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放電洗浄とコンディショニング (理化学研究所) (1985年2月22日受理) Discharg Cleaning and Surface Conditi Yuichi Sa,kamoto (Received February 22, 1985) Abstract An expla皿a,tion on disckarge dea,ning and surface condition ,devices is given.Problems are described from practical vi considerthewallconditioningofmachines皿ear methods,especiaHy of the g霊ow discharge and the ECR disc are compared. 核融合装置の放電洗浄と壁表面のコンディショニングについて解説する。読者が身近な装置のコ ンディショニングを考える様実践的な立場で書くこととする。,いくつかの放電洗浄法,とりわけグ ロー及びECR放電洗浄法の特徴を比較した。 1.はじめに ガス放電を使う真空容器の洗浄は古い歴史を持っているが1),核融合分野ではトカマクによる科学的実証 が近づき不純物問題が差迫った日程に登って以来,洗浄機構の理解が著しく進展した2’3)。他方半導体産業 ではLSIの進歩のため精密な表面処理加工が要求され,この目的のためプラズマが利用されて輝かしい成果 を収め,この技術は光学関係から医療資材関係に至る迄の広い範囲で急速に波及しつつある4)。この様な背 景を持って,「良い真空を早く得る」手段としての放電洗浄は,表面改質と相侯って現代の共通的基礎技 術となりっつある。 すでにまとまりの良いレビュー論文があるめで5『咳歴史や文献はこれらに譲り,こ\では実践的な立場 Tんe1煽翻e・ブPんツs∫cα1αη4Cんe而cαIReseαTch 7

放電洗浄とコンディショニングjasosx.ils.uec.ac.jp/JSPF/JSPF_TEXT/jspf1985/jspf1985_01/...1.はじめに ガス放電を使う真空容器の洗浄は古い歴史を持っているが1),核融合分野ではトカマクによる科学的実証

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懸放電洗浄とコンディショニング

     坂 本 雄 一

      (理化学研究所)

   (1985年2月22日受理)

Discharg Cleaning and Surface Conditioning

        Yuichi Sa,kamoto

(Received February 22, 1985)

Abstract

  An expla皿a,tion on disckarge dea,ning and surface conditioning in nuclea,r fusion

,devices is given.Problems are described from practical view po董nts for readers to

considerthewallconditioningofmachines皿eartothem.Featuresofclea皿ingmethods,especiaHy of the g霊ow discharge and the ECR discharge cleaning methods,

are compared.

要 旨

  核融合装置の放電洗浄と壁表面のコンディショニングについて解説する。読者が身近な装置のコ

 ンディショニングを考える様実践的な立場で書くこととする。,いくつかの放電洗浄法,とりわけグ

 ロー及びECR放電洗浄法の特徴を比較した。

1.はじめに

 ガス放電を使う真空容器の洗浄は古い歴史を持っているが1),核融合分野ではトカマクによる科学的実証

が近づき不純物問題が差迫った日程に登って以来,洗浄機構の理解が著しく進展した2’3)。他方半導体産業

ではLSIの進歩のため精密な表面処理加工が要求され,この目的のためプラズマが利用されて輝かしい成果

を収め,この技術は光学関係から医療資材関係に至る迄の広い範囲で急速に波及しつつある4)。この様な背

景を持って,「良い真空を早く得る」手段としての放電洗浄は,表面改質と相侯って現代の共通的基礎技

術となりっつある。

 すでにまとまりの良いレビュー論文があるめで5『咳歴史や文献はこれらに譲り,こ\では実践的な立場

Tんe1煽翻e・ブPんツs∫cα1αη4Cんe而cαIReseαTch

7

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            核融合研究 第53巻第1号  1985年1月

