金属資源情報平成ニュース・フラッシュmric.jogmec.go.jp/public/news_flash/pdf/15-33.pdfペルー：政府、Tia Mariaプロジェクト反対派への Southern Copper社の対応を批判

ニュース・フラッシュ No.15-33

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金属資源情報平成 27 年 9月 2 日 No.15-33 ニュース・フラッシュ

独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構調査部

ニュース・フラッシュは、インターネットでも御覧になれます。記事検索も行えます。

http：//mric.jogmec.go.jp/

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[中南米]

チリ：Escondida銅鉱山の可採鉱量は 2014年から 11 ％

増大

チリ：Freeport-McMoRan、El Abra銅鉱山の採掘量を

2016年に半減

チリ：Teckと Goldcorp社、Relincho銅―モリブデン

プロジェクトと El Morro金―銅プロジェクトの統合を

合意

チリ：CODELCOの 2015年上半期剰余金額は過去 6年間

で最少の 8.75億 US$

チリ：CODELCO、Andina銅鉱山拡張プロジェクトの計画

修正を発表

チリ：CODELCO、El Teniente銅鉱山拡張プロジェクト

に新工法導入を検討

ペルー：政府、Tia Mariaプロジェクト反対派への

Southern Copper社の対応を批判

ペルー：Chinalco社、Toromocho鉱山拡張に 1,300百

万 US$を投資

ペルー：Arequipa州、鉱山に対し公共事業向け資金の

拠出要求の動き

ペルー：Doe Run Peru社資産入札不成立の経緯

ペルー：Moquegua州で Quellaveco銅プロジェクト反対

の動き

ボリビア：政府、中国企業に El Mutún鉄プロジェクト

への投資を呼びかけ

エクアドル：Loma Larga金プロジェクト、開発反対活

動が一歩前進

パナマ：加 Pershimco Resources社、Cerro Quema金プ

ロジェクトのための資金を調達

ニカラグア：コロンビア Mineros社、ニカラグアでの

鉱業プロジェクト開始

メキシコ：メキシコ鉱山冶金労働組合現委員長がカナ

ダ滞在中の前委員長の帰国を要求

メキシコ：金融市場の混乱が鉱業プロジェクト 148件

に影響を与える

メキシコ：Chiapas州にて農民、地域コミュニティ等が

鉱業活動反対フォーラムを開催

メキシコ：金属市況下落・低迷により多数の鉱業プロ

ジェクトが延期

メキシコ：メキシコ議会下院特別委員会が Buenavista

銅鉱山の操業一時停止を要請

メキシコ：銀生産企業、コスト削減により金属市況の

下落・低迷に対抗

メキシコ：加 Bacanora Minerals社、Tesla Motors社

向け水酸化リチウムの供給契約を締結

[北米]

米：Rare Earths社、電子機器からレアアースを回収

米：Century Aluminum社、KY州 Hawesvilleアルミニ

ウム製錬所の操業を縮小

米：Molycorp社、Mountain Passレアアース生産設備

の操業休止を発表

米：Freeport-McMoRan、追加支出削減を図る新たな資

本計画を発表

米：Asarco社、AZ州 Hayden選鉱場の無期限操業休止

を発表

加：複数の州・準州が統一した資本市場法の公開草案

を発表

[欧州・CIS]

ギリシャ：加 Eldorado Gold社、エネルギー省の開発


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許可見送りに法的措置も辞さない構え

[アフリカ]

南ア：Northam Platinum、Booysendal South白金プロ

ジェクトの FSを 2016年 5月までに完了も操業は白金

価格次第

南ア：NUM、Nkomatiニッケル鉱山の賃上げストに合意、

基本給を 1割昇給へ

[オセアニア]

豪：Independence Group社、2014/15年度決算は過去

最高の総収入

豪：Evolution Mining社、コスト削減により 2014/15

年度決算は前年の 2倍の純利益

豪：Fortescue社、純利益は減少するも配当は維持。株

価は下落

豪：South32社、今後はコスト削減と現有資産に重点

豪：BHP Billiton の純利益は過去 12年間で最低。配

当は維持するも持続性に疑問の声

豪：BHP Billiton、中国の鉄鋼生産量の予測を引き下

げ

豪：BC Iron社は収益減と純損失を計上し、無配に転落

[アジア]

インドネシア：PT FreeportIndonesiaの精鉱輸出は未

だ再開せず

インドネシア：インドネシア鉄鋼製品がフィリピンの

緊急関税対象品から除外

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チリ：Escondida 銅鉱山の可採鉱量は 2014年から 11 ％増大

2015 年 8月 25日付け BHP Billitonのニュースリリースによると、Escondida銅鉱山の 2015年 6

月末時点での可採鉱量は、前年同時点から 11 ％増大し、酸化鉱：147 百万 t、品位：0.76 ％、リ

ーチング硫化鉱：2,640百万 t、品位：0.45 ％、硫化鉱：5,610百万 t、品位 0.67 ％(カットオフ

品位は、酸化鉱：0.20 ％、硫化鉱：0.30 ％)となった。可採年数は 54 年。総掘進長 90,000 メー

トル(Escondida鉱床：60,000メートル、Escondida Norte 鉱床：30,000メートル)のボーリング探

査により鉱物資源カテゴリから可採鉱量カテゴリへと格上げされた鉱量(798 百万 t)が、採掘等に

よる減少分(150百万 t)を、大きく上回るなどしたことから可採鉱量が増大した。

(2015.8.26 サンティアゴ山本邦仁)

