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鶏のマイコプラズマ症の現状と防疫 誌名 誌名 鶏病研究会報 ISSN ISSN 0285709X 著者 著者 佐藤, 静夫 片山, 宜郎 巻/号 巻/号 48巻2号 掲載ページ 掲載ページ p. 63-84 発行年月 発行年月 2012年8月 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat

鶏のマイコプラズマ症の現状と防疫鶏のマイコプラズマ症の現状と防疫 誌名 鶏病研究会報 ISSN 0285709X 巻/号 482 掲載ページ p. 63-84 発行年月

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  • 鶏のマイコプラズマ症の現状と防疫

    誌名誌名 鶏病研究会報

    ISSNISSN 0285709X

    著者著者佐藤, 静夫片山, 宜郎

    巻/号巻/号 48巻2号

    掲載ページ掲載ページ p. 63-84

    発行年月発行年月 2012年8月

    農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センターTsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research CouncilSecretariat

  • 《解説》

    鶏のマイコプラズ、マ症の現状と防疫

    佐藤静夫・片山宜郎1)

    (株)科学飼料研究所開発センター,千285-0043千葉県佐倉市大蛇!日T7現住所千190-0023東京都立川市柴崎町ー 2-6-15

    1)全農家畜衛生研究所,千285-0043千葉県佐倉市大蛇町7

    キーワード:防疫,疫学,M. gallisepticum, M. synoviae,診断

    はじめに

    マイコプラズマは,細胞墜を欠き,生きた細胞を含まな

    い人工培地に場殖可能な最小の原核生物 (prokaryote)

    である。鳥類由来のマイコプラズマは,現在, 25種が知ら

    れている91)(表1)。これらのうち鶏に病原性を示す主なマ

    イコプラズマは,Mycoρlasmagallisepticum (MG)およ

    びM.synoviae (MS)である9IJ。鶏の MG感染疲は,米国

    では 1930年代から認められ子慢性呼吸器病 (chronicre-

    spiratory disease : CRD)Jあるいは気繁病 (airsac dis-

    ease)として知られていた。一方, MS 感染症は, 1950年

    代からブロイラーの伝染性滑膜炎Cinfectioussynovi-

    tis) Jとして知られていたが,その後, 1970年代の初め,

    MSもまた気嚢炎などを{半う呼吸器病の病原体となるこ

    とが明らかにされた抽出叶断。

    一般に, MGあるいは MSによる単独感染務は,無症

    状でいわゆる不毅性感染に経過するが,他の締菌あるい

    はウイルスとの複合感染ならびに飼育環境条件の悪化な

    どが誘引となって発症し,異常呼吸音安, ffi.'¥汁漏出,

    l波潟下j認炎および重度の気嚢炎をwう,慢性の呼吸器障害を笠する。産卵鶏では産卵率低下,種鶏ではさらに務

    化率の低下,ブロイラーでは発育不良あるいは気裂炎に

    よる熔体の廃棄本増大などで経済的被害を与えるO ま

    た, MG感染症においては, D寺に卵管炎,結膜炎あるい

    は角結膜炎,さらには MSと同様に関節(滑膜)炎など

    もみられる93,107,1砧 -168.170)。

    これらマイコプラズマ感染症における経済的損害は,

    生産性低下による損害の他,薬剤投与,消毒などを含め

    た防除対策,血清反応などによる盟主視プログラムの実

    施,ワクチン接種などに伴う経済的負ff!も莫大であ

    る2問。因みに米国では,コマーシャル採卵養鶏場の 50%

    2011年 12月9日受付鶏病研報 48巻2号, 63-84 (2012)

    以上に MG感染が浸潤しており,採卵養鶏業界の経済的

    損失は, 1994年のみでも l億 1800Jjドルないし l億

    5000万ドルに達している38)。また,ノースカロライナ州

    のブロイラー会社では, 1999年に MG感染症が発生し,

    6カ月間に生じた経済的損失は少なくとも 50万ドルな

    いし 75万ドルにも及んだとされている38)。わが国でも

    米国と同様にコマーシャル採卵鶏君fにおける MG,MS の感染率l立高く 69.86) ブロイラー鶏群における MS感染

    事例等も報告されている川崎)。

    ここでは,主に MGおよび MS感染症の現状(発生状

    況, f云矯,感染・発症機序)および防疫(診断および防

    i徐対策)に隠する最近の知見について述べる。

    1. 発生状況

    1) 百本・わが躍では 1950年代における輸入鶏の増

    大と大規模集団養鶏の普及に伴って慢性呼吸器病

    (GRD)様の疾病の発生が顕夜化し, MGが 1962年に,

    さらに MSが 1973年に呼吸器病鶏から分離同定され,

    これらマイコプラズマによるrr乎吸器感染症の発生が確認

    された。その後,診断用菌液の謂発・実用化により,わ

    が閣の養鶏場に広く本症が浸濁していることが明らかに

    された肌169.170)。近年,わが国で飼養されている外来惑の

    種鶏群は欧米から MG,MSフリーひなとして総入さ

    れ円国産鶏の穏鶏群も MG,MS清浄化対策の実施によ

    り維持されている73)。しかし,コマーシャル養鶏場で、は,

    これら清浄種鶏群から生産されたひなを導入しでも飼育

    期間中に, 日鈴と共に MG,MS抗体陽性芸名および抗体

    価が高まる傾向があり,広範な浸i闘が推察されている

    (図1,2) 69.86)。なお, MSに比べて MGの陽性芸名は, 100

    日齢頃から高まる傾舟にあり,育成時期におけるワクチ

    ン接種の普及が指擁されている69)。また,最近の症例で

    は,長年にわたり MGフ 1)ーを維持していた菜コマー

    シャル採卵養鶏場で,外部から導入された MG感染育成

    - 63ー

  • 鶏病研究会報

    表1. 鳥類から分離されるマイコプラズマの主姿性状91)

    種名 宿 主グルコース アルギニン発 酵加水分解

    A. laidlawua 稜々の動物

    M. anatis アヒル

    M. anseris ガチョウ

    M. buteonis ヨーロッパノスリ

    M. cloacale 七llii鳥,ガチョウM. columbinasale ハト

    M. columbinum ハト

    111. coluηlbor,αle ハト

    M. corogypsi クロコンド jレ

    M. falconis セーカーハヤブサ

    M gallinarum 鶏

    M. gallinaceum 鶏

    M gallisepticum 鶏,七商潟,メキシコマシコ他

    M. gallopavonis 七面鳥

    M glycophilum 鶏

    M gyρis シロエリハゲワシ

    M. imitans アヒ/レ,ガPチョウ,シャコ

    M. iners 鶏

    M. iowae 七関烏

    Ml妙。'faciens 鶏

    M. meleagァidis 七面鳥

    M. pullorum 鶏

    M. sturni ホシムクドリ

    M. synoviae 鶏,七証言烏

    U. galloraleb 鶏

    a Acholeplasmaは,発育にステロールを必要としない。

    b Uleゆlasmaは,尿芸誌を分解する。

    120

    陽性別

    率 60

    % 40

    20

    + +

    ート

    + + 十

    + 十

    + +

    日ト + 十 +

    + + 十

    一ト

    1同 3031-60 61- 101- 151- 201- 250吋 301- 351- 401- 451- 501-100 150 200 250 300 350 400 450 500

    日齢

    検体数:2006年;21,674検体, 2007年;19,542検体

    2008年;23,391検体

    図1. わが国の採卵鶏における日齢と Mycoplasmagallisepticum赤

    血球凝集抑制(日)抗体陽性(1; 10

  • 120

    ー争回2008年

    問機関2001年

    目安田2006年

    第 48巻 2012 年

    100

    n

    u

    n

    u

    n

    u

    n

    U

    0

    6

    0

    0

    a

    4

    陽性率(%)

    。1-30 31- 61-101四 151-201… 251同 301… 351-401-451-501官齢

    60 100 150 200 250 300 350 400 450 500

    検体数:2006年;8,962検体 ,2007年;7,106検体, 2008年;7,348検体

    図 2. わが00の採卵鶏における臼齢と Mycoρlasmasynoviae 1I江清平板凝集反応陽性率の推移(会農家禽衛生研究所資料)82)

    鶏群から,養鶏場内の清浄鶏群への水平伝播が逐次起こ

    り,産卵率の著しい低下がみられている 138)。また, EI本

    ウズラにおける MGとクリプト・スポリジウム感染に

    よる結膜炎,限寓下J河炎およびj二部気管炎を伴う症例が

    報告されている則。

    一方, MSの感染が関与したとみられる症例として,採

    卵鶏群における育成率の低下3) フ守口イラー鶏群における

    大腸菌との複合感染による育成率低下成149)等が報告され

    ている。また, 2009年に初めてオランダの採卵養鶏場で

    の発生が報告された MS卵管感染鶏における鶏卵の卵殻

    鋭端部卵殻異常 (Eggshellapex abnormalities : EAA)

