34
99 2009.7 金属資源レポート 18 10 27 【資源開発基礎講座 (平成 18 年 10 月 27 日開催)講演】 アタカマ鉱山開発について 伊勢 隆志 日鉄鉱業株式会社 前 常務取締役 本稿の構成 はじめに 1. アタカマ鉱山の概要 1 - 1. 位置・地勢等 1 - 2. 位置・地勢等 2. 鉱山部門〔探査~採鉱〕の概要 2 - 1. 鉱山周辺の地質と探鉱 2 - 2. 採鉱 3. 選鉱部門の概要 3 - 1. フロー 3 - 2. 磨鉱・浮遊選鉱 3 - 3. 尾鉱堆積場 4. 従業員 5. 生産実績 6. アタカマ鉱山の開発経緯 6 - 1. プロジェクト発掘段階 6 - 2. 探鉱段階 6 - 3. FS 段階 6 - 4. 合弁会社設立 6 - 5. 建設工事段階 6 - 6. 生産段階 おわりに はじめに 著者は 1995 年から 2005 年半ばまで、準備、開発工事、操業 3 年と約 10 年にわたりアタカマ(Atacama)鉱山 開発のプロジェクトに携わってきた。チリは銅産出において世界一の産出量を誇っており、そのため世界中から優 秀な鉱山機械が集まり、メーカーも支店を出しており、サービス網も整っている。 本稿においてはアタカマ鉱山の紹介に加え、プロジェクトの経緯、技術面における報告等を行う。 1. アカタマ鉱山の概要 アカタマ鉱山の経営を行うのは“S.C.M. ATACAMA KOZAN”である。 “S.C.M.” と は“Sociedad Contractual Mina” の 略 で、『鉱山特約会社』という意味である。日本におい て言うところの株式会社と有限会社の中間的な性質を 持ち、鉱山にだけ与えられた特別な会社組織である。 税法上の恩典を与えられている他、政府関係、会計関 係の報告が非常に簡素化されており、チリの鉱山の経 営を行う会社の大部分は、この“S.C.M.”という方式 をとっている。 また“ATACAMA”は、チリ共和国第Ⅲ州の別称 “Provincia de Atacama”、また“Desierto de Atacama ( ア タ カ マ 砂 漠 )” か ら と ら れ て い る。“KOZAN” と は日本語の“鉱山”であり、是非、会社名に日本語を 盛り込みたいというチリ側パートナーの提案により “Atacama Kozan”と名付けられた。 本プロジェクトは日本の日鉄鉱業とチリ側 Inverraz グループによる合弁プロジェクトである。Inverraz グ ループは、日本の日産自動車のディーラーやスー パー・マーケットをチリ国内に 50 ~ 60 か所展開する 他、漁業、林業、ブドウ栽培及びワインの製造、また 鉱山業等幅広く企業活動を行っており、従業員は約 1 万人を擁する。社主は、軍事政権であった大統領ピノ チェト後の大統領選挙に出馬する等政治への関心も高 かった。 1 - 1. 位置・地勢等 チリ共和国は南北 4,000km にわたり、ペルー、アル ゼンチンと国境を接しており、ペルーからアタカマ鉱 山のある周辺までがアタカマ砂漠、その南はサバンナ である。さらに南下すると森林地帯となり、この辺り は非常に雨が多い。南端はホーン岬(Cabo de Hornos) から南極に至り氷河のある非常に寒冷な地域となる。 隣国のアルゼンチンとは 5,000 ~ 6,000 mのアンデス 山脈を挟んで接しており、西側は太平洋に臨んでいる。 チリは 14 州に分けられ、それぞれの州は数字と名前 によって識別されている。数字は北から南へ第Ⅰ~ X Ⅳ州と割り振られ、第Ⅲ州は首都のサンチャゴから北 へ 800km に位置する。 州都コピアポ (Copiapo) は人口 17 万人とチリにあっ ては非常に大きな町であり、そこから南へ 20km 地点 (現 顧問) 218

【資源開発基礎講座 (平成18年10月27日開催)講演】 アタ ...mric.jogmec.go.jp/wp-content/old_uploads/reports/...は非常に雨が多い。南端はホーン岬(Cabo

  • Upload
    others

  • View
    1

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

  • 992009.7 金属資源レポート

    特集・連載

    【資源開発基礎講座 (平成18年10月27日開催)講演】 アタカマ鉱山開発について

    【資源開発基礎講座 (平成18年10月27日開催)講演】アタカマ鉱山開発について

    伊勢 隆志日鉄鉱業株式会社 前 常務取締役

    本稿の構成

    はじめに1. アタカマ鉱山の概要 1-1. 位置・地勢等 1-2. 位置・地勢等2. 鉱山部門〔探査~採鉱〕の概要 2-1. 鉱山周辺の地質と探鉱 2-2. 採鉱3. 選鉱部門の概要 3-1. フロー 3-2. 磨鉱・浮遊選鉱 3-3. 尾鉱堆積場

    4. 従業員5. 生産実績6. アタカマ鉱山の開発経緯 6-1. プロジェクト発掘段階 6-2. 探鉱段階 6-3. FS 段階 6-4. 合弁会社設立 6-5. 建設工事段階 6-6. 生産段階おわりに

    はじめに著者は 1995 年から 2005 年半ばまで、準備、開発工事、操業 3 年と約 10 年にわたりアタカマ(Atacama)鉱山

    開発のプロジェクトに携わってきた。チリは銅産出において世界一の産出量を誇っており、そのため世界中から優秀な鉱山機械が集まり、メーカーも支店を出しており、サービス網も整っている。

