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電気通信事業分野における競争状況の評価 2012 平成25年9月 別添1

電気通信事業分野における競争状況の評価 20122. 2012年度末時点における上位3事業者の移動系データ通信市場におけるシェア は89.8%、また市場集中度(HHI)が2,989と高い水準にあることから、複数事業

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  • 電気通信事業分野における競争状況の評価

    2012

    平成25年9月

    別添1

  • i

    目 次

    第1編 定点的評価

    第1章 データ通信(移動系)

    第1節 移動系データ通信市場の分析及び競争状況の評価

    第2章 音声通信(移動系)

    第1節 移動系音声通信市場の分析及び競争状況の評価

    第3章 データ通信(固定系)

    第1節 固定系ブロードバンド市場の分析及び競争状況の評価

    第2節 FTTH 市場の分析及び競争状況の評価

    第3節 ISP(固定系)市場の分析及び競争状況の評価

    第4章 音声通信(固定系)

    第1節 固定電話市場の分析及び競争状況の評価

    第2節 050-IP 電話市場の分析及び競争状況の評価

    第5章 法人向けネットワークサービス

    第1節 WAN サービス市場の分析及び競争状況の評価

    第2編 戦略的評価

    第1章 移動系通信市場における新規参入事業者の事業環境(供給側)

    第1節 分析の目的等

    第2節 移動系通信市場における新規参入事業者の事業環境の分析

    第3節 まとめ

    第2章 市場間の連携サービスの利用動向(需要側)

    第1節 分析の目的等

    第2節 市場間の連携サービスの利用動向の分析

    第3節 複数市場に関連するその他のサービス

    第4節 通信事業者の他業種への出資・業務提携の状況

    第5節 まとめ

  • ii

    第3章 電気通信サービスの上流サービス利用の分析及び電気通信サービスの

    プライバシー意識の分析

    第1節 本評価の目的

    第2節 分析結果

  • 第1編 定点的評価

  • 第1章 データ通信(移動系)

  • 目 次

    第1節 移動系データ通信市場の分析及び競争状況の評価 .................... 1

    第1項 携帯電話・PHS サービスの動向 .................................... 4

    1-1 市場の規模 .................................................... 4

    1-2 主要な事業者の動向 ............................................ 8

    第2項 移動系データ通信市場の分析 ..................................... 9

    2-1 基本データ(供給側データ)の分析 .............................. 9

    2-1-1 市場の規模 .............................................. 9

    2-1-2 主要事業者の動向 ....................................... 10

    2-1-3 データ通信専用サービスの動向 ........................... 14

    2-1-4 MVNO サービスの動向 .................................... 16

    2-2 基本データ(需要側データ)の分析 ............................. 17

    2-2-1 料金等 ................................................. 17

    2-2-2 サービス品質 ........................................... 24

    2-2-3 サービス変更コスト ..................................... 27

    2-3 評価に当たっての勘案要素の分析 ............................... 35

    2-3-1 上位レイヤーをレバレッジとしたネットワークレイヤーへの影

    響 ................................................................. 35

    2-4 移動系超高速ブロードバンド市場の分析 ......................... 41

    2-4-1 基本データ(供給側データ)の分析 ....................... 41

    2-4-2 基本データ(需要側データ)の分析 ....................... 44

    第3項 競争状況の評価 ................................................ 51

  • 第1節 移動系データ通信市場の分析及び競争状況の評価

    (評価)

    1. 移動系データ通信市場における市場支配力に関しては、首位の NTTドコモのシ

    ェアは高く、同社が単独で市場支配力を行使し得る地位にあると考えられる。た

    だし、NTTドコモは引き続きシェアを減少させており、その結果として2位・3

    位の事業者との市場シェアの差は縮小傾向にあり、同社の市場支配力を行使し得

    る地位は低下している。

    2. 2012年度末時点における上位3事業者の移動系データ通信市場におけるシェア

    は 89.8%、また市場集中度(HHI)が 2,989と高い水準にあることから、複数事業

    者が協調して市場支配力を行使し得る地位にあると考えられる。

    3. しかしながら、上位3社に関しては、近年のスマートフォン等の普及が進む中、

    激しい顧客獲得競争を展開しており、それが各社の契約数の純増数の差や市場シ

    ェアの変動となって現れている。また、2012年度においては、上位3事業者間の

    接続協議における交渉上の地位の優劣の差が相当程度縮小している状況にかんが

    み、移動系データ通信市場における契約数シェアが第3位であるソフトバンクモ

    バイルの設置する電気通信設備についても第二種指定電気通信設備として指定し

    た。

    4. 市場競争をめぐる上位3事業者間の関係や、第二種指定電気通信設備に係る規

    制措置等にかんがみれば、NTTドコモが単独で、又は複数事業者が協調して市場

    支配力を実際に行使する可能性は低い。

    5. 上位3事業者のデータ定額通信料は、スマートフォンへの移行や 3.9G(LTE)

    のサービス開始等を経て、若干の変更時期のズレが見られるものの、ほぼ同一の

    料金水準で推移してきた。そこで、料金水準だけに着目すれば、客観的には上位

    3事業者間の料金競争が進展しているとは言い難い。逆に、端末料金を対象とし

    た各社の割引制度を含めると、料金体系は複雑になっている。

    6. このように、通信料金の比較を通じた適切なサービス選択の機会が不十分な状

    況にあっては、一般的な利用者が自分に必要かつ適切なサービスを利用する上で、

    提供されているサービスの品質とサービス変更の自由度が重要となる。前者に関

    し、民間事業者が実施した通信速度調査を基にした分析結果によって得られた実

    効速度と、表示される最高速度(ベストエフォート)1との間には乖離がある中、

    各社の実効速度に一定の違いが見られるが、このような実態について利用者に分

    かりやすい情報提供がなされていない可能性がある。また後者に関し、キャンペ

    ーン割引等を考慮しない場合においては、SIMロック解除が可能でない端末から

    新たな端末に移行する際に要するコストを含めたサービス変更コストが高額にな

    1 理論上の最高値。

    評価結果の概要

    1

  • る傾向があるが、実際には通信サービスの契約と端末販売に際して端末価格に対

    応した割引制度の導入やキャンペーン割引等を行うビジネスモデルが主流となっ

    ている。

    7. さらに、上位3事業者の販売促進費を投入したキャンペーンや、日々の多様な

    広告・宣伝の媒体を活用した販売力によって、サービスを選択する利用者にとっ

    て3社のサービスの訴求力が他社に比べて大きくなっていると考えられること

    から、それが3社の高いシェアを維持する要因となっている可能性がある。

    8. 上位3事業者にあっては、複数事業者が協調して市場支配力を行使し得る地位

    にあることのほか、その源泉でもある有限・希少な電波資源を利用している現状

    に加え、公正な競争の確保と利用者利益の保護の観点から、価格情報を補完する

    サービス品質に関する情報として、データ通信サービスの通信速度等についての

    分かりやすい情報の提供を行うとともに、料金の面でもその複雑さを回避しつつ、

    より積極的に競争することが求められる。

    9. 上位下位レイヤーをレバレッジとしたネットワークレイヤーへの影響について

    は、上位レイヤーのプラットフォーム事業者等の中には、サービスシェア等が非

    常に高い事業者が複数あり、当該事業者が特定の通信事業者のみにサービスを提

    供している事例がある。そうした一部の例外的な事業者を除くと、プラットフォ

    ーム事業者は、通信事業者間の乗り換えに制限を設けておらず、総合的にネット

    ワークレイヤーへの影響は限定的であると評価できる。

    1.本節では、「移動系データ通信市場」について、重点的な分析・評価を行う。

    2.具体的には、評価のための指標として、以下のとおり、従来の基本データ

    に加え、近年の移動系通信市場の動向を踏まえ、評価に当たって勘案すべき

    要素について分析を行い、評価を行うこととする。

    (1) 基本データとして、

    ① 市場の規模(契約数、売上高等)、事業者別シェア

    ② 市場集中度

    ③ 料金等

    ④ サービス品質

    ⑤ サービス変更コスト

    (2) また、評価に当たっての勘案要素として、上位下位レイヤーをレバレ

    ッジとしたネットワークレイヤーへの影響

    について、事業者アンケートや利用者アンケート等の結果も踏まえつつ分

    析を行う。

    これらの分析結果に基づき、移動系データ通信市場に関し、以下の点につい

    2

  • て競争状況の評価を行う。

    (1)単独又は複数の事業者による市場支配力の存在の有無

    (2)上記市場支配力の存在が認められる場合にはその行使の有無

    (3)今後の留意事項

    3

  • 第1項 携帯電話・PHS サービスの動向

    1-1 市場の規模

    2012 年度末時点における、データ通信と音声通信を区別しない携帯電話・PHS

    サービスの契約数(MVNO 契約数を含む。)は、1億 4,113 万で、対前年度末増加

    率 6.3%増であった。その数は、スマートフォンやタブレット端末等の急速な普及

    に伴い、我が国の総人口を超えて引き続き漸増している。携帯・PHS サービスの

    売上高を見ると、2012年度末に9兆 6,743億円(対前年度末比 4.3%増)となって

    おり、2011年度に引き続き漸増している。

    また、2012 年度末の携帯・PHS サービス及びその多くを占める携帯電話の契約

    数増加率は6%台であったのに対し、前年度に引き続き回復基調にある PHSの契約

    数増加率は 12%であった。

    【図表Ⅰ-1 契約数及び売上高の推移】

    (注)各社の決算額等から市場の売上高を算出。ただし、携帯電話事業の売上高を公表していない社については推計値を使用。

    出所:(一社)電気通信事業者協会及び総務省資料

    88,125

    89,022

    92,720 96,743

    1,171

    2,691

    3,825

    4,731

    5,685

    6,698

    7,505 8,140

    8,706 9,148

    9,648 10,170

    10,734 11,205

    11,630

    12,329

    13,276

    14,113

    1,020 2,088

    3,152

    4,153

    5,114

    6,114

    6,935 7,594

    8,192 8,700

    9,179 9,672

    10,272 10,749

    11,218

    11,954

    12,820

    13,604

    151 603 673 578 571 584 570 546 514 448 469 498 462 456 411 375 456 509

    268 359 484 5780

    20,000

    40,000

    60,000

    80,000

    100,000

    120,000

    0

    1,000

    2,000

    3,000

    4,000

    5,000

    6,000

    7,000

    8,000

    9,000

    10,000

    11,000

    12,000

    13,000

    14,000

    15,000

    96.3 97.3 98.3 99.3 00.3 01.3 02.3 03.3 04.3 05.3 06.3 07.3 08.3 09.3 10.3 11.3 12.3 13.3

