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芝浦工業大学 愛媛大学 学長補佐、教育イノベーション推進センターIR部門 教育・学生支援機構 教育企画室 システム理工学部 井上 雅裕 丸山 智子 Masahiro Inoue, Ph.D., PMP Tomoko Maruyama, Ph.D., PMP Shibaura Institute of Technology Ehime University 大学改革とプログラムマネジメント University Innovation and Program Management PMI日本フォーラム 20157Masahiro Inoue, Tomoko Maruyama , 2015

大学改革とプログラムマネジメント · 2017. 1. 19. · ンを全学規模で進めるため、複数のプロジェ クトが実施されており、プログラムマネジメント

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Page 1: 大学改革とプログラムマネジメント · 2017. 1. 19. · ンを全学規模で進めるため、複数のプロジェ クトが実施されており、プログラムマネジメント

芝浦工業大学 愛媛大学 学長補佐、教育イノベーション推進センターIR部門 教育・学生支援機構 教育企画室 システム理工学部

井上 雅裕 丸山 智子 Masahiro Inoue, Ph.D., PMP Tomoko Maruyama, Ph.D., PMP Shibaura Institute of Technology Ehime University

大学改革とプログラムマネジメント University Innovation and Program Management

PMI日本フォーラム 2015年7月

Masahiro Inoue, Tomoko Maruyama , 2015

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東南アジアの大学の図書館内の掲示

大学の世界ランキング内での上昇を示す図

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背景 • 大学は世界的な競争のなかにある。 • 米国、英国などの大学が世界ランキングの上

位を占める一方で、アジア太平洋地区の大学が競争力を高め、東南アジアの大学も、グローバル化と教育・研究力向上を急速に進めている。

• 経済のグローバル化が進む中で、大学のグローバル化の加速が必須になっている。

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背景 • 教育の方法に関してもパラダイムシフトが起

きている • 教員が個人として知識を講義により教える従

来のやり方から、大学として明確な学修・教育目標を設定し、教授陣が組織として教育を実施し

• 教員が何を教えたかではなく、学生がより能動的学習により、何を学んだか、学習成果の保証を行う方法に変わっている。

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大学改革とプログラムマネジメント

• 現在の大学では、教育、研究のイノベーションを全学規模で進めるため、複数のプロジェクトが実施されており、プログラムマネジメントが必須になってきた。

• 芝浦工業大学、愛媛大学でそれぞれ教育イノベーションを担当する教員の視点で、大学改革とプログラムマネジメントの課題と現状を述べ、海外の大学の取組に関しても触れる。

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Outline 1. 大学改革とプログラムマネジメント 2. 芝浦工大の事例 文科省補助事業のプログラムマネジメント 教育の質保証におけるプログラムマネジメント

3. 愛媛大学の事例 大学にイノベーションをおこす職員へのプロジェ

クトマネジメント教育と実践 4. 海外の事例 5. 大学におけるプログラムマネジメント 6. まとめ

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芝浦工大の事例

大学改革とプログラムマネジメント University Innovation and Program

Management

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文科省支援事業採択名 芝浦工大

・「スーパーグローバル大学創生事業」SGU ・「大学教育再生加速プログラム」AP ・「地(知)の拠点整備事業」COC ・「グローバル人材育成促進事業」 ・「大学教育推進プログラム」 ・「産業界ニーズに対応した教育改善・充実体制整備事業」 ・「私立大学等改革総合支援事業 タイプ1(教育の質的転換)」 ・「私立大学等改革総合支援事業 タイプ2(地域発展)」 ・「私立大学等改革総合支援事業 タイプ3(産業界・他大学等との連携)」 ・「私立大学等改革総合支援事業 タイプ4(グローバル化)」

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スーパーグローバル大学創成支援事業(SGU) 大学教育再生加速プログラム(AP)

地(知)の拠点整備事業(COC)

p9

SGU AP COC

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スーパーグローバル大学創成支援事業(SGU) 大学教育再生加速プログラム(AP)

地(知)の拠点整備事業(COC)

p10

SGU AP COC

1. 大学の国際競争力の強化

2. 教育・研究・社会貢献の三位一体での推進

1. 体系的アクティブ・ラーニング(学生の主体的な学び)

2. 学修成果の可視化

1. 地域・大学一体型人材育成

2. 地域からイノベーション

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• ポートフォリオとは、戦略的な目標を達成するための仕事をマネジメントすることを目的にまとめられた、プロジェクト、プログラム、および関連業務の集合。