    本稿においてはアタカマ鉱山の紹介に加え、プロジェクトの経緯、技術面における報告等を行う。

    1. アカタマ鉱山の概要アカタマ鉱山の経営を行うのは“S.C.M. ATACAMA

    KOZAN”である。“S.C.M.” と は“Sociedad Contractual Mina” の 略

    で、『鉱山特約会社』という意味である。日本において言うところの株式会社と有限会社の中間的な性質を持ち、鉱山にだけ与えられた特別な会社組織である。税法上の恩典を与えられている他、政府関係、会計関係の報告が非常に簡素化されており、チリの鉱山の経営を行う会社の大部分は、この“S.C.M.”という方式をとっている。

    また“ATACAMA”は、チリ共和国第Ⅲ州の別称“Provincia de Atacama”、また“Desierto de Atacama(アタカマ砂漠)”からとられている。“KOZAN”とは日本語の“鉱山”であり、是非、会社名に日本語を盛り込みたいというチリ側パートナーの提案により

    “Atacama Kozan”と名付けられた。本プロジェクトは日本の日鉄鉱業とチリ側 Inverraz

    グループによる合弁プロジェクトである。Inverraz グループは、日本の日産自動車のディーラーやスーパー・マーケットをチリ国内に 50 ~ 60 か所展開する

    他、漁業、林業、ブドウ栽培及びワインの製造、また鉱山業等幅広く企業活動を行っており、従業員は約 1万人を擁する。社主は、軍事政権であった大統領ピノチェト後の大統領選挙に出馬する等政治への関心も高かった。

    1-1. 位置・地勢等チリ共和国は南北 4,000km にわたり、ペルー、アル

    ゼンチンと国境を接しており、ペルーからアタカマ鉱山のある周辺までがアタカマ砂漠、その南はサバンナである。さらに南下すると森林地帯となり、この辺りは非常に雨が多い。南端はホーン岬(Cabo de Hornos)から南極に至り氷河のある非常に寒冷な地域となる。

    隣国のアルゼンチンとは 5,000 ~ 6,000 mのアンデス山脈を挟んで接しており、西側は太平洋に臨んでいる。

    チリは 14 州に分けられ、それぞれの州は数字と名前によって識別されている。数字は北から南へ第Ⅰ~ XⅣ州と割り振られ、第Ⅲ州は首都のサンチャゴから北へ 800km に位置する。

    州都コピアポ (Copiapo) は人口 17 万人とチリにあっては非常に大きな町であり、そこから南へ 20km 地点

    (現 顧問)

    (218)

    特集・連載_伊勢_P99-132.indd 99 2009/07/22 14:14:18

  • 2009.7 金属資源レポート100

    【資源開発基礎講座 (平成18年10月27日開催)講演】 アタカマ鉱山開発について

    特集・連載

    にアタカマ鉱山が位置する〔図 1〕。西側に隣接して、FCX(旧 Phelps Dodge)80%及び

    住友グループが 20%(住友金属鉱山㈱ 16%、住友商事㈱ 4%)が経営するラ・カンデラリア(La Candelaria)鉱山があり、70 万 t/ 月の精鉱を産出している他、コピアポ川を挟んで東側には中堅銅山が 3 山程操業する。周辺には、家内工業的に、あるいはトラック 1 台で営まれているような個人鉱山も多数あり、なかには 100年、200 年と掘り続けられている鉱山もある。

    アンデス山脈には銅や金の大鉱山が操業しているが、また、西側の海岸寄りには標高 1,500m ほどの山々が続く“海岸山脈(Cordilleras Coastero)”と呼ばれる地域にも銅鉱山が多数ある。

    アタカマ鉱山の直ぐ東側をコピアポ川が流れており、アンデスの融雪水を太平洋に注いでいる。上流は水流が見えるが、中流から河口にかけてはほぼ伏流している。川の流域だけは緑が非常に多いが、その他はほぼ砂漠で、年間雨量は約 4mm とされている。

    1-2. 探鉱・開発時の現地状況〔写真 1〕は現地で探鉱時代の状況であり、坑内

    ボーリングを実施した際の探鉱坑道坑口が見える。 〔写真 2、写真 3〕は選鉱プラントを建設用地であ

    り、前述のコピアポ川の河川敷であるため非常に緑が多い。地下には水が豊富に伏流しており、30m も掘ればポンプアップで多量の水が確保できる。〔写真 4〕はボールミルの建屋が立ち上がったところ。〔写真 5〕は建設の最盛期のころにクレーン車が多

    量に稼動していたころの光景である。〔写真 6〕は前述の選鉱プラントから 16km 離れた

    El Gato 尾鉱堆積場への選鉱尾鉱送泥パイプの敷設工事状況である。〔写真 7〕は El Gato 尾鉱堆積場の建設途上の様子で

    ある。上流の土砂 55 万 m3 をスターターダムとして築いた。本格的な開発工事が 2001 年 4 月に始まり、2002 年 12 月に完成を迎えた。〔写真 8〕は試験操業を行い、最初に出てきた銅鉱

    石である。精鉱はトラックに積み、鉱山から 180km離れたバルキート(Barquito)港〔写真 9〕へ運び、船輸送を行う。バルキート港は CODELCO のサルバドール(Salvador)鉱山の港である。ここで 12,000tのヤードを借り、横持ちして積み込みを CODELCOに委託している。約 5 万 t の船にエスコンディーダ

    (Escondida)やロス・ペランブレス(Los Pelambres)等の鉱石と相積みし、輸送している。〔写真 10〕は、精鉱出荷先の日比共同精錬の玉野製

    錬所である。

    2. 鉱山部門〔探査~採鉱〕の概要2-1. アカタマ鉱山周辺の地質と探鉱〔図 2〕はアカタマ鉱山周辺の地質図である。ここが

    コピアポの中心部であり、コピアポ川(Rio Copiapo)、

    カンデラリア鉱山、アタカマ鉱山、また中堅級の 3 鉱山がある。このナントコ層と呼ばれる堆積層の下部に銅が胚胎している。〔図 3〕は模式断面図である。緑色の部分は火山岩、

