4
(5) 1 2 3 4 5 6 A-i B-i C-i D-i A-ii B-ii C-ii D-ii ද4 ෦ʹࡐΑΔ෴ͷ ද5 ෴ͷܗଶύλϯ (7) (31) (14) (7) (0) (10) (4) (2) (7) (41) (18) (9) نଇஔ نଇஔ ෴ͷ نଇஔ نଇஔ ԣ ҟ ͷ ϓ ϩ ϙ ʛ γ ϣ ϯ ҟ ԣ ҟ ԣ ߴʻ෯ ϓ ϩ ϙ ʛ γ ϣ ϯ ߴ˺෯ ߴʼ෯ ߴʻ෯ ߴ˺෯ ߴʻ෯ ߴ˺෯ ߴʼ෯ ߴʾߴʼද1 ෴ͷϓϩϙʔγϣϯ ද2 ෴ܗঢ়ͱ໘ ද3 ෴ͷϓϩϙʔγϣϯͱ෴ܗ(52) (9) (1) (8) ܗ7- ܭ(16) (16) (14) (23) (4) (11) (0) (5) (4) (0) (0) (1) (0) (0) (1) (0) (0) (7) (1) (1) (0) (3) (52) (9) (1) (8) (5) (16) (30) (8) (21) (75) (1) (1) (1) (27) (30) (6) (8) (2) (5) (3) (1) (12) (21) ϑϥοτ ˖ܕܗυʔϜ ˓ܕภΓͳ ภΓΓ ภΓͳ ΓΓ ϘοΫε ˘ܕνϡʔϒܕЂ ϑϥοτ ܕϓϩϙʔγϣϯ υʔϜ ܕϘοΫε ܕνϡʔϒ ܭ߹ ܕ ܭ߹ਤ1 ੳ1(2ষ) No.51 sk0811 ڭձ ƅƁƅ-₇ƃ ෴ܗఱҪ ߴ7,535mm 7,535mm ϘοΫε ܕۉఱҪ ߴฏ໘෯ ܗଶύλϯ } அ໘ਤ ฏ໘ਤ 9,100mm 9,100mm B-i } 1. 序 天井や壁といった内部空間を包む覆いは、構造材や 化粧材で様々に分割された粒状の領域の集合として捉えるこ とができ、内部空間の スケール感に特異な性格をもたらす側面が あると考える.例えば、体育館のような大空間では大きな架 構部材が表れることで ダイナミズム が感じられたり、小規模の建物 でも構造材や下地材、化粧材などの異なる大きさの要素が レイヤ状に重なり合って配置されることで視覚的な奥行がつくら れたり、曲折した形態の場合は内観に様々な視点が得られ、 天井面が歪みによって遠近感を強調されるなどの、多様な スケール感の例がみられる.そして、これらは空間の形態と部材 の配置による様々な視覚的特徴として捉えることができると 考える.そこで本研究では、このような部材の反復と重層に よって構成される覆い空間 1) を対象 2) とし それらの内部空 間における視覚的特徴を、形態と規模を尺度として用いて、 様々に分割された粒状の領域が集合することで生じる覆い 空間の性格を明らかにすることを目的とする. 2. 覆い空間の形態パタン 2.1 覆い空間のプロポーションと覆い形状 まず、同一 部材が反復する天井および天井と連続した壁を覆いとし、 内部空間と併せて覆い空間を抽出した.分析例 1( 図 1) では、立方体のプロポーションと箱形の形状をもち、覆いの表面 を直交格子状に部材が反復している.このように、覆い 空間の形態的な特徴は、空間のプロポーションと形状、部材の反 復や重層によって様々に分割された柄によって捉えられ る.そこで、平均天井高と、平面形における長軸及び短 軸の幅をもとに、覆い空間のプロポーションを 5 つに分類した (表1).これらは水平面における偏りの違いによって、一 様な等方向と偏りのある異方向に大別され、中でも多く、過半数を占めた.次に、空間の包まれ方を覆い形 状から捉えた ( 表 2).これらは形状の偏りにより大別で き、中でも偏りなしドームが多く見られた (30/75).こ のようなプロポーションと形状の対応を検討すると ( 表 3)、 等方 が大半を占め、中でも偏りなしが多い (54/75).異方 では形状に偏りありが多く (10/75)、形状に偏りなし は特に少ない (3/75).このように、 プロポーションの偏りと形状 の偏りが一致する傾向が見られた. 解像度からみた覆い空間の分割手法 Divided Expression in Covered Spaces through Parts Layout from the point of 'RESOLUTION' and Layering 安田研究室 10M17287 細谷 喬雄(HOSOYA, Takao) < 表註 > 表 1~7:表中の () 内 の数字は該当する事 例数を示す. 表 1:幅は高さの 1~2 倍を高さ≒幅とし、そ れより幅が大きい場合 を高さ<幅、小さい場 合を高さ > 幅とした.

