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千葉県鴨川市で行われた 「Kameda Cup 2019」で 湘 南藤沢徳洲会病院(神奈川 県)の久保健一・看護師長、 髙力俊策副院長、右松栄 里看護師、徳之島徳洲会 病院(鹿児島県)の勇利幸 事務長が入賞した。同大 会は鴨川市にある亀田メデ ィカルセンターが主催する医療従事者のためのサーフィン大会。 全国から140人がエントリーするなか、ロングボードA(ターン ができるレベル)で久保・看護師長が3位、ロングボードB(自力 で波に乗れるレベル)で右松看護師が3位、髙力副院長が4位に 入賞した。勇事務長は50歳以上のショートボードで3位に食い込 んだ。 大会後、髙力副院長は「鴨川は地域全体で町おこしにサーフィ ンをうまく活用しています。Kameda Cupもそのひとつで、同大会 を通じて “鴨川でサーフィンがしたいから”と亀田に勤務を希望す る医療関係者が少なくありません。湘南も日本有数のサーフィン のポイントですから、いつか “徳洲会カップ” を開き、地域の活性 化や人材の確保につなげられたら良いと思います」。 大会には湘南鎌倉総合病院(神奈川県)や一般社団法人徳洲会 の職員も出場した。 使使使20 17 退退退退退13 退10 15 退退尿37 99 調穿41 88 21 退「いつか徳洲会カップを開きたい」 医療者向けサーフィン大会に出場 湘南藤沢病院&徳之島病院が入賞 TMAT 21 20 退グループごとにトリアージエリアを策定し発表 合田医師は病院防災の重要性を強調 宮田副主任(前列右)、種山・副技士長(その左) らが受賞 佐々木悦子・看護部長(右)と近藤・看 護師長が協力し退院後訪問を推進 病棟看護師(左)から訪問看護師への患者 さんの引き継ぎにも活用 ライディングテクニックを披露する髙力副院長 (左)とカフナクラス(50歳以上)で入賞した 勇事務長(右から2人目) 命だけは平等だ 令和10 21 日 月曜日│No. 1207

四街道病院でプレコース 病院防災テーマに初「START法」、二次ト リアを策定。ープごとにトリアージエ院の見取り図を使いグル法」を学んだうえで、同リアージとして「PAT

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Page 1: 四街道病院でプレコース 病院防災テーマに初「START法」、二次ト リアを策定。ープごとにトリアージエ院の見取り図を使いグル法」を学んだうえで、同リアージとして「PAT

千葉県鴨川市で行われた「KamedaCup2019」で湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)の久保健一・看護師長、髙力俊策副院長、右松栄里看護師、徳之島徳洲会病院(鹿児島県)の勇利幸事務長が入賞した。同大会は鴨川市にある亀田メデ

ィカルセンターが主催する医療従事者のためのサーフィン大会。全国から140人がエントリーするなか、ロングボードA(ターン

ができるレベル)で久保・看護師長が3位、ロングボードB(自力で波に乗れるレベル)で右松看護師が3位、髙力副院長が4位に入賞した。勇事務長は50歳以上のショートボードで3位に食い込んだ。大会後、髙力副院長は「鴨川は地域全体で町おこしにサーフィ

ンをうまく活用しています。KamedaCupもそのひとつで、同大会を通じて “鴨川でサーフィンがしたいから”と亀田に勤務を希望する医療関係者が少なくありません。湘南も日本有数のサーフィンのポイントですから、いつか “徳洲会カップ”を開き、地域の活性化や人材の確保につなげられたら良いと思います」。大会には湘南鎌倉総合病院(神奈川県)や一般社団法人徳洲会

の職員も出場した。

冒頭、野口幸洋TMA

T事務局員(一般社団法

人徳洲会医療安全・質管

理部係長)が「近年、台

風や地震が多発していま

すが、病院のライフライ

ンが途絶した際にどうす

れば良いか、非常に大き

な課題になっています。

今回は病院防災をテーマ

に実践的な研修を用意し

ました」と説明。今回は

プレ開催で、この内容を

ブラッシュアップしてグ

ループ病院に展開してい

く予定だ。

講師はTMAT隊員で

ある札幌東徳洲会病院の

合田祥悟・救急集中治療

センター医師が務め、最

初に「この研修をとおし、

ひとつでも新しいアイデ

アを見つけてほしい」と

メッセージを送った。

まずは講義を実施。病

院防災では防災マニュア

ルが重要な位置を占める。

これは災害急性期の動的

な対応に関し、取り決め

事を記したものだが、実

際に使える内容であるか

随時見直すことも必要。

ハザードマップ、災害対

応開始基準(発災基準)、

災害対応困難時基準(病

院避難)、被害に応じた

対応(災害レベル設定)

