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道路橋支承便覧 道路橋支承便覧 改訂の概要 改訂の概要 橋梁委員会 橋梁委員会 維持管理小委員会 維持管理小委員会 支承便覧分科会 支承便覧分科会 【道路橋支承便覧とは】 「道路橋示方書の精神・規定に基づき,これを 補完する支承全般に関する手引き,指導書」 (日本道路協会 橋梁委員会より刊行) 1 1

道路橋支承便覧 改訂の概要2 昭和55年2月「道路橋示方書・同解説共通編,鋼橋編」 昭和53年宮城県沖地震の被災による教訓を参考に,鋳鉄製支承の採用中止,負の力の算定式を内容追記

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•1

道路橋支承便覧道路橋支承便覧改訂の概要改訂の概要

橋梁委員会橋梁委員会

維持管理小委員会維持管理小委員会

支承便覧分科会支承便覧分科会

【道路橋支承便覧とは】

「道路橋示方書の精神・規定に基づき,これを補完する支承全般に関する手引き,指導書」

(日本道路協会 橋梁委員会より刊行)

第第11章章 総総 論論

•2

【改訂経緯】

昭和47年「道路橋耐震設計指針」

●落橋防止対策として,可動支承の移動制限装置下部構造の縁端距離,落橋防止装置等を記述

昭和48年「道路橋支承便覧」を発刊

●支承に対する設計・製作・架設・維持管理の指針

昭和51年及び54年「支承標準設計」を発刊

●「ゴム支承・すべり支承・ピン支承・ころがり支承」を標準化

昭和54年「道路橋支承便覧(施工編)」を発刊

●支承の施工について詳述

昭和55年2月「道路橋示方書・同解説共通編,鋼橋編」

●昭和53年宮城県沖地震の被災による教訓を参考に,鋳鉄製支承の採用中止,負の力の算定式を内容追記

昭和55年5月「道路橋示方書・同解説耐震設計編」

●支承部及び落橋防止構造に関する規定を改訂

昭和57年「支承標準設計」の見直し

●移動制限装置の改良,鋳鋼の使用の改訂

平成3年「道路橋支承便覧」の改訂

●●道路橋支承便覧(施工編)に検討を加え両者を合本

•3

平成5年「道路橋支承標準設計」を発刊

●「ゴム支承・すべり支承・ころがり支承」を対象

平成8年12月「道路橋示方書・同解説」

●兵庫県南部地震による道路橋の被災を踏まえ,M7級内陸直下型地震に対して必要な耐震性能を確保

平成14年3月「道路橋示方書・同解説」●国際化や多様な構造等の対応,維持管理・耐久性重視,コスト縮減等の成果の導入を基本に,性能規定型基準を目指して見直しを実施

【兵庫県南部地震による支承部の被害】

●鋼製支承に多くの損傷が発生

●上部構造が沓座に落下し路面に段差が発生(支承高の高いピン支承等の破断)

•4

●●落橋防止構造が有効に機能せず上部構造が落橋

【道路橋示方書の支承部改訂の経緯】

平成平成88年年1212月改訂の道路橋示方書月改訂の道路橋示方書

●支承部を,橋の主要構造部材として位置付けた

●支承部は,大規模地震動により生じる上部構造

慣性力に対して支承部の性能を満足することを

基本とした(タイプBの支承部)

