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第10期 全日教連モニター調査② 教職員の多忙化の改善 調査結果 全日本教職員連盟

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第10期 全日教連モニター調査②

教職員の多忙化の改善

調査結果

全日本教職員連盟

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第10期 全日教連モニター調査②

教職員の多忙化の改善についての調査結果

全日本教職員連盟

1 はじめに

先行実施が間近に迫った新しい学習指導要領では、理数科目や体育等の教科の内容・時間数の

増加、言語活動の充実、道徳教育の充実、小学校高学年からの外国語活動の導入等の新しい取組

が行われることになっている。教育現場では新しい学習指導要領の理念を理解し、対応すること

が求められる。しかし、平成 18 年度に文部科学省委嘱調査として行われた教員勤務実態調査や意

識調査によると、実際に教育活動に携わる教職員は以前に比べ、厳しい勤務条件の中で多忙化し

ている現状が浮き彫りになった。児童生徒や保護者・地域との関わりの中で悩みを抱え、精神的

に大きなストレスを感じている教職員も増えてきている。しかし、その原因が具体的に解明され

ることもなく、これと言って有効な施策が打ち出されることもない。さらに、教職員に対して、

社会が見る目も厳しくなっている。数々の教職員の不祥事や大分県の教員採用試験における不正

等がマスコミを賑わせ、その傾向は強くなるばかりである。このような状況の中で、新しい学習

指導要領が実施されると、現場はさらに多忙になり、疲弊していくと考えられる。文部科学省は

平成 21 年度予算の概算要求の中で、新しい指導要領の円滑な実施のために 11,500 人の非常勤講

師の配置を求めているが、厳しい財政状況から、地域による格差がさらに広がることも十分に考

えられる。 全日教連は、山積する教育現場の課題を解決し、新しい教育を進めていくために、まず教職員

が本来の役割である「子供と向き合う」ことに時間を割き、一人一人の児童生徒に対してきめ細

かな対応ができるようにすることが大切であると考えている。そのために、教職員の定数改善や

事務処理の軽減等を関係諸機関に要望している。 そこで今回、教職員の多忙化の原因と対策に関する全国調査を実施した。子供と向き合う時間

を確保するために、教職員の多忙化の原因を明らかにし、それらを改善するための有効な対策を

探る。また、全日教連として見解をまとめ、文部科学省をはじめ、関係諸機関に対して提言をし

ていきたいと考えている。 2 調査のねらい

教職員の多忙化の改善について、会員の意識を調査し、全日教連としての見解をまとめ、文部

科学省等への提言活動や各種研修会活動に生かすための資料とする。 3 調査の方法と期間

平成20年9月22日から10月6日までの間、全国32単位団体から推薦された全日教連モ

ニター600名を対象に調査を行った。

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4 回答者構成

回答者年齢構成

24.6% 45.9%2.1% 26.3%0.4%

0% 50% 100%

20代

30代

40代

50代

60代

回答者校種構成

56.6% 22.8% 16.4% 4.3%

0% 50% 100%

小学校

中学校

高等学校

その他

回答者職種構成

7.5% 6.4% 71.9% 3.9% 5.3% 2.8%2.1%

0% 50% 100%

校長

教頭

教諭

養護教諭

事務

栄養

その他

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5 調査結果分析

61.3%

51.7%

49.4%

34.2%

24.9%

13.8%

34.6%

8.6%

49.8%

26.8%

44.6%

23.4%

40.9%

39.0%

70.3%

7.8%

★網掛けは、分析の際注目した項目

タ その他

セ 調査報告書の作成

ソ 校務分掌に関わる業務

シ 同じ学年の担当やT・Tとの打合せ

ス 研究授業の事前研修会や勉強会、各種会議等、夜に開かれる会への出席

コ 時間外まで延びる職員会議や現職教育等の各種会議

サ PTAの会議への出席

ク 児童会、生徒会活動

ケ 学校行事の準備

カ 休み時間や放課後等の児童生徒とのふれあい

キ 課外活動や部活動の指導

オ 掲示物の張り替え等、教室の整備

エ 教育相談や家庭訪問等、児童生徒の問題行動への対応

ウ 学級だよりや学年だより等の作成

ア 教材研究、教材作り等の授業の準備

設問1 あなたが勤務時間外にしている業務(持ち帰りを含む)は主に何ですか                            (複数選択可)

全 体 傾 向

イ テストやノート、日記等の添削

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 不審者対策等で児童生徒の下校時刻が以前に比べて早くなっており、児童・生徒がいなければできないふれあいや、児童会・生徒会活動に関わることが、できにくくなっている現状がうかがえる。

・カ「休み時間や放課後等の児童生徒とのふれあい」やク「児童会・生徒会活動」を選んだ回答者の割合は低い。

 校務分掌に関わる業務は、同じ学校内でも軽重の差があると思われる。

 児童生徒に直接関わる業務が勤務時間内に終わらないという実態も浮き彫りになった。児童生徒が下校した後勤務時間終了までの間、これらの業務に従事する時間が確保されていないこと、1人が担当する児童・生徒の人数が多いこと等の原因が考えられる。

・ア「教材研究、教材作りなどの授業の準備」、イ「テストやノート、日記等の添削」を選んだ回答者は50%を超えている。

・ソ「校務分掌に関わる業務」を選んでいる回答者の割合が最も高い。

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

90.0%

100.0%

ア イ ウ エ オ カ キ ク ケ コ サ シ ス セ ソ タ

全体傾向

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64.8% 45.3% 71.7%

54.7% 46.9% 47.8%

63.5% 28.1% 30.4%

32.7% 29.7% 45.7%

34.6% 9.4% 13.0%

10.7% 14.1% 23.9%

11.3% 67.2% 69.6%

5.7% 15.6% 8.7%

53.5% 48.4% 39.1%

27.0% 28.1% 23.9%

50.9% 50.0% 15.2%

28.9% 12.5% 19.6%

45.9% 39.1% 26.1%

47.2% 34.4% 17.4%

72.3% 65.6% 69.6%

8.8% 6.3% 6.5%

★網掛けは、分析の際注目した項目

タ その他

セ 調査報告書の作成

ソ 校務分掌に関わる業務

シ 同じ学年の担当やT・Tとの打合せ

ス 研究授業の事前研修会や勉強会、各種会議等、夜に開かれる会への出席

コ 時間外まで延びる職員会議や現職教育等の各種会議

サ PTAの会議への出席

ク 児童会、生徒会活動

ケ 学校行事の準備

カ 休み時間や放課後等の児童生徒とのふれあい

キ 課外活動や部活動の指導

エ 教育相談や家庭訪問等、児童生徒の問題行動への対応

オ 掲示物の張り替え等、教室の整備

ウ 学級だよりや学年だより等の作成

小学校

イ テストやノート、日記等の添削

ア 教材研究、教材作り等の授業の準備

高等学校

設問1 あなたが勤務時間外にしている業務(持ち帰りを含む)は主に何ですか                            (複数選択可)

校 種 別 の 比 較

中学校

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 報告書の作成に従事する割合は校種によって大きな差が見られる。小学校に集中して多くの調査がなされている、授業の空き時間が少ない等の原因が考えられる。

 高等学校で、授業準備を行っている割合が高いのは、専門性の高さを物語っている。また、高等学校は校区が広範囲に亘るため、地域との密着度が他の校種と比べて低く、生徒の発達段階からもPTA活動自体があまり行われていないことが考えられる。

・中学校ではア「教材研究、教材作り等の授業の準備」を選んだ回答者の割合が他の校種と比べて低く、ク「児童会、生徒会活動」を選んでいる回答者の割合は他の校種と比べて高い。

・ケ「学校行事の準備」、ス「研究授業の事前研修会や勉強会、各種会議等、夜に開かれる会への出席」、セ「調査報告書の作成」を選んだ回答者の割合は、小→中→高の順でだんだん低くなっている。

 中学校では3つの校種の中で最も児童会活動・生徒会活動を行っている割合が高かったことから、特別活動が重視されていることが分かった。部活動を行っている時間に、時間の取れる担当がこれらの業務に従事していると思われる。

