触感のシグナルを活かすweb-cache.stream.ne.jp/...液晶保護シート 2.99 0.2 0.5 0.8 0.7 0.5 スマートフォン 2.65 0.0 0.5 0.8 0.1 1.0 タブレット端末 2.55

触感のシグナルを活かすマーケティング

～消費者の接触ニーズと購買意向～

関西大学商学部

川上ゼミ

NFT48

3

松尾香菜子星山千晶下井章史西垣詩織堀井祐作

1. 経験価値マーケティングの重要性

2. 触感と購買に関する先行研究

3. リサーチクエスチョンの提示

4. 製品カテゴリー選択と仮説検証

5. 学術的・実践的示唆と店舗調査

目次

4 6. 本研究の今後の展開

１．経験価値マーケティングの重要性

5

伝統的マーケティング

機能的特性・便益を重視 Bernd H. Schmitt

経験価値マーケティング

感覚的・情緒的経験価値など消費者の感性を重視

出所）バーンド・H・シュミット(2011)『経験価値マーケティング』ダイヤモンド社。

１．経験価値マーケティングの例

6

花王のバブ《入浴剤》

1983年バブ発売（肉体疲労除去）

2013年バブチーノ（ワクワク新感覚）

クリーミーな泡やラベンダーの匂いなど触感や香りで感覚を刺激し、

ワクワク感を演出する。

肉体の疲労除去、心身の疲れを癒すなどの機能的便益を重視。

出所）花王『バブチーノ』http://www.kao.co.jp/bub/bubccino/ (2013/11/02取得)

7

経験価値マーケティング

感覚的・情緒的経験価値など消費者の感性を重視

触感の重要性に注目！出所）バーンド・H・シュミット(2011)『経験価値マーケティング』ダイヤモンド社。

１．経験価値マーケティングの重要性






目次


接触ニーズ (Need for Touch: NFT) 製品に触りたいという欲求

Joann Peck and Terry L. Childers

(2003), “Individual Differences in

Haptic Information Processing:

The "Need for Touch" Scale” Journal

of Consumer Research, 30(3), 430-442.


9


10

高い低い

接触ニーズ(NFT)：製品に触りたいという欲求

出所）Peck and Childers (2003)

接触可能接触不可能


11

【被験者】199名【対象製品】携帯電話・セーター

接触ニーズの高低で比較



接触ニーズ

接触ニーズ

12

高い

低い

製品への信頼度

接触が重要なのは接触ニーズの高い人のみ


感性接触ニーズ情報接触ニーズ純粋に製品に触りたい

感性的・感覚的


13

製品評価が目的

情報を得るために触りたい


感性接触ニーズ純粋に製品に触りたい

感性的・感覚的


14


・商品に触るのは楽しい。

・店内であれこれ商品を

見ながら、たくさんの商品に

触ることが好きだ。

・店内を歩いていると、

あらゆる商品を触らずに

いられない。他計6項目






目次


3. リサーチクエスチョン

16

触感は購買意向にどのように影響するのか接触ニーズ(NFT)による違いはあるのか

先行研究本研究

異なる製品カテゴリー






目次


男性 38.6% 女性

61.4%

10代 22%

20代 50%

学生 62.8%

会社員 18.0%

主婦 13.2%

その他 5.9%

性別

職業

＜調査概要＞期間 : 2013年6月20日～30日回答: 消費者（N=470）場所: 関西大学 AEONショッピングモール（茨木店・北千里店）

18

年代


19


革のカバン

スマートフォンカバー

ポケットティッシュ

マスク

液晶保護シート

スマートフォン

タブレット端末

ノートPC

3.57 3.32 3.25 3.05

2.99 2.65 2.55 1.15


20

触感重要度を尋ねる質問票調査の結果

注）触感重要度はリッカート5点尺度(Ｎ=470)

素材の種類

接触範囲

接触頻度

機能性消費期間

多い広い多い低い長い

少ない狭い少ない高い短い


21

(1)