に立って,純度の高いプラズマや固体表面を得たい場合の設計思想,型式の選択,必要な計測等を中心課題

として話を進める。筆者のこれ迄の経験が反映される甲で勢・話は核融合装置に集中し・ECR(電子サィク

ロトロン共鳴)水素プラズマに力点がおかれるが,事の本質は普遍性があるので御容赦願いたい。以下次の

順序で本解説を構成する事とする。2.壁の表面と真空,3.放電洗浄法の種類と特徴,4,洗浄時の表面に

おける化学変化と原子組成の変化,5.高温プラズマヘの影響,6.物理的及び化学的スパッタリング,ユコン

ディショニング,8.結言。

2・壁の表面と真空

 現在の核融合装置の第一壁はほぼ 鉄(又はニッケル)系合金であり,一部カーバイド(Tic,Sic)やグ

ラファイトが採用きれつつある8’9)。こ、では鉄,ニッケル系合金の場合について考える。半導体産業等の

非常に厳密に管理された環境を別にすれば,我々を取巻く大気は多量の不純物を含んでおり,とりわけオィ

ル・ミストはさけられない。又如何に清浄な大気といえども,大気から壁表面へのH20の附着をきける事

は難しい。従って,ガラス・ビード研削とか超音波によるフロン洗浄等の物理的化学的洗浄を経た後でも,

我々の取扱わねばならぬ壁表面は,原子的尺度で見れば不純物に蔽われている。図1(a)はステンレス鋼表面の

典型的な状況を示している6)。バルクの上には厚み1♂入程度の酸化層がのろており,これは又H、0やC,

                   のCm H、を含んでいる事が多い。その上に101A程度の物理吸着層があり,H20やCmH.が付着している。

こういう表面を持った真空容器を加熱脱ガスしつ、排気している際の放出ガスは数種の主要ガスより成り,

≦30且

L

(o)

HnCm,H20

「…    Fe203~200A

L藤

    (b)

\▽総魯2い 一畷

CH→C蹴畷   勿

Bulk SSFe,Cr,Ni(18,8)

図1・(a)放電洗浄を行う前のステンレス鋼の表面

  (b)放電洗浄中の放出ガス切

8

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     解説         放電洗浄とコンディショニング

これをRGA(残留ガス分析器)で見た場合

の典型的な質量スペクトラムは図2の(a)の                         雪様になる10)。特徴的なのはm/e=18(H20)

が主要な残留ガス成分となっている事であり,

m/e>40のCmHnが放出されている。図に

は顕れていないが,感度を上げると質量が1

づつ違ったスペクトルが林立している。これ

はC Hの大きい分子のHが1づつ取れたも  m  n

ののスペクトルと考えられ,壁表面が油汚染

・されている場合には殆んど必ず見られる。比

較のために加熱脱ガスと放電洗浄が充分行

われた後のスペクトラムを図2(b〉に示して

おく。支配的な残留ガス成分はH2となって

いる。

NII①

\≡

QO創N    《『m    一可’

(α)

坂本

3・放電洗浄法の種類と特徴                 3) 広く使われている放電洗浄法はグロー放電,

テーラー型(パ2レス,交流)放電2),ECR放

電11)によるものが主なものである。それらの

特徴をまとめて示すと表1の様になる・

 技術的にみればグロー放電洗浄が最も簡単

ではあるが,(1)一般に働作圧力が高いため

にこれを下げる工夫(高周波の併用)3)をし

ないと真空ポンプとの両立性がうまくない,

(2)洗浄にあずかる粒子エネルギーが102~

 3

      十     十

N

望 曽

(b)

図2.(a)加熱・放電洗浄前のRGAスペ

  クトラム,(b)壁温 I OO。C,電流

             密度j謂3μA・cm のグロー放

  電洗浄を6.5時間行った後のRGA

  スペクトラム。何れもGAMMA IO      10)  のデータ。

10eVと高いので,壁面をTw>300℃としないと粒子の捕捉と再放出が問題となること及び洗浄の初期

プラズマ中にCやOが多い段階では壁材料の物理的スパッタリングが無視できないこと(後述),(3〉カー

バィド等の壁材では例えばCがCH4等に変化して抜け出す所謂化学的スパッタリングの為に表面の変質が

起ること(後述),(4)スパッタリングによって表面が吸着に関して活性化される為にH20等の再吸着が起

り易く,酸素の被覆率が10%程度より低くならないこと等の難点に留意する必要がある。テーラー型では

誘導電界による放電を使うので,この電界は真空容器壁にジュール電流を流し得る訳で,溶接部等の異常加

熱による損傷が起る可能性があるのでこの点への注意が必要である。ECR型では電磁波の導入用の真空封

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核融合研究 第53巻第1号 1985年1月

表1. 各種放電洗浄法の比較

グロー テーラ(パルス,交流) ECR

電    界 直    流 誘    導 電 磁 波

磁    界 o 適    当 ECR

圧    力  『_lP:≧ IO  Pa

   一2P= iO  Pa  一1       -410 >P>IO  Pa

洗浄に有効な粒子とエネルギー 十 十H2(H)  2~ IO eV  十  〇H (H)E〈iOeV  O  十H (H )EくIO eV

何がとれるか C.O 0,C 0.C

核融合以外への適用

可 工夫を要する 可

単一でない壁(ライナー等の存在)

