臨床アプリケーションとデータのホスティング医療・ヘルス ... · 2018-05-09 · 野のクラウドコンピューティング市場は世界規模で2017

Intel®ソリューション－リファレンスアーキテクチャ

臨床アプリケーションとデータのホスティング医療・ヘルスケア向け Cloud-in-a-rack OpenStack® と ProphetStor Federator™ SDS ソリューション

対象分野と目的

現在のところ、一般的な医療機関では 100 を超えるアプリケーションが稼働しており、レガシ

ー・ストレージ・インフラストラクチャに接続された同数の物理サーバ上で動作しています。

ところが、最近の医療改革がきっかけで、医療機関では競合に勝ち抜くため、または単に生

き残るために運営効率やコスト構造の見直しを行っています。大部分の病院では、クラウド

を用いて病院の IT インフラを強化するために、代替となるソリューションを模索しています。

HIMSS Analytics社が行った 2014 年の調査結果によると、この時点では 83%の医療機関が

クラウドベースのソリューションを利用しており、67%のアプリケーションが SaaS 型アプリケー

ションということです。また、Markets and Markets社の分析によると、医療・ヘルスケア分

野のクラウドコンピューティング市場は世界規模で 2017 年には 5.4 兆円に達するとのことで

す。2

クラウドは、長い歴史を持つオンプレミス（自社運用）の IT運営を上回る明確な恩恵をもたらす

一方で、アプリケーションとデータのクラウドへの移行は、最大手の医療機関においてさえ難題

なのです。多くの医療機関では、リソースの制約を考慮しながら、次の４つのワークロード（要

件）のクラウドへの移行を始めています。

• ホスト型の臨床アプリケーションとデータ

• ホスト型の医療情報交換

• バックアップと災害復旧

• ホスト型の人事アプリケーションとデータ

骨の折れるシステム管理や病院の予算要求に対処するため、以下の方法で実行可能な

プライベート・クラウドコンピューティング・ソリューションによる SDI（ソフトウェア・ディファイン

ド・インフラストラクチャー）への転換が急務になっています。

• 既成の標準ハードウェアを用いたスケールアウト・アーキテクチャの採用

• オープンソースを用いたクラウドコンピューティング・プラットフォームの活用

• レガシーITシステムとの架け橋となるデータとアプリケーションのシームレスなマイグレー

ションサービスを提供

• ミッションクリティカルなワークロードに対するエンタープライズ級のプライベートクラウド環境の提供

1 医療情報管理システム学会（HIMSS: Healthcare Information and Management System Society）の子会社である HIMSS Analytics 社の 2014 年度のクラウド調査

2 Markets and Markets 社：「2017 年には 5.4 兆円に達する医療・ヘルスケアの世界市場」

http://www.marketsandmarkets.com/PressReleases/cloud-computing-healthcare.asp

Healthcare Cloud-in-a-Rack with OpenStack® and ProphetStor Federator™ SDS Solutions 2