    安山岩、またその上が堆積岩である。黒色部分が銅の鉱体であり、中央がアカタマ鉱山、また、その左のまとまった面積を有する黒い部分が隣のカンデラリア鉱山である。 同鉱山はおよそ地表 800m から海面下200m までを採掘している大規模な露天掘銅山である。

    アタカマ鉱山のコピアポ川を挟んで東側にも鉱体があり、これらはチリ資本で採掘を行う銅山である。鉱液が安山岩体中を上昇してきて、銅の鉱液が非常に浸透しやすい堆積層に浸透して銅鉱体を生成している。これらのうち、水平に近い層状の鉱床を“マント型鉱床”、また縦型の鉱床を“ブレッチャー(角礫型鉱床)”と呼んでいる〔写真 11,写真 12〕。〔写真 13〕現地で探鉱を行った際の様子である。〔写真 14〕は坑内ボーリング探鉱の様子である。

    2-2. 採鉱アタカマ鉱山の鉱区は東西 1km、南北 3km である。

    ここはもともと前述チリ側パートナーの Inverraz 社が所有していたが、合弁会社設立後に移管する形となった。〔図 4〕は、この鉱区について行った探鉱結果に基

    づく品位分布図である。これは一次探鉱、二次探鉱の結果の一部であり、赤い部分が 2%以上、緑の部分がちょうど 1%前後、また黄色の部分は 0.8%以下の鉱体を示している。〔図 5〕は、東西方向の鉱床断面図であり、これを

    見ると、場所によって、厚さが 40m、10m、4m と、非常にばらつきがあることが分かる。開発の初期段階においては、この非常に厚い部分を対象とした。〔図 6〕は現状における坑内の 3D イメージ、〔図 7〕

    は坑内平面図、〔図 8〕は坑内断面図である。ちょうど鉱体の中央辺りの坑内地点に鉱石の全量を集め、坑内で一次破砕して、3 基のコンベアで地表に出鉱する設計となっている。坑内断面図〔図 8〕で見ると、海抜 110m からコンベアで 500m 上がったところが地表であり、そこに選鉱場がある。

    鉱体の露頭が見当たらず、地表下 300 ~ 400m と深いため、ボーリングが非常に困難であった。断面に縦の線が 2 本あり、右が入気坑道で約 500m、左が排気坑道〔写真 15〕で約 600m である。

    非常に優れた立坑採掘システムである“レイズボーラー”〔図 9〕という大型ボーリング機械を用い、直径 3.10m で工事を行っている。まだ未探鉱部分があり、採掘に合わせて探鉱坑道を展開し、現在も鋭意営業ボーリングを行って鉱量の増加に努めている。〔図 10〕にサブレベル・ストーピング採掘鉱画断面

    図を示す。品位は一様ではなくムラがあるが、採掘コストを下げるためにサブレベル・ストーピング法によ

    (219)

    特集・連載_伊勢_P99-132.indd 100 2009/07/22 14:14:18

  • 2009.7 金属資源レポート 101

    特集・連載

    【資源開発基礎講座 (平成18年10月27日開催)講演】 アタカマ鉱山開発について

    り採掘を行っている。下に採掘坑道、運搬坑道、上に長孔ドリリング坑道を設け、低厚層鉱画についてはドリリング坑道を省いて下部坑道から穿孔・発破を行う方式をとった。

    FS 段階において採掘法はルーム・アンド・ピラー法やカット・アンド・フィル法も検討されたが、若干、低品位部が入るとしても、やはりサブレベル・ストーピング法が最も安コストであり、採用を決定した。〔図 11〕は〔図 10〕を上から見たところ、すなわち

    サブレベルの切羽を平面で見たところである。幅25m、長さが 90m、高さは鉱体の厚さにより調整していく。中央が運搬坑道であり、採掘した鉱石、ずりを引出す引出し坑道が入っている。切羽間は坑柱として残すが、将来はこの坑柱も採掘することにしている。〔図 12〕はサブレベル・ストーピング鉱画穿孔計画

    図である。切羽には発破のための装薬孔を上部及び下部から開ける。〔図 13〕は切羽位置図である。切羽はこのように並

    んでおり、いずれも発破後に切羽の下で引抜いたものはトラックに積んで破砕室上のダンピング箇所に全て集められる。〔図 14〕は品位管理用マップである。発破用長孔の

    繰粉をサンプリングし、品位をマップ化したもので、生産計画において品位を算出する際に用いられる。〔図 15〕は採掘計画図である。毎月の採掘計画を色

    別に示したものであり、毎月4~5切羽を常時稼働し、これらを調合することにより平均 1.4 ~ 1.5%の出鉱品位になるよう調整する。

    アカタマ鉱山の鉱体は前述のようにマント型であり、厚みがないため、採掘場を設けるには常に坑道を掘っておかなければならない。〔図 16〕は坑道掘進計画図である。毎月の坑道展開

    の計画がつくられている。粗鉱生産量 1,000t 当たり約4m の坑道が必要である。〔表 1〕はアカタマ鉱山坑内で使われている重機の

    一覧である。

    3. 選鉱部門の概要3-1. フロー〔写真 29、写真 30〕は選鉱プラントの全景である。〔図 17〕はアカタマ鉱山全体のフローシートであ

    り、前節の採鉱部門(図の左上の部分)から地表に出て、二次クラッシャー(Chancador Secundario)・三次クラッシャー(Chancador Terciarios)でまず破砕し、次にボールミル(Molino boals)で磨鉱して、最終的に直径 7mm アンダーにする。これを選鉱セル