解像度からみた覆い空間の分割手法 - 東京工業大学2.2 部材による覆いの分割 覆いを分割する部材は規則 性をもって反復し、レイヤ状に重なり合うことで、覆いの表

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    A-i B-i C-i D-i

    A-ii B-ii C-ii D-ii

    表4 部材による覆いの分割

    表5 覆い空間の形態パタン

    格子

    (7) (31) (14) (7)

    (0) (10) (4) (2)

    (7) (41) (18) (9)

    放射

    規則配置 不規則配置

    斑直交 斜交

    格子

    覆いの分割

    放射

    規則配置 不規則配置

    斑直交 斜交

    垂直

    立方

    等方向

    異方向

    覆い空間のプロポ|ション

    長軸幅短軸幅

    平 立方等方向 異方向

    垂直 横 縦

    等方向

    異方向

    立方

    垂直

    高さ<幅

    プロポ|ション

    高さ≒幅 高さ>幅 高さ<幅 高さ≒幅高さ<幅 高さ≒幅 高さ>幅 高さ≧幅 高さ>幅

    表1 覆い空間のプロポーション

    表2 覆い形状と面数 表3 覆い空間のプロポーションと覆い形状

    (52) (9) (1) (8)

    面数

    形状

    7-計

    (16)

    (16)

    (14) (23) (4) (11)

    (0) (5) (4) (0)

    (0) (1) (0) (0)

    (1) (0) (0) (7)

    (1) (1) (0) (3)

    (52)

    (9)

    (1)

    (8)

    (5)

    (16) (30) (8) (21) (75)

    (1)(1)(1)

    (27)

    (30)

    (6)

    (8)

    (2)

    (5)(3)(1)

    (12)

    (21)

    フラット型◇

    形状

    ドーム型○偏りなし 偏りあり 偏りなし 偏りあり

    ボックス型□ チューブ型Π フラット型プロポーション ドーム型 ボックス型 チューブ型 合計

    合計

    図1 分析例1(2章)

    No.51 sk0811 駿府教会

    プロポ-ション 覆い形状 分割天井高

    7,535mm7,535mm立方 ボックス型

    平均天井高 平面幅 形態パタン

    内部空間 }覆い 覆い空間断面図

    平面図

    9,100mm

    9,100mm

    長軸

    短軸

    直交格子 B-i

    内部空間 }覆い 覆い空間1. 序 天井や壁といった内部空間を包む覆いは、構造材や化粧材で様 に々分割された粒状の領域の集合として捉えることができ、内部空間のスケール感に特異な性格をもたらす側面があると考える.例えば、体育館のような大空間では大きな架構部材が表れることでダイナミズムが感じられたり、小規模の建物でも構造材や下地材、化粧材などの異なる大きさの要素がレイヤ状に重なり合って配置されることで視覚的な奥行がつくられたり、曲折した形態の場合は内観に様 な々視点が得られ、天井面が歪みによって遠近感を強調されるなどの、多様なスケール感の例がみられる.そして、これらは空間の形態と部材の配置による様 な々視覚的特徴として捉えることができると考える.そこで本研究では、このような部材の反復と重層によって構成される覆い空間 1) を対象 2)とし、それらの内部空間における視覚的特徴を、形態と規模を尺度として用いて、様 に々分割された粒状の領域が集合することで生じる覆い空間の性格を明らかにすることを目的とする.2. 覆い空間の形態パタン2.1 覆い空間のプロポーションと覆い形状 まず、同一部材が反復する天井および天井と連続した壁を覆いとし、内部空間と併せて覆い空間を抽出した.分析例 1( 図 1)では、立方体のプロポーションと箱形の形状をもち、覆いの表面を直交格子状に部材が反復している.このように、覆い空間の形態的な特徴は、空間のプロポーションと形状、部材の反復や重層によって様々に分割された柄によって捉えられる.そこで、平均天井高と、平面形における長軸及び短軸の幅をもとに、覆い空間のプロポーションを 5 つに分類した( 表 1).これらは水平面における偏りの違いによって、一様な等方向と偏りのある異方向に大別され、中でも平が多く、過半数を占めた.次に、空間の包まれ方を覆い形状から捉えた ( 表 2).これらは形状の偏りにより大別でき、中でも偏りなしのドーム型が多く見られた (30/75).このようなプロポーションと形状の対応を検討すると ( 表 3)、等方向が大半を占め、中でも偏りなしが多い (54/75).異方向では形状に偏りありが多く (10/75)、形状に偏りなしは特に少ない (3/75).このように、プロポーションの偏りと形状の偏りが一致する傾向が見られた.

