22
発令 配偶者暴力相談支援センター ○ 相談又は相談機関の紹介 ○ カウンセリング ○ 緊急時における安全の確保 ○ 一時保護(婦人相談所) ○ 自立支援・保護命令利用・ シェルターの利用についての 情報提供・助言・関係機関 との連絡調整・その他の援助 委託 (医師等) 情報提供努力義務 ① 発見した者による通報 の努力義務 ② 医師等は通報すること ができる (被害者の意思を尊重 するよう努める) ○ 暴力の防止 ○ 被害者の保護 ○ 被害発生防止のために 必要な措置・援助 保護命令の申立て ・被害者の配偶者からの身体 に対する暴力 ・被害者の配偶者からの生命等 に対する脅迫 *配偶者暴力相談支援セン ター・警察への相談等が ない場合、公証人面前 宣誓供述書を添付 保護命令発令の通知 保護命令 被害者への接近禁止命令 子への接近禁止命令 親族等への接近禁止命令 電話等禁止命令 退去命令-(2か月) -(6か月) 民間団体 申立人の配偶者・元配偶者(事実婚を含む。)、生活 の本拠を共にする交際相手、元生活の本拠 を共にする交際相手 連携 配偶者暴力防止法の概要(チャート) 国や地方公共団体は・・・ 主務大臣(内閣総理大臣、国家公安委員会、法務大臣、厚生労働大臣)による基本方針の策定 都道府県・市町村による基本計画の策定(市町村については努力義務) *配偶者暴力相談支援センター への通知は、センターへの 相談等があった場合のみ 保護命令違反に対する罰則 1年以下の懲役 又は 100万円以下の罰金 福祉事務所 ○ 自立支援等 母子生活支援施設 への入所、保育所 への入所、生活 保護の対応、児童 扶養手当の認定 地裁の請求に基づく書面提出等 児童相談所 1

配偶者暴力防止法の概要(チャート)2,082 1,826 1,700 64 81 75 147 146 140 169 150 176 144 166 172 161 139 144 135 120 206 273 341 430 415 431 450 526 504 458 504 500

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Page 1: 配偶者暴力防止法の概要(チャート)2,082 1,826 1,700 64 81 75 147 146 140 169 150 176 144 166 172 161 139 144 135 120 206 273 341 430 415 431 450 526 504 458 504 500

発 令

連携

連携

配偶者暴力相談支援センター

○ 相談又は相談機関の紹介○ カウンセリング○ 緊急時における安全の確保○ 一時保護(婦人相談所)○ 自立支援・保護命令利用・

シェルターの利用についての情報提供・助言・関係機関との連絡調整・その他の援助

厚生労働大臣が定める基準を満たす者

(民間シェルター・母子生活支援施設

等)

委託

国 民

(医師等)

情報提供努力義務

① 発見した者による通報の努力義務

② 医師等は通報することができる(被害者の意思を尊重するよう努める)

警 察

○ 暴力の防止○ 被害者の保護○ 被害発生防止のために

必要な措置・援助

相 談

援 助

保 護

保護命令の申立て

・被害者の配偶者からの身体に対する暴力

・被害者の配偶者からの生命等に対する脅迫

*配偶者暴力相談支援センター・警察への相談等がない場合、公証人面前宣誓供述書を添付

保護命令発令の通知

保護命令

○ 被害者への接近禁止命令○ 子への接近禁止命令○ 親族等への接近禁止命令○ 電話等禁止命令○ 退去命令-(2か月)

-(6か月)民間団体

相 手 方申立人の配偶者・元配偶者(事実婚を含む。)、生活

の本拠を共にする交際相手、元生活の本拠を共にする交際相手

連携

配偶者暴力防止法の概要(チャート)

被 害 者

国や地方公共団体は・・・○ 主務大臣(内閣総理大臣、国家公安委員会、法務大臣、厚生労働大臣)による基本方針の策定○ 都道府県・市町村による基本計画の策定(市町村については努力義務)

*配偶者暴力相談支援センターへの通知は、センターへの相談等があった場合のみ

保護命令違反に対する罰則1年以下の懲役 又は 100万円以下の罰金

福祉事務所

○ 自立支援等母子生活支援施設への入所、保育所への入所、生活保護の対応、児童扶養手当の認定

地裁の請求に基づく書面提出等

児童相談所

1

CO589876
テキストボックス
資料3
Page 2: 配偶者暴力防止法の概要(チャート)2,082 1,826 1,700 64 81 75 147 146 140 169 150 176 144 166 172 161 139 144 135 120 206 273 341 430 415 431 450 526 504 458 504 500

配偶

者暴

力相

談支

援セ

ンタ

ーについて

偶者からの暴力の防止及び被

害者

の保

護等に関

する法

律(平

成13年法

律第31号、平成16年・19・25年・令

和元年に法改正)

①国及び地方公共団体は、配偶者からの暴力の防止と被害者の自立支援を含めた保護を図る責務を有する。(法第2条)

②都道府

県は、都道府県が設置する婦人相談所その他の適切な施設において、配偶者

暴力相談支援センターとしての機能を果たすもの

とする。(法第3条第1項)

※市町村においては、配偶者暴力相談支援センターの設置は努力義務。(法第3条第2項)

偶者

暴力相談支援センターにおける業務

(法第

3条

3項)

①相談又

は相談機関の紹介

②カウンセリング

③緊急時

における安全の確保

④一時保

護(婦人相談所)

⑤自立支

援制度(就業促進、住宅確保、援護等)・保護命令制度・シェルター利用についての情報提供・助言・関係機関との連絡調整等

支 援 セ ン タ ー の 設 置 数 ・ 相 談 件 数法 律 業 務

(出典:内閣府男女共同参画局調べ)

配偶

者暴

力相

談支

援セ

ンタ

ーに

おけ

る相

談件

数の

推移

2

Page 3: 配偶者暴力防止法の概要(チャート)2,082 1,826 1,700 64 81 75 147 146 140 169 150 176 144 166 172 161 139 144 135 120 206 273 341 430 415 431 450 526 504 458 504 500

配偶者からの暴力に関するデータ

1 配偶者暴力相談支援センターにおける相談件数

11,035 12,758 14,692 14,864 16,688 17,662 19,131 20,941 21,821 22,640 25,25030,060 31,855 34,072 33,418 32,385 34,849