チリ：Freeport-McMoRan、El Abra銅鉱山の採掘量を 2016年に半減

2015 年 8月 27日付け Freeport-McMoRanのニュースリリースによると、同社は El Abra銅鉱山の

採掘量を 2016 年に半減させる計画。計画は、操業コストと人件費の圧縮、投資額の抑制と操業年

数の延長を目的としたもの。地元メディアは、生産縮小に伴い人員も削減されるだろうとしている。

チリ鉱業審議会(Consejo Minero、大手鉱業業者団体)の 2013年データによると、El Abra鉱山の正

社員数は、1,399名、請負労働者数は 1,359名となっている。El Abra鉱山の 2014 年の銅生産量は、

16.6万 tであった。


チリ：Teckと Goldcorp社、Relincho 銅―モリブデンプロジェクトと El Morro 金―銅プロジェク

トの統合を合意

Teck および Goldcorp 社は、2015 年 8 月 27 日付けニュースリリースにおいて、両社がそれぞれ

保有する Relincho 銅―モリブデンプロジェクトおよび El Morro 金―銅プロジェクト(ともに第Ⅲ

州に位置し、隔たりは 40キロメートル)を、Corridor銅―金プロジェクトとして統合することで合

意したと発表した。両社は本プロジェクト推進のために 50：50の JVを形成する。今後、地域住民

との協議を進めるほか、2016 年初頭にプレ FS に着手し、1 年～1 年半でこれを完成。プレ FS 結果


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が良好な場合、その後 FSに移行する計画。

また、Goldcorp社は、同日付けニュースリリースで、New Gold 社が保有する El Morroプロジェ

クトの 30 ％権益を取得することで同社と合意したことを発表。Goldcorp社は、New Gold社に対し

て、現金 90 百万 US$を支払うほか、将来 El Morro鉱区で生産される金の 4 ％を固定価格で提供す

る。また、融資残額 93百万 US$の返済を免除する。

事業統合の合意とあわせて発表された Corridorプロジェクトの予備的経済性評価(PEA)結果では、

開発当初 10 年間の粗鉱処理能力は 9～11万 t/日、年間生産能力(金属換算量)は銅：19 万 t、金：

9.8 tが想定され、操業年数は 32年が見込まれる。El Morroサイトで採掘される鉱石は、Relincho

サイトに建設される選鉱施設にベルトコンベヤで供給される。海水淡水化プラント、積出港、送電

線および廃さいダムといったインフラは共有される。初期投資額は 35億 US$で、操業開始後の追加

投資により段階的に拡張していく構想となっている。独立したプロジェクトとしての初期投資額は、

これまで、Relincho プロジェクト：45 億 US$、El Morro プロジェクト：39 億 US$とされていた。

Relincho プロジェクトでは可採鉱量：1,239 百万 t、銅品位：0.37 ％、モリブデン：0.017 ％が、

El Morroプロジェクトでは可採鉱量：599 百万 t、金品位：0.46 g/t、銅品位：0.49 ％が計上され

ている。

Teck は、2014年 2月、金属価格の低下を理由に Relinchoプロジェクトの延期を発表。FSは完成

したものの、環境認可申請手続きは開始していなかった。

一方、Goldcorp社は、2014 年 11 月、El Morroプロジェクトの環境影響評価書(EIA)の取り下げ

を発表。これは、2014 年 10 月に最高裁判所が下した判決結果―今後プロジェクトを進めるために

は、ILO 第 169 号条約に則った先住民グループとの協議が必要―を受けたものであった。これによ

り 2013年 10 月に再取得した環境認可(RCA)は無効となった。


チリ：CODELCO の 2015年上半期剰余金額は過去 6年間で最少の 8.75 億 US$

メディア報道によると、CODELCOの 2015 年上半期の剰余金額は 8.75 億 US$で、前年同期の 13.1

億 US$に比べて 33 ％減少した。半期の剰余金としては過去 6 年間で最少となった。生産量は、北

部での豪雨災害の影響があったにもかかわらず、前年同期比 5.5 ％の増となった。C1 コスト、C3

コストは、前年同期に比べてそれぞれ、11 ％、12 ％減少した。Pizarro 総裁は、「経費削減計画

が首尾よく実施されていなかったならば、剰余金は辛うじて 2.72億 US$に達するにとどまったであ

ろう」と語った。

CODELCOは、10億 US$のコスト削減を今年度計画としている。8月 27日の役員会では、上級管理

職の給与凍結、9月以降の新規採用の停止、などを決定した。


チリ：CODELCO、Andina銅鉱山拡張プロジェクトの計画修正を発表

メディア報道によると、CODELCO は 2015 年上半期業績とあわせて、Andina 銅鉱山拡張プロジェ

クト(Andina 244プロジェクト)の計画修正を発表した。

氷河や首都圏水資源への影響が懸念され、市民や NGO、規制当局から反対の声が上がっている

Andina 244 プロジェクトについて CODELCOは、現在提出している環境影響評価書を取り下げ、新た

な開発計画の策定を進める。新開発計画は、環境への配慮や水使用量の削減のほか、初期投資額の


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圧縮を念頭においたものとなり、現在、1年間の予定で進められているプレ FSでは、粗鉱処理能力：

15万 t/日、初期投資額：30～35億 US$の開発案が検討されている模様。


チリ：CODELCO、El Teniente 銅鉱山拡張プロジェクトに新工法導入を検討

メディア報道によると、CODECLO は、El Teniente 銅鉱山拡張プロジェクト(新レベル開発)に関

して、新工法の導入を検討している。

進行中の開発工事において深部レベルアクセス坑道の山跳ね等の問題に直面している同プロジ

ェクトに関して、Aliaga南部操業担当副総裁が語ったところによると、CODELCOは今後 9カ月間を

かけて、新たな坑道開削工法の研究・評価を進める計画。これまでに 2020 年下半期に遅延すると

発表されていた操業開始時期については、副総裁は、新工法の検討・導入により操業開始時期がさ

らに遅延することはない、としている。


ペルー：政府、Tia Maria プロジェクト反対派への Southern Copper 社の対応を批判

2015 年 8 月 24 日付け地元紙によると、Tia Maria プロジェクトは、反対運動の激化によって、

Southern Copper 社が今年 5月 15日から 60日間、プロジェクトを凍結した後、現在まで対話交渉

が再開されていない。Ortizエネルギー鉱山大臣によると、Arequipa州 Islay郡の自治体が、交渉

に応じる条件としてプロジェクトの完全中止を求めていることから、政府は対話交渉を取り止めた

ことを明らかにした。また、大臣は、Southern Copper 社が、Tia Maria プロジェクト反対運動へ

の対応策として、Lima や Arequipa の新聞広告等で、プロジェクトのもたらす利点などを宣伝する

手法を採用してきたことを批判した。大臣は、「Limaで広告キャンペーンを行うことに意味がある

とは思えない。Southern Copper 社は、プロジェクトの所在地で(反対派と向き合う)活動を行って

こなかった」と述べ、同社が現地で積極的に反対派の理解を得る努力を重ねてきたならば、少なく

とも対話交渉のテーブルに着くことができたとの考えを示した。

(2015.8.28 リマ迫田昌敏)