    が,数カ所の養鶏場の採卵鶏群で 1~5% 程度にみられ

    ている87)。

    2) 韓国:2006年から 2007年の簡に調王まされた養鶏

    場 63ヵ所(血清1.907例)の MG抗体の陽性率は,採卵

    鶏 95%,穏鶏 70%およびブロイラ-16%で, MS抗体

    の保有率は,採卵鶏 100%,穣鶏 39%,ブロイラー 53%

    であった。また, 70鶏群の気管スワブあるいは病伎鑑定

    材料からの MGおよび MSの分離成績は,それぞれ 21

    株および 70株であった町)。

    3) 米国・ 1960年代から家禽改良計闘 (National

    Poultry Improvement Plan : NPIP) で稜鶏群の MG,

    MSの清浄性認定方法が規定され,その後 50年間にコ

    マーシャル鶏における MG感染疲の発生は著しく減少

    した。しかし,ブロイラー鶏訴での発生は続き,また,

    多くの大競模な異日齢鶏群飼育採卵養鶏場 (multi.age

    commercial egg complexes : MACEC)では MG感染

    症が浸潤している。さらに小規筏な庭先養鶏群におけ

    る不室長性感染も増加傾向にあり, コマーシャル鶏群への

    伝播源となる恐れのあることが指摘されている間)。ま

    た, NPIPの報告では, 1999年9月から 2000年8月の間

    における穆鶏群の検ままで卵用種鶏 1l'!洋,ブロイラ一種

    鶏 34群および積七商潟 22群から MGが検出されてい

    る。これらの穏鶏群の構成羽数は平均 20,000羽で感染烏

    群は NPIPの規定により全て淘汰されるので,経済的損

    失は接大である問。まれな症例として, 38週齢の種七面

    鳥群に MSによる肺炎が発生し,臨床症状や産卵成績の

    異常を伴わず死亡率の増加がみられている印)。なお,

    1994年に米関やカナダの東部で眼識周囲の践脹と結膜

    炎を伴ったフインチ [housefinch (和名:メキシコマシ

    コ)Jの症例から MGが分離され,その後,同様なフインチの症例は 2002~2005 年の潤に西部地域にまで拡散し

    ている。また,希ではあるが他の野鳥にも MGによる結

    膜炎がみられている 107)。

    4) 欽州諸国:育穣会社からは欧州、iを含め全世界に

    MG,MS 清浄燦稜鶏が供給されているが, 商欽州諸国以

    外の多くの国では,コマーシャル稜鶏群の清浄性維持に

    失敗している。一部の関では MG感染症による経済的損

    害が深刻なため種鶏群や採卵鶏群にワクチンが接種され

    ており,最近は MG生ワクチンの使用が増加傾向にあ

    る。また, MS感染症も多くの思に浸潤しており, フボロ

    イラ一種鶏と採卵鶏群にみられるが,特に採卵鶏群での

    感染率が高いことが指摘されている。さらに最近の西欧

    州諸国では,動物福祉の留から放し飼い形式の鶏卵生産

    方式が普及する傾向から,これら採卵鶏若手における MG,

    MS感染の増大が懸念されている。なお,厨によっては

    現在のところ MS感染の経済的意義は明らかではない

    が,感染ブロイラー穣鶏群由来のひなに本症が発生して

    - 65-

  • 鶏病研究会報

    おり,対策として種鶏群へのワクチン接穂が行われてい 21.7%で最も多く, ブロイラーの呼吸器病発症要国とし

    ジヘ ての MGの議姿性が指摘されている制。

    因みに英国東部地域の 56採卵養鶏場における ELISA

    による MS卵黄抗体の調交では, 78.6%の養鶏場に MS

    感染が認められている60。また, フランスのブリタニヤ

    地域の採卵養貌場における調査 (2002年 12J:Iから 2003

    年4月)では, 60 i毘齢以 kの考鶏 53若手中 36鮮 (68%)

    の気管スワフ。から MSが分離され,これら MS感染鶏群

    は,全てlvIS抗体|場校であり,気管スワフaからのlvIS分

    自ft~容は 87% であった。なお,本調査では,鶏舎 1 擦のみ

    の養鶏場は,複数の幾舎を保有する後務場に比べて著し

    くMS感染は少なく,一方,約 100JJ羽の鶏が高潔皮で

    飼育されている 3地域では会鶏群からlvISが分離され

    ている。また, lvIS 感染鶏群と非感染鶏訴の生産性を誠

    査したところ,死亡率は非感染鶏苦!t(3.28%)が感染鶏群

    (4.52%) に比べて{尽く,産卵個数は,手1::感染群 (252.4

    偶/羽)が感染鶏群 (247.9側/羽)よりも統計字学的に有意

    ではないが,やや高い傾向を示している31l。

    オランダでのlvIS感染症は, 2000年以前は,主にl呼吸

    器における不室長性感染で与さE主例は少なく経済的な;影響も

    駿微であった。しかし,その後のlvISによる潟節炎ある

    いは EAAなどの発生に対応して 2005年から 2006年に

    かけての l年間,抗体検ままによる全国的な採卵鶏および

    ブロイラー農場のlvIS浸総調査が実施された。その結

    果,各農場のlvISI期生率は,コマーシャル採卵養鶏場で

    は者しく高く 73%,一方, JJ吉積鶏E霊場では低率で,卵用

    。%, ブロイラー 10%,卵J日穏鶏場 25%,ブロイラー稜

    鶏場 35%,ブロイラ一極鶏とフ余ロイラーの両方を飼育す

    る!足場 6%,r勾周七面鳥!足場では 16%であった問。なお,コマーシャル採卵残鮮における EAAの発生は 2009

    年に報告され,発生鶏群では 30週鈴から 75jll!!鈴の間に

    生産された鶏卵の約 5%がEAAで,経済的被害は鶏卵

    販売利益の約 3%にも達したとされている出。また,採

    卵鶏にアミロイド沈着のみられた関節病変が発生してい

    る 10ヘイタリアの北部i也~で, 3 群の採卵鶏君子lこ1.3%~

    1.8%にEAAが発生し,タイロシン投与によって潤復し

    ているお)。

    ヨルダン.北部地域の呼吸務病発生コマーシャル鶏群

    における ELISA抗体陽性率は 73.5%,lvIG分離主容は

    31.6%である。また,ヨルダンのブロイラ一種鶏群の

    80.43%にMG抗体が認められている。さらに 2005年,

    12月から 2007年 7月の間, ヨルダンの北部および中央

    部地域のブロイラ-115群におけるH手吸器病の疫学的調

    査から, lvIGとニューカッスル病 (ND)ウイルスあるい

    は伝染性気管支炎(IB) ウイルスとの複合感染症例が

    - 66

    2. 伝 播

    お'lG,MSの主な伝機経路は, f呆商務鶏からの垂直感染

    (介卵感染)と感染鶏あるいは汚染環境からの水平感染

    である。

    1) 介卵感染

    自然感染鶏における介卵感染は,呼吸器における MG

    閣数の多い急、性期に高頻度に起こることが知られてい

    る。接種感染例では 4遜後に介卵感染のピーク(約

    25%) がみられ,また, 3~6 ill!!の問に 50% 以上の卵に感

    染が認められた。介卵感染の頻度は感染後の経過に伴っ

    て低下し, 8~15 週後には 3% あるいは 20~25 週後には

    約 5%との報告もある。慢性期の鶏群における介卵感染

    の頻度は綴めて低いとされている 107)。

    感染種鶏の保菌卵から熔化したひなは,たとえ少数で

    も病j底ひなへの水平伝綴淑となる可能伎があるので,

    lvIG防除プログラムでは,原極鶏,種鶏における介卵感

    染に対する厳設な監視が必要とされるO 米国の NPIPの

    規定では穣鶏群の血清学的検査は 2週間毎(じ函烏では

    3ill!!間後)に笑施するとされている2)。

    2) 水平感染

    lvIG, lvISは,感染鶏との直接または悶接的な接触によ

    り?O易に伝橘する。感染門戸{主主に上部気道と結)設であ

    り,感染鶏から排出された気道分泌物のエアゾル中に含

    まれたマイコプラズ、マが感染被:となる。本来, lvIG は呼

    吸器や結!院における表在性寄生体とみなされているが,

    一過性に全身感染を起こし脳など呼吸務以外の音~伎に拡

    散し,様々な部位における急性あるいは慢性疾病をもた

    らすとされている93,10I)。また,卵管感染は,近接した気

    裂の感染に起因するとの指摘もある 1.15出)。なお,野外の

    穏七面,t~群ーから野鳥のフインチ由来株と類似のlvIG 株

    が分離されている50。ブインチ白米lvIG株は,鶏や七面

    鳥への接種試験で感染はするが,病変lま経度で家禽由来

    lvIG株に比較して病原性の低いことが指摘されている1.16.1i.1)。

    lvIGの 102,105あるいは 108CFU/mlを,それぞれ気管

    内接種された鶏 l羽と非接種鶏 1羽をケージ内で同居飼

    育し,それらケージ、から 65cmの距離に非接穏鶏2羽を

    収容したケージを設置し,空気感染の成立を観察した。

    接稜菌室の多少に係わらず同居感染は成立し,呼吸器か

    らlvIGが回収され,抗体上昇もみとめられた。一方,空

    気感染の成立は 108CFU接種群の 1羽に抗体上昇がまま

    められたのみである。空気感染の成立頻度が低いことに

  • 表 2. 各種t!H本ょにおける Mycoplasmagalliseρticum (MG)およびM.synoviae (MS)の生存期間25)