不  可 不 可 可

止窓が現時点では相対的に高価である(例えば2』45GHz l kWCWの電源と窓とはほぼ同価格)のと,ECR

磁界を要する難点がある。洗浄効果については,筆者の経験する処では略同等であるので,状況に応じて適

当なものを採用される事をお薦めする。

4.洗浄時の表面における化学変化と原子組成の変化

 壁の表面に存在する軽不純物,C及び0は洗浄プラズマから供給される水素原子と反応して,主に

    C十4H→CH4                                        (1)

   0十2H→H20                                   (2)

及びプラズマ存在下でそれら自身の反応

    C+0→CO                         (3)

                                 ナによって気相に出て,真空ポンプによって排出される。グロー放電洗浄ではH2が陰極降下(容器壁は陰極

とされる)で加速されて壁に突入し原子状となって潜り込み,表面に向かって逆拡散して上記の反応に与える

ときれている3)。テーラー型やECR型の場合には陰癒降下はなく,シース電圧12)

       嬬  鈎(げ)2}

    聡hエー7一伽2π吻            (4)               6

   こ\で 々 = ボルツマン定数

      ゐ : 電子温度。K

      Mづニ イオン質量

      卿 二 電子質量       6      T  : 実効2次電子放出係数

                     10

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     解説

による加速があるのみであり,この

値は普通高々20V程度であり潜り

込みの効果は無視できる。又ECR

型では洗浄を支配しているのはイオ

ンではなく電子衝突によって分子が

解離してできたH原子でこのエネル

ギーは4eV程度である。洗浄速度を

上げるには1)H原子の移動(表面

上での移動やグロー型の場合のバル

ク中の逆拡散)を速めること又

2)生成したH20は壁表面に何回か衝

突してからポンプの排気孔に達する

ので表面への滞在時間を短くする事

が大切で壁温を高くする必要がある

ことが予見される。事実Dietz等の

実験結果は図3に示す通りで,壁温

放電洗浄とコンディショニング

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坂本

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図3.ステンレス鋼表面の酸素をグロー放電洗浄で除去する際の水素

  原子当りのH20分子発生率の壁温依存性6)。

によって反応率は大幅に変り,室温と400℃では約2桁近い効率の違いがある事は記憶に値する。

 さて洗浄に効く粒子束密度について言及すると,グロー型の場合は経験的な推奨電流密度j=10μA・

cm-2から3)1.2×1014cm-2・sec-1(H2+を仮定)ととることができ,又ECRでは

   φ・一H2%6〈σ%>dis%・曜         (5)

より概算できる。ただし

       %  滞 水素分子密度        H2

       %  : 電子密度

     くσ∂6㌔i,:電子衝突による水素分子の解離の速度係数13)

       γρ  : プラズマの体積

       z4”・: 第一壁の表面積

普通φ。≦1015cm-2・sec-1である。

 主要な発生ガスの分圧の時間経過を例示しよう。この測定は図4に示す模型実験装置(理研のSSCサィク

・ト・ンの磁石部真空箱の放電洗浄翻べる為のもの)14)で行われた.結果は図51こ示す通りで,CH、

(CH3を測定)及びCO(又はC2H4),CO2は共に放電洗浄前に較べ洗浄中は分圧が約1桁増加し,不

純物除去が有効に行われている事を示している。6時間の洗浄によって各生成ガスの分圧は約2桁低下し,

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1985~I~ I fl

M. P GAS /

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Vacuum

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Chamber

750 mm 50 mm

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I.G

QMA

*H~ T. M. P

500 L/ S

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B. H

M. G

¥

probe

M. G

l.G

D. G

QMA B. H

M. P

M'crowa*.'e Generator

Frequency : 2.45 GHZ , Power

lon Gauge

Diaphragm Gauge

Quadrupole Mass Analyser

Baking Heater

Magnet Pole

800 w cw max

I

~l4 ~j~f SSC ( Separated Sector qyciotron ) ~~~~i~~~~:=・*~i~a)

