38

脳深部刺激療法(DBS)は、脳の深い部分へ細い電極 …...脳深部刺激療法(DBS)は、脳の深い部分へ細い電極を用いて 電気刺激を行う治療です。本治療は耐え難い痛みの治療として

  • Upload
    others

  • View
    4

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

脳深部刺激療法(DBS)は、脳の深い部分へ細い電極を用いて

電気刺激を行う治療です。本治療は耐え難い痛みの治療として

30年ほど前から行われてきましたが、ここ10数年程前から

パ-キンソン病や本態性振戦などによる薬ではコントロール

できない「ふるえ」の治療としても普及してきました。また、

最近ではジストニアという病気に対しても有効であることが

わかり、現在さまざまな脳・神経の病気の治療方法のひとつ

として普及し、健康保険での治療対象となっております。

このパンフレットは、本治療を検討しておられる方々に

脳深部刺激療法についてさらに理解を深めていただくよう

作成したものです。

脳深部刺激療法をご検討されている方へ

目 次

脳深部刺激療法とは 1

脳深部刺激療法のしくみ 4

対象となる疾患 6

予想される有害事象や合併症 10

治療の流れ 13

感染予防 16

手術後の刺激設定 18

植込み後にお渡しするもの 20

植込み後の生活 22

日常生活での注意事項 24

治療にかかる費用 26

よくある質問 28

1

脳深部刺激療法とは

脳深部刺激療法(DBS: Deep Brain Stimulation)

脳深部刺激療法は、定位脳手術という精密な技術を用いて、脳内の特定の場所に正確に直径1.4mm程度の細い電極を留置し、前胸部などの皮膚の下に植え込んだペースメーカに類似した刺激装置(ジェネレータ・IPG)に接続して、脳に弱い電気刺激を加えて治療効果を得る外科的治療です。手術は一般に局所麻酔で、前頭部の頭蓋骨に1円玉程度の大きさの穴を開けて行います。患者様は意識があり、話しながら刺激の効果を確認しつつ手術を行いますが、痛みは殆どありません。通常、脳内に電極を挿入する手術の際は局所麻酔で行い、その後、刺激装置(ジェネ

2

レータ・IPG)を植え込む手術を、全身麻酔で行います。これらの手術を同日に行う場合と、数日から約1週間後に手術を分けて行う場合があります。刺激装置(ジェネレータ・IPG)とリード(電極)はすべて体内に植え込まれますので、日常生活に大きな制限はありません。通常2-3週間の入院が必要です。植込み手術後は、体外から専用の機器を使用して、治療効果が最大となるよう調整します。

脳深部刺激療法の利点は何か

脳深部刺激療法の利点は脳内の神経を破壊しないこと、手術後も症状に応じて調節ができること、もし副作用が生じたとしても電気刺激の調整で回避できる可能性が高いことなどがあげられます。刺激装置(ジェネレータ・IPG)は、医師が専用の機器を用いて設定を確認したり、刺激の強さなどを調節します。薬をどんなに増やしても治まらないふるえを抑制する、半身の症状を左右別々に治療できる、過剰な薬を減量することにより、その副作用を緩和できるなどの利点もあげられます。

脳深部刺激療法の欠点は何か

体内に構成品(刺激装置や電極、エクステンションなど)を植え込み、ずっと使い続けることに対して精神的な抵抗感を抱く方もいます。日常生活では特に大きな制限はありませんが、機器の誤動作など、過度に神経質になる方もいます。定期的な通院で機械のチェックを行う必要があります。充電式刺激装置は週に1回程、患者様もしくは介護者が充電する必要があります。ただし充電は服の上から簡単に操作する事ができます。

3

脳深部刺激療法の限界は何か

脳深部刺激療法はパ-キンソン病、本態性振戦、その他の原因のふるえや不随意運動、ジストニアなどの運動症状を「緩和する」ものです。残念ながら、病気自体を治癒させたり、病気の進行を遅らせたりする働きはありません。また、パ-キンソン病では諸症状のうち効くものと効かないものがあります。パ-キンソン病では脳深部刺激療法が効かない症状は薬などで対処する必要があり、刺激装置植込み後も担当医と相談しながら薬を継続する必要があります。また、パ-キンソン病に類似したパ-キンソン症候群という病気がありますが、これに対しては脳深部刺激療法の効果は期待できません。ふるえやジストニアの場合には脳深部刺激療法後の改善度に応じて薬を減らしたり中止したりすることができるのが一般的です。

4

脳深部刺激療法のしくみ

脳深部を刺激するために、患者様の体内に小型の刺激装置(ジェネレネータ・IPG)と脳深部にリード(電極)を留置します。特定の脳深部に電気刺激を与えることで、興奮系神経と抑制系神経のバランスを保ち、症状を緩和します。

刺激装置(ジェネレータ・IPG)

