年生から高校3年生の子どもとその保護者に対して、毎年継続して調査を実施します。これにより、 12学年にわたる子どもの生活や学び、保護者の子育ての実態などの「現在」の様子(1時点の学年による違い)を明らかにできます(図中①)。また、経年比較により、子どもと保護者の「時代変化」をみることができます(図中②)。

2. 親子の「成長・発達」のプロセスをとらえることができる(親子パネルデータ分析)また、このプロジェクトでは、同じ子どもとその保護者を継続して調査します。これにより、子どもが毎年どのように成長・発達していくのか、また、それによって保護者のかかわりや意識はどのように変化するのかといった、親子の「成長・発達」の様子や因果関係を明らかにすることができます(図中③)。

3. 子どもの生活と学習にかかわる意識や実態を幅広く、詳細にとらえることができる子どもを対象にした調査では、生活、学習、人間関係、価値観、自立の程度などを幅広く尋ねています。また、保護者を対象にした調査では、子どもへのかかわりや子育て・教育の意識などを尋ねています。この2つの調査から、子どもと保護者の日々の生活や学習の様子を浮かび上がらせるとともに、子どもと保護者の課題に迫ります。

「子どもの生活と学び」研究プロジェクトについて

「子どもの生活と学び」研究プロジェクトについて …2調査概要………………………………………………3親子パネル調査から見えてきたこと………………4調査設計・基本属性………………………… 4 〜 5Ⅰ 課題提起 ①学習時間…………………………………………6 ②学習意欲(勉強の好き嫌い) …………………7 ③「勉強の好き嫌い」の変化 …………… 8 〜 9Ⅱ 分析と考察 ①勉強する理由(学習動機づけ) …… 10 〜 11

 ②勉強方法(学習方略) ……………… 12 〜 13 ③学校生活……………………………… 14 〜 15 ④さまざまな経験……………………………… 16 ⑤親子の会話…………………………………… 17 ⑥保護者のかかわり…………………… 18 〜 19 ⑦自己認識……………………………………… 20 ⑧将来目標……………………………………… 21Ⅲ TOPICS ①文系・理系の自己認識……………………… 22 ②政治や社会への意識………………………… 23

目 次

〈調査イメージ〉

Page 3: 親子調査2015 2016 - ベネッセ教育総合研究所子どもの生活と学びに関する 親子調査2015-2016 速報版 東京大学社会科学研究所 親子パネル調査にみる意識と実態の変化

33

●調査テーマ 【子ども調査】 子どもの生活と学習に関する意識と実態【保護者調査】 保護者の子育て・教育に対する意識と実態※第1回は「生活」、第2回は「学習」について詳しく尋ねている。

●調査時期  第1回:2015年7〜8月、第2回:2016年7〜8月●調査方法  第1回:郵送およびインターネットによる自記式質問紙調査 ※回答者がいずれかの方法を選択。

第2回:郵送による自記式質問紙調査●調査対象  全国の小学1年生から高校3年生の子どもとその保護者 ※小学1〜3年生は保護者が回答。

●データを読む際の注意点①本文中では、小学4年生を「小4生」のように表記している。また、中学1〜3年生を「中学生」、高校1〜

3年生を「高校生」と表記している。②本速報版では、勉強が「あまり好きではない」「まったく好きではない」を勉強が「嫌い」と示している。③図表で使用している百分率(%)は、小数点第2位を四捨五入して算出している。そのため、四捨五入の結果、

数値の和が100.0にならない場合がある。

●単年データについて本文中の 子ども 2015 は第1回(2015年)の子どもの回答、 子ども 2016 は第2回(2016年)の子どもの回答、

保護者2015 は第1回(2015年)の保護者の回答、 保護者2016 は第2回(2016年)の保護者の回答を示している。

※第1回、第2回とも、本研究プロジェクトの「調査モニター(小学1年生から高校3年生の子どもとその保護者)」全員に調査票を配布した。第1回の「調査モニター」は21,569組、第2回の「調査モニター」は21,485組。

※第1回(2015年)、第2回(2016年)の数値は、各回の有効回収数。(  )内は有効回収率。※パネルデータの数値は、第1回(2015年)と第2回(2016年)の両方に回答した有効回収数(2016年の学年)。[  ]内は第1回に回

答した人に占める第2回に回答した人の比率(継続率)。※学年別の有効回収数は、3学年ごと(パネルデータでは一部2学年ごと)の有効回収数のうち学年が特定できている回答の数。

●パネルデータについて本速報版では、第1回(2015年)と第2回(2016年)の両方に回答した子ども(あるいは保護者)の回答を

「パネルデータ」として分析している。「パネルデータ」では、子ども(あるいは保護者)1人ひとりについて、1年前(2015年)の回答と現在(2016年)の回答を比べ、その変化をみることができる。 子ども 2015-2016

は子どものパネルデータ、 保護者 2015-2016 は保護者のパネルデータを示している。

学年

子ども 保護者第1回

(2015 年)第 2 回

(2016 年) パネルデータ 第1回(2015 年)

第 2 回(2016 年) パネルデータ

小学1年生 --

--

--

1,7554,707

(85.5%)

1,8534,923

(87.6%)

- -小学2年生 - - - 1,434 1,668 1,585 2,872

[90.1%]小学3年生 - - - 1,510 1,398 1,287小学4年生 1,345

3,972(78.2%)

1,3573,823

(73.0%)

- - 1,3453,975

(78.2%)

1,3643,863

(73.8%)

1,2443,498

[84.3%]小学5年生 1,292 1,245 1,131 2,248[85.2%]

1,293 1,247 1,133小学6年生 1,335 1,221 1,117 1,336 1,224 1,121中学1年生 1,343

4,091(76.1%)

1,1783,730

(71.4%)

1,1003,384

[83.7%]

1,3514,130

(76.8%)

1,1773,750

(71.8%)

1,0993,400

[83.5%]中学2年生 1,366 1,255 1,130 1,384 1,260 1,140中学3年生 1,381 1,297 1,154 1,393 1,297 1,161高校1年生 1,267

3,919(69.9%)

1,1953,461

(64.0%)

1,0783,090

[78.4%]

1,2873,964

(70.7%)

1,1963,477

(64.3%)

1,0833,102

[77.9%]高校2年生 1,291 1,115 0,985 1,302 1,115 0,991高校3年生 1,360 1,144 1,027 1,374 1,143 1,028

調査概要

子ども 2015-2016子ども 2015 子ども 2016 保護者2015 保護者2016 保護者2015-2016

Page 4: 親子調査2015 2016 - ベネッセ教育総合研究所子どもの生活と学びに関する 親子調査2015-2016 速報版 東京大学社会科学研究所 親子パネル調査にみる意識と実態の変化

444

男子 女子無回答・不明

男子 女子無回答・不明

男子 女子無回答・不明

0.249.150.7

50.7 49.3 49.4 50.1 49.1 50.7 50.5 49.9 0.2 0.0 0.0 0.0

50.6 47.8 48.8 49.5 49.3 52.2 51.2 50.5 0.1 0.0 0.0 0.0

51.8 47.8 48.3 49.2 48.2 52.2 51.7 50.8 0.0 0.0 0.0 0.0

0 20 40 60 80 100 0 20 40 60 80 100

0 20 40 60 80 100

0.050.749.3

0.050.549.4

0.049.950.1

0.249.350.6

0.052.247.8

0.051.248.8

0.050.549.5

0.048.251.8

0.051.848.2

0.051.748.3

0.050.849.2

2015

2015-2016

2016

(%)

(%)(%)

小 4~6生

小 1~3生

中学生

高校生

小 4~6生

小 2~3生

中学生

高校生

小 4~6生

小 1~3生

中学生

高校生

子どもの生活・学習・人間関係 子どもが身につけている力・自立度

保護者の子育て・教育

1年間の経験、起床・就寝時刻、生活時間、生活習慣、お手伝い、遊び場、好きな遊びのタイプ、メディア利用、アルバイト

■子どもの学校生活・勉強➡P.6~15、22

■子どもの生活・経験➡P.16

学習時間、勉強の好き嫌い、勉強する理由、勉強方法、学校生活、学校の授業、文系か理系か、好きな教科や時間、部活動、勉強する場所、習い事、学習塾、学歴・競争への意識、進学・留学への意識、成績の自己評価

■他者とのかかわり友だち、先生、祖父母、近所の人などとのかかわり

■子育て・教育の実態➡P.18~19子どもとのかかわり、大切さを伝えていること、家庭での約束やルール、習い事、教育費、学習塾、子育てや教育の情報源、おこづかい、読み聞かせ

■子育て・教育の意識悩みや気がかり、教育観、学歴・競争への意識、進学への意識

■保護者の生活➡P.23政治や社会への意識、ふだんの生活(趣味、社会活動など)、保護者自身の自立度

■保護者とのかかわり➡P.17保護者との会話、保護者とのかかわり

■得意・苦手■自己認識➡P.20~21、23自信、政治や社会への意識、将来の目標、学習・思考・行動・人間関係の得意・苦手、なりたい職業※子どもの得意・苦手については も回答している。

親子パネル調査から見えてきたこと

調査設計

基本属性●子どもの性別(学校段階別)

この速報版では、同一の子どもと保護者を2年間追跡することで、勉強が「嫌いから好き」になった子どもの特徴を明らかにし、学習意欲と自ら学ぶ力の獲得との関連性について分析と考察を加えた。主な結果は、以下の2点である。1)学年が上がるにつれ、勉強が「好きから嫌い」になる子どもが多いなか、勉強が「嫌いから好き」になった子

どもも1割前後いる。かつ、この子たちは学習時間が伸び、成績も上昇している。2)勉強が「嫌いから好き」になった子どもは「嫌いなまま」の子どもに比べ、内発的動機づけが高く、さまざま

な動機づけで学習し、また学習方略を多く活用している。今後この親子パネル調査を継続することで、自ら学ぶ力を獲得する子どもの学びのプロセスや保護者のかかわりの影響についての分析をさらに深めていきたい。*「主体的な学び」はベネッセ教育総合研究所「小中学生の学びに関する実態調査」で示した教育心理学の「自己調整学習」理論に基づき、作成した学習モデ

ル(http://berd.benesse.jp/up_images/research/Survey-on-learning_ALL.pdf)

注1 小1〜3生は保護者の回答。注2  2015-2016 は2016年の学年。

「子どもの生活・学習・人間関係」の意識・実態や「保護者の子育て・教育」の意識・実態が、「子どもが身につけている力」や「自立」の程度とどのように関連しているのか、また、それらが高校卒業時点での「自立」にどのようにつながっていくのかを明らかにできる設計である。

