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ハイパーカミオカンデ用 ハイブリッド光検出器開発 実証試験に向けた特性評価 須田 祐介 (東京大) 日本物理学会 第68回年次大会 2013327日 広島大学 1 西村康宏 A , 廣田誠子 B , 亀谷功 A , 立石圭児 B , 相原博昭, 横山将志, 小汐由介 A , 塩澤真人 A , 鈴木洋一郎 A , 関谷洋之 A , 中畑雅行 A , 中山祥英 A , 早戸良成 A , 三浦真 A , 中家剛 B , 大村孝 C , 河合克彦 C , 鈴木正俊 C , Mark Robert Vagins D , Hyper-Kamiokande working group 東大理, 東大宇宙線研 A , 京大理 B , 浜松ホトニクス C , Kavli IPMU D 1348日月曜日

実証試験に向けた特性評価hep.phys.s.u-tokyo.ac.jp/~yusuke/YusukeSUDA_68th_JPS...ハイパーカミオカンデ用 ハイブリッド光検出器開発 実証試験に向けた特性評価

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ハイパーカミオカンデ用ハイブリッド光検出器開発

実証試験に向けた特性評価須田 祐介 (東京大)

日本物理学会 第68回年次大会 2013年3月27日 広島大学1

西村康宏A, 廣田誠子B, 亀谷功A, 立石圭児B, 相原博昭, 横山将志, 小汐由介A, 塩澤真人A,

鈴木洋一郎A, 関谷洋之A, 中畑雅行A, 中山祥英A, 早戸良成A, 三浦真A, 中家剛B, 大村孝幸C, 河合克彦C, 鈴木正俊C, Mark Robert VaginsD, Hyper-Kamiokande working group

東大理, 東大宇宙線研A, 京大理B, 浜松ホトニクスC, Kavli IPMUD

13年4月8日月曜日

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優れた1光電子識別能力高い打ち込みゲイン

Total&gain&~4x104&&&×&������

�� �����

������

�� ����

Metal dynode�

~1kV ~8kV

Avalanche Diode (AD) = APD without photocathode�

x ~ 5 � × ~400

~260V

× ~100 �������

ΔV ~ -260V

�������

Amp�

PMT HPD

~-300

~300

ハイブリッド光検出器(HPD)とは... Hybrid Photo-Detector

~300 ~200~6

60ns

5mV

1p.e.

2p.e.

3p.e.

4p.e.

5p.e.

波形

打ち込みゲイン~15~2kV

優れた時間分解能高電圧・短い経路長

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目的

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• ハイパーカミオカンデでのHPDの実用性を評価するため8”と20” HPDの水中実証試験を予定している• 実証試験用の8” HPDが完成

*ハイパーカミオカンデにおける完成版ではない

実証試験で使用する8” HPDの基本的な性能を測定し、Super-Kの20” PMTと比較するなどして実証試験での使用に耐える性能を持つかを調べる

1p.e.分解能、TTS、ダークレート、レート耐性、リニアリティ測定項目

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セットアップ今回の性能評価はVME ADC

やオシロスコープを用いて測定した

PowerSupply

暗箱

レーザーダイオード(λ=420nm, 69psパルス幅)

信号線ゲート幅200nsec

optical fiber

VME ADC

GateGenerator

Clock

LightSource

HPD

PCVME ADCでの測定例

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ADC520 540 560 580 600 620 640 660 6800

50

100

150

200

250

300

350

1p.e. 分解能

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1p.e.分解能=(1p.e. sigma)/(1p.e. peak)

優れた1光電子識別能力を持つ

ハイパーカミオカンデでは低エネルギー物理もターゲットであるため高い1光電子識別能力が必要

ped.

1p.e.分解能 ~12%

1p.e.

20” PMT

8” HPD

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Multi p.e.分解能

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ped.

5p.e.

4p.e.3p.e.2p.e.

1p.e.

電荷量(pC) 分解能が光電子数の統計に従っている

低エネルギー(1p.e.~4p.e.)

において線形性がある

1 432 p.e.

分解能0.26

0.14

0.10

0.18

0.22

1 2 3 4p.e.

3025201510

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TTS...Transit Time Spread

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ベースラインから波高の25%に到達するまでの時間(Transit Time)を測定

1p.e. TTSσ=0.86ns

(SKの20” PMTの1p.e. TTS ~2.2ns)

優れた時間分解能を持つ

オシロスコープで波形を取得して解析

25%

精度の良いvertex再構成のために高い時間分解能が必要

光源と同期したトリガー

8”HPD

光源から光子が放出されてから信号として出力されるまでの時間ゆらぎ

Transit Time

TTSが小さい⇒時間分解能◎

-4 -2 0 2 4 ns

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TTS vs. 光電子数

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光電子数の増加に伴い時間分解能が良くなる

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ダークレート

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SKの20”PMT: ~4kHz

(threshold 0.25p.e., ~13℃)

~2kHz

光が無い状態でthresholdを変えスケーラーで計測

実証試験やHyper-Kではセルフトリガーによってデータ取得が行われるため低いノイズレートが必要

SK20”PMTと同程度

タンクにつけた場合さらに少なくなると見込まれる

1p.e.

2010

~24℃

Threshold (mV)

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500kHzまで5%の範囲で出力は一定

実証試験での使用に問題は無い500kHz

63p.e.

44p.e.

レート耐性超新星爆発のような光が高頻度で発生するような現象を見

るためには高い発光レートに対する耐性が必要

光源の発光レートを変えて測定

1p.e. ~8pC

±5%

(500kHz以上での振る舞いはアンプによるもの)

±5%

pCpC

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リニアリティ

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幅広い領域の物理現象を見るためには幅広い光電子数に対して出力が線形であることが必要

高エネルギー領域で線形性あり

(アンプの最大出力電圧~1Vにより制限がかかる(15mV/p.e.))

60p.e.

HPDと一緒にAPDを光源モニターとして使用し、光量を変えて測定

実証試験での使用に問題は無い

横軸はAPDのADC値を光電子数に変換したもの縦軸はHPDのADC値

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まとめ

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実証試験用 8” HPD1p.e.分解能 ~12%時間分解能 ~0.86nsダークレート ~2kHz @0.5p.e.

レート耐性 <500kHzリニアリティ 60p.e.程度以下

• ハイパーカミオカンデでのHPDの実用性を評価するため8”と20” HPDの水中実証試験を予定している

• 実証試験で使用する8” HPDの基本的な性能を調べた

• 実証試験用8”HPDは実証試験において使用できるレベルに達していることを確認した

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