    生残期間 生残期間t.e.f;本 tI!1本

    MG MS MG MS

    総 4 13 2日 羽毛 4日 3日

    ゴム 2臼 8時間 頭髪 3日 8時間

    麦わら 2日 121時間 鼻腔 1 13 12時間

    ヌド屑 1日 4時間 エ手 4時間 4u寺問

    板材 811寺間 12 s寺間 皮膚

  • 鶏 病研究会報

    れている綿胞接着に関連する遺伝子変異に加え,糖代謝

    に関与する遺伝子変異も含まれていた。また, F株は R

    株と比較して,表層リポ蛋白質をコードする vlhA遺伝子

    に大きな変異が認められ,少なくとも 16個の遺伝子が欠

    失あるいは断片化していた九また, MGが人腕組織培養

    細胞表面の glycosaminoglycans(GAGs)に結合すると

    の知見82)は, MGの細胞接着機序の l婆思を示すものか

    もしれない。マイコプラズマの接着因子に関する総論を

    RazinとJacobsl58)がまとめている。

    2) MGの細胞侵入性

    MGは,組織培養された非会食性宿主細目包内に侵入す

    ることが認められている。この性状は, MGの宿主防衛l

    機構や抗菌剤治療への抵抗性,慢性感染の成立,呼吸器

    粘膜の防御網の突破,全身感染の惹起などに関わりがあ

    ると推察されている1則。なお,細胞内侵入の前提として

    接着が震要であるが, Rhほh事長(弱毒株)が全身感染や気

    議炎を起こさないのは,この株が接着蛋白 GapAの発現

    を欠くためであろうとされている印81500

    MG感染による気管粘燦J二皮表面の変化として,線毛

    および非線毛上皮細胞の剥離および破壊を伴う粘液頼粒

    の分泌等がみられる 107)0 Bおよび T リンパ球の刺激あ

    るいは抑制およびサイトカインの誘導なども病療機序に

    関与する99)。環境要因の悪化あるいは他の病原体による

    複合感染がない場合, MG感染は気管に限定されるが,

    全身あるいは局所抗体が存在しでも MG感染は持続す

    る(保菌状態)107)。このように強い免疫応答にもかかわ

    らず MG慢性感染症の発現する理由として,主な表在性

    抗原の高頻度な変奨189)および絞!胞内侵入性132)が指摘さ

    れている 107)。また,複合感染においては,特に大筋E毒症

    あるいはある種の生ワクチンウイルス接種感染は,より

    震度の MG感染症を誘発することが知られている側。

    さらに,免疫抑制IJ,劣惑な環境や他のストレスも MG感

    染症の重疲化を招く妥協である刷。

    3) MSの病原性

    最近,米包カリフォルニアナ1'1で発生したフ守ロイラーの

    関節滑膜炎の症例由来 MSは比較的低病原性であっ

    た172)が,他の地域では高病原性の MS菌株も分離され

    ているo MSとIBウイルスとの噴霧接種でアミロイド

    変性を伴う関節炎が誘発された事例も報告されてい

    る1000 野外痕例や野外分離株の病原性の比較試霊会から

    MS株の鶏に対する病原性の異なることが知られてい

    る問。しかし,これら頭株が呼吸器,関節,滑膜,t骨液裂などの粘膜上皮組織に対し,選択的親和性を示すとの証

    明はされていない。また,これら菌株の発育鶏卵胎児に

    対する病原性は呉なるが,この事実は必ずしも鶏に対す

    68

    る病原性とは関連していなL¥93)。病原因子として鼠球凝

    集,血球吸着,細胞接着,線、毛運動阻止などが検討され

    ているが,これら因子によって鶏に対する MS爾株の病

    原性の違いを説明することはできないとされている。現

    在のところ MSの病原性には上部呼吸器粘膜への接

    着・増殖に加えて,その体内分布や病変発瑛には未知の

    病原因子の関与が示唆されている 113)。

    MS の免疫原性に関わる主な表在性蛋白は 45~50

    kDaの領域に存在し, MSPAとMSPBの2グループに

    大Bせされ,菌株によりその発現は多様である。いずれも

    血球吸着に関与するが, MSPAは赤血球凝集索とされ

    ている。これらの蛋白質は,いずれも vlhA遺伝子に

    コードされており,その発現産物が MSPAとMSPBに

    分かれるとされている 142)。野外鶏の気管と卵管由来株か

    ら検出された抗原蛋白 17種類のうち 14積は未知の因子

    で,糖分解酵素,蛋白質合成に関与する因子(シャペロ

    ン,伸長因子など)および恐らくノイラミニダーゼなど

    であり,一部のリポ蛋白質には MGの蛋白質との交差性

    がみられている。また,この成綴から MGおよび MSが

    ノイラミニダーゼ活性を有することが示唆されてい

    る12)。なお, NoormohammadP44)は,家禽マイコプラズ

    マ疲における病原体の抗原変奥の役割について解説して

    いる。

    気議病変出来 MS株は気嚢炎を, i骨膜出来株lま,滑膜

    炎を起こし易いとされている。また, MGと何様に ND,

    IB 生ワクチン接穏, IBウイルスとの複合感染あるいは

    低議環境などによりより,発疲が誘発され気裂病変など

    が重篤化する回)。しかし, トリニューモウイルスあるい

    はOrnithobacteriumrhinotrachealeとの複合感染によ

    る影響はみられていなL、93.198)。なお,卵管由来 MSとIBウイルスとの複合感染による SPFブロイラ一種鶏にお

    ける卵殻鋭端部異常卵 (EAA)の発現は,採卵鶏の

    EAA 発現率(l4~22%) に比べ低率であった50)。

    4.診断

    MGあるいは MS感染症では,不顕性感染鶏群が多

    く,また,病原体の分離培養は迅速性を欠くので,感染

    鶏群のスクリーニング法としては血清または全血平板凝

    集反応が使用されてきたが,最近は, ELISAやPCR法

    なども応用されている。一方,感染菌株の病原性,薬剤

    感受性などを検査し確認するためには, MG, MSの分

    離 .1可定が必須であり診断の基本とされている 107)。

    1) 分離培養法

    a. 検査試料の採取:MG, MSの分離培養には,鼻

    腔,娘寓下j向,気管および気嚢,さらに潟節(滑燦)炎

  • 第 48巻 2012 年

    を伴う症例では,関空li部位:などのj参出物を滅菌綿様で拭 d) マイコプラズ、マのおj定法.寒天培地上に発育したい取り(以下,スワブ)検査試料とする 207,166-168)oE主体か lVIG, lVISの簡易スクリーニング法として鶏赤取球吸着試