●「ゴム支承や免震支承の採用が望ましい」とした

●橋の落橋を防止するシステムを見直した

•5

平成平成1414年年33月改訂の道路橋示方書月改訂の道路橋示方書

●支承部構造の載荷実験結果を踏まえ,タイプBの支承部の支承本体及び取り付け部材の耐力は,割増し係数 1.7を考慮した許容応力度から算出するものとした

●支承部及び落橋防止システムの機能と要求性能を明確にした

【道路橋支承便覧改訂の要点】

○道路橋示方書の改訂に伴なう見直しを行った

●新たな知見をできるだけ取り入れた

●従来の標準仕様的記述を性能規定型に見直し,支承部の役割・機能・要求性能について記載

●支承部に必要となる機能を整理し,そのための機構・材料・構造の選定について解説した

●機能分離型の支承部について新たに記述した

●支承部の施工・維持管理の記述を充実した

•6

【道路橋支承便覧の構成】

参考資料参考資料

支承部の維持管理支承の維持補修第 6章

支承部の施工支承の施工第 5章

品質管理と検査支承の製作と検査第 4章

支承部構造の設計支承の設計第 3章

支承部設計の基本事項支承設計の基本事項第 2章

総論総論第 1章

平成16年版平成3年版

10

●支承部の基本的役割と必要な性能を記述

●支承部の機能を整理し具現化のための機構を解説

●支承部を機能構成・水平力支持方法・耐震設計における支承部のタイプに分類し解説

●支承部構造の種類と各々の特徴を記述

○鋼製支承の材料・構造細目等の注意点を記述

●支承部の配置についての留意点と,支承部に採用する材料の特徴と選定時の注意事項を記述

第第22章章 支承部設計の基本事項支承部設計の基本事項11

•7

2.1 支承部の役割と求められる性能

●道路橋示方書の精神に基づき,支承部が果たすべき基本的役割と,そのために必要な性能について解説

【道路橋示方書 共通編 4.1 支承部 4.1.1 一般】

1)1)上部構造から伝達される荷重を確実に下部構造に伝

達するものとする。

2)活荷重,温度変化等による上部構造の伸縮や回転に

追従し,上部構造と下部構造の相対的な変位を吸収

するものとする。

12

支承部の機能 基本的機能 荷重伝達機能 鉛直力支持機能水平力支持機能

変位追随機能 水平移動機能回転機能

振動に対する 減衰機能 履歴減衰付加的機能 粘性減衰

摩擦減衰

アイソレート機能 すべり型せん断変形型

振動制御機能

2.2 支承部に求められる機能2.2.1 支承部の機能分類

13

•8

【基本的機能】

■荷重伝達機能

○ 鉛直力支持機能○ 水平力支持機能

■変位追随機能

○ 水平移動機能○ 回転機能

14

■減衰機能

○ 履歴減衰○ 粘性減衰○ 摩擦減衰

■アイソレート機能

○ すべり型○ せん断変形型

■振動制御機能

【振動に対する付加的機能】

15

•9

■常時に必要な支承部の機能

鉛直力支持機能:死荷重及び活荷重の上部構造鉛直方向力を支持する機能

水平変位機能 :温度変化の影響等により生じる上部構造の水平変位に追随

回転機能 :上部構造のたわみやねじれにより生じる回転変位を吸収

2.2.2 荷重の種類と支承部の機能

16

■地震時に必要な支承部の機能

鉛直力支持機能水平力支持機能水平移動機能

減衰機能地震エネルギーを吸収し構造系に作用する慣性力を低減

アイソレート機能上部構造を水平方向に柔らかく支持することで地震力を低減

17

•10

2.3 支承部の基本的な機構

支承部の機能

基本的な機能 荷重伝達機能

鉛直力支持機能 ・・・・ 水平力支持機能 ・・・・

接触機構,伝達機構 接触機構,伝達機構

変位追随機能

水平移動機能 ・・・・ 回転機能 ・・・・

せん断機構,すべり機構 弾性変形,ころがり機構

振動に対する付加的な機能

減衰機能

履歴減衰 ・・・・・・ 粘性減衰 ・・・・・・ 摩擦減衰 ・・・・・・

履歴減衰機構 粘性減衰機構 摩擦減衰機構

アイソレート機能

すべり型 ・・・・ せん断変形型 ・・・・

すべり機構 せん断機構

振動制御機構

振動制御機能 ・・・・・

18

2.4 支承部の分類

支承部の分類

機能構成による分類 機能一体型

機能分離型

水平力の支持方法による分類

固定支持型

可動支持型

弾性支持型

耐震設計における支承部のタイプ

タイプBの支承部

タイプAの支承部

19

•11

2.4.1 水平力の支持方法による分類

M F M M

EEEE

E E E E

固定可動

免震構造

分散構造

水平力:各橋脚で分担 水平変位:大

水平力:固定点に集中 水平変位:小

水平力:各橋脚で分担,地震力を低減 水平変位:大

アイソレート+減衰機能

アイソレート機能

20

2.4.2 機能構成による分類

■機能を集約した機能一体型

○支承部として必要な機能を単体の構造部分に集約した支承部構造

○支承部の構造が比較的複雑となる。○一部の局所的な損傷や耐久性の低下が他の機

能にも影響を及ぼす○複数の機能を集約す

るため,構造が大型化する

機能一体型の支承(支承板支承)

21

•12

■機能分離型支承

○機能分離型支承は,支承部に求められる複数の機能を複数の構造体で構成する支承部構造

○構造は煩雑だが,個々の構造体は単純で小型

○機能ごとに設けた構造体間が相互に干渉が生じないように計画する

22

●弾性支持型の例

すべり型ゴム(鋼製)支承Ⅰ・鉛直方向力の支持・レベル2地震の水平変位に追随・回転変位に追随

ゴム支承Ⅱ・レベル2地震の水平方向力を支持

●変位拘束型の例

ゴム支承(鋼製支承)Ⅰ・回転変位に追随・鉛直方向力の支持

変位拘束構造Ⅱ・鉛直及び水平方向力の支持・水平変位の拘束

【機能分離型支承の事例】

変位拘束型の例

弾性支持型の例

23

•13

2.4.3 耐震設計における支承部のタイプ

●支承部は上記の性能を満たすことを基本とする(タイプBの支承部)

●ただし,橋台の拘束により上部構造に大きな振動が生じにくい等,支承部が損傷しても構造的に落橋するおそれが少ない橋などに限定し,変位制限構造と補完して,タイプAの支承部を採用できる