    (Celdas Ruugher、Celdas Scavenger)で石けんの泡のような選鉱液に浸けて銅鉱石の微粒子を泡に付着させてすくい上げ(粗選、精選という)、銅品位 12 ~15%とする。さらに同様の方法でコラムセル(Celdas Columnas)で品位を上げ、最終的には銅品位 29%となる。これをシックナーに入れてセラミックフィル

    ター(Filtro Concentrado)で水を絞り、製品とするのである。

    精鉱と分離された尾鉱の部分は、直列 5 台のポンプにより 16km 離れた尾鉱堆積場(Tailing Dum, Tranque de relave)にパイプで輸送する。16km の区間はほぼ水平である。最初は下り勾配であり、中ほどから最後にかけては 100m ほど上り、10 inch のパイプで一気に送る。

    3-2. 磨鉱・選鉱〔写真 31〕は 4,500 馬力のボールミル。選鉱場の心臓

    部である。豪州 ・ ブラッドケン社のボールミルであり、世界中各社に見積もりを依頼したところ、北欧製は300 万 US $、豪州製は 200 万 US $、中国製は 100 万US $であった。選鉱セルは、米国ウエムコ社である。一部は中古であり、Los Pelambres 鉱山の古い選鉱場を解体すると聞き、選鉱セルとコラムセルをいくつか購入している。〔図 18〕が浮選フローである。ボールミルで砕かれ

    た精鉱の一次浮選(Circuito de Flotacion Rougher)、二次浮選(Circuito de Flotacion Scavenger)を行う。ここにおいて採取した中間製品はコラムセル(Celda Columnar)で 29%まで精選される。また鉱石と岩石の混ざっている岩片(片羽)と呼んでいる部分は、ボールミル(Molino de Remolienda)で再磨鉱を行う。〔図 19〕は、浮選セルの模式断面図である。当初日

    本で見た機種は非常に小さかったが、最近のものは非常に大きく、5m 四方ほどの面積を持ち、高さは 4mほどもある大きなセルであった。米国ウエムコ社製のものが稼動している。〔図 20〕〔写真 32〕はコラム型浮選機の模式断面図

    である。この縦型の精選機は、昔の日本の鉱山では見かけることがなかったが、この 10 ~ 15 年前頃から使われるようになっている。これを導入することで、四角い選鉱セルを以前ほどたくさん必要としなくなった。コラムセルでは非常に細かいエアを中に吹き込み、これにより一気に品位を上げることができる。精鉱でない部分は底部に降りて、再度一次浮選工程へ戻っていく。〔図 21〕〔写真 33〕はシックナーとセラミックフィ

    ルターである。セラミックフィルターは、オートクンプ社製で、故障がほとんどなく、ほぼ完成された機械であるとの印象を持っている。〔写真 34〕は精鉱貯鉱場である。

    3-3. 尾鉱堆積場〔写真 35〕は El Gato 尾鉱堆積場である。選鉱プラ

    ントから尾鉱堆積場まで 16km のパイプラインで選鉱尾鉱を送泥している。左端がスターターダムである。〔図 22〕のように堆積計画を策定した。スタートか

    ら 2 年経った折に頂上に湿式のサイクロン設置し、尾鉱を粗砂と細かいスライムに分離し、約 35%を占め

    (220)

    特集・連載_伊勢_P99-132.indd 101 2009/07/22 14:14:18

  • 2009.7 金属資源レポート102

    【資源開発基礎講座 (平成18年10月27日開催)講演】 アタカマ鉱山開発について

    特集・連載

    る粗砂を下流側に堆積して土手の延長として高さを稼いでいき、内側すなわち上流側のほうに細かいスライムを積み、上部に水を貯める。水は回収し、水を必要とする近傍の工場に譲り渡している。

    4. 従業員〔表 2〕に S.C.M.AKATAMA KOZAN の従業員数を

    示す。直轄従業員は 215 名おり、これは日本人を含んでいる。また請負従業員が 327 名で、合わせて約 540名である。直轄従業員の数はほぼ一定であり、作業の増減により請負従業員の数を調整している。日本人には各部門のラインの長を割り当てている。

    5. 生産実績〔表 3〕はアタカマ鉱山の生産実績である。2003 年

    に操業を開始したばかりの山であり、初年は精鉱量 7万 t( 銅 量 2 万 t)、2004 年 に 8 万 t( 銅 量 2.4 万 t)、2005 年には 7.4 万 t(銅量 2 万 t)となっている。(なお、2003 ~ 2008 年間、6 年間の生産量(銅量)は、11.1万tである。)

    6. アカタマ鉱山の開発経緯1990 年に最初に現地を視察してから、探鉱段階、

    FS 段階、合弁会社の設立、建設の工事、生産段階と段階を踏んで現在に至っている。アカタマ鉱山に取組む前、我々は 35 年ほど前にイランのカレザリーで銅山を経営していたが、政変がありパーレビ国王からホメイニに政権が移った際に国家接収されてしまった。また 20 年前にはコロンビアにおいてやはりエルロブレという銅山に取組んだが、これは操業 2 年目の1990 年に共産ゲリラか麻薬ゲリラによる襲撃を受けて爆破され、鉱山の設備が破壊されてしまったため撤退した。すなわち、このチリにやっと安全な鉱山を見付けたという心境である。6-1. プロジェクト発掘段階(1990 年 10 月~ 1992 年

    6 月)前述のエルロブレ銅山の襲撃と同じ年の 1990 年 10

    月に第一次調査団をチリへ派遣している。有望なところを抽出した結果、アタカマ鉱山に絞られ、1992 年 5月には基本協定及び探鉱契約について社内で承認がなされている。

    6-2. 探鉱段階(1992 年 6 月~ 1995 年 3 月)1992 年 6 月、基本協定書を締結。ここには 2 点明

    記されており、1 つは、 第 1 次探鉱、 第 2 次探鉱、FS、開発の4段階の各段階において日本側は進退の判断が行えるということ、もう 1 つは買鉱条件及び当社の引取り量である。この協定締結の際にはエントリー費用を Inverraz 社に対して支払っている。