 小学校の教員と、中学校・高等学校の教員との最も大きな違いはやはり部活動である。中学校・高等学校の教員は、平日の時間外だけではなく、休日も部活動に従事している。

・小学校では、キ「課外活動や部活動の指導」を選んだ回答者の割合が、他の校種と比べて低く、ウ「学級だよりや学年だより等の作成」を選んだ回答者の割合が他の校種と比べて高い。

・高等学校では、サ「PTAの会議等への出席」を選んだ回答者の割合が、他の校種と比べて低く、ア「教材研究や教材作り等の授業の準備」を選んだ回答者の割合が他の校種と比べて高い。

0.0%

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校種別の比較

小学校 中学校 高等学校

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9.5% 38.9% 75.2% 9.1% 75.0% 6.7%

4.8% 33.3% 63.4% 9.1% 12.5% 6.7%

14.3% 16.7% 58.4% 45.5% 62.5% 0.0%

19.0% 22.2% 42.6% 18.2% 0.0% 0.0%

4.8% 22.2% 30.2% 18.2% 12.5% 0.0%

4.8% 11.1% 15.3% 18.2% 0.0% 6.7%

14.3% 27.8% 39.1% 27.3% 12.5% 0.0%

4.8% 5.6% 9.4% 18.2% 0.0% 0.0%

42.9% 55.6% 54.5% 36.4% 0.0% 33.3%

28.6% 22.2% 30.7% 9.1% 0.0% 26.7%

95.2% 72.2% 39.1% 36.4% 25.0% 13.3%

9.5% 5.6% 30.7% 0.0% 25.0% 0.0%

66.7% 33.3% 43.6% 18.2% 25.0% 6.7%

47.6% 61.1% 37.6% 27.3% 62.5% 26.7%

23.8% 72.2% 76.2% 63.6% 62.5% 73.3%

33.3% 5.6% 5.4% 0.0% 12.5% 6.7%タ その他

★濃い網掛けはそれぞれの職種の最高値を示した項目、薄い網掛けはそれぞれの職種の最小値を示した項目

セ 調査報告書の作成

ソ 校務分掌に関わる業務

シ 同じ学年の担当やT・Tとの打合せ

ス 研究授業の事前研修会や勉強会、各種会議等、夜に開かれる会への出席

コ 時間外まで延びる職員会議や現職教育等の各種会議

サ PTAの会議への出席

ク 児童会、生徒会活動

ケ 学校行事の準備

カ 休み時間や放課後等の児童生徒とのふれあい

キ 課外活動や部活動の指導

エ 教育相談や家庭訪問等、児童生徒の問題行動への対応

オ 掲示物の張り替え等、教室の整備

イ テストやノート、日記等の添削

ウ 学級だよりや学年だより等の作成

教諭 養護

ア 教材研究、教材作り等の授業の準備

教頭校長 栄養 事務

設問1 あなたが勤務時間外にしている業務(持ち帰りを含む)は主に何ですか                            (複数選択可)

職 種 別 の 比 較

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・養護教諭以外は、ク「児童会・生徒会活動」を選んだ回答者の割合が最も低い。

 各職種によって業務内容が違うので、傾向に違いが見られる。校長と学校栄養職員は校務分掌をあまり多く持っていないことや、授業が少ないため勤務時間内にそれらの業務に従事できていること等が、校務分掌に関わっている割合が最高値となっていない原因と考えられる。

 管理職がPTAの会議や地域行事等へ出席することは、多くの学校で慣例となっており、学校運営上必要なことだととらえられていることがうかがえる。

 栄養教諭・学校栄養職員が授業の準備に関わっている割合が高いことから、食育が重視され、各学校で積極的に食育が推進されていることがうかがえる。

・校長と栄養教諭・学校栄養職員以外は、ソ「校務分掌に関わる業務」を選んだ回答者の割合が最も高い。

・校長と教頭はサ「PTAの会議等への出席」を選んだ回答者の割合が最も高い。

・栄養教諭・学校栄養職員は、ア「教材研究や教材作り等の授業の準備」を選んだ回答者の割合が最も高い。

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10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

90.0%

100.0%

ア イ ウ エ オ カ キ ク ケ コ サ シ ス セ ソ タ

職種別の比較

校長 教頭 教諭 養護 栄養 事務

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83.3% 72.5% 65.1% 41.9%

83.3% 58.0% 58.1% 27.0%

83.3% 53.6% 56.6% 29.7%

16.7% 34.8% 41.1% 24.3%

16.7% 24.6% 34.1% 10.8%

50.0% 14.5% 13.2% 10.8%

66.7% 43.5% 35.7% 17.6%

16.7% 11.6% 8.5% 4.1%

66.7% 44.9% 56.6% 44.6%

33.3% 14.5% 33.3% 29.7%

0.0% 29.0% 44.2% 60.8%

16.7% 20.3% 31.0% 16.2%

83.3% 24.6% 42.6% 52.7%

33.3% 34.8% 41.9% 43.2%

100.0% 66.7% 75.2% 63.5%

0.0% 4.3% 7.0% 12.2%

ア 教材研究、教材作り等の授業の準備

ク 児童会、生徒会活動

キ 課外活動や部活動の指導

カ 休み時間や放課後等の児童生徒とのふれあい

オ 掲示物の張り替え等、教室の整備

エ 教育相談や家庭訪問等、児童生徒の問題行動への対応

ウ 学級だよりや学年だより等の作成

イ テストやノート、日記等の添削

タ その他

ソ 校務分掌に関わる業務

セ 調査報告書の作成

ス 研究授業の事前研修会や勉強会、各種会議等、夜に開かれる会への出席

設問1 あなたが勤務時間外にしている業務(持ち帰りを含む)は主に何ですか                            (複数選択可)

年齢別の比較

50代40代30代20代

シ 同じ学年の担当やT・Tとの打合せ

サ PTAの会議への出席

コ 時間外まで延びる職員会議や現職教育等の各種会議

ケ 学校行事の準備

★網掛けは分析の際注目した項目

Page 11: 教職員の多忙化の改善 調査結果ª¿査結果詳細.pdf第10期 全日教連モニター調査② 教職員の多忙化の改善についての調査結果 全日本教職員連盟

・20代の教員は、ア「教材研究、教材作り等の授業の準備」、イ「テストやノート、日記等の添削」、ウ「学級だよりや学年だよりの作成」、カ「休み時間や放課後等の児童生徒とのふれあい」、キ「課外活動や部活動の指導」、ス「研究授業の事前研修会や勉強会、各種会議等への出席」、ソ「校務分掌に関わる業務」を選んだ回答者の割合が他の年代に比べて高く、エ「教育相談や家庭訪問等、児童生徒の問題行動への対応」やサ「PTAの会議等への出席」を選んだ回答者が他の年代と比べて低い。

 会議等への出席は、中堅に任されることが多いことがうかがえる。40代の中には管理職になっている場合もあるので、この傾向が強くなっていることが考えられる。

・30代と40代の教員は概ね同じような傾向が見られるが、サ「PTAの会議等への出席」、ス「研究授業の事前研修会や勉強会、各種会議等、夜に開かれる会への出席」、ケ「学校行事の準備」を選んだ回答者の割合は、10ポイント以上30代の方が低い。

 授業準備や添削、各種たよりの作成、校務分掌等は経験を重ねるごとにそれにかける時間が短くなっていく、あるいは負担感が少なくなっていくことがうかがえる。

・50代以上は管理職になっている率が高く、学級事務に関わっている割合が低く、PTAの会議等に関わっている割合が高いなど、他の年代とは違った傾向が見られる。

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30.0%

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年齢別の比較

20代 30代 40代 50代

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設問2 教職員の実質の休憩時間が短くなっている主な原因は何だと思いますか。                                (複数選択可)

