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厚生労働省
老健局長蒲原 基道殿
高齢・多死社会の到来を控え、住み慣れた地域での在宅療養を最後まで支える「地域包括
ケアシステム」の構築に向け、在宅・介護領域の看護サービスの整備は喫緊の課題です。
介護保険利用者の重度化や認知症高齡者の増加に対応し、地域で安心と尊厳ある生活を支
えていくための看護の体制整備と人材確保に、引き続きのご支援をお願いいたします。
つきましては、平成30年度予算案の編成に際し、以下の事項についてご検討ならびにご配
慮を賜りますよう、要望いたします。
平成30年度予算編成に関する要望書
要望項
介護施設等における外部の専門性の高い看・師によるコンサルテーション・技指の導入
「特別養、老人ホーム看護指者成研フォローアップ研修」の実施
別養・老人ホーム等における医療安全の更なる確保・推進
認知症初期集中支援チームの活動推進
介護分野における看二職員へのハラスメント1こ関する実態把握と防止対策の推進
公益社団法人日本看護協会
会 長坂本す
平成29年5月16日
罷謹臼
聖棚杢痩膚禽
1 2 3 4 5
要望 1 介護設等に'ける外部の専門性高、看護師によるコンサルテーション・技指の
0特養や居住系サービスにおける医療二ーズ対応、ケアの向上を図るため、外部の認定看護師・専門看護師等、専門性の局い看護師によるコンサルテーションや技術指導を行うモデル事業を実施されたい。
医療機関の在院日数短縮化や、平成26年度介護保険法改正により特養入所基準が原則要介護3以上となったことをふまえ、今後、特養や居住系サービスでは医療二ーズのある利用者割合の増加が予想される。
●一方、特養や居住系サービスの看護職員は配置数が少な<、研修のために長期間職場を離れることが困難なことから、利用者の重度化に伴う医療二ーズ対応や、認知症対応の
スキルアップの機会に恵まれていない。
そこで、特養や居住系サービスの看護職員が、祷瘻や糖尿病、認知症のケア、感染管理等について、医療機関等の専門性の高い看護師からコンサルテーション・技術指導を受けるモデル事業を実施し、現行制度ではがん緩和ケアと祷癒ケアについて認められている「専門性の高い看護師による訪問」(訪問看護師との同日訪問)について、訪問先およ
び対象となる疾患・状態像の拡大を検討するよう要望する。
医療二ーズのある入所者の受け入れ状況(特別護老人ホーム)
経管栄養広(ろうを含む)
インスリン療法
中心静脈栄養法(1>H)
末梢静脈注射(点滴など)
酸素療広(HOT含む)
気管カニューレ
人工呼吸痔広(人工呼吸器使用)
吸引(口腔.腔気管内のいずれ力→
腹1"透析(CAPD/APD)
人工透析(HD)
人工勝胱(酢ろう謄胱ろうなど)
人工紅門(ストーマ)
尿道留」カテーテル
処」
麻系を用いた疹痛管理
あり 無回
公益社団法人日本看護協会
603
80.6
40.0
50.5
明
出典:2仇6「特別養護老人ホーム・介護老人保健施設における看護職員実態調査」日本看護協会
90.4
02
10.フ
37.4
178
86.0
94.2
8
463
フフ.6
26.9
958
85.フ
682
60.フ
17.5
10
79.4
87.6
17.5
36.4
3一晶一
8 0
6 3 S
2 0 β●易一 5 9
4
要望 2 「特別養護人ホーム看護指導者養成研修フォローアップ研修」の実
0介護施設等における看護職員の労働環境改善、ケアの質向上を図るため、厚生労働省「局齢者権利擁護等推進事業」の一環で実施している「特別養護箸゜バホーム看護指導者養晟研修」のフォロアップ研修を実施し、看護管理者のマネジメントスキル強化に向けた支援を実施されたい。
●日本看護協会では平成17年度より、厚生労働省「高齢者権利擁護等推進事業」の一環で、各都道府県から「特別養護老人ホーム等における看護指導者養成研修」を受託し、自施設や地域において看護職向け研修の企画・指導を担いうる人材の育成を行ってきナニ。
●平成28年度までの研修修了者は約1,400名に上るが、これまで研修の周知・募集方法や、修了者の自施設や地
域における実践状況について大規模なフォローアップが
行われておらず、研修成果の検証につながっていない。
●多様な看護人材が介護施設等に定着し、働き続けられる
環境を整備するため、「特別養護老人ホーム看護指導者養成研修」のフォローアップ研修を実施して、研修内容や実施方法を検証し、看護管理者のマネジメントスキル強化に向けた支援を実施されたい。
看護指導者養成研修後の活状況(複数回答)(n.お9)
護実務者研の企画・立案
護務者研講飾
関係団体等施の研の企画・立案
関係団体等施の研講師
関係団体施の護・介 研請師
市民向け請座講師
自施設内での研講師
施設内での業務改
研修講者間での報交換等の携
施設間ての報交換等の携
0%
54.8%
16
10.0嘗
2
126%
公益社団法人日本看護協会
出典:2012「介護施設等における者権利擁等の取組み推進を担う看護職員の養成に関する調査研究事業」(平成23年度生労省老人保健健康増進等事業)三菱UF」りサーチ&コンサルティング
40X 50嘗
205%
60鼻
19.2%
2.6%
要望 3
0特別養護老人ホーム等での利用者安全確保を検討できるよう、厚生労働省関係各署、医療安全に関する関係機関が連携して取り組める体制を構築されたい。
特別養護老人ホー
機能分化お,よぴ地写包1括ケτ'の帷進によ'り療養の場は拡.
