32

落含

・野崎

=豫防接種後罹患

セル腸

「チフス」患者

ノ統計的観察

六五〇

豫防

接種後罹患

セル腸「チ

フ

ス」患者

ノ統計

的観察

特

二経

日免疫

ト皮下注射免疫

トノ比較

ニ就

テ

ニ)

名

古屋

市

立

城

東

病

院

讐學博士

落

合

國

太

郎

讐

學

士

野

崎

凱

夫

(本篇

ノ内容

ハ昭和十年四月

一日第九同

日本傳染病學會

総會

ノ席上

ニ於

テ演設

セリ)

目

次

第

一章

緒

言

第二章

研究材料及ビ研究方法

第三章

研究成績

第

一節

総患者ニ於クル観察

第

一項

患者數

第二項

死亡傘

第三項

死亡者ノ生存日撒

第四項

全治者ノ有熱日撒

第五項

全治者ノ全経過日撒

第六項

全治者ノ疾病輕重別

第七項

再發頻度

第入項

合併症

第九項

全治者尿中菌検出牽

第

一〇項

全治者糞便中菌検出率

第

一一項

尿中菌清失病日

第

一二項

糞便中菌清失病日

第

一三項

解熱二一日以後ノ尿中排菌者数

第

一四項

解熱一二

日以後ノ糞便中排菌者数

第一五項

保菌者出現卒

一

尿性保菌者

二

糞便性保菌者

三

尿性糞便性合計保菌者出現傘

第一六項

ウィダール反應凝集債

第

一七項

血液中菌検出傘

第二節

完全免疫者ニ於ケル観察

第一項

患者数

第二項

死亡率

第三項

死亡者ノ生存日数

第四項

全治看ノ有熱日数

33

第五項

全治者ノ全経過日数

第六項

全治者ノ疾病輕重別

第七項

再發頻度

第八項

合併症

第九項

全治者尿中菌検出率

第

一〇項

全治者糞便中菌検出率

第

一一項

尿中菌清失病日

第

一二項

糞便中菌清失病日

第

一三項

解熱二

一日以後ノ尿中排菌者数

第

一四項

解熱二

一日以後ノ糞便中排菌者数

第

一五項

保歯者出現率

一

尿性保歯者

二

糞便性保菌者

三

尿性糞便性合計保菌者出現率

第

一六項

ウィダール反應凝集償

第

一七項

血液中菌検出奉

第四章

総括及ビ考按

第五章

結

論

交

獄

第

一章

縮

言

経

口的

二抗

元

テ與

へ、

人體

又

ハ動

物體

テ発

疫

セ

ント

ス

ル企

ハ、

久

シ

キ以

前

ノ

コト

ニ属

ス。

希朦

ノボズ

タン

王Mithridates

ハ、

毒

茸ニ

ヨ

ル毒

殺

テ防

止

セ

ンガ爲

ニ、致

死

量

以

下

ノ毒

茸

テ反

復

投

與

シ、其

ノ目

的

テ達

セ

リ

ト謂

ヒ、Ehrlich(一八

九

一年

)ハ「リ

チ

ン」、

「アブ

リ

ン」等

ノ植

物

性

蛋

白

毒

テ鼠

ニ餌

食

セ

シ

メテ、

之

ニ封

ス

ル抵

抗

性

ノ發

現

テ認

メタ

リ。

此

等

ノ事

實

ハ其

ノ木

態

ヲ廣

義

二於

ケ

ル冤

疫

現

象

ト

モ

解

シ得

ベ

キ

モ、

今

日

二於

ケ

ル細菌

見

疫

學

ヲ以

テ説

明

シ得

ベ

キ眞

ノ見

疫

ト

ナ

ス

ベ

キ

ヤ、將

又

生

物

ノ

一定

毒

素

ユ封

ス

ル習慣

性

ノ獲

得

ト見

徴

ス

ベ

キ

ャ

ハ、

疑乾我ノ存

ス

ルト

コロ

ナ

リ。

降

ツ

テ

一九

〇

五

年

、Neitli

n

ハ赤

痢

菌

テ以

テ、

尚

又

一九

〇

六年Fr

iedberger及

ビ

Loffl

er

ハ夫

々

「チ

フ

ス」、

或

ハ鼠

「チ

フ

ス」菌

ノ死

菌

経

口的

投

與

ニ

ヨリ

テ、

動

物

テ

シ

テ後

來

ノ生

菌

感

染

二封

シ

テ著

明

ナ

ル抵

抗

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テ獲

得

セ

シ

メ得

タ

リ。

之

ト殆

ド

時

テ同

フ

シ

テ明

治

四

十

年

二

九

〇

七

年

)、

本邦

二於

テ、

志

賀

博

士

ハ氏

等

ト

ハ全

然

別

個

ノ立

場

二於

テ、

死

滅

赤

痢

菌

テ家

兎

一一経

口的

二與

ヘテ、

生菌

ニ封

ス

ル抵

抗

性

ノ發

現

ス

ル事

實

テ観

、之

テ以

テ氏

ハ其

本

態

テ

W

asserm

ann及

ビCitron等

ノ唱

フ

ル局所

冤

疫

ラ以

テ説

明

セ

リ。尚

氏

ハ之

テ人鶴

ニモ慮

用

シ

テ

何

等

嫌

ム

ベキ副

作

用

テ認

メズ、

本

法

ラ以

テ腸

管

傳

染

病

ニ封

ス

ル最

モ完

全

ニシテ

且

ツ理

想

的

豫

防

冤

疫

法

ナ

ル

ベキ

テ唱

ヘタ

リ。

同

年

肥

田

・

豊

田

(秀

)爾氏

亦

「チ

フ

スし、

「コ

レラ」、赤

痢

菌

等

テ以

テ経

口冤

疫

ノ可

能

ナ

ルテ嚢

表

セリ。

落合・野崎=豫防接種後罹患

セル腸

「チ

フス」患者

ノ統計的觀察

六五

一

34

落合

・野崎

=豫防接種後罹患

セ

ル腸

「チフ

ス」患者

ノ統計的觀察

六五二

其

ノ後

死菌

経

口発

疫

ニ關

ス

ル断

片

的

研

究

ハ砂

ナ

カ

ラザ

ル

モ、

本

法

ニ

ョリ

テ

ハ、流

血中

二於

ケ

ル発

疫

罷

ノ産

生

一般

二僅微

ナ

ルト、

爾

叉當

時

ハ未

ダ

局

所

冤

疫

ノ概

念

普

及

セザ

リ

シ爲

力、志

賀

博

士

ノ如

キ卓

見

テ以

テ逸

早

ク経

口発

疫

ノ本

態

ハ、腸

管

ノ局所

免

疫

二外

ナ

ラザ

ルテ提

唱

セ

ル者

ア

リ

ト錐

モ、

本

法

ハ其

ノ後

永

ク學

界

ノ注

目

テ惹

ク

ニ至

ラザ

リ

キ。

然

ル

一二

九

一八

年、

佛

讐

Besredka

ガ改

メテ

局所

菟

疫

ノ立

場

ヨリ経

口発

疫

ノ理

論

テ唱

導

シテ以

來

,

木

問

題

ハ大

イ

ニ隊

米

虹

二殊

二本

邦

學

者

ノ興

味

テ喚

起

シ、

或

ハ赤

痢

ニ(Alivisatos et Jovanovic,Chvosteck, Combiesco, Dopter, Dumas. Eulows.Framkel. Gluchoff,