支承部はレベル1地震動及びレベル2地震動により生じる水平力及び鉛直力に大して,支承部の性能を満足することを基本とする

24

2.5 支承の種類

コンクリートヒンジ メナーゼヒンジ

支承の種類 ゴム支承 地震時水平力分散型ゴム支承

固定可動型ゴム支承

免震支承

帯状ゴム支承

鋼製支承 面接触支承 支承板支承

球面支承

円柱面支承

線接触支承点接触支承

25

•14

2.5.1 ゴム支承

地震時水平力分散型ゴム支承固定可動型ゴム支承免震支承

の特徴及び設計時の留意点を解説

【ゴム支承の主な特徴】

○大きな変形性能が期待できる○地震力のような衝撃的な力を緩衝して伝達できる○各個撃破が生じにくい○腐食等による支承部としての機能が欠如しにくい

26

地震時水平力分散型ゴム支承

免震支承

鉛プラグ入り積層ゴム支承

高減衰積層ゴム支承

高減衰ゴム高減衰ゴム

27

•15

【鋼製支承の主要な改訂及び追加項目】

○従来の呼称を廃止し機能別に分類○水平移動や回転を伴う支圧面には,耐磨耗対策

や防せい防塵処理を施す○鋳鋼品を使用する場合には,じん性の保証され

た材料を使用する当面はJISで規格値「SCW材」に焼きならし熱処理を施した「SCW-N材」を使用することが望ましい

○鋳鋼品の肉厚による質量効果を説明し,影響を考慮する必要性の注意喚起を行った

○部材には応力集中を緩和する丸み付けを施す○同一支承線上の支承に対し各個撃破対策を施す

2.5.2 2.5.2 鋼製支承

28

円柱面支承 橋軸直角方向の回転を許容しない構造であり,直角方向の回転が予想される上下部構造には採用しない

支承板支承 平面と曲面を組合せた構造の支承板支承は,接触曲面の製作精度管理が難しく,また経年劣化で摩擦特性が変動する等,機能保持が困難となる場合が多い

円柱面支承 支承板支承

29

•16

球面支承 大きな鉛直力を支持できるが,球面接触

部の凝着や防せいに注意が必要

線接触支承 鉛直力を平面と円柱面で支持する支承

直角方向の水平力をローラーで支持する

構造は不正移動の原因となる

球面支承 線接触支承

橋 軸 方 向

30

■大移動量や大反力となる場合

○ゴム支承を用いると構造寸法が大きくなり,

けたとの取合い構造が困難となる場合

■回転変形が大きく,ゴム支承の回転性能では

対処できない場合

■負の力が作用する場合

【鋼製支承の採用が予想される例】

31

•17

■鉛直変位により路面の平坦性が損なわれ,振動や部材の疲労が問題となる場合

■その他

○橋長が長く支承反力が小さい場合

○ゴムのせん断変形で移動量を取るためにゴム厚さが厚くなり,地震力によるせん断変形時に所要の性能が発揮できない場合

○支承反力と回転変位のバランスが悪く,特に大きな回転角が必要な場合

32

2.8 支承部の配置

●支承部配置の基本事項,橋の形態別支承部配置,同一支承線上の支承の種類等について示した

●新たに,ゴム支承部の配置について解説した

●負の力や上向きの力を生じさせない支承部配置と,やむを得えず発生する場合の対処方法を例示

●支承部に期待する機能や将来の維持管理の障害とならないよう,支承の配置計画について記述

33

•18

■ゴム材料○せん断弾性係数 G6,G12,G14 を追加

○高減衰ゴムを追加

○天然ゴム,クロロプレンゴムの破断伸びの見直し

2.9 材料

G6 600 0.6 - -G8 550 0.8 (500) 0.78 (8 kgf/㎝

2)

G10 550 1.0 (500) 0.98 (10 kgf/㎝2) G12 500 1.2 - - G14 450 1.4 - - G8 450 0.8 (400) 0.78 (8 kgf/㎝2) G10 450 1.0 (400) 0.98 (10 kgf/㎝

2)

G12 450 1.2 - - G8 650 0.8 - - G10 600 1.0 - - G12 550 1.2 - -

せん断弾性係数

N/㎜2

  高減衰ゴム

破断伸び%

せん断弾性係数

N/㎜2

破断伸び%

平成16年版改訂支承便覧

   天然ゴム(NR)

材料の種類 呼び平成3年版支承便覧

  クロロプレンゴム        (CR)

34

ゴム材料の破断伸び試験結果

天然ゴムG12 クロロプレンゴムG12 高減衰ゴムG12

平均 620% 平均 520% 平均 640%

■その他材料

○四ふっ化エチレン樹脂(PTFE)

鉛(減衰材料として解説)

高力黄銅鋳物,支承据付材料 について解説

35

•19

第3章第3章 支承部構造の設計支承部構造の設計

● 3.1 設計の基本

支承部の要求性能を解説し,性能照査すべき事

項を整理した

● 3.3 ゴム支承のモデル化

ゴム支承と免震支承のモデル化について解説

● 3.4 設計変位

地震時の移動量を追加

余裕量の取り扱いを見直した

変位調整工の種類と留意点を解説

36

● 3.5 使用材料の許容値

ゴム支承について新知見を加え見直した

● 3.6 支承部の性能照査

風時・地震時の性能照査を追加

ゴム支承は照査方法を一部変更

鋼製支承は構造細目の改善点を解説

支承本体の連結部の照査,構造例を記述

● 3.7 上部構造との取付け部について例示

● 3.8 下部構造との取付け部について例示

37

•20

3.1 設計の基本

●常時・風時において,荷重支持性能,変位追随

性能の低下が生じないこと

●地震時において,地震動による水平力や鉛直力

を確実に下部構造に伝達すること

●ゴム支承・免震支承のせん断剛性や減衰機能は,

力学的な挙動が明確な範囲で使用すること

●性能照査の手法

(荷重作用による応答値)≦(支承部の保有性能)

3.1.2 性能照査の基本

38

3.3 ゴム支承のモデル化■地震時水平力分散型ゴム支承

■免震支承

せん断剛性を線形ばねでモデル化

○力と変位の関係

ひずみ依存性を評価して設定

○等価線形モデルの場合

等価剛性と等価減衰定数を算出

○非線形履歴モデルの場合

復元力はバイリニアモデル

減衰は履歴減衰で評価

(a) NR

-3

0

3

-200 0 200

せん断ひずみ γ(%)

水平力

(MN)

(b) HDR

-3

0

3

-200 0 200

せん断ひずみ γ(%)

水平力 H (MN)

