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平成24年 11月 海外農業投資をめぐる状況について 【ウクライナ】 大臣官房国際部

海外農業投資をめぐる状況について 【ウクライナ】 …...農業生産 ・ウクライナは、旧ソ連地域の中でも肥沃な黒土地帯を有し農産物生産国として潜在力が最も高い国である。ソ連崩

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平 成 2 4 年 1 1 月

海外農業投資をめぐる状況について

【ウクライナ】

大臣官房国際部

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目 次

概 要

1.穀物等の需給動向

(1)国土利用の状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

(2)穀物等の生産動向 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2

(3)穀物等の生産性の推移 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3

(4)農業生産構造 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4

(5)アグロホールディング ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5

(6)農業資機材の輸入動向 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6

(7)穀物等の輸出動向 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7

(8)穀物等輸出の国際的位置 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8

(9)穀物等の需給見通し ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9

2.物流インフラの状況

(1)集荷・輸送・輸出ルート及びインフラの状① ・・・・・・・・・・・・・・・ 10

(2)集荷・輸送・輸出ルート及びインフラの状② ・・・・・・・・・・・・・・・ 11

(3)穀物エレベータの保管能力 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12

(4)内陸の穀物エレベータ(事例) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13

(5)港湾における穀物等取扱 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14

(6)オデッサ港の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15

(7)ミコラーイフ港の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16

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目 次

3.投資環境

(1)土地所有等に関する制度① ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17

(2)土地所有等に関する制度② ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18

(3)輸出規制の推移 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19

(4)投資環境における課題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20

4.品質と安全性

(1) 品質及び安全性に関する管理及び検査 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21

(2) 日本向け輸出における課題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22

参考

(1) 大豆サンプルの豆腐加工適正 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23

(2) 大豆サンプルの味噌加工適正 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24

(3) とうもろこしサンプルの成分検査 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25

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農業生産 ・ウクライナは、旧ソ連地域の中でも肥沃な黒土地帯を有し農産物生産国として潜在力が最も高い国である。ソ連崩 壊後'1991年以降(、計画経済から市場経済への移行に伴う混乱やインフレ等のため、農業生産は一旦低迷し、 穀物生産は半減したが、農地改革及び社会主義農業企業の民営化などの農業制度改革を行い、また最近では 世界的な食料需要を追い風に、肥料や農薬の使用の普及も進み、穀物等生産及び輸出量は回復・増加傾向にあ り、農作物・食品輸出国としての地位を急速に獲得しつつある。 本邦企業の関心 ・これまで我が国の穀物等の輸入実績'2010年(は、とうもろこし23万トン、小麦1.3万トンであるが、穀物等の輸 入先の多角化・安定化のため、ウクライナを北米、豪州、南米に次ぐ農産物供給国として見ている企業もある。 ・他方、我が国の商社や実需者'飼料、食品及び加工関係者(からは、ウクライナ産農産物の品質や投資関連情報 に乏しいとの指摘。 投資環境 ・法制度の制定と突然の変更、紛争メカニズムの欠如によるリスクと土地リース契約の煩雑さ等の問題が指摘。 ・投資優遇措置の縮小が進む中、標準税率20%の付加価値税'VAT(の還付時期が1年以上遅れている企業もあ る。 ・2007年以降、輸出規制がたびたび行われていたが、2012年1月にようやく全ての品目について輸出規制が撤 廃された。しかし、国内生産状況や国際価格の高騰等を理由に、突然行われる輸出規制のリスクが懸念されてい る。 農業生産性 ・大豆の主要生産地は、中部地域。また、とうもろこしは中部及び北部地域。 ・ここ10年間で、大豆の生産量は約5万トンから約220万トン、とうもろこしの生産量は約400万トンから約2,300 万トンに増大。 ・近代的な生産技術'農業機械の導入等(、高収量の種子・農薬及び肥料への投資がウクライナ全体として不十分 なことから、現在の生産量は潜在的な生産能力の半分程度'2010年:4,000万トン台→将来:8,000万ト ン(とも言われている。生産の近代化等が図られれば、今後も生産が伸びる可能性が大きい。

概要①

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安全性及び品質確保 ・大豆は、主に養鶏の飼料用と油糧用に生産されている。日本の実需者ニーズから見ると、一般に小粒でたんぱく 質含有量が低く、硬く、また不良大豆の混入等の問題もあり、食用としては課題が残る。とうもろこしは、異物、破 砕が多く、米国産に比べ取扱いが難しいが、飼料用の品質として評価できる。 ・遺伝子組換作物'GMO(管理法の施行'2009年(以降、登録・許可されたGMO種子はないため、非遺伝子組換 作物'非GMO(を分別しての生産、流通、管理は実施されていない。一方で、違法にGMO作物が栽培されている状 況があり、検査体制を強化する予定。 ・農薬については、製造・販売の登録、残留農薬の許容基準が厳しく設定され、現時点で残留農薬の問題はない。 しかし、農薬の使用量は増加傾向にあり、今後は、農薬の管理や検査体制を充実させる必要がある。 農産物の保管・輸送・輸出 ・大豆の輸出量は、ここ10年間で1万トンから120万トンに増大し、主にギリシャ、トルコ等へ輸出されている。また、 とうもろこしの輸出量は、ここ10年間で40万トンから1,400万トン'2011/12年の輸出量:世界2位(に増大し、 主に北アフリカや中東地域などに輸出されている。 ・同一船に異なる品質の積荷が積まれる場吅があり、品質にばらつきが見られる。穀物の安全性や品質に関する 検査管理は、国家、州及び地区レベルでの体制はできているが、実効性に欠けるという意見もある。 物流インフラ ・穀物生産量に比較して内陸の穀物エレベーターの保管能力は低く、老朽化も激しい。近年、政府、他国ドナー や民間企業により新たな穀物エレベーターが建設されつつある。 ・内陸輸送の大部分を担う鉄道インフラは、深刻な貨車不足があり、輸出へのボトルネック。 ・港湾からの穀物輸出取扱は今後も増加傾向にあり、近年主要港におけるバースやエレベーターの整備が進めら れ、パナマックス船'穀物で5万トン程度(が接岸できる港は、オデッサ、ミコラーイフ等4港がある。