サ 児童生徒とのふれあい

コ 掲示物の貼り替え等、教室の環境整備

ク 学校行事の準備

キ 児童会・生徒会活動

カ 課外活動や部活動の準備

オ 学級だよりや学年だより等の作成

エ 同じ学年の担当やT・Tとの打合せ

ウ 次の授業の準備

イ テストやノート、日記等の添削

ケ 児童生徒の問題行動への対応

62.5%

46.5%

全 体 傾 向

ア 児童生徒への個別の学習指導

16.7%

19.0%

19.7%

24.9%

50.6%

38.3%

14.5%

56.9%

38.3%

シ 校務分掌に関わる業務

★網掛けは分析の際注目した項目

8.9%

64.3%

ス その他

Page 13: 教職員の多忙化の改善 調査結果ª¿査結果詳細.pdf第10期 全日教連モニター調査② 教職員の多忙化の改善についての調査結果 全日本教職員連盟

・シ「校務分掌に関わる業務」を選んだ回答者の割合が最も高く、設問1の時間外に行っている業務と同じ傾向が見られる。・イ「テストやノート、日記等の添削」、ウ「次の授業の準備」、ケ「児童生徒の問題行動への対応」も50%を超える回答者が選んでいる。

 校務分掌に関わる業務を選んだ回答者が多いことから、これらの業務に教職員が多くの時間を割いている現状が浮かび上がる。

 添削、授業準備は教師にとって本来の業務とも言えるものであり、負担感は少ないのではないかと思われる。児童生徒の問題行動への対応も本来の業務と言えるが、近年問題も多様化・複雑化しており、悩みの種の一つになっていることが予想される。

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全体傾向

Page 14: 教職員の多忙化の改善 調査結果ª¿査結果詳細.pdf第10期 全日教連モニター調査② 教職員の多忙化の改善についての調査結果 全日本教職員連盟

小学校 中学校 高等学校

56.6% 25.0% 41.3%

71.1% 56.3% 41.3%

52.2% 50.0% 45.7%

30.8% 23.4% 6.5%

21.4% 17.2% 17.4%

11.3% 31.3% 28.3%

18.2% 17.2% 10.9%

35.8% 46.9% 34.8%

58.5% 59.4% 47.8%

18.9% 12.5% 2.2%

42.8% 35.9% 26.1%

64.2% 64.1% 65.2%

10.1% 6.3% 8.7%

★網掛けは分析の際注目した項目

ス その他

シ 校務分掌に関わる業務

サ 児童生徒とのふれあい

コ 掲示物の貼り替え等、教室の環境整備

ケ 児童生徒の問題行動への対応

ク 学校行事の準備

キ 児童会・生徒会活動

カ 課外活動や部活動の準備

オ 学級だよりや学年だより等の作成

エ 同じ学年の担当やT・Tとの打合せ

ウ 次の授業の準備

イ テストやノート、日記等の添削

設問2 教職員の実質の休憩時間が短くなっている主な原因は何だと思いますか。                                (複数選択可)

校 種 別 の 比 較

ア 児童生徒への個別の学習指導

Page 15: 教職員の多忙化の改善 調査結果ª¿査結果詳細.pdf第10期 全日教連モニター調査② 教職員の多忙化の改善についての調査結果 全日本教職員連盟

・ア「児童生徒への個別の学習指導」、イ「テストやノート、日記等の添削」、カ「課外活動や部活動の準備」を選んでいる回答者の割合は、小学校と中学校・高等学校とで大きな差が見られる。

・小学校では、イ「テストやノート、日記等の添削」を選んでいる回答者の割合が最も高い。

・中学校、高等学校ではシ「校務分掌に関わる業務」を選んでいる回答者の割合が最も高い。

 学級担任制と教科担任制の違い、担当する授業の時間数や部活動の指導の有無等、小学校の特異性が傾向の違いの原因になっていると考えられる。

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校種別の比較

小学校 中学校 高等学校

Page 16: 教職員の多忙化の改善 調査結果ª¿査結果詳細.pdf第10期 全日教連モニター調査② 教職員の多忙化の改善についての調査結果 全日本教職員連盟

校長 教頭 教諭 養護 栄養 事務

66.7% 33.3% 52.0% 0.0% 12.5% 20.0%

85.7% 66.7% 67.8% 0.0% 12.5% 26.7%

61.9% 44.4% 58.4% 0.0% 25.0% 20.0%

47.6% 38.9% 24.8% 18.2% 25.0% 6.7%

42.9% 27.8% 21.3% 0.0% 0.0% 0.0%

23.8% 27.8% 20.3% 18.2% 0.0% 0.0%

28.6% 16.7% 16.8% 9.1% 0.0% 0.0%

71.4% 44.4% 37.6% 27.3% 25.0% 26.7%

47.6% 88.9% 58.9% 72.7% 25.0% 40.0%

19.0% 27.8% 17.3% 0.0% 0.0% 0.0%

57.1% 38.9% 39.1% 63.6% 37.5% 20.0%

61.9% 83.3% 65.8% 72.7% 50.0% 46.7%

0.0% 11.1% 8.9% 0.0% 25.0% 26.7%ス その他

シ 校務分掌に関わる業務

サ 児童生徒とのふれあい

コ 掲示物の貼り替え等、教室の環境整備

ケ 児童生徒の問題行動への対応

ク 学校行事の準備

キ 児童会・生徒会活動

カ 課外活動や部活動の準備

オ 学級だよりや学年だより等の作成

エ 同じ学年の担当やT・Tとの打合せ

ウ 次の授業の準備

イ テストやノート、日記等の添削

設問2 教職員の実質の休憩時間が短くなっている主な原因は何だと思いますか。                                (複数選択可)

職 種 別 の 比 較

ア 児童生徒への個別の学習指導

★濃い網掛けはそれぞれの職種の最高値を示した項目、薄い網掛けはそれぞれの職種の最小値を示した項目

Page 17: 教職員の多忙化の改善 調査結果ª¿査結果詳細.pdf第10期 全日教連モニター調査② 教職員の多忙化の改善についての調査結果 全日本教職員連盟

・校長と教諭はイ「テストやノート、日記等の添削」を選んだ回答者の割合が最も高い。

・教頭と養護教諭はケ「児童生徒の問題行動への対応」を選んだ回答者の割合が最も高い。

・栄養教諭・学校栄養職員と事務職員は、シ「校務分掌に関わる業務」を選んだ回答者の割合が最も高い。

 校長は設問の「教職員」という言葉から、主に教諭の様子を見て回答をしたことも考えられるが、選んだ回答者の割合の高さから、中には自らテストやノート、日記等に目を通している場合もあることも考えられる。

 児童生徒の問題行動が複雑化、深刻化する中、管理職として教頭が対応する場合や、保健室で養護教諭が対応する場合が多いことがわかる。

 栄養教諭・学校栄養職員や事務職員が校務分掌に関わる業務を選ぶのは当然の結果だと思われるが、児童生徒とのふれあいや問題行動への対応を選んでいる回答者の割合も比較的高く、児童生徒を学校の職員全員で育てようとする意識がうかがえる。

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

90.0%

100.0%

ア イ ウ エ オ カ キ ク ケ コ サ シ ス

職種別の比較

校長 教頭 教諭 養護 栄養 事務

Page 18: 教職員の多忙化の改善 調査結果ª¿査結果詳細.pdf第10期 全日教連モニター調査② 教職員の多忙化の改善についての調査結果 全日本教職員連盟

20代 30代 40代 50代

66.7% 44.9% 48.1% 44.6%

50.0% 60.9% 64.3% 63.5%

50.0% 42.0% 57.4% 54.1%

33.3% 8.7% 28.7% 39.2%

0.0% 13.0% 24.0% 23.0%

33.3% 15.9% 21.7% 16.2%

16.7% 13.0% 18.6% 14.9%

16.7% 37.7% 38.0% 47.3%

50.0% 53.6% 61.2% 59.5%

0.0% 11.6% 17.8% 17.6%

66.7% 34.8% 37.2% 48.6%

50.0% 56.5% 68.2% 71.6%

0.0% 8.7% 10.9% 8.1%

ア 児童生徒への個別の学習指導

イ テストやノート、日記等の添削

ウ 次の授業の準備

エ 同じ学年の担当やT・Tとの打合せ

オ 学級だよりや学年だより等の作成

カ 課外活動や部活動の準備

キ 児童会・生徒会活動

ク 学校行事の準備

ケ 児童生徒の問題行動への対応

設問2 教職員の実質の休憩時間が短くなっている主な原因は何だと思いますか。                                (複数選択可)