※上記以外に、子どもの属性、保護者の属性に関する項目を尋ねている。 ※本速報版に掲載している項目を太字で示している。

Page 5: 親子調査2015 2016 - ベネッセ教育総合研究所子どもの生活と学びに関する 親子調査2015-2016 速報版 東京大学社会科学研究所 親子パネル調査にみる意識と実態の変化

555

0 20 40 60 80 100 1200 20 40 60 80 100 120

公立 公立

その他 0.3

無回答・不明 1.0

私立 1.7

95.8 96.6 85.3 62.1 2.4 2.7 1.1 1.1 1.7 1.7 1.7 1.4 9.5 32.0 0.3 0.1 0.4 0.9 1.0 0.8 0.8 0.5

96.7 96.2 84.6 62.6 1.1 0.0 2.2 2.7 1.4 1.0 1.6 2.0 0.1 1.2 10.3 31.5 0.0 0.1 0.1 0.2 0.2 0.6 1.3 0.8 1.0

95.8 96.7

1.30.1

0.896.6 96.2

1.20.885.3 9.5 10.384.6

1.00.562.1 32.0 31.562.6

1.1 1.4 1.0 1.2

公立の中高一貫校 2.2 1.6

2.7 2.0

0.1

0.0

公立の中高一貫校 2.4 1.7 0.4

0.1

2.7 1.7 0.9

国立 1.1 その他 0.1

在学していない 0.2

無回答・不明 0.6

私立 1.4国立 1.1(%)(%)

2015 2016

小 4~6生

小 1~3生

中学生

高校生

小 4~6生

小 1~3生

中学生

高校生

0 20 40 60 80 100 0 20 40 60 80 100

93.3

92.1 91.7 90.4 88.4 7.6 7.8 9.0 11.3 0.1 0.1 0.1 0.1 0.2 0.4 0.4 0.2

93.3 92.2 90.6 90.7 6.3 7.2 8.6 8.8 0.1 0.2 0.2 0.2 0.3 0.4 0.6 0.3

0.492.20.27.2

0.690.6 8.60.2

0.390.7 8.80.2

92.1父親 7.6

その他 0.1

0.491.7 7.80.1

0.490.4 9.00.1

0.288.4 11.30.1

母親

無回答・不明 0.2

父親 6.3その他 0.1

母親

無回答・不明 0.3

(%)(%)

2015 2016

小 4~6生

小 1~3生

中学生

高校生

小 4~6生

小 1~3生

中学生

高校生

0 20 40 60 80 100 120 0 20 40 60 80 100 120

0 20 40 60 80 100 120

1.2 0.7 0.9 0.6 20.6 22.4 25.3 28.4 15.7 17.9 16.9 14.0 24.6 28.0 28.7 29.6 30.9 26.4 22.9 22.0 1.9 1.1 0.9 0.9 0.4 0.2 0.4 0.3 0.1 0.0 0.1 0.1 4.6 3.3 4.0 4.2

1.2 0.7 0.6 0.6 19.6 19.3 22.2 24.5 15.4 15.7 15.5 12.7 23.2 24.3 26.7 27.1 30.7 26.5 21.8 20.2 2.2 1.1 0.9 1.1 0.3 0.2 0.2 0.2 0.0 0.1 0.0 0.1 7.4 12.1 12.2 13.6

1.1 0.8 0.6 0.6 20.4 21.2 24.4 27.3 15.1 17.1 17.0 14.2 24.3 26.7 29.3 30.2 32.3 29.1 24.0 22.4 2.2 1.3 1.0 1.2 0.3 0.2 0.2 0.3 0.0 0.1 0.0 0.1 4.2 3.6 3.4 3.8

15.7 24.6 30.920.6

3.317.9 28.0 26.422.4

その他 0.4大学院 1.9

わからない 0.1高校 短期大学

0.7

4.016.9 28.7 22.925.30.9 0.10.9 0.4

0.01.1 0.2

4.214.0 29.6 22.028.40.6 0.10.9 0.3

0.10.21.3

0.00.21.0

0.10.31.2

15.4 23.2 30.719.6

12.115.7 24.3 26.519.30.7

12.215.5 26.7 21.822.20.6

13.612.7 27.1 20.224.50.6

15.1 24.3 32.320.4

17.1 26.7 29.121.20.8

17.0 29.3 24.024.40.6

14.2 30.2 22.427.3

3.6

3.4

3.80.6

中学校 1.2 専門学校・各種学校大学(四年制、六年制)

無回答・不明 4.6

その他 0.3大学院 2.2

わからない 0.0高校 短期大学

中学校 1.1 専門学校・各種学校大学(四年制、六年制)

無回答・不明 4.2

その他 0.3大学院 2.2

わからない 0.0

高校 短期大学中学校 1.2 専門学校・各種学校

大学(四年制、六年制) 無回答・不明 7.4

0.10.21.1

0.00.20.9

0.10.21.1

(%) (%)

(%)

2015 2016

2015-2016

小 4~6生

小 1~3生

中学生

高校生

小 4~6生

小 2~3生

中学生

高校生

小 4~6生

小 1~3生

中学生

高校生

基本属性●子どもが通っている学校の種類(学校段階別)

●保護者(回答者)と子どもとの続柄(学校段階別)

●母親の最終学歴(学校段階別)

注1 「その他」は「祖母」+「祖父」+「その他」の%。注2 保護者の回答。

注 保護者の回答。

注1 調査初回の保護者本人と配偶者についての回答をもとに作成。 2015 2016 は各時点に母親がいる場合を、 2015-2016 は調査時点のいずれも母親がいる場合を集計対象としている。

注2  2015-2016 は2016年の学年。

Page 6: 親子調査2015 2016 - ベネッセ教育総合研究所子どもの生活と学びに関する 親子調査2015-2016 速報版 東京大学社会科学研究所 親子パネル調査にみる意識と実態の変化

課題提起 ①学習時間Ⅰ

6

0

50

100

150

200

31.7 43.4 51.4 53.8 25.9 33.3 37.3 40.8 44.5 45.1 58.7 47.0 48.9 57.3 51.4 52.5 14.1 26.0 34.1 46.2 12.9 14.5 15.4 22.0 26.1 30.4 31.4 28.7 41.7 28.4 29.8 80.8 3.0 12.1 23.1 19.6 2.3 3.3 3.8 7.8 12.5 16.6 14.3 19.9 34.1 9.3 12.5 37.0 48.8 81.5 108.6 119.6 41.1 51.1 56.5 70.6 83.1 92.1 104.4 95.6 124.7 95.0 93.7 170.3

高3生

高2生

高1生

中3生

中2生

中1生

小6生

小5生

小4生

小3生

小2生

小1生

高校生

中学生

小4〜6生

小1〜3生

(分)

学習塾の時間

学校の宿題以外の勉強をする時間

学校の宿題をする時間

0

50

100

150

200

[108.6]

[81.5]

[48.8]

[119.6]

[41.1][51.1][56.5]

[70.6][83.1]

[92.1][104.4]

[95.6]

[124.7]

[95.0][93.7]

[170.3]

31.7 43.4

26.0

12.1

51.4

34.1

23.1

53.8

46.2

19.6

25.9

12.92.3

33.3

14.53.3

37.3

15.43.8

40.8

22.07.8

44.5

26.1

12.5

45.1

30.4

16.6

58.7

31.4

14.3

47.0

28.7

19.9

48.9

41.7

34.1

57.3

28.4

9.3

51.4

29.8

12.5

52.5

80.8

37.0

14.13.0

学習時間は学校段階が上がるほど増加するが、中高生では中3・高3生以外はあまり伸びていない

学校外での学習時間(「学校の宿題」「学校の宿題以外の勉強」「学習塾」の時間)は、小1〜3生49分<小4〜6生82分<中学生109分<高校生120分と、学校段階が上がるほど増加する。しかし、中高生では中3・高3以外は停滞する。その内訳をみると、「宿題の時間」の割合が、高3生を除けばどの学年でも4〜6割台と高くなっている。

Q あなたはふだん(学校がある日)、次のことを、1日にどれくらいの時間やっていますか。学校の中でやる時間は除いてください。「学校の宿題をする」「学校の宿題以外の勉強をする(学習塾の時間を除く)」

Q あなたはふだん(夏休みではないふつうのとき)、1週間に何回くらい、学習塾に行っていますか。また、1回にどれくらいの時間、勉強していますか。

子ども 2016  図1-1-1 学習時間(学校段階別、学年別/平均時間)

子ども 2016  表1-1-1 学習時間全体に占める各学習時間の比率(学校段階別、学年別)

注1 「学校の宿題をする時間」「学校の宿題以外の勉強をする時間」の平均時間は、「しない」を0分、「5分」を5分、「4時間」を240分、「4時間より多い」を300分のように置き換えて、無回答・不明を除いて算出した(図1-1-1、表1-1-1)。

注2 「学習塾の時間」の平均時間は、「通っていない」と回答した子どもを0分、「通っている」と回答した子どものうち「1回にどれくらいの時間、勉強していますか」という質問に対して、「30分」を30分、「1時間」を60分、「4時間」を240 分、「4時間以上」を270 分のように置き換え、週あたりの通塾回数をかけあわせて7で割って算出した(図1-1-1、表1-1-1)。

注3 [ ]内は各学習時間の合計(分)(図1-1-1)。注4 各学校段階や学年において、学習時間全体に占める比率がもっとも高いものに◯をつけた(表1-1-1)。注5 小1〜3生は保護者の回答(図1-1-1、表1-1-1)。

小 1 〜 3 生 小 4 〜 6 生 中学生 高校生学校の宿題をする時間 65.0 53.3 47.3 45.0

学校の宿題以外の勉強をする時間 28.9 31.9 31.4 38.6

学習塾の時間 6.1 14.8 21.3 16.4

小 1 生 小 2 生 小 3 生 小 4 生 小 5 生 小 6 生 中 1 生 中 2 生 中 3 生 高 1 生 高 2 生 高 3 生学校の宿題をする時間 63.0 65.2 66.0 57.8 53.5 49.0 56.2 49.2 39.2 60.3 54.9 30.8

学校の宿題以外の勉強をする時間 31.4 28.4 27.3 31.2 31.4 33.0 30.1 30.0 33.4 29.9 31.8 47.4

学習塾の時間 5.6 6.5 6.7 11.0 15.0 18.0 13.7 20.8 27.3 9.8 13.3 21.7

(%)

