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Agilent 外部低雑音分周器を使用した 250 MHz以下でのE8663B の位相雑音性能の向上 Product Note

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Agilent外部低雑音分周器を使用した250 MHz以下でのE8663Bの位相雑音性能の向上

Product Note

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E8663Bアナログ信号発生器は、適切なオプションのE8257Dを使用して、3 GHzまでの同軸アプリケーションにおいて優れた信号パワー、分解能、安定度、アナログ変調性能を提供します。E8663Bは、すでに販売を終了した8662A/63A信号発生器の後継器です。

このアプリケーション・ノートでは、E8663Bとともに低雑音の分周器を使用して、250 MHz以下の周波数(ヘテロダイン・バンドの出力周波数)で位相雑音性能を向上させる方法を紹介します。また、外部分周器を使用した位相雑音性能の大幅な向上が必要なアプリケーションについても説明します。このアプリケーション・ノートは、オプション1EA、UNX、UNTを追加したE8257Dにも適用されます。

E8663Bの性能は、250 MHzを超える周波数では8662A/63Aより優れた性能を提供します。図1に示すように1280 MHzでは、搬送波から遠く離れたオフセット(E8663Bの内部分周器の相加性雑音が性能を制限します)を除いて、E8663Bの位相雑音(代表値)は8662A/63Aよりも小さくなっています。

図1. 1280 MHzでの8662A/63AとE8663Bの位相雑音の比較

250 MHz以下では、E8663Bは優れた周波数変調(FM)および位相変調(fM)を実現するためにヘテロダイン方式を使用しています。このヘテロダイン方式により、E8663Bの位相雑音が120~250 MHzの周波数バンドで8662A/63Aよりもやや大きくなっています。8662A/63Aも120 MHz以下では同様の方式を使用しています。

図2. 160 MHzでの8662A/63AとE8663Bの位相雑音性能

はじめに

E8663Bの性能の概要

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E8663Bの動作

E8663Bは、ベース周波数バンドで内蔵分周器を使用して、2~3.2 GHz、1~2 GHz、500 MHz~1 GHz、250~500 MHzバンドの周波数を出力します。これらの内蔵分周器は周波数を分周するだけでなく、ベース周波数バンドのFMおよびfM特性も分周します。図3に示すように、周波数を分周するたびに位相雑音は6 dBずつ減少しています。データの圧縮が500 MHzを越えると、内蔵分周器の相加性雑音が現れます。

図3. 周波数バンド > 250 MHzでの位相雑音性能(代表値)

100 kHz~250 MHzの周波数バンドでは、ヘテロダイン動作のためのシンセサイズド周波数として、500 MHz~1 GHzの周波数レンジを使用します。このため、500 MHz~1 GHzのバンドと同様のFM、fM、位相雑音性能を持っています。図4に示すように、周波数が2分周されたときの位相雑音性能にはほとんど変化がありません。

図4. 周波数 > 250 MHzでの位相雑音性能(代表値)

250 MHz以下でのE8663Bの位相雑音性能の向上

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搬送波信号が分周されると、搬送波周波数は分周比nに基づいて減少します。

Fout=Fin * 1/n

ここで、Finは入力周波数、nは分周比を表します。

分周比2の場合は、出力周波数は入力周波数の2分の1となります。

搬送波周波数が下がるだけでなく、搬送波の位相雑音も20 log(n)の係数で減少します。

L(f)out(dB)=L(f)in(dB) - 20*log(n)

分周比2の場合は、出力周波数の位相雑音は入力周波数の位相雑音より6 dB(20*log2)小さくなります。図2はこれを明確に示していて、2分周された各周波数バンドの位相雑音特性は、もとの高い周波数バンドよりも6 dB減少しています。このような雑音の減少は、最終的には分周器の持つ相加性(残留)位相雑音により制限され、それ以上は減少しません。図3の搬送波から遠く離れた位相雑音特性(搬送波から500 kHz高いオフセット)がこれを示しています。

信号発生器でFMやfMを行う場合は、搬送波周波数を分周するとFM偏移およびfM偏移もn分の1となります。2分周の場合は、各2分周のステージごとに変調偏移特性が2分の1ずつ減少します。

分周により位相雑音も減少

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外部の低雑音分周器を使用するには、以下の機能を持っている必要があります。