年 齢 別 の 比 較

★網掛けは分析の際注目した項目

コ 掲示物の貼り替え等、教室の環境整備

サ 児童生徒とのふれあい

シ 校務分掌に関わる業務

ス その他

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・20代の教職員は、ア「児童生徒への個別の学習指導」、カ「課外活動や部活動の準備」、サ「児童生徒とのふれあい」を選んだ回答者の割合が他の年代に比べて高く、オ「学級だよりや学年だよりなどの作成」、ク「学校行事の準備」、コ「掲示物の張り替え等、教室の環境整備」を選んだ回答者の割合が他の年代に比べて低い。

・シ「校務分掌に関わる業務」を選んだ回答者の割合はどの年代でも50%を超えているが、特に40代と50代は最も多くの回答者が選んでいる。

 児童生徒の問題行動への対応は、高い年代の教職員が任されていることがうかがえる。これらの問題行動の複雑化、深刻化によるものではないかと考えられる。

 50代は管理職になっている場合も多く、学校行事の準備に多くの時間を割いていることが考えられる。

・50代はク「学校行事の準備」を選んだ回答者の割合が他の年代に比べて高い。

 高い年代の教職員に重要な校務分掌が任されていることがうかがえる。管理職になっている場合が多くなることも原因の一つと考えられる。

 20代の教職員は、児童生徒に直接かかわる業務に時間を割くことができている。学級だよりや学年だよりの作成、学校行事の準備、掲示物の張り替え等、教室の環境整備は、休憩時間ではなく放課後などの時間に行っているのではないかと考えられる。

・40代、50代はケ「児童生徒の問題行動への対応」を選んだ回答者が他の年代に比べてやや高い。

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

90.0%

100.0%

ア イ ウ エ オ カ キ ク ケ コ サ シ ス

年齢別の比較

20代 30代 40代 50代

Page 20: 教職員の多忙化の改善 調査結果ª¿査結果詳細.pdf第10期 全日教連モニター調査② 教職員の多忙化の改善についての調査結果 全日本教職員連盟

設問3 教職員が多忙になっている理由について、あなたの考えに近いものを選んでくだ   さい。(複数選択可)

全 体 傾 向

ア 会議の回数が多く、1回の会議の時間も長い。 29.0%

イ 会計処理や報告のための調査・文書作成等の事務が多い。 67.7%

ウ 研修が多い。 30.9%

サ 児童生徒の安全対策のための、登下校指導や学校内の巡視をする機会が増えた。

コ 地域の行事等に多く参加している。

ケ 小学校での音楽や陸上・水泳等の課外活動や中学校・高校での部活動が忙しい。

エ 表現物のチェックや成績処理が増えている。

オ 児童生徒の問題行動が増えている。

ク 各方面からの作品募集の回数や応募点数が多い。

キ 学校の教職員数が不足しているため、1人にかかる校務分掌が多くなっている。

カ 保護者からの相談事や要求等への対応に追われている。

31.2%

56.9%

33.1%

35.7%

51.7%

8.6%

31.2%

10.8%

40.5%

★網掛けは、分析の際注目した項目

シ その他

Page 21: 教職員の多忙化の改善 調査結果ª¿査結果詳細.pdf第10期 全日教連モニター調査② 教職員の多忙化の改善についての調査結果 全日本教職員連盟

・イ「会計処理や報告のための調査・文書作成等の事務が多い」、オ「児童生徒の問題行動が増えている」、キ「学校の教職員数が不足しているため、1人にかかる校務分掌が多くなっている。」を選んだ回答者の割合は50%を超えている。

 事務が多いこと、問題行動が増えていること、教職員数が不足していることが、教育現場を多忙にしていると考えている回答者が多いことから、それらの業務に負担を感じている意識がうかがえる。

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

90.0%

100.0%

ア イ ウ エ オ カ キ ク ケ コ サ シ

全体傾向

Page 22: 教職員の多忙化の改善 調査結果ª¿査結果詳細.pdf第10期 全日教連モニター調査② 教職員の多忙化の改善についての調査結果 全日本教職員連盟

小学校 中学校 高等学校

28.9% 29.7% 28.3%

71.7% 59.4% 65.2%

28.3% 32.8% 37.0%

37.1% 32.8% 34.8%

52.2% 51.6% 50.0%

34.0% 39.1% 21.7%

51.6% 65.6% 63.0%

41.5% 25.0% 4.3%

30.8% 65.6% 39.1%

12.6% 10.9% 4.3%

35.8% 29.7% 17.4%

8.8% 6.3% 10.9%

設問3 教職員が多忙になっている理由について、あなたの考えに近いものを選んでくだ   さい。(複数選択可)

校 種 別 の 比 較

ケ 小学校での音楽や陸上・水泳等の課外活動や中学校・高校での部活動が忙しい。

ク 各方面からの作品募集の回数や応募点数が多い。

キ 学校の教職員数が不足しているため、1人にかかる校務分掌が多くなっている。

サ 児童生徒の安全対策のための、登下校指導や学校内の巡視をする機会が増えた。

コ 地域の行事等に多く参加している。

ウ 研修が多い。

イ 会計処理や報告のための調査・文書作成等の事務が多い。

ア 会議の回数が多く、1回の会議の時間も長い。

カ 保護者からの相談事や要求等への対応に追われている。

オ 児童生徒の問題行動が増えている。

エ 表現物のチェックや成績処理が増えている。

★網掛けは、分析の際注目した項目

シ その他

Page 23: 教職員の多忙化の改善 調査結果ª¿査結果詳細.pdf第10期 全日教連モニター調査② 教職員の多忙化の改善についての調査結果 全日本教職員連盟

 小学校は担当する授業時間が多いため、事務に従事する時間が時間外になることが多く、多忙感につながっていることが考えられる。

 児童生徒の問題行動の複雑化、深刻化が教職員の多忙感を増す大きな原因の一つになっていることが、ここでもうかがえる。

 中学校・高等学校で特に教職員数の不足が問題となっていることがうかがえる。

・イ「会計処理や報告のための調査・文書作成等の事務が多い。」を選んだ回答者の割合は小学校が一番高い。オ「児童生徒の問題行動が増えている」を選んだ回答者の割合は、校種による差はほとんど見られず、どの校種でも50%を超えている。・キ「学校の教職員数が不足しているため、1人にかかる校務分掌が多くなっている」を選んだ回答者の割合は、特に中学校・高等学校で高い。

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

90.0%

100.0%

ア イ ウ エ オ カ キ ク ケ コ サ シ

校種別の比較

小学校 中学校 高等学校

Page 24: 教職員の多忙化の改善 調査結果ª¿査結果詳細.pdf第10期 全日教連モニター調査② 教職員の多忙化の改善についての調査結果 全日本教職員連盟

校長 教頭 教諭 養護 栄養 事務

23.8% 27.8% 32.2% 36.4% 0.0% 20.0%

57.1% 66.7% 68.3% 90.9% 75.0% 60.0%

28.6% 11.1% 36.1% 36.4% 50.0% 0.0%

28.6% 50.0% 40.1% 0.0% 12.5% 13.3%

57.1% 61.1% 49.5% 54.5% 37.5% 60.0%

42.9% 50.0% 30.7% 54.5% 12.5% 53.3%

66.7% 44.4% 58.9% 45.5% 50.0% 33.3%

66.7% 55.6% 25.2% 18.2% 12.5% 40.0%

47.6% 38.9% 41.6% 45.5% 12.5% 13.3%

14.3% 11.1% 9.9% 9.1% 25.0% 6.7%

47.6% 38.9% 29.2% 45.5% 0.0% 26.7%

4.8% 5.6% 9.9% 0.0% 0.0% 0.0%

ケ 小学校での音楽や陸上・水泳等の課外活動や中学校・高校での部活動が忙しい。

ク 各方面からの作品募集の回数や応募点数が多い。

シ その他

サ 児童生徒の安全対策のための、登下校指導や学校内の巡視をする機会が増えた。

コ 地域の行事等に多く参加している。

★濃い網掛けはそれぞれの職種の最高値を示した項目、薄い網掛けはそれぞれの職種の最小値を示した項目

ア 会議の回数が多く、1回の会議の時間も長い。

設問3 教職員が多忙になっている理由について、あなたの考えに近いものを選んでくだ   さい。(複数選択可)