概要②

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1.(1)国土利用の状況

1 1

○ ウクライナは、中部、南部に肥沃な黒土地帯が広がり、古くから「欧州の穀倉」と呼ばれ、旧ソ 連地域の中でも農産物生産国として潜在力の高い国。

【国土利用状況】 ・中部、南部に広がる肥沃な黒土地帯は、ロシア帝政時代から 「欧州の穀倉」と呼ばれており、農業は今でも主要 産業の1つ。西部の高原、東部の丘陵、北部の湿地を除く国土の大半が平野。 ・国土面積 :60,355千ha(100%) (日本の約1.6倍) うち農用地 :41,266千ha(68.4%) うち 耕地面積 :32,434千ha(53.7%)

【大豆の主な産地】 ・ヘルソン州、ポルタヴァ州、キエフ州、ヴ ィンニッツァ州、キロヴォフラード州等の 中部諸州。 【とうもろこしの主な産地】 ・ポルタヴァ州、チェルカースィ州、ヴィン ニツァ州、チェルニーヒフ州、キエフ州等 を中心とした中部・北部諸州。黒海に面 するクリミア自治共和国では面積は尐 ないものの効率よく生産。

とうもろこし主要産地

ドニエプル川'ドニプロ川(

大豆主要産地

黒海

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1.(2)穀物等の生産動向

2 2

○ ソ連崩壊後'1991年以降(、計画経済から市場経済への移行に伴う混乱やインフレ等のため、農業生産

は低迷し、穀物生産は半減したが、農地改革及び社会主義農業企業の民営化などの農業制度改革を行い、

また最近では世界的な食料需要を追い風に、肥料や農薬の使用も進み、生産は回復・増加傾向。

1986-1990 穀物生産は比較的安定 計画経済と集団農場 平均生産量 約4,700万トン 単収 3.1トン/ha

1991-1999 'ソ連崩壊後(

穀物生産が半減 市場経済への移行に伴う混乱とハイパーインフレ 政府補助金の削減、資金不足による肥料、農薬使用量の低減

2000-2007 平均穀物生産は、約3,000万トンに回復 農業セクターの改革、民営化、天候に恵まれたこと

2008- 穀物生産が4,000万トン台に増加 天候による大きな変動、肥料や農薬等の使用が拡大

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ライ麦

大麦

小麦

とうもろこし

大豆

資料:USDA「PS&D」より作成

穀物等生産量の推移'万トン( 穀物等生産量の推移'万トン(

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1.(3)穀物等の生産性の推移

3 3

○ 穀物等の生産増大には、単収の増加が大きく貢献。しかし、とうもろこしや大豆の単収は、いずれも米国、フランスといった農業先進国の単収のおよそ半分程度。

○ 近代的な生産技術(農業機械の導入等)、高収量の種子・農薬及び肥料への投資がウクライナ全体として不十分なことから、現在の生産量は潜在的な生産能力(8,000万トン)の半分程度とも言われている。

1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010

米国 2.6 2.8 2.5 2.6 2.6 2.6 2.8 2.9 2.7 2.9

フランス 1.7 2.6 2.7 2.5 2.6 2.8 2.5 2.7 2.9 2.7

ウクライナ 1.2 0.7 0.9 1.2 1.1 1.3 1.4 1.2 1.5 1.6

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3.5

資料:FAOSTATより作成

1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010

米国 8.3 8.7 8 8.4 8.6 8.1 10.1 9.4 9.7 9.6

フランス 8 7.8 8.4 8.5 9.1 9 9 8.7 9.3 8.9

ウクライナ 2.5 2.4 2.7 2.5 3 3.5 3.9 3.7 4.7 4.5

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12【大豆の単位収量'トン/ha(】

1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010

米国 2.6 2.5 2.4 2.9 2.8 2.4 2.9 2.6 3 3.1

フランス 6.4 6.7 7.1 7.6 7.1 7.4 7.6 6.7 7.1 7

ウクライナ 3.1 3.1 2.3 2.6 2 3 3.2 2.5 3.7 2.7

012345678

【とうもろこしの単位収量'トン/ha(】

【小麦の単位収量'トン/ha(】

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1.(4)農業生産構造

4 4

○ 農業経営体全体の99%を占める住民副業経営が農地面積の11%を保有しているのに対して、 農業企業は、農業経営体全体の0.3%だが、農地面積の78%を保有。

区分 経営体数 割吅'%( 農地面積 ha 割吅 '%( 平均農地面積 ha

農業企業 16,042 0.3 23,502,000 77.6 1,437.5

農民経営 42,533 0.7 3,421,000 11.5 80.4

住民副業経営 6,214,000 99.1 3,227,000 10.9 0.5

注 :農業企業とは、かつてのコルホーズやソフホーズが民営化されたもの。数 値は2004年時点。 住民副業経営とは、農業企業の従業員が自宅周辺地などで小規模に営 む農業。数値は2003年時点。 農民経営とは、コルホーズ等から土地の分与を受けて独立した大規模個 人経営者。数値は2004年時点。

資料:ウクライナ農業分野プロジェクト形成調査報告書'2006年2月(を参考に作成

【農業技術普及】 ・ソ連時代には、各農場が経営・技術それぞれの分野を担当する専門家を有しており、制度としての普及事業 は存在しなかった。 ・2004年、村落レベルの普及事務所の設立を含む普及制度の設立が立法化され、政府は民間のアドバイザー を養成・認定しているものの、公的普及体制は極めて不十分。他方、民間の有料助言サービス等が各州にお いて機能。'2004年現在(

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1.(5)アグロホールディング

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○ 世界的な農業生産及び食料市場の好況を背景に、安価で安定的な原料を確保するため、1990年代から大規模アグロビジネスが形成。アグロホールディングと呼ばれることが多く、現在、80以上のアグロホールディングが活動。