● 柔軟な分周比:一般に2n分周(n=0,1,2,3,…、アプリケーション要件を十分満たすだけの大きさ)

● 相加性(残留)雑音が低い:相加性雑音が低いほど良い

● 入力周波数レンジが広い

● 十分なRF出力パワー(外部RFパワー・アンプを使用しないで)

図5. 70429AオプションK95低雑音分周器

70429AオプションK95は低雑音で、柔軟に分周比を設定できる分周器です。広い周波数レンジと高出力パワーも備えています。

● 分周比:2~256、2の階乗(2n分周、n=1~8)

● 入力周波数レンジ:50 kHz~10 GHz

● 高出力パワー:+16 dBmのシングルエンド50 Ω出力(50 kHz~1.6 GHz)、+6 dBmの差動50 Ω出力(50 kHz~5 GHz)

● きわめて低い相加性雑音特性

外部低雑音分周器

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デュアル電源+9V, -9V, GND/コモン

Div A、Div Bの設定スイッチにより、 または15ピン・コネクタを介した Div A、Div Bのプログラミングにより、 分周比を設定

Div A 2n, (2, 4, 8, 16)

Div B 2n, (1, 2, 4, 8, 16)

注記:分周器Aでは常に 最小の2分周を使用

+6 dBm入力

バッファドRF出力

50 kHz~1.6 GHz+16 dBmの出力パワー

シングルエンド入力と差動入力が可能

差動ペア出力50 kHz~5 GHz+6 dBmの出力パワー

注記:個別のシングルエンド出力、 または差動ペア出力

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70429AオプションK95出力制限アンプは、出力信号のパワー制御は行いません。分周器出力でのパワー制御には、外部ステップ・アッテネータが必要です(図5に示していません)。また、出力信号は方形波です。高調波を抑制する必要がある場合には、奇数次高調波を減少させるローパス・フィルタが必要です。この分周器には+9V(公称値100 mA)と-9V(公称値700 mA)のデュアル電源が必要です。

図6. 70429AオプションK95の高出力パワー波形(代表値)

70429AオプションK95は、分周器A(分周比2n、n=1~4)と分周器B(分周比2n、n=1~4)から構成された2段の分周回路を備えています。全体の分周比は分周器A×分周器Bとなり、2~256の分周比レンジが得られます。分周比の設定はDIPスイッチを使用するか、制御ラインからのプログラミングによって行います(70429Aの操作マニュアルを参照)。分周器Aは、最小の2分周で使用してください。

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内部分周器の場合と同様に、外部分周器を使用して周波数を減少させたときもFM/fM偏移の最大値が減少します。なお外部分周器では振幅変調(AM)とパルス変調は行えません。

図7. いろいろな出力周波数での、70429AオプションK95の相加性雑音特性(代表値)

相加性雑音のフロアは分周比に依存します。10 MHz出力は分周比256を、100 MHz出力は分周比64を、1 GHz出力は分周比8を使用しています。使用できる分周比が大きいほど、分周器の相加性雑音も小さくなります。

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図8は、250 MHz以下で位相雑音性能を向上させるための、E8663Bと70429AオプションK95との基本的な接続図を示しています。K95への推奨入力パワーは+6 dBmなので、E8663BのRF出力パワーを+16 dBmに設定し、10 dBアッテネータを通して入力しています。この方法により、信号発生器の出力で最高のSN比が得られます。

図8. 70429AオプションK95とE8663Bとの接続

分周器からの出力は、シングルエンドのバッファド出力コネクタからの出力信号で、50 kHz~1.6 GHzの高パワー信号を出力します。

E8663Bオプション503の最大出力周波数は3.2 GHzです。したがって、必要な250 MHz以下の出力周波数を実現するための、入力周波数と分周比との組み合せが限られます。例えば、必要な出力周波数が250 MHzなら、可能な入力周波数(と分周比)は500 MHz(分周比2)、1 GHz(分周比4)、2 GHz(分周比8)に限られます。E8663Bオプション509の最大出力周波数は9 GHzなので、組み合せの数は増えます。

必要な出力周波数が低いほど、入力周波数と分周比との可能な組み合せの数が増えます。例えば、必要な出力周波数が10 MHzなら、可能な入力周波数と分周比との組み合せは8通りとなります(最大は2.56 GHzと分周比256)。使用可能な分周比が大きいほど、分周器の相加性雑音は小さくなります。