職 種 別 の 比 較

イ 会計処理や報告のための調査・文書作成等の事務が多い。

オ 児童生徒の問題行動が増えている。

エ 表現物のチェックや成績処理が増えている。

ウ 研修が多い。

キ 学校の教職員数が不足しているため、1人にかかる校務分掌が多くなっている。

カ 保護者からの相談事や要求等への対応に追われている。

Page 25: 教職員の多忙化の改善 調査結果ª¿査結果詳細.pdf第10期 全日教連モニター調査② 教職員の多忙化の改善についての調査結果 全日本教職員連盟

・校長以外は、イ「会計処理や報告のための調査・文書作成等の事務が多い」を選んだ回答者の割合が最も高い。特に、養護教諭は90%以上、養護教諭は75%に達している。・事務職員はオ「児童生徒の問題行動が増えている」を選んだ回答者の割合が最も高い。この項目は校長、教頭、養護教諭も50%を超えている。・校長はキ「学校の教職員数が不足しているため、1人にかかる校務分掌が多くなっている」とク「各方面からの作品募集の回数や応募点数が多い」を選んだ回答者の割合が最も高い。キは校長以外の職種でも高い割合の回答者が選んでいる。

 どの職種でも、事務による負担が大きくなっていることがうかがえる。

 児童生徒の問題行動への対応に、校長・教頭・養護教諭・事務職員があたっており、多忙感を増している実態が浮かび上がった。

 

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

90.0%

100.0%

ア イ ウ エ オ カ キ ク ケ コ サ シ

職種別の比較

校長 教頭 教諭 養護 栄養 事務

Page 26: 教職員の多忙化の改善 調査結果ª¿査結果詳細.pdf第10期 全日教連モニター調査② 教職員の多忙化の改善についての調査結果 全日本教職員連盟

20代 30代 40代 50代

33.3% 23.2% 37.2% 25.7%

66.7% 66.7% 73.6% 60.8%

50.0% 34.8% 34.9% 24.3%

50.0% 33.3% 39.5% 32.4%

33.3% 40.6% 51.2% 62.2%

50.0% 30.4% 34.9% 36.5%

66.7% 63.8% 51.2% 58.1%

16.7% 20.3% 27.9% 47.3%

50.0% 43.5% 38.0% 37.8%

0.0% 10.1% 10.9% 10.8%

50.0% 14.5% 32.6% 41.9%

0.0% 10.1% 10.9% 2.7%

イ 会計処理や報告のための調査・文書作成等の事務が多い。

ウ 研修が多い。

ク 各方面からの作品募集の回数や応募点数が多い。

ケ 小学校での音楽や陸上・水泳等の課外活動や中学校・高校での部活動が忙しい。

キ 学校の教職員数が不足しているため、1人にかかる校務分掌が多くなっている。

★網掛けは、分析の際注目した項目

コ 地域の行事等に多く参加している。

サ 児童生徒の安全対策のための、登下校指導や学校内の巡視をする機会が増えた。

シ その他

設問3 教職員が多忙になっている理由について、あなたの考えに近いものを選んでくだ   さい。(複数選択可)

年 齢 別 の 比 較

ア 会議の回数が多く、1回の会議の時間も長い。

エ 表現物のチェックや成績処理が増えている。

オ 児童生徒の問題行動が増えている。

カ 保護者からの相談事や要求等への対応に追われている。

Page 27: 教職員の多忙化の改善 調査結果ª¿査結果詳細.pdf第10期 全日教連モニター調査② 教職員の多忙化の改善についての調査結果 全日本教職員連盟

 児童生徒の安全対策は、30代の教員にはあまり負担になっていないことから、登下校指導や学校内の巡視は必要なものだという意識がうかがえる。

 40代は、各種主任等、質・量ともに重要な校務分掌を持っていることが多く、それにかかる事務も多くなっていることが考えられる。

 児童生徒の問題行動は比較的高い年代の教員が対応することが多くなっていることがうかがえる。

 若い教員への研修が負担になり、通常業務の表現物のチェックや成績処理の時間が十分取れていないことが考えられる。また、保護者からの相談事や要求も20代の教員には大きな負担になっていることがうかがえる。

・40代はイ「会計処理や報告のための調査・文書作成等の事務が多い」を選んだ回答者の割合が70%を超えている。

・20代はウ「研修が多い」、エ「表現物のチェックや成績処理が増えている」、カ「保護者からの相談事や要求などへの対応に追われている」を選んだ回答者の割合が他の年代に比べて高い。・30代はサ「児童生徒の安全対策のための、登下校指導や学校なの巡視をする機会が増えた」を選んだ回答者の割合が他の年代に比べて低い。

・50代はオ「児童生徒の問題行動が増えている」、ク「各方面からの作品募集の回数や応募点数が多い」を選んだ回答者の割合が他の年代に比べて高い。

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

90.0%

100.0%

ア イ ウ エ オ カ キ ク ケ コ サ シ

年齢別の比較

20代 30代 40代 50代

Page 28: 教職員の多忙化の改善 調査結果ª¿査結果詳細.pdf第10期 全日教連モニター調査② 教職員の多忙化の改善についての調査結果 全日本教職員連盟

平均値(4段階)

1 効果はない

2 あまり効果はない

3 少しは有効である

4 有効である

3.25 1.8% 11.5% 46.4% 40.3%

3.38 3.2% 10.8% 30.8% 55.2%

3.19 2.2% 16.2% 42.4% 39.2%

3.60 0.0% 4.7% 30.5% 64.9%

3.41 0.4% 10.0% 38.4% 51.3%

3.16 1.8% 15.1% 48.6% 34.5%

2.80 10.8% 28.0% 32.3% 29.0%

3.52 1.4% 7.6% 28.4% 62.6%

3.10 4.3% 19.4% 38.1% 38.1%

3.08 3.2% 21.7% 39.0% 36.1%

2.84 3.6% 27.6% 49.8% 18.9%

コ.課外活動や部活動の指導に関わる時間を見直す。

サ.地域行事への参加は校内で持ち回りにする等、一人の参加回数が少なくなるようにする。

カ.研修を精選し、時期内容を自分で選択して研修を受けられるようにする。

キ.保護者への対応ができる専門機関を学校外に設置する。

ク.教職員定数を30人学級と同等程度とし、増えた教職員の使い方は学校裁量とする。

ケ.作品募集については、教育行政機関が窓口になって、回数・出品点数を減らす。

設問4 多忙化を改善するための次の対策について、どのくらい有効であると考えますか。

全 体 傾 向

ア.会議の議題を精選し、1回の会議時間を遵守する。

イ.事務職員を複数配置し、会計や報告文書作成は事務職員に委嘱する。

ウ・校務分掌を簡略化する等、校内で業務の軽減に努める。

エ.似たような調査・報告は一本化、電子化したりする等、教育行政機関が連携して事務の軽減に努める。

オ.必要感の少ない研修は受けなくて済むよう、研修の内容を重点化する。

★網掛けは分析の際注目した項目

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 調査報告書の効率化は効果が高いと考えている回答者が多いことから、学校現場には無駄に思えるそれらの調査・報告が多いことがうかがえる。

 教職員の定数増は効果があると考えている回答者が多いことから、学校現場での人手不足が浮かび上がった。

 事務職員の複数配置により、教職員の事務を軽減することは効果があると考えられる。

 必要感の少ない研修を、無理矢理受けさせられているという意識がうかがえる。

・エ「似たような調査・報告は一本化、電子化したりする等、教育行政機関が連携して事務の軽減に努める」は最も高い平均値を示している。・ク「教職員定数を30人学級と同等程度とし、増えた教職員の使い方は学校裁量とする」は2番目に高い平均値を示している。・ウ「事務職員を複数配置し、会計や報告文書作成は事務職員に委嘱する」、オ「必要感の少ない研修は受けなくて済むよう、研修の内容を重点化する」も比較的高い平均値を示している。