Kluchin et

WigodtsOhikoff,Lesbre. Marrey,Otten u. Kirschmer,Powell, Vaz.Verdeau、

大

久

保

、

金

井

、

中

富

、

佐

藤

,.目黒

、

椎

葉

、

須

藤

)、

或

ハ「チ

フ

ス」、

「パラ

チ

フ

ス」(石

原

、

橋

本

、

原

田

、

星

、

大

埣

、

大

澤

、

藤

並

、

熊

谷

、

熊

谷

・元村

、

藤

並

、

小森

、荒

井「木

村

、

目黒

、南

、

比

企

,

宮

尾

、

水

原)、

「コ

レラ」菌

(Kluchin et Wigodtschikoff、鷲

尾

、

河

村

、

黒

川

、

正

木

、目

黒

)等三

就

キ

テ、

経

口発

疫

ノ

成

立

ス

ル事

實

テ追

試

承

認

ス

ル者

相

踵

イデ

出

デ

タ

リ。

術

近

時

異

種

細

菌

ラ以

テ、

「チ

フ

ス」及

ビ

「パ

ラチ

フ

ス」ノ経

口晃

疫

テ企

テ

(蜂

須賀

・清

水

・砂

川

、大

久保

、

塚

田

、鈴

木

・杉

尾

)、或

ハ人

類

以

外

ノ傳

染

病

、例

ヘバ鼠

「チ

フ

ス」(原

田

、

小森

、

菱

川

、

元

村

)、

水

牛

疫

菌

(山

口

・岩

瀬

)等

テ以

テ研

究

シ、

経

口冤

疫

ノ可

能

ナ

ルテカ

説

セ

ル者

ア

リ。

由

來

Besredka

ノ唱

フ

ル経

口

免疫

ハ、其

ノ本

態

テ腸

管

ノ局

所

発疫

二置

ケ

ル

モ

ノ

ニシテ、

血

中

二於

ケ

ル抗

體

産

生

ノ有

無

ハ全

ク度

外

睨

セ

ラ

レタ

ル

モノ

ナ

リ。

然

レド

モ近

時経

口発

疫

ニョ

リ

テ

モ亦

血

中

凝集

素

、沈

降

素

、補

燈

結

合

素

、溶菌

素

及

ビ

感染

防禦

物

質

等

ノ発

疫

體

ノ産

生

テ讃

明

セ

ル者

ア

リ

(Achard.Pifpan et Dan. Neitli

n、

蜂

須

賀

・清

水

・砂

川

、

二宮

、

大

、埣

、大

久保

、

大

澤

・藤

並

、

渡

邊

・正

影

、

河

村

、

中

富

、

松

本、

松岡

、藤

並

、

小森

、

菱

川

、

比企

・宮

尾

、

目

黒

・木

村

、

椎

葉

),

或

ハ経

口

免疫

獣

ノ臓

器

組

織

二於

テ、

全

身

冤

疫

時

二於

ケ

ルト同

様

ノ組

織學

的攣

化

デ認

メタ

ル者

アリ

(田

部

井)。

從

ツ

テ現

今

ニ於

テ

ハ、

経

口発

疫

ニ

ヨ

ル生

體

ノ抵

抗

性

獲

得

ニ

ハ、全身

発

疫

モ亦

多

少

之

二参

與

ス

ルモ

ノナ

リ

ト

ノ

見解

テ有

ス

ル者

ア

リ

(図e詳霞

、

大

埣

、

大

澤

・藤

並

、

鷲

尾

、

田

部

井

、

松

本

、

小

森

、

椎

葉

)。

爾

又

近

來

小林

博

士

一派

ノ如

キ、

在

來

ノ死

菌

テ以

テ

ス

ル豫

防

注

射

或

ハ経

口発

疫

二疑義

テ抱

ク者

ナ

キ

ニ非

ズ。

然

レド

モ、

経

口免

疫

ナ

ル

モノ

ハ動

物

實

験

的

研

究

二於

テ感

染

防

禦

力

顯著

ニシテ、

其

ノ本態

ハ志

賀

博

士、

Besredkaノ謂

フガ

如

ク、

主

ト

シ

テ腸

管

ノ局

所

発

疫

二其

ノ士上眼

テ置

ク

ベ

キ

モ

ノタ

ル

ハ、

多

藪

追

試

研

究

者

ノ音心見

一致

セ

ルト

コ

ロナ

リ。

是

経

口冤疫

疫

法

ガ、行

キ詰

レ

ル腸

管

35

傳

染

病

ノ豫

防

接

種

ニ新

軌

軸

テ劃

シ

タ

ル黙

ニシテ、豫

防

発

疫

法

ニ

一大

革

命

テ招

來

シ

タ

ルモ

ノ

ト謂

フ

ベ

キナ

リ。

從

ツデ

現

今

二於

テ

ハ、

経

口

発

疫

ハ既

二研

究

時

代

ヲ脱

シ、

進

ンデ

人

體

應

用

ノ時

代

ト

ナ

レリ。

近

時

諸

外

國

及

ビ殊

ニ本

邦

ニ於

テ

ハ、

消

化

器

傳

染

病

殊

二

「チ

フ

ス」、

赤

痢

及

ビ疫

痢

ノ経

口冤

疫

普

及

シ、

「チ

フ

ス」

ニ就

キ

テ

ハ、Abbatncci,

Archard. Sigism

ond u.Bloch,Alissof & M

orozkine. Besredka.Cantacuzene et Panaitescu, Cluver,Frankel.

Gauthier,

Guerner.Jocobitz.Kabelik, Kandiba,

Solobieff et Triodine.Ottolenghi. Pijban & Dan, Tron, Vaillant. Starzynski、井

上

、

蜂

須賀

・清

水

・砂

川

、

豊

田

・二

木

、

大

坪

、

中

富

、

熊

谷

、

松

岡

、

淺

岡

、

目

黒

、鈴

木

・杉

尾

氏

等

ノ

研

究

ア

リ。

赤

痢

ニ

關

シ

テ

ハ、

Anglade.

Antonovsky,Berseniff

, Costa,Bayer & Deinse, Gadthier, Troude. Nicolle & Conseil. Maitra & Base,Alivisatos

. Pascal.