• プログラムとは、プロジェクトを個々にマネジメントすることでな得られない成果価値とコントロールを実現するためのプロジェクトのグループ。プログラムにも関連業務は含まれる。

ポートフォリオ、プログラム、プロジェクトの関係

11

ポートフォリオ

Portfolio

プログラム

Program

プロジェクト

Project

プロジェクト

Project プロジェクト

Project

SGU AP

COC

プロジェクト

Project

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教育のイノベーション • 学習・教育のパラダイムシフト:Instruction―「何を教

えるか」からLearning―「何を学ぶか/どう学ぶか」へ。(学習・教育成果の保証)

• 講義などの受け身(Passive Learning)だけでなく、Project-Based LearningやProblem-Based Learning等の能動学習(Active Learning)の充実

• エンジニアリングデザイン教育の強化

• 基礎力(Soft-skills、汎用的能力、社会人基礎力、人間力) 育成を工学教育に組み込む

– ①問題発見、解決能力、②コミュニケーション力,マネジメント力、③チームワーク④,職業倫理、⑤生涯学習能力

• 基礎力(soft-skills)のアセスメントは、専門知識・能力(hard-skills)のそれに比べて難しい,そのアセスメントの方法を体系化し全学導入 12

2

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大学が取り組むプロジェクト 君たちの活動の場が広がるチャンス

It’s a great opportunity for change and growth, get involved in the projects of SIT!

大 学 University

大学教育再生加速 プログラム(AP) Acceleration Program

for University Education Rebuilding

国際社会 Global Community

スーパーグローバル 大学創成支援

Top global University Project

君たち自身の手で 「学び」を変える Change your learning

by yourselves

学修成果を記録・振り返り e-portfolios in education

(eポートフォリオ)

学生による授業コンサルティング Students Consulting on

Teaching(SCOT)

参加型授業の拡大 Active Learning

(実験、実習、PBL)

海外で学ぶ、異文化に触れる Study abroad and global learning programs

(海外語学研修、国際PBL)

国内から世界とつながる Global Dormitory, Student Projects, Global Student Staff

(国際学生寮、学生プロジェクト、 グローバル・スチューデント・スタッフ)

語学力の向上 Programs for improving language abilities

(授業、eラーニング、TOEIC受験) 世界に学び

世界に貢献する Learn from the world

and contribute to global sustainability

学生用 説明資料

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芝浦工業大学のスーパーグローバル 大学創成支援事業の目的と目標

目的 1)学修・教育双方の質保証する 価値共創型教育による実践型技術者の育成 2)世界水準の大学制度の実現 アジア工科系大学トップ10を目指す 英語での開講数 600科目、英語で学位を取得 3)教育・研究・開発コンソーシアムの構築 Global Technology Initiative(GTI):研究連携、産学連携

国際化達成目標(10年後) □全学生を在学中に一度は、海外留学、研修に派遣(100%留学) □全学生に占める外国人留学生 30% □教員に占める外国人、1年以上留学した教員の割合 60%

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スーパグローバル大学創成支援事業

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SGU

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教育目標: 「統合的問題解決能力を備えた世界(社会)に貢献できる技術者」 育成

学修・教育目標を達成する体系的な アクティブ・ラーニングと学修成果の可視化

本学の教育目的(建学の精神) 社会に学び社会に貢献する技術者の育成

大学教育再生加速プログラム(AP)

(H22大学改革推進事業「PDCA化とIR体制による教育の質保証」、「社会の諸相を教材とした実践的就業力育成」、H23「首都圏に立地する大学における産業界のニーズに対応した教育改善・充実体制整備事業」、 H24「「まちづくり」「ものづくり」を通した人材育成推進事業」)

PDCAサイクルにより質と国際通用性が保証された教育体系の枠組みを構築済み。

産業界の要請

イノベーション創出人材の 育成

大学の方針

工学をアイデンティティと する積極人材の育成

学長をリーダとする教職学協働の組織的教育改革体制

教育目標を達成するための体系的カリキュラムと組織でのPDCA

学修・教育目標を達成する4年間の体系的な アクティブ・ラー

ニング改革

PDCAサイクル化による学修成果の可視化と学生の学

修時間の確保

教育改革の推進体制の強化

教職学協働による学修の質保証

AP

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講義科目 システム工学A (システム計画)

2学年前期

PBL 創る

1学年前期

PBL システム

工学演習A 2学年前期

PBL システム

工学演習B 2学年後期

講義科目 システム工学B

(数理計画) 2学年後期

PBL システム

工学演習C 3学年前期

講義科目 プロジェクト マネジメント 3学年前期

プロジェクトを通した実践・経験

哲学・理論・技法 *問題を把握する

*解決策の検討と最適化 *意志を決定する *プロジェクト計画・運営

*協調する *創造する *思考する

講義科目 (総合科目)