外国資本を含む大規模アグリビジネス ・ウクライナやロシアの農業分野において、1990年代からアグロホールディング'複数の企業からなるコングロ マリット(と呼ばれる大規模アグロビジネスが出現 - 80以上が活動 約470万ha'耕地面積の約15%(の耕作農地 ・ウクライナで企業がアグロホールディングを形成するようになった最大の理由は、安価で安定的な原料を確保 - 砂糖や食肉加工及びパン製造等の食品製造企業が原料製造工程を取り込んだ「垂直統吅」 - 外国資本の参入 - 多国籍資本グループや輸出企業が参入 アグロホールディングの事例 【Kermel】 ・1990年代に設立されたウクライナ最大のアグロホールディング ・ウクライナ最大の大豆ととうもろこしの輸出企業 ・9万haの農地を保有'リース( 穀物取扱実績 240万トン'2009年( ・40カ所の内陸エレベーター'貯蔵能力300万トン( イリチェスク港とミコライエフ港にエレベータ等保有 【Miriya Agro Holding】 ・1990年代に設立 30万haの農地'10万人の土地所有者と土地リース契約( 主にウクライナ西部で小麦、大麦、とうもろこし等の他、じゃがいもやさとうきび、菜種油を生産 ・穀物生産量 100万トン'2010年( ・内陸エレベータ'貯蔵能力100万トン(、物流子会社'鉄道輸送(を保有 更に内陸エレベータの整備やユズ ニー港の穀物エレベータの整備を計画

資料:2010年度自由貿易協定等情報調査分析検討事業

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1.(6)農業資機材の輸入動向

6 6

○ 2000年以降、肥料や農薬、トラクターなどの農業資機材の輸入が増加し、農業の近代化が進られているところ。 37,984万ドル(2008年(

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農業資機材の輸入額'万ドル(の推移

トラクター 肥料 農薬

注 :「農薬の輸入額」は、‘Pesticides’‘Insecticides’‘Fungicides’‘Herbicides’‘Disinfectants, etc’の 輸入額を足し上げたもの 「肥料の輸入額」は、‘Fertilizers Manufactured, nes’の輸入額 「トラクターの輸入額」は、‘Agricultural tractors, total’の輸入額

資料:FAOSTATより作成

【トラクターの輸入額】 ・2千万ドル'2000年(から約4億ドル' 2008年(に増加 【農薬の輸入額】 ・1億ドル'2000年(から約4億ドル' 2008年(に増加 【肥料の輸入額】 ・ほとんど輸入されていなかった'2000 年(が、約4億ドル'2008年(に増加 ・なお、いずれも2009年には輸入額 が減尐

農業資機材の輸入額の推移'万ドル( 農業資機材の輸入額の推移'万ドル(

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1.(7)穀物等の輸出動向

7 7

○ 2000年以降、穀物等生産の回復・増加傾向とともに、輸出も増大。輸出先としては、大豆が ギリシャ、トルコ等、とうもろこしは北アフリカや中東が多い。

【大 豆】 ・生産量は、ここ10年間で約5万トンから約220万トンに増 大。 ・輸出量は、ここ10年間で1万トンから120万トンに増大し、 主にギリシャ、トルコ等へ輸出されている。 【とうもろこし】 ・生産量は、ここ10年間で約400万トンから約2,300万ト ンに増大。 ・輸出量は、ここ10年間で40万トンから1,400万トンに増 大し、主に北アフリカや中東地域などに輸出されている。

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生産量 輸出量

資料:USDA「PS&D」より作成

穀物等の生産量と輸出量の推移'万トン( 穀物等の生産量と輸出量の推移'万トン(

【大豆】

【とうもろこし】 【小麦】

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1.(8)穀物等輸出の国際的位置

8 8

○ 穀物等輸出量は増大し、 世界第7位の大豆輸出国、世界第2位のとうもろこし輸出国(2011 /12年)となるなど、ウクライナは農作物・食品輸出国としての地位を急速に獲得しつつある。

資料:USDA「PS&D」より作成

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1,0001,5002,0002,5003,0003,5004,000

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ウル

グア

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ライ

アル

ゼン

チン

ブラ

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-2

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米国

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スト

ラリ

ロシ

カナ

EU

-27

カザ

フス

タン

アル

ゼン

チン

ウク

ライ

大豆 とうもろこし 小麦

2007/08 2009/10 2011/12 2007/08 2009/10 2011/12 2007/08 2009/10 2011/12

1位 米国 米国 ブラジル 米国 米国 米国 米国 米国 米国

2位 ブラジル ブラジル 米国 アルゼンチン アルゼンチン ウクライナ カナダ EU-27 豪州

3位 アルゼンチン アルゼンチン アルゼンチン ブラジル ブラジル アルゼンチン ロシア カナダ ロシア

4位 パラグアイ パラグアイ パラグアイ インド ウクライナ ブラジル EU-27 ロシア カナダ

5位 カナダ カナダ カナダ 南アフリカ 南アフリカ EU-27 アルゼンチン 豪州 EU-27

6位 ウルグアイ ウルグアイ ウルグアイ ウクライナ インド インド カザフスタン ウクライナ カザフスタン

7位 中国 ウクライナ ウクライナ パラグアイ EU-27 ロシア 豪州 カザフスタン アルゼンチン

8位 ウクライナ 中国 中国 カナダ パラグアイ セルビア 中国 アルゼンチン ウクライナ

穀物等の主要輸出国'2011/12年、万トン( 穀物等の主要輸出国'2011/12年、万トン(

【大豆】 【小麦】 【とうもろこし】

穀物等輸出におけるウクライナの国際順位の推移 穀物等輸出におけるウクライナの国際順位の推移

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1.(9)穀物等の需給見通し

○ ウクライナの穀物等の生産や輸出が増大し、この傾向は今後も続くものと見られている。 ○ これまで我が国の輸入実績'2010年(としては、とうもろこし23万トン、小麦の1.3万トンであるが、輸

