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平成26年2月24日 革新複合材料研究開発 センター(ICC革新材料による次世代インフラシステムの構築 ~安全・安心で地球と共存できる数世紀社会の実現~ プロジェクトリーダー:池端 正一 (大和ハウス工業(株) 総合技術研究所 副所長) 研究リーダー :鵜澤 (金沢工業大学 革新複合材料研究開発センター 所長・教授) 研究グループリーダー:高橋 憲司 (金沢大学 理工研究域 自然システム学系 教授) COIキックオフシンポジウム

革新材料による次世代インフラシステムの構築 ~安 …平成26年2月24日 革新複合材料研究開発 センター( ICC ) 革新材料による次世代インフラシステムの構築

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Page 1: 革新材料による次世代インフラシステムの構築 ~安 …平成26年2月24日 革新複合材料研究開発 センター( ICC ) 革新材料による次世代インフラシステムの構築

平成26年2月24日

革新複合材料研究開発 センター(ICC)

革新材料による次世代インフラシステムの構築 ~安全・安心で地球と共存できる数世紀社会の実現~

プロジェクトリーダー:池端 正一 (大和ハウス工業(株) 総合技術研究所 副所長) 研究リーダー :鵜澤 潔 (金沢工業大学 革新複合材料研究開発センター 所長・教授) 研究グループリーダー:高橋 憲司 (金沢大学 理工研究域 自然システム学系 教授)

COIキックオフシンポジウム

Page 2: 革新材料による次世代インフラシステムの構築 ~安 …平成26年2月24日 革新複合材料研究開発 センター( ICC ) 革新材料による次世代インフラシステムの構築

海洋インフラ

社会インフラ

都市・住宅インフラ

洋上風車

海洋掘削 大型帆走船

海中資源発掘現場

内装・外装・骨組が 同一の建材で 造られた住宅

原材料と 廃材の循環

軽量な橋梁

トンネル

高層建築 次世代住宅

バイオ技術・資源循環

橋梁

目指すべき10年後の社会~革新材料による次世代インフラシステムの構築~

Page 3: 革新材料による次世代インフラシステムの構築 ~安 …平成26年2月24日 革新複合材料研究開発 センター( ICC ) 革新材料による次世代インフラシステムの構築

2023年 深海掘削

次世代住宅

洋上風力

新たな価値の創造 (超大構造の実現)

道路・トンネル

コスト1/10倍、 生産性100倍

の実現

繊維 (東レ)

飛行機や自動車へ の炭素繊維の適用

いしかわ炭素繊維 クラスター

革新炭素繊維 プロジェクト

東京 大学

2013年 名古屋

大学(NCC)

神戸 大学

時間軸

機能軸

北海道 大学

岐阜 大学

帆走船

高層建築 アンダーワンルーフのCOI 拠点

拠点:革新複合材料研究開発 センター(ICC)

バイオ技術 (日産化学工業)

素材革命

革新材料・社会実装

橋梁

技術融合・異分野融合

環境負荷の低減 (バイオマス由来材料)

リサイクル技術・ システムの開発

数世紀社会:柔軟性に富み、長期間に渡って価値を失わない社会

バイオリファイナリー技術による素材開発

高機能素材の開発

北陸先端科学技術大学院大学

岡山大学

革新材料によるアプリケーション

開発

石川県 工業試験場

金沢工業大学 海洋インフラ (三井海洋開発)

製造技術 (コマツ産機)

革新製造プロセスの開発

NIMS・ 京都大学

リサイクル (日立化成)

金沢大学

里山・里海(間伐材・藻)

拠点全体概要図

信頼性評価技術

土木研究所

バイオマス プランテーション (コマツグループ)

社会コストの低減 (長寿命、軽量・高強度)

社会・住宅インフラ(大和ハウス工業)

本拠点の目指すビジョン: 「革新材料による次世代インフラシステムの構築~安全・安心で地球と共存できる数世紀社会の実現~」

岐阜大学 岐阜県工業技術研究所

高層建築

Page 4: 革新材料による次世代インフラシステムの構築 ~安 …平成26年2月24日 革新複合材料研究開発 センター( ICC ) 革新材料による次世代インフラシステムの構築