目次

導入計画の概要 ……………… 2

ソリューション ………………… 2

ソリューションアーキテクチャ … 3

OpenStack クラウド

オペレーティングシステム ……… 4

ProphetStor Federator

SDS ソリューション ……………… 4

トラフィック・モデリング・

モジュール ………………………5

ストレージ・ハイパーバイザーと

柔軟なリソース・コントロール …… 6

ソリューションの主な特徴と利点… 7

ハードウェア構成図 …………… 7

ネットワークトポロジー…………… 9

導入………………………………10

優れた拡張性と導入後の保証 …11

結果 …………………………… 12

おわりに ………………………… 14

本リファレンスアーキテクチャは、 OCP (Open

Compute Platform) 準拠のラックに医療機関に

必要なすべてのハードウェアとソフトウェアを収

納させるシステムです。最新のソフトウェア・デ

ィファインド技術を迅速に導入し、拡張可能で

且つ費用効果の高いプライベートクラウド・イン

フラストラクチャを構築します。

導入計画の概要

IT インフラストラクチャをクラウドへの移行が必

然的な傾向であることを医療産業界は認めて

います。しかしながら、ダウンタイムが許されな

い必要不可欠なワークロードの多さから、これ

まではクラウド技術の大規模な導入はあまり進

展していませんでした。医療機関がクラウドへ

移行するためには、頑強でその上費用効果の

高いソリューションが必須条件です。

特に医療業界のリーダー達は、各々のＩＴ部門

に対して以下を実現可能なクラウドプラットフォ

ームを見極めるよう要求しています。

• 医療アプリケーションとデータのホスティング

• 既存のＩＴリソースを最大限活用したワークロードの統合

• Windows、IBM*、AIX*アプリケーションの

手間のかかないマイグレーション

• 稼働サーバのワークロードを中断せずに現在の製品データを用いたセルフサービ

ス開発・テスト環境の迅速な構築

この目的に最適なソフトウェアを利用すること

により、産業界のクラウドプラットフォームへの

移行は加速されます。医療関連のアプリケー

ションによる顧客対応型のソリューションが多く

の組織で開発され、サードパーティに提供され

ています。しかしながら、これらのソフトウェア

提供ではカスタマーサポートとプロフェッショナ

ルサービスを IT部門に押し付け、その要求が

IT部門の役割とサポートモデルを超えている

場合もあります。これらのサポート、サービス要

求を避けたい医療機関の IT部門は将来の経

営情報システム（Management

Information Systems）の販売に向けてハードウ

ェア／ソフトウェアの統合パッケージを選択し

たほうが良いかもしれません。

物理サーバ上のアプリケーション数は数百にも

達し、その数は膨大な物理サーバ数に匹敵しま

す。そのため、その管理には膨大な IT リソース

が常に必要になります。仮想化とプライベートク

ラウドの構築によるワークロードの統合は、概念

的には響きの良いソリューションです。しかしなが

ら、このような大規模な変更の実装はかつて経験

したことのない難題なのです。移行予定のレガシ

ーストレージアレイのワークロードや顧客対応ア

プリケーションの多くはいずれも短時間のダウン

タイムさえ許されません。さらに、プライベートクラ

ウドの構築や管理には従来の IT組織には見ら

れなかった、異なるスキルセットが必要なので

す。加えて、病院の財政難で新しいハードウェ

アとソフトウェアの調達ができないという場合もあ

ります。

クラウドコンピューティングは新しい概念ではな

く、また利点が多くその大部分は自明ですが、上

記の懸念から多くの医療機関がクラウド技術の

迅速な導入をためらっています。

オープンソースのクラウドコンピューティング・プ

ラットフォームである OpenStack*の急速な発展と

革新的なストレージのソリューションが近年広ま

っています。医療産業は、クラウドコンピューティ

ングの当面の要件を満たしつつ、将来の拡張に

円滑に対応する必要があり、標準ハードウェアを

利用した最も費用効果の高い実行可能なソリュ

ーションを積極的に検討しています。

ソリューション

医療産業におけるクラウドコンピューティン

グへの要求に応えるために、ソリューション

では以下の目的が達成されているべきで

す。

• 医療関連ワークロード用に最適化された、ソフトウェア・ディファインド・データ

センター内に構築されたエンタープライ

ズ級のプライベート・クラウド・インフラス

トラクチャ

• 段階的な導入が可能で且つ将来のデータ増大に対して無制限に拡張できる

効率的な Cloud-in-a-rack 設計


• 典型的なシステムを完全に備えた病院に対する、約 100 台の仮想マシン（VM）と

150 TB のソフトウェア・ディファインド・スト

レージの初期サポート