Wirkines、井

口、

井

出

・加藤

,豊

田

・二木

、

渡

邊

、

梶

塚

、中

富

、

中

富

・矢野

、熊

谷

、黒

井

外

四氏

、柳

瀬

、松

岡

、

松

山

、松

本

、

警

覗

磨

、

帝

國

陸

軍

、

椎

葉

・松

岡

、菱

川

、

森

島

・川

島

・土

生

氏

等

ノ研

究

ヲ暴

ゲ得

ラ

レ、

此等

ハ何

レ

モ経

口

冤疫

ニヨリ

テ、

爾疾

患

ノ罹

患

率

テ多

少

タ

リ

ト

モ減

少

セ

シ

メ得

タ

リ

ト稔

ス

ル

モ

ノナ

リ。

然

レド

モ経

口免

疫

ニア

リ

テ

モ、

亦

豫

防

注射

ト同檬

、之

ニ

ヨリ

テ絶

封

二罹

患

テ冤

ル

・モ

ノ

ニア

ラズ。

豫

防

注

射後

罹

患

セ

ル「チ

フ

ス」患

者

ノ

臨

林

経

過

ニッ

キ

テ

ハ、

兎

角

ノ議

論

ナ

キ

ニア

ラザ

ルモ、

否

見疫

者

二比

シ

テ、

其

ノ経

過

乃

至豫

後

一般

二良

好

ナ

ル

ハ、多

籔

學

者

ノ意

見

一致

セ

ルテ見

ル。

然

ラ

バ経

口発

疫

ニアリ

テ

ハ如

何

P、経

口発

疫

テ行

フ

モ爾

罹

患

ス

ルガ如

キ者

二於

テ

ハ、

騰

質

二何

等

カ

ノ鋏

陥

ア

リ

テ、

腸

管

二於

ケ

ル局所

発

疫

ノ成

立

亦

全

カ

ラズ

シテ、

罹

患

嚢

病

ス

ル

モ

ノ

ト

モ思

考

セラ

ル。

從

ツ

テ此等

ノ者

二於

テ

ハ、罹

患

後

ノ全

身

発

疫

構

成

力

モ亦

旺

盛

ナ

ラ

ズ、

從

ッ

テ其

ノ経

過

乃

至

豫

後

不良

ナ

ルベ

シ

ト

モ想

像

セ

ラ

ル

・ト

コ

ロナ

リ。

経

口見

疫

ニヨリ

テ、。眞

二罹

患

率

テ減

少

セ

シ

メ得

ル

モ

ノナ

リ

ト

セバ

、

木

法

ハ所

ト時

ラ選

バ

ズ

、

讐師

ノ手

テ煩

ハサズ、短

時

日

ニシテ多

人

藪

二容

易

二實

施

シ得

ラ

レ、

爾

叉

副

作

用

ノ勘

キ黙

二於

テ、

豫

防

注射

二優

ルト謂

ハザ

ル。ヘカ

ラズ。

然

レド

モ術

蜀

望

ス

ルテ得

バ、経

口発

疫

後

ノ

罹

患

者

二於

テ

モ、

亦

無

冤疫

者

二比

シ

テ、良

好

ナ

ル経

過

テ

トリ、

豫

後

亦

佳

良

ナ

ル。ヘキナ

リ。

是

経

口発

疫

ノ是

非

テ批

判

ス

ル.一條件

ト

モナ

リ

得

ルモ

ノ

ナ

リ。

然

レド

モ、経

口

冤疫

ハ實

施後

日術

淺

ク、

之

二關

ス

ル臨

躰

報

告

未

ダ多

撒

ナ

ラズ、其

ノ齪

察

セ

ル症

例

亦

勘

シ。

中

富

・矢

野

爾

氏

ハ赤

痢

「ワ

ク

チ

落会

・野崎

=豫防接

種後

罹患

セル腸

「チフス」患者

ノ統計的観

察

六五三

36

落合・野崎

=豫

防接

種後罹患

セル腸

「チ

フス」患者

ノ統計的觀察

六五四

ン」内服

者

中

瑳

病

セ

ル者

ハ、

内

服

セザ

ル者

ニ比

シテ、

下

腹

部

ノ疝

痛

、

壓

痛

共

ニ輕

度

、

裏

急

後

重

テ訴

フ

ル者

尠

ク、

排

便

同数

少

ク、

糞

便

ノ

性

歌粘

液

少

ク、稀

薄

ニシ

テ、

血

液

初

期

ニ少

量

認

メ

タ

ルノ

ミ、

其

ノ他

發

熱

等

一般

症

状

輕

ク認

メ

ラ

レ、

從

ツ

テ平

均

一人治

療

日數

ニ於

テ九

・

七

七

日

短縮

シ得

ト述

ベ

タ

リ。Pascalハ「ワ

ク

チ

ン」服

用後

赤

痢

ニ罹

レ

ル三

人中

、

二

人

ハ著

シク

輕

症

ナ

リ

シ

モ、

一人

ハ慢性

ノ経

過

テ

下

レ

リ

ト謂

ヒ、

松

山氏

亦

赤

痢

「ワ

ク

チ

ッ」服

用者

ニシ

テ罹

患

ス

ル時

ハ、

有

熱

期

梢

支長

ク、

経

過

ハ慢

性

ニ傾

ク

ト記

載

セ

リ。

其

ノ他

豊

田

・二

木

雨

氏

ノ報

告

ニ於

テ

モ、

赤

痢

「ワ

ク

チ

ン」服

用後

ノ罹

患

者

ハ、

否

服

用者

ニ比

シテ、

輕

症

者

多

ク、

重

症

者

少

ク、警

視廰

及

ビ

村島

氏

ノ報

告

ニ於

テ

ハ、

李

均

治

療

日数

服

用者

ハ否

服

用者

ニ比

シテ僅

カ

ニ短

キ

モ、

其

ノ差

極

メテ少

シ。

死

亡

率

ハ警

硯

廰

、

豊

田

・二

木、

村

島

、

松

山

氏等

ノ研

究

ニ於

テ

ハ、

一般

ニ服

用

者

ニ低

ク、

否

服

用

者

ニ高

ク、

井

出

・加

藤

雨氏

ハ服

用者

中

罹

患

者

ノ死

亡率

ハ、

否

服

用

者

ノ死

亡

率

二比

シテ僅

カ

ニ高

キ

モ、

差

里ハテ論

ズ

ベ

キ程

度

ニア

ラ

ズ

ト述

ベタ

リ。

「チ

フ

ス」ニ就

キ

テ

ハ、Besredka,Cantacuzene et panaitescu, Kandiba,Solovｉeff et Triodine

等

ハ經

口発

疫

後

ノ罹

患

者

ハ死

亡

率

少

シ

ト謂

ヒ、

本

邦

ニ於

テ

モ熊

谷

博

士

ハ、嚢

ニ「チ

フ

ス」「ビ

リ

ワ

ク

チ

ン」服

用後

,

腸

「チ

フ

ス」及

ビ

「パ

ラ

チ

フ

ス」ニ

罹

患

セ

ル

一〇

名

ノ患

者

ハ、

何

レモ全

治

退院

セ

ルテ報

ゼ

リ。

其

ノ後

氏

ハ昭

和

九

年

初秋

近

畿

地

方

ラ襲

ヘ

ル大

風

水

害後

、大

阪

市

ニ嚢

生

セ

ル腸

、チ

フ

ス」患

者

ノ統

計

的

観

察

テ試

ミ、

「フ

ク

チ

ン」服

用

者

六

一名

ノ死

亡

率

ハ

一六

・三

%

ニシ

テ

(死

亡者

七名

、

死

亡

見

込

三

名