Page 7: 親子調査2015 2016 - ベネッセ教育総合研究所子どもの生活と学びに関する 親子調査2015-2016 速報版 東京大学社会科学研究所 親子パネル調査にみる意識と実態の変化

課題提起

②学習意欲(勉強の好き嫌い)

7

-30-20-1001020304050-70-60-50-40-30-20-10010203040506070

80

64.8 45.3 39.4 68.0 62.3 63.9 53.2 41.0 42.4 37.9 37.8 42.5 -29.9 -53.3 -59.6 -26.7 -32.1 -31.3 -45.5 -57.3 -56.3 -61.3 -61.2 -56.5

勉強が「好き」勉強が「嫌い」

607080

64.8

45.3

53.3

39.4

68.0

26.7

62.3

32.1

63.953.2

45.531.3

41.0

57.3

42.4

56.3

37.9

61.3

37.8

61.2

42.5

56.559.6

29.9

高3生

高2生

高1生

中3生

中2生

中1生

小6生

小5生

小4生

高校生

中学生

小4〜6生

60

80

40

20

0

20

40

60

80(%)

(%)

勉強が「好き」-勉強が「嫌い」のポイント差

+34.9

▲8.0▲20.2 ▲16.3 ▲13.9

▲23.4 ▲23.4▲14.0

+41.3+30.2 +32.6

+7.7

73.2 65.3 68.8 56.2 44.1 45.4 40.1 41.8 44.5 62.1 59.0 58.8 50.1 37.8 39.3 35.6 33.4 40.5

83.4 78.9 79.6 68.8 60.6 65.8 55.8 57.4 64.6 74.4 66.0 66.2 60.5 49.9 42.5 36.4 41.3 47.1 52.1 48.0 47.9 32.3 20.5 20.5 27.3 23.8 24.3

30

40

50

60

70

80

20

40

60

80

100

20

0

40

60

80

100(%) (%)

20

0

40

60

80

100

成績上位

成績中位

成績下位

高3生

高2生

高1生

中3生

中2生

中1生

小6生

小5生

小4生

高3生

高2生

高1生

中3生

中2生

中1生

小6生

小5生

小4生

男子

女子73.2

62.1

65.3 68.8

56.2

44.1 45.440.1 41.8

44.5

40.533.435.639.337.8

50.159.0 58.8

性別 成績別

83.4

74.4

52.1

78.9

66.0

48.0

79.6

66.2

47.9

68.8

60.5

32.3

60.6

49.9

20.5

65.8

42.5

20.5

55.8

36.4

27.3

57.4

41.3

23.8

64.6

47.1

24.3

勉強が「好き」な子どもは学校段階が上がるほど減少。中学生になると、「好き」よりも「嫌い」の方が多くなる

勉強が「好き」(「とても好き」+「まあ好き」)の比率は、小学生(65%)から中学生(45%)にかけて約20ポイント減少し、勉強が「嫌い」(「あまり好きではない」+「まったく好きではない」)の比率の方が高くなる。学年別に勉強が「好き」の比率をみると、小6生から中1生にかけて約11ポイント、さらに中1生から中2生にかけて約12ポイント減少している。性別や成績別でみても、小6生から中2生にかけて同様の傾向であった。

Q あなたは「勉強」がどれくらい好きですか。

子ども 2016  図1-2-1 勉強の「好き」「嫌い」(学校段階別、学年別)

子ども 2016  図1-2-2 勉強が「好き」の比率(学年別・子どもの性別、成績別)

注1 勉強が「好き」は「とても好き」+「まあ好き」の%(図1-2-1、図1-2-2)。注2 勉強が「嫌い」は「あまり好きではない」+「まったく好きではない」の%(図1-2-1)。注3 無回答・不明の比率は表示していないので、勉強が「好き」と「嫌い」の比率の合計は100%にならない(図1-2-1)。注4 成績の自己評価(小学生は4教科、中高生は5教科についてそれぞれ5段階で回答)の総合得点を算出し、学校段階ごとに人数が均等になるように、「成

績上位」「成績中位」「成績下位」の3つに分類した(図1-2-2)。

Page 8: 親子調査2015 2016 - ベネッセ教育総合研究所子どもの生活と学びに関する 親子調査2015-2016 速報版 東京大学社会科学研究所 親子パネル調査にみる意識と実態の変化

③「勉強の好き嫌い」の変化

8

勉強が「好き」

勉強が「嫌い」

勉強が「好き」勉強が「嫌い」

勉強が「好き」勉強が「嫌い」

0

20

40

60

80

100

0

20

40

60

80

100

80

100

80

100

0

20

40

60

80(%)

(%)40

20

0

(%)

(%)

0

20

40

60

40

20

60

(%)

(%)

0

20

40

40

20

60

天地逆

小5〜6生

中学生

高校生

好きをキープ 55.4%好き68.1%

嫌い31.9%

好き66.4%

嫌い33.7% 嫌いなまま 20.5%

嫌いから好き 11.1%好きから嫌い 12.9%

中 3、高 1~2生

小 4~5生

小 6、中 1~2生

高 1~3生

小 5~6生

中 1~3生

好きをキープ 37.0%好き53.4%

嫌い46.6%

好き46.4%

嫌い53.6% 嫌いなまま 37.2%

嫌いから好き 9.4%好きから嫌い 16.4%

好きをキープ 28.0%好き39.2%

嫌い60.9%

好き40.0%

嫌い60.1% 嫌いなまま 48.7%

嫌いから好き 11.9%好きから嫌い 11.3%

2015

2015

2015

2016

2016

2016

勉強が「好きから嫌い」、「嫌いから好き」になった子どもが、どの学校段階でも1割前後いる

同じ子どもに、勉強の「好き」「嫌い」を1年前(2015年7 〜 8月)と現在(2016年7月〜 8月)とで尋ねた結果を比較すると、小中高生とも、勉強が「好きから嫌い」、「嫌いから好き」になった子どもが1割前後いることがわかった。全体的には、P.7で見たように、小学生から中学生にかけて勉強が「好き」の比率が大きく低下するが、勉強が「嫌いから好き」になる子どもも一定数いるようだ。

Q あなたは「勉強」がどれくらい好きですか。

注1 勉強の好き嫌いの変化は、「とても好き」「まあ好き」を「好き」、「あまり好きではない」「まったく好きではない」を「嫌い」としたときの、2015年と2016年の回答の変化を示している。無回答・不明の人は除いている。

注2 2016年の学年。

子ども 2015-2016  図1-3-1 「勉強の好き嫌い」の変化(学校段階別)

Page 9: 親子調査2015 2016 - ベネッセ教育総合研究所子どもの生活と学びに関する 親子調査2015-2016 速報版 東京大学社会科学研究所 親子パネル調査にみる意識と実態の変化

課題提起

9

75.5 87.165.0 69.360.5 80.963.2 68.0

115.8 125.3 104.7 100.2 97.6 131.7 82.6 89.9

136.7 164.3 109.9 106.5 101.3 143.2 85.3 92.9

20.713.724.315.615.311.826.814.722.214.833.519.7

0 10 20 30 40

0 20 40 60 80 1000 5 10 15 20 25

0 5 10 15 20 25 300 30 60 90 120 150

(分)

0 50 100 150 200 0 10 20 30 40(分)

0 50 100 150 200 0 10 20 30 40(%)

(%)

(%)

(分)

小5〜6生

中学生

高校生

好きをキープ

好きから嫌い

嫌いから好き

嫌いなまま

好きをキープ

好きから嫌い

嫌いから好き

嫌いなまま

好きをキープ

好きから嫌い

嫌いから好き

嫌いなまま

165.7136.5

116.4

82.995.0

67.671.0

66.285.6

66.172.2

125.2

104.5101.3

96.8131.7

82.589.3

109.9107.4

101.2146.1

85.192.7

33.5

22.3

20.4

14.4

22.3

15.9

15.3

11.8

26.8

14.7

19.7

14.8

2016 年

2015年

成績(自己評価)が上がった子どもの比率学習時間(平均時間)

2016 年

2015年

2016年

2015年

0 50 100 150 200

勉強が「嫌いから好き」になった子どもは、どの学校段階でも、学習時間が伸び、成績(自己評価)も上昇

勉強が「嫌いから好き」になった子どもは、どのように学習に取り組んでいるのだろうか。学習時間と成績(自己評価)を確認したところ、小中高生とも、勉強が「嫌いから好き」になった子どもは、学習時間が増加したり、成績(自己評価)が上昇した子どもの比率が他よりも高かった。単に、勉強が「嫌いから好き」になっただけでなく、学習時間や学習成果に結びついている様子がうかがえる。

子ども 2015-2016  図1-3-2 学習時間と成績の変化(学校段階別・「勉強の好き嫌い」の変化別)

Ⅰ課題提起(p.6〜9)のまとめ学校段階が上がるほど、学習時間は長くなるが、中高生では中3・高3生以外はあまり伸びていない。他方、勉強が「好き」な子どもの比率は徐々に減少し、中学生になると「嫌い」な子どもの方が多くなる。パネルデータの分析からは、勉強が「嫌いから好きに」なる子どもが、どの学校段階でも1割前後いることがわかった。そのような子どもは、学習時間が増え成績が伸びている。以降では、勉強が「嫌いから好きに」なった子どもには、どんな特徴があるのかについて、多面的に分析し考察していく。

注1 学習時間(平均時間)は、「学校の宿題をする時間」「学校の宿題以外の勉強をする時間」「学習塾の時間」の平均時間を算出し、合計したもの。注2 成績(自己評価)が上がった子どもとは、2015年は「成績中位」だった子どもが2016年は「成績上位」になった場合と、2015年は「成績下位」だった

子どもが2016年は「成績上位」または「成績中位」になった場合とを合計したもの。注3 2016年の学年。

Page 10: 親子調査2015 2016 - ベネッセ教育総合研究所子どもの生活と学びに関する 親子調査2015-2016 速報版 東京大学社会科学研究所 親子パネル調査にみる意識と実態の変化

分析と考察 ①勉強する理由(学習動機づけ)Ⅱ

10

0 20 40 60 80

0 10 20 30 40 50 60 70 80

72.9 58.8 53.957.5 45.8 42.075.7 60.8 47.856.4 79.7 76.959.9 64.3 59.160.0 59.5 52.745.6 46.4 35.139.6 39.9 36.7

(%)