地震時水平力分散型ゴム支承

免震支承

履歴曲線の例

39

•21

■解析モデル

○線形ばねモデル

・常時,風時,レベル1地震動等,弾性解析に使用

○等価線形モデル

・レベル2地震動による橋の非線形域の応答を,

等価線形化法により解析する場合に使用

・せん断特性は有効せん断ひずみで算出

○非線形履歴モデル

・非線形性を直接評価する時刻歴応答解析法に適用

・せん断履歴特性は設計せん断ひずみで算出

40

○せん断ばね定数

原点とせん断ひずみ175%

相当の水平変位を結んだ

線形ばね

○等価減衰定数

実績データより,

減衰定数は3%

■積層タイプ及びリングプレートタイプゴム支承

0

5

1 0

1 5

2 0

2 5

3 0

3 5

4 0

0 ~ 1 % 1 ~ 2 % 2 ~ 3 % 3 ~ 4 % 4 ~ 5 % 5 ~ 6 % 6 ~ 7 % 7 ~ 8 % 8 ~ 9 % 1 0 % ~

等 価 減 衰 定 数 ( % )

頻度

1 0 0 %

1 7 5 %

2 5 0 %

等価減衰定数

度数

3%

(γ=175%)水平変位

水平力

せん断ばね定数

水平力-水平変位関係

41

•22

積層タイプと鉛プラグのせん

断剛性を重ね合わせたモデル

○等価剛性

試験結果より,鉛プラグの

せん断剛性を定式化

○等価減衰定数

バイリニア型の復元モデル

より算定

○バイリニアモデル

試験結果より,一次/二次

剛性比,降伏荷重を設定

■鉛プラグ入りゴム支承

水平変位

水平力

バイリニアモデル

水平力

水平変位

鉛プラグ

積層タイプKB

UBe UB

水平力-水平変位関係

42

○等価剛性

試験結果より,等価せん断

弾性係数として定式化

○等価減衰定数

試験結果より,等価減衰定

数を定式化

○バイリニアモデル

試験結果より,一次剛性,

二次剛性をせん断弾性係数

として定式化

■高減衰ゴム支承

水平変位

水平力

水平力-水平変位関係

G

G2

G 1

τd

γy

τy

γ せん断ひずみ

せん断応力度

G1

G2

Geq

バイリニアモデル

43

•23

3.4 設計変位

3.4.2 地震時の移動量

■地震動による移動量[道示V 6,7]

■地震動による移動量に加算する移動量

●コンクリートのクリープ,乾燥収縮,プレス

トレスによる弾性変形等の移動量は,変位調

整によって除去しない場合は加算する

●ただし,レベル2地震動では橋脚に非線形応

答が生じ,ゴム支承の地震時応答に対する影

響が小さくなるため,加算しない

44

3.4.3 余裕量

○鋼製支承

5度の温度変化に相当する値

○ゴム支承

・一般的な据付の場合

設計で考慮する温度変化の範囲に含める

・変位調整を行なう場合

5度の温度変化に相当する値

●移動量算定や施工時の誤差として余裕量を考慮

●余裕量は常時の移動量に加算

45

•24

架設時鉛直 プレスライドポストスライド

移動量少ない 多い

時期架設時まで 架設終了後

現場予変形予備せん断

場所工場 現場

(予変形) (除変形)

(調整しない) (調整する)

3.4.4 変位調整における注意事項

○治具解放や溶接固定時の作業空間を確保

○ジャッキの反力受けを予め下部構造に配置

○架設時や変位調整時には足場が必要

46

3.5 使用材料の許容値3.5.1 ゴム支承

■最大圧縮応力度及び圧縮応力振幅

○圧縮疲労試験

鉛直力支持性能と疲労耐久性の向上

を図る目的で試験を実施した

○試験条件

供試体 :□400mm

一次形状係数 :8~12

せん断ひずみ :70%一定

圧縮応力振幅 :5.5~12.0N/mm2

圧縮繰返し回数:200万回

47

•25

○試験結果

・圧縮剛性やせん断特性に大きな変化は認められない

・供試体の外観に異状なし

補強材の拘束面積S1= 側面の自由面積

S1の関数として,最大圧縮応力度を12.0N/mm2,

圧縮応力振幅を6.5N/mm2 まで引き上げ(S1≧8)

12.0

5.0

6.5

8.0

8 12

一次形状係数S1

圧縮応力振幅

最大圧縮応力度

許容値(N/mm

2 )

許容値と一次形状係数(S1)の関係

48

■せん断ひずみ

○せん断変形性能試験

せん断変形による破断限界,平面寸法の破断ひず

みへの影響を把握するための試験を行った

○試験条件

供試体 :□400~1100mm鉛直荷重 :死荷重反力相当せん断ひずみ:破断まで

せん断変形性能試験

49

•26

○試験結果

・破断ひずみは300~450%

・水平力-水平変位関係

の安定領域は270~300%

・平面寸法が大きい程,

破断ひずみは小さい

●レベル2地震動に対しては,水平力-水平変位関

係の安定領域に若干の余裕を考慮し,250%に設定

●風時及びレベル1地震動に対しては,荷重の発生

頻度を考慮し,常時の約2倍の150%に設定

250

275

300

325

350

375

400

425

450

475

200 300 400 500 600 700 800 900 1000 1100 1200

支承一辺の寸法(mm)

せん

断ひ

ずみ

(%

RBG8

RBG10

RBG12

HDRG8

HDRG10

HDRG12

LRBG10

LRBG12

破断

時のせ

ん断ひず

み(

%)

支承一辺の寸法(mm)