~ < ~ J < Z (:,

(1)

~ C2,

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48

( HOURS

60 )

72

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12

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解説

従って全圧も2桁改善され

ている。

 二つの異なった洗浄法の

比較は,発生ガス分圧の比

較によって一応行う事がで

きる。ECR型放電洗浄の

開発の初期に原研のJFT-

2装置でテーラー型放電洗

浄と比較した結果を表2に

示す・これにより我々は両

洗浄法の効果をほぼ等しい

と判定した15)。

 放電洗浄によって除去し

たい不純物は,RGA測定

による限り,順調に排出さ

れている。それならば,壁

の表面はその結果どうなる

のであろうか?TEXTOR

で行った洗浄実験中の

AES(オージェ電子分光)

による表面分析結果の一例

を表3に示す11)。 一般に

洗浄前及び初期の表面汚染

がひどい場合には,壁表面

に圧倒的に多量の非カーバ

イド型のC(C Hやグラ       m  n

ファィト)で被われている

が6),表3に示す場合の様

に洗浄が進んだ段階では,

Cはカーバィド型となって

いる℃表中で特徴的なこと

はグロー型放電洗浄を行

放電洗浄とコンディショニング 坂本

1σ)

のα・ _4

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4 ECR-DC

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重つ      つ                                7つ0警2 24 36 48    60    72

   TIMEi“hr

図6.SSC放電洗浄模型実験の際の全圧力の時間経移14)。

表2. ECR放電洗浄(ECR-DC)とテーラー型放電洗浄(TDC)の

   効果の比較プラズマヘの入力は双方とも2kW

Partial pressures of resultant gases    inthecasesofECR-DCandTDC

GasesPE:CR-DC(2kW)Tw瀞60~IOO。C TDC(2kW)Tw罵80~180。C Backgroud Pressure

CH4     一63,3×10 Pa      一66,6×IO Pa      一72.7×10 Pa

H20     一68.6×IO Pa      一69.3×10 Pa      一61.3×iO Pa

CO     一63.4×10 Pa      一63.1×IO Pa      一74×IO  Pa

                 一IPumping Speed(N2)6201s

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核融合研究第53巻第1号  1985年1月

表3. 放電洗浄によるインコネルサンプルの表面原子組成変化

   Pre績mi“ary result of AES observation of inconel sample in TEXTOR

   cieaning campaign, Observaキions (1):after RG(long run),

   (2)afte「ECR(12・3h)・(3〉afte「ECR(24井〉・(4)afte「RG

   (285h), (5〉after ECR(13。5h)

             Atomic%

       S  α   Mo  K   C   N  Ti  O  Cr  Fe  Ni

Observations(1〉41 1-174-1017343    (2〉150一一245-419430    (3)  19   0   2   0   26   6   0    1   7   3   35

