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© 2006 Autodesk 1 スケルトンを使った設計手順 チェイン・ケーブルベア® 製造ソリューション ケーブルベアは株式会社椿本チエインの登録商標です。

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スケルトンを使った設計手順チェイン・ケーブルベア®編製造ソリューション

ケーブルベアは株式会社椿本チエインの登録商標です。

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概要

図のようなチェインやケーブルベア®を設計する手順を紹介します。

設計仕様を定義したパーツをスケルトン(骨組)として活用します。

設計の変更に対して各部品(駒)の配置が自動的に追従します。

図や説明は、Inventor10 を元にしていますが、手順はInventor11でも同じです。

スケルトンを使うメリット

設計の主要(仕様)寸法を一元的に管理するので、『設計の意図』を明確に表現できる

設計変更に対して、関連パーツを問題なく追従させることができる

アセンブリ拘束を作らずに、アセンブリモデルを構築できる

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© 2006 Autodesk 3

構想設計(デザインアクセラレータ)

デザインアクセラレータを使います。

チェーンとスプロケットの設計を行います。

以下の仕様とします。 規格チェーン番号 08 A (呼び 40) チェーン ピッチ p = 12.7 mm チェーン リンク数(N) X = 54 --- スプロケット 1 歯数(U) N1 = 14 スプロケットのピッチ円直径 = 57.073 mm X 座標(X) = 0 mm Y 座標(Y) = 0 mm --- スプロケット 2 歯数(U) N2 = 28 歯車比(G) i = 2 スプロケットのピッチ円直径 = 113.429 mm X 座標(X) = 207.619 mm Y 座標(Y) = 0 mm

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© 2006 Autodesk 4

構想設計(スケルトンを作成)

パーツドキュメントにチェーンの形状をモデリングします。

各スプロケットの位置とピッチ円、ピッチ円間をつなぐ接線を、このパーツドキュメントで定義をします。

このパーツドキュメントは、手書き図面で言う「下書き線」に相当します。ここでは、スケルトン (Skeleton) と呼びます。

チェーンの駒の配置も定義します。

手順を次ページから順に紹介します。

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© 2006 Autodesk 5

スケルトン作成(パラメータ作成)

1. 新規パーツドキュメントを作成

2. ファイル名を「チェインSKELETON.ipt」とします

3. チェインとスプロケットの主要寸法をパラメータに定義

• エクスポート パラメータに「」を入れておきます

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© 2006 Autodesk 6

スケルトン作成(チェーンのパスを定義)

4. 図のようにチェーンパスを2Dスケッチで定義します。

• XZ平面をスケッチ面とします。このとき、ビュー正面を実行すると、向きがひっくり返るので注意!

• 通常、F6で等角図を表示した時はこのスケッチは裏向きになっている

• 寸法はパラメータを使用します。

• スケルトン作成_01.wmv (AVIフォルダ内に動画ファイルが有ります)

等角表示 ビュー正面表示

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© 2006 Autodesk 7

スケルトン作成(駒の配置位置を定義)

5. チェーンの駒の配置位置(始点)を定義します。

• スケッチ上にスケッチ点を配置し、モデル空間上でその点上に作業点を配置します。

• 内リンク用と外リンク用をそれぞれ定義します。

• スケルトン作成_02.wmv

中点に配置

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© 2006 Autodesk 8

スケルトン作成(駒の配置をパターンで定義)