脳深部刺激システムのコンピュータにあたる装置です。正確な電気信号を、脳深部に植え込んだリードを通して脳に送ります。

刺激装置は充電式で、定期的に充電することで10年間*1ご使用頂けるように設計されています。充電間隔は、患者様の使用されている刺激条件により異なりますが、通常、1〜 3週間で充電します。経年的に短くなり、10年目に近づくと、1日1回充電が必要となります。*1使用される刺激の強度、頻度等により異なります。

リード(電極)

脳深部に電気刺激を送るための導線です。直径は1.4mm未満です。

5

エクステンション

リードを刺激装置につなぐ延長用導線です。首の動きに対応するよう、伸縮性のある材質でできています。

患者用コントローラ

担当医の処方により、患者様にお渡ししています。刺激のオン・オフや刺激の強さを調整することができます。

充電器

刺激装置を体外から充電するために使用します。

先に充電器を充電してから使用します。専用ベルトが付いているため、作業中でも、歩いていても両手を離した状態で充電できます。

充電ワンド

充電器

充電器用ACアダプタAC電源

表示灯

電源ケーブル

6

対象となる疾患

パ-キンソン病、本態性振戦、その他の原因のふるえや不随意運動、ジストニアなどで、薬などの従来の治療では十分な効果がない場合に脳深部刺激療法が対象となります。実際に脳深部刺激療法が適しているかについては、担当の医師とともに検討します。一方で、重度の認知症の方、非常に高齢の方、心臓病など他に重篤な病気をかかえておられる方などは一般的には脳深部刺激療法の対象とはなりません。

本態性振戦

ふるえのことを医学的に振戦と呼びます。本態性振戦は、手のふるえがひどくて、コップやお茶碗を取ろうとすると持てなかったり、字を書こうとしても書けないなどの症状がでる病気です。

脳深部刺激療法は、お薬で効果が得られないふるえを軽減することを目的とした治療です。

保険適用されている本態性振戦に対する外科治療には、脳深部刺激療法の他に、破壊術があります。破壊術は、からだの右側もしくは左側のどちらか一方に症状がでている場合に行われます。脳深部刺激療法は、からだの両側に症状がある場合でも行うことができます。脳深部刺激療法は、破壊術と比べて合併症が少ないことが利点ですが、体内に植え込んだ刺激装置などのシステムを管理することが必要となります。担当医とよく相談し、治療を選択してください。

7

パーキンソン病

パーキンソン病はゆっくりと進行する脳の病気で、脳の黒質と呼ばれる部分の神経細胞が減り、神経伝達物質であるドパミンが減少するために起こります。ドパミンが減少すると、脳内の運動回路で神経活動に異常が生じ、振戦、無動、固縮、姿勢反射障害といったパーキンソン病の主要運動症状が発現します。

パーキンソン病の初期段階では、お薬が用いられます。お薬を飲むことで、運動症状が改善されます。しかし、時間の経過とともにパーキンソン病が進行すると、多くは、お薬で運動症状を十分にコントロールできなくなります。

脳深部刺激療法は、脳に電気信号を送ることにより、脳内の異常神経活動をブロックし、パーキンソン病の主要運動症状ならびに薬物治療の運動合併症を改善すると考えられています。

薬物治療(レボドパ製剤など)で良好な反応を示している場合、薬物治療で得られているベストオンを上回ることはできませんが、以下の効果を期待することができます。

●日内変動(オン・オフ現象)がある場合、オンタイム(薬が効いていて、動ける時間)を長くすることができます(最大4〜 5時間)。

ジスキネジア

‘オン’時間

‘オフ’時間

術前

術後

8

●脳深部刺激療法を始めることで、お薬の量を減らすことができる場合があります。これにより、お薬による不快な副作用、特にお薬でコントロールできない運動障害を軽減することができます。

●着替え、食事、車の乗り降りといった日常的な一般活動を改善し、自立性を取り戻すことができます。

保険適用されているパーキンソン病に対する外科治療には、脳深部刺激療法の他に、破壊術があります。治療効果は破壊術と脳深部刺激療法とで類似しています。それぞれに利点と欠点があるので、担当医とよく相談し、治療を選択してください。

ジストニア

ジストニアとは、脳(主に大脳基底核)や神経系統の何らかの障害により、持続的または不随意的に筋肉が収縮したり固くなったりする病態を表します。

治療には、薬物治療(抗コリン剤、抗てんかん薬、レボドパ製剤など)やボツリヌス毒素の局部注射療法、定位脳手術(破壊術と脳深部刺激療法)があります。

ジストニアの分類方法は色々ありますが、症状が広範囲にわたるのか、局所的な問題かで治療方法が選択されます。

広範囲の場合、全身性ジストニアや分節性ジストニアと呼ばれます。薬物治療では効果が期待できないため、脳深部刺激療法が推奨されます。破壊術は、全身性ジストニアには推奨されていません。

首が上や下、左や右に傾いてしまう痙性斜頸では、内科的治療法で効果が得られない場合に、脳深部刺激療法が推奨されます。また、選択的に末梢神経を遮断する手術も推奨されます。