システムとは, 1学年後期

PBL システム工学

特別演習 前期

システム マネジメント

特論 後期

大学院 システム工学

特論 修士前期

学部

大学院

17

体系的・組織的 アクティブ・ラーニング (社会人基礎力を育成する授業30選に選定)

国際PBL 年度末

*グローバル人材育成 *イノベーション人材 *リーダシップ

産学地域 連携 PBL 後期

演習は学科混成チーム

AP

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国際・産学・地域連携による アクティブラーニング

問題定義,(再定義)

テーマは,一つの専門分野の枠を越える.

現状分析,要求分析・定義 たくさんのアイディアを創出

レビュー, プレゼンテーション

その解決策は,環境,社会生活を通じて,様々な技術や科学の関連づけにより形成される.

実際に実行

総合的な 問題解決策の提案 環境,社会,市場

からの要求・要望

さまざまな領域の背景を 有した学科横断の共同作業

研究分野とその周辺

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地(知)の拠点整備事業(COC) • 「まちづくり」「ものづくり」を通した人材育成推進事業

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産学・地域連携PBLのプロセス

システムコンセプトの企画・提案 • デザインレビュー1

(企画提案)

システム設計・事前評価 • デザインレビュー2

(設計・事前評価)

プロトタイプ試作・効果評価 • 最終報告会(試

作・評価)

COC

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機械系モノづくり産業地域との連携による技術イノベーション創出のための

実践教育プロジェクト • 「システム工学特別演習」、「産学・地域連携

PBL 」の学生のチームが埼玉県川口市の企業と共に、段差を乗り越えやすい機構を搭載した車いすを開発しました 。

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日刊工業新聞 http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720150219eaai.html

COC

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システム思考を用いた地域間連携型6次産業創生プロジェクト

• 「システム工学特別演習」「産学・地域連携PBL」の学生チームが、さいたま市の農家、卸売業者、種苗会社、レストラン、石川県珠洲市の農家と連携し、野菜の栽培、出荷、受注などのデータを記録することで、農家やその関係者間での情報共有をはかり、安定供給が可能となるシステムを制作しました。

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毎日新聞 http://mainichi.jp/edu/univ/news/20150303org00m100018000c.html

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学生プロジェクトの国際発表会に参加 2011-2014年(韓国、中国、米国、欧州、東南アジア、日本が参加)

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2014年 ソウル

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Presentation

グローバルPBL (全学で約10のプログラム) 2013年3月, 2014年2月, 2015年3月

Brainstorming

Thailand

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学修・教育の質保証

明確な学修・教育目標 学修成果のアセスメント

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学修成果の可視化と学生の学修時間のPDCAサイクルによる保証

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シラバスの充実化 e-Learning

eポートフォリオ ルーブリック

教職学協働の ワークショップ

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学生のための eポートフォリオの定義と目的

(定義) • 学生の学修活動、キャリア開発の履歴と成果を

電子的に蓄積したもの (目的) • 学生の振り返り(reflection)により、主体的な学

修活動を促す • 学生の成果物を発信し、学生同士、教員、社会と

の交流を深める(自己アピール、ショーケース)

振り返り:reflection、内省(ナイセイ)

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Page 28: 大学改革とプログラムマネジメント · 2017. 1. 19. · ンを全学規模で進めるため、複数のプロジェ クトが実施されており、プログラムマネジメント

eポートフォリオの機能構成 学生のための

eポートフォリオ

学生プロフィール

基本情報

ラーニング(学修)ポートフォリオ

学習・教育目標を達成するための

計画と実績

各科目の学習・教育目標の達成成

果、履歴

卒業研究・PBL等のルーブリック

履修計画作成

システム

キャリアポートフォリオ

ジェネリックスキルのアセスメント

(PROG)

自己発見

レポート

マイキャリア

デザインノート

課外活動のポートフォリオ

語学ポート

フォリオ

CEFRのルーブリック(CANDO)

TOEIC/TOEFLの成績履歴

語学e-Learningのポートフォリオ

リサーチ

ポートフォリオ

研究業績入力システム

研究の計画、履歴、成果

プレゼンテーション・ポートフォリオ

学生の作品、成果物

連携機能

SNS連携機能

併設中高のポートフォリオとの連携

機能

CEFR: Common European Framework of Reference for Languages PROG: Progress Report On Generic Skills

