交通関連ビッグデータの効果的な活用のための視座

東京都市大学 工学部 都市工学科（東京大学 空間情報科学研究センター）

今井龍一

2018年6月11日「国内最大規模の交通ビッグデータの活用方策に

関する共同研究」の成果報告会場所：三田共用会議所

【配付資料】

安全・安心・快適な生活を送りたい！

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都市活動をモニタリングし、都市構造・地形を踏まえた高齢者の回遊特性、潜在・将来需要の分析支援

現状

将来

この坂道辛いな…

人口の増減や土地の価値はどうなる？？

地図の出典：（株）ゼンリンデータコム

将来もこの場所で住み続けたい！

安全&安心な道路！

インフラの補修が必要！？

高齢者にとって移動しにくい道路は？？

老朽化したインフラを改修！

乗り換えが不便だな...

誰が使っている？どこから来ている？ピーク時間帯は？

優先的に補修するインフラは？

水道管の漏水が心配？？

速度が速い車が多くて怖い...

交通安全支援が必要な箇所は？

魅力的なお店が沢山！！

将来的に集客の多そうなところは？

毎日が健康で楽しい！！

乗り換えも無くゆったり！

Plan計画

Do実行

Action改善

Check評価

ＰＤＣＡサイクル

私たちの身の回りには・・・

〇〇駅

乗り換え履歴乗り換え時間

駅の乗降者数（性別・年齢別）初乗り客数

自動車交通量（断面交通量）

都心駅

バス乗降履歴（ＯＤ、時刻）バスの運行本数

公共施設の立地・利用者数（図書館、文化・スポーツ施設等）【画像/イラスト出典】 株式会社パスモ、オムロン株式会社、wikipedia

端末交通手段としての自転車・バイクの利用者数

転入・転出者数（社会増減数）

従業員数事業所数・立地

地価評価額（≒魅力度）

高齢者向けの催事の開催状況

点検履歴・施設台帳（整備年次）利用者カード

購買状況不動産価格の

変動

ハザードマップ

外出率

モバイル空間統計人口分布統計人口流動統計

入出館履歴・入館券の購入・着発時刻

居住者数（人口）世帯数、世帯構成

高齢化率

カーシェアコインパーキング利用履歴

購入品目

ETC2.0プローブ情報

都度払いor定期券利用

～ ～

鉄道の運行本数

自動車の利用実態（流動）の把握

購買品目の把握

属性が含まれている単位時間当たりの人口分布・人口流動

駅の利用実態の把握（初乗り、乗り換え、時刻、属性等）

施設の利用実態（属性&時刻）の把握

スーパー病院の立地

乗り入れ路線への広範囲の利用（乗り継ぎ）客

地震・大雨等のリスク（自然災害安全性指標）

コミュニティサイクル駐輪場利用履歴

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万能薬？

• 携帯電話基地局の運用データに基づく人口推計– どのエリアから、どのエリアに移動したか？どこに滞留したかの総量– どの手段を使ったか？どの経路を使ったか？は・・・

• 交通系ICカード– 電車・バスの乗降の悉皆データ– どこからどのように来て乗車したか？降車後や乗換中の回遊は？どこに行ったのか？は・・・

• 何の目的で移動・滞留したのか？どう感じていたのか？は・・・• 都市経営、エリアマネジメント、マーケティング・・・などの用途によっては単一データで満足させることが難しい・・・限界がある！

• キーワードは、繋ぐ・組み合わせる！何でも自前でやりきるのではなく、他業種との連携などによって「餅は餅屋」の体制を組んだり、相性のよさそうなデータを組みあわせたりするような発想を持つ

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勘所

多様な交通データの特長を活かして組合せ都市活動を把握– 統計調査の補完– 複数の動線データの組合せ利用

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• 駅中心周辺のにぎわいは、2km圏内の徒歩や自転車の移動の把握が要件• しかし、パーソントリップ調査等の統計調査はそこまでの短トリップの捕捉は困難• 駅中心2km圏内は事業者自らデータ収集する対象エリア？• データ収集の仕組みはどうするか？

出典：「https://www.mlit.go.jp/common/001001530.pdf」の掲載図を加工距離帯別自宅から鉄道駅までの交通手段分担率（首都圏）

二子玉川駅から半径1km、2km圏域

5様々なデータが流通しているけど・・・

あと少し踏み込みたい・・・

駅勢圏の短トリップデータの収集・・・あと少し踏み込む取り組み例（当日発表）

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関係者で共通認識を持つための

可視化技術の開発！

図の出典：

7

ICT建機の稼働履歴を用いた舗装管理8

：仕上り高計測点

1 2 3 4 5 6 7計測点（間隔 1m）

表層工（40）

基層工（60）

上層路盤工（As安定処理）（120）

下層路盤工（セメント安定処理）（180）

ログデータ（下層路盤）

（全体図）

①

②

③

点群一部欠損 点密度：低い点密度：標準

① ② ③

2層分の3次元モデル

• 出来形管理では不満足な精度かもしれない• 一方、維持管理の基図になり得る可能性は十二分にある

今井龍一，谷口寿俊，松浦弦三郎：舗装工事における建設機械の施工履歴の出来形管理への適用可能性の評価，土木学会論文集F3（土木情報学），Vol.73，No.2，pp.I_416-I_423，2018.3

舗装の劣化診断～計画系・管理系データの組合せ～

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公用車

日々計測・蓄積 簡易診断 精密検査 修繕・補修

•実施内容–公用車にセンサを搭載して走行・挙動履歴を計測し、サーバに日々蓄積–挙動履歴（加速度等）から路面の経年劣化を簡易診断精密検査の計画立案

–MMSを使って精密検査（MCI、IRIや段彩図等）–結果に基づく、修繕・補修の計画と実行

【背景地図の出典】Google Map

今井龍一，松井晋，松島敏和，池本智，中西良成：カープローブデータ及びMMSを用いた道路劣化分析の効率化に関する一考察，第33回ファジィシステムシンポジウム講演論文集，pp.411-414，2017.9

道具を賢く使いこなそう！

わかること 計測の仕方 多分野の例

精密・用途に合致（私たちの文化に馴染んでいる）

• 明確な目的の下で定期計測• プロ仕様• 精度は高、鮮度・網羅性は？

人間ドック精密検査

大体・なんとなく（私たちも使いこなす必要あり）

• 目的は様々で、日常計測• 一般向け・汎用的• 精度は？、鮮度・網羅性は高

バイタル機器

• センシング技術の発展により、ヒト・モノ・コトの状態がわかる• 極論、国民一人ひとりがセンサーの世の中• コンピュータリーダブルなデータがますます充実！• どう組み合わせて賢く使うか？が勘所

互いの領域を繋ぐ手法の開発も活発

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終

今井龍一imair@tcu.ac.jp気軽にご連絡ください！

平成28年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞（科学技術振興部門）共同受賞者（写真右から）関西大学 田中成典教授、大阪経済大学 中村健二准教授、関西大学 窪田 諭准教授

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2016年12月19日 交通関連ビッグデータ使いの仲間達との集い