    (4)310・Ol340!225339    (5)21 1 201080 110444

った直後の観察,observatlon(1〉及び(4)ではスパッタリング効果でC,S寺が減るが,0は10%を下らな

い。ECR型の直後observatlon』(2),(3〉及び(5)では逆にC,Sが増すがOは1%迄低下する。R.E.Claus-

ingは,TEXTOR以外で行一)た実験をも含めて,洗浄が或程度進むと,0とC(及びS)とは競合関係

をとる様になり,一一方の減少は他方の増加を惹き起し金属原子の被覆率は60%を超えないと言っている1曳

表面の原子組成がこうなるとトカマク装置ではZleff鯉LOが得られる様である。要するにOを10%以下

とし,Cはカーバィド型をとっている状況になればプラズマの純度は可成り良好になると言えよう。

5、高温プラズマヘの影響

 洗浄の過程でプラズマは如何に良くなって行くのか?我々は名大プラズマ研のJIPPT-Hにおける共同研

究でこれを調べた1ス)・図7はその結果躰す・プラズマ比抵抗を求めるために・騰圧%・プラズマ諏

与を,不純物放出量の目安を得るために平均電子密度π6を,又ディスラプションに大きく影響する酸素

量を監視する為に0狂(4414.9A)線の強さを観測した。 図中破線は洗浄前,点線は壁が室温で5時間洗

浄した後,実線は壁が平均150℃で72時間洗浄した後の上記物理量を示す。こ、ではガスパフィングは行

っていない。先ず洗浄前の場合170msでディスラプションが起っており,抵抗は高く,密度は高くO H線

強度は大きい。洗浄が進むにつれて放彪時間は延び,これらの物理量は予測通りに低下して行く。ガスパフ

ィングを行って高密度放電とした場合のプラズマ比抵抗,0豆線強度及び電子密度の洗浄の進展にともな

う変化を示したのが図8である。TDはトカマク放電を意味し,TD1は加熱排気のみで洗浄以前,TD2は壁

温が室温で5時間の放電洗浄を行った後,TD3は平均150。Cの壁温で72時間洗浄を行った後の放電を

意味し・白柱はトロィダル磁界恥=0・9Tを黒柱はそれより高密度となるβ!=1・9Tの場合を意味する。

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解説 放電洗浄とコンディショニング 坂本

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plasma resistivity

      のO亙 (4414。9A)line intensity

electron density

ド5hrs→一一75hrs一TD I  TD2                         TD3

図7.JlPP T一豆における放電洗浄過程に

   おける1周電圧Vp,プラズマ電流I p,

   平均電子密度及び酸素イオンのスペク              の   トル線O I(4414・9A)の推移。

   破線は洗浄前,点線は壁温が室温で5時

   間洗浄の後,実線は壁温1500Cで

   72時問洗浄の後。何れもガスパフィ

   ングなし17)。

図8.高密度放電の場合(ガスパフィングを行う)のプラズマ

   比抵抗,Oπ線強度及び平均電子密度の洗浄の進展にと

   もなう変化。白柱はトロイダル磁界BtニO.9T,黒柱

   はBt冨L9T TD Iは洗浄前,TD2は室温5時間洗   浄,TD3は 150。C72時間洗浄の後17)。

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核融合研究 第53巻第1号 1985年1月

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壬王董 モ蚕杢

21    25   28 r     5      10      15

-February一十「一一一一一March            days

図9.TEXTOR共同研究で行なった放電洗浄実験における

   Zeffの推移,上半分でRG,ECRは夫々グロー放

   電洗浄及びECR放電洗浄を意味し,柱の長さは時         11)   間に比例する  。

1』 30   ム0    501ms)

56の窯_5

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GDC

o   ヤ

o

00 o o O

9570 9580 9590 9600     9670SHOT NUMBER

968α

図10.GAMMA l O装置におけるグロー放電洗浄とアンカー・プラズマの線密度。

   上図の点線が期待値で,洗浄前には,これが得られていない。

16

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解説 放電洗浄とコンディショニング 坂本

最終的にはZ eff=1・0が得られた。

 同様の実験はTEXTORにおける共同実験でも行われた。1983年春の一連の実験における経日変化を

図9に示す11懐れのためZef声2・・にびまった。

 ミラー装置での実験は少ないが,図10は筑波大学のGAMMA10でグロー放電洗浄を行った実験の結果

を示すもので,アンカー・プラズマの線密度が洗浄の際に如何に変るかを示しており,GDC(グロー放電洗

浄)を6.5時間行って始めて期待したアンカー・プラズマが形成された(点線が期待値)ことを示してい

る曵

 洗浄の進展の目安として,J.K・F、等は表面原子組成分析なしに推定する方法を提案している18)。即ち

残留ガス分析測定で次のG値:洗浄に有効な粒子1個当たりの不純物分子の発生率

   G(m・1ecules/i・n)誉5×Pゼ(恥rr)×S(4・sec-1)/1(オ)     (6)