    売上高

    全体

    携帯電話

    PHS

    MVNO(再掲)

    (万契約) (億円)

    4

  • 【図表Ⅰ-2 契約数の増減率(携帯 PHS/MVNO/全体)の推移】

    出所:(一社)電気通信事業者協会及び総務省資料

    携帯・PHSサービスを提供する各社の契約数の推移を見ると、2012年度末時点の契

    約数は、NTTドコモが 6,154万、KDDIが 3,771万、ソフトバンクモバイルが 3,248万、

    ウィルコムが 509万、イー・アクセスが 432万という順に多く、いずれの事業者も契

    約数を引き続き増やしている。2

    【図表Ⅰ-3 各社の契約数の推移】

    出所:(一社)電気通信事業者協会及び総務省資料

    2 なお、各社の解約率は、2012年度において、NTTドコモ 0.82%(対前年度比 0.22ポイント増)、KDDI0.63%(同

    0.01ポイント増)、ソフトバンクモバイル 1.09%(同 0.03ポイント減)となっている。

    42%

    24%20%

    18%

    12%

    8%7%

    5% 5% 5% 6% 4% 4%6%

    8%

    6%

    51%

    32%

    23%

    20%

    13%

    10%8%

    6% 6% 5% 6% 5% 4%7% 7%

    6%

    12%

    -14%

    -1%2%

    -2%-4%

    -6%

    -13%

    5%

    6%

    -7%

    -1%

    -10% -9%

    21%

    12%

    34% 35%

    19%

    -20%

    -10%

    0%

    10%

    20%

    30%

    40%

    50%

    60%

    98.3 99.3 00.3 01.3 02.3 03.3 04.3 05.3 06.3 07.3 08.3 09.3 10.3 11.3 12.3 13.3

    全体

    携帯電話

    PHS

    MVNO

    4,101 4,415

    4,633 4,882

    5,114 5,262 5,339 5,460

    5,6085,801

    6,013 6,154

    1,611 1,783

    2,059 2,313

    2,544 2,819

    3,034 3,084 3,187 3,300

    3,511 3,771

    1,223 1,396 1,500 1,504 1,521 1,591

    1,859 2,063 2,188

    2,5412,895

    3,248

    41 141 235 312 402 432

    294 298 290 303 389 453 462 456 411 375 456 509

    0

    1,000

    2,000

    3,000

    4,000

    5,000

    6,000

    7,000

    8,000

    02.3 03.3 04.3 05.3 06.3 07.3 08.3 09.3 10.3 11.3 12.3 13.3

    NTTドコモ

    KDDI(沖縄セルラー含む)

    ソフトバンクモバイル

    イー・アクセス

    ウィルコム(旧DDIポケット+旧アステル沖縄)

    (万契約)

    5

  • 携帯・PHSサービスの主要事業者の売上高を見ると、各社とも 2011年度に

    比べ増加している。その中で、NTT ドコモが4兆 4,701 億円(対前年度末比

    5.4%増)と最も大きな売上高となっており、ソフトバンクモバイルが2兆

    2,775億円(同 6.2%増)、イー・アクセスが 1,857億円(同 16.0%増)となっ

    ている。なお、KDDI については、2012 年度から移動通信事業のセグメント

    情報の公表をとりやめたことから下記の図表Ⅰ-4では契約数や ARPU を基

    にした推計値を用いている。

    【図表Ⅰ-4 各社の売上高の推移】

    出所:各社決算資料を基に総務省作成

    携帯・PHS サービスの主要事業者の営業利益について見ると、ソフトバン

    クモバイルが 9.0%増加しているのに対し、NTT ドコモ(対前年度末比 6.2%

    減)とイー・アクセス(対前年度末比 47.9%減)では減少している。なお、

    KDDIについては、売上高と同様に推計値を用いている。

    【図表Ⅰ-5 各社の営業利益の推移】

    出所:各社決算資料を基に総務省作成

    42,844 42,243 42,400 44,701

    26,501 25,907 27,270

    17,014 19,446

    21,449 22,775

    1,765 1,426 1,601 1,857

    0

    5,000

    10,000

    15,000

    20,000

    25,000

    30,000

    35,000

    40,000

    45,000

    50,000

    09年度 10年度 11年度 12年度

    NTTドコモ

    KDDI(au)

    ソフトバンクモバイル

    イー・アクセス

    (億円)

    8,342 8,447 8,745 8,200

    4,837 4,389

    4,192 2,609

    4,024 4,292 4,678

    -61 26 96 50

    -1,000

    0

    1,000

    2,000

    3,000

    4,000

    5,000

    6,000

    7,000

    8,000

    9,000

    10,000

    09年度 10年度 11年度 12年度

    NTTドコモKDDI(au)ソフトバンクモバイルイーアクセス(EM)

    (億円)

    6

  • 携帯・PHSサービスの主要事業者の ARPUを見ると、各社ともにデータ ARPU

    は増加しているものの、その一方で音声 ARPU が減少していることから、必

    ずしも総合 ARPU(音声 ARPU+データ ARPU)の伸びに結びついていない。

    【図表Ⅰ-6 各社の ARPU の推移】

    (注1) NTTドコモはスマート ARPU(420円)も含む。

    (注2) KDDIの 2012年度 ARPUは、「パーソナルセグメントの au通信 ARPU」を使用。音声 ARPUからは割引適用額(650円)

    を控除。

    出所:各社決算資料

    2,9002,530

    2,2001,730

    3,150 2,620

    2,020

    1,330

    2,050 1,890 1,650

    1,400

    2,450

    2,5402,670

    3,110

    2,260

    2,320

    2,490

    2,850

    2,020 2,310 2,510

    2,590

    5,3505,070

    4,870 4,840

    5,410

    4,940

    4,510

    4,180 4,070 4,210 4,150

    3,990

    0

    1,000

    2,000

    3,000

    4,000

    5,000

    6,000

    09年度 10年度 11年度 12年度 09年度 10年度 11年度 12年度 09年度 10年度 11年度 12年度

    NTTドコモ KDDI(au) ソフトバンクモバイル

    音声ARPU データARPU 総合ARPU

    7

  • 1-2 主要な事業者の動向

    (1) 携帯・PHSサービスを市場とした場合の市場集中度(HHI)3は、2012年度

    末時点で 3,189となっており、2011年度に比較して 79減少している。

    (2) 事業者別には、2012 年度末に KDDI が 26.7%に、ソフトバンクモバイルが

    23.0%に、それぞれ前年度末と比べてシェアを伸ばしているのに対し、NTTド

    コモが 43.6%にシェアを落としている。

    【図表Ⅰ-7 事業者別シェア及び市場集中度の推移】

    出所:(一社)電気通信事業者協会及び総務省資料

    3 公正取引委員会「企業結合審査における独占禁止法の運用指針」(平成 23年6月改定)においては、市場集中度

    について、次の考え方が示されている。

    ○垂直型企業結合の場合

    企業結合後:シェア 10%以下、又は HHI2,500以下(かつシェア 25%以下)・「競争を実質的に制限することとな

    るとは考えられない」

    企業結合後:HHI2,500以下(かつシェア 35%以下)・「競争を実質的に制限することとなるおそれは小さい」

    ○水平的企業結合の場合

    企業結合後:HHI 1,500以下、又は HHI 1,500超 2,500以下(かつ HHI増分 250以下)、又は HHI2,500超(か

    つ HHI増分 150以下)・「競争を実質的に制限することとなるとは通常考えられない」

    55.9% 54.6% 54.2% 53.5% 52.0% 49.7% 48.7% 48.2% 47.1% 45.3% 44.9% 44.6% 44.1% 43.6%

    22.6% 24.3% 25.7% 26.6% 27.8%28.3% 27.5% 27.4% 26.8%

    26.4% 26.5% 26.5% 26.6% 26.7%

    17.7% 17.7% 16.7% 15.9% 15.7% 17.3% 18.4% 18.8% 20.6% 21.8% 22.1% 22.3% 22.6% 23.0%

    3.8% 3.4% 3.4% 4.1% 4.5% 4.3% 4.1% 3.5% 3.0% 3.4% 3.5% 3.5% 3.6% 3.6%

    1.3% 2.0% 2.5% 3.0% 3.1% 3.1% 3.1% 3.1%

    3,966 3,903 3,926 3,855 3,756 3,594 3,500 3,461 3,386 3,268 3,246 3,228 3,208 3,189