新しいことを知るのがうれしいから

問題を解くことがおもしろいから

ふだんの生活に役立つから

自分の希望する高校や大学に進みたいから

友だちに負けたくないから

成績がよいと周りの人がほめてくれるから

先生や親にしかられたくないから

周りの人に頭がよいと思われたいから

72.958.8

53.8

57.545.8

42.0

75.760.8

47.8

56.479.8

76.8

59.964.3

59.1

60.059.4

52.7

45.746.4

35.1

39.539.9

36.7

内発的動機づけ

同一化的

動機づけ

外発的動機づけ

取り入れ的

動機づけ

外的動機づけ

■小4~6生■中学生■高校生

〈基礎知識…学習動機づけ〉学習意欲を高めて行動に向かわせることを「学習動機づけ」と呼ぶ。動機づけは次に分類できる。

A 内発的動機づけ 内容に対する好奇心や関心によってもたらされる動機づけ

B 外発的動機づけ 内容そのものではなく、外的な目的や理由によってもたらされる動機づけ

 B-1 同一化的動機づけ 学習者自らの価値観や信念と一致した理由による動機づけ B-2 取り入れ的動機づけ 周囲の価値観や実行しない場合の不安などによる動機づけ B-3 外的動機づけ 義務や賞罰、強制などによってもたらされる動機づけ

出典:鹿毛雅治(2013)『学習意欲の理論-動機づけの教育心理学』(金子書房)を参考に作成

学校段階が上がるにつれて、内発的動機づけで勉強する中高生の割合が低くなる

勉強する理由をみると、学校段階が上がるにつれ、「新しいことを知るのがうれしいから」「ふだんの生活に役立つから」といった動機づけで勉強する子どもが徐々に減り、一方で「自分の希望する高校や大学に進みたいから」という理由で勉強する子どもが増え、中高生では約8割となる。また、「友だちに負けたくないから」勉強している子どもはどの学校段階でも6割前後いるが、なかでも、中学生の回答比率が比較的高いことから、とくに中学生の学習において、他者の存在が大きいということが言えそうだ。

Q あなたが勉強する理由について、次のことはどれくらいあてはまりますか。

子ども 2016  図2-1-1 勉強する理由(学校段階別)

注 「とてもあてはまる」+「まああてはまる」の%。

Page 11: 親子調査2015 2016 - ベネッセ教育総合研究所子どもの生活と学びに関する 親子調査2015-2016 速報版 東京大学社会科学研究所 親子パネル調査にみる意識と実態の変化

分析と考察

11

外発的動機づけ

18.7 57.4 22.7 49.3 14.0 52.8 32.8 28.5 47.4 40.1 48.0 37.6 34.5 34.0 31.3 41.1 26.7 41.3 16.6 34.5 14.1 26.3 7.0 23.6

76.2 72.0 66.9 61.3 87.5 85.7 68.5 72.4 68.0 51.1 40.5 30.6

嫌いなまま 嫌いから好き

新しいことを知るのがうれしいから

自分の希望する高校や大学に進みたいから

友だちに負けたくないから

先生や親にしかられたくないから

41.5 29.5 47.4 40.1

37.548.228.040.0

34.034.513.633.7

41.1

34.516.630.3 21.0

26.314.133.6 15.6

23.732.2

6.8 7.0

41.426.8

10.1

36.6

31.316.034.6

57.4

49.322.7

5.7

31.1

53.014.1

3.6

31.5

28.532.812.526.8

18.736.0 6.0 [42.0]

[36.8]

[35.1]

[51.1]

[40.4]

[30.7]

0 20 40 60 80 100(%)100 80 60 40 20 0(%)

[76.1]

[72.0]

[67.1]

とてもあてはまるとてもあてはまるまああてはまる まああてはまる

[61.3]

[87.5]

  [85.7]

[68.5]

[72.4]

[68.2]

内発的動機づけ

同一化的動機づけ

取り入れ的動機づけ

外的動機づけ

[51.3]

[49.2]

[39.0]

[47.3]

[50.6]

[46.7]

小 5~6生

中学生

高校生

小 5~6生

中学生

高校生

小 5~6生

中学生

高校生

小 5~6生

中学生

高校生

[39.3]

[71.0]

[68.0]

勉強が「嫌いなまま」の子どもは「嫌いから好き」になった子どもに比べて外的動機づけで勉強している比率が高い

中高生では、勉強が「嫌いから好き」になった子どもは、進学や友だちとの勝ち負け、新しいことを知るうれしさなどさまざまな動機づけを持ち合わせて勉強しているのに対して、勉強が「嫌いなまま」の子どもは主に進学を動機に勉強しているのが特徴である。また、「先生や親にしかられたくないから」勉強している子どもの比率を見ると、小学生では、勉強が「嫌いから好き」になった子どもも、勉強が「嫌いなまま」の子どもも5割だが、中高生では勉強が「嫌いなまま」の子どもの方が「嫌いから好き」になった子どもより高くなる。

Q あなたが勉強する理由について、次のことはどれくらいあてはまりますか。

子ども 2015-2016  図2-1-2 勉強する理由(学校段階別・「勉強の好き嫌い」の変化別)

注1 [ ]内は、「とてもあてはまる」+「まああてはまる」の%。注2 「学習動機づけ」の分類と定義はP10の〈基礎知識…学習動機づけ〉を参照。注3 2016年の学年。

Page 12: 親子調査2015 2016 - ベネッセ教育総合研究所子どもの生活と学びに関する 親子調査2015-2016 速報版 東京大学社会科学研究所 親子パネル調査にみる意識と実態の変化

②勉強方法(学習方略)

12

0 20 40 60 80 100 0 20 40 60 80 100

0 20 40 60 80 100 0 10 20 30 40 50 60 70 80

85.2 74.5 66.473.6 75.0 73.361.5 63.9 65.151.5 45.6 48.131.5 26.5 28.1

74.3 65.8 57.457.2 58.9 68.653.0 58.9 64.051.1 61.6 65.638.8 32.5 29.4

85.2

66.3

73.6

74.9

73.3

61.563.9

65.1

74.5

74.3

57.4

57.2

58.9

68.6

52.9

58.9

64.0

51.1

61.7

65.6

38.9

32.5

29.3

65.8調整方略

援助要請方略

リハーサル・記憶方略

考えても分からないことは親や先生に聞く

テストで間違えた問題をやり直す

社会的方略

メリハリ方略遊ぶときは遊び、勉強するときは集中して勉強する

友だちと勉強を教えあう

プランニング方略

くり返し書いて覚える

何から勉強したらよいか順番を考える

モニタリング方略何が分かっていないか確かめながら勉強する

意味理解方略問題を解いた後、ほかの解き方がないかを考える

(%) (%)

■小4~6生■中学生■高校生

学校段階が上がるにつれ、「何が分かっていないか確かめながら勉強」する子どもが増加する

「遊ぶときは遊び、勉強するときは集中して勉強する」はどの学校段階でもよく使われている勉強方法である。また学校段階が上がるにつれ、比率が減少している勉強方法は「親や先生に聞く」「テストで間違えた問題をやり直す」「ほかの解き方がないかを考える」で、増加しているのは「友だちと勉強を教えあう」「何から勉強したらよいか順番を考える」「何が分かっていないかを確かめながら勉強する」ことである。勉強方法と子どもの発達とは関連していることがわかった。

Q あなたは勉強するときに、次のことをどれくらいしますか。

子ども 2016  図2-2-1 勉強方法(学校段階別)

注 「よくする」+「ときどきする」の%。

認知的方略 自分自身の記憶や思考などの認知的プロセスを調整することで効果的な学習を促す方略のこと援助要請方略 友だちや先生、親などの他者からの援助を受けたりすることで、理解や思考を深める方略リハーサル・記憶方略 学習内容を覚えるために、くり返し暗唱したり、反復して書いたりする方略意味理解方略 解き方、考え方を確かめながら、学習内容の意味を理解し、思考を深める方略

出典:伊藤崇達(2009)『自己調整学習の成立過程ー学習方略と動機づけの役割』(北大路書房)より引用・作成

メタ認知的方略 自分の思考や行動を客観的に把握し認識すること(メタ認知)を通じて、自己調整によって学習の効率化を図る方略のこと

調整方略 必要に応じて自分で設定した計画や方略を修正したりしながら、目標達成に向かって学習を進めていく方略プランニング方略 課題を分析し、目標を自ら設定して、目標達成に向けた計画を立てる方略

モニタリング方略 自分で設定した目標や計画が予定通りに進行しているかどうかを定期的に確かめながら、目標達成に向かって学習を進めていく方略

出典:伊藤崇達(2009)『自己調整学習の成立過程ー学習方略と動機づけの役割』(北大路書房)より引用・作成

自己動機づけ方略 学習に向けて自らの意欲を高めるために、用いる方略のことメリハリ方略 学習時間の区切りをうまくつけて集中力を高める方略社会的方略 友だちとともに学習をしたり、友だちや先生に相談したりしてやる気を高める方略

出典:伊藤崇達・神藤貴昭(2003)「中学生用自己動機づけ方略尺度の作成」『心理学研究』第74巻,第3号,209-217より引用

〈基礎知識…学習方略〉学習方略とは学習効果を高めるために、意識的に用いる勉強方法のことである。

Page 13: 親子調査2015 2016 - ベネッセ教育総合研究所子どもの生活と学びに関する 親子調査2015-2016 速報版 東京大学社会科学研究所 親子パネル調査にみる意識と実態の変化

分析と考察

13

19.1 43.8 11.8 29.3 32.9 40.8 16.9 34.5 32.3 36.2 22.2 35.4

39.1 38.7 24.2 31.4 31.9 38.2 16.2 36.9 19.7 45.5 8.9 33.1

63.0 41.1 73.7 51.3 68.5 57.6

0 10 20 30 40 50 60 70 80 0 10 20 30 40 50 60 70 80

0 20 40 60 80 0 20 40 60 80

0 20 40 60 80 0 20 40 60 80

嫌いから好き

「くり返し書いて覚える」

「何が分かっていないか確かめながら 勉強する」

「友だちと勉強を教えあう」

「テストで間違えた問題をやり直す」 

43.819.1 [62.9]

21.8p 差

29.311.8 [41.1]

40.832.9 [73.7]

34.516.9 [51.4]

36.332.4 [68.7]

35.322.2 [57.5]

22.3p 差

11.2p 差

よくする

(%)

小5〜6生

中学生

高校生

小5〜6生

中学生

高校生

38.739.1 [77.8]