ペルー：Chinalco 社、Toromocho 鉱山拡張に 1,300百万 US$を投資

2015 年 8 月 26 日付け地元紙によると、Chinalco 社の Huang Shanhu 社長と Toromocho 鉱山を訪

問した Cateriano 首相は、同社が鉱山拡張に 1,300 百万 US$の投資を行う計画を明らかにした。

Toromocho鉱山には 3,500百万 US$が既に投資され、2015年 6月 17日に商業生産を開始したが、拡

張計画として追加的に 1,300百万 US$が投資されることになる。Chinalco社によると、本計画では

既存の操業能力を 45 ％増加させる見通しで、鉱山に 115百万 US$、プラントやインフラ建設に 1,060

百万 US$、その他に 142百万 US$を投資する計画。

(2015.8.28 リマ迫田昌敏)

ペルー：Arequipa 州、鉱山に対し公共事業向け資金の拠出要求の動き

2015 年 8月 21日付け地元紙によると、8月 20日、Arequipa州 Arequipa郡の Zegarra 知事は、

Arequipa 設立 475 周年の記念式典で行った演説の中で、Cerro Verde 鉱山に対して、保健、衛生、

教育、交通インフラ関連の工事の資金として 500百万ソーレス(約 181 億円)の拠出を要求した。同


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知事は、鉱業活動に反対の立場ではないとしつつ、現在 Cerro Verde鉱山は拡張中であり、拡張完

了後には銅生産量は 3倍になるだけでなく、問題も増加するだろうとし、拡張を見据えた正当な要

求であるとの考えを示した。さらに Arequipa州の Osorio州知事は、Cerro Verde鉱山に留まらず、

同州内で活動する全ての鉱山からの拠出金による基金の設立について、Zegarra 郡知事と対談した

い考えを示した。州知事は、鉱山からの拠出金を公共交通機関や保健・衛生関連工事に活用したい

としている。

一方、本件に関して Ortizエネルギー鉱山大臣は、リマのラジオ番組に出演し、Arequipa郡知事

の要求は全く根拠のない実現不可能なものであると批判した。さらに、郡知事の提案をより具体的

に知る必要があるとしつつ、演説の内容から全く場違いな要求であると考えている旨表明した。

(2015.8.28 リマ迫田昌敏)

ペルー：Doe Run Peru 社資産入札不成立の経緯

地元紙が入手した、Doe Run Peru(DRP)社の債権者グループから国際入札の実施を委託された UBS

投資銀行(スイス)による、La Oroya 製錬所と Cobriza 銅鉱山の売却プロセス(応札なく不成立とな

った)に関する報告書によれば、本入札に関しては世界の企業 59社から問い合わせがあり、このう

ち 12 社が入札に係る秘密保持契約を取り交わした。さらにその中から 6 社が具体的な応札に向け

た提示を行い、UBS 投資銀行との連絡を取り続けていたが、様々な問題点が解決されないことを理

由として、6 社とも応札の予定を取り止める結果となった。6 社には Votorantim 社、Glencore、

Southern Peaks Mining 社(ペルー)等が含まれていた。なお、複数の企業が Cobriza 銅鉱山のみを

買収する希望を示していた。一方、これら企業は、La Oroya製錬所は国の求める環境基準値の履行

が不可能であるほか、先に政府が承認した環境対策修正書(IGAC)は問題の解決にならないと主張し

ているという。

(2015.8.28 リマ迫田昌敏)

ペルー：Moquegua 州で Quellaveco 銅プロジェクト反対の動き

2015 年 8月 26日付け地元紙によると、Moquegua州の企業家、建設労働者、小規模事業者等によ

って形成される Moquegua開発推進委員会は、2015年 7月、Anglo Americanが 2012年の(Quellaveco

プロジェクトに関連する)対話協議会の 26項目の合意事項について、履行違反しているとの告発を

行った。さらに 8月 21日、Moquegua州の Rodriguez知事と Moquegua利益保護戦線のメンバーらは、

Ortizエネルギー鉱山大臣を訪問し、Quellavecoプロジェクトは社会的な支持を得ていないと訴え、

鉱業活動反対を表明する請願書を渡した。反対派の代表者らは、Quellaveco プロジェクトは、

Moqueguaで雇用や物資の購入を行うべきだと主張しているほか、州内では水不足が問題となってい

るにも関わらず、Vizcarra前州知事が違法に鉱業で水を利用させたと訴えている。これに対し、同

前州知事は、Anglo Americanとの合意内容を無視しようとしているのは、むしろ反対派であると意

見している。

(2015.8.28 リマ迫田昌敏)

ボリビア：政府、中国企業に El Mutún鉄プロジェクトへの投資を呼びかけ

2015年8月24日付け地元紙によると、ボリビア鉱業冶金省Navarro大臣が、中国のHenan Complant

Mechanical(河南中成机电)社、China Railway Construction(中国鉄建)社、China Aluminum


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International社、Sinosteel Equipment社、CIPMIEC-Catie Group社、Capital Engineers社及び