字を書こうとする時、または字を書いている最中に手がふるえたり、痛

9

みで字を書くことが困難となる書痙や、音楽家や職業に特化した動作で筋収縮が生じて演奏や職業上必要な動作ができなくなる音楽家のジストニアや職業性ジストニアに対しては、ボツリヌス毒素局所注射が有効とされています。しかし、経過とともに治療効果が薄れ、複数回の投与を必要とする場合もあるため、内科的治療で効果が得られない場合や内科的治療を継続することが困難な場合に、定位脳手術(破壊術と脳深部刺激療法)が推奨されます。

脳深部刺激療法は、すばやい運動要素やふるえなどに対してはすぐに効果が発現しますが、持続的な筋緊張が改善するには時間がかかります。

脳深部刺激療法で安定した全身性ジストニアの患者様に、刺激を急に中断すると症状が悪化することがあります。症状の安定を保つためにも、刺激装置を忘れずに定期的に充電してください。

担当医とよく相談し、治療を選択してください。

10

予想される有害事象や合併症

脳深部刺激療法は他の脳の手術と比べると比較的安全な手術ですが、やはり脳の手術ですので数多くの危険性をはらんでいます。死亡や重篤な後遺症の出現する率は約1%前後というデータがあります。これは脳内出血を併発することによる場合が最も多く、場合によっては開頭手術で血腫をとらなければならない場合も想定されます。一度植え込んだリード(電極)が、感染したり皮膚などから露出したりする場合があり、よく効いていてもすべてを抜去しなければ創が治癒しないこともあります。その他に、非常に可能性の低いリスクは数多くありますが、詳細は担当の医師にご相談ください。しばしば見られる副作用として、ろれつが回りにくくなる(構音障害)ことがあげられます。治療効果を上げようとすると話しづらくなり、電気刺激の強度を下げなければならないことがあります。

深刻な有害事象

脳深部刺激療法の深刻な有害事象が発生するリスクは低く、特に経験豊富な医療チームではさらにリスクが低くなります。

●脳内出血:脳深部刺激療法の深刻な有害事象は、主に脳内で発生する出血に関わるもので、脳卒中や発作を引き起こすことがあります。可能性は低く、1%〜 5%との報告があります。

●感染症:感染症が発生するリスクは、あらゆる手術と同様に3%〜 4%と報告されています。ほとんどの感染症は、お薬を飲んだり、注射で治りますが、深刻な感染症を発症した場合には、植え込んだシステムを取り出して感染症治療を優先することがあります。

●死亡:あらゆる手術と同様に、死亡のリスクもありますが、脳深部刺激療法による死亡のリスクは1%未満であることが報告されています。

11

一過性または可逆的な(元に戻る)合併症

予想される一過性または可逆的な合併症には、以下のものがあります。

●運動機能(動き)の一時的悪化、運動障害悪化、平衡(バランス)障害、麻酔によるまひが、手術後に生じることがあります。

●一時的あるいは持続的に話しにくくなる(声が小さくなるなど)症状がでることがあります。パーキンソン病で、既に会話に支障が生じている場合には、予め担当医に相談してください。

●気分、記憶、あるいは思考に変化がみられることがあります。手術後に不安、憂鬱、混乱、あるいは幻覚を覚える患者様がいます。こうした症状は、術後数日で緩和され、その後完全に消失します。

●頭痛、めまい、顔または四肢のヒリヒリ感、あるいは軽いショック感覚が生じることがあります。手術そのものが原因で生じることもありますが、刺激が原因と思われるこれらの症状は、脳深部刺激療法の刺激条件を調整することで改善します。

体内に植え込んだシステムの不具合

患者様の体内に植え込まれる構成品(刺激装置やリード、エクステンションなど)は、最善の注意を払って製造されていますが、植え込みと同時に人体の中で極めて過酷かつ予測不可能な環境にさらされます。そのため、製品の故障だけでなく、医学的合併症や人体の拒絶反応、転倒や事故などの外的要因によって、正常に機能しなくなることがあります。

例えば、以下のようなことが生じる可能性があります。

●リードが動いて、最適エリアに刺激ができなくなる。

●リードやエクステンションが壊れてしまう。

●構成品の接続が緩んで外れてしまう。

12

●刺激装置を含む構成部品が、正常に作動しなくなる。

脳深部刺激療法の効果が弱まったり、刺激が得られなくなったりして、これらの原因が疑われる場合には、エックス線検査で調べて手術で交換もしくは修復することができます。

13

治療の流れ

脳深部刺激療法の手術は入院して行われますが、入院日数は手術を受けられる医療機関によって異なります。また、植込み手術の具体的なやり方も、医療機関によって異なります。ここでは、一般的な流れを説明します。

術前検査と評価

患者様に脳深部刺激療法が適しているかを判断するために、検査や評価が行われます。検査には、MRIやCTを用いた画像診断が含まれます。医療機関によっては、脳神経外科や神経内科医だけでなく、精神科医による評価も行われます。