    0

    1,000

    2,000

    3,000

    4,000

    5,000

    6,000

    7,000

    8,000

    9,000

    10,000

    0%

    10%

    20%

    30%

    40%

    50%

    60%

    70%

    80%

    90%

    100%

    03.3 04.3 05.3 06.3 07.3 08.3 09.3 10.3 11.3 12.3 12.6 12.9 12.12 13.3

    NTTドコモ KDDI ソフトバンクモバイル ウィルコム(旧DDIポケット+旧アステル沖縄) イー・アクセス HHI

    8

  • 第2項 移動系データ通信市場の分析

    2-1 基本データ(供給側データ)の分析

    2-1-1 市場の規模

    2012 年度における移動系データ通信市場の契約数は1億 4,161 万となってい

    る。売上高は6兆 2,576億円で、前年度と比べた増加率は 18.6%であった。

    【図表Ⅰ-8 契約数及び売上高の推移(データ通信)】

    (注) 契約数について、2012年 3月末までの数値は、競争評価 2011事業者アンケートに基づく数値であり、当該アンケート

    においては、原則として MVNO契約数を除いた MNO契約数の合算値。ただし、音声・データ通信専用といった区分では分

    計不可と回答があった一部の事業者については MVNOの契約数を含んでいる。2013年 3月末の数値は、電気通信事業報告

    規則(昭和 63年郵政省令第 46号)による報告に基づく数値であり、MVNO契約数を含んだ MNO契約数の合算値。

    出所:総務省資料、公表資料等及び競争評価 2011事業者アンケートを基に総務省作成

    40,813 45,379

    52,754

    62,576

    10,351

    11,173 12,330

    14,161

    10,336

    11,092

    12,103

    13,630

    15 81 227 531

    0

    10,000

    20,000

    30,000

    40,000

    50,000

    60,000

    70,000

    0

    2,000

    4,000

    6,000

    8,000

    10,000

    12,000

    14,000

    16,000

    10.3 11.3 12.3 13.3

    売上高

    契約数(全体)

    契約数(携帯・PHS)

    契約数(BWA)

    (万契約) (億円)

    9

  • 2-1-2 主要事業者の動向

    移動系データ通信市場の市場集中度(HHI)は、2012 年度末時点で 2,989

    となっている。同年度の市場シェアについては、NTT ドコモは 43.5%、KDDI

    は 23.9%、ソフトバンクモバイルは 22.4%、イー・アクセスは 3.0%などとなっ

    ている。

    【図表Ⅰ-9 契約数の事業者別シェア及び市場集中度の推移(データ通信)】

    (注) 契約数について、2012年 3月末までの数値は、競争評価 2011事業者アンケートに基づく数値であり、当該アンケート

    においては、原則として MVNO契約数を除いた MNO契約数の合算値。ただし、音声・データ通信専用といった区分では分

    計不可と回答があった一部の事業者については MVNOの契約数を含んでいる。2013年 3月末の数値は、電気通信事業報

    告規則による報告に基づく数値であり、MVNO契約数を含んだ MNO契約数の合算値。

    出所:総務省資料、公表資料等及び競争評価 2011事業者アンケートを基に総務省作成

    49.8% 48.0% 45.7% 43.5%

    27.6% 26.4% 25.4% 23.9%

    17.4% 19.7% 21.4%22.4%

    1.7% 1.7% 1.8%3.0%

    3.3% 3.4% 3.8% 3.5%

    0.1% 0.7% 1.8% 2.9%0.9%0.1%

    0.2% 0.2% 0.0%

    2,989

    0

    2,000

    4,000

    6,000

    8,000

    10,000

    0%

    10%

    20%

    30%

    40%

    50%

    60%

    70%

    80%

    90%

    100%

    10.3 11.3 12.3 13.3

    NTTドコモ KDDI ソフトバンクモバイルイー・アクセス ウィルコム UQコミュニケーションズ

    ワイヤレス・シティ・プランニング(13.3より) その他 HHI

    10

  • 【参考 グループ別シェア及び市場集中度(HHI)】

    なお、以下の参考1・2・3では、近年の移動系通信市場におけるグループ化

    の動向を踏まえ、個別の事業者単位に加えて事業者グループ単位の市場シェアと

    市場集中度(HHI)の試算を行っている。

    ※ 各市場・サービスにおけるグループ化の状況

    携帯・PHS (参考1)

    移動系データ通信 (参考2)

    携帯電話 (参考3)

    ソフトバンクモバイル ソフトバンク・ グループ 4

    ソフトバンク・ グループ

    ソフトバンク・ グループ イー・アクセス

    ウィルコム - ワイヤレス・シティ・プランニング - - KDDI KDDI

    グループ

    KDDI グループ

    KDDI グループ

    沖縄セルラー

    UQ コミュニケーションズ - -

    4 ソフトバンク・グループの最近の動き

    ①2013年度からの国際会計基準(IFRS)適用により、イー・アクセス及びワイヤレス・シティ・プランニングを

    連結子会社化する旨公表(2013年4月)、2013年度第1四半期では、両社を合算して決算値を公表(2013年7月)。

    http://www.softbank.co.jp/ja/news/press/2013/20130408_02/

    http://www.softbank.co.jp/ja/irinfo/library/presentation/

    また、ウィルコムの会社更生手続終結により、2013年度第2四半期より同社を連結子会社化(2013年 7月)。

    http://www.softbank.co.jp/ja/news/press/2013/20130701_01/

    ②イー・アクセスより、グループが保有する AXGP、LTE、W-CDMAの3つの周波数(トリプルネットワーク)に対

    応した端末を 2013年8月以降に発売すると発表(2013年5月)。

    http://www.eaccess.net/cgi-bin/press.cgi?id=1470

    ③米国の携帯電話事業第3位のスプリント・ネクステル・コーポレーションを買収。

    http://www.softbank.co.jp/ja/news/press/2013/20130711_01/

    さらに、米国で一般的な従量制料金プランに対し、データ通信量無制限・定額・低料金の新たな料金プランの導入

    を発表(2013年7月)。

    http://newsroom.sprint.com/news-releases/sprint-launches-unlimited-guarantee-and-new-unlimited-my-wa

    y-plan.htm 11

  • 【参考1: 携帯・PHSの場合(個社/グループ比較)】

    出所:総務省資料

    【参考2: データ通信市場の場合(個社/グループ比較)】

    出所:総務省資料

    43.6% 43.6%

    26.7% 26.7%

    23.0%29.7%

    3.1%3.6%

    3,189 3,496

    0

    1,000

    2,000

    3,000

    4,000

    5,000

    6,000

    7,000

    8,000

    9,000

    10,000

    0%

    10%

    20%

    30%

    40%

    50%

    60%

    70%

    80%

    90%

    100%

    個社 グループNTTドコモ KDDI(沖縄セルラー含む) ソフトバンクモバイル イー・アクセス ウィルコム(旧DDIポケット+旧アステル沖縄) HHI

    43.5% 43.5%

    23.9% 26.8%

    22.4%29.8%

    3.0%3.5%

    2.9%0.9%

    2,989 3,491

    0

    1,000

    2,000

    3,000

    4,000

    5,000

    6,000

    7,000

    8,000

    9,000

    10,000

    0%

    10%

    20%

    30%

    40%

    50%

    60%

    70%

    80%

    90%

    100%

    個社 グループ

    NTTドコモ KDDI ソフトバンクモバイル イー・アクセス ウィルコム UQコミュニケーションズ ワイヤレス・シティ・プランニング HHI

    12

  • 【参考3: 携帯電話の場合(個社/グループ比較) 】

    出所:総務省資料

    45.2% 45.2%

    27.7% 27.7%

    23.9% 27.0%

    3.2%

    3,394 3,546

    0

    1,000

    2,000

    3,000

    4,000

    5,000

    6,000

    7,000

    8,000

    9,000

    10,000

    0%

    10%

    20%

    30%

    40%

    50%

    60%

    70%

    80%

    90%

    100%

    個社 グループNTTドコモ KDDI(沖縄セルラー含む) ソフトバンクモバイル イー・アクセス HHI

    13

  • 2-1-3 データ通信専用サービス 5の動向

    移動系データ通信市場の拡大の背景には、スマートフォンの普及に加えて、デ

    ータ通信専用サービスの急速な拡大がある。同サービスには、タブレット端末を

    はじめ、モバイル Wi-Fi ルータ、データ通信カード、フォトフレーム、通信モジ

    ュールといった多様な通信機器が含まれる。使用する通信サービスは、携帯電話・

    PHSアクセスサービスと BWAアクセスサービスとに大別される。

    2012年度末時点のデータ通信専用サービスの契約数は 2,737万であった。その

    うち、通信モジュールを除く契約は、利用者のタブレット端末や Wi-Fi ルータ等

    のデータ通信専用端末等の2台目需要による部分が大きいと考えられる。また、

    895万を占める通信モジュールについては、エレベータ・自動販売機の遠隔監視、

    自動車のカーナビ等の機械同士の通信である M2M(Machine to Machine)通信、

    電力・ガスの検針など、多岐にわたる企業活動で利用されている。

    データ通信専用サービスの契約数の事業者別シェアの構成は、携帯・PHS サー

    ビスや移動系データ通信市場とは異なり、UQコミュニケーションズとイー・アク

    セスが一定のシェアを確保している(図表Ⅰ-12)。

    【図表Ⅰ-10 通信モジュール(M2M 含)の主な利用分野】

    5 モバイル Wi-Fiルータや通信モジュールなどのデータ通信のみのサービスを提供するもの。

    事業者名 用途

    NTTドコモ ITS、位置情報サービス、医療、遠隔監視(自販機、車両等)、カーナビ、教育、金融、セキュリティ端末、デジタルフォトフレーム、電力・環境エネルギー

    KDDI 遠隔監視(ガス、業務用車両、建設用クレーン等、工作機械・設備、自販機、車室内温度等、電力)、カーナビ、セキュリティ端末、ハンディターミナル(在庫管理やオーダー業務)