2.50

3.00

3.50

4.00

ア イ ウ エ オ カ キ ク ケ コ サ

全体傾向

Page 30: 教職員の多忙化の改善 調査結果ª¿査結果詳細.pdf第10期 全日教連モニター調査② 教職員の多忙化の改善についての調査結果 全日本教職員連盟

小学校 中学校 高等学校

3.28 3.17 3.22

3.47 3.20 3.35

3.15 3.30 3.15

3.62 3.58 3.59

3.37 3.48 3.46

3.11 3.22 3.22

2.71 2.89 2.83

3.52 3.65 3.30

3.20 3.17 2.63

3.05 3.22 2.93

2.79 2.91 2.89

★網掛けは分析の際注目した項目

オ.必要感の少ない研修は受けなくて済むよう、研修の内容を重点化する。

カ.研修を精選し、時期内容を自分で選択して研修を受けられるようにする。

サ.地域行事への参加は校内で持ち回りにする等、一人の参加回数が少なくなるようにする。

コ.課外活動や部活動の指導に関わる時間を見直す。

ア.会議の議題を精選し、1回の会議時間を遵守する。

設問4 多忙化を改善するための次の対策について、どのくらい有効であると考えますか。

校 種 別 の 比 較

エ.似たような調査・報告は一本化、電子化したりする等、教育行政機関が連携して事務の軽減に努める。

ウ・校務分掌を簡略化する等、校内で業務の軽減に努める。

イ.事務職員を複数配置し、会計や報告文書作成は事務職員に委嘱する。

ケ.作品募集については、教育行政機関が窓口になって、回数・出品点数を減らす。

ク.教職員定数を30人学級と同等程度とし、増えた教職員の使い方は学校裁量とする。

キ.保護者への対応ができる専門機関を学校外に設置する。

Page 31: 教職員の多忙化の改善 調査結果ª¿査結果詳細.pdf第10期 全日教連モニター調査② 教職員の多忙化の改善についての調査結果 全日本教職員連盟

・校種による大きな意識の差は見られない。

・高等学校の教職員はケ「作品募集については、教育行政機関が窓口になって、回数・出品点数を減らす」、「課外活動や部活動の指導に関わる時間を見直す」の平均値が他の校種と比べてやや低い。

 高等学校では、作品募集の数が小学校・中学校と比べて少ないこと、また、生徒の作品作りの能力が高く、指導の時間があまりかからないこと等が原因と考えられる。

 部活動の指導は、中学校・高等学校では大きな負担となっているものの、生徒指導上大切な場であるという意識を持った教職員もおり、時間を減らすことに消極的な意識がうかがえる。

2.50

3.00

3.50

4.00

ア イ ウ エ オ カ キ ク ケ コ サ

校種別の比較

小学校 中学校 高等学校

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校長 教頭 教諭 養護 栄養 事務

3.33 3.39 3.24 3.27 3.25 3.23

3.38 2.94 3.44 3.00 3.25 3.31

2.86 3.28 3.23 3.30 3.00 2.92

3.43 3.56 3.61 3.82 3.88 3.77

3.57 3.50 3.42 3.36 3.13 3.00

3.38 3.00 3.15 3.27 3.50 2.77

2.76 2.72 2.78 3.18 3.13 2.77

3.48 3.67 3.51 3.70 3.50 3.23

3.38 3.00 3.06 3.45 3.13 3.00

3.05 3.06 3.06 3.55 3.13 2.85

2.67 3.06 2.85 3.18 3.00 2.38

ウ・校務分掌を簡略化する等、校内で業務の軽減に努める。

イ.事務職員を複数配置し、会計や報告文書作成は事務職員に委嘱する。

エ.似たような調査・報告は一本化、電子化したりする等、教育行政機関が連携して事務の軽減に努める。

コ.課外活動や部活動の指導に関わる時間を見直す。

ケ.作品募集については、教育行政機関が窓口になって、回数・出品点数を減らす。

ク.教職員定数を30人学級と同等程度とし、増えた教職員の使い方は学校裁量とする。

キ.保護者への対応ができる専門機関を学校外に設置する。

カ.研修を精選し、時期内容を自分で選択して研修を受けられるようにする。

オ.必要感の少ない研修は受けなくて済むよう、研修の内容を重点化する。

サ.地域行事への参加は校内で持ち回りにする等、一人の参加回数が少なくなるようにする。

★濃い網掛けはそれぞれの職種の最高値を示した項目、薄い網掛けはそれぞれの職種の最小値を示した項目

設問4 多忙化を改善するための次の対策について、どのくらい有効であると考えますか。

職 種 別 の 比 較

ア.会議の議題を精選し、1回の会議時間を遵守する。

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 教頭が定数改善に効果が高いと考えているのは、教職員の不足により、児童・生徒の問題行動への対応や、担当授業数の増加等、教頭の業務が増えていることが原因の一つとして考えられる。

 管理職以外の教職員は、事務を軽減することが多忙感を解消するのに効果が高いと考えており、それらの業務に負担感を強く感じている意識がうかがえる。

・校長はオ「必要感の少ない研修は受けなくて済むよう、研修の内容を重点化する」の平均値が最も高い。

・教頭はク「教職員定数を30人学級と同等程度とし、増えた教職員の使い方は学校裁量とする」の平均値が最も高い。・管理職以外の教職員はエ「似たような調査・報告は一本化、電子化したりする等、教育行政機関が連携して事務の軽減に努める」の平均値が最も高い。

 校長が研修内容の重点化に効果が高いと考えているのは、校長研修会に必要性を感じない、または一般の教職員の様子を見てそう考えているという2つの原因が考えられる。

2.50

3.00

3.50

4.00

ア イ ウ エ オ カ キ ク ケ コ サ

職種別の比較

校長 教頭 教諭 養護 栄養 事務

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20代 30代 40代 50代

3.00 3.24 3.27 3.27

3.50 3.31 3.43 3.36

3.00 3.31 3.19 3.13

3.50 3.69 3.60 3.55

2.33 3.47 3.40 3.45

2.50 3.25 3.09 3.25

2.83 2.74 2.79 2.85

3.67 3.44 3.48 3.67

2.50 3.10 3.06 3.22

3.17 3.10 2.99 3.21

3.00 2.82 2.84 2.82

オ.必要感の少ない研修は受けなくて済むよう、研修の内容を重点化する。

サ.地域行事への参加は校内で持ち回りにする等、一人の参加回数が少なくなるようにする。

カ.研修を精選し、時期内容を自分で選択して研修を受けられるようにする。

キ.保護者への対応ができる専門機関を学校外に設置する。

ク.教職員定数を30人学級と同等程度とし、増えた教職員の使い方は学校裁量とする。

ケ.作品募集については、教育行政機関が窓口になって、回数・出品点数を減らす。

★網掛けは分析の際注目した項目

イ.事務職員を複数配置し、会計や報告文書作成は事務職員に委嘱する。

ウ・校務分掌を簡略化する等、校内で業務の軽減に努める。

エ.似たような調査・報告は一本化、電子化したりする等、教育行政機関が連携して事務の軽減に努める。

設問4 多忙化を改善するための次の対策について、どのくらい有効であると考えますか。

年 齢 別 の 比 較

ア.会議の議題を精選し、1回の会議時間を遵守する。

コ.課外活動や部活動の指導に関わる時間を見直す。

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・20代はカ「研修を精選し、時期内容を自分で選択して研修を受けられるようにする」、ケ「作品募集については、教育行政機関が窓口になって、回数・出品点数を減らす」の平均値が、他の年代に比べて低い。

・その他の項目については、年代による大きな傾向の違いは見られない。

 若い教職員は研修の精選による効果はあまり高くないととらえており、研修による負担感は低いと考えられる。また、作品募集を減らすことについても同様のことが考えられる。

 