脳深部刺激療法の手術を受けるために入院が決まったら、医師からお薬の服用方法について指示がでることがあります。指示がでた場合には、指示に従ってください。

脳深部刺激療法植込み手術の流れ

1)定位フレームの装着

手術中に位置がずれないように、頭にピンで定位フレームを装着します。痛くないように局所麻酔を用いて行いますが、圧迫感や不快感を覚えることがあります。

14

2)画像診断

定位フレームを装着した状態で、MRIやCTスキャンなどを用いて、頭部の画像を撮影します。これらの画像を用いて、リードを挿入する部位の正確な位置を把握します。

3)リードの挿入

頭皮を少しだけ切開し、頭蓋に約14mmの穴をあけてリードを挿入します。頭皮の痛みを緩和するために局所麻酔や、患者様をリラックスさせ不安を和らげるためのお薬が用いられます。脳自体は痛みを感じないので、脳内へのリードの挿入に伴う痛みはありません。

4)術中テスト

術中にリードを体外式のテスト刺激装置に接続して、実際に刺激を流してテストを行います。

術中テストでは、症状が抑制されることを確認するとともに、患者様に色々な質問をしながら、適切な刺激条件を確認していきます。例えば、「目がちかちかしないか」、「チクチクしないか」などを質問させて頂き、回答の際に不明瞭な発語がないかなどを確認していきます。質問された際には、感じたことを答えてください。

術中テストで期待した効果が得られなかったり、副作用が軽減できなかったりした場合には、リードを取り除き、手術を中止することがあります。

5)刺激装置の植え込み

術中テストで十分な効果が得られた場合は、エクステンションと刺激装置を植え込みます。リードの植え込みと同日、または、遅くとも数週間後までに実施されます。この手術は、一般的に全身麻酔で行われます。刺激装置は、主に胸部鎖骨下もしくはその近傍に植え込まれますが、腹部に植え込まれる場合もあります。

15

刺激装置は、術後定期的に充電して頂く必要がありますので、植込み部位に関しては、予め術者の先生とご相談ください。

手術後の経過

術後24時間は、何らかの合併症やその徴候がないか、忠実にモニタリングされます。食事や起床、病棟内の歩行に関しては、医師や病院スタッフの指示に従ってください。

手術で切開された部分やリードとエクステンションが植え込まれているところに、痛みや不快感を覚えることがあります。手術による痛みは、時間の経過とともに軽減されます。

手術による頭痛が生じることがあります。頭痛が激しくなったり、目がかすむなど、気がかりな症状がある場合には、担当医または病院スタッフにお知らせください。

手術後、極度の疲労や穏やかな混乱を感じることがよくあります。これは一時的なもので、ほとんどの場合24時間から48時間以内に治まります。

入院日数

入院日数は、患者様の手術が行われる医療機関によって異なります。手術後数日で退院する患者様もいらっしゃいますし、それより長く入院されることもあります。

16

感染予防

手術後最初の数週間は、感染を予防することが重要です。ほとんどの場合、お薬を飲んだり、注射で治りますが、深刻な感染症を発症した場合には、植え込んだシステムを取り出して感染症治療を優先することがあります。

入院中は、担当医や病院スタッフの指示に従ってください。感染や炎症のリスクを軽減するための方法は、医療機関によって異なります。ここでは、一般的指針を説明します。

●手術で切開された部分を清潔にかつ乾燥した状態に保ってください。

●手術で切開された部分に触れる前に両手を洗ってください。

●使用する帽子や頭部カバーは、常に清潔な状態を保ってください。

●担当医の指示がない限り、手術で切開された部分およびその周囲にローションやクリームを使用しないでください。

●皮膚が治っていく過程で、かゆくなることがあります。難しいことですが、皮膚をつまんだり、ひっぱったり、かいたりしないでください。

●リードやエクステンションが植え込まれている部分で違和感を覚えることがあります。手で抑えたり、つまんだり、ひっかいたりしないでください。万が一、手で触っているうちにリードやエクステンションが皮膚から飛び出してしてしまったら、手術で修復する必要があります。

●手術で切開された部分をぶつけたり、圧迫したりしないでください。

例)車に乗る際には、シートベルトによる圧迫を軽減するために、刺激装置が植え込まれている胸と肩の間に柔らかい布かハンドタオルを一枚たたんではさんでからシートベルトを締めるなど、予防措置を講じてください。

17

以下のような症状がでたら、直ちに担当医にお知らせください。

●37.8℃以上の発熱。

●手術で切開された部分や縫合したところが、赤くなったり腫れてきた。

●手術で切開された部分やその周囲が異常に痛い。

●手術で切開されたところから黄色または血性の体液がしみ出てきた。

18

手術後の刺激設定

手術後いつ刺激をオンにするかについては、医師が患者様の回復をみて判断します。すぐに刺激を開始する場合もありますし、数週間経ってから行う場合もあります。手術直後は、手術の影響で問題となっていた運動症状が一時的におさまることがあります。このような時は、運動症状が再現されるまで待ち、刺激を調整する必要があります。