などを網羅し、すぐにア

クセスできることが大切

とした。

災害医療の大原則とし

て「CSCATTT」に

ついて解説。これはC(指

揮・統制)、S(安全)、

C(情報伝達)、A(評価)、

T(トリアージ=緊急度・

重症度選別)、T(治療)、

T(搬送)の頭文字を組

み合わせたもの。さらに、

各自の担当部分の行うべ

きことを記載した行動指

針である「アクションカ

ード」、災害時に使用す

る物を入れて各部署に事

前に配備しておく「災害

ボックス」の必要性にも

言及した。

講義の後はグループワ

ークを実施。まず「発災

前準備」では、グループ

ごとに実際の四街道病院

の職員を配置した組織図

を作成し発表した後、E

MIS(広域災害救急医

療情報システム)やトラ

ンシーバー、衛星電話な

ど通信について学んだ。

次に、トリアージでは、

一次トリアージとして

「START法」、二次ト

リアージとして「PAT

法」を学んだうえで、同

院の見取り図を使いグル

ープごとにトリアージエ

リアを策定。

赤、黄、緑タグ用スペ

ースを確保し、出入り口

を明確化、傷病者・救急

搬送の動線を一方通行に

するなど、留意点をもと

に話し合い、それぞれ作

成した案を発表した。

続いてテーマを「発災

後」に移し、マグニチュ

ード7・3の地震で電気

とガスが止まった状況を

想定。大きな揺れを感じ

た時、スタッフはどのよ

うな行動をするか、病院

としてどのような行動に

移るべきかなど協議した。

被災状況の確認では、縦

軸に緊急度、横軸に重要

度を記したホワイトボー

ドに、集めた情報を貼り

付けていくというグルー

プワークを実施、EMI

Sの入力方法も学んだ。

情報伝達する際のポイ

ントを示した「METH

ANE」にも言及。これ

はM(大事故災害の発生・

可能性の宣言)、E(正

確な発災場所)、T(事

故災害の種類)、H(危

湘南鎌倉総合病院(神

奈川県)は9月20日、院

内でQI大会を開催した。

オーラルプレゼンテーシ

ョン17演題に加え、今回

から初めてポスターセッ

ションも実施し、8演題

がエントリー。冒頭、小

林修三・院長代行は「Q

I大会は〝求愛〟大会で

もあり、皆さんからの愛

を求めて、患者さんにそ

の愛を提供していくもの

です。1年に1回、医療

の質について振り返り、

院内で共有し、明日への

診療に生かしていきまし

ょう」と挨拶した。

結果は、最優秀QI賞

千葉徳洲会病院は病棟

看護師による退院後訪問

を開始した。これは医療

ニーズが高い患者さんが

安心・安全に在宅療養に

移行、継続できるように

するため、退院直後に行

う訪問指導。同院では訪

問看護ステーションの看

護師と同行し、患者さん

の療養に関する引き継ぎ

としても活用している。

退院後訪問を統括する

入退院支援室の近藤由香

里・看護師長は「201

6年度の診療報酬改定で

退院後訪問指導料が付き

ましたが、当時はまだ体

制が整っていませんでし

た。当院は昨年から病棟

看護師の訪問看護研修を

行っていますが、在宅を

に薬剤部の「薬剤師によ

る入院前支援の取り組み

〜周術期の医療安全にお

ける薬剤師術前外来の取

り組み評価〜」、優秀Q

I賞にME室の「バスキ

ュラーアクセス(VA)