• 複数ベンダーの異なるストレージ環境に対して運用管理性とサポートを備えたセ

ルフサービス・ストレージ仮想化

• 広く使われているインテル® アー

キテクチャ (IA) 技術がベース

• 高いコスト効率

ソリューションアーキテクチャ

ProphetStor の cloud-in-a-rack ソリューショ

ンにより、業界をリードするオープンソース・クラ

ウドコンピューティングのプラットフォームであ

る OpenStack、そして OpenStack を統合したソ

フトウェア・ディファインド・ストレージである

Federator SDS をフルに活用します。

これにより、標準的な AI ハードウェアだけを利

用した、コスト効率が高い方法でソフトウェア・

ディファインド・データセンターを構築する完全

なソリューションを医療機関に提供できます。

このソリューションアーキテクチャは、

OpenStackの基本的なブロック・ストレー

ジ・サービスである Cinder*を強化して、先端的

な管理機能や他の洗練されたデータサービスの

ホストの併用で Cinder*をさらに充実させます。

この完成度が高く全てを備えたクラウドストレージ

環境は、異なるレガシー・ストレージインフラストラ

クチャへの接続が可能になったこと、また標準ハ

ードウェアを用いた比例的なスケールアウトによ

り、将来のデータ増加に対応できます。

Federator SDS はポリシーベースのストレージ・オ

ーケストレーション・システムであり、ベンダーに

は依存せず、基盤となるストレージハードウェア

を完全に抽象化します。そのため、OPS や RAID

レベルのような機能を IT管理者が自ら作成可能

になります。

図 1- システムアーキテクチャーの概要


OpenStack は、オープン・クラウドプラットフォ

ームの一種で、データセンターのあらゆる場

所に存在するコンピューティング、ストレー

ジ、ネットワーキングなどで構成する膨大なプ

ールを管理します。IT管理者は、ダッシュボ

ードを経由してすべての管理を行い、ウェブ

インターフェース経由でユーザに権限を与え

てリソースを供給します。

OpenStack は、VMware*、Xen*、kernel-

based virtual machine (KVM)などの普及して

いるすべてのハイパーバイザーをサポート

しています。 2010 年に登場して以来、

Comcast*、Sony*、Disney*、eBay*、Wells

Fargo*、AT&T*など様々な企業が

OpenStack を利用してアプリケーションの導

入を図っておりフレームワークとして全面に

サポートしています。3

OpenStack が実行可能なクラウドの代替案で

あるという認識が IT業界のリーダー達の間で

深まるにつれて、今後も大規模なデプロイに

利用される傾向は続くでしょう。4

3 Taking Stock of OpenStack’s Rapid Growth

4 What’s driving OpenStack’s rise as a viable cloud alternative?

ProphetStor Federator SDS ソリューション

ProphetStor Federator SDS は、ソフトウェ

ア・ディファインド・ストレージ・プラットフォ

ームです。このプラットフォームは、設定不

要ですぐに利用できるストレージ管理シス

テムと豊富なデータサービス一式を提供し

ます。ストレージ・コントローラである

Federatorは SDS の主要部分であり、異業

種ベンダーのシステムと汎用ハードウェア

の壁を越えてストレージの管理・監視をしま

す。Federatorは異なる特性の物理ストレ

ージから成る複数プールを自動的に利用

可能にして仮想化ストレージプールへ抽象

化します。これにより、データストレージ、

アクセス、マイグレーション、管理機能が一

体的に機能します。

ProphetStor Federator SDS は、オープ

ン HTTP REST API を利用してプログラ

ム的にストレージインフラストラクチャを

管理・アクセスします。ストレージサービ

スはアプリケーションポリシーに従って

図 2 - 制御パスとデータパス

動的に構成されます。ユーザは基盤とな

るハードウェア実装に関する詳細な知識

がなくても利用可能です。

Federator は分離されたコントロールパスで

ストレージシステムと通信を行います。その

一方でアプリケーションは iSCSIまたはファ

イバチャネルのデータパスで割り当てられ

たストレージにアクセスします。

http://superuser.openstack.org/articles/taking-stock-of-openstack-s-rapid-growth

http://www.computerweekly.com/news/2240230417/Whats-driving-OpenStacks-rise-as-a-viable-cloud-alternative