    解像度からみた覆い空間の分割手法Divided Expression in Covered Spaces through Parts Layout

    from the point of 'RESOLUTION' and Layering安田研究室 10M17287 細谷 喬雄(HOSOYA, Takao)

    表 1~7:表中の () 内の数字は該当する事例数を示す.表 1:幅は高さの 1~2倍を高さ≒幅とし、それより幅が大きい場合を高さ<幅、小さい場合を高さ>幅とした.

  • 2.2 部材による覆いの分割 覆いを分割する部材は規則性をもって反復し、レイヤ状に重なり合うことで、覆いの表面に様々な方向性や均質性を生じると考える.そこで部材同士の配置によって生じる柄を分類した ( 表 4).放射は1つの中心に対して周縁を一様に配置するもので、中心への方向性をもつと考える.直交格子 ( 以下、直交 ) は線状に並列された部材が直交するもので、どの方向にも一様に反復され、均質性をもつと考える.また、斜交格子( 以下、斜交 ) は斜めに組合わさるもので、直交に対して歪んで配置されることで、歪んだ柄による方向性をもつと考える.斑は中心や線状の並列関係をもたないもので、方向性がなく、不均質さをもつと考える.直交が過半数を占め (41/75)、次に斜交が多く見られた (18/75).2.3 覆い空間の形態パタン  このような、覆い空間のプロポーションと覆いの分割の関係から覆い空間の形態パタンを捉えることで、形態的な特徴を位置づける ( 表 5).部材による覆いの分割はいずれにおいても、プロポーションが平、立、垂直という等方向のものが過半を占め、中でも直交のものが多い.一方で、横、縦といった異方向のプロポーションである A-ii の事例はみられなかった.3. 覆い空間における解像度の振幅パタン3.1 解像度の定義 部材の配置によって覆い空間の内観は空間の規模と呼応した固有の粗さという視覚的な特徴をもつ.粗さの尺度として、一般に解像度は写真等の表示能力の精細さとして用いられるが、それは広義には対象のもつ要素の粗さと観察点との関係として捉えられる.そこで、本研究では覆いにおいて同一部材の反復したレイヤ毎に、部材自体の大きさと部材によって分割される空隙との大きさを粒度として抽出し、内部空間によって規定される観察距離との関係を解像度として抽出する ( 図 2).例えば分析例2(図3)では反復した小さな部材がレイヤ状に重層した覆いに、動線が近づいたり離れたりすることで視覚上の粗さが変化し、奥行をつくり出している.そこで観察距離とレイヤ毎の解像度の重なりを解像度の振幅( 以下、振幅 ) として捉え、さらにその粒度と観察距離の分布から解像度をみると ( 図 4)、全体的に一定の解像度近傍で振幅することがわかった.解像度のうち、最長観察距離における値が覆い空間の規模と対応し、中央値が0.0093 程度であった.これを解像度の高低の範囲を区切る基準 ( 以下、中央 ) とした.3.2 覆い空間における解像度の振幅パタン 解像度の振幅を中央の横断及び、観察距離または粒度の異なるレイヤ

    表6 覆い空間における解像度の振幅パタン

    10 20 30 40 50

    0.0001

    0.0005

    0.0010

    0.00200.004

    00.00930.02

    00

    60

    10

    1

    0.1

    0.01観察距離(m)