)、

不接

種

者

六

五

二名

ノ死

亡率

二

三

・一

%ニ

比

シ

テ著

シ

ク低

率

ナ

ルテ記

載

セリ。

當

名古

屋

市

ニ於

テ

モ、

昭

和

八

年初

春

ヨリ

「チ

フ

ス」、赤

痢

及

ビ疫

痢

ノ経

口免

疫

ガ試

ミ

ープレ、

其

ノ後

名

古

屋

市

立

衡

生試

験

所

ニ於

テ

ハ、

當

地

方流

行

ノ菌

種

テ用

ヒ

テ、

「チ

フ

ス」、

赤

痢

及

ビ疫

痢

ノ内服

「ワ

ク

チ

ン」ラ製

造

シ、

汎

ク

一般

ノ需

ニ應

ジ

ツ

・ア

リ。

余

等

ハ内

服

「ワ

ク

チ

ン」服

用後

罹

患

セ

ル腸

「チ

フ

ス」患

者

ノ臨

躰經

過

ニツ

キテ

ハ、多

大

ノ關

心

テ持

チ

ツ

・アリ

タ

ルモ

ノナ

ルガ

、

昭

和

八

年初

春

當

院

ニ入院

セ

ル

一例

ノ患

者

ガ、

極

メ

テ重

症

ニシ

テ途

ニ不良

ノ轄

蹄

テ

トリ、其

ノ後

引

續

キ同

様

ノ數

例

ニ遭

遇

セ

ル

テ以

テ、

當

時

経

口免

疫

ノ推奨

ニ向

ッ

テ

ハ、

内

心少

ナ

カ

ラズ憂

慮

セ

ル次第

ナ

リ。

然

レド

モ、

其

ノ後

昭

和

九

年

九

月

三

十

日

マデ

ニ退

院

セ

ル

一二

七

五

名

(内

「ワ

ク

チ

ン」服

用

者

一

一五

名

)ノ患

者

ニッ

キ

テ調

査

セ

ル

ニ、

経

口発

疫

者

、殊

二内

服

「ワ

ク

チ

ン」テ法

ワ如

ク完

服

シ、且

ッ免

疫

成

立

後

其

ノ有

数

期

間

内

ニ罹

患

セ

ル者

ニ於

テ

ハ、

無

兎

疫

者

ニ比

シテ死

亡率

低率

ナ

ルラ

知

リ、

其

ノ大

要

ラ

昭

和

九年

十

一月

十

一日第

四

一同愛

知

醫

學

會

総會

ノ席

上

37

ニ於テ講述セリ。

其

ノ後余等

ハ引續

キ入院患者

ニツキテハ、「チフス」罹患前「ワクチン」服用ノ有無テ調査シ來

レルテ以テ、以下述ベント入ルハ、昭和八

年

一月

一日ヨリ九年十二月三十

一日二至

ル満ニケ年間

二、名古屋市立城東病院

ニ入院

セル腸「チフス」患者

ニツキテ、啻

ニ死亡率

ニ止メ

ズ、更

ニ進

ンデ種

々ナ

ル臨躰的事項テ併セ調査セル成績ナリ。

第二章

研究材料及ビ研究方法

研究

ニ用ヒタ

ル患者

ハ、昭和八年

一月

一日ヨリ昭和九年十二月三十

一日

二至

ル満ニケ年間

二、名古屋市立城東病院

ニ入院

シ、臨牀上並

ニ血清學的或

ハ細菌學的

二診斷確實ナ

ル腸「チフス」患者

一四七七名ナリ。

研究方法トシテ

ハ、豫

メ全患者

テ腸「チフスし罹患前豫防注射

ノミ行

ヘル者

(A群)、經口発疫

ノミ行

ヘル者

(B群)、豫防注射經

口発疫併

用者

(C群)、經口免疫者合計

(D群)、何等発疫的庭置ヲ行

ハザリシ者即

チ無冤疫者(E群)及ビ総患者(F群)ノ六群

二分チ、各群

ニッキ

テ死亡率、死亡者ノ生存日數

、全治者ノ有熱日數蚊

ニ全經過日數、疾病輕重別、再發頻度,合併症、尿及ビ糞便中

ニ於ケル排菌率、菌消

失病日、普通退院期即チ解熱後二十

一日

ニ至

ルモ尚排菌アリタル者、發病後七十日テ經

ルモ尚排菌止

マズ,Zeuteldノ所謂病後永續

排菌者(保菌者)トナレル者、ウ

ィダー

ル反應

ノ凝集價、血液中菌検出率、以上二〇項

ニ亙リテ調査

シ、此等ノ李均數値又

ハ患者數

ニ對

スル百分率

ラ求

メテ無免疫者

ノソレト比較

セリ。

尚各群中完全免疫者、即チ豫防注射叉

ハ經口菟疫

テ法ノ如ク完全

ニ行ヒ、免疫完成後其ノ有数期間内

二於テ罹患セリト思

ハル・者

ニツ

キテハ、更

ニ前述

セル二〇項

ヲ調査

シ、之ト無免疫者

ノソレトノ比較

テ試

ミタリ。

第

一節

總患者

ニ於ケル観察

第

一項

患者數

昭和八・九爾年度

ニ於ケ

ル城東病院入院腸「チフス」患者數

ハ小見三三九名、大人

一一三八名、計

一四七七名ナリ。

此等

ノ内A群小兒三四名、大人

一七五名、計二〇九名、B群小見二八名、大人八七名、計

一一五名、C群小見四名、大人二八名、計三

二名アリ。從

ツテ經口発疫者

ノ総和(D群)ハ小見三二名、大人

一一五名、計

一四七名

ニシテ何等免疫的處置テ行ハザリシ者即チ無免発

落合・野崎=

豫防接種後

罹患

セル腸

『チフス

』患者

ノ統計的観察

六五五

38

落合・野崎

難豫

防接

種後罹患

セル腸

「チフス」患者

ノ統計的観察

六五六

第 一 表 患 者 數

第 二 表 死 亡 卒

疫

者

(E

群

)ハ小

見

二

七

三

名

、

大

人

八

四

八

名

,

計

一

一二

一名

ナ

リ

(第

一表

)。

第

二項

死

亡率

雨年

度

二於

ケ

ル小

兒死

亡

者

ハ三

〇

名

ア

リ

テ、其

ノ死

亡

率

八

・九

%、

大

人

ハニ

六

八

名死

亡

シ、

二

三

・六

%

ノ死

亡率

テ示

シ、

小

見

大

人

合

計

ニ於

テ

ハ、

二

九

八

名

死

亡

シ

其

ノ

死

亡率

二

〇

・二

%

テ算

ス。

無

免

疫

者

ニアリ

テ

ハ、小

見

死

亡

者

二

二名

死

亡率

八

・一

%、

大

人死

亡

者

二

一二名

二

五

・〇%

ノ死

亡

率

テ示

シ、

小

兒

大

人

合

計

ニ於

テ

ハ、死

亡

者

二

三

四

名

ア

リ

テ其

ノ

死

亡率

二〇

・九

%

ト

ナ

リ、

總患

者

ノ

ソ

レ

ヨリ僅

カ

ニ高

シ。

免

疫

者

ニ於

テ

ハ小

見

C群

ニ

ハ死

亡

者

ナ

キ

モ、他

ノ三

群

ニア

リ

テ

ハ死

亡

率

却

ツ

テ無

免

疫

者又

ハ總

患

者

ニ比

シ

テ大

ナ

リ。

大

人

ニ於

テ

ハ、

免疫

者

ハ

一般

二無

免疫

者

又

ハ總

患

者

ノ

ソ

レ

ニ比

シ

テ小

ニシ

テ、殊

ニA

群

及

ビC

群

ニ於

テ特

ニ低

率

ナ

リ。

小

兒

大

人

合

計

ニ於

テ

ハ、B群

ハ無

免

疫

者

ト全

ク

同率

ニシ

テ二〇

・九

%

ラ示

セ

ル

モ、他

ノ三群

ニアリ

テ

ハ對

照群

ニ於

ケ

ル

ヨリ低

ク、

D

群

