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長崎観光の現状・課題
~外国人旅行者の受入環境水準調査等の報告~
Destination Management/Marketing Organization NAGASAKI
平成30年11月28日
一般社団法人長崎国際観光コンベンション協会
400
450
500
550
600
650
700
750
S60 S61 S62 S63 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H291
観光客や消費も順調に増加観光客数
707万人(過去最高)
クルーズ入港数
267隻(過去最高)
乗客・乗務員数
105万人(過去最高)
観光消費額
1458億円(過去最高)
経済波及効果
2237億円(過去最高)
3
福井
秋田
愛知
福島
岩手
鹿児島
茨城
宮城
宮崎
青森
山形
佐賀
山口
栃木
高知
徳島
福岡
新潟
香川
岡山
大阪
富山
神奈川
三重
千葉
和歌山
静岡
岐阜
東京
愛媛
兵庫
群馬
長崎
長野
山梨
石川
島根
広島
埼玉
京都
大分
北海道
滋賀
熊本
鳥取
沖縄
奈良
香川
滋賀
鹿児島
福井
茨城
佐賀
栃木
岡山
山形
高知
和歌山
秋田
福島
宮城
長崎
三重
群馬
青森
愛知
石川
島根
富山
山口
岐阜
宮崎
広島
静岡
岩手
徳島
兵庫
新潟
奈良
長野
千葉
鳥取
熊本
大分
愛媛
埼玉
神奈川
北海道
山梨
福岡
大阪
京都
東京
沖縄
高い満足度の割に、低いリピート率《満足度指数》
《再来訪意欲指数》
資料)日銀長崎支店資料を基に作成
15位
33位
4
フロントスッフも気が利かないし
もう、泊まりたくない。
(ホテル)丁寧だけど
基本的なサービスを理解していない
部屋に入ったとたんホコリ等あり。2泊の予定が1泊キャンセル
料金が高すぎるビジネスホテルのレベルではない
人生最悪のゲストハウスです。
フロントスタッフも気が利かないし
もう、泊まりたくない。
問題は部屋。まず、汗臭い。
それを物語る実態例
『非常に目立つ低評価の”口コミ”』
結局のところ経験価値レベルが低い
5
・ニーズに応えられる滞在コンテンツが不足
・外国人観光客は路面電車沿いの周遊にとどまり、
出島や寺町周辺へ呼び込めていない
・長崎市を訪れる外国人観光客は日帰り、一泊が
多く、滞在時間・泊数が短い
・延べ宿泊数が激減(特に、日本人)
・旅行客(宿泊、日帰り)の平準化(閑散期対策)
・外国人観光客の約6割を占める韓国・台湾の宿泊
率が平均値より低い
・魅力的で豊富な資源がたくさんあるが、プロモー
ションが不十分で、長崎市に呼び込めていない
・国の特性(嗜好、交通利用、旅行シーズン)やルー
トに沿った連携都市(特に北部九州の都市)との
効率的なプロモーションができていない
・キャッシュレス環境整理などが不十分で、消費機
会を逃している
・クルーズ客の消費を取り込めていない
ワーキンググループの組成と実践
滞在型コンテンツ造成
受入れ環境整備
プロモーション
宿泊促進
経済波及効果(①消費単価×②旅行者数×③域内調達率)の拡大に向け、関係者の皆様と4つのワーキンググループを組成し、目的達成を図る。
問題点・課題 ワーキングクループ組成(案)
・「観光庁受入環境整備水準」に基づく実態調査の実施
・キャッシュレス(モバイル決済の導入等)、多言語対応の導入促進(メニュー、案内等)
・Wi-Fiの整備推進 等
・宿泊実態の深掘り(属性毎の予約状況等の分析と対策検討・実践)
・宿泊予測と対応、顧客管理 等
・着地型旅行商品の造成、ブラシュアップ・高付加価値サービス造成・夜・朝のコンテンツ造成 等
・Webや主要な施設等でのワンストップPR・SNS等を活用した効率的なPR・既存民間事業のPR・評価検証例)ルミナ、水辺の森公園ペダルボート等
長崎市版DMO
データ収集フィードバック
外国人受入環境整備 (ストレスフリー)ワーキンググループの進め方 (案)
訪日外国人旅行者の受入環境水準調査(観光庁基準)
受入環境水準調査分析結果から抽出した課題について・分析結果(課題)の共有・他都市の事例等を研究・課題解決に向けた検討・現場での問題点を集約
課題ごとに解決を図る(例)・現場での多言語対応・外国語での情報発信・キャッシュレス決済・チャットボットの導入(AIの活用)
商工会議所、長崎市を中心に観光関係事業者に広く呼びかけ、意欲や興味のある方に参画してもらう
課題に応じて人選
専門家による助言やアドバイス観光庁が行っている広域周遊観光促進のための専門家派遣事業を活用
6
7
観光庁基準に基づく「受入環境水準調査」の実施
観光庁の基準に従い、長崎市中心部における訪日外国人旅行者の受入環境水準を定量的且つ客観的に把握するとともに、個別事業者のインバウンド事業に対するニーズを把握し、その実現のサーポートを実施するための基礎資料となる「受入環境水準調査」を以下のとおり実施する。