70429AオプションK95分周器をE8663Bとともに使用

8

8663B RF出力 @ +16 dBm12.8 MHz~3.2 GHz

デュアル電源+9V, -9V, GND/コモン

Div A、Div Bの設定スイッチにより、 または15ピン・コネクタから プログラミングにより、 分周比を設定

Div A 2n, (2, 4, 8, 16)

Div B 2n, (1, 2, 4, 8, 16)

注記:分周器Aでは常に 最小の2分周を使用

+6 dBmの入力

バッファドRF出力

50 kHz~1.6 GHz+16 dBmの出力パワー

10 dBのアッテネータ

50 kHz~5 GHz+6 dBmの出力パワー

分周出力周波数

10 MHz 25 MHz 100 MHz 250 MHz20 50 200 50040 100 400 100080 200 800 2000160 400 1600 4000*320 800 3200 8000*640 1600 6400*1280 32002560 6400*E8

663B出力周波数(

MH

z)

* E8663Bオプション509のみ

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例1. 250 MHzでの向上

70429AオプションK95は出力周波数250 MHzの位相雑音性能を向上させますが、搬送波から10 Hz以上のオフセットの周波数に対してだけです。図9は、E8663Bの3本のノイズ曲線を示しています。上側のトレースは出力周波数2 GHzの位相雑音で、分周比8に設定した70429AオプションK95への入力周波数です。

図9. E8663Bの250 MHzでの位相雑音の向上(代表値)

下側のトレースは、70429AオプションK95(分周比8に設定)の出力周波数250 MHzの位相雑音を示しています。2つのトレースの差は、搬送波から遠く離れたオフセット(70429AオプションK95に起因する相加性雑音のフロアが向上を制限します)を除いて18 dB(n=3、n×6 dBの向上)です。中間のトレースは、外部分周器を使用しない、E8663Bからの出力周波数250 MHzの位相雑音を示しています。この場合、E8663Bは内蔵分周器を使用しています。内蔵分周器のノイズ・フロアにより、1 kHzオフセット~100 kHzオフセットで、実際よりも約3 dB大きなノイズ・トレースを発生させています。

8662A/63A信号発生器との比較(代表値)

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250 MMHz(外部分周器なし)

250 MMHz(分周比8の外部分周器)

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例2. 160 MHzでの向上

図10は3本のトレースを示しています。上側のトレースは、E8663Bが出力する周波数2560 MHzの位相雑音性能(代表値)です。下側のトレースは、70429AオプションK95(分周比16に設定、24 dBの向上)から出力された周波数160MHzの位相雑音性能(代表値)で、入力周波は2560 MHzです。中間のトレースは、外部分周器を使用しない、E8663Bからの出力周波数160 MHzの位相雑音性能(代表値)を示しています(E8663Bのヘテロダイン・バンドを使用)。70429AオプションK95を使用した全体的な向上は、主に搬送波から10 Hz以上のオフセットで現れています。

図10. E8663Bの160 MHzでの向上

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160 MMHz(外部分周器なし)

160 MMHz(分周比16の外部分周器)

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例3. 10 MHzでの向上

図11は3本のトレースを示しています。上側のトレースは、E8663Bが出力する周波数1280 MHzの位相雑音性能(代表値)です。下側のトレースは、70429AオプションK95(分周比128に設定、42 dBの向上)から出力された周波数10MHzの位相雑音性能(代表値)で、入力周波数は1280 MHzです。中間のトレースは、外部分周器を使用しない、E8663Bからの出力周波数10 MHzの位相雑音性能(代表値)を示しています(E8663Bのヘテロダイン・バンドを使用)。1 kHzを超えるオフセット周波数では、外部分周器の相加性雑音のフロアが全体的な向上を制限しています。

図11. E8663Bの10 MHzでの向上(代表値)

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10 MMHz(外部分周器なし)

10 MMHz(分周比128の外部分周器)

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例4. E8663Bと8662A/63Aとの比較

E8663Bがヘテロダイン・バンドを使用せず、外部分周器も使用していない、250 MHz以上の周波数では、E8663Bの性能は全体的に8663Aを上回っています(図12)。70429AオプションK95(分周比8に設定)を使用した場合は、10 Hz以上のオフセット周波数では、E8663Bは常に8663Aよりも良い結果を示しています。10 Hz以下のオフセット周波数でも、8663Aとほぼ同じ結果を示しています。