    第 1 次探鉱は金属鉱業事業団(当時)の海外地質構造調査費を一部に使い、1992 年 6 月~ 1993 年 4 月に実施され、この際に有望なマント鉱体を探り当てた。

    その後、第 2 次探鉱を 1993 年 11 月~ 1995 年 3 月にかけて行っており、この二度にわたる探鉱において、合わせて約 70 本のボーリングにより 3 万 m のボーリングを行い、2,000 万 t の可採鉱量を得ている。プロジェクトで言うと、ちょうど 10 年分の鉱量を得たということである。

    6-3. FS 段階(1995 年 6 月~ 1997 年 6 月)FS の実施は 1995 年 6 月~ 1997 年 3 月であるが、

    実際にはこの前に各種の交渉を行っている。すなわちロイヤルティや mine value は鉱山の価値に関する交渉を行っており、実際には FS 自体は 1 年ほどで終わっている。FS はフロール・ダニエル(Fluor Daniel)社を使って行い、終了後 1997 年 3 月に FS 終了の覚書を締結している。その後、1997 年 6 月にアタカマ州(第Ⅲ州)環境委員会に対して環境影響調査報告書を提出し、工事着手に関する認可を受けている。

    なお、鉱区購入の際の契約段階において、例えばロイヤルティについては 1%、3%と決めたり、あるいは 1t 当たりいくらと決めたりすれば簡単であるが、上記 mine value を FS で算出して金額を決定する場合、一見、数値が客観的であって良いように思えるが、FS 作成段階で相手は価値が上がるように、日本側は上がらないようにと作為が働くため、交渉は非常に苦労を伴うものであった点を付言しておく。

    6-4. 合弁会社設立(1999 年 5 月)合弁会社の設立は 1999 年であり、FS 終了から 2 年

    あり、この 2 年の間に一連の契約の交渉をチリ側と行っている。一つ一つが非常にハードな契約交渉であった。

    以下は合弁契約の内容である。①開発規模: 粗鉱生産量 1,820 千 t/ 年、精鉱生産量

    9 万 t/ 年②開発費総額:131 百万 US $③資本金:25 百万 US $④資本比率:日鉄鉱業 60%、INVERRAZ 40%⑤鉱石引取権: 日 鉄 鉱 業 60 %、INVERRAZ 10%、

    その他地元販売 30%⑥取締役会:日鉄鉱業 3 名、INVERRAZ 2 名⑦会社構成: 社長(日鉄鉱業)、副社長       (INVERRAZ)、操業部長       (INVERRAZ)、技術部長(日鉄鉱業)、

    営業部長(日鉄鉱業)、総務・経理部長(INVERRAZ)

    開発費総額は FS から 131 百万 US $と算出されている。このうち 25 百万 S $を資本金で、そして残りを日本側がローンで調達することになっている。資本の比率は日鉄鉱業 60%、チリ側 40%である。実はそれ以前に日本側 40%、チリ側 60%となっていた時期があり、その折は銅価が低下していたこともあり、採算ぎりぎりのプロジェクトということで日本側がなかなか

    (221)

    特集・連載_伊勢_P99-132.indd 102 2009/07/22 14:14:18

  • 2009.7 金属資源レポート 103

    特集・連載

    【資源開発基礎講座 (平成18年10月27日開催)講演】 アタカマ鉱山開発について

    腰を上げなかった。その後、チリ側から 20%を譲るとの申し出と、日本側にゴールデンシェアをとるよう要請があり、現在の比率に落ち着いている。

    役員は日鉄鉱業 3 名、チリ側 2 名。社長は日鉄鉱業が当たり(初代は著者が務めた)、副社長はチリ側である。各部長は双方から出ている。特に労務関係は、チリ側に任せた。

    こうした合弁契約とは別に、株式引受契約、買鉱契約、ロイヤルティ契約、社員派遣契約、及び資産売買契約を結んでいる。

    6-5. 建設工事段階(2001 年 4 月~ 2002 年 12 月)2001 年 4 月、建設工事着手を決定。合弁契約にお

    いては開発費総額 1 億 3,000 万 US $となっていたが、当時は銅価が 60 ~ 70¢ /lb と低迷していたため、できるだけこれを抑えるよう再検討し、20 百万 US $の圧縮を実現し、総額 111 百万 US $とした。これを資本金 25 百万 US $と、残りは日本輸出入銀行(当時)のローン 70%、市中の協調 30%により用意した。

    建設工事は 2002 年 12 月までの非常に短い期間で主要工事を終えている。銅価や経済情勢にあまり大きな変化が生じないうちに操業に入ろうということが趣旨であった。また、前述のように開発費を抑えるために、工事基本設計や主要機械の購入及び全体工程管理は ATACAMA KOZAN 鉱山特約会社自身で行い、工事区域は坑内坑道掘削、坑内コンベア設置、選鉱プラント建設、残滓パイプライン敷設、残滓ダム建設の 5工区に分け、それぞれ国際的な競争入札で工事業者を選定し発注している。

    工事契約においては、特に技術レベルの維持、工事の遅延防止、追加工事費の増大防止に注意し、オーナー権限を強化して締結を行った。すなわち技術水準を守ること、工期を守ること、労務問題等を起こさないことを明確にうたい、これを守れない場合には契約破棄という強い内容の文言を盛り込んでいる。

    表 4 に各工区と規模を整理した。坑道についてはチリの中堅坑道業者、またコンベアはチリの大手鉄鋼加工業者、プラントとパイプラインは CMCA というチリの会社 2 社とペルーの 1 社による合弁会社で行っている。ダムは、コピアポの中堅土木業者にコストを抑えた工事を発注した。