一九

・七

%、

A

群

一六

・八

%

ノ順

ニ減

少

シ、C群

ハ

一五

・六

%ニ

シテ最

モ低

率

ナ

リ

(第二

表

)。

第

三

項

死

亡

者

ノ生

存

日

數

死

亡者

ノ發

病

ヨリ死

亡

ニ至

ル生

存

日數

ハ、

小兒

最

長

四十

六

日

39

第 三 表 死 亡者 ノ生存 日數

最

短

八

日

李均

二

〇

・九

日、

大

人最

長

七

十

一日最

短

七

日李

均

二

九

・五

日

ニシテ、

小兒

大

人合

計

ニア

リ

テ

ハ最

長

最

短

ハ大

人

ト同

様

ニシ

テ、

李

均

二

八

・六

日

ナ

リ。

無

免

疫

者

ニア

リ

テ

ハ、小兒

最

長

四

十

四

日最

短

ハ總

患

者

ニ於

ケ

ルト

同

様

八

日

ニシテ、

卒

均

一八

・五

日、

大

人最

長

六十

五

日最

短

七

日李

均

ニ

九

・四

日、

小兒

大

人

合

計

ニア

リ

テ

ハ、

最

長

最

短

ハ大

人

ト同

様

ニシ

テ、

李均

二

八

・五

日

ナ

リ。

免

疫

者

二於

テ

ハ小

兒

C群

ニ

ハ死

亡

者

ナ

ク、

最長

日數

ハA群

ニ於

テ

ハ無

発

疫

者

ヨリ長

キ

モ、B

・D

爾

群

ニア

リ

テ

ハ之

ヨ

リ短

ク、

最短

日數

ハ三群

共對

照

ヨ

リ長

ク、

李

均

日數

亦

無

免疫

者

ヨリ長

シ。

大

人

二於

テ

ハ最

長

日數

ハA群

及

ビ

C群

ハE群

ヨ

リ短

キ

モ、

B

・D雨

群

ハ之

ヨリ長

ク、最

短

日數

ハ

A

・B雨

群

ハ對

照

ヨリ僅

カ

ニ長

ク、

C

・D

兩群

ハ全

ク同様

ニシテ、

李

均

日數

ニ於

テ

ハ、A

・C雨

群

ニア

リ

テ

ハE

群

ヨ

リ短

キ

モ、

B

・D雨

群

ハ却

ッ

テ之

ヨリ長

シ。

小

兒

大

人

合

計

ニア

リ

テ

ハ、最

長

最

短

ハ大

人

ニ於

ケ

ルト全

ク同

様

ニシ

テ、李

均

生存

日數

ハC群

ニ於

テ

ハ對

照

ヨリ短

キ

モ、

他

ノ三群

ニア

リ

テ

ハ

一般

ニ之

ヨ

リ長

シ

(第

三

表

)。

第

四

項

全

治

者

ノ有

熱

日數

腸

「チ

フ

ス」症

ニ於

テ

ハ

一般

ニ何等

解

熱

劑

ラ用

フ

ル

コ

トナ

シ

ト雖

モ、

自

然

ニ解

熱

治

癒

ス

ル

ラ常

ト

ス。然

レド

モ之

ニ諸

種

合併

症

テ發

セ

ル場

合

二於

テ

ハ、

著

シ

ク經

過

ラ遷

延

セ

シ

メ、

尚

時

ニ認

ム

ベ

キ合

併

症

ナ

キ

ニ拘

ラ

ズ、

本

症

ニ正

規

ノ經

過

ト

セラ

ル

・發

病

後

四週

ヲ經

過

ス

ト錐

モ、

荏

薄

解

熱

セ

ザ

ル場

合

ア

リ。

斯

ク

ノ如

キ場

合余

等

ハ好

ンデ

「ア

ミ

ノ

ピ

リ

ン」、

「ノヴ

ァ

ルギ

ン」、

「ノバ

ボ

ン」、

「エ

ルボ

ン」等

ノ少

量

ヲ單

獨

又

ハ併

用

シ

テ良

ク解

熱

ノ

目

的

テ

達

ス

(内

外

治

療

第

八年

第

八冊

九

三七

頁、昭

和八

年

八月

)。

茲

ニ述

ブ

ル有

熱

日數

ト

ハ、自

然

解熱

者

及

ビ諸

種

解

熱

剤

テ用

ヒ

テ辛

フジ

テ解

熱

セ

ル總

テ

ノ患

者

ラ

總

括

セ

ル

モ

ノナ

リ。

落合

・野崎=

豫防接種

後罹患

セル腸

「チフス」患

者

ノ統計的察觀

六五七

40

落合

・野崎

=豫

防接

種後罹患

セル腸

「チ

フス」患者

ノ統計的觀

察

六五八

第 四 表 全治者ノ有熱日數

第 五 表 全治者ノ全經過日數

全

治

退

院

者

一

一七九

名

ニッ

キ

テ調

査

セ

ル有

熱

日數

ハ、

小

兒

二

於

テ

ハ最

長

八

十九

日

最短

八

日李

均

三

一・四

日、

大

人

ニアリ

テ

ハ

最

長

百

日最

短

六

日李

均

三

六

・〇

日

ニシ

テ、

小

兒

大

人

合

計

ニ

テ

ハ最

長

最

短

ハ大

人

ニ於

ケ

ルト其

ノ數

値

ヲ同

フ

シ、李

均

三

四

・

八

日

ナ

リ。

無

免疫

者

ニァリ

テ

ハ、

小

兒

ハ最長

八

十

日

最

短

八

日

平

均

三

一・五

日

、

大

人

最

長

百

日

最

短

七

日

平均

三

六

・五

日

ニシ

テ

小

兒

大

人

合計

ニア

リ

テ

ハ最長

最

短

ハ大

人

ト

同

様

ニシ

テ、

平

均

三

五

・一日

ナ

リ。

免

疫

群

ニ於

テ

ハ、

小

兒

A

群

ニ於

テ最

長

日數

無

免

疫

者

ヨリ長

キ

モ、他

ノ三

群

ニア

リ

テ

ハ之

ヨリ短

ク、

最

短

日數

ハ免

疫

各

群

共

ニE

群

ヨリ長

ク、平

均

日數

ハC

群

ニ於

テ對

照

ヨリ稍

支短

ク、

他

ノ三群

ニアリ

テ

ハ無

免疫

者

ト

ノ間

ニ大差

ナ

シ。

大

人

及

ビ小

兒

大

人

合計

ニ於

テ

ハ、

最

長

日數

ハ

一般

ニ無

免疫

者

ヨリ短

ク、

最

短

日數

ハC

・D

兩

群

ニ於

テ

ハ對

照

ヨリ短

キ

モ、

A

・B

兩群

ニ

アリ

テ

ハ却

ッテ長

シ。

平

均

日數

ハB群

ニ於

テ

ハ對

照

群

ト略

と

同様

ナ

ル

モ、

他

ノ三

群

ハ

一般

ニ之

ヨリ短

シ

(第

四

表

)。

第

五

項

全

治

者

ノ全

經

過

日數

腸

「チ

フ

ス」患

者

全

經

過

日數

ノ長

短

ハ合

併

症

ノ有

無

ニ關

ス

ル

コ

ト大

ナ

リ。

尚

又

腸

「チ

フ

ス」患

者

ハ

一般

ニ諸

症

状

清

槌後

(通

常

解

熱

テ標

準

ト

ス)二

十

一日

テ經

テ退

院

セ

シ

ム