炭素繊維材料の特徴と適用例

素材 強み 弱み

木材 軽量(比重:0.4)、人との調和性 耐久性、耐火性

鉄 生産性、加工性、低価格 重量(比重:7.8)、耐久性(さびる)

コンクリート 現場施工性、低価格

重量(比重:2.3)、耐久性(中性化、鉄筋腐食) 、2次加工性、

リサイクル性

炭素繊維複合材料(CFRP) 軽量(比重:1.8)、高強度 低生産性、高価格、石油由来

従来材料との比較

炭素繊維複合材料の航空機・自動車構造部材への適用例 自動車分野

LEXUS LFA 前部胴体 Boeing787

鋼材100円/Kgに対し、炭素繊維は5千~2万円/Kgと価格が高い。 さらに、成形工程と成形時間がかかるため、生産性が悪く、高価格になる。

フレーム

解決すべき課題

革新的製造技術開発

生産台数:5台/月 生産台数: 1台/日

持続可能性のある材料への転換(バイオ由来)

航空機分野

Boeing社 トヨタ LEXUS社

Page 5: 革新材料による次世代インフラシステムの構築 ~安 …平成26年2月24日 革新複合材料研究開発 センター( ICC ) 革新材料による次世代インフラシステムの構築

革新的取組み(1):革新的製造技術

熱硬化性複合材料製造プロセス(従来技術)

熱可塑性複合材料製造プロセス(革新的技術)

●革新的製造技術・プロセス開発により、コスト1/10倍、生産性100倍の実現を目指す。

積層 炭素繊維織物 プリプレグ オートクレーブ硬化 外形トリム

バイオマス由来繊維

【革新的製造技術・構造化プロセス】

【革新的材料資源循環/持続化プロセス】

石油由来繊維

融合化技術

連続成形プロセス・製造技術

高賦型性材料

成形加工装置、施工技術

高賦型性中間基材 一体成型構造部材

中間基材

大型構造部材 連続成型 汎用構造材

PINETT社 AIRBORNE社

ENGEL社 日本ベルティング社

Page 6: 革新材料による次世代インフラシステムの構築 ~安 …平成26年2月24日 革新複合材料研究開発 センター( ICC ) 革新材料による次世代インフラシステムの構築

革新的取組み(2):持続可能性のある材料への転換(バイオ由来)

ガソリン23%

ナフサ7%

灯油・ジェット 燃料11%

軽油19%

重油・アスファ ルト29%

LPガス11% エチレン CH2=CH2

プロピレン CH2=CH-CH3

ブタジエン CH2=CH-CH=CH2

ベンゼン

トルエン

基幹化学物質 化学製品 燃料

現状の技術(石油リファイナリー)

繊維

樹脂

分留による精製 構造部材

Page 7: 革新材料による次世代インフラシステムの構築 ~安 …平成26年2月24日 革新複合材料研究開発 センター( ICC ) 革新材料による次世代インフラシステムの構築

バイオリファイナリーによる技術 (高分子 → 低分子 → 高分子) アプリケーション例

高層ビル

大型帆走船

次世代住宅

●従来技術の複雑な工程を経ることなく、木材から構造物への適用を目指す。

革新的取組み(2):持続可能性のある材料への転換(バイオ由来)

竹、松,ブナ,アテ

バイオマス

リグニン プロセス

セルロース ヘミセロー

プロセス 2

セルロース・ ヘミセルロース の糖化・発酵 プロセス

リグニン低分子化

プラスチック

合成繊維

合成ゴム

エチレン

プロピレン

ブタジエン

ベンゼン トルエン

グリセロール

コハク酸

イタコン酸

ソルビトール

エタノール 基幹化学物質 化学製品 燃料

リグノセルロース の前処理

バイオマス イオン液体 高機能性木質系構造材

革新バイオリファイナリープロセスの実現(高分子のまま利用)

Page 8: 革新材料による次世代インフラシステムの構築 ~安 …平成26年2月24日 革新複合材料研究開発 センター( ICC ) 革新材料による次世代インフラシステムの構築