    ソフトバンクモバイル

    遠隔監視(エレベータ)、カーナビ、デジタルフォトフレーム

    ウィルコム 位置情報管理、遠隔監視(エレベータ、ガス、電力、パーキング)、カーナビ、コピー機、セキュリティ端末

    出所:競争評価 2012事業者アンケート

    14

  • 【図表Ⅰ-11 データ通信専用サービスの契約数の推移】

    (注) 契約数について、2012年 3月末までの数値は、競争評価 2011事業者アンケートに基づく数値であり、当該アンケート

    においては、原則として MVNO契約数を除いた MNO契約数の合算値。ただし、音声・データ通信専用といった区分では分

    計不可と回答があった一部の事業者については MVNOの契約数を含んでいる。2013年 3月末の数値は、電気通信事業報告

    規則による報告に基づく数値であり、MVNO契約数を含んだ MNO契約数の合算値。

    出所:総務省資料、公表資料等及び競争評価 2011事業者アンケートを基に総務省作成

    【図表Ⅰ-12 データ通信専用サービスの契約数の事業者別シェア(2012 年度末)】

    出所:総務省資料

    789

    1,116

    1,599

    2,737

    377

    540

    715

    895

    412

    576

    884

    1,842

    0

    500

    1,000

    1,500

    2,000

    2,500

    3,000

    10.3 11.3 12.3 13.3

    データ通信専用全体

    モジュール

    その他

    (万契約)

    NTTドコモ

    KDDI

    ソフトバンクモバイル

    イー・アクセス

    UQコミュニケーションズ

    その他

    0%

    20%

    40%

    60%

    80%

    100%

    15

  • 2-1-4 MVNO サービスの動向

    2012年度末時点のMVNOサービスの契約者数は1,091万で、対前年度末比で56.0%

    の増加を示している。その内訳を見ると、携帯・PHSサービスを利用しているもの

    が 578 万(同 19.5%増)であるのに対し、BWA サービスの利用が 513 万(同 138%

    増)となっている。また、MVNO の事業者数は、2012 年度末で延べ 354 社 6であっ

    た。

    なお、MVNOについては、後記の戦略的評価において「移動系通信市場における

    新規参入事業者の事業環境」の中で、特に取り上げて分析を行っている。

    【図表Ⅰ-13 MVNO サービスの契約数の推移】

    (注) MVNOの契約数は、電気通信事業報告規則に基づき MNOから報告のあった数値の単純合算値(延べ数)

    出所:総務省資料

    【図表Ⅰ-14 MVNO の事業者数の推移】

    (注) MVNOの事業者数は、電気通信事業報告規則に基づき MNOから報告のあった数値の単純合算値(延べ数)

    出所:総務省資料

    6 MVNO事業者数については MNO各社から報告された社数の合算値。このため、複数の MNOから回線の提供を受け

    ている MVNOについては、重複して計上されているものもある。

    248.7 279.6 300.2

    334.6 368.5

    428.2 467.0

    517.4

    600.0

    699.2

    800.9

    920.5

    1,010.0

    1,091.1

    244.4 267.7 282.9

    306.9 323.3 359.0 377.2

    407.9 444.3

    484.0 511.9

    538.5

    562.1 578.2

    4.4 11.9 17.3 27.7 45.2

    69.2 89.9 109.5

    155.7

    215.2

    289.0

    382.0

    447.9

    512.9

    0

    200

    400

    600

    800

    1,000

    1,200

    09.12 10.3 10.6 10.9 10.12 11.3 11.6 11.9 11.12 12.3 12.6 12.9 12.12 13.3

    全体

    携帯電話・PHS

    BWA

    (万契約)

    134 156

    167 175 188 200

    238

    261 278

    308 322 322

    345 354

    0

    50

    100

    150

    200

    250

    300

    350

    400

    09.12 10.3 10.6 10.9 10.12 11.3 11.6 11.9 11.12 12.3 12.6 12.9 12.12 13.3

    (事業者数)

    16

  • 2-2 基本データ(需要側データ)の分析

    2-2-1 料金等

    (1) NTT ドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルのデータ定額通信料金は、

    概ね各社横並びであるが、、各社ともスマートフォンの利用を前提とした

    フルブラウザ利用時の料金は、フィーチャーフォン時代より高めに設定

    されている。

    【図表Ⅰ-15 携帯電話料金(データ定額通信料)の推移】

    (注1) フルブラウザ利用時の料金は 5,985円となる。

    (注2) データ通信量は 7GBを上限として、上限超過後は速度制限。ただし、各社とも2GB当たり 2,625円の追加料金で速

    度制限を解除することが可能。

    (注3) Xiパケ・ホーダイ ライト プラン(3GBまではデータ通信量制限なし)

    (注4) 割引キャンペーンを適用することにより、最大2年間は月額 5,460円(割引期間終了後は、月額 5,985円)

    出所:各社 HP

    4,095 4,095 4,410

    5,460 5,985

    4,410 4,410 4,410

    5,460 5,985

    4,095 4,410 4,410

    5,460 5,985

    0

    1,000

    2,000

    3,000

    4,000

    5,000

    6,000

    2005年6月 2006年10月 2008年10月 2011年5月 2013年3月

    (フィーチャーフォン) (フィーチャーフォン) (フィーチャーフォン) (3Gスマートフォン) (LTEスマートフォン)

    データ定

    額通

    信料

    (円

    / 月)

    NTTドコモauソフトバンクモバイル

    2005年6月 2006年10月 2008年10月 2011年5月 2013年3月(フィーチャーフォン) (フィーチャーフォン) (フィーチャーフォン) (3Gスマートフォン) (LTEスマートフォン)

    NTTドコモ パケ・ホーダイ パケ・ホーダイ パケ・ホーダイ ダブル パケ・ホーダイ フラット※1 Xiパケ・ホーダイ フラット※2

    au ダブル定額ライト ダブル定額ライト ダブル定額ライト ISフラット※1 LTEフラット※2

    ソフトバンクモバイル

    デュアルパケット定額 パケットし放題 パケットし放題パケットし放題 for スマートフォン※1

    パケットし放題フラット for 4G LTE※2

    4,935※3

    5,460※4 5,460※4

    17

  • (2) フィーチャーフォンからスマートフォンへの移行の傾向が高まってい

    ることで、主要事業者3社のデータ ARPU についても全社上昇しており、

    利用者の支払うデータ通信料金は上昇傾向にあることがうかがえる。

    【図表Ⅰ-16 データ ARPU の推移】

    (注1) NTTドコモはスマート ARPU(420円)も含む。

    (注2) KDDIの 2012年度データ ARPUは、「パーソナルセグメントの au通信 ARPUのデータ」を使用。

    出所:各社決算資料

    【図表Ⅰ-16-2 携帯電話のデータ接続料の推移】

    出所:総務省資料

    2,450 2,5402,670

    3,110

    2,260 2,320 2,490

    2,850

    2,020 2,310

    2,510 2,590

    0

    500

    1,000

    1,500

    2,000

    2,500

    3,000

    3,500

    09年度 10年度 11年度 12年度 09年度 10年度 11年度 12年度 09年度 10年度 11年度 12年度

    NTTドコモ KDDI(au) ソフトバンクモバイル

    15,000 14,415

    12,567

    8,889

    5,372

    3,691

    12,672

    9,396

    7,458

    4,844

    2,846

    12,500 12,460

    10,720

    5,680

    0

    2,000

    4,000

    6,000

    8,000

    10,000

    12,000

    14,000

    16,000

    2007 2008 2009 2010 2011 2012(年度)

    ドコモ(レイヤ3)

    ドコモ(レイヤ2)

    KDDI(レイヤ3)

    (単位:千円/10Mbps・月)

    18

  • (3) データ通信料金について、データ通信量及び通信速度と比較したもの

    が図表I-17 である。主要な通信事業者の 3.9G の月額料金プランでは

    7GB を上限とするものが中心である一方、NTT ドコモではミドルユーザ

    ー向けの3GB のプランを提供している 7。なお、総務省において実施し

    たスマートフォン・ユーザのデータ使用量の試算では、利用者1人当た

    り月間 2.0GBが平均値であった。

    【図表Ⅰ-17 月額料金別のデータ通信量の比較(3.9G, BWA)】

    (注)総務省推計値。

    出所:各社 HP及び総務省資料

    7 ウィルコムは、データ通信量上限1GBで月額 2,980円の低価格プランを発表(2013年7月)。

    http://www.willcom-inc.com/ja/corporate/press/2013/07/04/index.html

    0

    1,000

    2,000

    3,000

    4,000

    5,000

    6,000

    7,000

    8,000

    0 2 4 6 8

    ミドル・ユーザ用サービス

    データ通信上限量(GB)

    データ通信月額料金(円) NTTドコモ

    KDDI ソフトバンクモバイル

    イー・アクセス

    スマートフォン利用者の平均データ通信量2.0GB(2012年度末) (注)

    19

  • (4) 通信速度については、最大通信速度(ベストエフォート)が 7-9Mbps

    の3G、40Mbps前後の BWAと3G、75Mbps以上の 3.9G(LTE)の3つのグ

    ループについて分析を行った。この3つのグループでは、最大通信速度

    が異なるものの、データ通信料はほとんどが月額 6,000 円程度となって

    おり、最大通信速度の違いに比して通信料金の差が小さいことが分かる。

    なお、図表Ⅰ-18上で線に囲われている領域は、各サービスの実効速度

    の平均値 8を指す。

    【図表Ⅰ-18 月額料金別の通信速度の比較】

    (注)イー・アクセスの 3G月額料金は、基本使用料を含む。

    出所:各社 HP及び民間事業者によるサンプル調査の分析結果を基に総務省作成

    8 民間事業者の調査結果に基づいた分析結果であり、実効速度のサンプル値を中央値の前後 80%の範囲で表示。調

    査概要は2-2-2サービス品質に記載の調査に同じ。

    0

    1,000

    2,000

    3,000

    4,000

    5,000

    6,000

    7,000

    8,000

    0 20 40 60 80 100 120

    データ通信速度(Mbps)

    データ通信月額料金(円) NTTドコモ

    KDDI ソフトバンクモバイル

    イー・アクセス

    3G,BWA3.9G

    <実効速度のサンプル調査結果>

    3G(7.2M ・9.2M・14M・21M)