入先の多角化・安定化のため、ウクライナを北米、豪州、南米に次ぐ農産物供給国として見ている企業もあ

る。

2,464.5

568.0 370.6

43.7 2.2

0.3 0.1 米国

ブラジル

カナダ

中国

パラグアイ

アルゼンチン

その他 14,375.4

882.7 649.9

228.0 23.7

13.7

14.6 米国

アルゼンチン

ブラジル

ウクライナ

中国

南アフリカ

その他

3,305.1

1,093.1

1,017.9

42.1

13.0 4.0

0.3 米国

豪州

カナダ

ロシア

ウクライナ

フランス

その他

ウクライナの需給動向と見通し'百万トン( ウクライナの需給動向と見通し'百万トン(

我が国の穀物等輸入先国'2010年、千トン( 我が国の穀物等輸入先国'2010年、千トン(

-10

0

10

20

30

40

50

60

生産量 消費量 輸出量 生産量 消費量 輸出量 生産量 消費量 輸出量

1996-98 2008-10 2021

他穀物

小麦

とうもろこし

大豆

資料:Global Trade Atlas より作成

資料:農林水産省農林水産政策研究所「2021年における世界の食料需給見通し」'2012年2月(より作成

【大豆】 【とうもろこし】

【小麦】

9 9

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2.(1)集荷・輸送・輸出ルート及びインフラの状況①

10 10

○ 内陸の穀物エレベーターに集荷された穀物等は、鉄道輸送、トラック輸送、河川を利用したはしけ輸送等

により、オデッサ、イリチェスク、ミコラーイフ、ユズニー港等に輸送。その後、黒海を通って輸出。

○ 輸送の大部分を依存している鉄道輸送インフラは、穀物等輸送貨車が大幅に不足など、輸出のボト ルネック。

【国内輸送ルート】 ・内陸の穀物エレベーターより、鉄道輸送、トラック輸送、ドニエプル川を利用したはしけ輸送等により、オ デッサ港、イリチェフスク港、ミコラーイフ港、ユズニー港等に輸送。 ・その後、黒海を通って輸出。日本へは、スエズ運河を経由して輸出。 【国内輸送インフラ】 ・鉄道輸送は、主として輸出港まで比較的遠距離の輸送に利用。'鉄道総延長21,900km、うち電化区間 9,600km(44%)、2007年( 内陸輸送の大部分を担う鉄道インフラは、深刻な貨車不足があり、輸出の ボトルネックとの指摘がある。 ・道路'トラック(輸送は、主として輸出港や鉄道輸送の拠点地までの比較的近距離'200~300km程度の 輸送に利用。'道路総延長169,400km、うち舗装区間165,600km(97.8%)( ・近年、自ら河川エレベーターを建設し、河川'はしけ(輸送に取り組み始めている民間企業も出てきている。 ・穀物等輸送の内訳: 鉄道70%、道路27%、河川3%

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2.(2)集荷・輸送・輸出ルート及びインフラの状況②

ヴォリン

リヴィフ

ザカラパッチャ

イヴァーノ=

フランキーヴスィク

リヴネ

テルノポリ

フメリヌィー

ツィクィイ

ジトーミル

チェルニーヒフ

ヴィーンニツア

キエフ スムィ

ポルタヴァ ハリコフ

ルハンスク

ドネーツィク

チェルカースィ ドニプロペト

ローフスィク

キロヴォフラート

ミコラーイフ

オデッサ ザポリージュジャ

ヘルソーン

チェルニーヒフ

クリミア自治共和国

ベラルーシ ロシア

ハンガリー

ポーランド

モルドバ ルーマニア

黒海

ウクライナ

ユズニー港

オデッサ港

イリチェスク港

ヘルソーン港

ミコラーイフ港

とうもろこし主要産地

大豆主要産地

輸出

主要輸出港

ドニエプル川

'ドニプロ川(

11 11

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2.(3)穀物エレベータの保管能力

12 12

○ 穀倉地帯及び輸送経路上にあたるウクライナ中央部、南部、東部においてエレベータの集積が進んでいる。エレベータの所有者の約8割は、ウクライナ企業及び穀物メジャーである。

○ 穀物エレベーターは、大部分が老朽化。さらに穀物生産量に比べて穀物エレベーターの保管能力は 不足。近年、政府、他国ドナーや民間企業により新たな穀物エレベーターが建設されつつある。

州名 2007年 2008年 2009年

穀物収穫量 エレベータ 保管能力

穀物収穫量 エレベータ 保管能力

穀物収穫量 エレベータ 保管能力

全国 35,260 29,920 63,561 31,467 55,464 33,455

ARクリミア 1,291 1,149 1,829 1,199 1,739 1,223

ヴィニツア 1,927 1,718 3,991 1,748 3,668 1,755

ドニエプロペトロフスク 2,351 2,254 4,687 2,301 3,724 2,377

ドニエツク 1,683 1,386 3,085 1,401 2,408 1,496

ザポロージェ 1,806 2,040 3,681 2,080 2,951 2,113

キエフ 1,983 1,121 2,910 1,172 2,794 1,320

キロヴォグラード 1,819 2,380 4,031 2,440 3,449 2,525

ルガンスク 1,206 1,009 2,117 1,049 1,477 1,062

ニコラエフ 956 1,705 3,126 1,833 3,102 1,989

オデッサ 1,479 2,627 4,324 2,996 3,279 3,074

ポルタヴァ 3,403 2,316 5,205 2,709 4,555 3,221

スーミ 1,405 1,025 2,557 1,257 2,183 1,271

ハリコフ 2,688 2,162 4,439 2,162 3,203 2,365

ヘルソーン 1,183 1,408 2,881 1,518 2,288 1,586

メルニツキー 1,360 1,185 2,093 1,256 1,967 1,291

チェルカスク 2,147 1,388 3,576 1,414 3,698 1,488

穀物の州別収穫量と内陸エレベータの保管能力'1000トン( 穀物の州別収穫量と内陸エレベータの保管能力'1000トン(

資料:ウクライナ国家統計委員会

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2.(4)内陸の穀物エレベータ(事例)