刺激の調整は、薄手の洋服の上から刺激装置が植え込まれているところに患者用コントローラのコミュニケーションワンドをあてて行います。この調整のことをプログラミングといいます。

刺激をオンにした直後、もしくは少し時間をあけてから患者様の状態を評価し、再度刺激の調整を進めていきます。

患者様に適した刺激条件を設定するために、数か月にわたり、刺激の調整をしていきます。パーキンソン病の患者様の場合には、同時にお薬の調整もしていきます。ジストニアの患者様の場合には、すばやい運動要素やふるえなどに対してはすぐに効果が発現しますが、持続的な筋緊張が改善するには時間がかかります。すぐに成果がでなくても、がっかりしないでください。これは患者様の手術がうまく行かなかったということではありません。

一回のプログラミングに要する時間は、短くてすむ場合もありますが、

19

かなり長くかかることもあります。外来でのプログラミングにどれくらいの時間がかかるか、予め担当医にご確認頂くと次の予定が立てやすくなります。しばらくすると一回のプログラミングに要する時間は短くなり、頻度も少なくなります。

プログラミングの時に、一時的に次のような感覚を経験することがあります。こうした感覚は一時的なもので、設定が済むとなくなります。プログラミングが終了した段階で、こうした感覚が残る場合には、その場で担当医に知らせてください。また、自宅に戻ってから、このような感覚が生じたら、担当医を受診してください。

●無感覚またはヒリヒリ感。顔や手に感覚を感じることが多い。

●めまいまたはバランス障害。

●運動障害に似たねじれ運動。

●筋肉のけいれん。顔や手に生じることが多い。

●不明瞭な発語。

●物が二重に見える。

20

植込み後にお渡しするもの

患者用コントローラと充電器

患者用コントローラは、担当医の処方により患者様にお渡ししていますので、患者用コントローラを受け取られない患者様もいらっしゃいます。患者用コントローラで刺激のオン・オフや刺激の強さを調整することができます。

充電器は、植え込まれた刺激装置を充電するためのもので、全ての患者様にお渡ししています。

患者用コントローラの使い方(担当医の判断で患者用コントローラを渡された場合)と刺激装置の充電方法について説明を受け、患者様ご自身もしくは介護者が操作できるまで練習して、使い方を習得してください。患者様には、操作方法を記載している冊子をお渡しします。

刺激ができなくなったら、できるだけ早く充電してください。刺激が停止してから30日〜 90日以内に充電しないと、刺激装置の充電ができなくなります。充電できなくなって脳深部刺激療法の継続を希望される場合は、刺激装置を手術で交換する必要があります。

21

患者様カード

クレジットカードと同じサイズです。

患者様に脳深部刺激装置が植え込まれていることを証明します。

22

植込み後の生活

新たな治療の始まりです。

回復期は休息と治癒に専念してください。回復し始めるにつれて、手術で切開された部分や首に、痛みや不快感を覚えることがあります。この状態は時間の経過とともに軽減されます。

手術を受けてから最初の数週間は、気分が良くなっても、脳にも治癒の時間が必要であることを思い出し、医師の指導のもとに慎重に活動してください。早すぎる時期に、身体に負担がかかるような活動をしようとすると、転倒したり、けがをしたりする危険があります。また、お困りだった運動症状の一部が緩和、あるいは消失すると、以前にできた活動を始めたくなる気持ちが高まってきます。事故や健康を害さないよう、どのような活動をしてもいいか、担当医に相談してください。

●入院中に担当医や医療関係者から患者用コントローラや充電器の使い方について説明を受け、患者様ご自身もしくは介護者が操作できるまで練習します。

●植込み後の生活では、脳深部刺激療法が有効かつ安全であり続けるために、体内に植え込まれた脳深部刺激装置に強い力が加わらないよう、また、強い電磁場の影響を受けないよう注意が必要です。「日常生活での注意事項」で記載されている注意をお守りください。

23

通院(フォローアップ)について

植込み後は、検査や刺激の調整のために、年に何回か病院を受診する必要があります。通院日程については、担当医に相談してください。

●外来受診時は、患者様カードをお持ちください。

刺激装置の交換について

植え込まれた刺激装置は、充電しながら約10年間使用することができます。10年目に近づき、充電間隔が短くなってきたら交換する必要があります。

刺激装置の交換は、局所麻酔下で行うことができます。脳に植え込まれているリードには触らずに、胸部鎖骨下またはその近傍、もしくは腹部に植え込まれた刺激装置だけを取り出し、新しい刺激装置と交換します。

24

日常生活での注意事項

通常の生活で特に注意することはありません。入浴や軽い運動、水泳なども問題ありません。まれに磁石など磁場を発生する器具(IHヒーターや電子レンジなど)によって刺激がオフになる場合がありますが、体内の構成品が壊れたり、ご自身が感電してしまったりすることはありません。もし刺激がオフになった場合にはご自身で容易にスイッチを入れ直すことができます。