23,95029,820

33,736 36,47540,705 43,004

47,10749,849

53,13457,236

60,686

64,79765,895

72,246 69,780 70,04375,964

958

647

901806

1,1351,412

1,9582,002

2,3792,223

3,554

5,1045,213

4,8543,169 3,682

3,668

35 ,94343 ,225

49 ,32952 ,145

58 ,52862 ,078

68 ,19672 ,792

77 ,33482 ,099

89 ,490

99 ,961102,963

111,172106,367 106,110

114,481

0

20,000

40,000

60,000

80,000

100,000

120,000

140,000

14年度

(2002)

15年度

('03)

16年度

('04)

17年度

('05)

18年度

('06)

19年度

('07)

20年度

('08)

21年度

('09)

22年度

('10)

23年度

('11)

24年度

('12)

25年度

('13)

26年度

('14)

27年度

('15)

28年度

('16)

29年度

('17)

30年度

('18)

その他

電 話

来 所

(件)

(備考)

1.配偶者からの暴力の被害者からの相談等を受理した件数。

2.配偶者とは、婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。

3.配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(以下「配偶者暴力防止法」という。)の法改正

を受け、平成 16年 12月2日施行以降、離婚後に引き続き暴力等を受けた事案についても計上。

なお、「離婚」には、婚姻の届け出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあった者が、事実上離婚し

たと同様の事情に入ることを含む。

4.法改正を受け、平成 20年1月 11日施行以降、生命等に対する脅迫を受けた事案についても計上。

5.法改正を受け、平成 26 年1月3日施行以降、生活の本拠を共にする交際(婚姻関係における共同生活に類

する共同生活を営んでいないものを除く。)をする関係にある相手方からの暴力事案についても計上。

6.全国の配偶者暴力相談支援センターの設置数は、令和年7月1日現在、287 か所(うち、市町村の設置数は

114か所)。

7.同一相談者が複数回相談した場合は、重複して計上。

2 警察における配偶者からの暴力事案等の相談等件数

3,608

14,140 12,56814,410

16,888 18,23620,992

25,21028,158

33,852 34,329

43,950

49,533

59,07263,141

69,90872,455

77,482

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

70,000

80,000

90,000

13年

(2001)

14年

('02)

15年

('03)

16年

('04)

17年

('05)

18年

('06)

19年

('07)

20年

('08)

21年

('09)

22年

('10)

23年

('11)

24年

('12)

25年

('13)

26年

('14)

27年

('15)

28年

('16)

29年

('17)

30年

('18)

平成

(件)

(備考)

1.配偶者からの身体に対する暴力の相談等を受理した件数。

2.平成 13年は、配偶者暴力防止法の施行日(10月 13日)以降の件数。

3.「配偶者」の定義及び法改正の関係は「1 配偶者暴力相談支援センターにおける相談件数」の(備考)の

2~5に同じ。

資料出所:内閣府調べ

資料出所:警察庁調べ

3

Page 4: 配偶者暴力防止法の概要(チャート)2,082 1,826 1,700 64 81 75 147 146 140 169 150 176 144 166 172 161 139 144 135 120 206 273 341 430 415 431 450 526 504 458 504 500

3 婦人相談所における一時保護件数

2,287 2,151 2,006 2,011 1,794 1,929 1,947 1,944 1,778 1,747 1,816 1,759 1,665 1,395 1,410 1,172

3,974 4,296 4,535 4,438 4,565 4,549 4,666 4,681 4,579 4,312 4,373 4,366 4,1433,722

3,2143,000

4,6425,029

5,518 5,285 5,478 5,529 5,532 5,5355,509

5,187 5,376 5,4985,274

4,577

4,018

3,793

10,90311,476

12,05911,734 11,837 12,007 12,145 12,160

11,86611,246

11,565 11,62311,082

9,694

8,6427,965

0

5,000

10,000

15,000

14年度

(2002)

15年度

('03)

16年度

('04)

17年度

('05)

18年度

('06)

19年度

('07)

20年度

('08)

21年度

('09)

22年度

('10)

23年度

('11)

24年度

('12)

25年度

('13)

26年度

('14)

27年度

('15)

28年度

('16)

29年度

('17)

同伴する家族

夫等の暴力を理

由とする者

夫等の暴力を理

由とする者以外

(人)

平成

資料出所:厚生労働省調べ

(備考)

婦人相談所は、売春防止法に基づき各都道府県に必ず1つ設置。配偶者暴力防止法に基づき、被害者及びその同

伴家族の一時保護を、婦人相談所又は厚生労働大臣が定める基準を満たす施設において行っている。婦人相談所

は、配偶者からの暴力の被害者以外に、帰住先がない女性や、人身取引被害者等の一時保護を行っている。

4 配偶者暴力防止法に基づく保護命令事件の既済件数

1,128

1,4681,717

2,141 2,208 2,186

2,524 2,411 2,434

2,137

2,4822,312

2,5282,400

2,0821,826

1,700

64

81

75

147146 140

169150 176

144

166

172

161139

144

135120

206

273

341

430415 431

450526 504

458

504

500

436

431

406

332357

1,398

1,822

2,133

2,718 2,769 2,757

3,143 3,087 3,114

2,739

3,1522,984

3,1252,970

2,632

2,2932,177

0

1,000

2,000

3,000

4,000

14年

('02)

15年

('03)

16年

('04)

17年

('05)

18年

('06)

19年

('07)

20年

('08)

21年

('09)

22年

('10)

23年

('11)

24年

('12)

25年

('13)

26年

('14)

27年

('15)

28年

('16)

29年

('17)

30年

('18)

取下げ等

却下

認容

(保護命令発令)

(件)

資料出所:最高裁判所提供の資料より作成

(備考)

配偶者暴力防止法に基づき、配偶者から身体に対する暴力又は生命等に対する脅迫を受けた被害者が、その後、

配偶者から受ける身体に対する暴力によりその生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きいときに、被害

者からの申立てにより、裁判所が配偶者に対し保護命令を発する。

なお、「配偶者」の定義及び法改正の関係は、「1 配偶者暴力相談支援センターにおける相談件数」の(備考)

の2~5に同じ。

平成

4

Page 5: 配偶者暴力防止法の概要(チャート)2,082 1,826 1,700 64 81 75 147 146 140 169 150 176 144 166 172 161 139 144 135 120 206 273 341 430 415 431 450 526 504 458 504 500

5 配偶者間(内縁を含む)における犯罪の性別被害者の割合(平成 30 年・検挙件数)

90.8%(6,960件)

55.6%(85件)

92.7%(2,489件)

90.8%(4,386件)

9.2%

(707件)

44.4%(68件)

7.3%

(195件)

9.2%

(444件)