    解像度の中央※全事例の最長観察距離における 解像度の中央値0.0093を示す

    解像度高

    解像度低

    粒度(㎡)

    No.63 sk1009 自然体感展望台 六甲枝垂れ

    レイヤ 反復部材 開口率 部材数 空隙数 平均粒度

    抽出面積6.3765㎡

    観察距離 解像度 解像度の振幅パタン

    ヒノキ材

    図3 分析例2(3章)

    図2 解像度の定義

    図4 解像度の振幅

    ステンレス

    71 %

    82 %

    0.0077㎡

    0.1063㎡

    4.081x10-4

    5.667x10-3∞(発散)

    ∞(発散)

    最短 0.000m

    最長 4.331m

    最短 0.000m

    最長 4.331m

    420

    37

    413

    23

    ステンレスヒノキ材

    解像度=

    平均粒度=

    平均粒度観察距離2

    抽出面積

    (部材数+空隙数)

    部材の粒度(㎡)

    解像度

    観察点

    正対観察距離

    ※解像度は、領域が視野に 占める立体角に相当する.※観察距離は、レイヤから 観察点までの正対距離.※平均粒度は、部材の粒度 と空隙の粒度を平均する.

    空隙の粒度(㎡)

    同一部材の反復する層(レイヤ)

    凡例

    最短観察距離(m)

    最長観察距離(m)

    最も粗いレイヤの平均粒度(㎡)

    重層による振幅

    遠近による振幅

    遠近による振幅重層による振幅

    重層による振幅

    遠近による振幅

    最も細かいレイヤの平均粒度(㎡)

    解像度の振幅

    アiino.48クリスタルドーム&壱番街

    アino.31清和文楽邑   郷土料理館

    エno.59うきはアリーナ

    ウno.25愛媛県武道館

    イno.67大阪ステーションシティ

    横断が主に遠近のみによる

    横断が遠近と重層による

    横断が重層のみによる振幅が高の範囲内 振幅が低の範囲内

    解像度の振幅が解像度の中央を横断する解像度の振幅が解像度中央を横断しない

    アi(20) アii(2) イ(18) ウ(24) エ(11)

  • このうち解像度が高のものはプロポーションが等方向で、低のものは異方向に分布している.⑦は遠近によって解像度の高低差をもつものである.遠近による奥行と格子の歪みが連携して方向性を強調するものである.覆い形状は全てドーム型で、用途は展示が多く、連続的に展開する空間と言える.⑧は様々な観察距離と粒度の変化によって振幅が中央を横断するものである.遠近による奥行、重層による奥行及び、斜交格子による方向性が併存し、多角的な広がりをもたせる分割手法である.プロポーションは等方向で、覆い形状はドーム型に集中する一方で、用途には偏りがみられなかった.⑨は斑状の部材配置で分割されるもので、解像度の振幅が中央を横断しないものである.斑状の不均質さが輪郭によって明瞭にされる分割手法である.⑩は斑状の部材配置で、様々な観察距離によって解像度の高低差をつくるものである.遠近による奥行と斑状の柄による無方向性が共存し、不均質で多角的な広がりをもたせる分割手法である.覆い形状はドーム型で用途は指定しないものが多い.①②⑥⑨に共通するのは用途に居室が多く、構造材と化粧材の大きさの差が少ない空間と言える.形態パタンが放射のものには解像度の高低差がみられず、形態によって中心へ向けた強い秩序をもつため、輪郭を曖昧にする分割手法が有効になりにくいと考えられる.また、形態パタンの斑である⑨⑩は、展示の用途が多く、斑状の柄が展示用のパビリオンに対応しやすいと考えられる.一方、解像度の振幅パタンが重層によるものがみられず、斑状の不均質さが重層によって不明瞭になるのを避ける傾向が潜在的にあると考えられる.形態パタンが直交格子のものでは、遠近のみ、遠近と重層、重層のみによる振幅パタンをもつことから、直交格子が構造材、下地材、化粧材を等しく扱う際の基本的な柄として成立していると考えられる.これら直交格子に比べて、斜交格子のものは、空間の方向性により、粒度の異なるレイヤよって奥行を生じる重層を避ける傾向がみられた.5. 結  以上、部材の反復と重層によって構成された覆い空間を対象に、形態と解像度の振幅の関係から 10 の類型的手法を導いた.明瞭な輪郭により中心性を際立たせたり、奥行と方向性を共存させることで多角的な広がりをもたせるなどの覆い空間における分割手法の一端を明らかにした.