ルテ常

ト

ス

ル

モ、

41

前記日藪

ヲ経過スト雖モ、尿或

ハ糞便中ノ排菌止

マザ

ルノ故

ヲ以テ、更

ニ永ク在院

セシメタル者アリ。

全治退院者

一一七九名

ニツキテ全経過日藪ヲ見

ルニ、小見

ハ最長百九日最短二十七日李均五五・○日、大人最長百八十八日最短二十三

日平均六二・四日

ニシテ、小見大人合計

ニ於テハ最長最短

ハ大人

ニ於ケルト同様

ニシテ、平均六〇・四日ナリ。無冤疫者

ニアリテハ、小

見

ノ最長最短

ハ小見総患者

ニ於ケルト同様

ニシテ、平均五五・一日トナリ、大人

ハ最長百八十八日最短二十圏日平均六二・八日

ニシテ、

小見大人合計

ニ於テハ、最長

最短

ハ大人

二於ケルト同値ヲ示

シ、平均六〇・六日ナリ。

発疫群

二於テハ、小見

ハ最長

日敷

ハ一般

二無発疫者

ヨリ短ク、反之最短日数

ハ封照

ヨリ長キモ、李均日数

ハA群及ビC群

ニ於テハ封照

ヨリ短ク、B群及ビD群

ニ於

テハ之

ヨリ梢

と長キモ其

ノ差大ナラズ。大人及ビ小見大人合計

ニ於テ

ハ、冤疫者

ト無発疫者トノ關係

ハ

全ク同様ナリ。即チ最長日撒

ハ共

三免疫者群

ニ短ク、最短日撒亦C群及D群

ニ於テハ封照

ヨリ短キモ、A群及ビB群

ニ於テ

ハ長

ク、平

均日撒

ハA・C雨群

ニ於テ無免疫者

ヨリ短ク、B・D雨群

ニ於テ封照

ヨリ長

シ(第五表)。

第六項

全治者ノ疾病輕重別

全治退院者

二

七九名

ニツキテ観

ルニ、小見

ニアリテハ、輕症者

ハ晃疫者群

ニ著

シク多ク、中等症及ビ重症者

ハ一般

ニ菟疫者群

ニ少

ク

第

六

表

全

治

者

ノ疾

病

輕

重

別

落合・野崎

=豫防接種後罹患

セル腸

「チフ

ス」患者

ノ統計的觀察

六五九

42

落合・野崎

=豫

防接

種後罹串心セル腸

「チフス」患者

ノ統計

的觀察

六六〇

第 七 表 再 發 頻 芝隻

第 入 表 合 併 症

無免疫者群

二多

シ。此

ノ關係

ハ大人

ニ於テモ略

と同様

ニシ

テ、輕症者

ハ発疫者殊

ニC群

ニ多

ク、中等症及ビ重症者

ハ一

般

ニ発疫者

二低率

ニシテ、僅

カニA群

ニ於テノミ重症者封照

ニ比シテ梢

と多

シ。小見大人合計

ニ於テモ亦輕症者

ハ見疫者

群

ニ多ク、中等症及ビ重症者

ハ免疫者群

ニ少ク、殊

ニC群

ニ

於テ其

ノ傾向大ナリ(第六表)。

第七項

再發頻度

経過中再發ラ起

セル者

ハ、小見三三九名中

一五名四・四%、大

人

一一三八名中五九名五・二%、小児大人合計

一四七七名中七

四名五・○%ナリ。無発疫者群

ニアリテハ、小見二七三名中

一

一名四・一%、大人八四八名中三九名四・六%、合計

一一二

一

名中五〇名四・五%ナリ。

然シテ発疫者群

ニ於テハ、小見C群

ニアリテハ再發者ナキモ、

他ノ三発疫群

ニ於テハ却ツテ無兎疫者

ヨリ高率ナリ。大人及

ビ小児大人合計

ニアリテモ、亦見疫者群

ハ無晃疫者群

ヨリ再

登率二般

ニ高

ク、殊

ニC群

ニ於テ著

シキテ見

ル(第七表)。

第八項

合併症

弦

ニ合併症ト構

スルハ、腸出血、氣管支加答見、肺炎及ビ耳

下腺炎等、腸

「チフス」ニ屡

と發

シ、之ト寝接ナ

ル關係テ有ス

ルモノ

・ミラ採リ、褥瘡、脚氣等

ノ如ク、長期

ノ就躰、榮養

43

障碍等

ニ其

ノ因テ求

ムベキモノ、及ビ腸「チフス」ニ原因的關係

ヲ有

スルモ、極メテ稀

ナル急性胃籏張、静脈血栓等

ハ之ヲ除外

セリ。

経過中上記ノ合併症テ幾セ

ルモノハ、小見三三九名中

一四八名四三・七%、大人

一一三八名中三九九名三五.一%、合計

一四七七名中五

四七名三七・○%ナリ・無免疫者

ニアリテハ、小見二七三名中

一二四名四五・六%、大人八四八名中三〇七名三六.三%、合計

一一二

一

名中四三

一名三八・四%

二其

ノ合併

ヲ見タリ。

然

シテ発疫者

ニ於テハ、小見

C群

ニハ合併症テ叢

セル者ナク、其

ノ他ノ三群

ニ於テモ無冤疫者

ニ比

シテ合併症ヲ發

セル者少

シ。大人及

ゼ小晃大人合計

ニ於テモ、亦免疫者群

ハ無冤疫者群

ニ比シテ合併症テ來セル者少ク、殊

ニC群

ニ於テ最モ少シ(第八表)。

第九項

全治者尿中菌検出率

全治退院者

一一七九名中、尿中

二菌ヲ検出

シ得タル者四六七名アリテ、其ノ検出率三九.六%

ニ常リ、内小見

ハ三二・○%、大人ハ四

二・三%ノ検出率

ヲ示

セリ。無免疫者八八七名ノ尿中菌検出率

ハ四〇・三%

二シテ、内小見三二.三%、大人四三・六%ノ割

二排菌

セリ。

発疫者

ニアリテ

ハ、小見

ハA群

テ除

キ他

ノ各群

ハ無見疫者

二比

シテ

一般

二排菌率高ク、大人

ニアリテハB群

ハ封照群

ヨリ高率テ示

セル

モ、他

ノ三群

ニ於テハ無晃疫者

ヨリ低率

ナリ。而シテ小見大人合計

ニ於テハ、A群

ハ然ラザ

ルモ、他

ノ三群

ハ各群共免疫者

ハ無免疫者

第

九

表

全

治

者

尿

中

菌

檢

出

率

落合

・野崎

=豫

防接種後罹患

セル腸

「チフ

ス」患者

ノ統

計的觀察

六六一

44.

落合・野崎

=豫防接種後

罹患

セル腸

「チフス」患者

ノ統計的觀察

六六二

二比シテ排菌率高

シ(第九表)。

第

一〇項

全治者糞便中菌検出率

小見全治魁院者三〇九名

ノ糞便中菌検出率

ハ五

一・一%、大人八七〇名中六

一・二%、小見大尺合計

一一七九名中五八・五%

ニシテ、無

発疫者

ニ於テハ、小兜二五

一名中四九・四%、大人六三六名中六〇・二%、合計八八七名中五七・二%ナリ。

然シテ小見大人ヲ通ジテ、発疫者

ハ各群共

一般

二無尭疫者

ニ比シテ排菌傘高ク、小見

ニァリテ

ハC群、大人

ニ於テハB群

ニ最

モ高率ナ

リ。從

ッテ小見大人合計

ニ於テモ、亦発疫者

ハ無発疫者

ニ比シテ排菌率高ク、殊

ニC群於テ著明ナリ(第

一〇表)。

第

十

表

全

治

者

糞

便

中

菌

檢

出

率

第

一一項

尿中菌清失病日

経過中尿中

二排菌シ、全治退院

マデ

ニ自然的

二排菌止ミ、或

ハ藥剤

テ用ヒテ辛

フジテ排菌停止セルモノ

・内、發病後菌清失

ニ至

ルマ

デ

ノ日敷

ハ、小見

ハ最長六吉

最短九日平均三八・三日、大人最長六九日最短五日平均四三

・一日

ニシテ、小兒大人合計

ニ於テハ最長

最

短

ハ大

人

ト同

様

ニシテ、

平

均

四

二

・〇

日

ナリ。

無

発疫

者

ニア

リ

テ

ハ、

最長

最

短

ハ小見

大

人

及

ビ兩

者

ノ合

計

共

ニ、

総

患

者

ニ於

ケ

ル

ト同

様

ニシテ、

平

均

ハ小児

三

七

・六

日、

大

人

四

四

・五

日、

合

計

四

二

・七

日

ナ

リ。

45

第 十 一 表 尿中菌清失病日(保菌者除外)

第 十 二 表 糞便中菌清失病日(保菌者除外)