0 20 40 60 80 100

総数(7,667件)

殺人( 153件)

傷害(2,684件)

暴行(4,830件)

女性配偶者の割合 男性配偶者の割合

( )

資料出所:警察庁調べ

(備考)

平成 30年の犯罪統計に基づき、犯行の動機・目的にかかわらず、配偶者間で行われた殺人(未遂を含む)、傷害、

暴行を計上。全てが配偶者からの暴力を直接の原因とするものではなく、例えば、殺人では嘱託殺人、保険金目

的殺人等、多様なものを含む。なお、主たる被疑者の性別により計上。

6 アンケート調査による被害経験

配偶者(事実婚や別居中の夫婦、元配偶者も含む)から「身体的暴行」「心理的攻撃」「経済的圧迫」「性的強要」の

いずれかを1つでも受けたことがある。

4.8

13.8

15.1

17.5

78.9

66.9

1.2

1.8

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

男 (1,119人)

女 (1,366人)

n

(%)

何度もあった 1、2度あった まったくない 無回答 あった(計)

(19.9)

(31.3)

あった(計)

資料出所:内閣府「男女間における暴力に関する調査」(平成 29年度調査)より作成 (備考)

全国 20 歳以上の男女 5,000 人を対象に行った無作為抽出アンケート調査による(有効回収数(率):3,376 人

(67.5%))。「身体的暴行」「心理的攻撃」「経済的圧迫」「性的強要」はそれぞれ以下のとおり。

1.身体的暴行:なぐったり、けったり、物を投げつけたり、突き飛ばしたりするなどの身体に対する暴行を受

けた。

2.心理的攻撃:人格を否定するような暴言や交友関係や行き先、電話・メールなどを細かく監視したり、長期

間無視するなどの精神的な嫌がらせを受けた、あるいは、自分もしくは自分の家族に危害が加えられるので

はないかと恐怖を感じるような脅迫を受けた。

3.経済的圧迫:生活費を渡さない、貯金を勝手に使われる、外で働くことを妨害されたなど。

4.性的強要:嫌がっているのに性的な行為を強要された、見たくないポルノ映像等を見せられた、避妊に協力

しないなど。

5

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配偶

者暴

力相

談支

援セ

ンタ

ーの

相談

件数

等 (出典:内閣府男女共同参画局調べ)

【D

V防止法第6条による通報を受けた件数の年次推移】

35,9

4343

,225

49,3

2952

,145

58,5

2862

,078

68,1

96

72,7

9277

,334

82,0

9989

,490

99,9

6110

2,96

3

111,

172

106,

367

106,

110

114,

481

2,29

52,

579

3,02

22,

708

3,07

1

3,56

44,66

8

5,77

2

7,50

07,

635

7,29

77,

871

6,87

66,

865

6,36

86,

309

6,26

5

01,00

0

2,00

0

3,00

0

4,00

0

5,00

0

6,00

0

7,00

0

8,00

0

9,00

0

0

20,0

00

40,0

00

60,0

00

80,0

00

100,

000

120,

000

140,

000

14年度

(200

2)15年度

('03)

16年度

('04)

17年度

('05)

18年度

('06)

19年度

('07)

20年度

('08)

21年度

('09)

22年度

('10)

23年度

('11)

24年度

('12)

25年度

('13)

26年度

('14)

27年度

('15)

28年度

('16)

29年度

('17)

30年度

('18)

相談件数総数

法第

6条通報件数

相談件数

(件)

法第

6条通

報件

6

Page 7: 配偶者暴力防止法の概要(チャート)2,082 1,826 1,700 64 81 75 147 146 140 169 150 176 144 166 172 161 139 144 135 120 206 273 341 430 415 431 450 526 504 458 504 500

児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を

改正する法律(令和元年法律第 46号)

【改正法附則部分抜粋】

附 則

(検討等)

第八条 政府は、附則第一条第一号に掲げる規定の施行後三年(注1)を目途に、配偶者からの

暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律第六条第一項及び第二項の通報の対象となる

同条第一項に規定する配偶者からの暴力の形態(注2)並びに同法第十条第一項から第四項ま

での規定による命令の申立てをすることができる同条第一項に規定する被害者の範囲の拡

大(注3)について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

2 政府は、附則第一条第一号に掲げる規定の施行後三年を目途に、配偶者からの暴力の防

止及び被害者の保護等に関する法律第一条第一項に規定する配偶者からの暴力に係る加害

者の地域社会における更生のための指導及び支援の在り方について検討を加え、その結果

に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

(注1)この法律は、令和2年4月1日から施行されるが、附則8条の規定は、公布の日

(令和元年6月26日)を施行日とする。

(注2)通報の対象となる配偶者からの暴力は、身体に対するものに限る。

(注3)保護命令の申立ては、配偶者からの身体に対する暴力を受けている被害者が更なる

身体に対する暴力により、又は生命等に対する脅迫を受けた被害者が身体に対する暴

力により、その生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きいときに、行うこと

ができる。

7

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DV防止法における「通報」及び「保護命令」の対象について

【通報について】

配偶者からの身体に対する暴力を受けている者を発見した者は、配偶者暴力

相談支援センター又は警察官への通報の努力義務がある。

医師その他の医療関係者は、配偶者からの身体に対する暴力によって負傷し

又は疾病にかかったと認められる者を発見したときは、配偶者暴力相談支援セ

ンター又は警察官に通報することができる。

DV防止法における規定(抜粋)

(配偶者からの暴力の発見者による通報等)

第六条 配偶者からの暴力(配偶者又は配偶者であった者からの身体に対する暴力に限る

。以下この章において同じ。)を受けている者を発見した者は、その旨を配偶者暴力相

談支援センター又は警察官に通報するよう努めなければならない。

2 医師その他の医療関係者は、その業務を行うに当たり、配偶者からの暴力によって負

傷し又は疾病にかかったと認められる者を発見したときは、その旨を配偶者暴力相談支

援センター又は警察官に通報することができる。この場合において、その者の意思を尊

重するよう努めるものとする。

3 刑法(明治四十年法律第四十五号)の秘密漏示罪の規定その他の守秘義務に関する法

律の規定は、前二項の規定により通報することを妨げるものと解釈してはならない。

4 医師その他の医療関係者は、その業務を行うに当たり、配偶者からの暴力によって負

傷し又は疾病にかかったと認められる者を発見したときは、その者に対し、配偶者暴力

相談支援センター等の利用について、その有する情報を提供するよう努めなければなら

ない。

『詳解DV防止法 2008年版』1より抜粋 (P105)