を求めG<2×10-4ならば高温プラズマ中のCと0の混入率は1%以下であるという経験則を与えている。

6.物理的及び化学的スパッタりング

 放電洗浄における物理的スパッタリングは,

若し壁材が至る処均一ならば,測定窓の曇り等

に対する対策を適当にとっておけば別に間題を

起すことはない。然し例えばラィナーとリミタ

ーが,インコネルとグラファイトと言う様にな

っていると,高温プラズマヘの影響は大きく,

好ましくない結果を招くこともある。特にグロ

ー放電洗浄ではイオンのエネルギーが10a~

103eVと大きく,又洗浄初期には不純物イオ

ンが多量に発生するから注意を要する。この問

題を考えるに先立って,イオンエネルギーが

102eV台でスパッタ率がどの位になるかをNi

                19-21)について概算してみると図11の様になる 。

 ナ           ヤ    ナ

Hに比べてCやO は約2桁大きなスパッタ

              ナ率を示し,たとえ1%混入してもH と同じ効

果を及ぼすことが判る。同じ洗浄の条件(1原

子層中の酸素原子密度を2×1015c丘講処理すべ

き原子層数10礼 実効反応確率0.1,処理に使

              ヤう時間10時間で最初の1時間に0が10%混

1.O

lO-1

ω

⊇.勉

>、

  一2bρIO.9

』Φ

一ρコ

ユの

10-3

lO-4

十〇

十C

physical sputtering yield

for Ni

H十

2  3  4  ion energy/ I OO V

図11.Niに対するH+,C+,O+のスパッタ率21)。

17

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核融合研究 第53巻第1号  1985年1月

入したとする。グロー放電洗浄及びECR放電洗浄における粒子東は前述の典型的な値をとる。)で計算し

た結果を表4に示す。グロー型ではECR型に比べて約3桁大きいスパッタリングが起こる事が判る。

 現在核融合研究装置の壁は鉄系合金から高融点低原子番号化合物(丁圭C等)に移行しつつあるが,洗浄

時に化学的スパッタリングが起これば表面組成が大幅に変り,水素リサィクリング率等を大きく変える事に

なる。これを調べる為の模型実験を簡単に紹介しよう22)。実験装置を模式的に図12に示す。ECR水素プ

ラズマを発生させ,その端にT i cサンプルを壁から電気的に絶縁して設置しバアイス電圧がかけられる。零

バイアスをECR放電洗浄の模型に,負の102Vのバイアス電圧を印加した場合をグロー放電洗浄の模型と

表4. 同一の洗浄条件下におけるグロー放電洗浄(GDC)と

  ECR放電洗浄のスパッタ量の比較

CONDITlONS

oxygen atom density:2×IOI5/cm2・ monolayer

number of monoIayers l 210

reaction probability O.1

cleaning PIasma contains l O%of 十〇 for the

initiaI I hr. cleaning time:lO hrs

G DC ECR-DC

ion current       一29 μA.cm        一20.6μA.cm

density

ion energy 300eV 28eV

depositting

Ni atom sur一 16   _2 12   -2

face density1× 10  cm 7× 10  cm

for l hr.

 V

にド

RGA   EM

図図図

VW

ML

PLASMA VW

_/CS

7 図図図  しP

 甲G1

!㎞

図12.Ti cの化学的スパッタリングの模型実験装置

  CSがTicサンプル。壁から電気的に絶縁さ  れバイアス電圧がかけられる22)

18

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解説 放電洗浄とコンディショニング 坂本

する。化学的スパッタリングはRGAの

CH4信号(m冷 =15でみる)で監視

する。図13はバイァス電圧を変えた場

合の信号変化を示す。バィアス電圧Vb

がVb>一100VではCH4信号はバッ

クグラウンド値で一定であるが,これよ

り負に深くなり,イオンのエネルギーが

大きくなると信号は急激に増加する。こ

の様なデータを,プラズマパラメータと

日時を変えて取り,まとめて示すと図14

の様になる。ただこ\ではバックグラウ

ンド値よりの増分を流入イオン電流で割

った,いわば化学スパッタリング率に比

例した量に直してある。図から判る事は

スパッタリングが起り始めるバイアス電

圧は,プラズマ・パラメータや履歴に拘

らず一定で約一100Vである事,又時間

が経るに従ってスパッタリング率が低下

して行く事である。前者については我々

     ナはT i cをHが衝撃してCを解離し,そ

のC原子は表面近くに豊富に存在するH

原子と結合してCH4を形成し気相に出

ると考え,Cを遊離するためのイオンエ

ネルギーのしきい値の存在を当然と考え

ている。又後者については,表面近くの

Cが抜けると後側から補給しなければ化

学スパッタリングは起こらず,Cの密度

が時間と共に低下する結果CH4の発生率

も下がると解釈している・ECR型では

イォンエネルギーがしきい値以下である

からTicの化学的スパッタリングの心

配はないと言える。この実験における試

.ゼ

⊆コ

づ」⑪

z国αα⊃

Qzo

 TicP =200wμ

PH2ニO.04Pa

Te =・7.8eV

     9   -3ne=9,6×lo  cm

m/e=15

0 一l OO    -200    -300    -400    -500

   BIAS VOLTAGE(Vb)