飛行機搭乗時に保安ゲートを通過する際アラームがなる場合があります。保安ゲートを通過しても機器が故障したり感電したりすることはありません。刺激装置(ジェネレータ・IPG)を植え込んだ後にお渡しする患者様カードをご提示ください。

携帯電話は使用していただいて結構ですが、刺激装置(ジェネレータ・IPG)の植込み部に近い胸のポケットなどに入れることは避けてください。

病院で診察を受ける場合には必ず先生に(歯科の先生や検査技師の医療スタッフにも)刺激装置(ジェネレータ・IPG)を植え込んでいて、脳を刺激する治療を受けていることを伝えるかまたは、患者様カードを必ずご提示ください。医療機器による検査の大半は問題ありませんが、MRIの撮像など一部注意を要するので、担当医とよく相談してください。

25

刺激装置を充電する際の注意事項

充電器からの無線信号でテレビやラジオ等の一般的電気機器や通信機器等に干渉を及ぼすことがあります。充電器が原因と考えられる干渉が生じた場合は、これらの機器から離れるか、これらの機器の受信アンテナの方向や位置を変えてください。

充電中は、刺激装置が植え込まれた部分が温かくなることがあります。

充電している時に、刺激装置が植え込まれているところの周辺で熱を感じることがありますが、これは故障や異常ではありません。

脳深部刺激装置は、電磁場を用いて刺激装置と充電ワンドの間でエネルギーを誘導的に転送して充電を行っています。電磁場を用いてエネルギーを誘導的に転送するときに生じるエネルギーが熱に変換されると刺激装置が植え込まれているところでの温度上昇が生じます。充電中に、患者様は温度上昇を感じることがあります。ほとんどの場合は、患者様は充電中に不快感を訴えられることはありませんが、一部の患者様では温度上昇を不快に感じられる場合があります。充電中に熱による不快感がある場合には、充電を一旦中断し、不快感が軽減してから充電を再開してください。

26

治療にかかる費用

保険や制度の併用で負担額を抑えることができます。

この治療には、健康保険が適用されていて、治療にかかる費用は医療機関の窓口で支払われた額(窓口負担)から高額療養費を差し引いた額が、自己負担額になります。この高額療養費は、ご自身が加入している公的医療保険に、高額療養費の支給申請書を提出または郵送することで支給が受けられます。その他、病院などの領収書の添付を求められる場合もあります。

高額療養費制度を利用した場合の負担額の参考例をご紹介します。

医療機関や薬局の窓口で支払った額(※)が、暦月(月の初めから終わりまで)で一定額を超えた場合に、その超えた額を支給する制度です。

※ 入院時の食費負担や差額ベッド代等は含みません。

医療費 100万円

窓口負担 30万円

高額療養費として支給 300,000円-87,430円=212,570円

負担の上限額 80,100円+(1,000,000円-267,000円)×1%=87,430円

健康保険でカバーされる金額

70歳未満の方で所得区分が「一般」の方の場合

高額医療費自己負担

<例>100万円の医療費で、窓口の負担(3割)が30万円かかる場合

27

〈70歳以上の方の場合〉

所得区分 外来(個人ごと)

44,400円

12,000円

8,000円

1か月の負担の上限額

80,100円+(医療費-267,000円)×1%

44,400円

24,600円

15,000円

現役並み所得者(月収28万円以上などの窓口負担3割の方)

一般

Ⅱ(Ⅰ以外の方)

Ⅰ(年金収入のみの方の場合、年金受給総額80万円以下など、総所得金額がゼロの方)

低所得者(住民税非課税の方)

〈70歳未満の方の場合〉 変更されました(平成27年1月1日から)。

*1 ここでいう「年間所得」とは、前年の総所得金額及び山林所得金額並びに株式・長期(短期)譲渡所得金額等の合計額から基礎控除(33万円)を控除した額(ただし、雑損失の繰越控除額は控除しない。)のことを指します。(いわゆる「旧ただし書所得」)

*2 高額療養費を申請される月以前の直近12ヵ月の間に高額療養費の支給を受けた月が3ヵ月以上ある場合は、4ヵ月目から「多数該当」という扱いになり、自己負担額度額が軽減されます。

高額療養費制度に関する申請やご質問等については、現在加入されている健康保険組合、全国健康保険協会、市町村(国民健康保険、後期高齢者医療制度)、国保組合、共済組合までお問合せください。

所得区分 ひと月あたりの自己負担限度額

3ヵ月以上ご負担いただいた方(※2)

年収約1,160万円~の方健保:標準報酬月額83万円以上の方国保:年間所得(※1)901万円超の方

年収約770~約1,160万円の方健保:標準報酬月額53万円以上83万円未満の方国保:年間所得600万円超901万円以下の方

年収約370~約770万円の方健保:標準報酬月額28万円以上53万円未満の方国保:年間所得210万円超600万円以下の方

~年収約370万円の方 健保:標準報酬月額28万円未満の方国保:年間所得210万円以下の方

252,600円+(医療費-842,000円)

×1%

167,400円+(医療費-558,000円)

×1%

80,100円+(医療費-267,000円)

×1%

57,600円

35,400円

140,100円

93,000円

44,400円

44,400円

24,600円住民税非課税の方

負担の上限額は負担の上限額は、年齢や所得によって異なります。最終的な自己負担額となる毎月の「負担の上限額」は、加入者が70歳以上かどうかや、加入者所得水準によって分けられます。70歳以上の方には、外来だけの上限額も設けられています。また、ヤール重症度3度以上のパーキンソン病の患者様の場合、申請し認定を受け、特定疾患医療受給者票をお持ちの場合は、公費負担の対象となるため、自己負担はほとんどありません。

28

よくある質問

脳深部刺激療法はなぜ効くのですか?