    20

  • (5) 総務省の実施している内外価格差調査 9の 2011 年度の結果等によれば、

    スマートフォンの月額料金はフィーチャーフォンよりも高くなる傾向が

    世界的に見られる。また、2009 年度と 2011 年度の料金比較を実施した

    ところ、一部の例外を除き、音声通話料金は低下傾向にあるのに対し、

    データ通信料金 10は上昇傾向にあることが分かった。

    (6) なお、2012年度の内外価格差調査では、スマートフォンの一般的なユ

    ーザ(月間データ使用量 1.6GB)11とライトユーザ(同 500MB)12の月額

    料金の国際比較を実施している。その結果によれば、一般ユーザでは東

    京は調査対象の7都市中3位であったのに対し、ライトユーザについて

    は、東京は最も高い水準であった。

    9 http://www.soumu.go.jp/main_content/000173763.pdf 10 データ通信料金の情報を直接収集していないため、「音声・メール・データ通信増分(音声 99分を除いた金額)」

    をデータ通信料金の比較対象とした。なお、2009年度と 2011年度では、データ通信に関して想定しているユーザ

    の利用形態が異なっている。計算に用いた具体的な通信量は以下のとおり。

    2009年度:音声通話(月 99分)、メール送受信(月 355通(うち発信 140通))、データ(月 2MB(16,000パケッ

    ト))

    2011年度:音声通話(月 99分)、メール送受信(月 438通(うち発信 215通))、データ(月 155MB) 11 一般的なユーザとして、「音声月 57分、メール月 430通(うち発信 205通)、データ月 1.6GB」の利用形態を想

    定。 12 ライトユーザとして、「音声月 57分、メール月 430通(うち発信 205通)、データ月 500MB」の利用形態を想定。

    21

  • 【図表Ⅰ-19 携帯電話料金の国際比較】

    <2011年度のスマートフォン/フィーチャーフォンの月額料金の国際比較>

    <2009年度/2011年度の月額料金の国際比較>

    出所:総務省資料

    東京

    ニューヨーク

    ロンドン

    パリ

    デュッセルドル

    ストックホルム

    ソウル

    2,000

    3,000

    4,000

    5,000

    6,000

    7,000

    8,000

    9,000

    10,000

    2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000 9,000 10,000

    スマートフォン月額料金(円

    /月)

    フィーチャーフォン月額料金(円/月)

    携帯電話(音声・メール・データ利用) 購買力平価比較

    東京 ニューヨーク

    ロンドン パリ

    デュッセルドル

    ストックホルム

    ソウル

    0

    1,000

    2,000

    3,000

    4,000

    5,000

    0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000音声・メール・データ利用増分(音声

    99分を除いた金額

    )円/月

    音声のみ(99分)月額料金(円/月)

    携帯電話(音声・メール・データ利用) 購買力平価比較

    出所:総務省資料

    22

  • <2012年度の一般ユーザ・ライトユーザ別の月額料金の国際比較>

    出所:総務省資料

    東京 ニューヨーク

    ロンドン

    パリデュッセルドルフ

    ストックホルム

    ソウル

    0

    2,000

    4,000

    6,000

    8,000

    10,000

    0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000

    ライトユーザ(500

    MB)

    一般ユーザ(1.6GB)

    (円)

    (円)

    23

  • 2-2-2 サービス品質

    (利用サービスの動向)

    アンケート回答者が現在主に利用しているサービスは、NTTドコモ、KDDI、

    ソフトバンクモバイルの順に多く、いずれの社でも3Gサービスが多くを占め

    ている。

    【図表Ⅰ-20 利用しているデータ通信サービス】

    出所:競争評価 2012利用者アンケート

    39.46%

    24.63%17.41%

    8.48%

    4.47%

    3.55%

    0%

    10%

    20%

    30%

    40%

    50%

    60%

    NTTドコモ KDDI ソフトバンクモバイル

    3.9G3G

    (n=1,746)

    24

  • (通信速度(実効速度))

    民間事業者の実施したサンプル調査の分析結果によれば、最大通信速度(ベ

    ストエフォート)と一定の条件下における複数のユーザの実効速度分布を表し

    たのが図表Ⅰ-21である。これを図表Ⅰ-22のとおり、3G(7.2M・9.2M)の

    事業者別に見ると、実効速度の分布には差異が見られた。

    【図表Ⅰ-21 データ通信速度】

    (注)本調査 13は、調査対象の母集団、インターネット利用環境、サンプル数をはじめとした測定条件が確立される前の特定の条件下のものである。また、本実効速度は、サンプル値の一定(中央値に近い 80%)の分布を示したものであり、この幅を

    超えた実効速度も存在している。 出所:民間事業者によるサンプル調査(注)の分析結果

    【図表Ⅰ-22 データ通信速度のA社、B社、C社比較】

    (注)本調査 14は、調査対象の母集団、インターネット利用環境、サンプル数をはじめとした測定条件が確立される前の特定の条件下のものである。また、本実効速度は、サンプル値の一定(中央値に近い 80%)の分布を示したものであり、この幅を超えた実効速度も存在している。

    出所:民間事業者によるサンプル調査(注)の分析結果

    13 調査概要は以下のとおり。

    調査時期:2012 年 10 月~2013 年 2 月 ((株)Studio Radish による調査)。サンプル数:全 18 万 6 千サンプ

    ル(固定・移動含む)のうち、一部から作成。調査概要:Studio Radish の測定サーバ(東京と大阪の二か所)

    に、利用者端末からアクセスした際の下り速度を調査。同一の利用者が複数回の計測を行った場合には測定品質

    (速度が安定している程高い)が最も高い結果のみを利用。また、回線種別・速度等は、利用者の選択入力であ

    り実際の回線と一致していない場合がある(表示速度を超える実効速度は異常値として除外して集計)。 14調査概要は上記調査に同じ。

    0

    5

    10

    15

    3G(7.2M・9.2M) 3G(14M・21M)

    単位:Mbps

    80%のユーザの速度分布

    n=761 n=349

    0

    2

    4

    6

    8

    A社 B社 C社

    単位:Mbps

    80%のユーザの速度分布

    (n=730)

    25

  • (利用者満足度等)

    現在主に利用している通信サービス(移動)に対する満足度について、「非常

    に満足」と「満足」という回答の合計割合は約5割(49.6%)であった。それに

    対し、現在主に利用しているデータ通信サービスに対する同様の割合は約4割

    (40.5%)であった。なお、主要な事業者間では若干の差異が見られる。

    【図表Ⅰ-23 現在主に利用している通信サービス(移動)に対する満足度】

    出所:競争評価 2012利用者アンケート

    【図表Ⅰ-24 現在主に利用しているデータ通信速度(移動)に対する満足度】

    出所:競争評価 2012利用者アンケート

    45.5

    4.1

    40.2

    7.5

    2.6

    0

    20

    40

    60

    80

    100

    全体

    (n=1,841)NTTドコモ KDDI ソフトバンクモバイル

    満足している 非常に満足している どちらとも言えない 不満である 非常に不満である

    (%)

    37.3

    3.2

    45.9

    9.8

    3.7

    0

    20

    40

    60

    80

    100

    全体

    (n=1,841)NTTドコモ KDDI ソフトバンクモバイル

    満足している 非常に満足している どちらとも言えない 不満である 非常に不満である

    (%)

    26

  • 2-2-3 サービス変更コスト

    需要側に着目して事業者間の競争の状況を分析する上で、料金やサービス品

    質と並んで、利用者の他の事業者へのサービスの乗り換えの自由度を表すサー

    ビス変更コスト 15を測定することが重要である。

    (サービス変更コストの構成)

    一般的に携帯電話の利用者が他事業者の通信サービスに変更しようとした場

    合、転出手数料(2,100円=(b))及び新規契約事務手数料(3,150円=(c))を支

    払わなければならないほか、長期契約期間中に解約する場合には、解約事務手

    数料 16(9,975円=(a))が必要となる。これら3つの手数料(=(a)+(b)+(c))は、

    主要事業者3社で共通である。3手数料以外にサービス変更時に要するコスト

    は、利用している通信サービスの通信方式と保有している端末によって異なり、

    次の(1)と(2)の場合に分けられる。

    【図表Ⅰ-25 サービス変更コストの構成】

    15 サービス変更コストについて、総務省「電気通信事業分野における競争状況の評価に関する基本方針」(2012

    年2月)において、同コストに相当する「スイッチングコスト」を、サービスの乗り換えにかかる手間・費用・

    時間・心理的抵抗などのコストのことと定義している。なお、同基本方針において、電気通信サービスはネット

    ワーク効果が大きく、新規顧客の囲い込み競争を刺激する側面があるが、スイッチングコストの存在が他のサー

    ビスや他事業者への乗り換えを困難とする競争制限的な側面も存在すると指摘している。 16 携帯電話各社は、1年又は2年を契約期間とする料金プランを提供しており、期間中に契約解除を行う場合は

    解約手数料を支払う必要がある。その金額は、2年の契約条件の場合、概ね 9,975円となっている。

    ※ 当該ケースは、通信キャリアのみを変更(保有の端末を保持したままサービス移行)の意向を持つ者を前提にしており、特定の通信キャリアが提供する端末を利用したいために、サービス変更する者等は対象としていない。また、移行先で保有端末を使用できない場合は、新規端末を購入することになる。

    ③学割等のキャンペーン割引等適用

    解約事務手数料(a)

    転出手数料(b)

    新規契約事務手数料(c)

    SIMロック解除事務手数料(d)

    新規端末購入費【A】

    ②端末相当分の割引等適用

    9,975円

    2,100円

    3,150円

    3,150円

    18,375円

    15,225円

    NTTドコモ→SBM

    (a)+(b)+(c)+(d)

    (a)+(b)+(c)+【A】

    (a)+(b)+(c)