China CAMC 社の 7 社に対して、El Mutún 鉄プロジェクトの開発提案を行うよう呼びかけた。これ

に応え、Henan Complant Mechanical 社と China Railway Construction社が、現地を視察した。政

府は、同プロジェクトに 405 百万 US$の投資を実施する予定だが、このうち 85 ％を中国からの融

資に期待している。

2012 年 8 月にインドの Jindal 社が同プロジェクトから撤退した後、政府は同プロジェクトの再

開に取り組んできた。政府は Jindal 社が契約に違反したと主張する一方、Jindal 社はプロジェク

ト失敗の責任はボリビア政府にあるとして、国際調停所に対して、同社に課せられた罰金の返金を

求める訴えを起こしている。

El Mutún 社は財政難に陥っており、給与 3 か月分が未払いとなっている労働者 94名のストライ

キにより、開発活動が停止された。

El Mutún鉱床は、Fe品位 50 ％で 400億 tの推定埋蔵量を有している。

(2015.8.28 リマ迫田昌敏)

エクアドル：Loma Larga 金プロジェクト、開発反対活動が一歩前進

2015 年 8月 26日付け地元紙によると、Azuay県 Quimsacocha高原の Loma Larga 金プロジェクト

に反対する地元団体が、開発の是非を問う住民投票を合法的に実施するため選挙管理委員会に提出

していた住民約 2,100 名の署名リストの署名認証作業が 25 日実施され、必要とされる 1,490 票に

対して、1,577 名の署名が本人と確認された。これを受け、次の手続きとして、この承認済みの署

名リストと住民投票にかける質問内容を憲法裁判所に提出し、最終承認を取得することになる。憲

法裁判所の採決は一週間以内に出される予定。

(2015.8.28 リマ迫田昌敏)

パナマ：加 Pershimco Resources社、Cerro Quema金プロジェクトのための資金を調達

2015 年 8月 25日付け業界紙等によると、加 Pershimco Resources社(本社：ケベック州ルイーヌ・

ノランダ)は、パナマに保有する Cerro Quema 金プロジェクトに関し、3.3 百万 C$の第三者割当と

15百万 US$の信用供与を確保した旨を明らかにした。

同社によると、本資金調達により、残されたエンジニアリングと探鉱を推進するとともに、今後

数か月の間で鉱業権取得を実施する見通しである。

(2015.8.31 メキシコ縄田俊之)

ニカラグア：コロンビア Mineros社、ニカラグアでの鉱業プロジェクト開始

2015 年 8 月 25 日付け業界紙等によると、コロンビア Mineros 社(本社：メデジン)は、Hemco

Nicaragua 社とのコンソーシアム契約を締結し、ニカラグアでの鉱業プロジェクトの開発を開始す

る旨を明らかにした。

同社によると、同コンソーシアムにおける契約金額は 7,631 百万 US$、契約期間は 5年間で、年

間金生産量 2 tが見込まれている。



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メキシコ：メキシコ鉱山冶金労働組合現委員長がカナダ滞在中の前委員長の帰国を要求

2015 年 8 月 22 日付け業界紙等によると、メキシコ鉱山冶金労働組合(SNTMMSSRM)の Sergio

Beltrán現委員長は、本年 8月に行われた労働社会保障省の調停による ArcelorMittal México社と

の労使間交渉合意の発表に際し、今後労働組合と企業との直接交渉を実施するためには現在カナダ

に滞在するNapoleón Gomez Urrutia前委員長がメキシコへ帰国する必要がある旨を強く主張した。

この背景として、2006年当時 SNTMMSSRMの委員長であった Napoleón Gomez Urrutia氏は、Sonora

州に位置する Cananea銅鉱山(現在 Grupo México社の子会社である Southern Copper社が操業する

Buenavista 銅鉱山)において、当時 SNTMMSSRM が組合員に支払うべき同鉱山の権益売却費 55 百万

US$を横領した事実が判明したためカナダへ逃亡、現在もカナダにおいて SNTMMSSRM を実質的に支

配していると言われている(帰国した場合、同組合の一部有志が設立したメキシコ全国鉱業連盟等

のグループの提訴により、横領罪で逮捕される可能性を有す)。

現委員長によると、SNTMMSSRM 及び同省の代表者は、今回の労使間交渉合意に際し、前委員長の

内諾を得るためにカナダへ出向かなければならなかった。今回の調停において発揮された前委員長

の知見、経験等を今後の労使間交渉に生かすためには、前委員長がメキシコ国内に所在することが

重要である。


メキシコ：金融市場の混乱が鉱業プロジェクト 148 件に影響を与える

2015 年 8月 24日付け業界紙等によると、メキシコ鉱業関係当局の実質トップである Mario Cantú

経済省鉱業調整官は、株式市場の急落とともに為替相場におけるペソ安が金属市況に影響を与え、

その結果、鉱業においてネガティブな影響が発生している旨を明らかにした。

一方、同調整官は、金属市況の下落・低迷が進行しているものの、金属鉱業企業各社はコスト削

減を図ることにより生産量の減少が生じないよう対応を図っている。また、金融市場の不安定さが

鉱業にネガティブな影響を与えているものの、来年 Q1 には改善されるとの見通しにより、現在

Chihuahua 州において活動停止等の影響を受けている鉱業プロジェクト 148 件に関しては、今後再

開されることが予想される。


メキシコ：Chiapas 州にて農民、地域コミュニティ等が鉱業活動反対フォーラムを開催

2015 年 8月 24日付け業界紙等によると、Chiapas州において本年 8月 15～16日の 2日間に亘り

農民、地域コミュニティや地方自治体のリーダー等が、鉱業活動による地域への影響や当該影響へ

の対策を討議するための鉱業活動反対フォーラムを開催した。

本フォーラムは、現在 99 件の鉱業コンセッションが付与されている同州において初めて開催さ

れた会合であり、加 Goldcorp 社のような多国籍企業による鉱業活動の阻止、同州内の各地域にお

ける鉱業活動による共通的な影響の確認、及び、同州と同様に鉱業活動による影響を受けている

Morelos州や Guerrero州における鉱業活動に対する反対運動の経験の共有を主目的とした。

また、本フォーラムでは、中国向けチタン採掘鉱山が所在する地域コミュニティを含む 2か所の

地域コミュニティの代表が、周辺住民の癌による死亡事例や皮膚病の発症事例を報告するとともに、

金、銀、銅、チタン、鉄、鉛及び亜鉛の採鉱による周辺地域の水質及び土壌の汚染事例を紹介した。

さらに、鉱業活動の周辺地域への社会的影響、鉱業企業による悪質な行為や謀略、及び、周辺地域


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に対する利益の再配分を行わないことによる経済的不平等の蔓延等を確認した。