関連感染の低減化」、Q

I奨励賞に看護部の「手

術中に待機している家族

への支援」と「転倒転落

予防(13階病棟)」、ポス

ター奨励賞に外科の「外

科専攻医の負担軽減の取

り組み」を選出した。

薬剤部は宮田祐一副主

任が発表。手術予定患者

さんに対し、薬剤師が外

来面談を実施することは

見ることで病棟での患者

さんへのかかわり方が変

わってきたという意見が

多かったため、少しずつ

退院後訪問を導入してい

くことになりました」と

開始理由を説明する。

今年6月末に1件目を

行い、外科・耳鼻咽い

喉こう

の病棟を中心に現在まで

10件ほど実施。5年目以

上がメインとなり、若手

が訪問する場合は先輩に

同行して行う。

これまで15人の看護師

が退院後訪問を経験。「ふ

だん、病棟で行っている

ケアが、本当に患者さん

に合っているか評価でき

た」、「退院後指導の足り

なさ、情報収集の足りな

周術期の医療安全に有効

か検証した。同院では2

015年8月から薬剤師

術前外来を開始、対象診

療科(人工膝関節センタ

ー、泌尿器科、脳神経外

科、産婦人科)で休薬指

導率は37・9%だった。

このうち入院時の休薬

指示順守率は99・9%と

なり、患者さんの状況に

応じた休薬指導・対応が

必要と強調。「最終目標

は対象を全診療科に広げ

ていくこと」と締めくく

った。

ME室は種山かよ子・

副技士長(臨床工学技士)

が発表。VAとは血液透

析を行う際の患者さん側

のアクセスルート。穿せ

刺し

前のシャント肢手洗い指

導は、グラフト(人工血

さを実感した」、「より患

者さんのQOL(生活の

質)を向上させるための

ケアを考えることができ

た」など感想が挙がった。

一方、患者さんからも「病

棟で、お世話になった看

護師さんが在宅に来てく

険性)、A(到達経路)、

N(負傷者数)、E(緊

急サービス機関)を表す。

さらにクロノロジーと呼

ばれる情報を時系列に記

録していく手法を用いて

整理した。

その後もグループワー

クは続き、災害レベル別

対応、災害時の食料、メ

ディアへの対応など、起

こり得るさまざまな内容

管)感染発生率低減化へ

の対策として有効な手段

となり得るか検証した。

介入前の手洗い実施率は

41・7%だったが、介入

2年後には88・4%に上

昇、グラフト感染発生率

も介入前は月に100人

中2・21人だったが、介入

2年後にはゼロになった。

「今後はグラフト以外の

VA感染発生ゼロを目標

として活動を続けていき

たい」とまとめた。

れるのは安心」

と好評だ。

近藤・看護師長は「こ

れまでは退院後、安易に

「いつか徳洲会カップを開きたい」

医療者向けサーフィン大会に出場湘南藤沢病院&徳之島病院が入賞

TMATNPO法人TMAT(徳洲会医療救援隊)は9月21

日、四街道徳洲会病院(千葉県)で病院防災プレコー

スを初開催した。参加者は20人。TMATは主に徳

洲会職員で組織し、国内外で災害医療救援活動など

に取り組んでいる。同コースは災害発生時の病院の

対応を総合的に学べる新しいコースだ。

施設への入所を考

えてしまうこともありま

したが、実際に患者さん

の在宅での生活を見ると、

いろいろな可能性に気付

けるようになりました。

これからも続けていきた

い」と抱負を語っている。

円滑に在宅療養へ

病棟看護師が退院後訪問

千 葉病 院

湘南鎌倉病院QI大会

薬剤部が最優秀賞受賞

病院防災テーマに初

四街道病院でプレコース

を想定し話し合った。最

後に合田医師は北海道胆い

振ぶり

東部地震での札幌東病

院の対応など報告し、閉

会した。参加者からは「実

際に自分の病院を想定し

て学べたのでイメージし

やすかったです」、「全ス

タッフが災害時の対応に

ついて知っておくことが

必要だと思いました」な

ど感想が聞かれた。

グループごとにトリアージエリアを策定し発表

合田医師は病院防災の重要性を強調

宮田副主任(前列右)、種山・副技士長(その左)らが受賞

佐々木悦子・看護部長(右)と近藤・看護師長が協力し退院後訪問を推進

病棟看護師(左)から訪問看護師への患者さんの引き継ぎにも活用

ライディングテクニックを披露する髙力副院長(左)とカフナクラス(50歳以上)で入賞した勇事務長(右から2人目)

徳 洲 新 聞 生い の ち

命だけは平等だ❸ 令和元年 10 月21日 月曜日 │ No.1207