注: 各情報は複数の 機能にまたがっている。 図は機能を例示したものであり、情報システムの設計を示したものではない。

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Page 29: 大学改革とプログラムマネジメント · 2017. 1. 19. · ンを全学規模で進めるため、複数のプロジェ クトが実施されており、プログラムマネジメント

eポートフォリオとルーブリック • ルーブリックとは

– 学習成果の水準を示した表 • ルーブリックの導入意義(教育の質保証)

– 学生(と教員)に学習・教育目標を明確に伝える – 学習・教育目標の達成度評価の基準を与える – 評価データに基づいた教育の継続的改善を行うことが

できる • ルーブリックの導入効果が高い科目

– Project Based Learning(正答のない設計実験、卒業研究)

– 基礎力(汎用的能力)の育成を狙った科目(行動)・・・コミュニケーション能力等

– 多数の教員の協同運営科目(目標の共有、公平な評価)・・・演習、卒業研究

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Page 30: 大学改革とプログラムマネジメント · 2017. 1. 19. · ンを全学規模で進めるため、複数のプロジェ クトが実施されており、プログラムマネジメント

プロジェクトの目標とチームの評価 ルーブリック

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Page 31: 大学改革とプログラムマネジメント · 2017. 1. 19. · ンを全学規模で進めるため、複数のプロジェ クトが実施されており、プログラムマネジメント

学習教育目標と個人評価 ルーブリック

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Page 32: 大学改革とプログラムマネジメント · 2017. 1. 19. · ンを全学規模で進めるため、複数のプロジェ クトが実施されており、プログラムマネジメント

教職学協働の組織的教育改革体制 32

Page 33: 大学改革とプログラムマネジメント · 2017. 1. 19. · ンを全学規模で進めるため、複数のプロジェ クトが実施されており、プログラムマネジメント

教員・職員・学生協働のワークショップ (ワールドカフェ形式)

教員と職員の知識、経験と学生の声のシナジーにより、教育イノベーションを推進

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Page 34: 大学改革とプログラムマネジメント · 2017. 1. 19. · ンを全学規模で進めるため、複数のプロジェ クトが実施されており、プログラムマネジメント

考察 • 大学改革にはプログラム・マネジメントが必須 • しかし、大学は大学教員という個人商店の集

まり。基本は個人主義、組織的な活動は得意ではない。

• 教員組織と職員組織が分離、独立しているがプロジェクトには連携が必要

• 教員は非常に多忙。教育・研究・社会貢献等多岐にわたる仕事で忙殺されている。大学改革のプロジェクトマネジャとしては機能しにくい。PMとしては職員力が必要。 34

Page 35: 大学改革とプログラムマネジメント · 2017. 1. 19. · ンを全学規模で進めるため、複数のプロジェ クトが実施されており、プログラムマネジメント

考察 • 教職協働(教員と職員の協働)が最も重要な

概念。日本の大学の特徴になりうる • 職員力のなかに、プロジェクトマネジメント力

を重要な要素として位置づける • Staff Development (SD)が極めて重要 • 大学でのPMOの研究が必要

– 機能、組織、人員 – プロジェクトの見える化からスタート、目的、目標

、組織、工程、予算、課題 35

Page 36: 大学改革とプログラムマネジメント · 2017. 1. 19. · ンを全学規模で進めるため、複数のプロジェ クトが実施されており、プログラムマネジメント

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1.SPOD事業の概要

2.SPODの運営体制

3.Staff Development(SD)の取り組み内容

次世代リーダーゼミナール

愛媛大学の事例 「大学にイノベーションをおこす職員への プロジェクトマネジメント教育と実践」

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SPODは,四国地区の高等教育機関が連携してネットワーク事業を展開することにより,域内のFaculty Development(FD)/Staff Development(SD)事業の効率化,高度化,実質化を行うとともに,学生の豊かな学びと成長を支援する実践的力量をもった高等教育のプロフェッショナルを輩出し,教育の質の保証を図ることを目的に平成20年10月に設立。

・四国地区の全ての高等教育機関33校が加盟

・地域ネットワークとして,FD・SD大学間連携のモデル

・平成23年度から自主運営体制により事業を継続

・加盟校の教職員,全85プログラムに延べ2100名以上が参加 37

SPOD事業の概要

*SPOD(Shikoku Professional and Organizational Development Network in Higher Education)

Page 38: 大学改革とプログラムマネジメント · 2017. 1. 19. · ンを全学規模で進めるため、複数のプロジェ クトが実施されており、プログラムマネジメント