    らの分離培養には,気管や口議裂から採取したスワブを 験が応用できる。ただし, lVISについてはI血球吸着能の

    用いる 195)。またlVIGは,しばしば卵管l品)あるいは,クロ 弱L、ないし欠溶した遺言株もみられるので信頼性が低

    アカからも分離される間)0 lVISもEAA症例では卵管か いl印 -1団 )0 lVIG, lVIS野外分離株あるいはその他マイコプ

    ら分離される岨87) ラズマの同定には,発育阻止試験あるいは直接または関

    なお,急性期(一般に感染後 4~8 週間)には,上部気 接蛍光抗体法1Oi)寒天培地上のコロニー76)あるいは液体

    道におけるlVIG菌数が多い酬ので, lVIGの分離には, 10 培養菌液をメンプランフィルター上に滴下し抗原とした

    ~20 羽の気管あるいは口議裂からスワブを採取すれば 間接酵素抗体法177)などが応用されてきた。しかし,これ

    十分である。しかし感染後期には, 30~100 羽のスワブ らのマイコプラズマ同定法には,研究機関などで作製さ

    が必要である。コマーシャル採卵鶏や庭先錫育鶏の慢性 れた家兎ないし鳥類による各稜マイコプラズマに特異的

    感染例の気管や口議裂におけるlVIG菌数は非常に少な な高度免疫I鼠清が不可欠である 107)。

    いので,通常のスワブ採取材料の培養での分離は困難で 2) 遺伝子検査法

    あろう 107)。また,感染鶏群からのlVIG分離は抗菌剤の投 最近は, DNAあるいはリボゾーム RNA遺伝子プ

    与前に実施することが必要である 127)。欽水泌議等の民的 ローブを用いたlVIG,lVISの同定法が報告されている

    で界面汚性剤などを欽水に添加した場合, lVIGの分離が が,これら方法の多くは稜々の PCR法を応用しており,

    妨げられる場合がある 17)。なお,これらの注意事項は 比較的操作が簡単で,迅速性,感度および特異性がすぐ

    lVISの分離に際しでも適用される胤167)。 れている8.107)。遺伝子検出法は,分離培養に比べて簡

    b. 検資試料の取り扱い(検査機関への送付法): 使・迅速な方法とされており,より高感度で迅速,簡便

    a) 分離培養用の検査試料:検査鶏から採取された材 な PCR法が開発され, PCRキットも市販されてい

    料(スワブ,渉出物など)は陵接,マイコプラズ、マ分離 る55叩3)。

    用液体培地に移植し,直ちに 370Cで培養する。もし,検 a. PCR法:lVIGの PCR法43,121日9,155)およびlVIGの

    査試料を検査機関へ送付するために短時間の保存ないし 穣々な PCR法を比較した報告叫がある。lVISの PCR

    輸送が必姿な場合の波意事項としては,材料を移植した 法103.186) 穣々な鶏マイコプラズマの同時検出可能なマルチ

    液体培地をどCあるいは保冷箱に保存する (24時間以 プレックス PCR9. 55• 1田)や RFLP (restriction fragment

    内)。別法としては,採取した気管, i参出物あるいは組織 !ength po!ymorphism:制限酵素切断フラグメント長多

    片などをドライアイスJ二で凍結し, ドライアイス保冷翰 型)解析56)も確立されているo lVIG, lVIS,M. imitans,およ

    送容恭に入れて検査機関に送付する 107)。 びM.ioω仰のそれぞれに特異的な PCRも報告されてい

    b) 遺伝子検査用試料:菌株の分離場養が不主主な場合 るllI)。さらにlVIGのmgc2遺伝子あるいは vlhA遺伝子

    には, PCRあるいは他の遺伝子検賓のために野外試料の を用いた PCRがlVIGおよびlVISの検出法として普及し

    lVIG 浮遊液を FTA必カード (Whatman,Newton, lVIA) ている仏74)。これらの遺伝子はlVIGあるいはlVISの問定

    [総素材の繊維膜(滅紙)にしみ込ませてあるキレート剤 にも有用である56,66)

    が,吸着した微生物などを融解不活化し,その DNAを lVIG感染鶏若手の環境サンプル 160中 103サンプルは

    安定に保存しうる。 l枚のカードには 4倒の腹径 2.5cm lVIG 特異 PC設によって陽性であったが,培養での陽性

    のサンプル滴下領域がある]を用いて保存する。カード は6サンプルに過ぎず, PCRは生菌を必主主とせず,培養

    に滴下されたlVIG

    臼悶の{保泉存後にも一十ト分な検ま森祭成綴がf得尋られたとされてい イラ一主怒島群における?肘lVIG診断法, PCR法あるいは市目販反

    る;印3剖1)込。 キツトと分離士培音養法の比絞でで‘は,lV侶の検出率は PCR

    c) lVIG, lVISの分離培養法:マイコプラズマ分離用の 法 37.5%,培養法 40.0%で,ほぼ向等であったが, lVIG

    Freyの液体培地としては,市販の flVIycop!asmabroth については PCRr:去の検出率 81.5%が培養法 53.9%より

    base (BBL)Jなどを使用するのが便利であるが,

    69 -

  • 鶏病研究会報

    トを使用している検査機関の間でも DNA拙出法は,か 関する勧告 (2008)148)に準じて検査系に内部対照を合

    なり異なっていた。大部分の検査機関は, 100コピー以 め, プライマーとして, lvlG はmgc2遺伝子, lvlSは,

    下の lvlSを検出し得たが, lvlGの検出レベルは,やや高 vlhA遺伝子を使用している。この方法は特異性,感度,

    めであった。また,同じ市販キットを使用した検査機関 再現性に優れ,コマーシャル鶏や七回烏のみならずM

    での検査結泉が異なる場合もあった。今後,キット類が imUαns'こ感染するガチョウやアヒルなどの検査にも応

    普及する傾向にあり,検査機測における,このような比 用できるとされている。

    較試験はマイコプラズ、マにおける PCR検査の標準化の c. 肉強マイコプラズ‘マ菌株の判別 :lvlGおよび lvlS

    上からも望ましいとされている。 生ワクチン接種鶏に対する攻懇試験に使用される攻撃株

    b. 1)アルタイム PCR(rPCR)法 :PCR法では, 24 あるいは,これら生ワクチン導入地域における野外分繰

    時間以内に結果が得られるが, rPCR法は,次の点でさ 株などをワクチン株と判別するために遺伝子型別による

    らに優れている。①僚か 40分の短時間で結泉が読める。 わj定が必要とされている38)。

    ②DNA増幅後の過程は不要なので, 検査時間, 経費お a) lvlG的事長の*IJ別法.従来, PCRi1長物の RFLp75,90,115)

    よび危険な廃楽物などが低減される。③より感度が高 が, lvlG菌株の判別に応服されているが,これらの方法

    く,ある rPCR法では 5μ1のサンプルあたり 10コピー は再現伎が低く,労カと時間を要し,しばしば,判別の

    のDNAを検出できる。③疑わしい検査結采は,融解出 困難な場合があるなど,比較的高価な診断法とされてい

    線分析を使用して確認出来る制。 る。また, lvlGの複合表在性蛋白遺伝子に基づく判別方

    lvlGあるいは lvlSの日CR法は, lvlGのみの同定 法が報告されている52)が,この方法は,増編された遺伝

    および lvlGとlvlSの同時間定法80)などが報告 予のヌクレオチド配列解析が必主主とされる。 Evans と

    されている。さらにお1G,lvlS, M. meleagridis (lvllvl) L巴igh'O) は,~ワクチン株 (ts-ll , 6/85) および攻墜株

    およびM.ioωae (lvlI)など4殺のマイコプラズマを同 (R1ow, S 6)をPCRあるいは rPCRで特別しているO

    時に検出できる Real-TimeTaqmanH PCR法も開発さ Ravivら附は, rPCRで5積類の市販ないし試作生ワク

    れている15i)。 チン株の判加を可能とし,この方法では,問時にワクチ

    また, Real-Time TaqmanlV PCR法と他の診断法と ン株と攻撃株の 2株についての検査が可能である。ー

    の比絞および lvlG!lff外感染鶏群検資への応用20)なども 方,最近, PCRとHRlvl(high-r巴solutionmelting)曲

    報告されている。 Kahyaら部)は, rPCR,培養法および血 線解析法により,多数の検査試料について迅速,安価に

    清反応による穏鶏群の lvlG摘発率を比絞している。陽性 ヌクレオチド配列の差兵を後接解析する方法が報告され

    率は,平板凝集反応48.4%, HI反応 32.3%,培養法 ている81)。さらに Ghorashiら63)は, lvlG遺伝子のうち

    16.1%および日CR29.3%であったが,自治反応陽性鶏 変異頻度の高い VlhA 領域の PCR 産物(l45~352bp)

    における地養法と日CRによる検出成績の一致率は,そ をHRlvl曲線で解析することで,一本の密閉試験管内の

    れぞれ 91.9%,91.4%と類似しており,血清反応の結采 反応系で lvlGl!EI;事長の*U別が可能な方法を報告している。

    を確認する方法として,これら検査法のいずれかによる b) lvlS菌株の判別法・最近, lvlSの全遺伝子が解説

    ことを薦めている。 Jarquinら掛のリアルタイム SYBR され問l, vlhA逃伝子1,12)のsingle-copy領域の坂恭配71Jgreen PCR法は, lvlG, lvlSのi司i待検出が可能で,従来の 解析が, lvlS 歯車~の*UJJIJや疫学:調査に応用されている74)O