    の重層という要因によって、ア〜エの4つのパタンに分類した ( 表 6).アは振幅が中央を横断せず解像度が高または低の範囲内で振幅するものである.解像度の変化が小さく、覆い空間の内観が一定の見え方をすることによる、空間の輪郭が明瞭なものである.このうち、解像度が高のものをア i、低のものをア ii とした.イは様々な観察距離によってのみ振幅が中央を横断するものである.様々な観察距離の差をもつことで内観に遠近の奥行をもつものである.ウは様々な粒度のレイヤの重層と観察距離の差によって中央を横断するものである.観察距離の変化による遠近の奥行に加え、輪郭を不明瞭にすることで奥行をもつ広がりのあるものである.エは異なる粒度のレイヤの重層によってのみ振幅に高低差をもつものである.4. 解像度からみた覆い空間の分割手法前章までに検討した覆い空間の形態パタンを均質性と方向性をもたらす手法、解像度の振幅パタンを奥行をもたらす手法とし、それらの関係性を検討することから覆い空間の分割手法として、10 の類型的手法が得られた.併せて、覆い空間の用途の傾向も考察した.①は放射状の柄で、解像度が高または低の範囲内で振幅するものである.解像度の変化が小さく、空間の明瞭な輪郭が中心への方向性を際立たせる分割手法である.覆い形状はドーム型のみで、用途は集会のものが多い.② ~ ⑤は直交格子状の柄のものである.このうち、②は解像度の振幅が中央を横断しないものである.明瞭な輪郭によって限定された空間に均質な格子が反復することで明快な全体を示す分割手法である.覆い形状において異方向のプロポーションのものはチューブ型が多い.③は解像度の振幅が観察距離の差によって中央を横断するものである.直交格子による均質性と遠近による奥行の共存する分割手法である.覆い形状が偏りありのものはプロポーションにおいて異方向に分布し、偏りなしは等方向に分布した.④は様々な観察距離と様々な粒度のレイヤの重層よって解像度の振幅に高低差を生じるものである.均質で一様な空間に遠近による奥行と輪郭のぼかしによる奥行が連携しながら増長し合う分割手法である.プロポーションが異方向のものはチューブ型の覆い形状であった.⑤は重層のみによる振幅の高低差を生じるものである.用途はスポーツが多く、構造材に化粧材が従属して表れる純粋な構造表現であるような分割手法である.⑥ ~ ⑧は斜交格子状の柄で分割されるものである.これらのうち、⑥は振幅が中央を横断しないものである.明瞭な輪郭と格子の歪みによる方向性が併存する分割手法である.

    1) 構成部材の反復や重層がみられる天井や天井に連続する壁を覆いとし、天井の大半が覆いである室を覆い空間とする。2)2000 年から 2012 年までの「新建築」誌に掲載された 2,708 件のうち、覆い空間がみられ、分析に十分な資料が得られた 75 件を対象とする。

  • 覆い空間の解像度の振幅パタン3章

    2章覆い空間の形態パタン

    振幅が高の範囲内 振幅が低の範囲内 横断が主に遠近のみによる 横断が重層のみによる横断が遠近と重層による

    解像度の振幅が解像度中央を横断しない 解像度の振幅が解像度中央を横断する表7 解像度からみた覆い空間の分割手法

    A-i

    A-ii

    B-i

    B-ii

    D-i

    C-i

    C-ii

    D-ii

    ウイ エ

    規則配置

    放射

    等方向

    等方向

    異方向

    等方向

    異方向

    等方向

    異方向

    異方向

    格子

    直行

    斜行

    不規則配置

    アiiアi

    :居室:集会:展示:スポーツ:その他:記載無し

    LMESON

    |資料番号

    |事例名

    |覆い空間の用途

    |覆い形状(表2に準じる)

    …リビングやオフィスなど座って作業をする用途…集会室や礼拝堂など集まって作業をする用途…ギャラリーや展望所など展示を見て回る用途…体育館やプールなどスポーツの用途…オープンスペースなど用途を限定しないもの…ドームやブリッジなど用途を示さないもの

    (11)(11)(10)(17)(13)(13)

    凡例 60.イズマイリ・イママット記念館 ○/M

    清和文楽邑郷土料理館 緑の詩保育園平田のみんなの家

    31. 71.74.