    6-6. 生産段階開発工事は 2002 年 12 月に完了した。一部に中古機

    械を使う等したが、技術的には FS レベルを超えることができたと考えている。資金的には、若干資金を残して終わることができたため、その後の運転資金を一切借りずに済ませることができた。2003 年 1 月に試験操業を開始、2003 年 2 月には精鉱の販売を開始し

    ている。また 2003 年 6 月には生産能力の約 80%に生産量が達したため商業生産の宣言を行い、この 6 月をローン返済のタイミング、日本への輸出の起点としている。日本への精鉱の輸送開始は 2004 年 2 月であり、第 1 船が日比共同製錬に向けて出港している。

    2003 年 1 月の試験操業開始から 2005 年 12 月末までの累計生産量は、粗鉱生産量 4,885,000t、精鉱生産量 228,000t、銅量 65,000t となっている。平均粗鉱品位 1.43%というところであり、これは選鉱実収率93%を考慮した数値である。

    なお余談であるが、現地においては操業後、商業生産に入る直前にストライキを 1 か月間打たれたことがある。採鉱部門の一部従業員が 40 ~ 50 名からなる労働組合をつくり、賃上げと 40 項目ほどの要求(家族手当、クリスマス手当等)を掲げて迫ったが、日本側もチリ側のパートナーも、まだ投資をして間もなく、安定した操業を確立することが最優先であり、一切対応しなかったところ、ついにストライキに入られたのであるが、1 か月後に組合は解体して戻ってきた。チリにおいては鉱山側が「操業維持の権利」を有しており、これに則り、ストライキにより、不足した労働力は請負等を増員し生産を維持するという、日本では見られない形で生産をし、ストを切り抜けたのである。

    おわりに低銅価の折に建設を行い、操業に入ると銅価が上昇

    という具合に、アタカマ鉱山プロジェクトは幸運に恵まれ、日本側にとってもチリ側にとっても得るところが大きかった。こうしたタイミングの良さに加え、やはりコピアポという鉱山にとって必要なインフラが揃っている地域において鉱山開発ができたことが大きかったと考える。水、電気、道路、港の全てがある、住宅は不要、さらに熟練労働者、熟練技術者が地元にいたのである。

    また、我々が慣れた技術を使ったということも奏功した。日鉄鉱業は現在、国内で石灰石鉱山を操業しており、かつては銅・鉄山や石炭山等もあったが、それら現場での操業技術を有している。前述のコンベア等は、その石灰山鉱山における技術をそのままチリで応用したのである。立坑方式という案もあったが、やはり我々の慣れた技術で行おうということになったのである。

    この他、日本人は即戦力になる人材を連れていったこと、現地のパートナーが非常に有効に働いた点、また政府や業者との交渉、労務対策等の現場において、日本人は言葉の問題があり苦手とする部分を、チリ側のパートナーがうまく対処してくれたこと等を成功の要因として挙げることができるのではないだろうか。

    (2009.6.4)

    (222)

    特集・連載_伊勢_P99-132.indd 103 2009/07/22 14:14:18

  • 2009.7 金属資源レポート104

    【資源開発基礎講座 (平成18年10月27日開催)講演】 アタカマ鉱山開発について

    特集・連載

    写真 1. 選鉱プラント建設予定地(探鉱時)(写真奥が坑道入り口)

    写真 2. 選鉱プラント建設予定地(整地作業)

    (223)

    特集・連載_伊勢_P99-132.indd 104 2009/07/22 14:14:25

  • 2009.7 金属資源レポート 105

    特集・連載

    【資源開発基礎講座 (平成18年10月27日開催)講演】 アタカマ鉱山開発について

    写真 3. プラント建設予定地(基礎工事)

    写真 4. 選鉱プラント建設風景 1(写真手前:No.3 コンベア坑道出口、写真奥:ミル建屋)

    (224)

    特集・連載_伊勢_P99-132.indd 105 2009/07/22 14:14:33

  • 2009.7 金属資源レポート106

    【資源開発基礎講座 (平成18年10月27日開催)講演】 アタカマ鉱山開発について

    特集・連載

    写真 5. 選鉱プラント建設風景 2(写真手前:二次クラッシャ基礎、写真奥:ミル本体)

    写真 6. 尾鉱パイプライン敷設工事

    (225)

    特集・連載_伊勢_P99-132.indd 106 2009/07/22 14:14:37

  • 2009.7 金属資源レポート 107

    特集・連載

    【資源開発基礎講座 (平成18年10月27日開催)講演】 アタカマ鉱山開発について

    写真 7. EL GATO 堆積場建設風景

    写真 8. 試験操業開始(2002 年 12 月)

    (226)

    特集・連載_伊勢_P99-132.indd 107 2009/07/22 14:14:44

  • 2009.7 金属資源レポート108

    【資源開発基礎講座 (平成18年10月27日開催)講演】 アタカマ鉱山開発について

    特集・連載

    写真 9. Barquito 積出港

    写真 10. 日比共同製錬㈱ 玉野製錬所

    (227)

    特集・連載_伊勢_P99-132.indd 108 2009/07/22 14:14:51

  • 2009.7 金属資源レポート 109

    特集・連載

    【資源開発基礎講座 (平成18年10月27日開催)講演】 アタカマ鉱山開発について

    写真 11. 縞状鉱体

    写真 12. 角礫状~網状鉱体

    (228)

    特集・連載_伊勢_P99-132.indd 109 2009/07/22 14:15:02

  • 2009.7 金属資源レポート110

    【資源開発基礎講座 (平成18年10月27日開催)講演】 アタカマ鉱山開発について

    特集・連載

    写真 13. 第一次探鉱

    写真 14. 坑内ボーリング探鉱

    (229)