通報の努力義務の対象をこのような身体に対する暴力に限定し、精神的暴力や性的暴力

を含めないことにしたのは、精神的暴力や性的暴力に関することについて夫婦以外の第三

者が公的機関に通報し、その通報に基づいて公的機関が介入するようにすることは、夫婦

のプライバシーの保持という面で問題なしとしないと考えられたことによるものです。

1 『詳解DV防止法2008年版』(2008年、株式会社ぎょうせい発行、監修:南野智惠子議員(参・自

民)、千葉景子議員(参・民主)、山本香苗議員(参・公明)、吉川春子議員(参・共産)、福島みずほ議

員(参・社民)の5名(肩書は平成19年法改正時のもの)。

8

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テキストボックス
論点①関係
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【保護命令について】

配偶者からの身体に対する暴力を受けた被害者が更なる身体に対する暴力

により、又は生命等に対する脅迫を受けた被害者が身体に対する暴力によ

り、その生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きいときに、被害者

からの申立てにより、裁判所が配偶者に対し、保護命令を出す。

DV防止法における規定(抜粋)

(保護命令)

第十条 被害者(配偶者からの身体に対する暴力又は生命等に対する脅迫(被害者の生命

又は身体に対し害を加える旨を告知してする脅迫をいう。以下この章において同じ。)

を受けた者に限る。以下この章において同じ。)が、配偶者からの身体に対する暴力を

受けた者である場合にあっては配偶者からの更なる身体に対する暴力(配偶者からの身

体に対する暴力を受けた後に、被害者が離婚をし、又はその婚姻が取り消された場合に

あっては、当該配偶者であった者から引き続き受ける身体に対する暴力。第十二条第一

項第二号において同じ。)により、配偶者からの生命等に対する脅迫を受けた者である

場合にあっては配偶者から受ける身体に対する暴力(配偶者からの生命等に対する脅迫

を受けた後に、被害者が離婚をし、又はその婚姻が取り消された場合にあっては、当該

配偶者であった者から引き続き受ける身体に対する暴力。同号において同じ。)により

、その生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きいときは、裁判所は、被害者の

申立てにより、その生命又は身体に危害が加えられることを防止するため、当該配偶者

(配偶者からの身体に対する暴力又は生命等に対する脅迫を受けた後に、被害者が離婚

をし、又はその婚姻が取り消された場合にあっては、当該配偶者であった者。以下この

条、同項第三号及び第四号並びに第十八条第一項において同じ。)に対し、次の各号に

掲げる事項を命ずるものとする。ただし、第二号に掲げる事項については、申立ての時

において被害者及び当該配偶者が生活の本拠を共にする場合に限る。

一 命令の効力が生じた日から起算して六月間、被害者の住居(当該配偶者と共に生活の

本拠としている住居を除く。以下この号において同じ。)その他の場所において被害者

の身辺につきまとい、又は被害者の住居、勤務先その他その通常所在する場所の付近を

はいかいしてはならないこと。

二 命令の効力が生じた日から起算して二月間、被害者と共に生活の本拠としている住居

から退去すること及び当該住居の付近をはいかいしてはならないこと。

『詳解DV防止法 2008年版』より抜粋 (P43) ※平成 16年改正時の論点

(略)「配偶者からの身体に対する暴力がなくても、精神的暴力や性的暴力があった場

合には、幅広く保護命令を発するようにすることはできないか」ということが議論になり

ましたが、これに対しては、「保護命令が刑罰によって担保されていることを考慮する

と、その対象となる行為を明確にすることが必要であるが、いわゆる精神的暴力や性的暴

力については、その外延が不明確にならざるを得ない」という問題点が指摘されました。

9

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•DV防止法等改正附則第八条に基づく地域社会に

おける加害者更生プログラムの在り方

•地方公共団体により加

害者更生プログラムを実施す

るにあたっての課題の整理、基

本的な考え方

•民間団体との連携の必要性、課

題•海外文献調査及び地方公共団体、民

間団体に対す

るヒアリング結果の分析

■第1回(令和元年9月5日)

・本事業の概要と進

め方について

・海外文献調査について

・ヒアリング調査について

■第2回(令和元年

11月

18日)

・地方公共団体へのヒアリング

■第3回(令和2年1月

20日)

・報告書骨子について

・論点の整理と検

討課題について

■第4回(令和2年3月3日)

・報告書(案)について

【五十音順、◎

座長、敬

称略、役

職は令和元年度4月1日現在】

大谷

あおい

カウンセリングオフィスフラミンゴ

菊池

安希子

国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所

地域・司法精神医療研究部室長

◎中村

正立命館大学理事補佐・学長特別補佐、

人間科学研究科教授

原健一

佐賀県DV総合対策センター所長

山崎

菊乃

NPO法人

女のスペース・おん代表理事

(オブザーバー)

東京都生活文化局都民生活部男女平等参画課

東京ウィメンズプラザ

神奈川県福祉子どもみらい局人権男女共同参画課

京都府府民環境部男女共同参画課

法務省

警察庁

趣旨「配偶者暴力被害者支援における機関連携及び加害者対応に関

する調査研究」検討会

検討会スケジュール及び主な検討事項

構成員

地域社会内における加害者更生プログラムを含む加害者対応と連

動させた包括的な被害者支援体制の構築に向け、加

害者更生プログラムの

実施に係る基本的な考え方(実施基準等)に関する海外文献調査を実施するとともに、地

方公共団体及び加害者更生プログラムを実施し

ている民間団体等に対するヒアリング調査を実施し、加害者更生プログラムの実施に係る基本的な考え方の方向性と課

題について検討する。

検討スケジュール

検討の論点

10

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論点②関係
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児童虐待防止対策の抜本的強化について(平成 31年 3月 19日児童虐待防止