パ-キンソン病やジストニアのような病気では脳内の運動をコントロールする部位の具合が悪くなり症状が発現します。脳深部刺激療法はこれらの部位を直接電気刺激し脳内の神経回路の不調を是正することで効果が出ると考えられています。

脳深部刺激療法でパーキンソン病の進行を防ぐことはできますか?

脳深部刺激療法はパーキンソン病やその他の疾患の症状を緩和する治療で、疾患を治す根治療法ではありません。また、患者様の全ての症状をなくしたり、進行を遅らせたりすることもありません。脳深部刺激療法の目標は、生活の質を向上させ、患者様が症状をコントロールできる期間を延ばすことです。パーキンソン病の場合、パーキンソン病のお薬の量を減らすことや、お薬でコントロールできない運動障害や、お薬による副作用を軽減することができます。

どのようにすれば脳深部刺激療法を受けられますか?

パ-キンソン病やジストニアは一般に「神経内科」の先生が薬などの治療を担当されています。担当医に、脳深部刺激療法がご自身に合っているかどうかをまず相談してください。そのうえでこのような手術治療に十分経験のある「脳神経外科」の施設を紹介してもらってください。

29

首や体が勝手に動いてしまうのですが、手術は受けられますか?

大抵は問題ありません。よほどひどい場合には担当医が適切な麻酔方法などを用いて対処します。

過去に豊胸手術をしているのですが、脳深部刺激療法を受けられますか?

刺激装置を植え込むには問題ありませんが、あらかじめ担当医にお伝えください。

刺激装置の電池の寿命はどのくらいですか?

電池寿命は使用条件により異なりますが、10年間使用できる可能性があります。

手術時間はどのくらいですか?

電極を脳内に入れる手術は、手術だけで数時間かかります。その準備から含めると半日程度かかります。刺激装置を植え込む手術は通常1.5時間程度です。

刺激装置を植え込むことによって身体障害者認定を受けられますか?

心臓ペースメーカとは異なり、脳深部刺激療法を受けてもそれだけでは身体障害者認定は受けられません。脳深部刺激療法治療後の身体機能の障害の程度によって判断されます。

手術費用はどれくらいですか?

機械や手術、入院費を含めると実費では数百万円かかりますが、健康保険と高額療養費制度という公的医療保険における制度を使うことにより、最小限に抑えられます。年齢や所得によって最終的な負担額は異なります。パ-キンソン病などで難病指定を受け特定疾患医療受給者証をお持ちの方は費用負担が軽減されることがあります。詳しくは病院のケースワーカーなどにお問い合わせください。(参照P26)

30

髪を剃る必要がありますか?

多くの場合、頭部の一部の毛髪を剃ります。病院の感染症対策方針により、切開部の周辺だけを剃る病院もあれば、頭部全体を剃る病院もあります。いずれの場合も、感染症が生じる可能性を最小限に抑える手段として、病院ごとに確立された方法で手術が行われます。

1日24時間刺激をオンのままにするのでしょうか?

担当医の処方によりますが、ほとんどの場合、1日24時間オンのままで過ごします。

刺激は「感じる」のでしょうか?

多くの患者様は刺激を感じることはありません。人によっては、刺激条件を変更するためのプログラミングの時に、穏やかな痛みのない刺激を感じることがあります。こうした感覚はたいてい一時的で、刺激設定が再調整され、プログラミングが終了すると消失します。

将来、より優れた治療が開発されたら、その治療を受けられますか?

脳深部刺激療法は、可逆的(元に戻すことができる治療)であると同時に不要になった際には、システムを体内から取り除くことができます。従って、将来、より優れた治療が開発され、患者様に適用がある場合には、脳深部刺激療法を止めて、新しい治療を選択することができます。

自分の声が小さくなったように感じます。手術の副作用ですか?

様々な研究で、パーキンソン病の共通の課題として、話しにくくなる(声が小さくなるなど)の症状があることが示されています。パーキンソン病で、既に会話に支障が生じている場合には、予め担当医に相談してください。患者様によっては、手術後にこうした問題が悪化することがあります。プログラミングにより改善できるか判断するために、担当医に相談してください。

31

手術後体重が増えると、他の人が話しているのを聞きました。

人によっては、手術後に体重が増えることがあります。正確な理由は分かりませんが、術後の運動量と摂取エネルギーのアンバランスが原因と考えられています。手術を受ける前は、不随意運動などにより知らない間に運動しているのと同じエネルギーを消費していたと考えられます。体重増加の可能性を減らす最良の方法は、術後の身体活動に合わせた食生活を送ることです。

家庭用電化製品や携帯電話は使えますか?