    特集・連載_伊勢_P99-132.indd 110 2009/07/22 14:15:07

  • 2009.7 金属資源レポート 111

    特集・連載

    【資源開発基礎講座 (平成18年10月27日開催)講演】 アタカマ鉱山開発について

    排気用メインファン

    写真 15. 排気設備

    排気坑道坑口

    写真 16. 二連ジャンボ

    (230)

    特集・連載_伊勢_P99-132.indd 111 2009/07/22 14:15:10

  • 2009.7 金属資源レポート112

    【資源開発基礎講座 (平成18年10月27日開催)講演】 アタカマ鉱山開発について

    特集・連載

    写真 17. 坑道掘進作業(二連削岩機による掘削作業)

    (231)

    特集・連載_伊勢_P99-132.indd 112 2009/07/22 14:15:11

  • 2009.7 金属資源レポート 113

    特集・連載

    【資源開発基礎講座 (平成18年10月27日開催)講演】 アタカマ鉱山開発について

    写真 18. ロード・ホール・ダンプ

    立坑投入間口での積入作業

    写真 19. 鉱石の積込及び投入作業

    (232)

    特集・連載_伊勢_P99-132.indd 113 2009/07/22 14:15:15

  • 2009.7 金属資源レポート114

    【資源開発基礎講座 (平成18年10月27日開催)講演】 アタカマ鉱山開発について

    特集・連載

    上向き削孔作業

    写真 20. SIMBA(全角度穿孔機)

    写真 21. ANFO 装填・高所作業車

    (233)

    特集・連載_伊勢_P99-132.indd 114 2009/07/22 14:15:20

  • 2009.7 金属資源レポート 115

    特集・連載

    【資源開発基礎講座 (平成18年10月27日開催)講演】 アタカマ鉱山開発について

    写真 22. BOLTEC(自動ロックボルト機)

    写真 23. BOLTEC による天盤支保作業

    ロックボルト(BOLTEC 用:岩盤との摩擦により固定する)

    (234)

    特集・連載_伊勢_P99-132.indd 115 2009/07/22 14:15:25

  • 2009.7 金属資源レポート116

    【資源開発基礎講座 (平成18年10月27日開催)講演】 アタカマ鉱山開発について

    特集・連載

    写真 24. 坑内ダンプによるホッパー投入

    写真 25. 坑内小割機(一次破砕機グリズリー上部)

    (235)

    特集・連載_伊勢_P99-132.indd 116 2009/07/22 14:15:28

  • 2009.7 金属資源レポート 117

    特集・連載

    【資源開発基礎講座 (平成18年10月27日開催)講演】 アタカマ鉱山開発について

    写真 26. 坑内一次破砕機

    写真 27. 坑内鉱石運搬コンベア

    (236)

    特集・連載_伊勢_P99-132.indd 117 2009/07/22 14:15:30

  • 2009.7 金属資源レポート118

    【資源開発基礎講座 (平成18年10月27日開催)講演】 アタカマ鉱山開発について

    特集・連載

    写真 28. 坑内コンベア積換機(Chamber)

    写真 29. 選鉱プラント全景(1)

    (237)

    特集・連載_伊勢_P99-132.indd 118 2009/07/22 14:15:33

  • 2009.7 金属資源レポート 119

    特集・連載

    【資源開発基礎講座 (平成18年10月27日開催)講演】 アタカマ鉱山開発について

    写真 31. ボール・ミル

    写真 30. 選鉱プラント全景(2)

    (238)

    特集・連載_伊勢_P99-132.indd 119 2009/07/22 14:15:35

  • 2009.7 金属資源レポート120

    【資源開発基礎講座 (平成18年10月27日開催)講演】 アタカマ鉱山開発について

    特集・連載

    写真 32. コラム・セル上部

    写真 33. セラミック・フィルター

    (239)

    特集・連載_伊勢_P99-132.indd 120 2009/07/22 14:15:38

  • 2009.7 金属資源レポート 121

    特集・連載

    【資源開発基礎講座 (平成18年10月27日開催)講演】 アタカマ鉱山開発について

    写真 35. El Gato 尾鉱堆積場

    写真 34. 精鉱貯鉱場

    (240)

    特集・連載_伊勢_P99-132.indd 121 2009/07/22 14:15:42

  • 2009.7 金属資源レポート122

    【資源開発基礎講座 (平成18年10月27日開催)講演】 アタカマ鉱山開発について

    特集・連載

    図 1. アタカマ鉱山位置図

    図 2. アタカマ鉱山周辺の地質図

    (241)

    特集・連載_伊勢_P99-132.indd 122 2009/07/22 14:15:47

  • 2009.7 金属資源レポート 123

    特集・連載

    【資源開発基礎講座 (平成18年10月27日開催)講演】 アタカマ鉱山開発について

    図 3. アタカマ鉱山周辺模式断面図

    図 4. 品位分布図

    (242)

    特集・連載_伊勢_P99-132.indd 123 2009/07/22 14:15:54

  • 2009.7 金属資源レポート124

    【資源開発基礎講座 (平成18年10月27日開催)講演】 アタカマ鉱山開発について

    特集・連載

    図 5. 鉱床断面図(東西断面)

    図 6. 坑内 3D イメージ

    図 8. 坑内断面図 図 7. 坑内平面図

    (243)

    特集・連載_伊勢_P99-132.indd 124 2009/07/22 14:15:58

  • 2009.7 金属資源レポート 125

    特集・連載

    【資源開発基礎講座 (平成18年10月27日開催)講演】 アタカマ鉱山開発について

    メーカー 機種 モーター出力穿孔径(mm) ロード長

    (mm)本体重量(kg)パイロット リーマー

    Robbins 85R 224kw 318 3,100 1,500 23,600

    図 9. 通気立坑掘削(レイズ・ボーラー)

    図 10. サブレベル・ストーピング採掘鉱画断面図

    (244)