    PCRに比べて迅速伎に俊れ,また,培養法やjfILi育学的な しかし, Jefferyら80は,この方法は迅速性に欠け,日常

    検蕊方法(王子桜凝集反応, ELISA)に比べて特異性,感 的な診断法としては比較的高価であるとしている。

    皮が俊れ,立つ安価であるとされている。この方法では Jefferyら81)は,可変生リポ塗白と赤血球凝集素 A逃伝

    検査試料あたり僅か 30コピーの DNAが検出可能であ 子 (vlhA)の5'端末を含む single司copyと相補的なオリ

    る。しかし, Springinら1i3)は, Jarquinら80)の検出標識 ゴヌクレオチド (Oligonucleotid

    - 70-

  • 終全rrで豪州株は A,B,C,D,米国株は E,F,G,H,I,Jに相当する解析像、を示した。以上の成績から vlhA遺伝子・の

    SSCPあるいは HRM曲線による解析は, MSl1ill;株の高

    感度な同定法として優れており,特に HRM曲線解析法

    は,一本の試験管内で 2[時間以内に実施できる迅速法と

    して有用であるとしている。

    Hongらi.l)と Hammondら66) もvlhA遺伝子をプラ

    イマーとした検査法を報告したが, I時に遺伝子製加の不

    能な分離株が認められ,検主主した MS21彰台中3f,j(が裂別

    不能としている附o Werzelら186)は, これらの検査方法

    を検討し, MS vlhA PCRプライマーの塩基配列の一部

    およびアニーリング温度のき芝受などを行ない, Hong

    ら74)の方法を改良することにより最も感度と特異性に

    優れた検査法が得られたとしている。

    なお,日本における MS 野外分自f~tlミと MS 生ワクチン

    の温度感受性 MS-H株の遺伝子製別法として, Harada

    ら田)は, PFGEとvlhA遺伝子の塩基配列解析を試みて

    いるoPFGEの術式は, DNAの切断務素として BlnIお

    よびβam出を使用することにより,vlhA遺伝子Aの潟主主

    配列の解析結巣と向;様に MS-H株は全ての野外分離株

    とl努らかに!/'U5Jせされたとしている O

    3) 血清学的検査法

    lfilt古学的検資は, MG,MSの|坊徐対策における鶏群の

    モニタリングおよび感染が疑われた場合の診断に有用で、

    ある。鶏群の経歴や典型的な MG感染症の臨床所見と併

    せて保清学的検交で険性の場合には,病原体の分離間金

    に先立って予見的な診断が可能である 107)。しかし,感染

    初期の鶏群に抗菌剤を投与すると抗体応答が抑制されlUl

    治学的診断の妨げられる場合がある 169,175)。また, 66:il!!l

    j拾の採卵鶏に MGあるいは h犯を接穏して感染初期 35

    日間にわたる観察で,l(IU青王子板凝集反応 (serumplate

    agglutination test : SPA)および ELISAのみとするに

    よる抗体検査では,いずれも非特異反応が認められ,

    ELISAキットによりその発現頻度も奥なるとされてい

    る14)。なお,米国での事例では, MGフリーとされていた

    鶏鮮で, 28~36 週齢頃に SPA で低率な陽性反応がみら

    れ, 赤血球凝集抑制 (Hemagglutination inhibition:

    HI) 反応での抗体価も低く,数ヵJ3に主主る観察でも SPA

    の陽性率は 20~40%程度であった。これら鶏1砕から分離

    された MGは病原'1'1が{尽く, HI反応, SPAあるいはイム

    ノブロットなどによる検査成績から抗原性の異なるいわ

    ゆる変異株であるとされ,このような MG株に感染した

    鶏群では, と記のような変則的な抗体応答を示すと容れ

    ている 107)。

    a. 司王板凝集反応 :MGおよび MSのlfJli古学的検王立法

    第 48巻 2012 年

    として,一般的に普及しているのは,迅速,高感度で比較

    的安倒iな SPAまたは会血平板凝集反応 (Whole blood

    plate agglutination test : WBP A)であり,わがblilでも

    IvIGおよび MSの王子板凝集反応用抗原が市販されてい

    るO しかしながら平板凝集反応では, しばしば非特異反

    応がみられることがあり,荻野ら 14i)は, NDオイルア

    ジュバントワクチン (NDOEV)接種鶏 735例と NDワ

    クチン (NDVac)接種鶏 1,653{7"tlの血清について MGお

    よび MSの SPAにおける非特異反応の出現率を調べ

    た。 NDOEV接種鶏ではIvIG2.9%およびIvIS6.8%,

    NDVac接種鶏では MG1.3%, MS 0.5%で, NDOEV接

    種鶏における非特異反応は, ND-HI {本{面の高い若手に出攻

    守三の高い傾向がみられた。なお,従来から非特異反応の

    原因や除去方法などが検討されている 169)。

    b. HI反応 :HI反応は, HI抗体価の測定あるいは平

    板凝集反応結采の確認などに応用されているが,市奴の

    検査用抗原は無いので,その応用は,抗原の作成が可能

    な検査機関や研究機関に限定される 167附。 HI反応の術

    式によって判定蒸準が異なり,米国では 1: 80以上を陽

    性としているが,わが関では,正常1血球凝集索(寒冷凝

    集素)を吸収除去する方法で,lUl消希釈{者数 1: 10以上

    を磁性としている 166,169)0 MGおよび MS感染鶏におい

    ては,感染初期には凝集抗体(IgIvI抗体)が検出され,

    約 2,3週後に IgGに活性の高い HI抗体が検出され

    る削船団9)。なお, HI反応については,抗原に使用する菌

    株によって HI倒iが異なること知られているが,その原

    因は,病原因子の項で述べたようにマイコプラズマの細

    胞表面に発現しているリポ蛍白質である赤阪球凝集素の

    抗原性の変異によることが指摘されている師側。

    c. ELISA: ELISAは,検査効率を高め, SPAある

    いは出反応よりも感度や特異'1'1に後れた検査法として

    開発された正107)。欧米では,市販の ELISAキットが鶏群

    のそニタリングあるいはlIlli古学的診断に応用されている

    が,わが悶では市級されていない。一般に ELISAは

    SPAに比べて特異性は後れているが,感度はやや低L、。

    一方,日i反応に比べると感度は俊れているが,特異ど性は

    やや劣るとされており 5,-12,的将兵性の高い抗原の選択な

    ど改良が進められている九 ELISAは, 気管洗浄液9,6)あるいは卵黄中89,悶)の抗体検出にも応用されており,鶏

    群のモニタリンクーには取消の代わりに卵黄を使用するこ

    とも可能とされている89,129)0 Dot-immunobinding

    assayによるIvIG抗体の検出についても報告されてい

    るt2S.lii)c

    大腸菌により発現された組換え抗原としてIvIGの

    ρMGA 1, 2 (vlhA遺伝子若手に含まれる)にコードされる

  • 鶏病研究会報

    赤血球凝集素特異蛋白,民じく MS2/28,MM14総換え

    抗原を用いた ELISA(recELISA)は,それぞれのマイ

    コプラズマに対する抗体を特呉的に迅速に検出する野外

    スクリーニング検査法として応用できる 10)。また, MG

    の特異蛋白抗原 PvpAの組換え抗原 (rPvpA336) を用

    いた ELISAが鶏の MG感染liEのスクリーニング検査に

    有用とされている 19)。

    5. 酷除対東

    MG, MS感染症の防除対策は,理論的には,非常に単

    純明快である。これらマイコプラズマは,介卵感染に

    よって次世代のひなに伝播されるので, まず, MG,MS

    フリーの更新鶏群を作出し,それらの鶏群を悶じ日齢の

    鶏群のみを飼育する農場に導入する。この農場ではオー

    ルイン・オールアウト方式による鶏若干管理,バイオセ

    キュリティの徹底,および一貫したモニターリングプロ

    グラムを実施する。この方法は,米t認を初め諸外l議で,

    おおむね成功を収めてきたが,これらマイコプラズマ感

    染疲の完会な防徐逮成には道速しの現況である92)。近

    年,採卵養鶏場,種鶏場,肉ffl鶏農場などで伺ー農場内

    に日i拾の異なる鶏若手を飼育aする経営形態がiil界的lこ普及

    し,銅養羽数も増加し,ときには複数の会社が異なるタ

    イプ(種鶏, フーロイラー鶏,採卵鶏など)の家禽を互い

    に近接した農場あるいは庭先養鶏群の近くで飼育してい

    る。このような家禽産業の絞営実態に起因するリスク要

    因とバイオセキュリティの後退が, MG,MSフリー鶏群

    の維持を困難あるいは不可能にしている。その対策とし

    て舷窓率,死亡率あるいは食鳥処理に燃しての減耗,

    産卵低下あるいは介卵感染などの低減のため抗菌剤投与

    あるいはワクチン接種が行われている l肝)。しかし,最

    近,米国における大規模コマーシャル採卵農場 (25万羽

    x 16棟)で,農場の立地条件,鶏舎配設ならひ。にバイオ

    セキュリティを徹底した燦場管理により建設後, 15年間

    にわたり MGフリーを維持しているとの報告65)は,条

    件を整えれば MGの浸潟防止が可能であることを示唆

    している。

    1) 抗菌剤の投与

    マイコプラズマは,締』包壁を欠くので, βーラクタム系

    の抗菌剤u(ペニシリン,セファロスポリンなと)に対し

    ては抵抗性であるが,マクロライド系,テトラサイクリ

    ン系およびフルオロキノロンなどの薬剤に高い感受性を

    示す。試験管内における MG,MSの薬剤感受性試験方法

    については, Hannan67)あるいは,わが国では動物用抗

    菌剤研究会の策定した試験方法を江口32)が紹介してい

    る。最近の MGおよび MSの薬剤感受性については

    Ghalehら621, MSについては Lndmanら102)がエンロフ

    ロキサシンなどニューキノロン系薬剤に低感受性株がみ

    られるとしている。また, Gerchmanら61)は,イスラエ

    ルの家禽における MGおよび MSのフルオロキノロン

    耐性株の浸j閣を報告している。なお, MGのキノロン耐

    性には, GryA, GryBおよび ParC蛋白質におけるアミ

    ノ毅賓換が関与aすること即日また, MGの23SrRNA

    遺伝子の変異によりチアムリンとパルネムリン感受性が

    低下することなどが報告されている 110)。

    抗菌剤の投与は, MG感染鶏における介卵感染の毅

    減,産卵成綴の向上,ブロイラーあるいは七面鳥におけ

    る呼吸器病予防などが目的とされている。現夜,米国で

    はタイロシンとテトラサイクリンが最も一般的に使用さ

    れている。しかし,エンロブロキサシンやチルミコシン

    のようにマイコプラズマに極めて効果的な薬剤の家禽へ

    の使用は認可されていない同九感染種鶏群への典型的な

    投薬プログラムは錦料への連続混与あるいは毎月 5-7

    日間の投与である。これら薬剤の投与によって呼吸器に

    おける MG菌数は低下することから,同居鶏への伝播の

    危険性は低下する。自然感染鶏若手へのエンロフロキサシ

    ン投与は上部気道における MG菌数の低下には有効で

    あるが, MSに対しては効采が低いとされている 175)。

    以上のように抗菌剤投与は,マイコプラズマ症におけ

    る呼吸器症状や介卵感染の軽減には効果的な方法ではあ

    るが,完全に鶏若手から MG,MSを除去することはできな

    L 、。また,抗菌剤の長期にわたる応用は薬剤IJit悦:留の発

    現を招くので,マイコプラス、マ対策を抗菌剤投与に頼る

    べきではないとされているlmo

    2) ワクチン接穣

    マイコプラズマ・フリー鶏群の維持管理ができない場

    合,特に異自給鶏群を飼養するコマーシャル採卵養鶏場

    での対策として,ワクチン接種は有用な選択肢とされて

    いる92)。しかし, MGおよび MSの生あるいは不活化ワ

    クチンのいずれにおいても鶏群への野'外株の侵襲をi坊止

    することは困難とされている92.187)。

    a. 免疫機序 :MG感染から回復した家禽は,ある程

    度の免疫性を獲得するが,このような回復家禽は,なお

    病原マイコプラズマを保菌しており,健康鶏への同居感

    染や介卵感染原となることが知られている。 MG感染に

    対する抵抗性あるいは抗体応答に関連してファブリキウ

    ス護の重要性が証明されているが,鼠中抗体価と感染防

    御能との相関性は低いことも指摘されている 107,141)。

    呼吸器における MG菌数および気管病変スコアが共

    に低下した感染鶏の気管洗浄液中には MGに立すする抗

    体上昇がみられている 19九このことは MGの感染防御

    - 72-

  • には呼吸器粘膜分泌液中の抗体が重要なことを示してお

    り. MG感染鶏の呼吸務粘膜分泌抗体は,気管上皮細胞

    への MG接着を抑制する6)。この事実は,免疫防御能に

    おける重姿なポイントのーっとされている。発育鶏卵の

    胎児における移行抗体は,卵内感染を低下させ感染胎児

    が生残する確率を高めるであろう ll)。また. MS移行抗

    体保有ひなは. MS感染ひなからの同居感染を免れるこ

    とが報告されている問。

    マイコプラズマは.Bおよびつfリンパ味の抑制ないし

    活性化により細胞性免疫系に影響を与え,サイトカイン

    を誘導する5.1.58.1日)0 MG 感染ひなの末梢血白血球に抗原

    刺激を与えた invitro実験においてリンパ球浸潤, イン

    ターブエロン,蜜素酸化物 (nitoricoxides)等の発現が

    証明されている四)。また.MGワクチン接種鶏の気管粘

    狼における細胞性免疫応答の活性化が観察されてい

    る日)。

    MG の免疫調節表在性~自の発現は主主頻度に変化し,

    スイッチングすることが明らかにされている。また,こ

    のような免疫修飾は. MGが宿主の免疫防御機構を免

    れ,自然感染の経過中における宿主環境の変化に適応

    し,強力な免疫応答の存在にも関わらず慢性感染の持続

    を可能にするとされている 107)。また. MGが主主核細胞

    (eukaryotic cell)に侵入すること(細胞侵入性)は,宿

    主の I~右衛jから逃れ. MGが全身に拡散し,生残し,感染

    を持続することを可絡にするとされている町 132)。

    b. 不活化ワクチン :MG不活化ワクチンの開発は,

    1970年末頃から試みられ,アルミゲルアジュバントある

    いは油性アジュパントワクチンが,コマーシャル採卵鶏

    若手の MG感染による産卵低下の:筏滅あるいは若鶏の阪

    高下潟内への病原性 MG株の攻撃に対し妨御効果を示

    すことが認められた叩7)。

    不活化ワクチンの効果としては,呼吸器症状や気幾炎

    などの病変発現あるいは漆卵低下および介卵感染などの

    軽減などが報告されている92)が,一般に異日鈴鶏群飼玲ー

    採卵養鶏場での長期にgる感染i坊除効巣は期待されてい

    ない。感染紡舘i試験では攻撃 MG野外株の定着増殖は抑

    制されたが,排除はされていない107.191)0 MGの水平感染

    に対する不活化ワクチンの効果としては,ある程度の排

    菌抑制はみられるが,採卵鶏間における水平感染は抑制

    されない附o MGの介卵感染に及ぼす影響としては, ワ

    クチンを 1ないし 2間接種された種鶏群では,保菌卵lii

    出時期の遅れ,頻度の低減などがみられるが, MG感染

    2週後の不活化ワクチン接種では, 効果がみられていな

    。)

    7

    8

    1 、L 1990年,岐阜県のー採卵養鶏場の成鶏訴に MG感染

    第 48巻 2012 年

    が発生し,呼吸器疲状と室長卵低下がみられたので,生産

    性の改善を閥的として MG不活化ワクチンが接種され

    た。 60および 90日鈴の 2姐ワクチンを接種した群

    (4,0003tJ)と向数のワクチン非接種鶏の群を置き. 540

    8齢まで産卵成綴を比絞した結果,ワクチン接種群の産

    卵率は対照群に比べて 6.8%高く,良好な経済効果が待

    られている 1出)。

    不活化ワクチンは,生ワクチンに比べて安全性の街で優

    れているが,適切な効果を得るには lドーズ以上の接種が

    必要であり, 1岡本7J1Jに接種するのでコストがかかる点で不

    利である。不活化ワクチンの効果を高めるためにリボゾー

    ム.1カラギーナン (iota-carrageenan)など穏々のア

    ジュパントと接種法が検討されている羽.107)。わが国で‘も単

    l床ならびに混合多価 MG不活化治性ワクチンが市販され

    ている71.7九また MGの表在性蛋白を用いたサフ守ユニット

    ワクチンの開発が研究されている29,125,164,176,19"0。

    なお,一般に MG不活化idJ性ワクチンの接種は, 90日

    齢頃に行われているが,米閣で1O~14 日齢の早期に頚

    背部に接穏されたひなの 40%に接種 2,3日後から頭部

    の虫蜂禁2禽革織炎が発生しι,数週間後まで抗炎症弗剤jによる治療が行われた事例が幸報R告されている2初7わ)