このアーキテクチャにより、コントロールプレー

ンでの事象発生によるデータ操作への割り込

みは最小限になります。また、インテリジェン

ト・リソース・スケジューラが自動的かつ瞬時に

ストレージを構成します。インテリジェント・リソ

ーススケジューラは、ストレージプールを自動

的に選択・監視して、サービス品質保証、SLA

などの容量や性能要件を満たします。

Federator は、アプリケーションやエンドユー

ザとオープンな標準 HTTP REST API を利用

して通信するので、OpenStack と他のサード

パーティのクラウドコンピューティングやビック

データ環境との統合が容易にできます。

Federator は、OpenStack環境で使用すると

Cinder (OpenStack の基本的なストレージ)を

強化し、高性能な管理機能とその他洗練され

たデータサービスとの併用で Cinder の機能

を高めます。これにより、完成度が高く、全て

を備えたクラウドストレージ環境を構築でき、

異機種のレガシー・ストレージ・インフラストラ

クチャーとの接続が可能になります。さらに、

コモディティー・ハードウェアを用いた比例的

なスケールアウトで将来のデータ増大に備え

ることができます。

5 Statistical time division multiplexing

トラフィック・モデリング・モジュール

予算の制約がなければ、企業は I/O要求

の高いアプリケーションのほとんどにオール

SSD を採用したストレージインフラストラクチ

ャを導入するでしょう。しかし、残念ながら

大部分の企業は増え続ける IT予算のプレ

ッシャーに直面しています。その結果、ほと

んどの企業はストレージにおける統計的多

重化(statistical multiplexing)に相当する措

置が必要になります。

一般的な企業環境では、特定のアプリケー

ションのストレージ使用が昼と夜、あるいは

一週間を通して一定であることはほとんどあ

りません。むしろ各アプリケーションが必要

とするストレージは、一日の時間帯により大

きく異なります。

アプリケーションが時間帯によって必要とす

るストレージの帯域幅が異なるだけではな

く、アプリケーションの優先レベルにもばらつ

きがあります。下図に例示した 2 つアプリケ

ーションの入出力のトラフィックパターンをご

覧ください。端的に言えば、ピーク期間中

に大容量なソリッドステートドライブ(solid-

state drive: SSD) のキャッシュ空き容量を

App 1 のストレージに割り当て、App 2 に割り

当てられた SSD をオフ時間に解放するように

ストレージ・ハイパーバイザーを設定できます。

共有するハードウェア・リソースの固定プー

ルを奪い合うアプリケーションが 2 つではな

く数多く存在する環境を想像してください。

IT管理者がすべての入出力パターンを解

析し、システム全体のパフォーマンスを最適

化するストレージ構成を手動で即時に調整

するのは不可能です。

Federator に組み込まれたトラフィック・モデ

リング・モジュール (TMM) はリソースプール

レベルで入出力トラフィックのパターンを監

視します。 TMM は先端的な人工ニューラ

ルネットワークとファジーロジックアルゴリズム

を採用し、短期間(応答性)と長期間(予測性)

のストレージリソース管理を提供します。生

成された構成は、マルチテナントやマルチワ

ークロード環境において、ハイブリッド・ストレ

ージシステム (SSD キャッシュを備えたハー

ドディスク)の最適化に特に適しています。

図 3 - ２種類の仮想的なソフトウェアアプリケーションの平日の I/O トラフィックパターン

https://en.wikipedia.org/wiki/Statistical_time_division_multiplexing


ストレージ・ハイパーバイザーと柔軟なリ

ソース・コントロール

ProphetStor の Federator SDSに必要不可

欠な ProphetStor Flexvisor は、内蔵型のス

トレージ・ハイパーバイザーで、特に TMM

の柔軟なリソース・コントロールがもつ特性に

よる、即応力がありかつ予測的なストレージ

構成を実現するために開発されました。

Flexvisor は、標準的なハードウェアをエンタ

ープライズ級の機能を持つストレージサー

バへと変えることができ、以下の機能を併せ持っています。

• プールストレージ（前もってストレージ容量を決めておく必要がない）

• リダイレクト・オン・ライト(redirect on write)

（データの一貫性を保証）

• チェックサム（データの完全性チェックと自己修復が可能）

• 高速なスナップショット

• 書き込み可能なスナップショット

• スナップショットのロールバック

• リモートレプリケーション

• スナップショットからのボリューム作成

• ボリューム・コンシステンシー・グループ

ERCによって、Flexvisor はサーバ側にイン

ストールされた SSD をフル活用し、特定のア

プリケーションのために予測したトラフィック

パターンに基づいてストレージの I/O スル

ープットを動的に変更します。「ホット」なデ

ータを選択して SSD に保持しておくことでラ

ンダムリードを向上させることができ、その一

方で、ハードディスクに書き込まれる前にラ

ンダムな書き込みは常に保持（キャッシュ）さ

れ、シリアライズされます。

一般的に ERCは標準的である非ソリッドス

テートディスクの場合と比べると、以下の表

とグラフで図示されているように、典型的な

ワークロードにおいて 50%の読み込みパフ

ォーマンス向上、45%の書き込みパフォーマ

ンス向上を実現できます。

キャッシュの管理ランダムリード読み込み向上ランダムライト書き込み向上

キャッシュなし 17,691KB/s − 19,455KB/s −

固定キャッシュ（2 プール, それぞれ読み込

み用 8GB、書き込み用 8GB） 20,579KB/s 14% 28,963KB/s 33%

ERCにより調整されたキャッシュ(32GB) 36,739KB/s 52% 35,437KB/s 45%

* ランダムリードは 32 ジョブ、1 MBのブロック、32 GBのファイルで検証。ランダムライトは 32 ジョブ、1 MB のブロック、500 GBのファイルで検証