2.50

3.00

3.50

4.00

ア イ ウ エ オ カ キ ク ケ コ サ

年齢別の比較

20代 30代 40代 50代

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設問4 その他の記述回答

とにかく教員(非常勤も可)を増やす。学年、ブロック等に副担任を置く。小学校においても、一人の先生の授業時間を20時間程度にする。教職員の担当する仕事量の差がないようにする。多忙さが生き甲斐になるように給料をあげる。報告書の数を減らす。年休をとりやすい勤務状況に改善する。成績処理等の事務処理日などを勤務時間内に確保して欲しい(校務分掌の公平化)部活動は地域スポーツ活動にする3学期制から2学期制にする。小学校の技能系教科、新規導入の英語については完全なる教科担任制を実施する。任意の研修団体である小教研、中教研の研修,研究大会を縮小、廃止の方向で検討を進める。中学校では免外教授の解消、教科担当を配置することが極めて重要と考える。共同調理場方式の学校(調理場)に勤務する学校栄養職員、または栄養教諭を複数配置にし、食に関する指導と給食管理の時間が確保できるようにする。1学級の児童数を減らす管理職の判断によるところが大きいので、職務その他の仕事の軽減を教育委員会からの働きかけなどでやってほしい。家庭の教育力を高め、何でも学校の仕事にしない親を育てる。職場の「いい雰囲気」をつくる。メンタル面のケアも必要。地域からの要望や、苦情について学校の立場を明確にし、できないものは断るようにする。学校、学年、学級だよりなど一本化し、少なくとも、効率のよいものにする。保護者にもその方がよくわかってよい。学校行事(会議・研修なども含めて)の精選。教員の質の向上多様化する児童の問題行動に対応する学校カウンセラーなどの充実全国学力テスト、県の学力テストを廃止する。県の研修の見直し(構造的)が必要。教育センターでの一斉研修(伝達講習)は意味がない。できるだけ学校を離れずに資質向上が図れるシステムの構築が望まれる。学校管理面での専門スタッフの配置(図書の仕分け、営繕、複数担任制)土曜日の半日を復活する。養護教諭を複数配置する。(600人、18学級以上)1人1台パソコンをあてがい、校内LANでメールで済ませたり、共通の様式に入力だけすればいいようにして、なるべく簡略化する。市単位の研究指定校制度をやめる。

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設問5 その他、教職員の多忙化についてご意見をご自由にご記入下さい。

●教職員が不足している

1学級30人未満の規模になるよう定数改善を行うしか方法はない。現在の教職員の多忙化の80%は定数改善で改善できる。規模の小さな学校は一人にかかる校務分掌が多い。校務分掌以外に課外活動をし、終わるとテスト等の添削。先生方にゆとりがない。まだ栄養教諭の任用数が少なく、学校における食に関する指導の充実をはかっていくために、また、多忙感を解消するために、任用数を増やして頂きたい。そうでなければ、一人一人の子供に対するきめ細やかな食の指導に限界を感じる。教職員の減少による多忙化が原因である。文科省や財務省への提言、予算化が大いに必要である。遠因は政治の悪化、国民の無関心が挙げられる。そもそも根本的に教師の仕事は忙しいものと思っている。雑務を減らすこと、定員の増が望まれる。私の勤務する共同調理場では、栄養職員が2名配属されているが、1人は栄養教諭のため、半日調理場、半日学校と変則的な勤務を行っている。そのため残った学校栄養職員の負担も大きく、残業や持ち帰り仕事が増大している。もちろん栄養教諭も多忙。受け持ち校も10校以上と多く、食に関する指導に時間を取られると、給食管理の時間確保が難しくなる。何とか複数配置にしてほしい。教職員の研修、自己評価、様々な事務的なものが増えてきて生徒と関わる時間が少なくなる。生徒もいろんな問題を抱えているので教員の数を増やして負担を軽くして欲しい。現在、先生の仕事ぶりを見ていると、空き時間や放課後の自由に使える時間は少なくなっている。その中で、会議、授業の準備、採点や提出物のチェック、行事の準備、保護者への連絡、校務分掌の仕事等多岐にわたる仕事をしている。そのため、遅くまで仕事を処理し、終わらない分を持ち帰ってやっている。担任がもっと余裕をもって子供たちに接するためには、この多忙化を減らす必要があると思う。そのためには、教員や事務、特に教員の人数を増やすべきだと思う。校務分掌の事務、教材研究、児童生徒と向き合う時間等は、人数が確保されないと軽減は困難である。生徒のために生徒と関わる時間を増やすためには定数の改善が必須。研究授業が多く、そのために人員を確保して欲しい。一覧表、通知票、要録の一体化、簡素化を図る。教務主任、小学校では高学年の先生方が学校運営上仕事量が多いので、少人数や専門教科指導員の加配をしてほしい。ICT教育の推進によりパソコン専門の教諭(担任を持たない)の配置が望まれる。

●教職員の給与体系を見直すべきである

教職員の仕事は忙しくなっているのに給料の削減がされていることはどうしても納得できない。早急に対応していただきたい。学校を正常に運営していくためには多忙化は仕方がない。勤務時間内だけで終わるはずがない。特勤手当や教職調整額等を厚くする方が現実的だ。「子どもたちのために」という大前提があるので、やらなければ手抜きのように思われたり思ったりしてしまう。しかし現実は勤務時間内では不可能。8時~16時までは児童と共にいるのだから、せめて手当をつけてもらいたい。(土、日も仕事をしないと間に合わない)特別支援学級の担任には特別な手当がついている。専門性が要求され,各種報告書や交流学級との連携など面倒な仕事が多く苦労されている教師が多いが,普通学級担任との仕事量と給与額の逆転現象が起こっている場合もある。学級担任手当や児童数による手当,引率にかかる手当の増額など,多忙さに見合う手当を要求していくことも必要であると思う。部活指導での拘束時間分くらいはせめて時間外手当が欲しい。朝の練習、放課後熱心に指導にあたる教員と全く定時通りの人で給料が同じなのはおかしい。毎日サービス残業と思うと萎える。時間外の業務に対して何らかの考慮をし、手当等の見直しも考えてほしいと思う。

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●業務が多くなっている

生徒のためになる忙しさは何とか理解できるが、それ以外のものが多い。また、楽をして他の人に仕事をさせている教職員がいる。そして他の人がやったことを自分の手柄とし、感謝もせず大きな顔をしている。必要なものはあって当然だが、各種団体の研修、コンクール募集等が大変多い。それに対応していく担任の業務量は普通ではない。やらなければいけない仕事もあるが、やらなくてもよい仕事や効率の悪いやり方でしている仕事もあるのではないか?各校内での職務の見直しも必要ではないか?多忙化における問題点は,本務以外の多忙化という点にあるのではないか。類似の調査や報告文書の作成に追われ,わずかの時間も削ってパソコンと 向き合っている教職員の姿を見るにつけ,それが児童生徒に向き合う時間に置き換われば…と思わずにはいられない。様々な関係機関からの調査の依頼が多い。教職員のみならず、児童を巻き込み、授業時間さえ奪われることも多々ある。何か起こるたびに、報告書類やチェック事項が増えていく。どんどん業務が詳しく細かくなっていくので、忙しくなる一方である。児童とのふれあいのために忙しくなるのは一向にかまわない。むしろそれが面白いからこの職業の良さがある。事務処理や会議など、直接子供の教育に大きく関係しないものを極力減らす必要がある。職員の時間厳守の意識を高めたい。子供のためになることでの多忙は全く苦にならないが、そうでないこと(事務仕事、無駄な会議等)に関しては、より価値ある仕事をしていくために改善が必要。多忙でも、子供たちにプラスになるならがんばれる。しかし、そうでないものには意義を感じない。文書作成が多い。文書管理は教職員でなく事務職。多忙感を感じるのは、不要と思われる(子どものことに関すること以外の)ことに時間を費やさざるを得ない時である。必要なことであれば、いくら忙しくても多忙感はさほど感じない。したがって担任外で対応できることは、担任外で対応する等うまく仕事を分担しあうことが大切。調査報告や文書等が増えていると思う。学校運営上仕方ないことなのかも知れないが、数名の職員にかなり負担が大きくなるところがある。あれもこれもという状態では精神的にも体力的にも大変である。子供との関わりで多忙なのは教員の本分なので、仕方のないことである。それ以外のもので、追い立てられるのは筋違いである。管理職が何を大切にするのか、方針を示すことが大切である。何もかも学校に仕事を持ってくる行政の在り方に問題がある。市町教委がやるべき事、家庭が行うべき家庭教育等、それぞれの立場で再度、教育の在り方を見直す必要がある。1日の授業時間が増え、6校時までの授業日が週3日ぐらいになる。8時10分から午後4時頃までの授業をすると残っている勤務時間は1時間足らず。その中で成績処理、教材研究、授業の準備をするのは無理である。1人の授業時数を少なくする等の対策が必要である。授業時間の増加、学力向上に向けての取組も急務であり、多忙化の軽減はあまり期待できないと思う。少しでも軽減しようとする意識は持ち続けたい。市の行事活動が大変であり、特に高学年は行事(市の総合体育祭、ミニバス大会)に追われがちになってしまい、教材研究の時間がそれに奪われてしまっている。そのようなことから高学年を持ちたがらない先生が多くなってしまっている。小学校の段階での運動や部活動のあり方というものをもう一度考え、必要最低限のものにすべきだと思う。保健室で対応する児童(心身の健康問題で)が増え、複数である対応に時間がかかる。朝出迎えてから帰るまで保健室を離れることができない。精神的に負担がある。親からの要望が多い。家庭ですべきことまで要望するという傾向にある。学校が何をすべきところかを親にもよくわかってほしい。日記や感想文等、朝児童から集めた物をその日のうちに見て返すことがよくある。ハンコやシールだけよりも一言コメントを入れるときには、児童がいる間の空き時間がとても有効だと感じる。1日1時間でもどこかで空き時間があれば、子供と向き合えるように思う。日常の雑務に追われて、子供たちとゆっくりかかわる時間が少なくなってきている。休み時間や給食時間、放課後も子供のよさをとらえるのには大切な時間だと思う。もっとゆとりが欲しい。家庭の教育力、躾の低下により、学校が担う分量が多すぎる。道徳にしろ英語にしろ、総合にしろ次々と学校の負担が重い。朝、子供の来る7時30分に出勤し、陸上が終わる17時までは子供にかかわっている。いつ教材研究や事務処理をすればいいのか?質の高い授業や意欲の高まるような評価をしたいが、質の高い授業や評価をしようとすれば、他の業務に支障がでる。全く本末転倒な話である。すべてこなそうとすると毎月10~12時間学校にいてさらに持ち帰りという毎日である。校務、生徒の成績などのデータを校外に持ち出せないシステムなので学校にいる間に処理しなくてはならず、空き時間等が無くなり、多忙感が増している。事務量の多さも拍車をかけている。児童の安全についての色々な面での気を遣っている。何でもパソコン処理になり、かえって仕事を増やしているところが多々ある。