レベル2地震動の許容値 250%

せん断変形性能試験結果

300%

450%

50

■局部せん断ひずみ

圧 縮 せん断 回転 載荷状態

■ 反復圧縮 0~780% 80~300% 75%

反復圧縮● 560~730% 100~300% 75%

反復せん断

+ +

+ +

○疲労耐久性試験

圧縮,せん断及び回転変位によるせん断ひずみが

重複する局部に着目し,その疲労耐久性の確認試

験を行った

○試験条件

供試体:□240mm

載荷条件

51

•27

●圧縮ばね定数のばらつき1.3を考慮し,常時の安

全係数1.5(≒1.14x1.3)を確認

●地震時は,繰返し回数が少なく,せん断ひずみの

照査をすれば十分安全であるため照査はしない

疲労耐久性試験結果

0.00

0.20

0.40

0.60

0.80

1.00

1.20

1.40

1.60

1.80

2.00

1.E+02 1.E+03 1.E+04 1.E+05 1.E+06 1.E+07

繰返し回数 (回)

γt/γu

破断

未破断

回帰曲線

95%信頼区間

99%信頼区間

0.667

0.88

3.65E+04

繰返し回数(回)

γt/γ

u

0.875(fa =1.14)

0.667(fa =1.5)

100年

○試験結果

・反復圧縮では破断せず,

せん断ひずみが支配的

・疲労限界曲線の99%信頼

区間より,繰返し100年

相当の安全係数 1.14

52

■引張応力度

○引張破断試験

せん断ひずみを変化させ,引張応力度の限界を把握

する試験を行った

○試験条件

供試体 :□280,340mmせん断ひずみ:35~380%引張荷重 :破断まで

繰返し回数 :5回

引張破断試験

53

•28

○試験結果・せん断ひずみが大きいほど

破断応力度は小さい・変形を控除した有効面積で

の実応力度は5N/mm2 程度

●地震時は,安全率2.5を考慮

してG10を2N/mm2,呼びごと

に材料物性を考慮し設定

●風時は,地震時の許容応力度の割増し係数を

考慮し設定

●常時は,疲労耐久性が未確認のため引張力を負担

させない

引張破断試験結果

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

0% 50% 100% 150% 200% 250% 300%

せん断ひずみ

破断応力度 (N

/mm

2 )

破断応力度

破断実応力度

線①

線②有効面積

せん断ひずみ

破断応力度(N/mm2 )

平面積

地震時の許容値(2N/mm2)

破断限界

54

■鋳鋼品

質量効果を考慮し,肉厚150mmを超える部材の

許容応力度は,肉厚に応じて低減

3.5.2 鉄 鋼

20

30

40

50

60

0 100 200 300

距離[mm]

応力

度[k

g/cm

2]

No.1 No.2 No.3 No.4 No.5

No.1 No.2 No.3 No.4 No.5

距離(mm)

応力度(kg/cm2 )

肉厚300mmの質量効果の例

55

•29

■アンカーボルトの付着応力度

異形化丸鋼の許容応力度は,実験より異形棒鋼

と同等として扱う

引抜試験結果

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

0 1 2 3

変位(mm)

付着

応力

度(N

/m

m2)

D51-1

φ50-1

φ70-1

φ100-1

D 51-1φ50-1φ70-1φ100-1

0 1 2 3 変位(mm)

0

2

4

6

8

10

14

16

18

20

付着応力度(N

/mm

2 )

12異形棒鋼

変位(mm)

付着応力度(N/mm2 )

異形化丸鋼

3.5.3 コンクリート及び無収縮モルタル

P

φd

φD

s

φD P

S

異形化丸鋼

56

3.6 支承部の性能照査

3.6.1 ゴム支承本体

性 能 荷重作用による応答値 照査項目 備 考

最大反力 (常時) 最大圧縮応力度

活荷重変動(常時) 圧縮応力振幅

鉛直力 最小反力 (常時) 最小圧縮応力度 パッド型

下向き力 (常時,風時,地震時) 座屈安定性

支 持 上向き力 (常時,風時,地震時) 引張応力度

下向き力 (常時,風時,地震時) 内部鋼板の引張応力度

活荷重反力(常時) 圧縮変位量 端支点部

変 位 水平変位 (常時,風時,地震時) せん断ひずみ

追 随 回転変位 (常時) 回転機能

疲 労 最大反力+水平変位+回転変位 局部せん断ひずみ

耐久性 (常時)

57

•30

■座屈安定性

●圧縮応力度は,座屈を考慮した許容圧縮応力

度以下(σcra=Ge・S1・S2 /fcr)

○常時・風時・地震時の許容値の係数fcrは,

荷重強度や発生頻度を考慮して設定

●地震時水平変位に対する有効圧縮面積を確保

二次形状係数S2は4程度以上

短辺長S2= 総ゴム厚

短辺長

総ゴ

ム厚

250%変形時

S2=4

2.5 1.5

58

■内部鋼板の引張応力度

○圧縮限界試験

鉛直力支持性能の限界と破壊要因を把握するため

試験を行った

○試験条件

供試体 :□240mm

鉛直荷重:破断まで

積層タイプゴム支承 鉛プラグ入りゴム支承

59

•31

○試験結果・内部鋼板が破断・破断荷重,降伏荷重とも無孔の場合は有孔の約1.5倍

応力度算出のための係数fc

○圧縮応力度分布を考慮し,

無孔の場合は,fc =2

○圧縮限界試験の結果より,

有孔の場合は,fc =3

圧縮限界試験結果

δ(mm)

10000

8000

6000

4000

2000

0

0 2 4 106 8 12 14

Pu= 8700kN

Pu= 5600kN

Pu= 3200kN

Pu= 2100kN

δy=

2.1m

m

δy=

2.8m

m

δu=

8.1m

m

δu=

12.4

mm

積層ゴム支承

鉛プラグ入り

ゴム支承

P (kN

)

圧縮変位(mm)

圧縮荷重(kN)

積層タイプゴム支承

鉛プラグ入りゴム支承降伏

破断

破断

降伏

平均圧縮応力度 σc

圧縮応力度分布

内部鋼板の引張応力度 σs

σs=fc σc(te/ts)