(1)調査対象の選定調査対象は、①新大工、②中島川・中通り、③浜町・銅座・築町等、④新地、⑤南山手、⑥長崎駅周辺、⑦平和町の7地区とし、回収目標は500~700サンプルとする。
(2)調査票の設定観光庁調査票をベースに、本調査で必要な項目を含めた調査票を設計する。調査票は、観光庁基準に従い、飲食店、小売店、観光施設、宿泊施設の4種類とする。
(3)調査実施対象地区の関係者との協議を受け、郵送方式又は調査員対面方式、FAX・メール方式など適切な方法により調査を実施する。(9月実施)
(4)入力・集計・分析回収した調査票の入力・集計を行い、最終的に地区別、業種別などでの分析・考察を行う。
8
大阪府との比較 (宿泊施設)
90.3
82.8
93.5
56.7
87.1
56.7
56.7
77.4
56.7
90.3
53.3
90.2
78.0
89.0
76.8
81.7
82.9
79.3
85.3
48.8
86.5
65.8
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
外国人の受入対応
WEBサイトによる情報提供
事前予約
施設名の表示
コミュニケーション
宿泊施設の利用案内
施設内表示
精算
緊急時への対応
施設の利便性向上のための取組
従業員教育
長崎市 大阪府
%
9
大阪府との比較 (飲食施設)
76.6
18.3
33.8
22.5
49.3
21.1
4.2
40.8
12.7
79.6
33.3
29.6
22.2
74.1
55.5
13.0
42.6
25.9
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90
外国人の受入対応
WEBサイトによる情報提供
施設名の表示
営業時間の表示
コミュニケーション
精算
緊急時への対応
施設の利便性向上のための取組
従業員教育
長崎市 大阪府
%
10
大阪府との比較 (小売り・物販施設)
59.2
14.3
26.5
10.5
46.9
19.7
36.1
2.0
14.6
6.8
87.1
67.7
45.2
48.4
77.4
58.1
71.0
38.7
67.7
58.1
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
外国人の受入対応
WEBサイトによる情報提供
施設名の表示
施設の営業時間等の表示
コミュニケーション
施設内表示
精算
緊急時への対応
施設の利便性向上のための取組
従業員教育等
長崎市 大阪府
%
11
大阪府との比較 (まとめ)分類 宿泊施設 飲食施設 小売り・物販施設
大阪より50%以上下回っている事項
WEBサイトによる情報提供施設の利便性向上のための取組み従業員教育
大阪より30%以上下回っている事項
精算 施設内表示施設の営業時間等の表示緊急時の対応精算コミュニケーション
大阪より10%以上下回っている事項
宿泊施設の利用案内施設内表示施設名の表示
コミュニケーションWEBサイトによる情報提供従業員教育
外国人の受入対応施設名の表示
共通して大阪に大きく遅れている項目は① WEBサイトによる情報提供② 従業員教育③ 精算④ コミュニケーション⑤ 施設内表示
12
今後どのような対応を進めたいか (宿泊施設)%
12.1
48.5
69.7
9.1
12.1
3.0
0.0
0.0
18.2
0 20 40 60 80
WEBサイトの外国語対応
店内の外国語表示
コミュニケーションの強化
決済環境の充実
Wi-Fi環境などの整備
体験メニューや外国人向け新サービスの提供
現在とは全く分野が異なるビジネス展開
その他
取り組みたいことはない
13
今後どのような対応を進めたいか (飲食施設)%
8.5
18.3
22.5
7.0
7.0
4.2
0.0
0.0
70.4
0 10 20 30 40 50 60 70 80
WEBサイトの外国語対応
店内の外国語表示
コミュニケーションの強化
決済環境の充実
Wi-Fi環境などの整備
体験メニューや外国人向け新サービスの提供
現在とは全く分野が異なるビジネス展開
その他
取り組みたいことはない
14
今後どのような対応を進めたいか (小売り・物販施設)%
3.7
8.5
17.3
9.2
6.1
1.4
0.7
2.0
71.4
0 10 20 30 40 50 60 70 80
WEBサイトの外国語対応
店内の外国語表示
コミュニケーションの強化
決済環境の充実
Wi-Fi環境などの整備
体験メニューや外国人向け新サービスの提供
現在とは全く分野が異なるビジネス展開
その他
取り組みたいことはない
15
今後どのような対応を進めたいか (まとめ)順位 宿泊施設 飲食施設 小売り・物販施設
1位 コミュニケーションの強化 69.7% 取り組みたいことはない 70.4% 取り組みたいことはない 71.4%