図13.バイアス電圧を変えた時のメタン信号の変化。

                  22)  Vb>Oの範囲は変化がないので省略してある 。

(…ii

,ご

4

← 2

Tic

 dateo 19△ 19〔コ 21

◇ 21● 25

0

o

P(Pa)   00。α5    000.027

0.04    0            △O,067 Q    △△α04 。  △△△。□   o    △ム  ロロ

!o轟掌

蠕      ●●     ●     ● ●●

O    200     400BiasV。ltage(Vb)・

図14.バイアス電圧によるスパッタ率の変化22)。

19

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核融合研究 第53巻第1号 1985年1月

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1 ズズ認徽ll

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麟一

q5重o

O i OO  200  300   400  500  600  700  800

ELECTRON ENERGY.eV.

図15.化学スパッタリング実験を行った場合のTi cサン

   プルの表面のAES観察,aはプラズマ照射前,

   bはECR型洗浄30時間,Cはグロー放電洗浄

   一300V,30時間。C-1アルゴンスパッタリン        の                  の   グでi I O A削る。C-2:350A削る。C-3:     O           o  22)   690A削る。 C-4:970A削る  。

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解説 放電洗浄とコンディショニング 坂本

料のAES観察の結果を図15に示す。aはプラズマ照射しないもの,bはECR洗浄30時間。 Cはグロー

                                  の         の        の        の放電洗浄,一300V,30時間。C-1~C-4は夫々アルゴン放電で表面を110A,350A,690A,970A 削っ

たものである。ECR型洗浄ではCは抜けないが,グロー型では化学スパッタリングでCが抜け,内部に行く

に従ってCの量は増して,照射前の値に近づくことが判る。C-1,C-2にみられる様にグロー型では壁材の

Feが物理的スパッタリングで附着しているのが判り,上記の考察の正しさを示している。図16は試料の

XPS観察の結果である。炭素のA,Bのピークは夫々グラファィト型,カーバィド型の炭素を示し,チタン

のC,Dのピークは夫々カーバイド型,酸化物型を示す。ECR型の洗浄ではカーバィドは変化しないが,

グロー型の洗浄では,カーバイド型の炭素が抜けて,Tiは酸化されている事が判る。

2

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 0辺⊆コ

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Ti2P312

          CAs received        ↓

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 _♂へ~^ノ1          、

10

290                     280 470

         B     A         も     ↓      ECR    !\ノ、   ./  ・  、

佃r鵡の〆         ㌔’   用           ’o』r轟q

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290 280470

 0 辺450 ⊂   コ   o   り

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1     今B Glowm。del?C

_〆~ノ㌦〆一く裟                     、

0290

10

  280470

BindingEnergy(eV)

4500

図16.サンプル表面のXPS観察。炭素のA,Bのピークは,夫々グラファイト

  型,カーバイド型の存在を示し,チタンのC,Dのピークは夫々カーバイ   ド及びオキサイドの存在を示す22)。

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核融合研究 第53巻第1号  1985年1月

7.コンディショニング

 放電洗浄は与えられた材料表面を損傷少なく処理して,不純物を除去して純粋にする手法であるが,その

表面の性質を本釆のものに近づけるのみという意味では受身の手法である。我々は今では放電洗浄の経験を

通じて材料表面を改質するヒントを得,これを始めつ、ある。例えば不活性ガス中に02を微量入れてプラ

ズマを作り,酸化層を生成したり,又H2中にCH、を微量入れカーバイド層を実現する事もできる2兜

 単に不純物除去のみならず,水素のリサイクリング率や透過等も制御の対象として必要な表面を設計し,

且つそれを実現する技術への銚戦,これが最も現代的なコンディショニングの課題と言えよう。

8.結言 鉄(ニッケル)系合金壁の水素プラズマによる洗浄について解説し,放電洗浄によって核融合装置中に

Zeff=LOのプラズマを作れる事をのべ・話題としてグロー型とECR型の比較を若干試みた・現時点に

Pおけるグロー型の問題点は物理的スパッタリングによる金属汚染の可能性及び化学的スパッタリングによる

表面変質の可能性である。ECR型では原理的な難点はないが,設置コストの改善が強く望まれると言えよ

う。又積極的な進歩の方向として表面の改質が重要な課題である。

参  考  文  献

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22

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解説 放電洗浄とコンディショニング 坂本

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21)

22)

23)

23