6. チェーンの駒の配置をパターンフィーチャで定義します。

• 作業点をチェーンのパスに沿ってリンク数分配置します。

• 内リンクと外リンクを別々に配置するので実際の数は「リンク数/2」となります

• 矩形状パターンのダイアログから、図のように設定します。

• スケルトン作成_03.wmv

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© 2006 Autodesk 9

スケルトン完成

7. パラメトリックに形状が変更されることを確認します。

• パラメータの値を変更します。

• それに応じて形状が変わります。

• 形状が変わらない場合は・・・

• スケッチの拘束が正しく付いているか

• 不要な拘束が付いてしまっていないか寸法にパラメータでなく数字を入れていないか

・・・・確認します。

• スケルトン完成.wmv

11.上書き保存しておきます。

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© 2006 Autodesk 10

チェインアセンブリ作成

スケルトンを利用して、チェインアセンブリをモデリングします。

1. 新規アセンブリドキュメント作成

2. 作成したスケルトンをコンポーネント配置します。• 派生コンポーネントではなく、コンポーネント配置です。

• 最初の配置なので、原点に固定拘束されます。

• 部品構成を「参照にします」

3. ファイル名を「チェインASM.iam」とします。

4. 上書き保存しておきます。

• アセンブリ作成_01.wmv

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© 2006 Autodesk 11

チェインアセンブリ作成

5. チェインの駒(外リンク)をコンポーネント配置します。

• 駒の原点を作業点にメイト拘束

• 駒のX軸をチェインのパスとメイト拘束

• 駒のXZ作業平面をスケルトンのXZ作業平面とフラッシュ拘束

6. パターンコンポーネントを使って駒をパスに沿って複写します

• アセンブリ作成_02.wmv

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© 2006 Autodesk 12

チェインアセンブリ作成

7. 内リンクの駒も同様に配置

8. スケルトンのスケッチを非表示にして完成

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© 2006 Autodesk 13

設計の変更

各ドキュメント(パーツ、アセンブリ)の参照関係は以下のとおりです

チェインの駒(内リンク・外リンク)のパターンは、スケルトンのパターンを参照している。また、駒はスケルトンのスケッチとアセンブリ拘束されている

スケルトンで変更をすれば、チェインの駒は追従して再配置される

チェインSKELETON.ipt

外リンク.ipt

チェインアセンブリ.iam

内リンク.ipt

アセンブリ拘束

パターン参照

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© 2006 Autodesk 14

設計の変更

以下のようにチェーンの構成が変更になったとします。 規格チェーン番号 08 A (呼び 40)

チェーン ピッチ p = 12.7 mm

チェーン リンク数(N) X = 54 → 60

--- スプロケット 1

歯数(U) N1 = 14

スプロケットのピッチ円直径 = 57.073 mm

X 座標(X) = 0 mm

Y 座標(Y) = 0 mm

--- スプロケット 2

歯数(U) N2 = 28 → 39

歯車比(G) i = 2 → 2.7857

スプロケットのピッチ円直径 = 113.429 mm → 157.83 mm

X 座標(X) = 207.619 mm → 206.511 mm

Y 座標(Y) = 0 mm

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© 2006 Autodesk 15

設計の変更

設計変更手順

スケルトンのパラメータを修正します。

スケルトンのスケッチが更新され、

アセンブリ上のチェインが再配置されます。

• 設計変更.wmv

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© 2006 Autodesk 16

流用する(元の設計を残しておく)場合は、以下の手順で行います。

1. チェインアセンブリ.iamとチェインSKELETON.iptをコピーして、ファイルの名前をそれぞれ「チェインアセンブリ_A.iam」と「チェインSKELETON_A.ipt」とします。

2. チェインSKELETON_A.ipt 上で、パラメータ修正で、設計仕様を変更します。

3. チェインアセンブリ_A.iam上で、チェインSKELETON.iptをコンポーネント置換で、チェインSKELETON_A.iptに変更します。

設計流用.wmv

設計の流用

チェインSKELETON.ipt

外リンク.ipt

チェインアセンブリ.iam

内リンク.ipt

チェインSKELETON_A.ipt

チェインアセンブリ_A.iam

1. COPY3. コンポーネント置換

2. パラメータ修正

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© 2006 Autodesk 17

ケーブルベア®

ケーブルベア®とは、

可動部のある機械装置において、可動部分と固定部分の間をつなぐケーブル・チューブを保護するためのものです。

ケーブルベア.wmv

チェインと同じようにスケルトンを使ってモデルを作成する手順を紹介します。

ここでは、以下のような構成のケーブルベア®を例とします。

曲げR:200

ピッチ:95

ストローク:1200

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© 2006 Autodesk 18

ケーブルベア®

一般的な配置

固定側の基準点から、振り分けに可動するようにします。可動範囲を「STROKE」とします。

余裕長さとは、取り付け端部の直線部分の長さです。曲げRとストロークとリンク数から以下の式で計算されます。

余裕長さ = ( ケーブルベアピッチ X ( ケーブルベアリンク数 - 1 ) - ケーブルベア曲げR X 3.14 - STROKE / 2 ) / 2

ケーブルベアリンク数を仮に決めておき余裕長さの結果を確認します。十分な余裕長さが取れるようリンク数を増減します。

固定側基準点

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© 2006 Autodesk 19

スケルトン作成(パラメータ作成)