    ①各種手数料及び新規端末購入費

    27

  • (1) 端末を変更せずに他事業者のサービスに変更することが 17可能である場合

    現在契約中の事業者が端末の SIMロック解除に応じている場合、利用者は

    所要の事務手数料(3,150 円=(d))を当該事業者に支払って SIM ロック解除

    を行うことで、他の事業者のサービスに変更しても端末を継続して利用する

    ことができる。その前提として、転入先の事業者の通信方式が同一である必

    要があり、その時のサービス変更コストは次の値になる。

    [解約事務手数料]+[転出手数料]+[新規契約事務手数料]+ [SIM ロック解除手数料]

    =(a)+(b)+(c)+(d)= 18,375円

    (2) 端末を変更せずに他事業者のサービスに変更することが不可能である場合

    現在契約中の事業者が SIMロック解除に応じていない場合及び転入先の事

    業者の通信方式が異なる場合は、新規の端末を購入する必要がありその費用

    を負担しなければならないことから、サービス変更コストは次の式で表すこ

    とができる。この場合、サービス変更コストの金額は各事業者が販売する端

    末価格に依存しており、転出元と転入先とによって異なる。

    [解約事務手数料]+[転出手数料]+[新規契約事務手数料]+ [新規端末購入費]

    =(a)+(b)+(c)+【A】

    (サービス変更コスト等の試算)

    (3) 各種手数料及び新規端末購入費の試算【段階①】

    主要3事業者間でのサービス変更について検討した場合、前記(1)に適

    合するケースは限られており、NTTドコモからソフトバンクモバイルに転出

    するときがほとんどである。そこで(2)の場合を前提として、以下におい

    てサービス変更コストを試算する。

    事業者ごとに発売している端末の数と機種が多種多様であり、新規端末購

    入費には3~8万円と幅広い価格帯があることに注意を要する。その結果と

    して、転入先の違いでサービス変更コストに差が生じる。

    17 携帯電話事業者は、自社が販売する端末の一部について、自社が発行する SIM(Subscriber Identity Module)

    カード(携帯電話事業者が発行する利用者識別用の ICカード)が差し込まれた場合にのみ端末が動作するよう設

    定しており、これを「SIMロック」という。総務省では、海外渡航時や番号ポータビリティ制度の利用時など、利

    用者の SIMロック解除に対する要望を踏まえ、2010年6月に「SIMロック解除に関するガイドライン」を策定し

    ている。当該ガイドラインにおいては、事業者の主体的な取組により、「平成 23年度以降新たに発売される端末

    のうち、対応可能なものから SIMロック解除を実施する」旨述べた上で、自社で販売する以外の端末を使用する

    利用者への役務提供、説明責任、通信サービスの不具合、端末の故障への対応等について定めている。

    28

  • 主要3事業者間のサービス変更コストの関係を整理したのが図表Ⅰ-27中

    の①であるが、(1)の場合の 18,375円(NTTドコモからソフトバンクモバ

    イルへ転出するケース等)を除くと、サービス変更コストは 45,000~82,000

    円程度となる。

    【図表Ⅰ-26 各社の端末価格例】

    出所:各社 HP

    (注) 上表中の端末名とその価格は、各携帯事業者の Webサイト(オンラインショップ)からの抜粋情報。

    平均価格は、2013年5月時点に掲載されていた端末(購入可能なもの)から算定。

    29

  • 【図表Ⅰ-27 各社の端末価格例】

    (注1)上記の例では、KDDIのみ通信方式が異なっている。

    (注2)ソフトバンクモバイルから NTTドコモへのサービス変更の場合に、一部新規端末購入費が不要な場合がある。

    出所:公表資料等を基に総務省推計

    (4)端末価格に対応した割引等適用

    端末価格の各社平均は 30,000~66,000円程度であるが、携帯通信事業者は端末

    価格に対応した金額を月額料金から割り引くことを行っており 18、その金額は

    26,000~42,000円程度に上る。この端末価格相当の割引等を考慮したのが図表Ⅰ

    -27中の②であるが、サービスの変更に伴う負担額は 500~19,000円程度まで圧

    縮される。このとき、(1)の「SIMロックの解除が可能である」ことの優位性が

    失われていることに注意を要する。

    18 NTTドコモは、2013年夏モデルのスマートフォンのうち特定2機種について端末価格からの特別割引及びプロ

    モーションを重点的に行う計画(通称「2トップ戦略」)を発表(2013年5月)。

    http://www.nttdocomo.co.jp/corporate/ir/binary/pdf/library/presentation/130515/new_product_presentat

    ion_130515.pdf

    転入先転出元 NTTドコモ KDDI SBM

    NTTドコモ 534 18,375

    KDDI 13,124 19,055

    SBM 13,124 534

    ① 各種手数料及び新規端末購入費

    ③ 学割等のキャンペーン割引適用

    転入先転出元 NTTドコモ KDDI SBM

    NTTドコモ ▲34,746 ▲17,885

    KDDI ▲52,756 ▲17,205

    SBM ▲52,756 ▲34,746

    転入先転出元 NTTドコモ KDDI SBM

    NTTドコモ 58,855 18,375

    KDDI 81,738 45,657

    SBM 81,738 58,855

    ② 端末相当分の割引等適用

    (円)

    (円)

    (円)

    30

  • (5)学割等のキャンペーン割引適用

    事業者は、前記(4)の端末価格に対応した割引等以外にも、特定の利用者を

    対象とした様々な割引を実施している。その代表例である学生割引以外にも、番

    号ポータビリティ(MNP)の利用による新規加入割引、基本料やタブレット導入割

    引、公衆無線 LAN サービスの無料提供、スマートフォンのアプリ無料提供等が行

    われている。また、各販売代理店等が独自のキャッシュバックキャンペーンを行

    っている場合もある。

    図表Ⅰ-27中の③では、前記(4)に加えて、典型的なキャンペーンである学

    生割引やMNPによる新規加入割引として36,000~66,000円程度が利用者に還元さ

    れることを前提に試算しているが、その結果として、サービス変更を行う利用者

    の実質的な負担額は合計でゼロを下回ることが分かった。

    【図表Ⅰ-28 各社の MNPキャンペーン概況】

    (注1)2013年 3月~5月時点の代表的なキャンペーンについて記載。

    (注2)各種割引は、学生、学生の家族、年齢制限等の適用条件があるものがある。

    (注) 各事業者が提供するMNPに伴う利用料還元キャンペーンに基づくものであり、毎月の端末の分割払い金に相当する額等を通信料から割り引くサービス(月々サポート、毎月割、月月割等)は考慮されていない(2013年3月時点)。

    事業者

    端末分割払い金に相当する額等に相当する割引【B】

    学割等のキャンペーン【C】

    通信料からの定期的な割引

    端末代金割引月々の基本使用料無料

    備考

    ドコモ月々サポート

    (平均:41,847円)

    デビュー割(最大67,200円割引)(平均16,767円)

    学生家族いっしょ割(最大1万円割引)(平均10,000円)

    応援学割(最大3年)(最大1,830円×36ヶ月)

    月々サポートとデビュー割は機種によっていずれか一方が適用

    KDDI毎月割

    (平均28,486円)

    ・誰でも割加入による端末割引(最大42,000円割引)(平均20,421円)

    ・U25スマホ割(上記に加え10,500円割引)(平均9,414円)

    ・ウェルカム割(最大2年)

    ・学割(最大3年)(最大980円×36ヶ月)

    ウェルカム割と学割はいずれか一方のみ選択

    SBM月月割

    (平均26,602円)-

    ・スマホタダ割(最大2年)

    ・ホワイト学割with家族(最大3年)(最大980円×37ヶ月)

    スマホタダ割とホワイト学割with家族はいずれか一方のみ選択

    出所:公表資料等を基に総務省推計

    31

  • (SIMロック解除の普及状況)

    2011 年度より、NTT ドコモ及びソフトバンクモバイルによる SIM ロック解除の

    自主的な取組が開始された 19。2012年度末における SIMロック解除可能な端末の

    種類数は、当該年度に発売された種類数 114のうち、55(48.2%)であった(図表

    Ⅰ-29)。事業者別の SIM ロック解除端末の割合では、イー・アクセスが 100%、

    NTT ドコモが 98.0%、ソフトバンクモバイルが 4%、KDDI20は 0%となっている(図

    表Ⅰ-30)。

    図表Ⅰ-31 のとおり、利用者アンケート結果によれば、SIM ロックの認知度は

    「聞いたことはある」も含めれば 74%程度であったのに対し、SIMロック解除の意

    向のある利用者は「将来解除予定」を含めても 14%程度にとどまった。また、SIM

    フリー端末の購入の意向については、「将来購入予定」を含めて関心を持っている

    利用者の割合は 22%程度であった。

    なお、SIM ロックを解除したことがある又は将来解除する予定のある利用者が

    挙げた、SIM ロック解除の理由としては「利用している端末を他の国内携帯電話

    会社(MVNO含む。)の SIMで利用するため」が 43%と最も高かった(図表Ⅰ-32)。

    【図表Ⅰ-29 端末種類数及び SIMロック解除可能な端末の種類数】

    出所:競争評価 2012事業者アンケート

    19 実際には、2011年度以前においても、イー・アクセス及びノキアにおいて SIMフリー端末等が販売されている。 20 3Gの無線アクセス方式として、NTTドコモやソフトバンクモバイルは W-CDMA を採用しているのに対し、KDDI

