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実証代表者
京都大学農学研究科
地域環境科学専攻
飯田 訓久
課題番号中D02「中山間地域におけるデータをフル活用した未来型大規模水田作モデルの実証」
北陸ブロックスマート農業サミット及び農業新技術マッチングミーティング令和元年10月31日、金沢商工会議所会館
小浜市若狭の恵スマート農業実証コンソーシアム
・スマート農業により若狭の恵の経営上の課題を解決し、多くの中山間地域の担い手が今後目指すべき経営のモデルを確立。
・農地集積や土地改良、人材育成の取組みとセットで、地域にスマート農業を普及させる。
本実証の目的と概要(小浜コンソ)
• 収量の向上と省力化の両立
• 直接販売の強みを活かす品質の見える化・向上
• データを活用した営農・経営が可能な仕組みづくり
若狭の恵の課題
• ロボット農機の導入とデータをフル活用した営農管理を進め、省力化と収量・品質の向上を両立する技術を実践。
• 農機メーカーの壁を越えて、経営・栽培管理システムにデータを集約するシステムの構築等を通じて、データに基づく栽培・経営管理を実施。
導入するスマート技術(概要)
実証の目的
経営・栽培管理システムへのデータ統合(小浜コンソ)
リモコン式草刈機
ロボットトラクタ 自動運転田植機
UAVによる農薬散布
UAVによるリモセン
経営・栽培管理システム
米食味分析システム
API
新規
既存
収量食味・自動運転コンバイン
フィールドサーバ& PaddyWatch
農業データ連携基盤WAGRI
若狭の恵
可変施肥田植機
新規 新規
新規
新規
収量コンバイン
既存
新規
新規
手入力
フリートサービス端末
新規
GPSロガーによる測定と分析
GPS
GPSロガー(ラズパイ&4Gモジュール)
ロボトラの導入が春作業には間に合わなかったため、既存のトラクタ2台にGPSロガーを設置して、走行軌跡から作業時間を分析。
トラクタ①による代かき作業能率は、38.4a/h
※実証圃場以外も含めて83枚の平均値
①イセキ TJW117
図 1日の走行軌跡
②ヤンマー CT1010
トラクタ②による耕うんの作業能率は、21.4a/h
※実証圃場以外も含めて24枚の平均値
トラクタ②による代かきの作業能率は、40.2a/h
※実証圃場以外も含めて42枚の平均値
土壌センサ搭載型 可変施肥田植機
土壌の化学的な特性値をリアルタイムで計測し、施肥量を調節する。
井関農機(株)ホームページから引用・作図。http://www.iseki.co.jp/products/sentan/sentan-01/#kahensehi
2019年度は、・自動直進制御・施肥量は一定。・土壌センサによる肥沃度測定を行った。
オート田植機の実証:供試機と実証圃場
直進のみ
直進・旋回
オート田植機 ヤンマー YR8D,A
S50
S51
移植作業品種:いちほまれ作業速度:1.3m/s程度
圃場 S50 S51
面積 70.3a 109.9a
作業 2h30min※ 2h40min時間
※経路作成のため、圃場外周を1周走行する時間を含む
オート田植機の作業精度
GPS基地局からの補正信号が途絶えることが多く発生した。
人による旋回:12 s
図1 作業軌跡(自動直進のみ)、圃場S51 図2 作業軌跡(自動直進と旋回)、圃場S50
直進走行の横偏差 ±8 cm、方向偏差 ±2.5°、旋回後の条間は 2.4 mであった。
自動旋回時間: 32 s
速度 1.27 m/s
※走行精度は熟練オペレータ以上だが、旋回に要する時間と未植付面積が大きく残る。
人による旋回と自動旋回の比較
a) 人による旋回 b) 自動旋回
00:0000:0100:0200:0300:0400:0500:0600:0700:0800:0900:1000:1100:1200:1300:1400:1500:1600:1700:1800:1900:2000:2100:2200:2300:2400:2500:2600:2700:2800:2900:3000:3100:32
GNSS基地局の変更屋上
GPSアンテナ
無線アンテナ
室内(2階)
安定化電源 無線送信機 GNSS受信機
ロボットトラクタ オート田植機ヤンマーアグリ(株)製
自動運転コンバイン(株)クボタ製
異なるメーカーのGNSS基地局を1つにまとめると共に、補正信号受信可能エリアを1kmから5km範囲に拡大。
ドローンによる生育情報測定の実証1) 幼穂分化期のイネの生育量をサンプリングにより計測。2) 同時にリモセン画像を取得し、生育推定モデルを作成。3) 圃場の生育量マップを作成する。※圃場毎、圃場間の生育量のバラツキを可視化する。
NDVIVIS-NIRカメラ:MicaSense RedEdge-MX(Payload SDK)
ドローン:DJI Matrice200 V2
収量コンバインで測定した生籾の圃場別収量マップ
穀粒質量を流量センサで、
水分を乾燥機で測定。
穀物質量を流量センサとロードセルで、水分・タンパクをNIR分光測定装置で測定。
既存
新規
食味収量のメッシュマップ
(株)クボタ アグリロボコンバイン WRH-1200A食味収量+MAP機能付き、ダイス収穫キットを追加
1) 自動運転アシストによる軽労化と作業時間の削減。2) 食味収量の測定とそのマップによる圃場内空間変動の可視化。3) 次年度の肥培管理の適正化による増収と高品質化
収量マップ(5m×5m) タンパク質マップ(5m×5m)
品種:ハナエチゼン
次年度にむけて(可変量管理)
(2)前年度の稲生育量や収量・食味の変動を補正するため、ブロードキャスタでの可変施肥
本実証農場は、基肥のみによる肥培管理
(3)前年度の稲生育量や収量・食味の変動を圃場単位で補正するため、側条施肥量を設定
(1)土壌センサ付き田植機による地力ムラに対する可変施肥
ドローン
ロボトラ
食味収量測定コンバイン 可変量ブロードキャスタ
NDVIマップ
収量マップ
施肥マップ
アウトリーチ
1) 実演会を3回(田植機、ドローン、コンバイン)実施して、マスコミ等で取り上げられた。
2) 福井県知事が訪れて、自動運転コンバインへの試乗とロボットトラクタの遠隔操作等を行った。
3) 先進的なスマート農業を行う農業法人として、NHKの取材を受けた。
4)県外からの視察も多数受け入れた。
5) 研究概要と進捗状況を学会((一社)農業食料工学会)で口頭発表した。