22.2p 差

31.424.2 [55.6]

38.231.9 [70.1]

36.916.2 [53.1]

45.619.7 [65.3]

33.18.9 [42.0]

17.0p 差

23.3p 差

31.522.6 [54.1]

22.7p 差

22.98.5 [31.4]

45.128.6 [73.7]

33.413.4 [46.8]

47.332.1 [79.4]

39.512.8 [52.3]

26.9p 差

27.1p 差

31.526.8 [58.3]

13.5p 差

30.314.5 [44.8]

39.526.0 [65.5]

33.717.6 [51.3]

45.625.6 [71.2]

46.417.6 [64.0]

14.2p 差

7.2p 差

(%)

(%) (%)

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き 小

5〜6生

中学生

高校生

小5〜6生

中学生

高校生

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

調整方略

社会的方略モニタリング方略

リハーサル・記憶方略

ときどきする よくする ときどきする

よくする ときどきするよくする ときどきする

勉強が「嫌いから好き」になった子どもは学習方略を活用している

勉強が「嫌いから好き」になった子どもは、「嫌いなまま」の子どもより学習方略を活用している比率が高い。学校段階別にみると、「くり返し書いて覚える」「友だちと勉強を教えあう」では、高校生より小中学生のほうが「嫌いから好き」と「嫌いなまま」との差が大きく、「何が分かっていないか確かめながら勉強する」は小学生より中高生のほうが両者の差が大きい。学校段階によって、「勉強の好き嫌い」の変化に影響を与える効果的な学習方略が異なることを示唆している。

Q あなたは勉強するときに、次のことをどれくらいしますか。

子ども 2015-2016  図2-2-2 勉強方法(学校段階別・「勉強の好き嫌い」の変化別)

注1 [ ]内は、「よくする」+「ときどきする」の%。注2 「学習方略」の分類と定義はP12の〈基礎知識…学習方略〉を参照。注3 20p以上差があるものに、赤字でp差を示している。注4 2016年の学年。

Page 14: 親子調査2015 2016 - ベネッセ教育総合研究所子どもの生活と学びに関する 親子調査2015-2016 速報版 東京大学社会科学研究所 親子パネル調査にみる意識と実態の変化

14

③学校生活

14

48.2 37.7 37.4 42.2 31.8 47.6 76.3 20.4 64.6 29.3 55.6 38.0 31.9 51.0 21.6 48.7 12.8 47.7 35.6 39.3 25.5 36.2 22.0 39.2

[85.9][79.6][79.4][96.7][93.9][93.6][82.9][70.3][60.5][74.9][61.7][61.2]0 20 40 60 80 100

(%)0 20 40 60 80 100

自分のクラスが好きだ

48.2 37.7 [85.9]

42.237.4 [79.6]

31.8 47.6 [79.4]

20.476.3 [96.7]

38.055.6 [93.6]

51.031.9

48.721.6

47.712.8

39.335.6

36.225.5

39.222.0

[82.9]

[70.3]

[60.5]

[74.9]

[61.7]

[61.2]

29.364.6 [93.9]

とてもあてはまる まああてはまる

小 4~6生

中学生

高校生

小 4~6生

中学生

高校生

小 4~6生

中学生

高校生

小 4~6生

中学生

高校生

友だちとすごすのが

楽しい

授業が楽しい

尊敬できる先生がいる

43.0 27.7 29.9 26.2 28.9 27.9 37.0 45.3 47.0 42.2 47.6 43.5 80.0 73.0 76.9 68.4 76.5 71.5

44.3 32.1 34.2 29.5 31.1 31.9 34.9 42.5 44.7 43.2 48.7 43.5 79.2 74.6 78.9 72.8 79.8 75.5

20.4 16.9 19.7 14.1 17.6 13.7 37.0 34.9 31.3 31.7 37.5 31.2 57.4 51.8 51.0 45.9 55.1 44.9

14.0 6.0 14.1 8.3 7.6 5.5 51.1 40.2 47.7 36.0 45.1 33.6 65.1 46.2 61.8 44.3 52.7 39.1

0 10 20 30 40 50 60 70 80 0 10 20 30 40 50 60 70 80

0 10 20 30 40 50 60 70 80 0 10 20 30 40 50 60

「授業が楽しい」 「尊敬できる先生がいる」

0 20 40 60 80 100 (%) 0 20 40 60 80 100 (%)

[65.1]

[46.2]

[61.8]

[44.3]

[53.0]

[39.2]

51.1

40.2

6.0

47.714.1

36.08.3

45.47.6

33.7

14.0

5.5

[57.4]

[51.8]

[51.0]

[45.8]

[55.4]

[45.0]

37.0

34.916.9

31.319.7

31.714.1

37.717.7

31.3

20.4

13.7

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

とてもあてはまる まああてはまる とてもあてはまる まああてはまる

小5〜6生

中学生

高校生

小5〜6生

中学生

高校生

18.9p 差 5.6p 差

17.5p 差 5.2p 差

13.8p 差 10.4p 差

勉強が「嫌いから好き」になった子どもほど、1年前に「授業が楽しい」と感じていた

「授業が楽しい」(「とてもあてはまる」+「まああてはまる」、以下同様)は、学校段階が上がるほど比率が低い。また、「尊敬できる先生がいる」は小4〜6生より中高生のほうが比率が低い。「勉強の好き嫌い」の変化との関連をみると、勉強が「嫌いから好き」になった子どもは、「嫌いなまま」の子どもより、1年前に「授業が楽しい」

「尊敬できる先生がいる」と回答している。学校の授業や先生が子どもの学習意欲にとって重要であることが示唆される。

Q 学校生活について、次のようなことはどれくらいあてはまりますか。

子ども 2016  図2-3-1 学校生活(学校段階別)

子ども 2015-2016  図2-3-2 1年前の学校生活(学校段階別・「勉強の好き嫌い」の変化別)

注1 [ ]内は、「とてもあてはまる」+「まああてはまる」の%(図2-3-1、図2-3-2)。注2 2016年の学年(図2-3-2)。

Page 15: 親子調査2015 2016 - ベネッセ教育総合研究所子どもの生活と学びに関する 親子調査2015-2016 速報版 東京大学社会科学研究所 親子パネル調査にみる意識と実態の変化

15

分析と考察

15

79.8 62.7 53.1 16.0 28.3 33.2 95.8 91.0 86.3

24.2 17.3 13.3 54.2 49.8 43.0 78.4 67.1 56.3

76.1 67.6 68.4 18.6 24.6 23.5 94.7 92.2 91.9

31.4 24.9 14.6 44.0 42.7 40.1 75.4 67.6 54.7

47.5 40.2 21.3 43.4 45.0 45.3 90.9 85.2 66.6

22.6 19.4 20.5 47.0 45.5 48.4 69.6 64.9 68.9

46.4 34.0 14.5 40.9 44.7 43.0 87.3 78.7 57.5

22.6 18.2 8.2 44.3 40.6 30.8 66.9 58.8 39.0

41.3 38.4 11.6 45.9 43.1 39.8 87.2 81.5 51.4

7.8 9.2 14.4 46.6 33.9 34.7 54.4 43.1 49.1

0 20 40 60 80 100

0 20 40 60 80 100

0 20 40 60 80 100

0 10 20 30 40 50 60 70 80

0 10 20 30 40 50 60 70 80

0 10 20 30 40 50 60 70 80

0 20 40 60 80 1000 20 40 60 80 100 (%) (%)

テーマについて討論(話し合い)

をする

グループで調べたり

考えたりする

学校の先生以外の人の話を聞く

調べたり考えたりした

ことを発表する

調べたことをグラフや表に

まとめる

観察・実験や調査などで

考えを確かめる

[90.9]

[85.2]

[66.6]

43.447.5

45.040.2

45.3

[87.3]

[78.7]

[57.5]

46.4

21.3

40.9

34.0 44.7

14.5

[87.2]

[81.5]

[51.4]

41.3

43.0

45.9

38.4 43.1

11.6 39.8

[69.6]

[64.9]

[68.9]

22.6 47.0

19.4 45.5

20.5 48.4

[66.9]

[58.8]

[39.0]

44.322.6

40.618.2

8.2 30.8

[75.4]

[67.6]

[54.7]

44.031.4

42.724.9

40.114.6

よくあった ときどきあった よくあった ときどきあった

■小4~6生■中学生■高校生

45.5 41.8 46.8 48.7 92.3 90.5

42.4 34.5 45.7 50.2 88.1 84.7

21.1 18.2 45.8 44.3 66.9 62.5

46.0 37.9 40.4 46.7 86.4 84.6

33.2 27.8 45.7 49.1 78.9 76.9

16.3 10.4 46.1 42.8 62.4 53.2

20.9 15.2 51.5 48.0 72.4 63.2

21.4 14.8 46.4 46.4 67.8 61.2

22.8 17.6 50.3 49.5 73.1 67.1

0 20 40 60 80 100 0 20 40 60 80 100

0 20 40 60 80 100 0 10 20 30 40 50 60 70 80 0 10 20 30 40 50 60 70 80

0 10 20 30 40 50 60 70 800 10 20 30 40 50 60 70 80

0 10 20 30 40 50 60 70 80

(%) (%)

46.0 40.4

37.9 46.7

[86.4]

[84.6]

33.2 45.7

27.8 49.1

[78.9]

[76.9]

16.3 46.2

10.4

42.7

[62.5]

9.4p 差

[53.1]

20.9 51.5

15.2 48.0

[72.4]

9.2p 差

[63.2]

21.4 46.4

14.8 46.4

[67.8]

6.6p 差

[61.2]

22.5 50.4

17.6 49.5

[72.9]

5.8p 差

[67.1]

嫌いから好き

よくあった

小5〜6生

中学生

高校生

小5〜6生

中学生

高校生

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

「調べたり考えたりしたことを発表する」 「学校の先生以外の人の話を聞く」ときどきあった よくあった ときどきあった

勉強が「嫌いから好き」になった子どもほど、「調べたり考えたりしたことを発表する」授業を受けている

「グループで調べたり考えたりする」「調べたり考えたりしたことを発表する」などの授業(「よくあった」+「ときどきあった」、以下同様)は、学校段階が上がるほど比率が低い。「勉強の好き嫌い」の変化との関連をみると、勉強が「嫌いから好き」になった子どもは「嫌いなまま」の子どもより、「調べたり考えたりしたことを発表する」「学校の先生以外の人の話を聞く」といった授業があったと回答している。「調べたり考えたりしたことを発表する」授業は、小5〜6生、中学生では「よくあった」の比率に差があり、高校生では「よくあった」+「ときどきあった」の比率に差がある。学校の授業でどのような経験をしているかが子どもの学習意欲と結びついているようだ。