図12. 250 MHzでの8663Aとの比較(代表値)

160 MHzではE8663Bはヘテロダイン・バンドを使用していて、その性能は部分的に8663Aを上回っています(図13)。70429AオプションK95(分周比16に設定)を使用した場合は、E8663Bは全オフセット周波数で常に8663Aよりも良い結果を示しています。

図13. 160 MHzでの8663Aとの比較(代表値)

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E8663B(外部分周器なし)

E8663B(分周比8の外部分周器)

E8663B(外部分周器なし)

E8663B(分周比16の外部分周器)

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100 MHzではE8663Bはヘテロダイン・バンドを使用していて、その性能は部分的に8663Aを上回っています(図14)。70429AオプションK95(分周比32に設定)を使用した場合には、E8663Bは全オフセット周波数で常に8663Aよりも良い結果を示しています。

図14. 100 MHzでの8663Aとの比較(代表値)

図15は、外部分周器を加えた場合の効果を明確に示しています。上側のトレースは外部分周器を使用しない場合のE8663Bからの10 MHz出力、中間のトレースは8663A、下側のトレースは外部分周器(分周比128)を使用したE8663Bです。

図15. 10 MHzでの8663Aとの比較(代表値)

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E8663B(外部分周器なし)

E8663B(分周比32の外部分周器)

E8663B(外部分周器なし)

E8663B(分周比128の外部分周器)

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低雑音レーダ、低ジッタ・クロック

E8663Bは、広帯域光通信システムの低ジッタ・クロックや低雑音レーダのLOの代わりに使用できます。また、低雑音通信システムでのIFの代わりとして使用できます。

LOの代用、低雑音/低ジッタ・レシーバ

低雑音/低ジッタ・レシーバをテストするときのLOの代わりには、位相雑音の非常に小さな信号源が必要です。高調波が小さいことがクリティカルであるかどうかは、レシーバのIFフィルタに依存します。

図16. 一般的な低雑音レシーバのダイアグラム

IFの代用、低雑音/低ジッタ・レシーバ

IFの代用では、低位相雑音とともに、低い高調波とパワー制御が必要です。E8663Bおよび70429AオプションK95外部分周器をレシーバ・テストのために使用する場合は、オプションK95の出力において外部フィルタとパワー制御が必要になることがあります。具体的な必要性は、テストするレシーバに依存します。

極低位相雑音RF/IF信号のアプリケーション

14

S/H

S/H

LPF BB AMP

BB AMP

COHO LIMITER LPF

LPF

MMI

RF信号

IF信号

LOの代用

レシーバ/ シグナル・プロセッサ

周波数アジャイルLO

アンテナ

データ・プロセッサ (トラッキング・ ループなど)

0ºスプリッタ

2nd

IFA

2nd

LO

IFBPF

1st

IFAIF

BPF

LNA

90º

ADC

デジタル・シグナル・ プロセッサ

ADC

レシーバ 保護

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水晶発振器などの低雑音発振器/シンセサイザ

E8663Bは、水晶発振器などの低雑音発振器/シンセサイザの位相雑音性能を測定するための、低雑音基準信号源として使用できます。DCFMでE8663Bの位相雑音性能が可能な限り小さくするために、同調感度を0.1 ppm/Hz未満にします。DUTの出力周波数(Hz)に0.1×10-6を乗じると、Hz/V単位の最大DCFM感度の値が得られます。

図17. 低雑音発振器の位相雑音測定のブロック図

E8663Bと70429AオプションK95を、XOやVCXOなどの低雑音発振器をテストするための低雑音基準信号源として使用すると、きわめて低雑音のソリューションになります。また、E5500シリーズ位相雑音測定ソリューションともシームレスに動作します。

15

DUT

位相検波器

E8663B

F1

F1

R

L

70429AK95

ベースバンド解析

同調電圧

ベースバンド・ テスト・セット

LPF LNAPLL2n分周器

DCFM< 0.1 PPM

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Webリソース

Agilent E8663Bについての詳細は、以下をご覧ください。www.agilent.co.jp/find/e8663b

関連カタログ『E8663Bアナログ信号発生器』、DataSheet、カタログ番号5989-4866JAJP

www.agilent.co.jp/find/emailupdates-Japan

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電子計測UPDATE

March 16, 2007

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