大してお↓大今後.、'介護施殷雲でも医療依寿度の高い利用者が増加するこどが予測され、特呂山養護老人永一立、等の利用者安全.1.こつぃて対策は急務である。
●利用者の厳を保ちつつ、生活の場々しての安、全のあり'方を検討するにあたり、まずは安全管理体制や事故の状4況につぃて実態把握をする必要がある,。"".・、
●地域包括支援センターや国民生活センターに利用者やその家族等からの苦情窓口はあるが、苦情対応としてではなく、利用者安全の観点から、原因分析に資する情報を収集し、再発防止へつなげる仕組みが必要である。
利用者が病院、介護施設等を移動することを前提として、病院と介護施設等を患着が移動することを前提とした安全確保の対策を講じるため,にほL厚生労働省関係各署、医療安全に関する関係機関が連携して取り組める体制整備が必要である。
国民生活センターなどに寄せられた介護施設等の苦情報を収集
区市町村地域包括支援センター
介き施設等の苦・相談窓口
における医療安全更なる確保・推進
介護施設等の安全確保に関係すると考えられる機関
厚生労働省
医政局
医薬
生活衛生局
老健局
医療安全支援センター
日本医療機能評価機構
医薬品・医療機器総合機構
日本安全調査機構
医療事故調査・支援センター
総務課医療安全推進室:医療安全対策全般
医薬・生活衛生局安全対策課:医薬品や医療機器の安全対策
安全対策課
公益社団法人日本看護協会
消費者庁
要望 4
0認知症初期集中支援チームの活動を推進するため、①認知症に専門的な知見を有する人材の広域派遣事業②困難事例等への対応を強化するための研修整備を実施されたい。
知症初期集中支援チームの活動推進
①各自治体が初期集中支援チームの設置に苦慮する最大の要因
はマンパワ一の確保であり、地域によってはチーム員の要件を満た
す医師や、医師以外の専門職の確保が困難である。また、確保が
できた場合にも、認知症専門医等は多であり、訪問やチーム会議
への参加機会が限られている。
このため、人材確保の困難な地域においては、市町村や委託事
業者の枠を超えて、チーム員以外の認知症専門職から初回訪問や
事例検討において適切な助言・支援を受けられるよう、認知症看護
認定看護師や老人看護専門看護師等の専門職人材の広域派遣事業を実施されたい。
②厚労省老健事業の調査によれぱ、初期集中支援チームによる
支援開始時の対象者の約半数は困難事例に該当すると判定されて
おり、訪問にあたるチーム員には、認知症ケアの経験だけでなく医
療、福祉及び地域の社会資源に関する幅広い知識が求められる。
初期集中支援チームに先進的に取り組んできた自治体の実施状
況を参照の上、チーム員への研修について、医療・福祉の制度や
ソーシャルワーク等の学習内容を拡充し、質の向上を図るよう要望
する。
認知症初期集中支援チームによる支援開始時の対象者の状況
困事に該
当する431
47.6%
出典.平成27年度老人保健事業推進費等補助金(老人保健健康増進等事業分)「認知症初期集中支援チームの実態に関する調査研究事業」国立長寿医療研究センター
公益社団法人日本看護協会
N、9仍(例93肋ち欠値28を除く)
一冒
要望 5 介二分野におけ看:職員へのハラスメント1こ関する実態把握と防止対策の推進
0介護分野における看護職員に対する患者・家族等からのハラスメントの実態を調査把握されたい。0ハラスメントの防止対策を検討し実施するとともに、国民への啓発を実施されたい。
●訪問看護師の暴力被害の状況,が報告されてし.、る【エビ、デン
スデータ】。訪問系サービス1二おし.ゞては、従事者が単独で利用者宅を訪れ業務にあたるためゞ密室での事態をなりイ防止対応が困難である。
●看護職員に対す,る,患者・、利用者・床族等からのハラスメントは従来より報告されていたカミ、,昨今その度合いが苛烈となって看護職員の心理的な安全を脅かしゞメニタル《ルスを損なう一因、さらにぱ離職dず要伽をなってぃる&aず指摘が現場から寄せられてし、、工る。直接の暴力・暴言に加洗SNSを通じ
て特定個人や組織へ'の'▼方的な攻撃力件広散される状況もある。
訪問看護師の5割「利用者、家族から暴力受けた「抱きつかれた」セクハラ被害も
暴力を受けた経がある人(180人)
威圧的な態度(49%)、言葉での悔辱(45%)、身体的暴力(杖でた暴力の容
たく等:28%)
「抱きつかれた」「利用者が訪問中にアダルトビデオをずっと見ていセクハラ被害た」
利用者(71%)、利用者の家族や親族(24%)、利用者と家族ら両暴力を振るった人
方から(2%)
60~69歳(32%)、 70~79歳(23%)加害者の年齢
「相手の言い分をただただ傾聴した」23%)が最多。「やめるよう伝暴力への対応
えた」(15%)、「我した。あきらめた」(15%)
予防策 「ある」22%、(上司に報告(約90%))
公益社団法人日本看護協会
■調査主体.林千冬(神戸市立大学看、学部)
田調査期間:平成27年12月~28年1月
■調査方法:兵庫県内の訪問看護ステーション部施設の600人に質問状を送り358人が回答