(研究開発,人材育成を担う4大学でネットワークコアを構成)

【ネットワークコア校】

【ネットワーク加盟校】 研究員の派遣,研修講師の依頼,各種研修プログラムへの参加, コンテンツ,コンサルテーションの利用。併せて,コア校が開発した

プログラムの共同試行,共同実施等に参加。

【四国地区大学教職員能力開発ネットワーク】

各種研究開発での協働

国立教育政策研究所 (高等教育研究部)

香川県内加盟校

ネットワークコア運営協議会(月1回程度開催)

徳島県内加盟校

愛媛県内加盟校

高知県内加盟校

全国他地区の ネットワーク等

成果の情報発信,連携

愛媛大学 (教育企画室)

高知大学 (総合教育センター)

徳島大学 (教育改革推進センター)

(大学教育開発センター) 香川大学

SPODの運営体制

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Page 39: 大学改革とプログラムマネジメント · 2017. 1. 19. · ンを全学規模で進めるため、複数のプロジェ クトが実施されており、プログラムマネジメント

ネットワーク加盟校

(コア校を含む)

ネットワークコア

運営協議会

(ネットワークに係る企画立案・

研究開発についてコア校が協議)

プログラム等の開発・提供 →

← プログラム実施等への参加・意見提示

各種調査,意見聴取 →

← ニーズ,意見の提示,情報提供

← 派遣

FD/SD等に関する現状及びニーズ把握

各種FD/SDプログラム等の開発

(FD)インターン等の受入

繰り返し実施することで,プログラムを不断に改善

学内FD委員会,人事課等

(ネットワークコア,加盟校間での連携)

【 連携内容 】

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Staff Development(SD)の取り組み内容 S-1:SDプログラム(階層別、専門分野別)の開発、実施

(a)経営者、管理者養成プログラムの開発、実施

意思決定、企画立案、予算策定、危機管理、部下統率 等

(b)専門職養成プログラムの開発、実施

例えば経営情報分析、広報や渉外、学生支援、入学者選抜 等

(c)次世代リーダー養成ゼミナールの実施

選抜された若手職員の課題解決能力養成、ネットワーク化

S-2:職員業績記録(スタッフ・ポートフォリオ)の開発

職員の職歴や業績の可視化。段階的キャリアアップ等への利用

S-3:職員キャリアアップサポートの実施(キャリア形成に係るアド

バイス等のほか、人事交流の紹介・凱旋など) ※S-1、2で

行う取組をより実質化していくための方策

国公私を通じた職員人事交流 等

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【補4,5】 次世代リーダー養成ゼミナールの実施

概要:「講義」「プロジェクト」「SD実践・演習」を3つの柱と、2年間で8回、

段階的・体系的・継続的に実施する

受講者:第1期~4期 計33名の修了生

内 容:高等教育に関する第一人者の講義を受け,多数の課題をクリアし

ながら,次世代のリーダーとして,大学等の運営を担うために必要

な技能,知識,態度を身につけることを目指した。最終回には受講

者に修了プロジェクト発表,論文の提出,及び口頭試問を課し,修

了判定を実施。

41

「プロジェクト」の概要:

多様化する大学において直面する課題に対し、自大学のミッションを踏ま

え、講義や実践・演習で培った知識(理論)・スキル・態度を活用し、「大学

の構成員を巻き込むイノベーション」を企画し、プロジェクトとして実施、報告

する。

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次世代リーダー養成ゼミナールの概要

Page 43: 大学改革とプログラムマネジメント · 2017. 1. 19. · ンを全学規模で進めるため、複数のプロジェ クトが実施されており、プログラムマネジメント

海外の事例 • University of San Francisco, Project

Management Office, • University of California, San Francisco,

Program Management Office, • The University of Nottingham, Executive

Project Management Office (EPMO)

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大学のPMOは大学内の情報システムのプロジェクトマネジメント、プログラムマネジメントを主目的としている場合が多い。

大学改革のプログラムマネジメントの視点は乏しい

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まとめ • 現在の大学では、教育、研究のイノベーショ

ンを全学規模で進めるため、複数のプロジェクトが実施されており、プログラムマネジメントが必須になってきた。

• 芝浦工業大学、愛媛大学でそれぞれ教育イノベーションを担当する教員の視点で、大学改革とプログラムマネジメントの課題と現状を示した。

• 教職協働でのプログラムマネジメント、職員のプロジェクトマネジメント力強化が重要

44

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ご清聴ありがとうございました

大学改革とプログラムマネジメント University Innovation and

Program Management

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