Q この1年くらいの間に、学校の授業で、次のようなことはどれくらいありましたか。

子ども 2016  図2-3-3 現在の学校の授業(学校段階別)

子ども 2015-2016  図2-3-4 この1年間の学校の授業(学校段階別・「勉強の好き嫌い」の変化別)

注1 [ ]内は、「よくあった」+「ときどきあった」の%(図2-3-3、図2-3-4)。注2 5p以上差があるものにp差を示している(図2-3-4)。注3 2016年の学年(図2-3-4)。

Page 16: 親子調査2015 2016 - ベネッセ教育総合研究所子どもの生活と学びに関する 親子調査2015-2016 速報版 東京大学社会科学研究所 親子パネル調査にみる意識と実態の変化

④さまざまな体験

注1 複数回答(図2-4-1)。注2 23項目のうち、8項目を図示(図2-4-1)。注3 5p以上差があるものに、p差を示している(図2-4-2)。注4 2016年の学年(図2-4-2)。16

79.4 72.9 67.4 63.0 51.6 46.3 38.6 44.1 45.9 81.5 59.1 37.1 42.5 33.3 33.1 19.3 21.5 17.4 76.9 64.5 46.1 35.9 26.1 20.3

0 20 40 60 80 100

79.472.9

67.463.0

51.646.3

38.644.145.9

81.559.1

37.142.5

33.333.1

64.576.9

19.321.5

17.4

20.326.1

35.946.1

0 20 40 60 80 100(%)

■小4~6生■中学生■高校生

夢中になって時間がたつのを忘れる

飛び上がるくらいうれしい思いをする

本やドラマ・映画などに感動して泣く

地域の行事に参加する(夏祭りなど)

親から仕事の楽しさや大変さを聞く

ボランティア活動に参加する

家族で旅行をする

美術館や博物館に行く

感動・夢中体験

地域や家庭の行事

人や社会とのつながり

旅行・文化活動

83.8 75.1 70.7 69.2 70.2 65.6

41.7 33.0 32.2 29.5 38.2 30.5

0 20 40 60 80 100 0 10 20 30 40 50

「夢中になって時間がたつのを忘れる」 「親から仕事の楽しさや大変さを聞く」

0 20 40 60 80 100(%) 0 20 40 60 80 100(%)

83.8

75.1

70.7

69.2

70.1

65.6

41.7

33.0

32.2

29.5

38.3

30.4

嫌いから好き

嫌いなまま

小5〜6生

中学生

高校生

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

小5〜6生

中学生

高校生

8.7p 差 8.7p 差

7.9p 差

勉強が「嫌いから好き」になった小学生と高校生はこの1年間に「夢中体験」を多くしている

この1年間の経験に関する比率は、学校段階が上がるにつれ、ほとんどの項目で下がる。高校生が小中学生に比べて経験率が高かったのは「本やドラマ・映画などに感動して泣く」だけである。また、勉強が「嫌いから好き」になった小学生と高校生は、「嫌いなまま」の子どもに比べて、この1年間に「夢中になって時間がたつのを忘れる」「親から仕事の楽しさや大変さを聞く」といった経験を多くしている。さまざまな経験が「勉強の好き嫌い」と関連しているようだ。

Q この1年くらいの間に、あなたは次のようなことを経験しましたか。

子ども 2016  図2-4-1 1年間の経験(学校段階別)

子ども 2015-2016  図2-4-2 この1年間の経験(学校段階別・「勉強の好き嫌い」の変化別)

Page 17: 親子調査2015 2016 - ベネッセ教育総合研究所子どもの生活と学びに関する 親子調査2015-2016 速報版 東京大学社会科学研究所 親子パネル調査にみる意識と実態の変化

⑤親子の会話

分析と考察

注1 小1〜3生は保護者の回答(図2-5-1)。注2 「よく話す」+「ときどき話す」の%(図2-5-1、図2-5-2)。注3 5p以上差があるものにp差を示している(図2-5-2)。注4 2016年の学年(図2-5-2)。

17

94.5 89.1 84.2 81.7 93 88.2 81.0 77.8 72.8 79.8 80.9 76.1 41.1 54.0 64.6 75.0 31.2 48.0 52.2 53.0

0 20 40 60 80 100 0 10 20 30 40 50 60 70 80

0 20 40 60 80 100100 80 60 40 20 0(%) (%)

②父親との会話

学校での出来事

友だちのこと

勉強や成績のこと

将来や進路のこと

社会のニュース

70.661.2

48.843.2

64.657.6

42.735.4

43.458.755.5

45.5

23.435.440.145.9

19.436.440.439.7

94.589.184.281.7

93.088.281.077.8

72.879.880.976.1

41.154.0

64.675.0

31.248.052.253.0

①母親との会話

■小1~3生■小4~6生■中学生■高校生

83.382.780.079.977.974.148.145.643.140.6

+9.7p

+6.4p

+6.2p

9.7p 差

6.4p 差

6.2p 差

46.445.940.138.554.344.629.322.933.927.7

(%)(%) 0 20 40 60 80 100100 80 60 40 20 0

0 20 40 60 80 100 0 10 20 30 40 50 60

学校での出来事

友だちのこと

勉強や成績のこと

将来や進路のこと

社会のニュース

①母親との会話 ②父親との会話

■嫌いから好き

■嫌いなまま

83.382.7

77.974.1

48.145.6

43.140.6

79.980.0

46.445.9

40.138.5

54.344.6

29.322.9

33.927.7

中学生

勉強が「嫌いから好き」になった中学生ほど、父親と「勉強や成績」「将来や進路」に関わる会話をしていた

全体的に母親との会話の頻度は父親よりも高く、中高生になると「勉強や成績」、「将来や進路」の会話が増える。勉強の好き嫌いの変化別にみると、父親の会話で差がついている。勉強が「嫌いから好き」になった中学生ほど、父親と「勉強や成績のこと」「将来や進路のこと」「社会のニュース」について会話をした傾向があった。

Q ふだん、お父さんやお母さんと、次のことについてどれくらい話をしますか。

子ども 2016  図2-5-1 親子の会話(学校段階別)

子ども 2015-2016  図2-5-2 1年前の親子の会話(中学生・「勉強の好き嫌い」の変化別)

Page 18: 親子調査2015 2016 - ベネッセ教育総合研究所子どもの生活と学びに関する 親子調査2015-2016 速報版 東京大学社会科学研究所 親子パネル調査にみる意識と実態の変化

注1 [ ]内は、「とてもあてはまる」+「まああてはまる」の%。注2 小1〜3生は保護者の回答。

⑥保護者のかかわり

18

0

20

40

60

80

100

0

20

40

60

80

100

0

20

40

60

80

100

59.6 51.2 45.0 40.3 36.2 43.8 49.7 53.4 95.8 95.0 94.7 93.7

32.0 32.0 28.5 27.0 55.9 55.6 58.4 60.3 87.9 87.6 86.9 87.3

6.2 6.0 3.2 2.4 48.6 46.9 40.1 27.6 54.8 52.9 43.3 30.0

12.7 14.0 13.2 10.6 47.5 47.8 45.7 41.0 60.2 61.8 58.9 51.6

9.2 6.7 4.2 2.8 35.1 31.6 28.1 21.8 44.3 38.3 32.3 24.6

18.5 12.1 6.2 2.5 53.6 47.1 36.0 20.4 72.1 59.2 42.2 22.9

18.8 12.3 5.5 1.9 54.7 47.6 28.9 11.9 73.5 59.9 34.4 13.8

39.9 42.3 43.5 47.2 53.1 51.5 50.6 48.1 93.0 93.8 94.1 95.3

70

8080

0

20

40

60

80

100

020

40

60

80

0

20

40

60

80

100

100(%)

(%)

(%)

「いいことをしたときにほめる」

高校生

中学生

小4〜6生

小1〜3生

高校生

中学生

小4〜6生

小1〜3生

高校生

中学生

小4〜6生

小1〜3生

高校生

中学生

小4〜6生

小1〜3生

高校生

中学生

小4〜6生

小1〜3生

高校生

中学生

小4〜6生

小1〜3生

高校生

中学生

小4〜6生

小1〜3生

高校生

中学生

小4〜6生

小1〜3生

「勉強の内容を教える」

「何にでもすぐに口出しをする」

「失敗をしたときにはげます」

「勉強のやり方を教える」

「親子で意見が違うときは親の意見を優先する」

「子どもがやりたいことを応援する」

「勉強のおもしろさを教える」

ほめる・励ます

勉強を教える

干渉する

まああてはまる

とてもあてはまる

まああてはまるとてもあてはまる

まああてはまるとてもあてはまる

[95.8] [95.0]

43.8

51.2

[94.7]

49.7

45.0

[93.7]

53.4

40.3

[87.9]

55.9

32.0

[87.6]

55.6

32.0

[86.9]

58.4

28.5

[87.3]

60.3

27.0

[95.3]

47.2

48.1

[94.1]

50.6

43.5

[93.8]

51.5

42.3

[93.0]

53.1

39.9

[73.5]

18.8

54.7

[59.9]

12.3

47.6 [34.4]

5.528.9 [13.8]

11.9

1.9

[72.1]

18.5

53.6

[59.2]

12.1

47.136.0

[42.2]

6.2

[22.9]

2.520.4

[60.2]

47.5

12.7

[61.8]

47.8

14.0

[58.9]

45.7

13.2

[51.6]

41.0

10.6

[54.8]

48.6

6.2

[52.9]

46.9

6.0

[43.3]

40.13.2

[30.0]

27.62.4

[24.6]

2.821.8

[32.3]

4.228.1

[38.3]

6.731.6

[44.3]

9.2

35.1

36.2

59.6

どの学校段階でも、ほとんどの保護者が子どもをほめたり励ましたりしている。他方、勉強を教える保護者は徐々に減少する

「いいことをしたときにほめる」「失敗したときにはげます」「子どもがやりたいことを応援する」比率(「とてもあてはまる」+「まああてはまる」、以下同様)は、学校段階によらず8〜9割台と高い。一方で、「勉強の内容を教える」「勉強のやり方を教える」「勉強のおもしろさを教える」比率は、学校段階が上がるほど徐々に低下する。

