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社会基盤設計学領域 88618015
大塚 匠
Study on Evaluation Methods for Bonding Durability of Multilayer Composite Structures of Bridge Deck and Pavement in Highway Bridges
修士論文
道路橋床版の劣化 – RC床版
輪荷重の繰り返し載荷
床版の劣化
雨水の浸入で劣化は著しく進行する
耐久性を発揮させるためには高い性能を持つ防水層の設置が重要
道路橋床版の劣化 –鋼床版
鋼床版の疲労損傷に関する報告増加
既設鋼床版の補修・補強
• 溶接補修,添接補強,構造改良など
• コンクリートを上面に打設する合成床版化
輪荷重の繰り返し載荷
床版の劣化
道路橋における多層構造
床版の保護や補強目的
床版
舗装
防水層
鋼床版
コンクリート
RC床版 鋼床版
これらの構造は一体となった挙動を示すことが求められる
相互に影響
多層構造体の評価
• 各層の個別評価
• 多層構造全体を1つの構造とみなした評価
これらの多層構造体を評価するためには?
• 各層の相互影響が複雑
• 防水システム全体での評価を行う方法の確立
床版防水システム(床版・防水層・舗装)
• 評価方法については検討の余地がある
鋼床版の合成床版化
研究目的
• 輪荷重作用下での舗装変形と防水層の付着疲労耐久性の両方を考慮した評価手法の提案
防水システムのせん断付着疲労耐久性
• 接着剤を用いた構造のせん断疲労耐久性を明らかにすること
鋼床版の合成床版化
実験により検討
論文構成第1章 序論
第2章 各種試験概要
第3章RWT試験結果
第5章 RWT負荷を与え
た供試体のせん断疲労試験結果
第4章せん断疲労試験結果
第6章 RWT負荷とせん断疲労試験との関係
第7章 結論
床版防水システムの付着疲労耐久性の検討
40mm
60mm
普通コンクリートECC
床版部
舗装防水層
供試体
供試体パラメータ
舗装から・界面からの水の浸入を模擬
常温の水中に1~2週間浸漬
水浸負荷
• 普通コンクリート
• ECC
床版材料
• 水浸負荷の有無
環境条件 供試体
試験方法概要
2つの試験方法を組み合わせて実施
ランダムホイールトラッキング(RWT)試験 せん断疲労試験+
300mm
40mm
60mm
300mm
舗装(40mm)
コンクリート(60mm)
舗装(40mm)
コンクリート(60mm)
150mm
150mm
舗装(40mm)
コンクリート(60mm)
4等分に切断
ランダム・ホイールトラッキング試験概要
現実の交通荷重の作用を再現するために開発されたWT試験機
輪荷重走行方向
走行位置変化
50℃試験温度
1.2MPa,6000回
輪荷重走行
輪荷重走行範囲
より実現象に近づけることを目的
既往の研究を参考にして設定
0
0.01
0.02
0.03
0.04
0.05
0.06
-300 -200 -100 0 100 200 300
輪荷重走行位置 (mm)
走行確率
供試体範囲
輪荷重走行範囲
中央から±80mmの範囲(輪中央)
輪荷重走行範囲
正規分布(σ=70mm)
分布形状
測定項目
• 一定回数の載荷ごとに供試体中央を上面からレーザ変位計により測定
舗装変形形状
• 舗装と床版部との水平ずれを計測
• 舗装と防水層の界面において測定
端部における舗装の相対ずれ量
舗装部の変形量
相対ずれ量
舗装変形状態
-12
-9
-6
-3
0
3
6
9
12
15
-150 -100 -50 0 50 100 150
変位
計測
定値
(mm
)
供試体中央からの距離 (mm)
0回 200回
1000回 2000回
4000回 6000回 輪荷重通過範囲輪荷重通過範囲
コンクリート供試体の一例
0
1
2
3
4
5
6
7
8
0 1000 2000 3000 4000 5000 6000
水平
変位
量[m
m]
走行回数
普通コン・乾燥
ECC・乾燥
ECC(WJ処理)・乾燥
普通コン・水浸
ECC・水浸
水平ずれ量(平均値)
乾燥状態
水浸状態
せん断疲労試験概要
輪荷重の繰り返し載荷により接着界面でせん断力が発生する
床版・舗装・防水工間のせん断疲労耐久性を調べるために開発された試験機
偏心量
往復運動コンクリート部
作用力(=QL)
反力(=QR)
評価対象面
載荷側バネ
(変形量=2δLmm)
反撥側バネ
ロータリーアクチュエータ(油圧モーター)
アスファルト部
回転カム
測定項目
• 回転カムの回転数
破壊回数
• レーザ変位計によりバネの変形量を計測
載荷荷重
• カンチレバ型変位計により計測
上下間の水平ずれ
b)載荷側バネの変形
c)上下間の水平ずれ
a)破壊回数の確認
試験期間中ほぼ常時計測
破壊性状
• アスファルトと防水層との界面
• コンクリートと防水層との界面
破壊位置
• RWT負荷・水浸状態
環境条件と破壊位置との関係
水浸状態+RWT負荷コンクリート側での破壊面積が増大
せん断疲労試験のみ
相対ずれ量の経時変化
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
0 10000 20000 30000 40000 50000
相対
変位
量[m
m]
載荷回数
RWT負荷なし
乾燥状態・RWT負荷
普通コンクリート水浸状態・RWT負荷
床版材料
S-N関係
0.01
0.10
1.00
100 1000 10000 100000
せん
断応
力振
幅[M
Pa
]
載荷回数[回]
普通コン 普通コン・乾燥RWT 普通コン・水浸RWT
ECC ECC・乾燥RWT ECC・水浸RWT
ECC(WJ) ECC(WJ)・乾燥RWT
RWT負荷なし > 乾燥状態でのRWT負荷 > 水浸状態でのRWT負荷
RWT負荷とせん断疲労試験
• RWT試験後の供試体はせん断疲労寿命が低下
• 防水層と舗装あるいは床版間の付着力への影響が考えられる
実験結果
• 複雑な交通荷重による舗装・防水層・床版間の相互の影響
• 防水層界面からの水の浸入
実現象
RWT負荷によるせん断疲労耐久性への影響を調べる
RWT負荷とせん断疲労負荷との
関係
各条件でせん断疲労試験を行った結果を用いて比較
0.00
0.50
1.00
1.50
2.00
2.50
3.00
3.50
4.00
4.50
5.00
乾燥 水浸 乾燥 水浸 乾燥
せん
断疲
労等
価負
荷回
数
普通コンクリート系 ECC系 ECC系(WJ処理)
RWT負荷がせん断疲労耐久性
に与える影響
RWT走行1回分が供試体に与える負荷は乾燥状態<水浸状態である
床版材料・表面処理方法によってこの影響は変化する
防水システムの付着疲労耐久性を把握するためには、提案した試験方式は有用である
結論
• ランダム・ホイールトラッキング(RWT)試験とせん断疲労試験との組み合わせ試験方法を提案
試験方法
• 接着剤が正常に塗布されている状態では、接着材は鋼床版とSFRCの一体確保のために有効である
鋼床版-SFRC供試体:せん断疲労試験
結論
• RWT負荷を与えたのちにせん断疲労試験を行った供試体はせん断疲労耐久性が低下する
• 環境条件や材料を変化させるとRWT負荷による界面の付着への影響は大きな差があることに注目すべき
床版・防水層・舗装の3層構造体:組み合わせ試験結果
• 本研究で提案した試験方式は有用
• 試験データのさらなる蓄積が望まれる
試験方式の有用性