(0)

触感重要度に影響する５つの要因

製品名触感重要度

素材種類

接触範囲

接触頻度

機能性

消費期間

革のカバン 3.57 0.9 0.4 0.6 0.7 0.9

スマホカバー 3.32 0.9 0.5 1.0 0.8 0.8

ティッシュ 3.25 0.3 0.8 0.6 1.0 0.0

マスク 3.05 0.1 1.0 0.7 0.8 0.1

液晶保護シート 2.99 0.2 0.5 0.8 0.7 0.5

スマートフォン 2.65 0.0 0.5 0.8 0.1 1.0

タブレット端末 2.55 0.0 0.0 0.3 0.0 0.9

ノートPC 1.15 0.0 0.2 0.4 0.0 0.9


22 注）触感重要度はリッカート5点尺度(Ｎ=470)、他の5要因は(1,0)で評価した平均値(N=11)。


23

接触ニーズ高い接触ニーズ低い

触感は購買意向にどのように影響するのか接触ニーズ(NFT)による違いはあるのか

リサーチクエスチョン

製品を購入する際触感を確かめる (1)

商品のデザイン性は重要だ他 (3)

ユーザー評価やランキングの情報を参考にする他 (3)


24

触感確認度

デザイン志向

クチコミ志向

購買意向

概念モデルと測定項目

性別

感性接触ニーズの個人差

触感確認度は購買意向に正の影響を与える

感性接触ニーズの個人差によって購買意向に影響する要因は異なる

a）感性接触ニーズの高い人の場合、触感確認度の影響が強い

b）感性接触ニーズの低い人の場合、触感確認度以外の要因の影響が強い


仮説1

仮説2

25

革のカバンスマホカバー

感性接触ニーズ高

(N=242) 低

(N=206) 高

(N=226) 低

(N=202) 触感確認度 .28* .24* .19* .14*

デザイン志向 .17* .23* .19* .25*

クチコミ志向 n.s. .18* n.s. .21*

性別 n.s. n.s. n.s. n.s.