Q あなたのお子様に対するかかわりについて、次のことはどれくらいあてはまりますか。

保護者2016  図2-6-1 保護者のかかわり(学校段階別)

Page 19: 親子調査2015 2016 - ベネッセ教育総合研究所子どもの生活と学びに関する 親子調査2015-2016 速報版 東京大学社会科学研究所 親子パネル調査にみる意識と実態の変化

注1 ∧∨は5p以上差があることを示す(図2-6-2)。注2 「勉強&励まし」「勉強中心」「励まし中心」「どちらも低め」については、「いいことをしたときにほめる」「失敗したときにはげます」「子どもがなりたいこと

を応援する」「勉強を教える」「勉強のやり方を教える」「勉強のおもしろさを教える」の6項目を因子分析(プロマックス回転、最尤法)にかけたところ、前の3項目を中心にした「励まし」因子と、後の3項目を中心とした「勉強」因子が抽出された。それぞれの因子得点の正負により、「勉強&励まし」「勉強中心」「励まし中心」「どちらも低め」に4分類した(図2-6-2)。

注3 「とてもあてはまる」+「まああてはまる」の%(図2-6-3)。注4 「好きをキープ」と「好きから嫌い」、「嫌いから好き」と「「嫌いなまま」とを比較して3p以上差があるものにp差を示している(図2-6-3)。注5 2016年の学年(図2-6-2、図2-6-3)。

分析と考察

19

33.0 30.7 8.8 27.4 26.5 38.6 12.3 22.6 31.0 25.0 14.9 29.1 23.5 30.3 15.9 30.3 13.2 19.4 23.7 43.7 17.3 18.6 22.6 41.4

0 20 40 60 80 100 120

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

32.5 31.1 8.8 27.6

25.6 39.3 11.9 23.2

28.4 28.7 14.2 28.7

23.1 30.5 15.8 30.6

14.4 17.8 22.1 45.7

19.9 21.6 41.417.1

勉強&励まし 勉強中心 励まし中心 どちらも低め小5〜6生

中学生

高校生

(%)

> <

>

0 20 40 60 80 0 20 40 60 80

0 20 40 60 80 0 20 40 60 80

75.0 74.3 74.0 73.4

71.2 70.2 62.6 64.4

48.3 45.6 35.4 31.9

54.2

54.1

52.6

49.7

62.0

60.5

57.2

53.2

51.4

42.2

41.4

31.6

0 10 20 30 40 50 60 70 80 0 10 20 30 40 50 60 70 80 0 10 20 30 40 50

0 10 20 30 40 50 60 70 800 10 20 30 40 50 60 0 10 20 30 40 50 60

小5〜6生

中学生

小5〜6生

中学生

好きをキープ

好きから嫌い

嫌いから好き

嫌いなまま

好きをキープ

好きから嫌い

嫌いから好き

嫌いなまま

48.3

45.6

35.4

31.9

71.2

70.2

62.6

64.4

62.0

60.5

57.2

53.2

51.3

42.2

41.4

31.6

「勉強のやり方を教える」 「勉強のおもしろさを教える」

(%)

(%)

(%)

(%)

9.8p 差

9.1p 差

4.0p 差

3.5p 差

好きをキープ

好きから嫌い

嫌いから好き

嫌いなまま

好きをキープ

好きから嫌い

嫌いから好き

嫌いなまま

勉強が「嫌いから好き」になった小中学生の保護者は、勉強も教え励ましもしていた

小中学生では、勉強が「嫌いから好き」になった子どもの保護者ほど、勉強も教えて励ましもする「勉強&励まし」の比率が高かった。高校生では、保護者のかかわりに大きな差がなく、勉強の好き嫌いへの影響は弱まるようだ。勉強が「嫌いから好き」になった中学生では、「勉強のおもしろさを教える」保護者が多かった。「勉強のやり方を教える」でもやや差がついており、保護者のかかわりの重要性がうかがえる。

Q あなたのお子様に対するかかわりについて、次のことはどれくらいあてはまりますか。

保護者2015-2016  図2-6-2 1年前の保護者のかかわり(学校段階別・「勉強の好き嫌い」の変化別)

保護者2015-2016  図2-6-3 1年前の保護者の勉強へのかかわり(「勉強の好き嫌い」の変化別)

Page 20: 親子調査2015 2016 - ベネッセ教育総合研究所子どもの生活と学びに関する 親子調査2015-2016 速報版 東京大学社会科学研究所 親子パネル調査にみる意識と実態の変化

⑦自己認識

20

25.8 18.2 13.5

47.2 48.1 50.8

73.0 66.3 64.3

21.6 16.2 14.2

39.4 39.8 38.8

[61.0] [56.0] [53.0]

27.3 19.3 13.6

37.3 36.9 38.6

64.6 56.2 52.2

0 20 40 60 80

0 10 20 30 40 50 60 70 80

0 10 20 30 40 50 60 70 80

0 10 20 30 40 50 60 70 80

[73.0]

[66.3]

[64.3]

25.8 47.2

18.2 48.1

13.5 50.8

[61.0]

[56.0]

[53.0]

21.6 39.4

16.2 39.8

14.2 38.8

[64.6]

[56.2]

[52.2]

27.3 37.3

19.3 36.9

13.6 38.6

(%)

難しいことや新しいことに

いつも挑戦したい

自分の良いところが何かを言うことができる

失敗しても自信を取り戻せる

■■

小 4~6生

中学生

高校生

小 4~6生

中学生

高校生

小 4~6生

中学生

高校生

とてもあてはまる まああてはまる

21.7 11.539.6 34.2[61.3] [45.7]

18.8 9.740.1 34.9[58.9] [44.6]

16.6 11.340.6 37.0[57.2] [48.3]

25.1 11.341.3 28.666.4 39.9

24.7 10.240.1 29.864.8 40.0

15.2 8.539.9 32.555.1 41.0

0 10 20 30 40 50 60 70 80 0 10 20 30 40 50 60 70 80

0 10 20 30 40 50 60 70 80

0 10 20 30 40 50 60

0 10 20 30 40 50 60

0 10 20 30 40 50 60

0 20 40 60 800 20 40 60 80(%) (%)

嫌いから好き小

5〜6生

中学生

高校生

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

「自分の良いところが何かを言うことができる」 「難しいことや新しいことにいつも挑戦したい」とてもあてはまる まああてはまる

嫌いから好き小

5〜6生

中学生

高校生

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

嫌いから好き

嫌いなまま

とてもあてはまる まああてはまる

14.3p 差 24.8p 差

14.3p 差8.9p 差

[58.9]

26.5p 差

[66.4]41.325.121.7 39.6

[64.8]40.140.1 24.718.8

[55.2][57.2] 40.040.6

[40.9][48.3] 32.437.0

11.3

15.216.6

[39.9]

15.6p 差

[61.3]

[45.7] 28.634.2

11.5 11.3

[40.0]29.834.9

10.2

9.7

8.5

[44.6]

勉強が「嫌いから好き」になった子どもは、自己肯定感が高い

勉強が「嫌いから好き」になった子どもは、「嫌いなまま」の子どもより、「自分の良いところが何かを言うことができる」「難しいことや新しいことにいつも挑戦したい」(「とてもあてはまる」+「まああてはまる」)と回答している。学習意欲が高まることは、学習に限らない子どもの肯定的な自己評価と連動しているようだ。

Q あなた自身のことについて、次のようなことはどれくらいあてはまりますか

子ども 2016  図2-7-1 自分自身について(学校段階別)

子ども 2015-2016  図2-7-2 現在の自分自身について(学校段階別・「勉強の好き嫌い」の変化別)

注1 [ ]内は、「とてもあてはまる」+「まああてはまる」の%(図2-7-1、図2-7-2)。注2 2016年の学年(図2-7-2)。

Page 21: 親子調査2015 2016 - ベネッセ教育総合研究所子どもの生活と学びに関する 親子調査2015-2016 速報版 東京大学社会科学研究所 親子パネル調査にみる意識と実態の変化

分析と考察

⑧将来目標

21

0 5 10 15 20 25 30

15.56.520.011.2

16.414.827.518.5

0 5 10 15 20

0 10 20 0 10 20 30(%)30(%)

中3生

好きをキープ

好きから嫌い

嫌いから好き

嫌いなまま

20.0

15.5

6.5

11.2

27.5

16.4

14.8

18.5

高3生

好きをキープ

好きから嫌い

嫌いから好き

嫌いなまま

(%)0 10 20 30 40 50 60 70

54.2

59.5

54.7

50.5

45.7

44.9

48.1

51.8

64.9

(%)>

48.8

51.3

49.2

47.3

40.6

35.7

39.5

45.3

55.5

全体 男子女子

0 10 20 30 40 50 60 70

小 4生

小 5生

小 6生

中 1生

中 2生

中 3生

高 1生

高 2生

高 3生

55.6

52.0

48.9

43.2

40.3

43.8

48.6

60.1

51.7

51.7 55.6 52.0 48.9 43.2 40.3 43.8 48.6 60.1

勉強が「嫌いから好き」になった子どもは、将来目標をはっきり持つようになっている

「将来の目標がはっきりしている」を肯定する子どもは、小4〜6生は5割強だが、中学生で4割台に低下し、高3生で6割になる。中学生、とくに男子で、将来像を持つのが難しい様子がうかがえる。しかし、勉強が「嫌いから好き」になった子どもは、この1年間で、将来の目標をはっきり持つようになった比率が高い。学習意欲は、自分の将来像を持つことと関連しているようだ。

Q あなた自身のことについて、次のようなことはどれくらいあてはまりますか。「将来の目標がはっきりしている」

子ども 2015-2016  図2-8-2 将来の目標をはっきり持つようになった子どもの比率(中3生、高3生・「勉強の好き嫌い」の変化別)

子ども 2016  図2-8-1 将来の目標がはっきりしているかどうか(学年別・性別)

注1 「とてもあてはまる」+「まああてはまる」の%(図2-8-1)。注2 性別で5ポイント以上差があるものは>で示している(図2-8-1)。注3 「将来の目標をはっきり持つようになった」は、「将来の目標がはっきりしている」かどうかを尋ねた質問に、2015年は「あてはまらない(あまり、まっ

たく)」、2016年は「あてはまる(とても、まあ)」と回答した人。無回答・不明は除いて算出している(図2-8-2)。注4 2016年の学年(図2-8-2)。

Page 22: 親子調査2015 2016 - ベネッセ教育総合研究所子どもの生活と学びに関する 親子調査2015-2016 速報版 東京大学社会科学研究所 親子パネル調査にみる意識と実態の変化