1. 新規パーツドキュメントを作成

2. ファイル名を「ケーブルベアSKELETON.ipt」とします

3. ケーブルベア®の主要寸法をパラメータに定義

• エクスポート パラメータに「」を入れておきます

• 余裕長さの計算式は最後に定義します。

• ケーブルベアリンク数やSTROKEを変更すると、余裕長さの値が変わることを確認しておきます。

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© 2006 Autodesk 20

スケルトン作成(リンクパスを定義)

4. 図のようにリンクパスを2Dスケッチで定義します。

• XZ平面をスケッチ面とします。このとき、ビュー正面を実行すると、向きがひっくり返るので注意!

• 通常、F6で等角図を表示した時はこのスケッチは裏向きになっている

• 寸法はパラメータを使用します。

• 前進端・後退端を表すために構築線を使います中心線に対して対称

CenterPointをジオメトリ投影

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© 2006 Autodesk 21

スケルトン作成(リンクパスを定義)

5. 実位置のリンクパスを定義します。

• 実ストロークをパラメータに定義しておきます。

実線で定義します

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© 2006 Autodesk 22

6. 駒の配置位置(始点・終点)を定義します。

• スケッチの始点と終点に作業点を配置

7. 駒の配置をパターンフィーチャで定義します。

• パターン数は、「ケーブルベアリンク数 - 1 」 とします。

8. 上書き保存して完成。

スケルトン作成(駒の配置位置を定義)

作業点

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© 2006 Autodesk 23

アセンブリ作成

スケルトンを利用して、ケーブルベアアセンブリをモデリングします。

1. 新規アセンブリドキュメント作成

2. 作成したスケルトンをコンポーネント配置します。• 派生コンポーネントではなく、コンポーネント配置です。

• 最初の配置なので、原点に固定拘束されます。

• 部品構成を「参照にします」

3. ファイル名を「ケーブルベアASM.iam」とします。

4. 上書き保存しておきます。

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© 2006 Autodesk 24

アセンブリ作成

5. ケーブルベア®の駒をコンポーネント配置します。

• 駒の原点を作業点にメイト拘束

• 駒のX軸をチェインのパスとメイト拘束

• 駒のXZ作業平面をスケルトンのXZ作業平面とフラッシュ拘束

6. パターンコンポーネントを使って駒をパスに沿って複写します

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© 2006 Autodesk 25

アセンブリ作成

7. ケーブルベア®のリンクパスの始点と終点に取り付け部品を配置します。

• 最初の要素の位置に取り付け部品が来るため、コンポーネントパターンの最初の要素を「非表示」かつ、部品構成を「参照」に設定

• 取り付け部品の配置&アセンブリ拘束

• 部品取り付け.wmv

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アセンブリ作成

8. 実ストロークを変更

• ケーブルベアSKELETONのパラメータを変更し、ケーブルベア®の形状が更新されることを確認する。

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アセンブリ作成

9. 完成

• ケーブルベアSKELETONを非表示にして完成

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サンプルデータセット

サンプルモデル

サンプルデータセット ChainCableveyor.zip を解凍します。

PPT フォルダ内に、サンプルビデオとセットになったPPT(本資料)が入っています。

DataSet フォルダ内にサンプルモデルデータセットが入っています。

補足

本資料で紹介したのは、パターンコンポーネントを使った方法です。そのため、チェーンやケーブルベア®の駒の配置位置と向きは厳密には正確ではありません。

本資料に関してのお問い合わせは・・・

[email protected] まで、メールにてお願いします。

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