企業

大学

大学

企業

大学

大和ハウス

JAIST

岐阜大 石川県工業試験場

岐阜県工業技術研究所

NIMS 京都大 土木研

アプリケーションを見据えた研究体制について

金沢大

①革新素材の開発

高機能性木質系構造材

金工大

サンコロナ小田 小松精練 東レ 一村産業 サンドビッ

岐阜大 金沢大 金工大

コマツ産機 芦田製作所

ナック・ケイ・エス

津田駒工業 澁谷工業

大同工業

②革新製造プロセスの開発

③アプリケーション(社会実装)

金沢大 金工大

フジタ 三井海洋開発 小松精練 GHクラフト

④リサイクル技術 企業 大学

一村産業 岡大 金沢大 金工大 日立化成

企業 大和ハウス 日産化学 明和工業

●素材の開発からアプリケーションまでを異分野・異業種融合の一貫体制で実現

深海掘削 次世代住宅 橋梁

高機能性素材の開発 環境性能に優れた素材の開発

連続成形・製造技術 長尺大型構造部材

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社会実装を想定したアプリケーション

●アプリケーションを明確にし、戦略的な研究開発により、段階的に社会実装の達成を目指す

革新材料による次世代インフラシステムの構築

~安心・安全で地球と共存できる数世紀社会の実現~

達成目標年度

同一断面部材

第1フェーズ

H25 H28 H31 H34

大型パネル部材

第2フェーズ 第3フェーズ

大型帆走船 道路・トンネル

洋上風力

高層ビル

橋梁

深海掘削

次世代住宅

異形断面複合部材

アプリケーション

研究開発項目

木質系バイオマス樹脂の開発

高機能素材の開発 (ANC,バイオスーパーエンプラ)

量産技術100㎏/日 ・木質系熱可塑性樹脂 ・木質系熱硬化性樹脂

試作10㎏/日 ・木質系熱可塑性樹脂 ・木質系熱硬化性樹脂

高機能素材を炭素繊維材料へ適用 高機能素材を構造材料へ実装化

ダブルベルトプレスによる 中間基材の成形プロセスの確立 中間基材の量産開発

サーボプレスによる 高速プレス成形技術の確立 ・各種アプリケーションへの展開

(社会実装の検証) ・専用成形装置の開発、現場施工技術の確立

樹脂分離・分解技術 (機械的分離・生化学的分解)の確立

回収材料を構造材料へ適用技術の確立 リサイクルシステムのスケールアップ

(大量処理技術の確立)

センシング技術の実装化 構造マネジメント技術の確立

材料標準化

規格化

センシング技術の確立

Page 10: 革新材料による次世代インフラシステムの構築 ~安 …平成26年2月24日 革新複合材料研究開発 センター( ICC ) 革新材料による次世代インフラシステムの構築

拠点推進体制について(アンダーワンルーフ)

●平成26年3月竣工予定の革新複合材料研究開発センター(ICC)を中心に、研究開発を推進 ●参画機関:研究機関10機関、企業17社のオールジャパン体制で研究開発を実施

構造物のマネジメント技術 →「社会実装」の実現に寄与

NIMS(物材機構)・京都大学・土木研

岡山大学

高機能素材開発技術の強みを取り込み →「革新素材」の性能向上に寄与

・海外機関としては、イギリスNCC、 ドイツCFKバレー、アメリカJBEI等と連携

ICCへ入居 ICCへ入居

建築面積:2,500㎡、延床面積:4,400㎡、鉄骨造3階

ナレッジコリドー(交流スペース) ICC内観(オープンスペース)

革新複合材料研究開発センター(ICC) Innovative Composite materials research and development Center

全機関によるミーティングを実施

ICCの特徴

連携促進のための交流スペース を設置

オープンスペースで研究開発を推進

Page 11: 革新材料による次世代インフラシステムの構築 ~安 …平成26年2月24日 革新複合材料研究開発 センター( ICC ) 革新材料による次世代インフラシステムの構築

・革新的な製造技術により、連続成形でインフラ構造物へ適用 ・化石燃料由来材料からの脱却 木質材料のリコンストラクチャーによる構造物、バイオ技術の利用 ・アプリケーションの明確化 各フェーズで段階的なアプリケーションを明確にした戦略 ・拠点推進体制 複数の研究機関・企業によるアンダーワンルーフ・オールジャパン体制で研究開発を実施

まとめ

革新材料による次世代インフラシステムの実現を目指す