TOPICS ①文系・理系の自己認識Ⅲ

注1 「『文系』のまま」は、2015年、2016年とも「はっきり文系」「どちらかといえば文系」と回答した人。「『文系』に変わった」は、2015年は「はっきり理系」「どちらかといえば理系」「どちらともいえない」と回答し、2016年は「はっきり文系」「どちらかといえば文系」と回答した人。「『理系』のまま」「『理系』に変わった」も同様。「どちらともいえない」は、2015年、2016年とも「どちらともいえない」と回答した人、および、2016年に「どちらともいえない」に変わった人。「よくわからない」、無回答・不明は除いて算出している(図3-1-1、図3-1-2)。

注2 2016年の学年(図3-1-1、図3-1-2)。

22

9.8 11.8 21.1 12.4 44.9

16.5 12.8 20.3 10.6 39.8

17.8 8.7 27.8 9.4 36.4

18.5 11.2 29.8 10.2 30.3

24.8 10.6 26.0 9.7 28.9

28.8 14.2 16.9 9.5 30.6

33.3 12.5 13.4 7.2 33.6

37.0 9.1 12.3 6.1 35.5

(%)

小 5生

小 6生

中 1生

中2生

中3生

高 1生

高 2生

高 3生

9.8

16.5 12.8 20.3 10.6 39.8

17.8 8.7 27.8 9.4 36.4

18.5 11.2 29.8 10.2 30.3

24.8 10.6 26.0 9.7 28.9

28.9 14.2 16.9 9.6 30.4

33.3 12.5 13.4 7.2 33.6

37.0 9.1 12.3 6.1 35.5

「文系」のまま

11.8 21.1

「文系」に変わった

12.4

「理系」に変わったどちらともいえない

44.9

「理系」のまま

6.7 10.7 22.4

9.8 8.9 12.0

18.2 27.0 13.6

9.5 10.2 7.3

55.8 43.2 44.6

19.2 29.4 43.4

14.7 11.3 11.8

23.0 28.6 14.7

13.4 9.4 7.9

29.7 21.3 22.2

0 20 40 60 80 100

(%)

(%)

10.6 39.8

9.4 36.4

10.2 30.3

26.0 9.7 28.9

16.9 9.5 30.6

13.4 7.2 33.6

12.3 6.1 35.5

12.4

「理系」に変化

44.9

「理系」キープ (%)

男子

女子

「文系」のまま「文系」に変わったどちらともいえない

「理系」に変わった 「理系」のまま

6.7

10.7 8.9 27.0 10.2 43.2

22.5 11.9 13.7 7.3 44.6

19.2 14.7 23.0 13.4 29.7

29.4 21.39.411.3 28.6

43.5 11.8 14.7 7.9 22.1

9.8 18.2 9.5 55.8小 5~6生

中学生

高校生

小 5~6生

中学生

高校生

文系・理系の自己認識が「文系」に変わった子ども、「理系」に変わった子どもが、どの学年でもそれぞれ1割前後いる

文系・理系の自己認識の変化をみると、「文系」のままの子どもは、小5生(9.8%)から高3生(37.0%)まで徐々に増加するのに対して、「理系」のままの子どもは、小5生(44.9%)が高く、中3生(28.9%)まで減少し、高3生で35.5%となる。また、「文系」に変わった子ども、「理系」に変わった子どもが、どの学年でもそれぞれ1割前後いるほか、中学生では「どちらともいえない」の比率も高く、文系・理系に迷っている様子がうかがえる。これらの自己認識には性差が大きい。

Q あなたは自分のことを「文系」だと思いますか、それとも「理系」だと思いますか。

子ども 2015-2016  図3-1-1 文系か理系かの自己認識の変化(学年別)

子ども 2015-2016  図3-1-2 文系か理系かの自己認識の変化(学校段階別・性別)

Page 23: 親子調査2015 2016 - ベネッセ教育総合研究所子どもの生活と学びに関する 親子調査2015-2016 速報版 東京大学社会科学研究所 親子パネル調査にみる意識と実態の変化

注1 「とてもあてはまる」+「まああてはまる」の%(図3-2-1②)。注2 保護者には「あなたは、次の選挙の投票に行くと思いますか」と尋ねた設問で、「行く」「たぶん行く」を「行く」、「行かない」「たぶん行かない」を「行かない」

としている(図3-2-2左)。注3 保護者にも子どもと同様に尋ねた設問で、「とてもそう思う」「まあそう思う」を「思う」、「あまりそう思わない」「まったくそう思わない」を「思わない」とし

ている。(  )内は人数(図3-2-2右)。

TOPICS

②政治や社会への意識

23

81.7 79.1 76.4 79.7 84.0 84.1 52.3 59.7 64.8 0 0 78.2

40.6 42.6 42.6 40.4 49.5 50.3 24.5 27.8 30.9

0 20 40 60 80 100

0 20 40 60 80 100 0 10 20 30 40 50 60

0 20 40 60 80 100(%)(%)

81.779.176.4

79.784.084.1

52.359.764.8

78.2

■小 4~6生■中学生■高校生

社会の出来事やニュースに関心が強い

これからの「日本」がどうなるか不安だ

政治や経済に関心が強い政治のことは難しくて

よくわからない(「とてもそう思う」+「まあそう思う」の%)

18歳になったら選挙の投票に行く

(「行く」+「たぶん行く」の%)

自分ががんばっても、社会を変えることはできない

(「とてもそう思う」+「まあそう思う」の%)

選挙で投票できる年齢が「20歳以上」から「18歳以上」

に変わったことに賛成(「賛成」+「どちらかといえば

賛成」の%)

②社会①政治・選挙

40.6

42.6

42.6

40.4

49.5

50.3

24.5

27.8

30.9

84.6 55.1 88.5 59.5 88.8 56.8

57.8 38.6 64.4 49.3 71.2 51.7

0 20 40 60 80 100 0 10 20 30 40 50 60 70 80

0 20 40 60 80 100(%) 0 20 40 60 80 100(%)

行く(3173)行かない(637)

行く(3134)行かない(580)

行く(2958)行かない(486)

「自分ががんばっても、社会を変えることはできない」「18歳になったら選挙の投票に行く」子どもの回答(「とてもそう思う」+「まあそう思う」の%)子どもの回答(「行く」+「たぶん行く」の%)

88.5

84.6

55.1

59.5

88.8

56.8

57.8

38.6

64.4

49.3

71.2

51.7

保護者の回答

保護者の回答

思う(2711)思わない(1093)

思う(2524)思わない(1184)

思う(2319)思わない(1119)

■小4~6生■中学生■高校生

子ども 2016  図3-2-1 政治・選挙や社会に対する意識(学校段階別)

子ども 2016  図3-2-2 子どもの政治・選挙や社会に対する意識と保護者の意識との関連(学校段階別・保護者の回答別)

Q 選挙や政治についてお聞きします。 Q あなた自身のことについて、次のようなことはどれくらいあてはまりますか。

保護者の投票意欲が高いほど、子どもも18歳になったら選挙に「行く」と回答

どの学年でも、8割前後の子どもが18歳になったら選挙の投票に「行く」(「行く」+「たぶん行く」、以下同様)と回答しており、投票に積極的な子どもの様子がわかる。一方、「政治や経済に関心が強い」(「とてもあてはまる」+「まああてはまる」)という子どもはどの学校段階でも2〜3割である。子どもと保護者の意識の関連をみると、どの学校段階でも、保護者が選挙に「行く」と回答しているほど子どもも選挙に「行く」と回答している。

Page 24: 親子調査2015 2016 - ベネッセ教育総合研究所子どもの生活と学びに関する 親子調査2015-2016 速報版 東京大学社会科学研究所 親子パネル調査にみる意識と実態の変化

東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所 共同研究「子どもの生活と学び」研究プロジェクト

「子どもの生活と学びに関する親子調査 2015-2016-親子パネル調査にみる意識と実態の変化-」

「子どもの生活と学びに関する親子調査2015-2016-親子パネル調査にみる意識と実態の変化-」速報版発 行 日:2017年3月31日 発行人:谷山 和成 編集人:小泉 和義発 行 所:㈱ベネッセホールディングス ベネッセ教育総合研究所編集協力: ㈱ジー・アンド・ピー6HNB03©Benesse Educational Research and Development Institute無断転載を禁じます。

● お問合わせ先 ●本速報版に関するお問合わせは、下記までお願いいたします。

(株)ベネッセホールディングス ベネッセ教育総合研究所 「子どもの生活と学びに関する親子調査」係TEL:0120-105506 受付時間:10:00〜17:30(12:00〜13:00、土日祝日を除く)

ベネッセ教育総合研究所 初等中等教育研究室のWEB サイトのご案内各種調査データに関しては、http://berd.benesse.jp/shotouchutou/

本プロジェクトのWEBサイトのご案内

※所属・肩書きは、発刊時のものです。

本プロジェクトや本調査に関しては、以下の WEB サイトに掲載しています。

東京大学社会科学研究所:http://web.iss.u-tokyo.ac.jp/clal/

ベネッセ教育総合研究所:http://berd.benesse.jp/special/childedu/

ベネッセ 初等中等 検 索 で検索してください。

調査企画・分析メンバープロジェプロジェクトメンバークト代表者

石田 浩 (東京大学社会科学研究所教授) / 谷山 和成 (ベネッセ教育総合研究所所長)

耳塚 寛明(お茶の水女子大学教授)

秋田 喜代美 (東京大学教授)

松下 佳代 (京都大学教授)

佐藤 香 (東京大学教授)

藤原 翔 (東京大学准教授)

香川 めい (東京大学特任助教)

須藤 康介(明星大学助教)

小野田 亮介(立教大学学術調査員)

●小泉 和義(ベネッセ教育総合研究所副所長)

●木村 治生(ベネッセ教育総合研究所副所長、         東京大学客員准教授)●邵  勤風(ベネッセ教育総合研究所         初等中等教育研究室室長、主任研究員)●橋本 尚美(ベネッセ教育総合研究所研究員)

●岡部 悟志(ベネッセ教育総合研究所研究員)

●佐藤 徳紀(ベネッセ教育総合研究所研究員)

●太田 昌志(ベネッセ教育総合研究所特任研究員)

●渡邉 未央(ベネッセ教育総合研究所研究スタッフ)※親子調査 2016

※親子調査 2016

プロジェクト代表者

プロジェクトメンバー