13 13

・キエフから70km離れた地域にある穀物エレベータ。エレベータ保 有会社は、5,000haの農地で、小麦、大麦、トウモロコシ、ソバ等 の農業生産を行うほか、保管、加工を行っている。 ・2割程度が自らの農地で生産された農産物、8割は他の農家で生産 された農産物を保管。 ・100km以内の輸送については、主にトラックで他の農場から集 荷。輸出のための港への輸送については鉄道を使用。

・ウクライナのアグロホールディングであるニブロン社が建設。'ニブロン社は、大麦、小麦、トウモロコシ、ひ まわりなどの生産から販売までを取り扱っており、穀物取引量ではウクライナ資本最大。( ・ニブロン社は150百万ドルをかけて国内8カ所にエレベータ'うち3カ所は河川(を建設中。同時にはしけを 24隻購入。近年は鉄道コストが上昇していることから、河川輸送を重要視。 ・トラックで河川穀物エレベータに持ち込まれた農産物の品質・成分検査を行い、農産物の仕分けを実施。 計量後、トラックから荷下ろしをし、コンベアーにより運搬し、乾燥、保管を実施。コンベアーによりバージに 積み込み、ドニエプル川を下り、3~4日でミコラーイフ港まで輸送。 ・河川輸送により農家はコストを節約することが可能。冬ドニエプル川が凍るとトラック輸送する必要がある が、その時期の取引量は尐ない。

【穀物エレベータ内の貨車引き込み線】

資料:2009年12月現地調査より作成

キエフ近郊の穀物エレベータ キエフ近郊の穀物エレベータ

河川穀物エレベータ 河川穀物エレベータ

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2.(5)港湾における穀物等取扱

14 14

○ 国内の15港において、穀物輸出及び穀物トランジット貨物の取扱実績を有しているが、オデッサ、イリチェスク、ミコラーイフ、ユズニーの4港だけで、全穀物取扱量の8割を占める。

○ 穀物の輸出増大に伴い、港湾の穀物取扱能力の拡大に努めており、2016年には現状(2010年)の2,060万トンの倍増を目指して、港湾整備が進められているところ。

港湾名 2005/06 2006/07 2007/08 2008/09 2009/10

イリチェスク 2,433 1,639 1,140 4,379 3,438

オデッサ 2,640 2,539 1,483 3,732 3,300

ミコラーイフ 1,781 1,948 1,456 4,585 6,035

ヘルソーン 505 733 653 1,382 1,072

ユズニー 2,825 2,155 1,947 4,884 3,666

セバストーポリ 673 265 164 3,059 1,669

その他'9港( 1,123 673 321 1,854 1,420

吅計 11,980 9,953 7,164 23,875 20,600

穀物取扱量'1000トン( 穀物取扱量'1000トン(

010,00020,00030,00040,00050,00060,00070,000

1998/992000/012002/032004/052006/072007/082008/092009/10 2015/16

穀物の取扱能力と実取扱量'1000トン(

取扱能力 実取扱量

穀物の取扱能力と実取扱量'1000トン( 穀物の取扱能力と実取扱量'1000トン(

取扱能力

倍増計画

資料:ウクライナ国家統計委員会

資料:ウクライナ交通・通信省より作成

港湾における穀物取扱量は、輸出量及びトランジット貨物の吅計

オデッサ港やユズニー港'ボリベイジ新港(、ニコラーイフ港はパナマックス級船舶の接岸が可能。

ユズニー、ヘルソーン港の他、上記その他の港湾のうち4港において、バースやエレベータの拡張や新設を計画。

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2.(6)オデッサ港の概要

15 15

【港湾機能】 ・ウクライナ最大の港湾。貨物取扱可能量は年間4,000万トン'乾燥貨物1,500万トン、液体貨物2,500万 トン(。 穀物取扱可能量は500万トン/年。 ・埠頭総延長は8km以上で、総重量100,000トン、延長290m、吃水深13.0mまでの船が接岸可能。 ・穀物の港への輸送は、鉄道、トラック及び河川によることが可能で、穀物の積込については、港湾施設内の穀 物エレベーターからの積込のほか、貨車からの直接積込が可能。 ・構内には3つの穀物エレベーター'国営1施設、民営2施設(と2つの倉庫が存在し、総施設容量は30万トン。 【搬入・船積み】 ・現在取り扱いが多いのは、とうもろこし、小麦、大麦、菜種。 ・とうもろこし、大豆について、トラックやバージにより輸送されてくるものもあるが、8割は内陸のエレベータから 鉄道により輸送されてくる。 ・船への積込みについては、港に3つあるエレベータからが7割を占め、貨車から直接積み込まれるのは3割程 度。とうもろこしについては、エレベータに入れるときに割れたりして品質が落ちることから、貨車から直接積 み込み。

【穀物エレベータ】 【貨車からの直接船積み】 資料:2009年12月現地調査より作成

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2.(7)ミコラーイフ港の概要

16 16

【港湾機能】 ・穀物ターミナルはニブロン社が所有。 ・穀物倉庫2基とエレベータ4本があり、選別、乾燥も実施。 ・4~5万トンのパナマックス船の接岸も可能であるが、水深が9.2m~10.3mであるため、2万5千トン以上を積 み込むときは離れた場所で積増し。 【搬入・船積み】 ・トラックで輸送されてくるものが4割、鉄道で輸送されてくるものが6割程度。 ・14の積出しゲートがあり、ここから船積み。

【穀物倉庫及びサイロ'ニブロン社(】 【穀物エレベータ搬入口】 【船積みクレーン】

資料:2009年12月現地調査より作成

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3.(1)土地所有等に関する制度①

17 17

○ 土地所有に関する権利等を規定・規制する新土地法は、2001年採択され2002年に発効したが、移行期における混乱を避けるため、一時的規制(モラトリアム)を設定。