然

シ

テ一免疫

者

ニア

リ

テ

ハ、

小

見

日取長

ハ無

免

疫

者

ヨリ

一般

ニ短

ク、

反

之

最

短

ハ之

ヨリ

長

ク

シ

テ、

平均

亦封

照

群

ヨリ

一般

ニ長

シ。

大

人

ニ於

テ

ハ、

最長

ハ無

発疫

者

ヨリ短

ク、

最

短

之

ヨリ長

キ

ハ小

見

ニ於

ケ

ルト

同

様

ナ

ルモ、平

均

ニ於

テ

ハ封

照

群

ヨリ

一

般

ニ短

シ。

小見

大

人

合

計

ニァリ

テ

ハ、

晃

疫

者

ト無

免

疫

者

ト

ノ

關

係

ハ、

最

長

、

最

短

,

平

均

共

ニ大

人

ニ於

ケ

ルト

全

ク

同様

ナ

リ

(第

十

一表

)。

第

一二項

糞

便

中

菌

溝

失

病

日

糞便中排菌者

ニシテ、自然的或

ハ藥剤投與

ニョリテ排菌停止

ニ至

ルマデノ日数

ハ小児

ハ最長六九日最短

一二日平均三五・

二日、大人最長亦六九日、最短九日李均四〇・一日、小児大人

合計

ニ於テハ、最長最短

ハ大人ト

同様

ニシテ、李均三八・八

日ナリ。無免疫者ニ於テハ、小見最長最短

ハ総患者

ニ於ケル

ト同様

ニシテ、

平均三五・四日、

大入最長六九日最短一

三日

平均四

一・三日、小兒大人合計

ニァリテハ最長最短

ハ小見ト同

様

ニシテ、平均三九・五日ナリ。

然シテ発疫者

ニ於テハ、小見最長

ハ無発疫者

ヨリ

一般

ニ短ク、

反之最短

ハ之

ヨリ長ク、平均

ニ於テハA群及C群

ハ封照

ヨリ

短キ

ニ反シ、B群及D群

ニ於テハ之

ヨリ長シ。大人及ビ小見

大人合計

ニアリテハ、最長最短

ハ無発疫者ト大

同小異

ニシテ、

落合・野崎=豫防接種後罹患セル腸「チフス」患者ノ統計的觀察

六六三

45

落合

・野崎

=豫

防接種後

罹患

セル腸

「チフス」患者

ノ統計的觀察

六六四

第 十 三 表 解 熱21日 以後 ノ尿中排 菌者數

第 十 四 表 解 熱21日 以後 ノ糞 便中排菌者數

平均

ハ一般

ニ對照群

ヨリ短ク、殊

ニA群及ビC群

ニ於テ著シ

(第十二表)。

第

一三項

解熱二十

一日以後

ノ尿

中排菌者數

腸「チフス」患者三

於テ

ハ、強カ

ナル罹患発疫

ニョリテ多

クハ

退院期即チ諸症状消褪後

(解熱後)二十

一日以内

ニ、尿及ビ糞

便中

ノ排菌自然

二停止

スルハ前述

セルガ如シ。然

レドモ往々

ニシテ上記期間テ経過

スト雖

モ排菌容易

ニ停止セザ

ル場合ア

リ。

今尿中排菌者中、解熱後二十

一日テ経過

シ猫排菌

テ繼綾

セル

者テ見

ルニ、小兒

ニ於テハ排菌者九九名中

一七名

一七・二%、

大人三六八名中六八名

一八・五%

ニシテ、小児大人合計四六七

名中八五名即チ

一八・二%ナリ。

無発疫者

二於テハ、小見八

一名中

一四名

一七・三%、大人二七七名中五

一名

一八・四%、

小児大人合計三五八名中六五名

一八・二%ナリ。

然

シテ発疫者

二於テハ、小児C群

ニハ解熱二十

一日以後

ノ排

菌者ナク、A群

ニ於テハニ五・〇%

ニシテ無発疫者

ヨリ高率ナ

ルモ、B群及ビD群

ニ於テハ封照

ヨリ低傘ナリ。大人及ビ小

見大人合計

ニァリテハ、A群及ビC群

ハ無発疫者

ヨリ低率ナ

ルモ、B群及ビD群

ニ於テ對照ヨリ高率

テ示

セリ(第十三表)。

47

第

一四項

解熱二十

一日以後ノ糞便中排菌者數

解

熱

二

十

一日以

後

ニ至

ル

モ猶

糞

便

中排

菌

テ持

績

セ

ル者

ハ、

小見

糞

便

中

排

菌

者

一五

八名

中

一八名

一

一・四

%

、

大

人

五

三

二

名

中

一五

二

名

二

八

.六

%、

小

兒

大

人

合

計

六

九

〇

名

中

一七

〇

名

二

四

・五

%

ナ

リ。

無

発

疫

者

ニ於

テ

ハ小

見

一二四

名

中

一五名

一二

・一%、

大

人

三

八

三

名

中

一

一

八

名

三

〇

・八

%

、

合

計

五

〇

七

名

中

一三

三

名

二

六

・二

%

アリ。

然

シ

テ免疫

者

ニァ

リ

テ

ハ、

小

児

ハC群

ニ於

テ無

発

疫

者

ヨリ

高率

ナ

ルモ、

他

ノ三群

ニァ

リ

テ

ハ封

照

ヨリ

低傘

ニシテ、大

人

ニ於

テ

ハ免

疫

者

ハ各

群

共無

晃

疫

者

ヨリ

低率

ナ

リ。

從

ッテ

小兇

大

人

合計

ニァリ

テ

モ亦

発疫

者

ハ無

発

疫

者

ヨリ排

菌

者

率

低

シ

(第

十

四

表)。

第

一五

項

保

菌

者

出

現

傘

「チ

フ

ス」保

菌

者

ノ定

義

ニ關

シ

テ

ハ人

ニ

ヨリ

テ説

テ異

ニス。

然

レド

モ、

弦

ニハ

Neufeld

氏

ニ從

ヒ、

發

病

ヨリ起

算

シ

テ

一〇

週

以

上

ニ及

ブ

モ猶

排

菌

ア

リ

シ者

テ以

テ保

菌

者

(病

後

永績

排

菌

者)ト

セ

リ。

一

尿

性

保

菌

者

尿

性

保

菌

者

ハ、

小

兒

ニアリ

テ

ハ

一〇名

アリ

テ尿

中

排

菌

者

ノ

一〇

・一%

、全治

退院

者

ノ三

・二

%

ニ當

ル。

大

人

ニア

リ

テ

ハ

五

一名

ア

リ

テ排

菌

者

ノ

一三

・九

%

、

全

治

退

院

者

ノ五

・九

%

ヲ算

ス。

從

ッ

テ小

兒大

人

合

計

ニ於

テ

ハ六

一名

ト

ナ

リ、

排

菌

者

中

一三

・一%

ニ

シ

テ、

全

治

退院

者

中

ノ保

菌

者

出

現率

ハ五

・一%

ナ

リ。

無

免

疫

者

ニ於

テ

ハ、

小

兒

ハ八

名

ア

リ

テ、排

菌

者中

九

・九

%

、全治

者中

三

・二

%

ニシテ、

大

人

ニ於

テ

ハ三

八

名

ア

リ

テ、

排

菌

者

ニ對

シテ

一三

・七

%

、

全

治

者

ニ對

シ

テ六

・〇

%

テ算

シ、

小見

大

人

合

計

四

六

名

トナ

リ

、排

菌

者

中

一二

・

八

%

、全

治

退院

者

中

五

・二%

ナ

リ。

免

疫

者

ニ於

テ

ハ、

C

群

ニ

ハ小

兒

大

人

共

保

菌

者

トナ

レ

ル者

一名

モナ

ク、

排

菌

者

中

ノ保

菌

者

移

行率

ハ、大

人

A

群

ニ於

テ

ハ無

免

疫

者

ヨリ僅

カ

ニ低率

ナ

ル

モ、

他

ノ二

群

及

ビ小

兒

大

人合

計

ニ於

テ

ハ.

免

疫

者

ハ各

群

共

對

照

群

ヨリ高

率

ヲ示

セ

リ。

然

シ

テ全

治

退院

者

中

ノ保

菌

者

出

現

率

ハ、

大

人

及

ビ

小

見

大

人

合

計

ニ於

テ僅

カ

ニA

群

ニ於

テ

ノミ無

発

疫

者

ヨリ梢

支低

率

ヲ示

セ

ル

モ、他

ノ兩

群

及

ビ小

兒

各群

ニ於

テ

ハ封

照

群

ヨリ

高

率

ヲ算

セ

リ

(第

十

五

表

)。

二

糞

便

性

保

菌

者

糞

便

性

保

菌

者

ハ、

小見

一三

名

アリ

テ、

小

見糞

便

中

排

菌

者

ノ

八

・二

%

、

全

治

退

院

者

ノ

四

・二

%

ニ當

ル。

大

人

ニア

リ

テ

ハ

一二

四

各

ア

リ

テ、

排

菌

者

ニ對

シニ

三

・三

%、

全

治

退

院

者

ニ對

シ

一四

・三

%

テ算

ス。

從

ッ

テ

小

見

大

人

合

計

ニテ

ハ

一三

七

名

ト

ナ

リ、

排

菌

落合・野崎

=豫防接種後

罹患

セル腸

「チフス」患

者

ノ統計的觀察

六六五

48

落合・野崎

=豫防接

種後罹患

セル腸

「チフス」患

者

ノ統計的観

察

六六六

第 十 五 表 發病70日 以後 ノ尿 中排 菌者 數(保 菌 者)

第 十 六 表 發病70日 以後 ノ糞便 中排 菌者數(保 菌者)

者

中

一九

・九

%、

全

治

退

院

者

中

一

一・六%

ノ保

菌

者

出

現

率

テ示

ス。

無

発疫

者

ニ於

テ

ハ小見

一

一名

ア

リ

テ、

排菌

者

ニ

封

シ八

・九

%

、

全

治

者

ニ封

シ四

・六

%

、

大

人

ニ於

テ

ハ九

二

名

アリ

テ、

排

菌

者

ノ二四

・一%

、

全

治

者

ノ

一四

五

%

ニ當

ル。

從

ッテ

小見

大

入合

計

ニ於

テ

ハ

一〇

三

名

ト

ナ

リ、

排菌

者

ノ二〇

・三

%

ニ

シテ、

全

治

退

院

者

ニ對

シ

一

一・六

%

ト

ナ

ル。

免疫

者

ニアリ

テ

ハ、小

兒

A群

ニハ保

菌

者

ト

ナ

レ

ル者

ナ

ク、

糞

便中

排

菌

者

ノ保

菌

者

移

行率

ハ、

小見

C群

及

ビ

D群

ニ於

テ

ハ無

発疫

者

ヨリ高

率

ナ

ル

モ、

小兒

B群

及

ビ大

人

各群

ニ

ア

リ

テ

ハ對

照

群

ヨリ、一般

ニ低

率

ナ

リ。

小見

大

人合

計

ニ於

テ

ハ、

A群

及

ビ

B群

ニ於

テ

ハ無

免

疫

者

ヨリ低

率

ナ

ル

モ、

C

・D兩

群

ニア

リ

テ

ハ對

照

ヨ

リ高

率

ナ

リ。

然

シ

テ全

治

退院

者

中

ノ保

菌

者

出

現

率

ハ、

小兒

A群

及

ビ

B

群

ニ於

テ無

免疫

者

ヨリ低

ク、

C群

及

ビ

D群

ニ高

ク、

大

人

ニァ

リ

テ

ハA

・C

兩群

ニ低

ク、

B

・D

二群

ニ於

テ高

シ。

小

兒

大

人合

計

ニ於

テ

ハ、

A群

ノ

ミ無

免

疫

者

ヨリ僅

カ

ニ低

率

テ示

セ

ル

モ、

他

ノ三

群

ハ何

レ

モ對

照

ヨリ高

率

ナ

リ

(第

十

六表

)。

49

三

尿性糞便性合計保菌者出

現率

前述セル尿性及ビ糞便性保菌者中

ニハ、其

ノ何

レカ

一方

ニノミ排菌セル者多

キモ、中

ニハ同

一人

ニ

シテ兩便中

二排菌セル者

アリ。從

ッテ今其

ノ兩者ラ合

セ、全治退院者総数中

ノ保菌者出現率テ見

ルニ、小見

ニアリテハ一七名五・五%

第 十 七 表 病後永績排菌指(糞・尿中合計)