なお、2 日間における本フォーラムにおいて、子孫に対する安全な居住地の確保、及び、地域住

民の生活と水資源の保全を目的とした地域の公約を強化した。


メキシコ：金属市況下落・低迷により多数の鉱業プロジェクトが延期

2015年 8月 25日付け業界紙等によると、メキシコ鉱業会議所(CAMIMEX)は、昨今の金属市況下落・

低迷により、開発工事中又は拡張工事中である 13件の鉱業プロジェクトが延期された旨を報告した。

CAMIMEXによると、2011年に金属市況において金が 1,895 US$/oz、銀が 48.7 US$/ozとなる歴史

的な高値を記録したが、2015 年現在において金、銀それぞれ 43 ％、70.2 ％の大幅な下落となっ

た。こうしたことから、投資コストの最適化及びコスト削減を行い金属市況が好転した際に備える

べく、鉱業プロジェクトにおける設計やエンジニアリング等の見直しを行うために鉱業プロジェク

トの延期が発生している。特に 2013 年初頭において鉱業プロジェクトは良好な収益性を確保でき

ると見られていたが、2014年に入り金属市況の下落・低迷や新たに施行された鉱業特別税や貴金属

鉱業特別税等により、メキシコで活動する鉱業企業の多くは、株主対策として鉱業プロジェクトの

延期を決断している。

また、CAMIMEX前会頭である Minera Frisco社の Humberto Gutiérrez-Olvera 社長によると、2014

年におけるメキシコ探鉱投資額は 2年連続で減少し 856 百万 US$に留まっており、この状況は将来

における新たな鉱山の操業開始が減少することに繋がる旨警告した。

なお、経済省によると、現在 803件の鉱業プロジェクトのうち、129件が正式に延期されている。


メキシコ：メキシコ議会下院特別委員会が Buenavista 銅鉱山の操業一時停止を要請

2015 年 8月 25日付け業界紙等によると、メキシコ議会下院の Sonora川及び Bacanuchi川汚染監

視特別委員会は、Grupo México 社の子会社 Southern Copper 社が Sonora 州で操業している

Buenavista銅鉱山において昨年 8月に発生した銅浸出液流出事故に関連して、周辺環境に対する影

響が全て解決するまで同鉱山の活動を中止すべきである旨を最終報告書としてまとめ、本年 8月 31

日に同議会へ提出することとした。

同報告書では、当該事故による損害を全て評価し、周辺環境や周辺コミュニティに対する損害賠

償を保障する場合に限り同鉱山における採鉱の再開を認めることとした。また、Grupo México社は、

当該事故の発生を速やかに報告せず、事故発生当初から虚偽報告を行うとともに、問題に対する責

任を回避した旨が明記された。その他に、国家水委員会(CONAGUA)が提出したデータにより作成さ

れた経済的損害額として、事故発生後 1 か月間において推計 702.8 百万ペソであったこと、及び、

大統領委員会が推計した事故発生後 1年間における経済活動全てに対する損害額が 1,140百万ペソ

であったことが明らかにされた。同様に、周辺コミュニティ等における個人資産の損害額が 529.5

百万ペソを超えるほか、農業における耕作被害額が 86.5 百万ペソ、各家庭に対する追加補償額が

46.1百万ペソ、観光活動損害額が 22.7百万ペソ、家畜取引システム停止損害額が 17.7 百万ペソと

推計された。加えて、Sonora 州政府と同社は、当該事故により影響を受けた者に対する賠償基準、

被害額を定量化する方法や、補償金の分配基準等を明確にしてこなかった旨が指摘された。

なお、本委員会委員長によると、当該事故における同社の関係法令に対する違反事項を明確に特


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定するほか、経済省に対し同鉱山に係る鉱業コンセッションの取消を要請するため、引き続き調査