表 4 - 標準的な非 SSDディスクにおける、Flexvisorの ERCによるランダムリードとランダムライトのパフォーマンス向上

図 5 - ランダムリードの帯域幅（表 4を参照）


ソリューションの主要な機能とメリット

ラック内に完全なクラウド環境を構築するよ

うに事前設計されたソリューション

• 自動化し、統合されたシステムが PXE

（Pre-boot Execution Environment）経由

で、OpenStack と Federator SDS（ストレ

ージ・コントローラとハイパーバイザー）を

標準的なハードウェア上に導入すること

で自動化された統合システム

• （GUI ダッシュボードによる）仮想マシ

ン（VM）とストレージ両方に対するセ

ルフサービスプロビジョニング

• レガシーとスタンダード、両方のストレージシステムをサポートする、自動ストレ

ージオーケストレーション

• データムーバー、データ移行、トラフィック・モデリング、イラスティックリソースコ

ントロール、コピー管理や災害復旧など

の、機能豊富でエンタープライズ級の

データサービス

• 費用効果

» ハードウェアとソフトウェアの初

期取得

» 導入

» 管理とメンテナンス

ハードウェア構成

このソリューションのハードウェア構成は、

Open Compute Project（OCP）標準にヒント

を得た AIC Smart Rackアーキテクチャに

基づいています。資本と運用経費を最小限

に抑えるように設計された AIC Smart Rack

は、簡潔さ、エネルギー効率と冷却効率、

高密度性、サービス性、スケーラビリティ

そして管理などの、データセンター特有の

問題に対処します。電源集中管理バンク、

ファンウォールデザインそしてパワーキャッ

ピング機構は、AIC Smart Rackがラックに

マウントされたそれぞれのサーバに必要な

電力を効率的に送るための重要な機能のう

ちの一つです。

個々のサーバは、ワークロードに応じて以

下の AIC ラックマウントアーキテクチャから

選択されました。

1. デュアルノードのコンピュート: Intel®

Xeon® E5-2600 v2または v3ファミリー

プロセッサーによる 1Uのデュアルノー

ドパッケージそれぞれのノードは冗長

化されており、容易に整備できるように

ホットスワップが可能

2. シングルノードストレージ: Intel Xeon E5

2600 v2または v3ファミリープロセッサー

による 1Uのシングルノードパッケージツ

ールを必要としない設計（特許出願中）

により、8 つのホットスワップ可能なドライ

ブベイ全てへ簡単にアクセス可能

図 6 - ランダムライトの帯域幅（表 4を参照）


10 GbE スイッチ

Edge-core* ECS5610-52S

• 10 GbE または 1 GbEをサポートする

48 個の 10 Gigabit SFP+ポート

• それぞれ 40 GbE をサポートする

4 個の QSFP+ポート

OpenStack Horizon*と Nova*サーバ

AIC 1S-HV26-08 1U

コンピュート・デュアルノード

• Intel Xeon E5-2620 v2 × 2

• DDR3 RDIMM 16G × 4

• 500GB 2.5” 7200RPM HDD × 2

• Intel® 10GbE 82599ES デュアルポート

NIC

OpenStack Cinder*と Neutron*サーバ

AIC 1S-HV26-08 1U


• Intel Xeon E5-2620 v2 ×1


• 500G 2.5” 7200RPM HDD × 2

• Intel 10 GbE 82599EN シングルポート

NIC x1

クラウド・デプロイと SDS コントローラサーバ

AIC 1S-HV26-08 1U




• 500G 2.5” 7200RPM HDD × 2

• Intel 10GbE 82599EN シングルポート NIC × 1

Federator SDS Flexvisor

ストレージサーバ

AIC 1S-HV26-08 1U

ストレージシングルノード



• 1.2TB Intel SSD DC S3710 × 2

• 4TB 3.5” HDD × 6

• Intel 10 GbE 82599E5 デュアルポート

NIC x 1

図 7 - ハードウェア構成

クラウド全域に対して、クラウド・デプロイ・サーバが 1 台と、SDS コントローラ（Federator）サーバが 1 台のみ必要です。同じネットワー

クに、コンピュートとストレージサーバを搭載したラックを増やせばスケールアウトできますが、すべてのラックにクラウド・デプロイと SDS