    では CDMA2000の規格を採用しており、通信方式が異なっている。

    0 3

    78

    55

    119 142

    65

    59

    119

    145 143

    114

    0.0%2.1%

    54.5%48.2%

    0.0%

    10.0%

    20.0%

    30.0%

    40.0%

    50.0%

    60.0%

    0

    30

    60

    90

    120

    150

    09年度 10年度 11年度 12年度SIMロック解除可能な端末の種類数 その他の端末の種類数 SIMロック可能な割合

    32

  • 【図表Ⅰ-30 事業者別の SIM ロック解除可能な端末の取扱状況】

    出所:競争評価 2012利用者アンケート

    【図表Ⅰ-31 SIM ロックの認知度等】

    出所:競争評価 2012利用者アンケート

    3

    9

    6

    2

    1

    67

    48

    7

    4

    40

    47

    31

    24

    30

    35

    34

    34

    42

    56

    1

    0 10 20 30 40 50 60 70 80

    09年度

    10年度

    11年度

    12年度

    09年度

    10年度

    11年度

    12年度

    09年度

    10年度

    11年度

    12年度

    09年度

    10年度

    11年度

    12年度

    イー・アクセス

    ソフトバンクモバイル

    KDDI

    NTTドコモ

    SIMロック解除可能な端末の種類数

    その他の端末の種類数

    2.44%

    2.72%

    19.07%

    2.66%

    11.41%

    54.92%

    16.62%

    85.88%

    26.02%

    78.27%

    0% 20% 40% 60% 80% 100%

    SIMフリー端末購入の意向

    SIMロック解除の意向

    SIMロックの認知度

    よく知っている 聞いたことはある 聞いたことが無い

    解除したことがある

    解除したことは無いが、

    将来解除予定

    解除したことは無く、

    将来の解除予定も無い

    購入したことはあるが、

    現在利用していない

    購入したことがあり、

    現在利用している

    購入したことは無いが、

    将来購入予定購入したことは無く、

    将来の購入予定も無い

    33

  • 【図表Ⅰ-32 SIM ロック解除を行った理由】

    出所:競争評価 2012利用者アンケート

    (その他のコスト)

    現在の携帯電話契約で一般化している長期継続割引の自動更新については、利

    用者の負担するサービス変更コストとして直接算定することが難しいが、利用者

    の選択を制限する間接的な負担の要素となりうる。そこで、その認知度に関する

    利用者アンケートを実施したところ、「知っていた」が約6割であった。

    【図表Ⅰ-33 長期継続割引の自動更新に関する認知度】

    出所:競争評価 2012利用者アンケート

    43.08%

    27.69%

    19.23%

    20.38%

    0% 10% 20% 30% 40% 50%

    利用している端末を他の国内携帯電話会社(MVNO含む)のSIMで利用するため(112)

    回線の契約とは別に入手した端末を現在利用している携

    帯電話会社(MVNO含む)のSIMで利用するため(72)

    利用している端末を海外の携帯電話会社(MVNO含む)のSIMで利用するため(50)

    その他(53)

    (n=260)

    60.51%39.49%

    知っていた(1114) 知らなかった(727)

    (n=1,841)

    34

  • 2-3 評価に当たっての勘案要素の分析

    2-3-1 上位レイヤーをレバレッジとしたネットワークレイヤーへの影

    (1) 移動系データ通信分野における上位レイヤーとして、プラットフォーム

    とコンテンツ・アプリケーションがある。フィーチャーフォン時代におい

    ては、携帯電話事業者が管理・運営するプラットフォーム上でコンテンツ・

    アプリケーション事業者がビジネスを展開する、携帯電話事業者による垂

    直統合型の事業展開が一般的であった。

    【図表Ⅰ-34 上位下位レイヤーの全体像】

    出所:公表資料等を基に総務省作成

    (2) しかしながら、近年フィーチャーフォンに代わってスマートフォンの普

    及が進んでいる。図表Ⅰ-35の民間調査会社の推計によれば、スマートフ

    ォンの契約数は 4,337 万となっており、データ通信専用サービスの項で触

    れたようにタブレット端末も普及していると考えられる。こうした高機能

    端末では、通常フルブラウザが搭載されているため、PCで普段利用してい

    るサイトへのアクセス等が容易である。その結果、携帯端末でのインター

    ネット利用に携帯電話事業者のポータルサイトの利用は必須ではなくなっ

    ていることもあり、当該携帯電話事業者の上位レイヤーへの影響力は薄れ

    つつある。

    端末レイヤースマートフォン: iPhone、BlackBerry、Xperia、Galaxy 等電子書籍端末:キンドル、リーダー、ガラパゴス、ビブリオ・リーフ、kobo等

    タブレット:iPad 、GALAXY Tab、Nexus7 等(電話機、デスクトップPC、ノートブック)

    端末系プラットフォーム

    レイヤー OS:(PC)Windows、Mac OS、Linux 等 (スマートフォン) Windows Phone、iOS、Android、BlackBerry OS

    Webブラウザ : Internet Explorer、Mozilla Firefox、Google Chrome

    クラウドコンピューティング

    通信レイヤー

    コンテンツ・アプリケーションの提供

    (動画)YouTube、ニコニコ動画、Ustream、Hulu、GyaO!、BeeTV、dビデオ powered by BeeTV、ビデオパス、選べるかんたん動画

    (音楽)iTunes、Google Play、 dマーケットMusicストア、LISMO Store、かんたんミュージック、レコチョク、Mora/Mora Touch、music.jp、dwango.jp

    Yahoo!JAPAN

    GoogleBinggoo

    検索

    FacebookTwitterGoogle+ mixiMobageGREE

    SNS

    (アプリマーケット) App Store 、Google Play、dマーケットアプリストア、 au Market 、Marketplace

    (ブログ)Ameba ブログ、livedoor blog

    コンテンツ・アプリケーション

    レイヤー音楽、映像、ゲーム、電子書籍、電子新聞 等

    サービス系プラットフォーム

    レイヤー

    データ通信

    音声通信

    公衆無線LAN

    PHS

    3G

    BWALT

    MVNOMVNOMVNOMVNO

    35

  • 【図表Ⅰ-35 スマートフォン契約数等の推移】

    出所:MM総研資料

    (3) そうした環境変化を反映して、PCサイトで利用率の高いプラットフォー

    ム事業者が移動系通信の分野でシェアを伸ばしている。総務省の実施した

    利用者アンケートによれば、音楽配信、アプリマーケット、動画配信、検

    索といった分野では、アップル又はグーグルが首位を独占しているのは図

    表Ⅰ-36のとおりである。国内事業者が一定のシェアを確保しているのは、

    検索分野でのヤフーと電子書籍の楽天 koboなどである。SNSではフェイス

    ブックやツイッター等の海外事業者のシェアが高い。

    (4) NTT ドコモの d マーケットアプリストア、KDDI のうたパスに代表される

    ように、携帯事業者も上位レイヤーの各分野に進出しているが、かつての

    垂直統合型の事業展開と比べると影響力は薄れている。なお、戦略的評価

    「市場間の連携サービスの利用動向」で見るように、携帯事業者は他業種

    への出資・業務提携を積極的に進めている。

    (5) プラットフォーム事業者が、非常に利用者に対する訴求力の高い上位レ

    イヤー又は下位レイヤーの事業者がネットワークレイヤーで利用可能な通

    信サービスを制限している場合には、隣接事業領域から通信レイヤーに対

    してレバレッジが働いていると考えられる。他方、代表的なプラットフォ

    ーム事業者であるグーグルのアプリは、図表Ⅰ-38のとおり主要なキャリ

    アの端末にプリインストールされており、逆に、グーグルが特定の携帯電

    話事業者のサービスを制限していることはない。

    (6) ただし iPhone端末では、SIMロック解除が実施されておらず、利用者が

    端末から切り離して通信サービスを自由に選択することは不可能となって

    いる。

    0

    1,000

    2,000

    3,000

    4,000

    5,000

    6,000

    7,000

    8,000

    9,000

    10,000

    11,000

    12,000

    13,000

    08年度末 09年度末 10年度末 11年度末 12年度末

    0%

    10%

    20%

    30%

    40%

    50%

    60%

    70%

    80%

    90%

    100%

    スマートフォン(SP) フィーチャーフォン(FP) SP比率(万件)

    契約数(万件) 08年度末 09年度末 10年度末 11年度末 12年度末

    フィーチャーフォン(FP) 10,172 10,212 9,957 8,736 7,324

    スマートフォン(SP) 120 315 955 2,568 4,337

    合計(FP+SP) 10,292 10,527 10,912 11,304 11,661

    SP契約比率 1.2% 3.0% 8.8% 22.7% 37.2%

    見込 →

    36

  • 【図表Ⅰ-36 上位下位レイヤーのサービス提供状況・シェア】

    出所:公表資料及び競争評価 2012利用者アンケートを基に総務省作成

    上 位 レ イ ヤ ー 下 位 レ イ ヤ ー

    市場

    上位

    レイヤー(プ

    ラットフォーム)系

    ネットワークレイヤー系

    (キャリア)

    海外

    事業

    者国

    内事

    業者

    App

    leG

    oogl

    eA

    maz

    onFB/

    MS

    キャリ

    ア以

    外ドコモ

    KD

    DI

    SB

    M

    音楽

    配信

    iTun

    es-

    amaz

    on.m

    p3-/

    -レコチョク

    dミュー

    ジック

    うたパス

    MU

    SIC

    BO

    X

    アプリマーケット

    App

    Sto

    reG

    oogl

    ePla

    yA

    maz

    onアプリス

    トア-/

    Win

    dow

    sSto

    re-

    dマーケットア

    プリストア

    auマーケット

    Yah

    oo!マ

    ーケット

    動画

    配信

    -You

    Tub

    e-

    -/-

    ニコニコ動画

    dビデオ・

    Bee

    TV

    ビデオパス

    ムービー

    LIFE

    検索

    -G

    oogl

    e-/

    Bin

    gYah

    oo!※

    オンラインショッピング

    --

    amaz

    on.c

    om-/

    -楽天

    dショッピング

    -(Y

    ahoo

    !ショッピ

    ング

    ※)

    電子

    書籍

    iBoo

    ksto

    reG

    oogl

    ePla

    yKin

    dleス

    トア

    -/-

    楽天

    Kob

    odブ

    ック

    LISM

    Oブック

    ストア

    ソフトバンクブッ

    クストア

    SN

    S-

    Goo

    gle+

    -Fa

    cebo

    ok/-

    mix

    i-

    (うたとも)

    -

    ネットワーク

    SB

    M/K

    DD

    I-

    --/

    --

    ドコモ

    KD

    DI

    SB

    M

    OS

    iOS

    And

    roid

    And

    roid

    -/W

    indo

    ws8

    -(A

    ndro

    id)

    (Win

    dow

    s)(A

    ndro

    id)

    (Win

    dow

    s)(iO

    S)

    (And

    roid

    )(iO

    S)

    ハード

    iPho

    ne/

    iPad等

    NEXU

    S7/

    10Kin

    dle

    Fire

    H

    D等

    -/(各

    社)

    --

    --

    70.4

    %7.