を継続する旨が申し伝えられた。


メキシコ：銀生産企業、コスト削減により金属市況の下落・低迷に対抗

2015年 8月 26日付け業界紙等によると、2009年以降最低となる金属市況の下落・低迷を踏まえ、

メキシコで活動する銀生産企業は収益を確保するため、本年 Q2 も更なるコスト削減により対応し

ている。

メキシコで活動する銀生産企業のうち少なくとも主要 8 社に関しては、本年 Q2 における生産コ

ストの削減を実施した。主要 8社の対応状況は、以下のとおり。

Peñoles 社の貴金属部門の子会社である Fresnillo 社は、Saucito 金・銀鉱山の鉱山操業コスト

としての全維持コスト(AISC)を 22 ％削減し 5.95 US$/oz としたほか、Fresnillo銀鉱山の AISCを

11 ％削減し 11.05 US$/ozとした。

加 Endeavour Silver社(本社：バンクーバー)は、AISC を前年同期の 20.48 US$/ozから 18 ％削

減し 16.86 US$/ozとした。なお、El Cubo銀鉱山の拡張工事が終了すると更なるコスト削減が見込

まれる。

加 First Majestic Silver社(本社：バンクーバー)は、AISCを前年同期の 18.18 US$/ozから 20 ％

削減し 14.49 US$/ozとした。主な要因としては、Del Toro 鉱山の増産による。

加 Great Panther Silver社(本社：バンクーバー)は、AISCを前年同期の 24.40 US$/ozから 49 ％

削減し 12.54 US$/ozとした。主な要因としては、品位と生産性の向上による。

加 Fortuna Silver Mines社(本社：バンクーバー)は、AISCを前年同期の 15.77 US$/ozから 13.07

US$/oz へ削減した。

加 SilverCrest Mines 社(本社：バンクーバー)は、AISC を前年同期の 11.73 US$/oz から 10.97

US$/oz へ削減した。

一方、米 Coeur Mining社(本社：シカゴ)は、AISCが前年同期の 13.48 US$/ozから 13.21 US$/oz

へ、加 Avino Silver & Gold Mines 社(本社：バンクーバー)は、12.03 C$/oz から 11.72 C$/ozへ

と殆ど変わらなかった。

なお、各企業はコスト削減による努力もさることながら、米ドルに対するペソ安にも助けられた

と推察される。


メキシコ：加 Bacanora Minerals社、Tesla Motors 社向け水酸化リチウムの供給契約を締結

2015年 8月 27日付け業界紙等によると、加 Bacanora Minerals社(本社：カルガリー)は、米国の

電気自動車メーカーである Tesla Motors 社に対し、英 Rare Earth Minerals 社(本社：ロンドン)と

の JVにより Sonora州に保有する Sonoraリチウムプロジェクト(El Sauz及び Fleurリチウムプロジ

ェクト)で操業開始後生産される水酸化リチウムを長期的に供給する契約を締結した旨を発表した。

なお、同プロジェクトに関しては、当初計画ではリチウム化合物の年間生産量を 35 千 t として

いるが、50千 tまで拡張することが可能である。



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米：Rare Earths社、電子機器からレアアースを回収

2015 年 8月 26日付地元報道によれば、U.S. Rare Earths Inc(以下 Rare Earths社)は、米エネ

ルギー省重要物質研究所(U.S. Department of Energy’s Critical Materials Institute)により

開発された新技術により、使用済電子機器等からのレアアース回収事業の準備が整ったと発表した。

磁石・バッテリー・触媒コンバーター等からレアアースを回収する。

従前は、環境問題や高コストを理由にレアアース回収事業は制限されていたが、新技術(溶媒抽

出：membrane solvent extraction system)によりこれらの問題は解消されるとされており、同社

によれば、コロラド州 Last Chance工場において、約 2,268 tの原料を回収できるとされている。

(2015.8.26 バンクーバー昆野充登)

米：Century Aluminum 社、KY 州 Hawesvilleアルミニウム製錬所の操業を縮小

2015 年 8月 25日、Century Aluminum社は、昨今のアルミニウム価格の著しい下落の影響を受け

て、KY 州で操業している Hawesville アルミニウム製錬所の操業を縮小すること決め、WARN

Act(Worker Adjustment and Retraining Notification Act；連邦労働者調整・再訓練予告法)に基

づき、同製錬所に勤務する労働者約 565名に通知したことを明らかにした。7月 27日には、操業再

開を目指していた WV州の Ravenswood製錬所についても、再開を断念して閉鎖することと発表して

いた。

Century Aluminum社は、中国における過剰生産能力と多額の助成金を受けた中国のアルミニウム

製品の輸出が他の製錬所を駆逐しており、そうした産業界がどうすることもできない不公正な貿易

がアルミニウム価格の著しい低下を招いていると批判している。

(2015.8.28 バンクーバー山路法宏)

米：Molycorp 社、Mountain Pass レアアース生産設備の操業休止を発表

2015 年 8月 26日、Molycorp社は、レアアース価格の下落を背景に Mountain Passレアアース生

産工場をケア・アンド・メンテナンス状態にすると発表した。2015年 10月 20日までに操業を休止

する予定。なお、エストニア及びチリに保有する生産工場を通じてレアアース酸化物の供給は継続

する予定であり、レアアース磁性材料メーカー等の顧客への影響はないと説明している。


米：Freeport-McMoRan、追加支出削減を図る新たな資本計画を発表

2015 年 8月 27日、Freeport-McMoRanは改訂した資本・業務計画を発表し、低迷する市況の影響

を受けて更なる支出削減を図ることを明らかにした。2016 年の計画として、鉱業分野の CAPEX を

25 ％削減し、石油・ガス分野と合わせた CAPEXを 2015 年 7 月に発表した計画より 29 ％削減した

40 億 US$とするほか、2016 年及び 2017 年の年間銅生産量を削減することや、生産・運搬コスト単

価を 2015年の見込みと比較して 20 ％削減すること等の対策を行う。

Freeport-McMoRan は、米国内では、AZ 州で 5鉱山(Morenci鉱山、Bagdad 鉱山、Safford鉱山、

Sierrita鉱山、Miami鉱山)、NM州で 2鉱山(Chino鉱山及び Tyrone鉱山)を操業しているが、新た

な計画では Miami鉱山(2014年銅生産量 57百万 lb(約 25,855 t))での採掘を休止するほか、Tyrone

鉱山(2014年銅生産量 94百万 lb(約 42,638 t))でも採掘量を半減させ、他の鉱山でも採掘量を調整

する。これにより、米国内の雇用者及び請負業者を約 10 ％削減する見込みとなっている。その他、


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世界各地で投資削減や操業制限によるコスト削減を盛り込んでいる。


米：Asarco社、AZ州 Hayden選鉱場の無期限操業休止を発表

2015 年 8月 28日、Grupo Mexicoの 100 ％子会社である Asarco社は、2011年以降 40 ％以上下

落している銅価格と現在の世界市況を背景に、AZ 州にある Hayden 選鉱場を無期限に操業停止する

と共に、Ray 銅・銀鉱山におけるリーチングの逆抽出(ストリッピング)作業も縮小すると発表した。

これにより、同社の銅生産量は全体の約 17 ％に当たる年間約 67百万 lb(約 30,391t)が減少するこ

ととなり、これに加えて 2015～2016年の CAPEXを 1.1 億 US$削減することで、会社全体のフリー・

キャッシュフローの改善を見越している。また、時間給労働者の労働力の 20 ％に当たる 211 名の

時間給労働者が影響を受ける見込み。


加：複数の州・準州が統一した資本市場法の公開草案を発表

2015 年 8 月 25 日、BC 州、ON 州、SK 州、NB 州、PE 州及び YK 準州は、協力して進めている共同

資本市場規制システム(Cooperative Capital Markets Regulatory System、以下「共同システム」)