60

■端支点部の圧縮変位量

車両走行時に生じる端支点部の路面段差を小さ

くするために規定した

●照査荷重

片側渋滞時を想定,活荷重反力の1/2

●許容変位量

伸縮装置の据付け許容差2mmに,ゴム支承の圧

縮変位の品質管理の許容差1mmを考慮し,1mm

61

•32

■回転機能

最大反力作用時の回転変位に対して,ゴム支承に引張応力が生じないこと δr ≦ δc/fv●圧縮ばね定数の評価式を、製品の試験より設定

Kv = EAe/∑te

●縦弾性係数EはS1 に単純比例,支承の種類ごとに

勾配を決定 E = αβS1G

●回転機能照査時には,ばらつき30%(fv=1.3)を考慮

NR服部・武井式

E =35・S 1・G

+30%

-30%

0

200

400

600

800

1000

0 2 4 6 8 10 12 14

S 1

E/G

積層ゴム支承

一次形状係数 S1

E/

積層タイプゴム支承の例

適用範囲

62

S1 = 5~11辺長比 0.5~2.0

■構造細目

A

BB

C

D

D

E

●隅角部の丸み付け

3.6.2 鋼製支承本体

応力集中緩和する箇所損傷事例

63

•33

"a"部

ゴムピース遊間

"a"

逸脱防止装置支圧板

ローラー

●遊間保持による各個撃破対策

●ローラーの逸脱防止

●ピン軸部の欠損断面改良

64

3.6.3 取付け部

【作用力及び部材断面の性能照査例】

○照査項目・支圧応力度・引張応力度・曲げ応力度・せん断応力度・合成応力度

V1/2δδ

h

65

•34

【ゴム支承取付け部の構造例】

ボルト+

せん断キー

上下沓一体加硫成

形(フランジ付きと

もいう)

連結なし

(パッドタイプ)

連 結 方 法 結 模

ボルト+

せん断キー

取付けボルトのみ

摩擦接合用高力ボ

ルト・ナットのみ

(a)鋼 桁 (b)コンクリート桁

(a)鋼 桁 (b)コンクリート桁

(a)鋼 桁

(b)コンクリート桁

アンカーバーによ

る直接連結

ベースプレート有

(下沓溶接)

ベースプレート有

(下沓ボルト連結)

ベースプレート無

(b) ンクリ ト桁本体と上下沓 上部構造 下部構造

材質により相対部材の

縁端距離を確保

(a)ナット (d)溶接固定(c)上下ナット(b)ねじ込み

アンカーボルト

66

●鋼Iげた取付け部

3.7 上部構造の支承取付け部

3.7.1 鋼上部構造

補強リブ

支承縁端の直上に配置,けた高の1/2程度まで

横げた下フランジ

橋軸直角方向の水平力による主桁の座屈防止のため,できるだけ下げる

支点上横げた下フランジ

67

•35

●鋼箱げた取付け部

ジャッキアップ位置

端支点

ジャッキアップ位置

補強リブ

橋軸

方向

Sec-"A"

補強横リブ(ソールプレート前後端)

補強横リブ

Sec-"A"

Sec-“A”

Sec-“A”

中間支点

支点上補剛材

ダイヤフラム両側に2箇所ずつ配置

支点上補剛材

補剛材の板厚が厚くなる場合はT型

横リブ

支承面積が大きい場合は追加

68

3.8 下部構造の支承取付け部

3.8.1 鋼下部構造

ジャッキアップ位置

調整プレート

ジャッキアップ補強

架設時や維持管理のための補強

調整プレート

ゴム支承の場合は,架設時の高さ調整のため設置

69

•36

第第44章章 品質管理と検査品質管理と検査

●ゴム支承の品質管理を中心に,試験の目的

と検査方法を解説

●鋼製支承の載荷試験方法の例を記述

●新しい構造や材料の性能検証項目を記述

70

4.2 ゴム支承

■試験により検証する項目

○材料検査

○性能検査

■試験以外で性能を確認する項目

○寸法検査

○防せい防食

○外観検査

71

•37

品質検査項目の例

改 訂 後 改 訂 前

基本特性 ○

老化・耐久性 ○

○ ○

○ 記載なし

○ ○

○ ○

◎ ◎

◎ ◎

◎ ◎

◎ ◎

◎ ◎

◎ ◎⑫圧縮ばね定数 ◎ ◎

◎ 記載なし

⑭せん断剛性(等価剛性) ◎ ◎

⑮等価減衰定数 ◎ 記載なし

⑯せん断変形性能 ◎ 記載なし

⑰疲労耐久性能 ● 記載なし

◎ ◎⑲内部鋼板位置 ◎ ◎

○試験片またはミルシート ◎実製品 ●供試体

項    目

②接着強さ(90度剥離試験)

③低温状態のオゾン劣化試験

④ゴム材料の化学成分

⑤鋼材および鉛,PTFE

寸法

⑥内部鋼板

⑦ゴム支承本体

⑧組立完成品

⑨その他の寸法

⑱完成品の外観外観等

①ゴム材料の物理的性質

材料

性能

⑬圧縮変位量

防せい防食

⑩めっき付着量(膜厚)

⑪塗装塗膜厚

基本特性と老化・耐久性に分けた

寒冷地に用いる被覆ゴムの老化試験を新設

鋼製支承の項から移動

特に重要な改訂及び新しい検証項目

72

材料検査

●ゴム材料の物理的性質

○基本特性(日常試験)

破断伸び,引張強さ

○老化・耐久性(定期試験)