対策に関する関係閣僚会議決定)【DV関連部分抜粋】

2 児童虐待の発生予防・早期発見

⑧ DVの特性や子どもへの影響等に係る啓発活動の推進

・女性に対する暴力をなくす運動の機会に、予防啓発に加え、DVの特性や子どもへの影

響を周知するとともに、被害の早期発見・早期介入に向けて関係機関への被害の通報を

促す等、国民の意識向上のための啓発活動の推進を図る。

3 児童虐待発生時の迅速・的確な対応

(6)DV対応と児童虐待対応との連携強化等

① DV対応と児童虐待対応との連携強化

法・児童相談所と婦人相談所・配偶者暴力相談支援センターとの情報共有・連携体制を

強化する。

・配偶者からの暴力がある家庭とその家庭における児童虐待について、DV対応を行

う機関と児童虐待への対応を行う機関のそれぞれの情報を包括的にアセスメントす

るリスク判断の手法や、各機関の連携方法を含めた適切な対応の在り方について、

調査研究し、ガイドラインを策定する。その際、DVに関する有識者や支援を実際に

行っている者を含め、実践を踏まえたよりよい支援の在り方を、ケーススタディに

基づき検討する。

・法的問題の解決が必要な児童虐待事案及び児童虐待を伴うDV事案について、法テ

ラスの法律相談援助等の利用を促進する。

・配偶者暴力相談支援センター及びDV被害者支援のための民間シェルター並びに児

童相談所を対象として、DVと児童虐待の特性・関連性に関する理解の促進や、関係

機関における的確な連携強化により、被害の早期発見・早期介入に向けた支援に資

する取組を進める。

・民間シェルターにおけるDV被害者とその子どもに対する支援の実態を把握すると

ともに、民間シェルターにおけるDVと虐待の特性や関連性への理解を拡大する取

組を推進する。

・DV被害者が、児童虐待がある場合にも安心して早期に配偶者暴力相談支援センタ

ー、民間シェルター等に相談できるとともに、被害親子に寄り添った保護が行われ

るよう、配偶者暴力相談支援センター等の対応力向上のための取組を支援する。

・DV被害者支援における、危険度判定(リスクアセスメント)及び加害者対応(加

害者プログラム等)の在り方の検討及び実証的研究を進めることにより、機関間連

携及び加害者による虐待の危険性の把握も含めた支援体制の充実を図る。

・性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターの主管部(局)の行政職

員を対象として、性虐待に関する専門的知識や関係機関との連携の在り方等に関す

る研修を強化するとともに、ワンストップ支援センターにおいて児童相談所と連携

して性虐待に対応した好事例を収集し、全国の支援センター・関係機関に共有する。

・関係機関の連携をより強化するため、内閣府において作成したDV被害者支援に係

る手引き・マニュアルを改訂するとともに、児童相談所を始めとする関係機関への

周知徹底を図る。

11

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テキストボックス
論点③関係
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児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を

改正する法律(令和元年法律第 46号)

【DV防止法改正部分抜粋】

(被害者の保護のための関係機関の連携協力)

第九条 配偶者暴力相談支援センター、都道府県警察、福祉事務所、児童相談所その他の都道

府県又は市町村の関係機関その他の関係機関は、被害者の保護を行うに当たっては、その適

切な保護が行われるよう、相互に連携を図りながら協力するよう努めるものとする。

12

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DV被害者の保護にあたり、相互に連携すべき関係機関として児童相談所を追記(第2の9)

配暴センターの要保護児童対策地域協議会への参画(第2の9

(3))

DV対応と児童虐待対応の関係機関間の連携協力の実効性の向上(【新設】第2の9

(5))

①令和元年度

DV防止法改正を踏まえた修正

②民間シェルター検討会報告書を踏まえた修正

行政との連携強化(第2の1

(3)、同14)

民間シェルター等の活用(第2の6

(2)カ)

民間シェルターの基盤強化と対応力の向上(第2の14)

③制度の時点更新・表現の適正化

女性活躍加速のための重点方針2019を踏まえた修正(第2の12

(2)、同13

(1))

関係省庁所管施策の時点更新(第2の4

(3)、同7

(2)ア・ウ、

(4)、

(5)、

(8)ア、

(9))

配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等のための施策に関する基本的

な方針改正(令和元年度)の改正箇所及びスケジュール

【今後の主なスケジュール】

・11月中旬~

12月上旬

地方公共団体意見聴取

・12月

23日

第10

3回女性に対する暴力に関する専門調査会意見聴取

・令和2年1月中

パブリックコメント実施

・3月中

基本方針告示

13

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○全国

の配

偶者暴力相談支援センター(

以下「

支援セン

ター

」とい

う。)における相談件数は、

支援セ

ンター機

が法

制度化

された平成14年度の35,

943

件から2

年度

には1

0万件を超え、高止まりの状

況であ

り、被害

依然

として

深刻です。

〇一方

、配

偶者暴力防止法に基づく一時

保護件

数は減少

傾向

にあ

り、多

様な被害者を支援する民間シ

ェルタ

ーへの支

策拡

充が望

まれています。併せて、DV

家庭に

おける児

虐待

を防止

するため、児童相談所、支援

センタ

ー、福祉

務所

等の柔

軟な連携体制構築が必要です

○この

ため

、支援センター、児童相談所

、民間

シェルタ

ー等

民間

団体に

対し、相談業務の質の向上及

び連携

推進を図

ため

、合同

で研修を行います。また、民

間シェ

ルターの

国ネ

ットワ

ーク化推進、支援センター運

営への

アドバイ

ザー

派遣を

行いさらなる支援の質の向上

を目指

します。

〇なお

、今

年度事業において、児童虐待

対応と

の連携の

好事

例の

収集・

全国展開、さらには、「女性

に対す

る暴力を

くす

運動」

において、DV対応と児童虐

待対応

との連携

化を

推進し

ました。

女性

に対

する

暴力

被害

者支

援の

ため

の官

官・

官民

連携

促進

ワー

クシ

ョッ

プ事

業令

和2

年度

予算

案額

0.

2億

円(

元年

度予

算額

0.

2億

円)

事業

概要

・目

的事

業イ

メー

○都

道府

県・

市町村

・民

間団

体の

連携

及び

相談

員の

相談

スキ

ル向

上に

より、

被害

者の

ニー

ズや

地域

の実

情に

即し

た切

れ目の

ない支

援を

目指

しま

す。

〇支

援セ

ンタ

ーの支

援の

質の

調査

、評

価を

行い

、今

後の

支援

の質

向上

に貢献

しま

す。

期待

され

る効

DV対策と児童虐待対策

との連携強化

内閣

府男

女共

同参

画局

14

Page 15: 配偶者暴力防止法の概要(チャート)2,082 1,826 1,700 64 81 75 147 146 140 169 150 176 144 166 172 161 139 144 135 120 206 273 341 430 415 431 450 526 504 458 504 500