について各州・準州統一の資本市場法(Capital Markets Act)修正草案が発表された。資本市場法

は、2014 年 9 月に原案が発表されており、今回の修正案は同年 12 月までに寄せられたパブリック

コメントを踏まえて修正されたもので、2015年 12月 23日までパブリックコメントを募集している。

共同システムは、州・準州間における資本市場の規制枠組みを合理化し、投資家の保護、効率的

な資本市場の育成、システミック・リスク(特定の金融機関や市場の機能不全が他の金融機関や市

場、金融システム全体にまで波及するような金融危機を起こすリスク)の管理を目的として設計さ

れた。2016 年 6 月 30 日までに、各州・準州は資本市場規制の側面を調和・近代化した統一の資本

市場法の制定を、連邦政府は補完的な資本市場安定法(Capital Markets Stability Act)の制定を

目指しており、分裂しているカナダ国内での規制制度の改善につながるとして、鉱業界は歓迎の意

を表明している。


ギリシャ：加 Eldorado Gold 社、エネルギー省の開発許可見送りに法的措置も辞さない構え

2015 年 8月 20日付メディア報道によれば、ギリシャ政府は、加 Eldorado Gold社が同国北部の

Halkidiki で実施している Skouries 金プロジェクト及び Olimpias 金プロジェクトについて、契約

条項を侵害しているとして、同プロジェクトの開発許可を停止した。同社はこれを受けてエネルギ

ー省に対して法的措置も辞さない考えを示した。同社によれば、Olimpiasプロジェクトの製錬工程

に係るパイロットスケールの試験調査をフィンランドの Outotec社の設備で実施したことについて、

エネルギー省がギリシャ国内で実施すべきだったと反発していることが、この許可が見送られた背

景にあるとしている。

(2015.8.21 ロンドン竹下聡美)


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南ア：Northam Platinum、Booysendal South 白金プロジェクトの FSを 2016年 5月までに完了も

操業は白金価格次第

2015 年 8月 20日付メディア報道によれば、白金生産大手の Northam Platinum社は、Booysendal

South 白金プロジェクトの開発に係る FS 調査を 2016 年 5 月までに完了させる見通し。ただし同鉱

山の操業自体は白金市場の状況により判断するとしている。同社 CEO の Paul Dunne 氏は白金価格

が 900 US$/oz 近辺に停滞すれば、Booysendal South 白金プロジェクトの開発を急ぐ必要はない、

とコメントしている。また同氏は、ファンダメンタルズは白金価格をサポートするとして、世界の

GDP成長に伴って白金需要も伸びると楽観的な見通しを示した。


南ア:NUM、Nkomatiニッケル鉱山の賃上げストに合意、基本給を 1割昇給へ

2015 年 8月 20日付メディア報道によれば、南ア全国鉱山労働組合(NUM)は、African Rainbow 社

と Norilskが保有する Nkomatiニッケル鉱山で 2015年 8月 16日から 3日間に渡って行われたスト

ライキの結果、初年度 8.5 ％、次年度 9 ％、3年度 10 ％の昇給に合意し、3 年間の雇用契約に署

名した。この他、従業員は住宅手当を初年度に 2,930 ランド、3 年目には 3,512 ランドを受け取る

他、10 年の長期勤務者は 4,000ランド、25年の場合は 12,000ランドが支給される。


豪：Independence Group 社、2014/15 年度決算は過去最高の総収入

2015 年 8月 24日、WA州の Independence Group社(Independence社)は、2014/15年度(2014年 7

月～2015年 6月)の決算を公表した。同社の 2014/15年度の総収入は 4億 990 万 A$であり、前年比

25 ％増で同社にとって過去最高となった。同社の税引後利益は 7,680 万 A$であった。Tropicana

金鉱山の順調な操業が利益の増加に貢献した。Tropicana 金鉱山(権益は Independence 社 30 ％、

AngloGold Ashanti 社 70 ％(オペレータ))、Jaguar 亜鉛―銅―銀鉱山(Independence 社 100 ％)、

Long ニッケル鉱山(Independence 社 100 ％)の 3つの操業鉱山で全て 2014/15 年度の生産目標が達

成された。Independence社は 2015/16年度は Tropicana金鉱山で金 430,000～470,000 oz (金 13.4

～14.6 t)、Jaguar亜鉛―銅―銀鉱山で亜鉛 35,000～40,000 t、Longニッケル鉱山でニッケル 9,000

～10,000 t を生産目標として掲げている。

(2015.8.31 シドニー矢島太郎)

豪：Evolution Mining 社、コスト削減により 2014/15年度決算は前年の 2倍の純利益

2015 年 8月 27日、豪州の産金量 2位の Evolution Mining 社は 2014/15年度(2014年 7月～2015

年 6月)の決算を公表した。同社の 2014/15年度の純利益は 1億 610 万 A$であり、前年比 112 ％増

となった。また、株主への配当は 1株当り 1￠で 10月 2日に支払うと発表された。同社の Jake Klein

会長は「かつて高コスト鉱山・短寿命と言われた自社の鉱山のコスト削減に 4年間にわたり取り組

んだ成果が得られた」とコメントしている。同社は 2015/16年度は金 730,000～810,000 oz (金 22.7

～25.2 t)を生産目標として掲げている。

(2015.8.31 シドニー矢島太郎)


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豪：Fortescue 社、純利益は減少するも配当は維持。株価は下落