決定係数(R²) .13* .15* .11* .19*

26


注) *p<0.05 n.s.=有意でない

購買意向を従属変数とする重回帰分析の結果

購買意向：これから3年以内にこの商品を購入したい




(N=242) 低

(N=206) 高

(N=226) 低

(N=202) 触感確認度 .28* .24* .19* .14*

デザイン志向 .17* .23* .19* .25*

クチコミ志向 n.s. .18* n.s. .21*


決定係数(R²) .13* .15* .11* .19*

27



購買意向：これから3年以内にこの商品を購入したい製品を問わず、触感確認度は購買意向に正の影響





(N=242) 低

(N=206) 高

(N=226) 低

(N=202) 触感確認度 .28* .24* .19* .14*

デザイン志向 .17* .23* .19* .25*

クチコミ志向 n.s. .18* n.s. .21*


決定係数(R²) .13* .15* .11* .19*

28



感性接触ニーズの高い人は触感確認度の影響が最も強い





(N=242) 低

(N=206) 高

(N=226) 低

(N=202) 触感確認度 .28* .24* .19* .14*

デザイン志向 .17* .23* .19* .25*

クチコミ志向 n.s. .18* n.s. .21*


決定係数(R²) .13* .15* .11* .19*

29

感性接触ニーズの低い人は、製品によって影響する要因が異なる







(N=242) 低

(N=206) 高

(N=226) 低

(N=202) 触感確認度 .28* .24* .19* .14*

デザイン志向 .17* .23* .19* .25*

クチコミ志向 n.s. .18* n.s. .21*


決定係数(R²) .13* .15* .11* .19*

30

感性接触ニーズの低い人は、クチコミの影響が強い




31

触感

触感高い

低い

重回帰分析結果まとめ

クチコミ

D

触感

クチコミ

デザイン

感性接触ニーズ

製品


触感確認度は購買意向に正の影響を与える

感性接触ニーズの個人差によって購買意向に影響する要因は異なる

a）感性接触ニーズの高い人の場合、触感確認度の影響が強い

b）感性接触ニーズの低い人の場合、触感確認度以外の要因の影響が強い


仮説1

仮説2

32

支持

一部支持






目次


アメリカ日本

セーター携帯電話他計4製品

革のカバンスマホカバー他計8製品

接触ニーズに個人差がある

他

・触感重要度に影響する5要因（例）素材の多さ・触感確認度以外の購買要因（例）クチコミ、デザイン志向


（1）学術的示唆

34

35

高い低い

感性接触ニーズに焦点を当てた店舗づくり

（2）実践的示唆


36


感性接触ニーズ高い

感性接触ニーズ低い

商品に気軽に触れるような売り場を展開


37


使いやすさ口が大きく開くので出し入れしやすい。

肌触り

革のしっとり感が私好み。

スペック中にポケットがいっぱいあって便利。

ユーザーレビューＫ子さん

店舗でも簡単に得られる充実したクチコミ情報を提供

レビュー件数：2432件


（3）店舗調査

38

期間： 2013年11月14日～16日

場所：LOFT （梅田店）

東急ハンズ（あべのキューズモール店）

スマホカバー専門店 SMART IT（あべのハルカス店）

カバン専門店quattro angoli（あべのキューズモール店）

目的：本研究の示唆の有用性を検討するため


触感

触れない 39

（3）店舗調査

触れる


触感を確認できる環境が整っている

40

（3）店舗調査

パッケージショーケースサンプル触感を確かめられる環境は整っていない


触感

41


（3）店舗調査

スマホカバー専門店SMART IT 副店長山下晴香さん

お客様からのご要望です。

サンプルを置いているほうが、触り心地などの特徴を確かめやすいようで、

売り上げに貢献しています。

Q. サンプルを置いている理由は何ですか？

消費者は触感を重視している

42

（3）店舗調査

クチコミ情報はどの店舗でも提供されていない

クチコミ情報



気軽に触れるようにする触れる環境を整える

クチコミを充実させ店舗でも提供


レビュー数：2432件

評価

何といっても重みや使ってみて装着するあまり影響なくいい

43

本研究の実践的示唆は有用である






目次


ネットショッピングにおける触感情報の重要性

6. 本研究の今後の展開

45

他の製品カテゴリーで検証他の購買要因で検証

¥

時代は触感マーケティングへ

参考文献 • Joann Peck and Terry L. Childers (2003) “To Have and to Hold: The Influence

of Haptic Information on Product Judgments” Journal of Marketing 67(2), 35-48.

• Joann Peck and Terry L. Childers (2003) “Individual Differences in Haptic Information Processing: The “Need for Touch” Scale,” Journal of Consumer Research 30(3), 430-442.

• Joann Peck and Jennifer Wiggins (2006) “It Just Feels Good: Customers' Affective Response to Touch and Its Influence on Persuasion” Journal of Marketing 70(4), 56-69.

• 仲谷正史，筧康明，白土寛和(2011)『触感をつくる』岩波書店

• バーンド・H・シュミット(2011)『経験価値マーケティング』ダイヤモンド社

• 博報堂生活総合研究所(1992)『五感の構造』

• 大畑慎治『五感視点の技術・製品開発の動向』

• 花王『バブチーノ』http://www.kao.co.jp/bub/bubccino/ (2013/11/2取得)

• 「今は体験を売る時代新しい観察法を身につけよ」『日経ビジネス』

2003年6月30日号 p.22 日経BP社（2013/11/14取得）

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ご清聴ありがとうございました

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Documents

触感のシグナルを活かすweb-cache.stream.ne.jp/...液晶保護シート 2.99 0.2 0.5 0.8 0.7 0.5 スマートフォン 2.65 0.0 0.5 0.8 0.1 1.0 タブレット端末 2.55