耐久性・耐候性試験

【製造工程の中で行う品質管理】

73

•38

【主な改訂事項】

●ゴム材料

○天然ゴム,クロロプレンゴムの物理的

性質の一部を最新データで改訂

○高減衰ゴムの化学成分,物理的性質を追加

●オゾン劣化試験(寒冷地における被覆ゴム)

○低温状態で耐オゾン性を確認する試験

方法を新設

74

ゴム材料の化学成分

○最新のJISを適用

○高減衰ゴムを追加

改 訂 後 改 訂 前

NR JIS K 6226-1 ○

CR JIS K 6226-1 に準拠 ○

高減衰 JIS K 6226-1 記載なし

JIS K 6226-1

JIS K 6227

JIS K 6226-1 に準拠

JIS K 6227

JIS K 6226-1

JIS K 6227

JIS K 6226-1

JIS K 6228

JIS K 6226-1 に準拠

JIS K 6228

高減衰 JIS K 6226-1 記載なし

記載なし

記載なし

灰分の定量

NR

CR

補強剤の定量

NR

CR

高減衰

高減衰

全ポリマー定量

試験項目

ポリマー定性

NR JIS K 6230CR

JIS K 6231

75

•39

低温状態のオゾン劣化試験③

オゾン試験装置オゾン濃度(50pphm)と温度(-30℃)を管理

○寒冷地に使用する被覆ゴムの耐候性を検証

○試験後に肉眼観察でき裂のな

いことを確認

試験片の伸長冶具により伸びを(20%)保持

76

【載荷試験により性能を検証】

●鉛直力支持

○圧縮変位量,圧縮ばね定数の確認(⑫⑬)

○ゴム支承本体の外観の確認(⑬)

○内部鋼板の枚数と位置の確認(⑲)

●水平力支持

○せん断剛性の確認(⑭)

○せん断変形性能の確認(⑯)

性能試験

77

•40

●変位追随○常時の水平移動を目視により確認○回転変位の追随を圧縮試験により確認

●減 衰○せん断試験結果より求めた免震支承の

等価減衰定数が, 設計値以上であることを確認

●疲労耐久性○ゴム支承の疲労耐久性を圧縮疲労試験

により確認

78

ゴム支承本体の性能確認項目

検証項目地震時水平力分散型ゴム支承

免震支承 固定型ゴム支承 可動型ゴム支承

荷重伝達機能

鉛直力支持

常時、風時、レベル1地震動

・座屈安定性・最大圧縮応力度の検証・接着強さ

レベル2地震動 ・座屈安定性・接着強さ

水平力支持

常時、風時、レベル1地震動

・せん断剛性の検証 -・摩擦係数の検証

レベル2地震動 ・せん断剛性の検証 - -

回転

常時における回転変位

・回転性能の検証・圧縮変位量の検証

- ・移動量の検証

レベル2地震動・移動量の検証・せん断ひずみの検証

- ・移動量の検証

耐久性

常時 ・局部せん断ひずみ・接着強さ・圧縮応力振幅・一次形状係数の検証

耐候性 ・老化試験,オゾン劣化試験

変位追随機能

水平移動

常時、風時、レベル1地震動

・移動量の検証・せん断ひずみの検証

減衰機能 レベル2地震動 -・等価減衰定数

の検証- -

79

•41

ゴム支承本体の型式と検査項目

性能 耐久性

支承形式 変位追随 回転変位 耐候性

免震支承 A A A A A B

地震時水平力

 分散型ゴム支承

固定型ゴム支承 A ― ― A ― B

可動型ゴム支承 A ― A,C A ― B

パット型・帯状ゴム D ― ― ― ― B

注1) A:実橋に用いる製品試験により検証 B:材料試験により検証 C:材料検査証明書により検証 

    D:寸法検査により検証 ―:不要 

注2) 特に規定された場合に検証

鉛直力支持 水平力支持変位追随

減衰性能

BA A A A A注2)

80

鉛直力載荷試験(⑫⑬)

●目的鉛直力支持性能,圧縮変位量の確認,圧縮ばね定数の確認,回転変位の追随を確認

●試験方法

最大反力に相当する鉛直荷重を載荷,荷重-変位曲線を測定する

側面の膨出δ

最大反力(R)

81

•42

鉛直変位と回転の検証⑬

○鉛直荷重を支持した状態で外観に異状のないこと○内部鋼板の位置を確認○回転変位量に追随する圧縮変位の確認○桁端では,照査荷重に対して,設計値+1mm以内

鉛直荷重―鉛直変位の関係

82

δr

a(D)

δc

けたの回転変位と圧縮変位

けたの回転によるゴム端の変位

最大支承反力 R

R4

照査荷重  R1

死荷重反力  R3 = RD

 

   

R2 = 0

δc

  δ3 δ4

回転照査荷重 R1

 

δ1

鉛直荷

重:kN

圧縮変位の原点

(0.5N/mm2程度を0とする)

圧縮たわみ:mm

ゴム支承本体の外観と積層数を確認

端支点部の場合: 設計値 +1mm以内であ ること

回転変位の確認 δr ≦ δ1

最大支承反力 R

 

R6 = 6N/mm2

R5 = 1.5N/mm2

R2 = 0 圧縮たわみ:mm

δ5 δ6

圧縮ばね定数 kv

鉛直荷重:kN

 

δv

 

圧縮ばね定数の検証⑫

●解析で採用した圧縮ばね定数(Kv)の試験検証

○圧縮ばね定数は1.5~6N/mm2の範囲を測定

○設計値に対して±30%以内であることを確認

鉛直荷重―鉛直変位の関係

83

•43

せん断剛性試験⑭

●目的

せん断剛性,水平移動,減衰性能の確認

●試験方法死荷重に相当する鉛直荷重を載荷し,正負繰返し水平変位(有効設計変位または,ゴム厚さの±175% )を与えて試験

-Fmax Fmax

δmax-δmax

死荷重に相当する鉛直荷重(R3=RD)