コンピュータや、電子レンジやトースターなどの標準的な家電製品はご使用頂けます。刺激装置は、外部から強い電気や磁力の影響を受けると、刺激が突然停止したり、開始したりすることがあります。磁石が内蔵されている家電製品の場合、このような電磁干渉が生じることがあります。電磁干渉を生じる可能性のあるIH炊飯器・IH調理器を使用する場合には、機器のそばに近づかない、近づく際は極力短時間で離れるようにしてください。

携帯電話を使用することはできますが、携帯電話の影響は明らかになっていません。携帯電話を使用する際には、安全のため刺激装置が植え込まれている部分から十分に距離(22cm以上)を離して使用してください。また、携帯電話をオフにした状態でも、刺激装置が植え込まれている部分の近くに置かないようにしてください。

私の症状は手術後直ぐに改善しますか?

患者様によっては手術後直ぐに改善がみられることがあります。大多数の患者様は、手術から回復し、担当医とともに刺激とお薬の組合せを調整しながら、数ヵ月かけて改善されていきます。

32

仕事に復帰することはできますか?

脳深部刺激療法の手術を受けられるまで仕事(作業)を続けられていた場合、多くの方はそれまで従事していた仕事(作業)に復帰できます。手術を受けられる以前に、既に仕事(作業)ができなかった場合は、術後どの程度の改善が期待できるか、担当医に相談してください。

手術後、定期的な通院が必要ですか?

手術後退院してからは、手術の創のチェックや刺激の調整のため通院が必要です。症状が安定してくれば、脳深部刺激療法に関しては数ヶ月から年に1回程度の通院で十分なこともありますが、継続した薬の治療が必要な場合にはこの限りではありません。通常、薬は神経内科で処方してもらいます。刺激の調整は、神経内科の先生でも手術をした脳神経外科の先生でもかまいません。

手術後、運転はできますか?

刺激装置は、外部から強い電気や磁力の影響を受けると、刺激が突然停止したり、開始したりすることがあります。刺激が突然停止し、症状がコントロールできなくなった場合に、操作困難となる危険がある活動は控えてください。電磁干渉を生じる機械、動力工具、あるいは車両を操作することはできません。詳しくは、担当医にお尋ねください。

手術後、風邪薬や胃薬などを服用してもよいですか?

脳深部刺激療法を受けても、他の病気にかかった場合には普通に薬を服用して問題ありません。

33

手術後、入浴したり泳いだりすることはできますか?

脳深部刺激療法で使用される構成品(刺激装置、リード、エクステンション)は、全て体内に植え込まれます。手術後、切開部が完全に治癒すれば、シャワーを浴びたり、お風呂に入ったりすることができます。術後に回復すれば、泳いだりすることもできます。手術後、いつからどのような運動ができるかは患者様によって異なります。担当医に相談してください。

担当医の処方により患者用コントローラを手渡されている患者様は、患者用コントローラを水につけないようにしてください。患者用コントローラは防水加工されていません。

手術後、運動することができますか?

多くの患者様は、手術後4週間〜6週間以内に、負担が少ない運動を始めることができます。手術後、いつからどのような運動ができるかは患者様によって異なります。担当医に相談してください。

手術後、旅行に行くことができますか?

常に担当医の助言が優先されますが、手術後に回復すれば、旅行に関する制限はありません。電磁干渉を避けるため、空港等では係員に患者様カードを提示し、金属探知機の通過や使用を回避してください。

手術後、歯の治療は受けられますか?

歯科治療も問題なく受けられます。レントゲン、超音波装置、麻酔、歯科用ドリルなども問題ありません。

34

手術後、乳がん検診は受けられますか?

マンモグラフィーや超音波検査を受けることは問題ありませんが、画像が見えにくくなることがあります。この旨を担当者にお伝えください。

手術後、健康診断は受けられますか?

通常の健康診断はレントゲンを含めて問題ありません。心電図検査ではときに電気刺激がノイズになり記録しづらいことがあります。このような場合には担当医にご相談ください。MRIによる検査は原則として受けられないと思ってください。

セント・ジュード・メディカル株式会社〒105-7115 東京都港区東新橋一丁目5番2号 汐留シティセンターTEL 03-6255-6378 FAX 03-6255-6379Unless otherwise noted, ™ indicates that the name is a trademark of, or licensed to, St. Jude Medical or one of its subsidiaries. ST. JUDE MEDICAL and the nine-squares symbol are trademarks and service marks of St. Jude Medical, Inc. and its related companies. © 2014 St. Jude Medical, Inc. All Rights Reserved.

PP-NMD-DBS Con-1(14-APR)