    (4)

    (10) (10)(9) (12)

    (4) (4)

    (4) (4)

    (6)

    ○○○

    /M/M/M

    豊田市井上公園水泳場54.

    明治学院大学パレットゾーン 山形村立繋小学校彩の国くまがやドーム宇都宮のハウスメム メドウズ

    9. 13.26.52.70.

    クリスタルドーム&壱番街48. ○/N ○/S 倫理研究所上海旗忠森林体育城テニスセンター

    12.43.

    ○◇//MS

    馬頭町広重美術館九谷焼窯跡展示館新青森県総合運動公園愛媛県武道館ビーンズドームバイオ・ストラクチャー虹のシザーズ駿府教会芦北町地域資源活用総合交流促進施設まほろばステージ

    6.18.23.25.47.45.51.55.61.

    ΠΠ○Π○Π□○Π

    /////////

    EOSSSNMMM

    花と緑の文化館遠思巨材館今井篤記念体育館八女市立福島中学校屋内運動場花と緑の館もてなしドームしもきた克雪ドーム松茂町第二体育館高知駅うきはアリーナ

    1.5.17.29.28.36.38.39.57.59.

    ◇Π○Π◇○○◇Π◇

    //////////

    OSSSOOSSOS

    ハノーバー国際博覧会日本館2. Π/ E

    ところミュージアム大三島27. Π/ E

    今井病院附属託児所六本木一丁目駅出入口甲陽幼稚園

    8.14.19.

    ΠΠΠ

    ///

    LNL

    大分スポ‒ツ公園総合競技場栃木県なかがわ水遊園イズマイリ・イママット記念館北沢建築工場

    7.10.60.64.

    ○○○Π

    ////

    SEML

    ブルージュ パビリオン宝積寺駅

    15.49.

    Π◇//NO

    SUMIKAパビリオン53. □/ L

    埼玉県立武道館北里アリーナ砥用町林業総合センター香港沙田競馬場球磨のバンガロー大阪ステ‒ションシティ黄檗山萬福寺第二華殿

    21.24.30.33.56.67.72.

    ○□□◇□◇□

    ///////

    SSMSLOE

    なにわの海の時空館昆虫観察館Bubbletectureひょうご深圳湾体育センター

    3.41.50.66.

    ○○○○

    ////

    EEEO

    サーペンタインギャラリーパビリオン2002KXKネットの森六甲枝垂れ

    16.35.58.63.

    □○○○

    ////

    NEEE

    RunningGreenProjectアオーレ長岡

    11.73.

    ΠΠ//OO

    ◇○○

    ///

    SLN

    ◇○○◇□

    /////

    OOSLL

    Π◇ΠΠΠ

    /////

    ELLNN

    ◇/N

    大内山村野鳥観察舎古々比の瀧紙の仮設スタジオLucky Dropsアルテック・パビリオン

    4.20.32.34.46.

    西袋中学校体育館Y HÜTTEMOOM

    22. 42.65.

    高松丸亀商店街壱番街・弐番街・参番街アーケード

    68.

    ○◇//OE

    Π○//MM

    安中市立九十九小学校ブルームバーグ・パビリオン

    44.69.

    リラクゼーションパーク・イン・トーレヴィエハODENSE

    40.75.

    明確な輪郭により中心ヘの方向を強調

    明瞭な輪郭と均質性により明快な全体を示す

    明瞭な輪郭と方向性が併存

    明瞭な輪郭により不均質を静的に強調

    ③ 格子の均質性と遠近による奥行の共存

    遠近と重層による奥行が互いに増長

    遠近による奥行が方向性を強調

    ⑦ 遠近による奥行と重層による奥行と方向性とが共存する多様な広がり

    遠近の奥行と無方向性が共存する不均質な広がり

    重層のみによる奥行純粋な構造表現的