令和元年度「女性に対する暴力をなくす運動」の主な取組について

毎年

11月

12日から

11月

25日(女性に対する暴力撤廃国際日)までの2週間、「女性に対する暴力をなくす運動」

として、関係団体と連携、協力の下、女性に対する暴力の問題に関する取組を一層強化するための広報活動を実施。

○総理と児童虐待対策及び

DV対

策の関係者との意見交換(

11/1

)児童虐待防止推進月間(

11月)と女性に対する暴力をなくす運動が連携して啓発活動

を推進するにあたり、それぞれの対策の関係者が総理と意見交換を実施。

総理からは「DVの根絶と、子供たちの命を守るために、全力を尽くしていきたい」

との発言が、橋本大臣からは「DV対策に向けた広報啓発や民間団体と連携した被害者

支援の充実を図っていきたい」との発言があった。

○厚生労働省と協同した「

Wリボンバッジ」の作成・配布

厚生労働省と協同して、児童虐待対応とDV対応の連携強化の象徴として、

オレンジリボンとパープルリボンを組み合わせた

Wリボンバッジを作成するとともに、

閣僚、関係国会議員、在外公館大使、各都道府県知事等に配布。

○D

Vと児童虐待防止の連携に関するポスター・リーフレットの作成・配布、

広告バナー・

SNSを

活用した広報、特集サイトの開設

DVと

児童虐待の関係について周知を図るポスターやリーフレットを作成し、

全国の自治体、関係機関、関係団体等に配布するとともに、広告バナーや

SNS、

「D

Vと児童虐待」特集サイトなどの各種媒体を活用し、幅広く広報を展開。

○Wリボン贈呈式(

10/2

8)ミス・インターナショナル世界大会出場者(約

80名)にWリボンバッジを贈呈し、

日本滞在期間中(約1カ月間)のバッジ着用による取組の周知に向けた協力を依頼。

○パープル・ライトアップ

東京スカイツリーや京都タワーなど、全国のタワーや商業施設等において、

女性に対する暴力根絶のシンボルカラーである紫色にライトアップを実施し、

女性に対する暴力の根絶を呼びかける活動を実施。

※令和元年度は全国

180か

所以上で実施予定

<平成

30年度ライトアップ写真>

<令和元年度ポスター>

<Wリボンバッジ>

<Wリボン贈呈式>

<関係者と懇談する総理、

加藤大臣、橋本大臣>

<Wリボンバッジ着用>

(官邸

HP掲

載写真)

内閣

府DV 児

童虐

待検

「DVと児童虐待」

特集サイトは

こちらから👉👉

15

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婦人

保護

事業

の概

1.根

拠法

等①売春

防止法(昭和

31年制定)

②配偶

者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律

(13

年制

定/1

6年・19

年・25

年改

正)

③人身

取引対策行動計画(平成

16年

12月)→人身取引対策行動計画(20

09・20

14)

④ストーカー行

為等の規制等に関する法律(平成

12年制定/

25年改正・28

年改正)

2.対

象女

性(①~④:「配偶者からの暴力の

防止

及び被

害者

の保護

に関する法

律」の

施行

に対応

した婦人保護事業の実施について<局長通知>)

①売春経歴を有

する者

で、現

に保

護、援助を必要とする状

態にあると認

められ

る者

②売春経歴は有

しないが

、その

者の

生活

歴、性向又

は生活

環境等

から判

断して現

に売

春を行

うおそれ

があると認められ

る者

③配偶者からの

暴力

を受

けた者

(事

実婚を含

む)

④家庭関係の破

綻、生

活の

困窮

等正常

な生活

を営

む上

で困難

な問題

を有しており、現

に保

護、援

助を

必要とする状

態にあると認

められる者

⑤人身取引被害

者(婦人相談所における人

身取

引被

害者

への

対応について<

課長

通知>

⑥ストーカー被害

者(「ストーカー行為等の

規制

等に関

する法

律の

一部

を改

正する法

律」の

施行に対応した婦人保護事業の実施について

<課長通知>)

3.実

施機

関等

①婦人相談所(配偶者暴力相談支援センター)及び一時保護所

②婦人相談員(都道府県婦人相談所・市福祉事務所等)

③婦人保護施設(都道府県・社会福祉法人)

④この他、①の一時保護の委託先として母子生活支援施設・民間シェルター等

(厚生労働省資料)

16

CO589876
テキストボックス
論点④関係
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婦人

相談員

全国

1,500人

・婦人相談所や

福祉事

務所に

配置。

・DV等に係る相

談・情

報提供

等を行う。

福祉

事務所(もしくは市町村)

生活保護、母子生活支援施設入所

保育所入所、子育て短期支援事業

母子家庭等日常生活支援事業、

児童扶養手当の支給

被 害 女 性

自 立

婦人

相談所

49か

所・各都道府県

1ヶ所(徳島県のみ3ヶ所)

・DV等に係る相談・カウンセリング・情報提供

を行う。

・婦人相談所は配偶者暴力相談支援センター

としても位置づけられている。

(配偶者暴力相談支援センターは、婦人相談

所も含め、全国

287カ所設置)

一時

保護所

47か

所・婦人相談所に併設

(各都道府県1ヶ所)

・DV被害等女性、同伴児童に係る短期間の

一時保護

を行う。

・保護の期間は概ね2週間程度。

・適切な保護が見込まれる場合、民間シェル

ター、老人福祉施設、障害者支援施設等へ

一時保護

委託。

・中長期的な支援が必要な場合、婦人保護施

設への入

所措置決定を行う。

母子

家庭

等就業・自立支

援センター:職業相談、就業支援講習会の開催、就業情報の提供等

ハローワーク:マザーズハ

ローワーク等における子育て女性等への就職支援サービスの提供

児童

相談所

:心理的虐待

等を受けた子どもへの心理的ケア、子育て相談等

連 携

協 力

他省庁等

関係機関

警察

裁判所

公営住宅

窓口

民間

シェルター等

(一

時保護委託)

・保

護の期間は概ね

2週

間程度

婦人

保護

事業

の概

婦人

保護

事業

関連

婦人

保護

事業

以外

の厚

生労

働省

所管

事業

婦人

保護施設

39都道府県

47か

・DV被

害女性等に係

る生活

支援・心理的

ケア・自立支援を行

う。

・支援期間は中長期

で、概

ね1ヶ月以上

母子

生活支援施設

生活支

援子育て支援

心理的

ケア

自立支

(注

)婦人

相談

員、婦人相談

所及び婦人保護施設の数は平成30年4月1日現在。配偶者暴力相談支援センターの数は平成31年4月1日現在

○婦

人保護

事業

関連

施設と、ひとり親家庭

の支

援施策

など婦

人保護

事業以

外の厚

生労働省所管事業を組み合わせて被害女性

の自

立に向

けた支援を実施。必要に応じ、関係

省庁等

とも連

携して対

応。

【支援対象】

・D

V被害女性

・ストーカー被

害女性

・性暴力被害

女性

・人身取引被

害女性

(厚生労働省資料)