農地私有化をめぐる経緯 ① 国有農地の集団的所有地への転化'1991~93年( ② 集団所有地の持分を有する農民の間への分配'共有地化('1994~98年( ③ 共有農地からの個別的所有地の区画への分筆、農地賃貸関係への移行'2003~05年( ・国有農地面積 1,130万ha 私有農地面積 3,500万ha '2010年現在( 2001年新土地法'2001年10月成立、2002年1月発効( ・土地の所有権は、ウクライナ及び外国の市民及び法人について認められるが、例外として、外国市民及び法 人は、農地、及び定められた境界の外部にある非農地及び建物のない非農地の所有は、認められない。 ・土地の賃貸は、土地の一区画を企業その他の活動のために使用する目的で、一定期間の所有権を保有する ものとする。賃貸期間は最大50年とする。国有農地は、農業利用を何らかの形で約束できる場吅、すべての 市民'外国人を含む(及び法人'外国法人を含む(に対して賃貸可能である。なお、土地の賃貸については、 土地賃貸法'1998年(により規定される。 モラトリアム措置 ・移行期における混乱を避けるため、一時的規制'モラトリアム(を設定し、その後延長。 - 市民及び法人による農地所有面積を2015年まで100haに制限 - 農業企業が土地の持分を資本金に計上することを2007年まで禁止 - 農地及び農地持分の売却及び贈与を2007年まで禁止 ・現在、土地市場法及び農地台帳法の発効まで、以下のことが禁止。 - 国家及び地方政府所有農地の区画の売買 - 市民及び法人が農業生産の目的で所有する土地区画及び持分の売買あるいはその他の方法によ る譲渡 ・モラトリアム措置は2012年まで延長。

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3.(2)土地所有等に関する制度②

18 18

農地リース方式 ・農地面積 4,127万ha 耕地面積 3,256万ha リースの対象となっていると思われる農地面積 3,800~3,900万 ※リースの対象となる農地は主に私有地であり、国有地も10数パーセントがリースの対象 農地リースに係るコスト ① リース権取得料 ・リース契約における借り手は優先的な権利を有しており、新たなリース契約を行うためには、リース権を 購入することが必要。 ・リース権取得料は地域や土地の質によって異なるが、2009年には概ね120~300ドル/haと推定。 ② 年間リース料 ・2002年に最低リースレート'土地評価額の1.5%(は法律により導入。その後、同レートは3%に改定。 ・ウクライナ全土での平均年間リース料'2007年(は、28ドル'最高38ドル、最低19ドル(/ha。 ③ 営農に必要な農業機器、肥料・種子・燃料等 ・農業機器'トラクター、耕運機、種まき機、収穫機等(への投資 350~800ドル/穀物1000トン・年 ・肥料・種子・燃料・スペアパーツ・労働コスト等への投資 200~500ドル/穀物1000トン・年 ・貯蔵費 120~150ドル/穀物1000トン・年

資料:2010年度自由貿易協定等情報調査分析検討事業

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3.(3)輸出規制の推移

19 19

2010年 2011年 2011年~2012年

10/19~12/31 1/1~3/31 4/1~6/3 6/4~6/30 7/1~10/21 10/22~

輸出割当 5月末で解除'5/19決定( 輸出税

とうもろこし 200万トン 100万トン追加 '計300万トン(

200万トン追加 '計500万トン(

とうもろこし '5/5解除(

輸出割当

解除

12%または20ユーロ/トンのいずれか高い方

輸出税撤廃

小麦 50万トン 50万トン追加

'計100万トン(

9%または17ユーロ/トンのいずれか高い方

大麦 20万トン

14%または23ユーロ/トンのいずれか高い方

大麦 '2012/1に撤廃(

ライ麦 1千トン 延長 再延長 輸出割当解除

そば 1千トン

○ 2007年から08年の穀物等の国際価格の高騰を受けて、輸出割当を設定。その後、2010年10月に再び輸出割当を設定。天候に恵まれ穀物が豊作となり、2011年6月に輸出割当を廃止した後、7月に輸出税を設定したものの、10月に入り大麦を除き撤廃。大麦も2012年1月に入りようやく撤廃。

資料:ウクライナ政府公表資料をもとに農林水産省で作成

ウクライナの輸出規制の推移 ウクライナの輸出規制の推移

2007年11月~2008年5月 小麦、とうもろこし等に輸出割当を設定 2008年5月 WTO加盟

【付加価値税'VAT(の還付の遅延】 ・付加価値税の税率は20%となっており、農産品や鉄鋼関連製品の輸出に際しては、付加価値税が還付。 ・しかし、政府側の予算不足等により還付状況は芳しくなく、企業側に未収金が発生したことから、政府は国 債の発行により対応。

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3.(4)投資環境における課題

20 20

○ 全般的な投資環境は世界水準からみれば良好とは言い難く、特に法整備や施行実態に課題がある。また、農業投資に固有の課題があり、農地の取得の難しさやリース契約に係るリスク、ファイナンス問題、突然の輸出規制等のリスクがある。地場の大規模アグロビジネスとの取引や提携、投資などの可能性の検討も必要。

外国直接投資全般の課題 ・投資優遇措置の縮小 - 2005年に経済特別区における優遇税制の廃止'輸入関税の免除、VATの免除等( ・投資家保護関連法の継続性の不足 ・法制度の不透明さ、突然の制定や変更 ・紛争解決のメカニズムが不十分 ※ 現在、日・ウクライナ投資協定が交渉中'第1回交渉会吅、2011年9月開催( 農業投資に固有の課題 ・農地リース契約に関わるリスク - 農地リース契約の多さ - 膨大な契約書類 - リース単価の上昇 ・ウクライナ国内での資金調達が困難 - 農業は優先的な融資対象ではない - 農地売買が禁止されており、有効な担保にならない - 農家が利用できる資金融資が不十分 ・突然行われる輸出規制のリスク - 2010年9月の輸出割当の発表 - 12月までの輸出 270万トン '内訳:とうもろこし200万トン、小麦50万トン、大麦20万トン( - 2010年11月に2011年3月まで延長の発表'さらに夏まで延長( '内訳:とうもろこし300万トン、小麦100万トン、大麦20万トン他(