    特集・連載_伊勢_P99-132.indd 125 2009/07/22 14:16:05

  • 2009.7 金属資源レポート126

    【資源開発基礎講座 (平成18年10月27日開催)講演】 アタカマ鉱山開発について

    特集・連載

    図 11. アンダーカット坑道及び引抜坑道模式図

    図 12. サブレベル・ストーピング鉱画穿孔計画図

    (245)

    特集・連載_伊勢_P99-132.indd 126 2009/07/22 14:16:10

  • 2009.7 金属資源レポート 127

    特集・連載

    【資源開発基礎講座 (平成18年10月27日開催)講演】 アタカマ鉱山開発について

    図 14. 品位管理用マップ

    図 13. 切羽位置図

    (246)

    特集・連載_伊勢_P99-132.indd 127 2009/07/22 14:16:13

  • 2009.7 金属資源レポート128

    【資源開発基礎講座 (平成18年10月27日開催)講演】 アタカマ鉱山開発について

    特集・連載

    図 16. 坑道掘進計画図

    図 15. 採掘計画図

    (247)

    特集・連載_伊勢_P99-132.indd 128 2009/07/22 14:16:17

  • 2009.7 金属資源レポート 129

    特集・連載

    【資源開発基礎講座 (平成18年10月27日開催)講演】 アタカマ鉱山開発について

    図 18. 浮選フロー

    図 17. プラント・フローシート

    (248)

    特集・連載_伊勢_P99-132.indd 129 2009/07/22 14:16:22

  • 2009.7 金属資源レポート130

    【資源開発基礎講座 (平成18年10月27日開催)講演】 アタカマ鉱山開発について

    特集・連載

    図 20. コラム型浮選機模式断面図

    図 19. 浮選セル模式断面図

    (249)

    特集・連載_伊勢_P99-132.indd 130 2009/07/22 14:16:23

  • 2009.7 金属資源レポート 131

    特集・連載

    【資源開発基礎講座 (平成18年10月27日開催)講演】 アタカマ鉱山開発について

    図 21. シックナーとセラミック・フィルター

    図 22. 廃滓ダム堆積計画図

    (250)

    特集・連載_伊勢_P99-132.indd 131 2009/07/22 14:16:35

  • 2009.7 金属資源レポート132

    【資源開発基礎講座 (平成18年10月27日開催)講演】 アタカマ鉱山開発について

    特集・連載

    EQUIPOS FUNCION MARCA/MODELOS CANT. EQUIPOS CAPACIDADES

    Perforador Rocket Boomer Perforactión Desarrollo Atlas Copco-282 2 Barra 4,3m

    Perforador SIMBA H-1254 Perforación de Producción Atlas Copco-H 1254 2 17 Barras/1,8m

    LHD Scooptram Extracción y Carguío Atlas Copco-ST-8C 4 9 Yd cu

    LHD Scooptram Extracción y Carguío Atlas copco-ST-1010 2 6.5 Yd cu

    Jumbo Apernador Apernado Atlas Copco-BOLTEC 235-H-XU 1 14 Barras/3,1m

    Canmión Cargador de Anfo Carguío de explosivos Atlas Copco-GIA UV 111 1 500Kg

    Cargador Frontal Carguio Volvo L-120 D/E 2 2.8 Yd cu

    Camion Transporte Nissan UD-DIESEL-CW B459 4 20t

    Camion Lubricador Chevrolet NPR-DIESEL 1 7.000Kg

    Camion Transporte personal Chevrolet NPR-DIESEL 2 7.000Kg

    Camion GRUA 5 Ton Chevrolet NPR-DIESEL 1 7.000Kg

    Camión Cargador de Anfo Carguío de explosivos Atlas Copco-GIA UV 111 1 500Kg

    Plataforma Servicios Paus RL852 1 2.000Kg

    Plataforma Carguio anfo Paus RL852 1 500Kg

    Acuñador con Martillo NPK 202 Fortificacion Paus RL852 1 Alcance 5m Halt

    Brazo martillo Parrilla chancador primaro Rammer 500 HD-E68 1 4.000 Joules

    Compresor aire Summin. Aire Eq. Perf. Compair L 110 2 636 CFM

    Compresor aire Summin. Aire Eq. Perf. Compair L 76 1 372 CFM

    EQUIPOS SCM ATACAMA KOZAN

    表 1. 坑内重機一覧表(2005.3.31 現在)

    直轄従業員

    管 理 部 門 54 名

    鉱 山 部 門 85 名

    プラント部門 76 名

     小 計 215 名

    請負従業員

    鉱 山 部 門 305 名

    プラント部門 22 名

     小 計 327 名

      合 計 542 名

    2005 年 3 月 31 日現在

    表 2. アタカマ鉱山総従業員数

    年度 粗鉱量(千 t) 精鉱量(千 t) 銅量(千 t)

    2003 1,488 71 20

    2004 1,762 83 24

    2005 1,635 74 21

    表 3. アタカマ鉱山生産実績

    工 区 規  模 工事業者

    坑内トンネル掘削 延長 7,500m Mas Errazuriz(チリ中堅のトンネル業者)

    坑内破砕室及び運搬コンベア

    クラッシャ及び3,500m のコンベア設置

    EDYCE(チリ大手の鉄鋼加工業者)

    選鉱プラント

    粗鉱処理量能力:5,500t/ 日 2-3次クラッシャ、4,500 馬力ミル浮選機、コラム浮選機、シックナー、セラミックフィルタ

    CMCA(チリ・ペルーの 3 業者合弁の工事事業者)

    廃滓パイプライン 10 インチパイプ×16km CMCA(同上)

    廃滓ダム 容量 13 百万 m3、堤体長 300 m、

    高 50mLGP

    (コピアポのローカル中堅土木業者)

    表 4. 各工区と規模概要

    (251)

    特集・連載_伊勢_P99-132.indd 132 2009/07/22 14:16:35