17

Page 18: 配偶者暴力防止法の概要(チャート)2,082 1,826 1,700 64 81 75 147 146 140 169 150 176 144 166 172 161 139 144 135 120 206 273 341 430 415 431 450 526 504 458 504 500

困難な問題を抱える女性への支援のあり方

に関する検討会中間まとめ<概要>

第1

婦人保護事業の現状と課

題○

婦人保護事業は、昭

和31年制定の売春防止法に基づき、売

春を行うおそれのある女子を保護する事業として発足したが、その後支援ニーズは多様化。

○事業開始当初は想定されなかった、性

暴力・性被害に遭った

10代の女性への支援や、近

年では、A

V出演強要、J

Kビジネス問題への対応が必要。

第2

婦人保護事業の運用面における見直し

○婦人保護事業の運用面について、他

法他施策優先の取扱いの見直しや、一

時保護委託の対象拡大と積

極的活用など、

10項目の運用面の改善を行うこ

ととされている。

第3

婦人保護事業の見直しに関する新たな制度の基本的な考え方

(1)困難な問題を抱える女性を支援する制度の必要性

○性差に起因して社会的に様々な困難な問題に直面する女性を対象とした包括的な支援制度が必要。

(2)新たな枠組みの必要性

○女性が抱える困難な問題は、売

春防止法を根拠とした従来の枠組みでの対応は限界。法

制度上も売春防止法ではなく、新たな枠組みの構築が必要。

○売春防止法の第4章の廃止のほか、その他の規定の見直しも検討すべきだが、時

間を要するのであれば、新

たな枠組みの構築を急ぐべき。

(3)新たな制度の下で提供される支援のあり方

○若年女性への対応など、専門的な支援の包括的な提供。

○行政・民間団体を通した多機関における連携・協働を通じた、早

期かつ、切

れ目ない支援。

○婦人相談所(一時保護所)、婦

人相談員及び婦人保護施設の名称を見直し。利用者の実情に応じた必要な支援を柔軟に担える仕組みや体制。

○施設入所だけでなく、通所やアウトリーチなど、伴走型支援。未

成年の若年女性に対する広域的な情報共有や連携。同

伴する児童についての支援対象と

しての位置付けの明確化。

(4)国及び地方公共団体の役割の考え方

○国及び地方公共団体の役割や位置付けの明確化。

○基本的な方針のもと、都道府県と市

町村の各々の役割や強みを活かし、地域の実情に応じた支援体制の計画的な構築。

(5)地方公共団体と民

間団体の連携・協働のあり方

○地方公共団体等と民

間団体の連携・協働。

(6)教育啓発、調査研究、人材育成等

○教育、啓

発、調

査研究、人

材の養成、確

保及び資質向上の推進。

(7)関連する他制度との連携等のあり方

○関連する他制度に基づく支援との連携・調整等を推進する仕組みづくり、法

的なトラブルを抱えている場合の専門的な相談窓口への連携等。

第4

今後の対応について

○新たな制度の構築に向けて、第

3の基本的な考え方に沿って、検

討を更に加速し、DV防止法等の既存の法体系との関係にも留意しつつ、具

体的な制

度設計等が進められ、できるだけ早く実現することを強く期待。

※「困難な問題を抱える女性への支援のあり方

に関する検討会」は、厚

生労働省子ども家庭局長が、有

識者等の参集を求め、平

成30年7月に設置。中

間まとめは、本

検討会により、令和元年

10月

11日に取りまとめられたもの。

18

Page 19: 配偶者暴力防止法の概要(チャート)2,082 1,826 1,700 64 81 75 147 146 140 169 150 176 144 166 172 161 139 144 135 120 206 273 341 430 415 431 450 526 504 458 504 500

1.

配偶者

からの暴力被害者等保護・支

援交付

金(仮)

付先

:都道府県・政令指定都市

、市

町村

(特別区

含む

象経費

:都道府県等が負担した、

民間

シェ

ルター等

の先

進的

な取組を

促進

するための経費(以下①~③)

①受け入れ体制整備に要

する経

費(母

子一体で受け入れるための改修経費、メール・SNS等

相談のための人件費・システム整備費、

安全性確保のための防犯設備にかかる経費

等)

②専門的・個別的支援に

要する

経費

(心理的ケアや同伴児童の進学等の専門的

な相談支援を行う専門職配置に要する人件費、

児童相談所等関係機関とのネット

ワーク構築・連携に要する人

件費、専門性向上に

係る研修経費

等)

③切れ目ない総合的支援に

要す

る経費

(自立に向けたプログラム実施経費、関係

機関への同行支援に係る交通費、

退所者へのアウト

リーチ支援に要する

人件費

等)

※上記①~③の事業実施のため

の付随

的経費

付率

等:

国10

/10

の他

:他

の国庫補助制度を適用

可能

な場

合は、他

制度

優先

2.

民間シ

ェルター等におけるパイロッ

ト事業

の効果検

証及

び事

例調査

DV被

害者

等セーフティネット強

化支

援パ

イロット事

目的

○多

様な困難に直面する

DV(配

偶者

からの

暴力)被

害者等

への支

援において、民間シェルターは

、先

駆性、柔

軟性、地域性、専門

性等

の強

みを有

し、地域

社会における不

可欠

な社会

資源として、重

要な役

割を担っているが、財政面、人

的基

盤とも厳

しい状

況にあり、今後、その存

続が困

難になるとの

指摘

もある。

予算

スキーム

内閣

都道

府県

等民間シェルター等における以下の事業

①受け入れ体制整備事業

②専門的・個別支援事業

③切れ目ない総合的支援事業

※上記

①~③の事業実施のための付随的経費

概要

委託費等

交付金

令和

2年

度予

算案

250百

万円

民間シェルター等

・NPO法人

・社会福祉法人

10/1

0

業務請負

事業

者(民

間調

査会社等)

民間シェルター等におけるパイロット事業の効果検証及び事

例調査

年度

H27

H28

H29

H30

団体

数12

511

510

810

7

○D

V被害者等に対して、漏

れなく、安

全な居

場所

を一

時的に確

保しつつ、専門的・ニーズに沿

った支

援を、切

れ目

なく実

施し、もって、地

域において

DV被害者等

が自立し、安

心・安

全に過

ごせ

るよう、民間シェルターの取組

促進

を通じて、地

域社会

におけるセーフティネット機

能を強

化する。

民間シェルターの運営団体数の推移

19

Page 20: 配偶者暴力防止法の概要(チャート)2,082 1,826 1,700 64 81 75 147 146 140 169 150 176 144 166 172 161 139 144 135 120 206 273 341 430 415 431 450 526 504 458 504 500