コントローラサーバを実装することは必須ではありません。CPU と RAM リソースの使用の最適化を保証するためには、SDS コントロー

ラ・ノードが、全ラック中のすべてのコンピュートノードを分析できるよう設計することが重要です。


ネットワークトポロジー

すべてのデプロイと管理用ネットワークは、仮想マシンとストレージネットワークから分離されるようにすることが重要です。これにより、コントロ

ールプレーンのイベントがデータプレーンのアクティビティに干渉しないことを保証できます。また、その逆も同様です。

図 8 - パブリックネットワーク、ストレージ、管理のネットワークトポロジー


導入

ProphetStor Storage Cloud Builder

（Builder）は、Mirantis*が開発した、オープ

ンソースの OpenStack導入ツールである

FUEL*のカスタムディストリビューションで

す。物理サーバの BIOS と NICが Pre-

Boot Execution Environment（PXE）をサポ

ートしている限り Builder は Federator SDS

コントローラ、Flexvisor ストレージ・ハイパー

バイザー、そして他のすべての主要な

OpenStack コンポーネントを、どの Intelベ

ースのベアメタルサーバにも導入することが

できます。導入作業完了後は、デプロイ・サ

ーバはラックから取り外すことが可能です。

しかしながら、ラックへの新規サーバ追加や

既存サーバの廃止といった管理を将来的

に柔軟に行うため、このサーバはラック内の

継続設置を推奨します。

図 9 — ProphetStor Federator ノード配置ソフトウェア設定画面


優れた拡張性と将来性の保証

多くの医療機関が、コスト削減と機敏な対

応、生産性向上を目的としてクラウド技術を

擁していますが、クラウドへの移行は常に容

易なわけではありません。ProphetStor の医

療・ヘルスケア向け Cloud-in-a-rack は、医

療機関のレガシーな IT環境にクラウドコン

ピューティングを導入するためのモジュラー

型ソリューションを提供します。

将来的にクラウドのニーズが増えた際には、

コンピュートとストレージのリソースをラックご

とに設定を変えることで、それぞれ独立して

拡張できます。

Federator SDS は、レガシーなストレージシ

ステムから新しいソフトウェア・ディファインド

のクラウド環境へと、シームレスなデータ移

行を可能にするために必要なツールをすべ

て提供します。

このアーキテクチャにより、組織はまずサンド

ボックスを作成してコンセプトを実証し、ミッ

ションクリティカルでないアプリケーションをク

ラウドへと移行して、時間とともに拡張してく

ことができます。導入が組織に信用される

と、ラックを追加してより多くのアプリケーショ

ンを収容でき、稼働サーバへのインパクトは

最小限にしつつ、ワークロードをクラウドへと

移行できます。

図 10 – システムのコンピュートとストレージのスケーラビリティ


結果

このリファレンスアーキテクチャの構成を

使って、ある使用事例のワークロードの要

求を満たすラックのサンプルを組み立てま

した。サンプルでは、100 の仮想マシン

（VM）が 150 TB のソフトウェア・ディファイ

ンド・ストレージの共有プールにアクセスし

ます。サンプルのラックは、実際の中～大

規模の医療施設に配置され、彼らのニー

ズを予測したうえで、それを満たすことの

できる数のワークロードターゲットが選択さ

れました。

2GHz CPU を 4 基搭載した典型的な仮想

マシン（VM）で CPU の平均使用率が 12%

であることを考慮すると、100 の仮想マシン

（VM）をサポートするためには、合計で 96

GHzの CPU 能力が必要です。Nova サー

バはそれぞれ 6 コアの Intel Xeon E52620

v2 プロセッサーを 2 基搭載し、CPU の使

用率は最大で 80%ですので、CPU の要求

の合計 96 GHzをカバーするには、ホスト

が 5 台必要です。

このサンプルの Cloud-in-a-rack システムに

インストールされたサーバは以下の通りで

す。バックアップ用として、Nova ノードがもう

一つ追加されています。

サーバタイプ数量 CPU RAM HDD SSD NIC

スイッチ

1 - - - - 48 ポート 10GbE

Horizon

1 2 64G 500G ミラー - デュアル 10GbE

Cinder + Neutron

1 1 16G 500G ミラー - 10GbE

Nova

6 2 64G 500G ミラー - デュアル 10GbE

Federator

1 1 16G 500G ミラー - 10GbE

デプロイ

1 1 16G 500G ミラー - 10GbE