    また,米国では, MSのが1性不活化ワクチンが市販さ

    れているが,そのワクチンの防御効巣などに関する適切

    な研究報告はみあたらなl)93)。

    C. 生ワクチン:

    a) F株:米国で生ワクチン株として使用されている

    弱主義 MGのF株は,七回烏に対しては,病原伎を示

    す印8)0 F株生ワクチンは,多くの採卵養鶏場で藤卵低下

    の抑制に使用されているが,わが国では市販されていな

    いo F 株生ワクチンは強毒株による攻撃に対して,その

    定着増殖を阻止できない105)0F株は接種鶏若手のj二部気道

    に生涯にわたり保持され,同居感染を起こし,介卵感染

    する36.107)0 F株は, MG感染常夜農場における産卵鶏苦手

    の産卵成績を向上させるが,その効果は, MGフリー鶏

    若手のそれには及ばない問。異日齢鶏群自湾首採卵養鶏場へ

    更新用に導入される幸子鶏への y株主主ワクチン接種を 2

    年間継続した結果,鶏若手から野外株を排除することに成

    功している108)0 F株生ワクチンは,点、娘,経鼻,散霧法

    などで接種される。通常, 8~14 週齢で接種するが, 8週

    齢以前に野外株の侵裂の恐れがある;場合は, 1~2 適齢以

    内にも接穣できる川)。なお, F株の伝播性を接種法とワ

    クチンドーズによって調べた結果,同居鶏への伝播が認

    められたのはワクチン lドーズ (4X106CCU)を点限接

    穣された鶏群のみであった41)。

    b) 6/85株:この MG株生ワクチンは,米国で開発

    - 73ー

  • 鶏病研究会報

    され16,35己最初, コマーシャル採卵鶏農場での産卵低下

    iりfill:に使用された。わが国でも 2001年に輸入市販が認

    可された。このワクチンは,凍結乾燥製品で, 6 JHj!齢以上

    の務に lドーズを接種する。十分な効果を期待するには

    噴霧接穂が必要であるiJ)。

    MG6/85株は鶏や七回烏に対して病原性が低く,家禽

    閥の伝揺はみられないが,ワクチン接穂鶏は強議株の攻

    傘には抵抗性を示す出,10仏196)0 6/85生ワクチンをl噴霧接

    種された鶏の上部気道から 4~8 週間にわたり接種ワク

    チン株が検出されるが,ほとんど抗体応答はみられな

    い州制。わが国でもこのワクチンを噴霧接種された採卵

    鶏群で, Iまぼ上述と何様な成績が得られており,ワクチ

    ン接種鶏苦手のj二部気道からワクチン株が消失すると間も

    なく野外株が定着増鏑して血中抗体制liが上昇するが,産

    卵の低下は防止されている UO)0 6/85株接穏潟における

    MG感染鶏との同居感染の結果, ワクチン非接積鶏に比

    べてその頻度は低いものの同法感染の起こることが認め

    られている則。

    また, 10適齢の 2群の採卵鶏に,それぞれ, 6/85株を

    lドーズとその阿倍のドースを唆議接種し, 22または

    45遜齢で, MG強議株 (Rlow) を接穣して産卵成績に及

    ぼす影響を調べた。 45:i副総攻繁群のうち 1ドーズワクチ

    ン接種群の該卵率(71.88%)は,非攻撃群のそれ

    (79.15%)に比べて著しく低下した。しかし, 15倍ドー

    ズ接稜群における産卵率 (81.03%)は,非攻撃群

    (84.09%)に比べて,それほど低下せず,防衛l効泉の増強

    が示唆された39)。なお,本生ワクチンの安全性に関係す

    る事例として,呼吸器症状と病変を示した七面鳥から 6/

    85株類似の MGが分離された間が, この分縫株の鶏に

    対する病原性は低いことが認められている94)。

    c) ts脳 11株:この生ワクチンは豪外lで分離された野外

    MG (80083株)を原株とし,変異誘導剤 (N-methyl-N-

    nitro-N-nitrosoguanidine : NTG)処理により得られた

    混度感受性変異株 (330Cで発育するが 39.50Cではほとん

    ど発育しなL、)を選択して作出された187)。本ワクチンは,

    わが殴でも輸入され 2000年以降,市販されている。 ts-11

    生ワクチンは,鶏やヒ面鳥にほとんど病原性を示さず,家

    禽聞での伝播カは弱く,抗体応答も退く,血中抗体価も低

    レベルであるが,野外株の攻撃には防御効泉のあることが

    実験および野外試験で認められているi.!3,59,問。I,ll,1871 0 t5-11

    生ワクチンを接穂された鶏群では,少なくとも 40週間

    にわたり呼吸器症状の発現に対する防御効果が持続す

    る。また, t5-11株を接穣された穏鶏群における t5-11株

    の介卵感染は認められていない問。

    なお,玉f錦鶏舎で飼育されているフボロイラー穏鶏群に

    t5司 11生ワクチンを接稜した場合には採卵鶏群の成績2的)

    とは異なる抗体応答がみられている。 t5-11株は,同居鶏

    へ速やかに伝矯し,同局感染鶏の抗体主主主主パターンはワ

    クチン接穏群と同様であった26)。米国では, この生ワク

    チンは最初,コマーシャル採卵鶏における藤卵低下抑制

    に使用された。この生ワクチンは,凍結(-400C)製剤

    であり,使用時に融解したワクチン波の 1ドーズ 0067

    CCU以上)を 6適齢以上の鶏に点11良接穏するが,接穂は

    少なくとも野外株の佼裂を受ける 3週間以前に実施する

    とされている 18i)。しかし, 1~4 週齢のひなに t5-11 生ワ

    クチンを接殺しでも安全で効果的であると報告されてい

    る59)。なお, 野外 MG;存在の介卵感染に対する t5-11株の

    影響については,本生ワクチン接稜鶏に対する MG病原

    株の腹部気畿内攻懲では,介卵感染は低下したが,阪止

    はされなかった18i)。

    一方, t5-11株についても性状あるいは病原牲の変化

    に泌する事例が報告されている。豪州、iで本ワクチンを接

    種された野外鶏から 3および 52週齢後に湯度感受性

    (t5)マーカーの脱落した 2株が分離された。これらのI盗

    事長の DNA切断パターンば ts-11株と同様であったが,

    52ilMi拾に分離された t5-変異株の鶏に対する病原伎は

    ts-11株とその親株の中間程度に復帰していることが認

    められている 187,188)。また,米悶のジョージア州北部で本

    ワクチン株を接稜されたブロイラ一種鶏から生産された

    数'h'1ーのコマーシャルブロイラーに 2008 年 7 月 ~10 月に

    .eIり死亡率の増加と呼吸器病の発生が認められた。これ

    らの症例から分繰された MG株は,遺伝子解析では ts勾

    11株に一致しているが,本ワクチン株のマーカーである

    協皮感受性は失われ,鶏への接種試験で抗体産生能,気

    嚢炎の発現など鶏に対する病原性は,このワクチン株の

    親株と同様に強毒化していた。以上の結泉から,極:鶏に

    接稜された t5-11株の病原性が復帰し,介卵感染により

    コマーシャルブロイラーへ主張直伝議したと推察されてい

    る剖)。これら報告は, t5-11株のいわゆる“先祖帰り"の

    可能性を示唆しており,本ワクチンの穏鶏への応用は再

    考を要すると恩われる。

    d) その他の MG生ワクチン

    GT5株:米国では,高度継代弱議株としてま日られる

    Rhigh株に MGの主な接着盛子とされる GapAをコード

    する遺伝子を挿入した GT5株が生ワクチン株として作

    成されている 153)。また,代謝因子をコードする遺伝子を

    欠損させた MG7株は安全性,有効性の評価から生ワク

    チン株候補とされている5i)。

    MgG210株ーわが慰で開発された MG生ワクチンと

    して野外分離株 (KP-13) を低温継代して弱毒化された

    - 74ー

  • 第 48巻 2012 年

    MgG210生ワクチン株による製品が 2005年から市販さ 解し,混合した後, 6週齢以上の鶏に 1羽分 1滴 (0.03

    れている。この生ワクチン株は 1X 106 CFU/羽以上の点 ml)を点JI設接種,または 200mlの飲用水に法解,混合し

    限あるいは噴霧接種で, MG感染による産卵低下を紡止 て,鶏の上方1O~15cm の距離から 1 羽当たり 0.2ml を

    するとされている78)。 l噴霧投与〔粒子径 20μm以下〕する7l)。

    K5831B-19株:米思で分離された弱毒 MGのK5831 g) 組換えワクチン:

    B-19株で製造された生ワクチンで,わが闘では 20日年 4 MG ・鶏痘ワクチン;米国では, MGの防御抗原蛋白

    月に市販が認可された71)。本ワクチンの噴霧接穣で有効 の遺伝子を組み込んだ組換え鶏痘ワクチンが市販され,

    な 1ドーズ菌室は 6.22X 106 CCU/mlとされている。本 このワクチンの安全性について報告されている 197)。この

    ワクチン株は隠居鶏には徐々に伝播するが,間接的には ワクチンの利点、として,従米の MG生ワクチンのように

    伝矯しなL、。ワクチン接種鶏の気管からは 5ヵ月後にも ワクチン接穏による MG抗体のE主役が無いので,鶏群の

    ワクチン株が回収され, MG攻撃試験においても良好な 野外株感染のモニタリングに血清反応が使用できるとさ

    産卵E容を持続したとされている。本ワクチンは,i容解照 れている92)。また, IBウイルス Sl糖蛋白および鶏イン液で溶解し, 4適齢以上の鶏に 1羽分 (0.03ml)を点限 ターロイキン4を遺伝子組換え発現させた GapA(十)

    接種,またはその 10~20 傍希釈液を噴霧接種(粒子筏約 の MGts-11株の免疫効果が検討されている川)。

    50μm)する却)0 MGts-llC3株:MG ts-11彰台に遺伝子組換えにより導

    e) MS-H株:最近,豪州、iで開発された温度感受性生ワ 入された鶏 IFN-rを発現する MGts-11 C3株における

    クチン株, MS…H株は野外分離株 (86079/7NS)から変奥 免疫原性が検討されている。このワクチン接穏2週間後

    誘導剤処理により選択され130)。その安全性や効果は実験 の鶏における抗体応答や IFN-rの発現はみられなかっ

    的117.118)あるいは野外試験119)により確認されている。本ワ たが,粋織の組織培養における IFN-r発現と気管粘膜と

    クチンは米国では未言及認である93)が, わが留でもは 2005年 皮における偽好酸球の浸if'ilが顕著に増強された。この結

    にmQ反が認可された71)。本生ワクチンは, MS-H 株主;陪ぎをの 架から, ts-11 C3株は,液性免疫よりも細胞性免疫の誘濃縮菌液を一70

    0

    C以下に凍結した製品で, 3週鈴以上の鶏 導に優れており,また, ts-11生ワクチン株は,他の鶏呼

    に点l浪接種する 187)0 MS-H株生ワクチンの効果を得るた 吸務病病原体に対する防御抗原のベクターとしても応泊

    めにはワクチンドーズとして 4.8XW CCU/mlの接種が できるであろうとされている問)。

    必要である制とされており,本生ワクチン接穣による免疫 Bt 霞株 (BCCG,CG) :遺伝子組換えにより MGのlfll

    効巣は 3~4 週後に認められる悶)0 MS 感染によるとされ 球凝集索蛋白 (pMGA)をβacillusthuringiensis (間)菌

    ている鶏卵の EAA発現抑制に対する MS…日株生ワクチ {本表!習に発現させた 2穏類の組換え Bt菌株 (BCCG,CG)