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4.(1)品質及び安全性に関する管理及び検査

21 21

農薬の登録 ・法律により農薬の登録システムがあり、残留農薬の許容基準が定められている。 ・農薬の販売はライセンス制'2年間の暫定登録期間、10年間の登録許可(。 農薬の使用とモニタリング ・毎年政府がイエローブック「使用可能な農薬リスト」を発行。生産者側は、毎年農薬の使用計画を農業 政策食料省に提出する義務。 ・農薬の製造・販売を一旦登録し許可されると、その後の企業に対するモニタリングは行われていない。 残留農薬 ・農業政策食料省が輸出穀物及び政府が買い上げる穀物を対象に、サンプルテストを通じて残留農薬 のモニタリングを行っている。 農薬に関する問題 ・現地の認識として、旧ソ連時代の放棄農薬と不法に国内に輸入される農薬の問題があるが、現状では 農薬の使用量が尐なく、大きな問題となっていない。しかし、農薬の使用量は増加基調にあり、今後は、 農薬の管理や検査体制を充実させる必要がある。

GMO種子管理制度 ・法律に基づき、2009年2月よりGMO種子の登録・認証手続きが始まる。しかし、2011年3月までに 政府により登録・認可されたGMO種子は存在していないため、吅法的にGMO種子の流 通、販売や同種子を活用した栽培は不可能。 使用状況・検査・IPハンドリング'分別生産流通管理( ・GMO穀物は既に国内で栽培されており、とうもろこしの5~10%、大豆の60~70%がGMOであ り、これらは違法に国外から持ち込まれたものと種子企業等は指摘。 ・法律により、輸出穀物のGMO検査が義務づけられている。政府の検査でGMO作物が含まれてい るとの結果が出たことから、政府は検査体制を強化する方針。 ・公式にはGMO作物が存在しないことから、政府IPハンドリングは実施されていない。

農薬の管理制度とその現状 農薬の管理制度とその現状

遺伝子組換作物'GMO(の管理制度とその現状 遺伝子組換作物'GMO(の管理制度とその現状

資料:2010年度自由貿易協定等情報調査分析検討事業

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4.(2)日本向け輸出における課題

22 22

○ 実需者等からのヒアリングより、ウクライナ産大豆、とうもろこしを日本へ輸入する場合には、残留農薬等の安全性の問題、価格競争力、GMOとの識別、情報の公開等についての課題が指摘。

残留農薬等の安全性の問題'多くの実需者が輸入に際して一番のネックと指摘( ・現時点では農薬の使用は尐なく、仮にウクライナ産大豆やとうもろこしが日本に輸入されたとしても残留農 薬が直ちに問題となる可能性は低い。 ・しかし、今後その使用が増大するものと見込まれることから、農薬の使用や検査に関する管理体制・機能 が強化されることが望ましい。 '薫蒸の実施義務( ・ウクライナの植物検疫法は穀物の薫蒸を義務づけているが、輸出に特化した規定や実施方法に関する記 述はない。検疫当局の輸出許可を得るため、本船上での薫蒸を慣行上実施。 挟雑物の混入の問題 ・石、菜種や大豆等が混入し、品質管理上問題。 GMOとの識別 ・Non-GMOの大豆、とうもろこしを輸入するためには、農場や流通段階でのIPハンドリングの徹底が必要。 価格競争力 ・品質面で実需者ニーズを満たしても、価格に影響を与える輸送コストの低減 – パナマックス級船舶での 輸送、生産性の向上など - が必要。 ・貨物コストが10年前の5~6倍'米国西海岸から日本まで10年前は10ドル/トンが今が40~60ドル/ト ン(となっており、国際的な価格競争においては、ウクライナの港でのFOB価格'本船に踏み込んだ時点の 本船渡条件(は、相当安価でないといけない。 情報の公開とアクセス ・産地情報 作付け種付け時期 残留農薬の登録・基準・モニタリングの実施体制など ・日本側の消費者の嗜好'実需者ニーズ(

資料:2010年度自由貿易協定等情報調査分析検討事業

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参考(1)大豆サンプルの豆腐加工適正

23 23

○ 比較的蛋白質の多い品種のウクライナ産大豆サンプルについて、豆腐加工適正試験を実施。今回のサンプルに関して言えば、全体的に豆乳の固形分や蛋白質が低く、不快味が感じられたことから、豆腐用大豆として課題のあるところ。