    7%5.

    2%

    39.3

    %46

    .9%

    6.8%

    3.9%

    2.3%

    85.2

    %5.

    7%

    46.9

    %37

    .2%

    18.4

    %2.

    7%12

    .2%

    15.6

    %

    42.6

    %10

    .2%

    30%~

    10%~

    %は

    スマートフォン

    利用に係る

    各市場内シェア

    ※ア

    プリマーケット市場の

    yaho

    o!マーケット、検索市場の

    Yaho

    o!、オンラインショッピング市場

    のya

    hoo!ショッピングについては、ヤフー株式会社の提供サービスです。

    37

  • 【図表Ⅰ-37 上位レイヤーの各サービス分野における事業者別シェア(音楽配信、

    アプリマーケット、検索、動画配信)】

    <音楽配信 21>

    出所:競争評価 2012利用者アンケート

    <アプリマーケット>

    出所:競争評価 2012利用者アンケート

    21 右図のキャリア別シェアについて、NTTドコモに iTunesがあるが、これは NTTドコモの回線を契約している者

    が、例えば iPad、iPod等を用いて当該サービスを利用している可能性がある。

    70.4%

    73.7%

    3.4%

    0.5%

    7.7%

    8.1%

    5.2%

    6.5%

    12.0%

    9.7%

    1.3%

    1.6%

    0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

    2012年度

    2011年度

    iTunes Amazon mp3 レコチョク LISMO Music その他(国内系) その他

    (n=186)

    (n=233)

    0%

    20%

    40%

    60%

    80%

    100%

    NTTドコモ(n=65)

    KDDI(n=67)

    ソフトバンク

    モバイル

    (n=96)iTunes レコチョク dマーケットMUSICストア,LISMO Music

    46.9%

    49.4%

    39.3%

    39.0%

    0.8%

    2.0%

    6.8%

    3.2%

    2.3%

    2.3%

    3.9%

    4.0%

    0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

    2012年度

    2011年度

    Google Play App Store その他(海外系) dマーケットアプリストア Yahoo!マーケット au Market

    (n=488)

    (n=346)

    0%

    20%

    40%

    60%

    80%

    100%

    NTTドコモ(n=193)

    KDDI(n=148)

    ソフトバンク

    モバイル

    (n=137)App Store Google Play キャリアアプリストア

    38

  • <検索>

    出所:競争評価 2012利用者アンケート

    <動画配信>

    出所:競争評価 2012利用者アンケート

    46.9%

    47.0%

    0.7%

    1.4%

    37.2%

    35.3%

    11.8%

    14.4%

    3.2%

    1.4%

    0.2%

    0.5%

    0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

    2012年度

    2011年度

    Google その他(海外系) Yahoo! 携帯電話会社(MVNO含む)の公式サイト その他(国内系) その他

    (n=591)

    (n=430)

    0%

    20%

    40%

    60%

    80%

    100%

    NTTドコモ(n=250)

    KDDI(n=171)

    ソフトバンク

    モバイル

    (n=157)Google Yahoo! キャリア公式サイト

    85.2%

    87.4%

    4.0%

    1.6%

    5.7%

    6.0%

    4.4%

    4.7%

    0.7%

    0.3%

    0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

    2012年度

    2011年度

    Youtube その他(海外系) ニコニコ動画 その他(国内系) その他

    (n=454)

    (n=317)

    0%

    20%

    40%

    60%

    80%

    100%

    NTTドコモ(n=168)

    KDDI(n=138)

    ソフトバンク

    モバイル

    (n=137)Youtube ニコニコ動画

    39

  • 【図表Ⅰ-38 スマートフォンへのアプリのプリインストール状況】

    (注1) NTTドコモ 23機種、KDDI17機種、ソフトバンクモバイル 13機種、計 53機種(2012年 5月(2012年夏モデル)以降に発売さ

    れた端末中心)を調査。

    (注2) 各サービス分野において、最もプリインストール率の高いアプリを採用。

    出所:競争評価 2012利用者アンケート

    95.7%

    100.0%

    95.7%

    100.0%

    91.3%

    56.5%

    94.1%

    94.1%

    94.1%

    88.2%

    94.1%

    5.9%

    92.3%

    92.3%

    92.3%

    92.3%

    92.3%

    61.5%

    0%

    10%

    20%

    30%

    40%

    50%

    60%

    70%

    80%

    90%

    100%

    SNS(Google+)

    検索(google)

    動画・音楽

    (YouTube)

    アプリストア

    (Google Play)

    地図

    (Googleマップ)

    電子書籍

    (Play ブックス)

    NTTドコモ

    KDDI

    ソフトバンクモバイル

    <Google系アプリ>

    40

  • 2-4 移動系超高速ブロードバンド市場の分析 22

    2-4-1 基本データ(供給側データ)の分析

    2-4-1-1 市場の規模

    2012年度末時点の 3.9Gの契約数は 2,036万、BWAの契約数は 531万となって

    いる。それぞれを前年度末の契約数と比較すると 8.9 倍、2.3 倍と急激に増加

    したことが分かる。その推移を示したのが図表Ⅰ-39である。また図表Ⅰ-40

    のとおり、四半期毎の増加率は立ち上がり期から比べると低下しつつあるもの

    の、依然として高い水準にある。

    移動系超高速ブロードバンドサービスの拡大の背景として第一に挙げられる

    のが、3.9Gに対応したスマートフォンの急速な普及である。前出のとおり、2012

    年度末時点のスマートフォンの契約数は 4,337 万に達している。第二に、スマ

    ートフォンに続き、タブレット端末や Wi-Fi ルータを含むデータ通信専用サー

    ビスの増加がさらに両サービスの契約数を押し上げている。第三に、2012年9

    月に KDDI とソフトバンクモバイルが 3.9G サービスを開始したばかりであり、

    既存のフィーチャーフォンのユーザからの移行が進んでいることが挙げられる。

    このように 3.9Gと BWAは、これまで分析してきた他の移動系データ通信サー

    ビスの中にあって、契約数の増加が際立っているだけでなく、他の移動系デー

    タ通信サービスと比べて最大通信速度や利用方法が大きく異なることから、両

    サービスを合わせて「移動系超高速ブロードバンド市場」という部分市場とし、

    2012年度の競争評価から分析・評価の対象としていくこととしている。

    【図表Ⅰ-39 契約数(移動系超高速ブロードバンド)の推移】

    出所:総務省資料

    22 移動系超高速ブロードバンドは、3.9G及び BWAをもって構成する。

    15.3 21.7 34.053.0 83.7 115.7

    163.3 283.6460.1

    666.4

    1,130.2

    1,828.7

    2,567.4

    15.3 21.7 34.052.9 81.1 103.6

    124.4 169.6230.4

    304.7 401.3

    465.9531.3

    0.1 2.6 12.1 38.9 113.9229.7

    361.7

    728.9

    1,362.8

    2,036.2

    0

    500

    1,000

    1,500

    2,000

    2,500

    3,000

    10.3 10.6 10.9 10.12 11.3 11.6 11.9 11.12 12.3 12.6 12.9 12.12 13.3

    合計 BWA 3.9G

    (万契約)

    41

  • 【図表Ⅰ-40 契約数(移動系超高速ブロードバンド)の増減率の推移】

    出所:総務省資料

    【図表Ⅰ-41 LTE 対応デバイスの出荷台数】

    出所:米国 Strategy Analytics調べ

    41.9%57.1% 55.4% 53.5%

    27.7% 20.1%36.4% 35.8% 32.2% 31.7%

    16.1% 14.0%

    374.6%

    220.1%

    193.2%

    101.6%

    57.4%

    101.5%

    87.0%

    49.4%

    0%

    50%

    100%

    150%

    200%

    250%

    300%

    350%

    400%

    10.6 10.9 10.12 11.3 11.6 11.9 11.12 12.3 12.6 12.9 12.12 13.3

    BWA

    LTE

    (LTE増減率)

    1986.6%(11.3時点)

    680

    6,700

    0

    1,000

    2,000

    3,000

    4,000

    5,000

    6,000

    7,000

    8,000

    2011年 2012年

    LTE対応スマートフォン/携帯電話

    見込 →

    (万台)

    42

  • 2-4-1-2 事業者別シェア及び市場集中度

    移動系超高速ブロードバンド市場の事業者別シェアは、NTTドコモ 23(45.0%)、

    KDDIグループ 24(31.7%)、ソフトバンクグループ 25(23.2%)の順に多い。この

    ように同市場の事業者グループ別のシェアと順位は、携帯・PHS サービスや移

    動系データ通信市場とは相違する。その理由としては、これまでのところ先行

    して参入した事業者が高いシェアを維持してきたことや、2012年度になって後

    発的に参入した携帯電話事業者が3G サービスの利用者と比べ相対的に少ない

    シェアしか獲得できていないといったことがある。

    移動系超高速ブロードバンド市場の市場集中度(HHI)は 3,57326で、移動系

    データ通信市場の 2,989 とほぼ同程度である。現在は、多くの事業者がエリア

    拡大を続けている過渡期にあり、また、対応端末も増加していることから、端

    末の買い替え等により、今後も市場シェアが変動していくことが