    ンの有効性が報告されている 19)。本ワクチン株は,接殺群 の成長体は, MG抗体に対して特呉反応を示した。また,

    からワクチン非接種若手へ伝播することが認められてい これら組換え菌株の~,胞を経日投与された鶏では,

    る口9)なお,本ワクチン株は 330Cで発育するが 39.50Cでは PMGA1.2Pに対する抗体応答がみられ, SPRにおいて

    発育しないので,気裂には定着増殖しないとされてい も陽性反応を呈した。この結果から間表層への抗原発

    る117)が,本ワクチンを接種されたブロイラ一種鶏群の11手 現システムにより,家禽感染症に対する耐熱性の経口ワ

    吸器から 555m後に回収された MS-H株 (50株)中lこ温度 クチンを開発する可能性が示唆されたとしている 112)。

    感受性 (ts")マーカーを失った変奥株 (tc)(9株)の存 h)生ワクチンの応用.生ワクチンの使用に当たって

    在が明らかにされ119) これらお一変異株株についてお?ワ は,ワクチン接種鶏群と非接種鶏群を稲離して,ワクチ

    クチン株,その親株とを鶏に噴霧接種して病原性を比較し ン株の伝播防止に配慮することが必主主とされている92)。

    た給系,親t'Aiと 2株の ts…株のみが,気裂から回収された また,生ワクチン株の使用に当たっては, MG,MSに有

    が,気繋炎は認められていない。ただし, ts一株3株では 効なマクロライド系,テトラサイクリン,ニューキノロ

    MS-Hワクチ

    -75 -

  • 鶏病研究会報

    換効泉が俊れているので, MG野外株の常夜するコマー は,種鶏群の清浄化にあり,欧米を初めわが国で‘も MG.

    シャル採卵鶏農場ーから野外株を排除する目的に適してい MSフリーな種鶏群を作出維持し,清浄なコマーシャルひ

    る。このような応用例として,まず鶏群に常在する野外 なの生室長供給に努めている。しかし,いずれの協でも,近

    株を F事長に霞換し,さらに F株を ts-ll株に置換し,最 年の奥日続鶏群飼養コマーシャル採卵養鶏場の多くに

    終的には,ワクチン接稜を中止して農場の MGフリーイヒ ル1G,MSの感染が認められる状況にある。

    に成功したと報告されている i79)。 MGの感染機序としては, MGの病原因子の一つであ

    MG生ワクチンの効果は,接種菌数と後接な関速があ り滑走運動にも関わりのある磁{本末端部構造物 (bleb

    るので,使用時におけるワクチンj容解用液の温度 (4,22 または先端構造物)での上皮細胞への接着,免疫回避と

    および 320C)と経過時間 (0,15,30および 60分)がマイ 宿主環境への適応のための表閥抗原を変奥させる能力,

    コプラズマ生菌数に及ぼす影響を調べた結巣, 6/85株の また,おそらく細胞に侵入する能力などが知られてい

    的数は,全ての、温度,時間条件で殆ど影響されなかった。 る。最近, MG,MSの全ゲノムが解析され,分子生物学

    しかし, ts-ll株の溺数は, 320Cで, F株の鴎数も 22お 的研究が進展している。特に MGについては抗原級成や

    よび 320Cでは 0および 15分で著名に低下したので,生 関連遺伝子鮮に関する多くの知見が報告されている。診

    ワクチンの溶解および接種時の低温保持は震妥であ 断の分野でも,従来の病原体の分寄生培養, lIIli青学的診断

    る18)。また, MG 凍結乾燥ワクチンの溶解に燐費支緩衝会 法に加えて,これら表在性蛋白を抗原とした ELISAあ

    混水 (PBS)を使用すると蒸留水で議解することによる るいはその遺伝子を標的とした PCR法が簡易,迅速な

    生菌数の減少を1/2ないし1/4経滅することができ 診断法として普及し,また,分離菌株の判別が可能な

    る山)。なお,生ワクチンを通常のワクチン接稼用i践霧器 rPCR法も開発されている。

    で!境議接緩した場合に,直接, 1I艮球表面に接種されるワ MG,MS感染症対策として,マクロライド系やテトラ

    クチン株の菌数は 3,000CFU以下に過ぎないので,唆霧 サイクリン系さらにはニューキノロン系の抗菌剤が投与

    接種の効果には生ワクチン株の眼球表面以外の体表へ付 されている。しかし,近年,鶏卵・鶏肉への薬剤残留あ

    着あるいは同局鶏との接触なども関係することが示唆さ るいは遊底分野での抗菌剤使用による薬剤耐性閣の発現

    れている制。 などへの対策として養鶏場における薬剤の応用は厳しく

    コマーシャル採卵鶏の生産性におよlます生ワクチン接 規制されている。そのためワクチン接種による生産性低

    穏プログラムを調べた結巣, 10週鈴に 6/85税とあるいは 下防止が対策の主流となっている。 MG,MSの生,不活

    ts-ll株を接殺し,さらに 22適齢または 45週隣に F株 化ワクチンのいずれでも野外株の感染妨御および介卵j惑

    を接種すると,生産性に悪影響を及ぼさず,長期に亘り 染の阻止は期待できないが,産卵鶏群での生渡性低下防

    防衛i効果を与えることが認められた。また,これら試験 止を目的に使用されている。最近は,不活イヒ治性ワクチ

    鶏の臓器所見には特に異常は無く上記ワクチン接被法は ンの接種コストや接種反応の面から,生ワクチンの使用

    妥当であるとされているl剖 181,183,184)。 が増加傾向にある。しかし,生ワクチンについては,最

    また, 10遡鈴と 16週齢の 2姐, MG不活化ワクチンを 近,米国で ts-ll株を接種された種鶏群におけるワクチ

    接種した鶏群および 10週{拾に MG生ワクチンを噴霧接 ン株の病原性復帰および介卵感染の事態が発生したこと

    殺した鶏鮮について,いずれも産卵ピークJtfJにMGR'株 は,種鶏群への生ワクチンの応用に対する震大な饗鐙で

    を噴霧攻撃し,産卵低下に及ぼす影響を調べた。ワクチン ある。さらに種鶏群へのワクチンの応用は,聖子外株の感

    非接種群で‘の産卵率は,攻撃後 7~14 日の間に約 50% も 染を皇室携するための血清学的な簡易診断法の応用を困難

    低下したが,ワクチン接種群の産卵低下本は有意に軽減 にするので,それに代わるモニタリング法として気管ス

    された。この実験モデルは, MGワクチンの産卵低下抑制 ワブ検体についての聖子外株と生ワクチン株の識別が可能

    効果の試験方法として有用であろうとされている3九 な遺伝子検資法の導入も必要であろう。

    まとめ

    鶏の MGおよび MS感染疲は, 介卵感染によって稔鶏

    群からコマーシャル鶏群へと広範に伝播される感染症で

    ある。これら感染症による産卵および飼料効来の低下,と

    {本の廃棄処分などによる経済的損失は黍大であり,わが

    ~lでは届出伝染病に指定されている。本症の対策の基本

    文 献

    1) Allen, J.L., Noormohammadi, A.H. and Browning, G.F. : The vlhA loci of Mycoplasma synoviae are confined to

    a restricted region of the genome‘Microbiol. 151, 935-

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    and Auxiliary Provisions. United States Department

    - 76ー

  • of Agriculture Animal and Plant Hea1th lnspection

    Service. APHIS吋 91-55 -063 Washington, DC. (2004)

    3) 青木ふき乃:育成郊の関節炎を主徴とする Mycoplasamα

    synovlαe感染が鶏の産卵前期に及ぼす彩線第 255問真喜

    病事例検討会講演主主旨,皇室病研幸R45, 136 (2009) 4) A vakian, A.P. and Kleven. S. H. : Evaluation of sodium

    dodecyl sulfate“ polyacrylamide gel electrophoresis

    purified proteins of Mycoplasma g,αllisepticum and M

    synoviae as antigens in a dot-enzyme-linked im恥

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    tion of the specificity and sensitivity of two commer-

    cial enzyme司linkedimmunosorbent assay kits, the

    serum plate agglutination test, and the hemag伺

    glutination-inhibition test for antibodies formed in

    response to Mycoplasma gallisepticum. A vian Dis. 32,

    262-272 (1988)

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    sponse to Mycoplasma gallisepticum demonstrated in

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    9) Ben Abdelmoumen, M.B. et al・DuplexPCR to differ-

    entiate between Mycoplasmαsynoviae and Mycoplasma

    gallisepticum on the basis of conserved species-specific

    sequences of their hemagglutinin genes. J. Clin

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    10) おenAbdelmoumen, M.B. et al. : A recombinant anti

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    ulins and antibodies to Mycoplasma gaWsepticum and

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