Flexvisor

10 1 16G 16T RAID5 + ホットスペア 1.2T ミラーデュアル 10GbE

表 11 — システム内の特定機能別サーバ・コンポーネント


この 10 個の Flexvisor ストレージノードか

らなるサンプル実装例では、RAIDで保護

された 10 個のプールにある 160 TB のソ

フトウェア・ディファインド・ストレージが利

用可能です。Federator の直観的に操作

できる GUI を使って、IT管理者はすべて

の導入済みディスクを見つけることがで

き、また数分で共有ストレージプールに設

定することが可能です。

それぞれのプールは読み書きキャッシュの

1.2 TB ミラーSSD により高速化され、

Federator のトラフィック・モデリング・モジュ

ールと Flexvisor の柔軟なリソース・コントロ

ールにより管理されます。ストレージプール

はエンドユーザにグループ化されて提供さ

れます。この例では、10 プールすべてが

ERCによりキャッシュが有効になるように個

別に自動的に調整され、合計 160 TB のスト

レージが一度にまとめて提供されています。

SDS のコントローラである Federator は

Cinder に完全に統合され、Horizon のダッ

シュボード経由で、OpenStackの各仮想マ

シン（VM）に対して、容量にして 16エクサ

バイト（EB）までのボリュームを 30 秒以内に

直接提供し、接続できます。

図 12 — ストレージプール作成ソフトウェア画面


おわりに

HIMSS によると、プライベートクラウドは医

療・ヘルスケア業界にとってますます魅力的

になっています。6 オープンソースのクラウド

プラットフォームを活用し、最先端のソフトウ

ェア・ディファインド・ストレージ技術によって

ワークロードを仮想的なインフラに柔軟に統

合すれば、医療機関はサービスのレベルと

エンドユーザの満足度を向上させつつ、IT

管理コストを著しく削減できます。しかしなが

ら、クラウドの採用が競争上の利益をもたら

すにもかかわらず、既存のレガシーIT環境

にプライベートクラウドを導入するのは困難

な挑戦です。

ProphetStor の医療・ヘルスケア向け Cloud-

in-a-rack ソリューションは、コンピュート、ネッ

トワーキング、ストレージリソースを 1 つの独

立型のユニットに組み合わせ、完全に統合さ

れたプラットフォームを提供します。モジュー

ルアプローチと完全に自動化されたサービス

の実装により、このソリューションはいかなる

既存 IT 環境にも素早く容易に導入すること

ができます。 Federator SDS により、新しいス

ケールアウトストレージと既存のレガシーアレ

イの両方を、単一ダッシュボードで管理できま

す。 Federator のデータサービス機能を使う

と、アプリケーションを一つずつ、新しいクラウ

ド環境にワークロード移行できます。結果とし

て医療機関は、組織にとって最適なスピード

と予算で、拡張可能なプライベートクラウドの

構築を始めることが可能になります。

6 医療情報管理システム学会（HIMSS:Healthcare Information and. Management System Society）の子会社である HIMSS Analytics 社の 2014 年度のクラウド調査


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めにのみ提供されます。詳細につきましては、www.prophetstor.com をご参照いただくか、当該ソフトウェアプロバイダーにお問い合わせください。

Δ インテルのプロセッサー番号は性能基準ではありません。プロセッサー番号は、各プロセッサー群の中における機能を区分するものであり、異なるプロセッサー群間での機能を区分するものではありません。詳細につきましては、www.intel.com/products/processor をご参照ください。

この書類（以下「本書」といいます）に記載の情報は、インテル製品に関連して定めたものです。本書は、当該製品に関してインテルの販売条件で定めた場合を除き、明示的であれ黙示的であれ、禁反言によるか否かを問わず、いかなる知的財産権に対するライセンスも付与するものではありません。インテル製品の販売および／または使用に関して、インテルはいかなる責任も負わず、明示的または黙示的ないかなる保証も否認します（インテル製品の特定目的適合性、商品性、特許権・著作権・その他の知的財産権の侵害に関する責任および保証の否認を含みます）。インテルが別途書面で同意する場合を除き、インテル製品は、その不具合が人身傷害または人の死を引き起こす状況を作り出す可能性のあるアプリケーションのために設計・意図されたものではありません。

