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脊髄性筋萎縮症(SMA)の患者さんに向けた
姿勢をよくする リハビリテーション
監修獨協医科大学埼玉医療センターリハビリテーション科理学療法士
長谷川 三希子 先生
■リハビリテーションを行う時は 主治医の指示に従ってください
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正しい姿勢はリハビリテーションの第一歩
一人ひとりがもっている運動能力を十分に引き出す
ためには正しい姿勢を保つことが大切です。姿勢が
悪いと身体のどこかに動かしにくいところが出てきま
す。すると少しずつ筋肉が弱くなってリハビリテーショ
ン(リハビリ)が難しくなったり、さらに姿勢が悪くな
ったりという悪循環におちいる心配があります。姿勢
をよくすることはリハビリをしやすい身体を整えるため
の大事なステップなのです。
猫背や側弯に要注意
猫背など身体の前後の傾きや、側弯
など身体の左右の傾きを改善して、頭
と背骨をまっすぐに保つことが正しい
姿勢のポイントです。正しい姿勢を心
がけて身体を動かせる範囲を広げ、関
節や筋肉を柔軟に保ちましょう。
装具や道具も取り入れよう
よい姿勢を維持するためには、自分の
力だけに頼る必要はありません。この
パンフレットでは装具や道具を上手に
使って、我慢せずに快適に姿勢を保
つ工夫も紹介しています。
リハビリテーションは毎日のつみかさね
すぐに結果が現れる魔法のようなリハビリは残
念ながらありません。だからこそ毎日続けるこ
とが大切です。姿勢をよくするためには、どの
ようなリハビリが重要なのかを示す案内役とし
て、このパンフレットが役立つことを期待して
います。
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立位台 吊りひもストレッチ 装具
立位台脚に体重をかけ、 骨への荷重と体幹の伸展活動を 促します
立位台を使って姿勢をまっすぐに保ちます(正面)
立位台を使って姿勢をまっすぐに保ちます(側面)
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足の外反防止装具も有効です
座位よりも立位のほうが首や背中をまっすぐに保ちやすいです
頭を自力で支えられる時は少し前によりかかって胸で背中を伸ばすようにします
自立が難しい時は後ろによりかかれるボードを設置します
テーブルを斜めにすると読書や手作業がしやすくなります
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立位台 吊りひもストレッチ 装具
ストレッチ
身体の側面を伸ばしますフォームローラーで背中を伸ばします
しっかり万歳することで背筋が伸びます
バランスボールも使用できます
背中がいちばん丸まっている部分にローラーを当てて身体を伸ばします
腕のつけ根あたりをもちます手の先から引っ張ると肩や肘を痛める心配があるのでわきの下からにしましょう
左右両方を伸ばしましょう
腰を固定して肋骨間を広げるようにわきの下から身体の側面を伸ばします
なるべくゆっくり、時間をかけてストレッチをしましょう
ローラーは空缶をタオルでくるんだものでも代用できます
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立位台 吊りひもストレッチ 装具
車イスの上で上半身を 伸ばします脚や腰を伸ばします
座面や背もたれの角度を変えられる車イスではよりかかるようにすると身体を伸ばしやすいです
力を抜き腕の重みで胸の筋肉を開くようにします
肩甲骨が背骨に近づく感覚がポイントです
骨盤傾斜がある時は腰を左右にひねってもちあげるようにすると効果的に筋肉を伸ばせます
腰を手でもちあげるとさらにストレッチできます
腰や股関節を丸めてストレッチします
ストレッチ車イスの上では長時間同じ姿勢になりやすいので姿勢を変えることを心がけましょう
背もたれが低い車イスや一人ではストレッチが難しい時は後ろから軽く頭を支えると安心して背中を伸ばせます
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立位台 吊りひもストレッチ 装具
装具
姿勢を保つ装具を使います 休憩中も左右対称の姿勢に注意します
頭の重みを支えることで背骨の負担(変形の原因)を軽くすることができます
コルセットやよりかかれるイスを使って正しい姿勢を保ちます
装具は医師の処方 で作成できますよく相談して身体に 合った装具を使いましょう
向き癖や側弯を助長する心配があるので首をねじったままの姿勢は避けましょう
座った姿勢を保持するシート部分だけを調整することもできます
TVやタブレットをみる時など休憩中も正面向きの姿勢を保ちます
脊髄性筋萎縮症(SMA)の患者さんに向けた
姿勢をよくする リハビリテーション
2020年3月作成Biogen-43262
SPI120AR01
資料請求先
バイオジェン •ジャパン株式会社〒103-0027 東京都中央区日本橋一丁目4番1号