テ算

シ、

大

人

ニ於

テ

ハ

一三

七

名

一・五

・八

%

ニーンテ、

從

ッ

テ小

兒

大

人

合

計

一五

四

名

ト

ナ

リ、其

ノ

率

一三

・〇

%

ナリ。

無

発

疫

者

ニ於

テ

ハ、

小見

一四名

五

・六

%

、

大

人

一〇

一名

一五

・九

%

ニシテ、合

計

一

一五

名

一三

・〇

%

ナ

リ。

然

シ

テ発

疫

者

ニ於

テ

ハ、

小

見

ハA群

及

B群

ニ於

テ無

発

疫

者

ヨリ低

率

、

C群

及

ゼ

D群

ニ於

テ對

照

ヨ

リ高

率

ナ

リ。

大

人

ニア

リ

テ

ハ、

A

・C

爾群

ハ無

免疫

者

ヨリ

低率

ナ

ルモ、

B

・D雨

群

ニア

リ

テ

ハ

高

値

テ示

シ、

小

児

大

人

合

計

ニ於

テ

ハ、

A

群

ニノミ低

率

ニシテ、

B

・C

・D群三

高

率

ナ

リ

(第

十

七

表)。

第

一六

項

ウ

ィダ

l

ル反

應

凝

集

價

余

等

ハ入

院

時

ウ

イ

ダー

ル、反

應

陰

性

或

ハ極

メ

テ低

値

テ示

セ

ル者

ニ於

テ

ハ、

其

ノ後

一定

日

テ經

テ更

ニ採

血

検

査

シ、

尚經

口免

疫

者

ノ

一部

ノ

モノ

ニ於

テ

ハ、

入

院

後疾

病

ノ経

過

ニ從

ヒテ凝

集

價

ノ上昇

ス

ル模

様

テ連

績

観

察

セ

リ。

然

レド

モ、

無

発

疫

者

ニァ

リ

テ

ハ、

診

断

確

定

セ

ル後

ニ於

テ

ハ、更

ニ採

血検

査

セ

ル

モノ少

シ。從

ッ

テ同

一患

者

ニツ

キ

テ、

疾

病

ノ経

過

ニ從

ヒテ、

反覆

検

査

セ

ル成

績

テ

発

疫

者

ト無

発

疫

者

ト

ノ間

ニ比較

シ能

ハザ

ル

ハ遺

憾

ト

ス

ルト

コ

ロナ

リ。

弦

ニ表示

セ

ル

ハ、

入院

當初

ニ於

テ採

血検

査

セ

ル成

績

テ、

採

血

當

時

該

當

セ

ル病

日

ニヨリ

テ病

週

別

ニ集

メ、

其

ノ平均

凝集

價

テ求

メ

タ

ルモ

ノ

ナ

リ。然

シ

テ反

應

施

行

ニ際

シ、

血

清

稀

繹

ハニ五

倍

ヨリ

倍數稀繹法

ニョリ、菌液ト

シテハ普通寒天斜面二四時間培養ノ「フォルマリ

ン」死菌食鹽水俘游液テ用

ヒタリ。

第十八表

ニ示セルガ如ク、総患者及ビ無免疫者

ニ於テハ、第

一週

ニ於テ平均凝集價夫々四九八倍及ビ五六三倍テ示

シ、其

ノ後病週

ノ進

ムニ連

レテ漸次上昇

シ、第五週

ニ至リテ最高

ニ達

シ、前者

ハ一二二六倍、後者

ハ一二八五倍ラ示

セリ。以後

ニ於テハ、検査數少數

ニシ

落合

・野崎

=豫

防接種後罹患

セル腸

「チフ

ヌ」患者

ノ統計的観察

六六七

50

落合・野崎

=豫防接種

後罹患

セル腸「チフス」患者

ノ統計的

観察

六六八

第

十

八

表

ウ

ィ

ダ

ー

ル

反

應

凝

集

價

テ確言シ難キモ、漸次再ビ下降

スルモノ、如シ。

免疫者群

ニアリテハ、第一

週

ニ於テハ一般

ニ無免疫者

ヨリ低値

ニシテ、殊

ニA群及ビC群

ニ於テ著

シク低値ナリ。然

ルニ第二過

ニ至リ

テ、発疫者

ハ各群共著シク上昇

シテ、無発疫者及ビ総患者ノ同

一病週

ニ於ケルヨリ著シク高値テ示シ、第三週

ニ至リテ

ハ更

ニ著明

畠上

昇

セリ。第四週

ニ於テハ、A群

ハ一三〇六倍

ニ達シ、封照群ノ同

一病週

ニ於ケル凝集價ヨリハ勿論、第五週

ニ於ケル最高凝集價

ヨリモ

更

ニ高値テ示

セルモ、他

ノ各群

ニ於テハ、四週以後

ニ於ク

ル検査例極メテ少数

ニシテ、從

ツテ其

ノ結果

ハ論ジ難シ(第十八表)。

第二

七項

血液中菌検出率

血液中菌検出

ニハ肘静脈

ヨリ採血シ、其

ノ約二・〇竓テ

一〇・〇竓ノ膿汁培養基

ニ混ジ、二四時間増菌セル後、其ノ

一白金耳テ遠藤氏李

板培養基

ニ移

シ、更

ニ二四時間攝氏三七・〇度

二保チ以テ菌ノ有無テ判定セリ。

血液中菌検査

モ亦、ウィダー

ル反應ト同様、天院時採血検査セル成績テ、採血時該當セル病週

ニヨリテ病週別

ニ集

メ、各病週

ニ於クル

菌検出率ヲ算出

セルモノナ

リ。

總患者

ニ於テハ、第

一週

ニ於

ケル検出率六二・五%テ最高トシ、以後病週ノ進ムニ從

ヒテ漸次低下シ、第七週

ニ至リテ最低

扁六・七%ラ

示

セリ。無発疫者

ニァリテ

モ、亦第一

週

ニ於ケル検出率最高

ニシテ六二・〇%ヲ算

シ、以後漸次低下

シ、第六週

ニ至リテ二

一・四%テ示

51

第

十

九

表

血

液

中菌

檢

出率

シ、

第

七週

ハ三

三

・三

%

ラ算

セ

ル

モ、

本

病

週

ニ於

ケ

ル檢

査

數

僅

カ

ニ三

例

ナ

リ。

発

疫

者

ニァ

リ

テ

モ、第

一週

ニ於

テ検

出

率

高

ク、

以

後

病

週

ノ進

ム

ニ從

ヒ第

三

週

マデ減

率

セ

ル

モ、第

四

週

以

後

ニ於

テ

ハ却

ツ

テ再

ビ高

率

テ示

セ

ルモ

ノ

ア

リ。

然

レド

モ四

週

以後

ニ於

テ

ハ、

檢

査

例

數

極

メ

テ少

數

ナ

ルク

メ、其

ノ成

績

不

確

實

ナ

ルラ菟

レズ。

然

シテ、

菟

疫

者

ト無

発

疫

者

ト

ヲ比

較

ス

ル

ニ、第

一週

ニ於

テ

ハ免

疫

者

中

A群

及

ビ

C群

ニ於

テ

ハ無

発疫

者

ヨ

リ低

率

ナ

ル

モ、

B

群

及

ビ

D群

ニ

アリ

テ

ハ高

率

テ示

シ、第

二

週

ニ至

リ

テ

ハ、

A群

ノ

ミ無

発

疫

者

ヨリ

高

率

ニシ

テ、他

ハ各群

共封

照

ヨリ

低率

シ

ラ、第

一週

ニ於

ケ

ルト反對

ニ、

B群

及

ビD群

ハA

群

及

ビC

群

ヨリ低

率

ヲ示

セ

リ。

第

三週

ニ於

テ

ハ、菟

疫

者

中

A

群

及

ビC

群

ハ、

無

発

疫

者

ニ比

シ

テ、

検

出

率

低率

ニシ

テ、

B群

及

ビD群

ハ再

ビ第

一週

ニ於

ケ

ルト同

様

、對

照

ョリ高

率

テ示

セ

リ。

第

四

週

以

後

ニア

リ

テ

ハ、

菟

疫

者

ニ於

テ對

照

群

ヨリ或

ハ高

率

ナ

ルコ

ト

ア

リ、

或

ハ低

率

ナ

ル

コト

ア

ル

モ、

検

査

例

數

少

數

ニシテ、

其

ノ成

績

ニ信

ラ措

キ難

キ

ハ前

述

セ

ルガ如

シ

(第

十

九

表

)。

(未

完

)

落合・野崎

=豫防接種後

罹患

セル腸

「チフス」患者

ノ統計的

觀察

六六九