2015 年 8月 24日、鉄鉱石鉱山会社の Fortescue社は 2015年 6月末までの年間の決算報告を発表

した。税引き後の純利益は前年度から 90 ％近く減少して 316 mUS$となったが、配当は維持し 1株

当たり 2 US￠とした。25 日付け地元紙は、今回の発表を受けて同社の株価は 14 ％下落し、2008

年以降で最低水準の値を付けたと報じた。負債減少のための資産売却について、新たな情報が提供

されなかったことも市場を失望させたとしている。また、同社の純負債は 7.2 bUS$であり、6 bUS$分

が 2019 年中に返済期日を迎える予定であるが、同社の Nev Power CEO は中国の Hebei Iron & Steel

社と Tewoo Group社との間で資産売却に向けて協議中との噂について認めなかったものの、資産売

却に向けた議論はオープンであると述べた、と報じている。同社はブレークイーブンとなる鉄鉱石

価格を前年の 60 US$/tから今年度は 39 US$/tにする目標を掲げている。

(2015.9.1 シドニー山下宜範)

豪：South32社、今後はコスト削減と現有資産に重点

2015 年 8月 24日、South32社が 2015年 6月末までの年間の決算報告を発表。同社は本年 5月に

BHP Billitonから分離して設立された新しい企業であるため、今回の報告は同社が継承した事業に

係る試算上(Pro forma ベース)の決算が中心となっている。これによると税引き後の純利益は、前

年度の 64 mUS$から減少して 28 mUS$となった(Pro forma ベース)。25 日付け地元紙は本件に係る

Graham Kerr CEO の発言を報じている。同 CEO によれば、今後同社は量の拡大ではなくキャッシュ

フローを重視し、1株あたりの財務指標に焦点を当てること、また今後 3年間で 350 mUS$のコスト

削減を図ると述べている。今後の投資については、東部州の石炭は許認可に係る問題で新規開発が

困難になるのではないかとの見方も示しつつ、今後は、新規の資産獲得ではなく現有資産の増大を

図ることに焦点を当てると述べた。


豪：BHP Billiton の純利益は過去 12年間で最低。配当は維持するも持続性に疑問の声

2015 年 8月 25日、BHP Billiton は年間の決算報告を発表した。同社の純利益は前年度の 13.83

bUS$から 86 ％減少して 1.91 bUS$となり、2003 年以降で最も低い水準となった。この要因は、コ

モディティ価格の低下、米国のシェール事業の減損、South32 社の分離等である。しかし、純利益

の減少にも関わらず、配当は前年度比 2.5 ％増となる 1 株当たり 1.24 US$とした。地元紙の報道

によれば、一部のアナリストは同社の累進的な配当政策の持続性を疑問視している。また、BHPは、

コスト削減については 2017 年までの目標を 2 年前倒しで達成し、4.1 bUS$分の生産性向上が得ら

れたとしている。資本支出及び探査支出については 11.04 bUS$となり、前年度比で 24 ％減となっ

た。これらの支出は今後も削減するとしており、次年度の 2016 年度は 8.5 bUS$、2017 年度は 7.0

bUS$とする計画である。


豪：BHP Billiton、中国の鉄鋼生産量の予測を引き下げ

2015 年 8 月 26 日付けの地元紙によれば、BHP Billiton の Andrew Mackenzie CEO が、同社の決

算報告において中国の粗鋼生産量の予測を引き下げる旨発言した。同 CEOは、中国の粗鋼生産量は

現状では年産 8.2億 tあるが、2020年代半ばには年産 9億 3500万～9億 8500万 tになると予測し、


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従前予測していた年産 10 億 t から引き下げた。ただしこれはスクラップ鉄から生産される粗鋼の

生産減少によるものであり、豪州の鉄鉱石や原料炭の需要に大きな影響を与えないとし、また、同

CEOは今年の中国の成長率を年間 7 ％と予測し、経済は今年前半よりも後半の方がわずかに強くな

るであろうと述べた。


豪：BC Iron社は収益減と純損失を計上し、無配に転落

2015 年 8月 26日、BC Iron社は 2015年 6月末までの年間の決算報告を発表。これによると収益

は281.2 mA$であり前年度比で約40 ％の減少。これについて同社は、Fortescue社とのJV(Nullagine

Joint Venture)により WA 州ピルバラ地域で実施中の鉄鉱石鉱山が、粘土に起因する操業上の問題

により生産量が減少したこと及び鉄鉱石価格の下落によるもの、と説明している。また前年度は

71.8 mA$の純利益を計上したものの、当年度は 158 mA$の純損失を計上し、無配に転落した。


インドネシア：PT FreeportIndonesiaの精鉱輸出は未だ再開せず

2015 年 8月 22日付地元メディアによると、インドネシア鉱山大手 PT Freeport Indonesia(PTFI)

は、商業省が定めた信用状(L/C)取引の準備が完了していないとして、未だ精鉱輸出ができない状

況である。

エネルギー鉱物資源省の Bambang Gatot Ariyono 鉱物・石炭総局長によると、インドネシア国内

の鉱山会社、特に PTFI は、輸出手続きに必要な L/C の使用義務に関して当局側と合意に至ってい

ないという。同氏はまた、PTFI の生産がいつまで継続可能か不明であるとし、その理由を PTFI が

当局と意思疎通をはからないためだと述べた。

(2015.8.31 ジャカルタ山本耕次)

インドネシア：インドネシア鉄鋼製品がフィリピンの緊急関税対象品から除外

2015 年 8 月 24 日付地元メディアによると、フィリピン政府は山形棒鋼について、インドネシア

からの輸入シェアが 3 ％に満たないことから、緊急関税対象品から除外することを決定した。

インドネシア商業省は、シェア 3 ％未満の発展途上国からの輸入品を緊急関税対象品から除外す

ることは、国際貿易機関の規則に則っていると、声明を出した。

インドネシア国際貿易局長の Karyanto Suprih 氏は、フィリピン政府は緊急関税対象品からの除

外を 2015年 7月 16日に決定しており、これによりインドネシアの鉄鋼製造者の輸出機会が増大し

た、と述べた。

(2015.8.31 ジャカルタ山本耕次)

おことわり：本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確な

情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとられた行

動の帰結につき、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。なお、本資料の図表類等を

引用等する場合には、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。

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