2位 店内の外国語表示 48.5% コミュニケーションの強化 22.5% コミュニケーションの強化 17.3%
3位 取り組みたいことはない 18.2% 店内の外国語表示 18.3% 決済環境の充実 9.2%
4位 WEBサイトの外国語対応 12.1% WEBサイトの外国語対応 8.5% 店内の外国語表示 8.5%
5位 Wi-Fi環境の整備 12.1% 決済環境の充実 7.0% Wi-Fi環境の整備 6.1%
事業者の皆さんが進めたいと考えている受入環境整備は① コミュニケーションの強化② 店内の外国語表示③ 決済環境の充実④ WEBサイトの外国語対応⑤ Wi-Fi環境の整備
16
検討するべき課題の抽出
遅れている項目 進めたい項目
①WEBサイトによる情報提供
②従業員教育
③精算
④コミュニケーション
⑤施設内表示
①コミュニケーションの強化
②店内の外国語表示
③決済環境の充実
④WEBサイトの外国語対応
⑤Wi-Fi環境の整備
① 現場での外国語対応(コミュニケーション)② 外国語での情報発信(WEB、店内表示)③ キャッシュレス決済(精算)
資料)長崎市観光動向分析
来訪者満足度(要素別)
17
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
観光情報
土産品(店員のおもてなし)
観光ガイド
飲食施設(店員のおもてなし)
宿泊施設(従業員のおもてなし)
宿泊施設(部屋の質)
地域内の移動
土産品(商品の内容)
観光施設(従業員おもてなし)
観光施設(質・内容)
観光施設(種類や数)
自然やまちの景観
世界遺産(候補)飲食施設(食事の内容)
まち歩き(史跡めぐり)
夜景
旅行全体
大変満足 満足 やや満足 やや不満 不満 大変不満 未回答
GOOD
人に関わる満足度が低い %
BAD
高
低
満足度
20
【わかったこと】Webサイトがちゃんとしてる3
・訪日外国人観光客に人気で、その予約のほとんどがネット予約。(ツアー予約等でディスカウントしなくてよい)・ホームページは多言語化し(英語と中国語)、Wi-Fi完備。・FacebookやTwitterを活用して、日々新鮮な情報発信を行っている。
21
小売り・物販施設 (精算)%
0.7
20.4
26.2
2.4
3.1
2.0
63.9
0 10 20 30 40 50 60 70
外貨での精算ができる
海外発行のクレジットカードが利用できる
中国銀聯カードが利用できる
アリペイが利用できる
ウィチャットペイ(※)が利用できる
その他の取組み
取り組んでいない
22
事例1 グラバー園・出島売店
売上単価が現金の約2倍に!
中国人向けQRコード決済(AliPay、WeChatPay)を導入
<参考>利用はAlipayが9割、WeChatPayが1割
お客様のスマートフォンに表示されたQRコードを読み取るだけで決済完了!
0
200,000
400,000
600,000
800,000
1,000,000
1,200,000
1,400,000
2017/12/1~2/13 大型クルーズ船入港日
Alipay取扱額はクルーズ船入港日に増加
協力店舗へ中国人向けQRコード決済(AliPay)を導入
事例2 熊本でのIoT活用おもてなし実証事業
23
取扱額(円)
• 他の支払い方法よりも「ついでにもう一品」を見るようになった!
☞単価アップにつながった。
• カード決済に比べてレジがスムーズになった!
☞言葉の壁などスタッフのストレスが軽減された。
☞回転率が良くなって混雑時でもトラブルが減った。
・「1万円おつり問題」が解消した!
《店舗側の声》
24
25
15商店街(浜市商店連合会、長崎浜市観光通商店街、長崎浜市電車通商店街、長崎万屋通り商店街、長崎鍛冶市商店街、油屋町商店会、長崎市中通り商店街、長崎市築町商店街、広馬場商店街、思案橋ガス灯通り商店街、思案橋市会、銅座町商店街、西浜通り商店街、長崎新地中華街商店街、新地湊市商店街)、約1,000店舗が加盟。
経済産業省の平成30年度地域・まちなか商業活性化支援事業(地域商業自立促進事業)の補助事業者に採択され、「中心地区商店街・浜んまち商店街が<稼ぐ商店街・稼ぐ店・安心して働ける街>になるための事業」を進めている。・モバイル決済(AliPay、WechatPay)の導入・無線LAN環境の面的整備 来年のランタンフェスティバルまでに導入予定・デジタルサイネージの導入 など
長崎市中央地区商店街連合会の取り組み
小規模事業者が実施する外国人観光客等の誘客と消費拡大に資する取組みに対し、20万円を上限に補助金(補助率:4/5)を交付する。例:多言語表記、決済端末機器の導入、免税店支援ツールの導入等
※ 申請書類の作成や事業のフォローアップにあたっては、長崎商工会議所の指導・助言が受けられる。
長崎市まちなか商店街誘客事業補助金(市商工振興課)
現在、行われている外国人受入環境整備例