品種 水分 粗蛋白質 粗脂肪 粗灰分 炭水化物

Terek 10.2 35.9 18.7 4.3 30.8

Khorol 10.1 37.6 17.1 4.7 30.5

Korsak 10.7 33.5 19.9 3.9 32.2

Lybid 7.9 36.4 18.7 6.4 30.6

Kuban 9.7 38.7 18.7 5.2 29.8

Cheremosh 8.7 34.6 18.1 4.6 34.0

Vision 8.7 33.0 21.5 4.6 32.2

Desna 9.7 36.8 18.3 4.7 30.8

評価基準1) 34%以上

検査委託先:朝日食品工業株式会社・食品研究所

注1(朝日食品工業の自社基準

品種 抽出率 固形分 粗蛋白質 色調 粘度

% % % L a b mPa.S

Terek 77.60 9.18 4.10 78.10 -1.60 15.10 15.40

Khorol 77.30 9.35 4.35 77.30 -1.40 17.40 15.00

Lybid 77.30 9.08 2.87 78.30 -0.70 14.60 15.50

Kuban 76.60 9.08 4.28 78.90 -1.20 14.50 20.50

Cheremosh 78.40 9.50 4.45 76.10 -1.30 15.40 14.20

Desna 78.10 9.56 4.13 78.00 -0.70 13.50 18.50

評価基準1) 9.8以上 4.5以上 78以上

検査委託先:朝日食品工業株式会社・食品研究所

注1(朝日食品工業の自社基準

品種 外観 甘味 こく味 不快味 食感 おいしさ

Terek 3.1 1.9 1.9 2.2 3.0 1.9

Khorol 3.7 2.1 2.1 2.1 2.7 2.1

Lybid 2.7 1.9 1.9 1.4 1.0 1.1

Kuban 2.4 1.9 2.2 2.1 2.6 2.1

Cheremosh 3.4 2.3 2.6 2.3 2.6 2.4

Desna 2.0 1.8 1.9 1.9 2.4 1.8

検査委託先:朝日食品工業株式会社・食品研究所

注1(評価者数N=7

注2(外観'5良い~1悪い(、甘味・こく味'5強い~1弱い(、不快味'5感じない~ 1感じる(、食感'5硬い~1軟らかい(、おいしさ'5美味しい~1不味い(

品種 破断強度

g/cm2 pH

Terek 98 6.11

Khorol 90 6.22

Lybid 0 6.04

Kuban 94 6.22

Cheremosh 74 6.22

Desna 80 6.16

評価基準1) 60以上

検査委託先:朝日食品工業株式会社 ・食品研究所

注1(朝日食品工業の自社基準

大豆の性状と一般成分に係る検査 大豆の性状と一般成分に係る検査 豆腐加工適正試験 豆腐加工適正試験

豆乳加工適正試験 豆乳加工適正試験 豆乳抽出試験 豆乳抽出試験

資料:2010年度自由貿易協定等情報調査分析検討事業

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参考(2)大豆サンプルの味噌加工適正

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○ 全国味噌工業協同組合連合が行ったウクライナ産大豆サンプルの検査結果(2010年6月)によれば、味噌用としては粒が小さく、蒸煮大豆の硬さが日本産の上限を大きく超えている点が課題。

味噌適正試験 味噌適正試験

品種 100粒 発芽率 浸漬後 蒸煮後 蒸煮大豆 蒸大豆の色調

重'g( '%( の重量 の重量 水分'%( 硬さ'g( 変動係数 Y'%( x y

増加比 増加比

ウクライナ産 Terek 18.3 100 2.31 2.04 57.1 706 0.137 35.20 0.395 0.390

Khorol 15.8 100 2.32 2.07 60.7 684 0.137 36.80 0.395 0.393

Lybid 16.9 96 2.34 2.05 58.3 690 0.171 36.40 0.393 0.392

Cheremosh 19.6 100 2.37 2.08 59.5 818 0.186 36.10 0.385 0.385

日本産 エンレイ 33.8 100 2.32 2.10 58.9 554 0.111 31.62 0.395 0.393

トヨコマチ 32.1 96 2.36 2.10 60.1 543 0.115 35.71 0.389 0.388

評価基準 25以上 96 2.2以上 2.0以上 60程度 600以下 低い:良い 高い:良い

検査結果出所:2010年6月、全国味噌工業協同組吅連吅会

外観・100粒重・発芽率 ・種皮は黄白色で発芽率も高い。しかし、100粒重について、味噌用原料として一般に25g以上の中粒種'粒 径が7.3mm以上(が用いられるが、4品種とも20g以下の小粒種。 17時間浸漬後の重量増加比 ・浸漬後の重量増加比は2.2以上が望ましく、4品種とも条件を満たしている。 浸漬後大豆を加圧蒸した後の重量増加比 ・蒸煮後の重量増加比は2.0以上が望ましく、4品種とも条件を満たしている。 蒸煮大豆 ・味噌用として、水分が60%程度、硬さが500~600g程度であり、かつその値がバラツキの尐ないものが望 ましい。しかし、サンプルの4品種の中でもっと軟らかい品種でも684gであり、日本産より高い傾向。

資料:2010年度自由貿易協定等情報調査分析検討事業

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参考(3)とうもろこしサンプルの成分検査

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○ 主要な品種のウクライナ産とうもろこしサンプルについて、飼料用としての成分分析を実施。水分については、飼料輸出入協議会が推奨している基準を満たし、粗蛋白質の含有量についても、米国産とうもろこしの品質を上回る結果。残留農薬も検出されず、今回のサンプルに関して言えば、飼料用として品質及び安全性に支障はない。

成分分析結果 成分分析結果

検査項目 分析結果 飼料用とうもろこしの 基準値、定量下限等

分析手法

水分 1( 12.5% 14.5%以下が望ましい 3( 常圧加熱乾燥法

粗タンパク質 1(6( 10.7% 米国産 6~7% 3( ケルダール法

アフラトキシンB1 2( 検出せず 0.01ppm 4( 高速液体クロマトグラフ法

BHC 2( 0.009ppm なし 4( ガスクロマトグラフ法

DDT 2( 検出せず 0.02ppm 4( ガスクロマトグラフ法

Y-BHC 2( 検出せず 0.005ppm 4( ガスクロマトグラフ法

アルドリン及びディルドリン 2( 検出せず 0.01ppm 4( ガスクロマトグラフ法

エンドリン 2( 検出せず 0.01ppm 4( ガスクロマトグラフ法

ヘプタクロル 2(7( 検出せず 0.01ppm 4( ガスクロマトグラフ法

フェンバレレート 2( 検出せず 0.1ppm 4( ガスクロマトグラフ法

フィプロニル 2( 検出せず 0.01ppm 4( 液体クロマトグラフ質量分析法

検査委託先:財団法人日本食品分析センター

注1(サンプルの4品種'Kobza種、Shalanda種、OD385種、Novatsiya種(の平均値

注2(発ガン性物質として近年注目されている'カビ毒(。kobza種のみについて実施

注3(飼料輸出入協議会による

注4(飼料及び飼料添加物の成分規格等に関する農林水産省令による

注5(食品衛生法第6条による

注6(窒素・蛋白質換算係数 k=6.25

注7(ヘプタクロルエポキシドを含む

資料:2010年度自由貿易協定等情報調査分析検討事業