Ⅱ-2 配偶者からの被害経験

(6)配偶者から被害を受けたときの行動

これまでに配偶者から何らかの被害を受けたことのある人(650 人)に、その行為を受けたとき、相

手との関係をどうしたのかを聞いたところ、「相手と別れた」が 10.8%、「別れたい(別れよう)と思っ

たが、別れなかった」が 36.6%、「別れたい(別れよう)とは思わなかった」が 33.4%となっている。

性別にみると、女性は、「別れたい(別れよう)と思ったが、別れなかった」(女性 44.5%、男性 21.5%)

が最も多く、男性は、「別れたい(別れよう)とは思わなかった」(女性 26.7%、男性 46.2%)が最も

多くなっている。(図 2-6-1)

問 10 あなたは、配偶者からそのような行為を受けたとき、どうしましたか。あてはまる番号1つに○

をつけてください。(○は1つ)

図 2-6-1 配偶者から被害を受けたときの行動

相手と別れた別れたい(別れよう)と思ったが、別れなかった

別れたい(別れよう) とは思わなかった

無回答

(n)

総 数 (650人)

女 性 (427人)

男 性 (223人)

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100(%)

10.8

12.6

7.2

36.6

44.5

21.5

33.4

26.7

46.2

19.2

16.2

25.1

20

CO589876
テキストボックス
「平成29年度男女間における暴力に関する調査報告書」より抜粋
CO589876
テキストボックス
論点⑤関係
Page 21: 配偶者暴力防止法の概要(チャート)2,082 1,826 1,700 64 81 75 147 146 140 169 150 176 144 166 172 161 139 144 135 120 206 273 341 430 415 431 450 526 504 458 504 500

Ⅱ-2 配偶者からの被害経験

(7)配偶者と別れなかった理由

配偶者から何らかの被害を受けたとき、相手と「別れたい(別れよう)と思ったが、別れなかった」

という人(238 人)に別れなかった理由を聞いたところ、「子供がいる(妊娠した)から、子供のことを

考えたから」が 65.5%と最も多く、次いで「経済的な不安があったから」が 42.4%などとなっている。

性別にみると、男女とも「子供(妊娠した)がいるから、子供のことを考えたから」(女性 66.8%、

男性 60.4%)が最も多く、次いで、女性は「経済的な不安があったから」(48.9%)、男性は「世間体が

悪いと思ったから」、「相手には自分が必要だと思ったから」(33.3%)が多くなっている。(図 2-7-1)

問 11 あなたが、配偶者と別れなかった理由は何ですか。

あてはまる番号すべてに○をつけてください。(○はいくつでも)

図 2-7-1 配偶者と別れなかった理由(複数回答)

子供がいる(妊娠した)から、子供のことを考えたから

経 済 的 な 不 安 が あ っ た か ら

世 間 体 が 悪 い と 思 っ た か ら

相手が変わってくれるかもしれないと思ったから

相 手 に は 自 分 が 必 要 だ と 思 っ た か ら

相手が別れることに同意しなかったから

これ以上は繰り返されないと思ったから

周囲の人から、別れることに反対されたから

別 れ る と さ み し い と 思 っ た か ら

孤 立 し て し ま う と 思 っ た か ら

仕返しが怖かったから(もっとひどい暴力や、性的な画像のばらまきなど)

そ の 他

無 回 答

65.5

42.4

21.0

20.2

13.9

9.7

8.4

5.9

5.9

5.5

5.0

9.2

0.4

66.8

48.9

17.9

19.5

8.9

9.5

7.9

7.4

3.2

3.2

5.8

11.1

0.5

60.4

16.7

33.3

22.9

33.3

10.4

10.4

-

16.7

14.6

2.1

2.1

-

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100(%)

総数(n=238人,M.T.=213.0%)女性(n=190人,M.T.=210.5%)男性(n= 48人,M.T.=222.9%)

21

Page 22: 配偶者暴力防止法の概要(チャート)2,082 1,826 1,700 64 81 75 147 146 140 169 150 176 144 166 172 161 139 144 135 120 206 273 341 430 415 431 450 526 504 458 504 500

Ⅱ-2 配偶者からの被害経験

(8)子供が原因で別れなかった理由

「子供がいる(妊娠した)から、子供のことを考えたから」という理由で相手と別れなかった人(156

人)に、子供のことで相手と別れなかった理由を聞いたところ、「子供をひとり親にしたくなかったか

ら」が 56.4%と最も多く、次いで「子供にこれ以上余計な不安や心配をさせたくないから」が 42.9%、

「養育しながら生活していく自信がなかったから」が 34.6%などとなっている。

性別にみると、男女とも「子供をひとり親にしたくなかったから」(女性 53.5%、男性 69.0%)が最

も多く、次いで「子供にこれ以上余計な不安や心配をさせたくないから」(女性 40.9%、男性 51.7%)

となっている。「養育しながら生活していく自信がなかったから」は女性で多くあげられている。

(図 2-8-1)

問 12 あなたが、子供のことで配偶者と別れなかった主な理由は何ですか。

あてはまる番号に○をつけてください。(○は3つまで)

図 2-8-1 子供が原因で別れなかった理由(複数回答)

子供をひとり親にしたくなかったから

子供にこれ以上余計な不安や心配をさせたくないから

養育しながら生活していく自信がなかったから

相手に親権を奪われ、子供と離ればなれになる恐れがあったから

子 供 が 反 対 し た か ら

子供の保育所や学校の問題(子供が転校を嫌がる、保育所への転入が難しいなど)

出ていくなら子供を置いていけと言われたから

相手と子供だけで暮らすことになった場合、子供に危害が加えられる恐れがあったから

そ の 他

無 回 答

56.4

42.9

34.6

13.5

8.3

7.7

7.1

5.1

5.8

0.6

53.5

40.9

40.2

12.6

8.7

5.5

8.7

4.7

5.5

0.8

69.0

51.7

10.3

17.2

6.9

17.2

-

6.9

6.9

0.0

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 (%)

総数(n=156人,M.T.=182.1%)女性(n=127人,M.T.=181.1%)男性(n= 29人,M.T.=186.2%)

22