84

せん断剛性の検証

●測定・地震時水平力分散型ゴム支承は3回

目の値・免震支承は10回の平均値

●判定設計値に対し±10%以内の確認

-4000

-3000

-2000

-1000

0

1000

2000

3000

4000

-2.50 -2.00 -1.50 -1.00 -0.50 0.00 0.50 1.00 1.50 2.00 2.50

水平変位(γ)

水平

力(K

N)

せん断剛性 ks,k B

Fmax

-Fmax

-δmax

δmax

せん断剛性の模式図

せん断剛性

85

•44

等価減衰定数の検証⑮

●測定

せん断剛性試験で同時に検証

・地震時水平力分散型ゴム支承は3回目の値

・免震支承は10回の平均値

●判定

設計値以上であること

水 平 力

⊿W

Fmax

-δmax

-Fmax

δmax 水平変位

等価減衰定数の模式図

86

せん断変形性能試験⑯

●目的水平変位に対する破断限界の確認

●試験方法鉛直荷重を載荷し,破断するまで水平変位を与える

●判定破断ひずみが250%以上であることを確認

製造会社が行う定期試験せん断変位

水平力

荷重最大(破断点とする)

変位最大

負勾配

せん断剛性

水平変位300%以上で破断した状態

せん断変位破断部分

せん断変形性能試験時の変位-荷重曲線

87

•45

疲労耐久性能⑰

●目的ゴム支承本体の疲労耐久性の確認

●試験方法

縮小供試体を用いて、一定せん断変形下における圧縮荷重の繰返し載荷

●判定

試験後に外観異状がなく,圧縮変形性能に著しい変化がないことを確認

88

寸法検査

Tt

A,B

a,b,D

改 訂 前

長さ (a)

幅  (b)

直径 (D)

0 ~ +1 mm

5%

0~ +8 mm

記載なし

a,b,D≦500mm

±2.5%

±4mm

20mm<t≦160mm

160mm<t

A,B≦1500mm

1500mm<A,B

ゴム支承本体厚さ(t)の許容差に

±1.5mmを加算

ゴム支承本体厚さ(t)の許容差に±2mmを

加算

区  分

500mm<a,b,D≦1500mm

1500mm<a,b,D

±0.5mmt≦20mm

改 訂 後

0 ~ +5 mm

0 ~ +1 %

記載なし

項   目

厚さ (t)

平面度1mm

(a,b,D)/1000mm

0 ~ +15 mm

1mm(大型形状を

考慮していない)

長さ (A)幅 (B)高さ (T)

ゴム支承本体

支承高さ

1000mm<a,b,D

a,b,D≦1000mm

ゴム支承本体の厚さに関する許容差を±へ変更した

89

•46

ゴム支承の外観検査寸法⑧・外観検査⑱ 組立完成品

めっき付着量(膜厚検査)⑩

90

外観検査⑱

金型の加工転写

金型の継ぎ目

性能試験後のしわ

ゴム層部分

内部鋼板部分

91

•47

防せい防食⑩⑪

●ゴム支承に対する防せい防食の留意点を記述

○溶融亜鉛めっき

○その他の防せい処理

・亜鉛,アルミニウム溶射

・高分子材料によるコーティング

・高力ボルトや現場溶接部などの防せい処理

(ダクロダイズド処理,高濃度亜鉛末塗等)

【ゴム支承に付属する鋼製部材に対して】

92

4.6 新しい支承の適用

●新材料や新しい支承構造を開発した場

合に確認する性能検証項目を,ゴム系

と鉄鋼系別に示した

93

•48

第5章 施 工

●ゴム支承部を中心に施工法を記述

●コム支承について,現場溶接による固定方法と溶接部の防せい防食を解説

94

5.4 ゴム支承部の施工

●施工方法別の施工手順と留意点を解説

○予変形方式

予備せん断方式,現場予変形方式

○除変形方式

ポストスライド方式,プレスライド方式

95

•49

【施工例 現場予変形方式】

上部工中心

下部構造中心

変位調整しろ 変位調整量 ⊿

下 沓 テンションバー ジャッキ

反力受け

固定用アンカー

RH

RD

f

RH=RDf 又は Ks⊿

変位調整後、溶接又はボルトにより固定

摩擦(f)

RH

○反力台等の仮設備を配置するスペースの確保

○仮設材の設計

96

【施工例 ポストスライド方式】

反力受け

固定用アンカー

下 沓

支承据付時の中心

上部・下部構造中心

(支承固定時)

据付時の支承位置 支承固定直前の支承位置

変位調整後、溶接又はボルトにより固定

fRH

ジャッキ

支承固定時までの移動量 ⊿RH=RDf 又は Ks⊿

摩擦(f)

○反力台などの仮設備を配置するスペースの確保

○仮設材の設計

97

•50

5.4.6 ゴム支承の固定

●原則として道示Ⅱ鋼橋編の現場溶接に

従う

●ゴム端部と溶接線の間隔は50mm以上

●溶接量が過大とならないように開先を

設ける

●溶接完了後に浸透探傷試験を行う

【現場溶接における留意点】

98

第6章第6章 支承部の維持管理支承部の維持管理

●支承台帳をゴム支承と鋼製支承に分け,

記述内容を充実

●支承各部の変状と主な原因を,ゴム支承

と鋼製支承に分け,記述内容を充実

99