「ミッション・クリティカル・アプリケーション（Mission Critical Application）」とは、その中でインテル製品の不具合が直接的または間接的に人身傷害または人の死をもたらす可能性のあるすべてのアプリケーションを意味します。お客様が当該アプリケーションのためにインテル製品を購入または使用される場合には、お客様は、いかなる形であれ、当該アプリケーションに起因する製造物責任・人身傷害・人の死に関する請求から直接的または間接的に生じたすべての請求コスト・損害賠償・費用・合理的な弁護士費用に対して、インテル製品または当該製品の部品の設計・製造・警告表示についてインテルまたはその下請業者に過失があったか否かにかかわらず、インテルおよびその子会社・下請業者・関連会社ならびにそれら各々の取締役・役員・従業員を補償し、彼らに何ら損害を与えないものとします。

* 本書に記載された IBM ならびにその他の名称およびブランドは、識別目的のためにのみ記載されており、それらは各所有者の所有物です。

本書を使用することにより、お客様とインテルとの間のすべての合意に加えて、お客様は、以下で定めた条件を承諾するものとします。

お客様は、本書に記載されたインテル製品に関するいかなる侵害またはその他の法的分析に関連しても、本書を使用することもその使用を促進することもできません。お客様はインテルに対し、本書で開示された主

題事項を含む今後起案されるすべての特許請求に対して、非独占的かつ使用料無しのライセンスを付与することに同意するものとします。

インテルは、予告なくいつでも、製品の仕様および説明を変更する場合があります。設計者は、「留保」または「未定義」と記された機能の特性または命令が無いことまたはそれらの特性を信頼してはいけませ

ん。インテルは、これらの機能または命令を将来定義するために留保しています。インテルは、当該機能または命令に対する将来の変更に起因して生じる不一致や不適合に関して、いかなる責任も負わないものとします。本書に記載の情報は、予告なく変更される場合があります。当該情報に基づいて設計を最終的に仕上げないでください。

本書に記載の製品には、公開された製品仕様への不適合を引き起こす可能性のある「エラッタ（errata）」として知られる設計上の欠陥またはエラーが含まれる場合があります。現在の特徴的なエラッタに関する情報は、

お客様からのご依頼があればご提供可能です。

製品のご注文前に最新仕様に関する情報をご希望の場合には、お客様のお近くのインテルの営業所または販売代理店にお問い合わせください。

本書で言及された注文番号付きの書類やその他のインテルの資料につきましては、1-800-548-4725 宛てにお電話でお問い合わせいただくか、または、http://www.intel.com/design/literature.htm をご参照ください。

インテル（Intel）、インテルのロゴ、および、ジーオン（Xeon）は、アメリカ合衆国およびその他の国々におけるインテル株式会社の商標です。

免責条項

インテルの技術の機能および便益はシステム構成に依存しており、使用可能なハードウェア・ソフトウェア・サービスの稼働が必要な場合があります。性能はシステム構成により変化します。いかなるコンピュータシステムも完全に安全ではあり得ません。お客様のシステムの製造者もしくは小売業者にご確認いただくか、または、intel.com で詳細情報をご参照ください。

性能試験で使用されるソフトウェアおよび作業負荷は、インテルのマイクロプロセッサー上での性能のためにのみ最適化されている場合があります。

「SYSmark」や「MobileMark」のような性能試験は、特定のコンピュータシステム、コンポーネント、ソフトウェア、操作、機能を使用して測定されます。これらの要素のいずれかの変更により、結果が変化する場合がありま

す。お客様は、購入予定製品の十分な評価に役立てるために、その他の情報および性能試験（他の製品と組み合わせた場合の当該製品の性能を含みます）を参考にしてください。詳細につきましては、

http://www.intel.com/performance をご参照ください。

著作権 © 2015 インテル株式会社。無断複写・複製・転載を禁じます。インテル（Intel）、インテルのロゴ、ジーオン（Xeon）、ジーオン・インサイド（Xeon inside）、および、Intelligent Power Node Manager は、アメリカ合衆

国およびその他の国々におけるインテル株式会社の商標です。※その他の名称およびブランドは、第三者の所有物として主張される場合があります。

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