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どれか一つの理由というのではなく、あらゆるものが理由となって多忙を極めている。学校に対する保護者や社会のニーズが多様化している中で、すべてを学校に任せ、責任を学校や教師に押しつけるような社会全体の意識を変えないことには、多忙化は解消しない。家庭の教育力の低下が児童生徒の質の低下(学力低下・問題行動増加)をおこし、社会の様々な問題をおこすことにつながり、教員の多忙化につながっている。この設問にある内容すべてがその原因であるといっても過言ではない。すべての責任が学校になすりつけられ、マスコミの報道でもたたかれる。学校を守るため、様々な対策やチェック機能を持たせ、結果、余計に身動きがとれなくなっている。休日のクラブ活動のため、休日があってないような感じである。しかしクラブ活動での生徒との関わりも重要であると感じるため、必要ではないかと思っている。周囲には自分のプライベートな時間を犠牲にしてまでも、生徒の指導や事務処理に誠実に当たっていらっしゃる先生方がたくさんいる。尊敬すると同時に心身の健康を害している方も少なからずいることに心配もある。生徒のための教育活動を充実させるために教員の心身の健康は必要不可欠だと思う。現場の現状をいろいろな方に知っていただき、協力を求めていく等、改善策を考える必要がある。児童の問題行動の多様化や増加もさることながら、保護者からのクレーム処理等のウェイトが大きくなっている。午後5時の終業・帰宅など全く不可能であり、午後7時をすぎても半数の教員が残っていること自体が異常としか言えない。会議や研修、文書等は以前に比べてむしろ少なくなっていると思う。多忙の原因は、問題行動など特別に支援を要する児童または保護者への対応だと感じる。その上、授業増や英語の学習など負担が増えていくことが不安である。中学校の先生はとても帰るのが遅い。夏は特に部活の終了時刻が遅いので、生徒を見送り終わって19時。それから机上の仕事、在宅勤務ということになる。学校週五日制になってから、多忙化が増したように感じる。第1、3、5土曜日の授業日の復活を望む。特別支援を必要とする子どもの数が年々増えているため対応が大変。義務教育をサービス業と認識している保護者が増えている。保育所、幼稚園が園児獲得のための多大なサービスをしているため、「私に、我が子に、~をしてもらうのは当然」と要求するようになったと思う。社会問題の解決・改善に小学校からと求められることが多い。とにかく次々と新しい会議が入るが、無くなる会議がない。家庭に仕事を持ち帰るのは、そもそも日頃勤務時間内にできないからである。その上、個人情報保護の観点から、児童の情報等を家庭に持ち帰れなくなり、遅くまで学校に残ったり、休みの日に学校に出て、成績処理をしなくてはならなくなった。行政の施策を含め、現場で研究・実践することが増加している。(これまでの取り組み、実践を継続しながら増えてくるのできつい面がある)部活動をスポーツ少年団に移行したが、学校が関わらなくなった分、児童保護者の中でのトラブルが多くなり、又そのトラブルの中身が見えづらい。最終的にはそのトラブルが学校や学級の中に響いてくるし、対処しづらくなっているのが現状。保護者同士のつきあい方も年々うまくいかなくなっている傾向にある。全日教連会員は目の前の子どもたちのために真摯に取り組んでいる。精神的、肉体的に追い込まれた状況においても教材研究をしっかりとして質の高い教育を提供しようとしていると考える。その思いを汲み取り、国も県教委も教員が本務遂行のための時間を確保する施策を考えなければならない。校務分掌や行う仕事が多くあり、勤務時内に終わらないことが多い。特に高学年担任なので、放課後の時間も短いこともあり、多忙を感じる。ただ、まだ未熟なので経験を重ねれば変わるのかも知れない。児童の提出点検や教材研究はもちろん、校務分掌等の仕事は基本的に5時以降となる。絶対的な時間が足りず、土日も出勤している。多忙さは感じるが、校務分掌や担当学年に因るものが多く、時間外にやるかやらないかと考えたことはあまりない。子どもたちのためにと考えるとどうしてもやらざるをえない状況である。これまでの研修内容に加え、小中連携など連絡調整に時間を要するものが増えてきた。中学校では部活動を放課後に指導するので、放課後は仕事ができない。18時以降から学校事務やその他の仕事をしなくてはならない。何か社会で問題が起こると学校が対応しなければならないことが増えている。家庭や地域に任せられることは、任せたい。国や県の事業を引き受け、それだけでかなりの負担である。また、やたらと職員研修があるものの中身はなく、「消化的反省」をパフォーマンス化している研修が多く無駄である。空き時間の確保をどうするか、新年度から小学校は授業数が増え、ますます多忙化になると思う。研修、会議等で放課後がない。時には保護者の対応で2時間くらいねばる親もいる。もっと昔みたいにのんびり笑いながら子供と触れ合いたい。自分が忙しいと子供も荒れる。

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●教職員の意識改革が必要である

仕事に対する充実感と満足感が得られれば、それ程多忙とは思わないことが多い。職場のよりよい環境整備と、よりよい人間関係づくりが急務である。年休を必ず消化するようにすること。諸会議、研修を週のどこかに1回のみ位置づけ、残りの日の放課後を事務や授業準備に充てる。多忙な仕事が教職員の仕事。もしも多忙でなくなるのであれば、教職員の仕事でなくなるかも。やり方次第で多少の違いはでてくるもの。多忙化は教職員の意識の問題もあると思う。充実感・満足感を得られる活動を日々行っていれば感じ方も違ってくるはず。だが、現実は生徒指導・学習指導等で時間に追われるような日が多い。教職員の多忙化を軽減するための有効な要素は、管理職のマネージメント力である。校長、教頭、特別支援学校では部主事の管理能力が低いため、現場で働く教員は多忙感がぬぐえない。時間外の勤務は、正直あっても仕方ないと思う。しかし、その分、休めるときには早めに勤務を切り上げたり、上手に回復措置を講じたりしてもらえれば多忙感も我慢できる。今は、そういった人情的な措置が全くない。だから、気持ちよく仕事が出来ず現場は不満でいっぱいである。業務をすべて学校で終わらせようとする傾向が以前より強くなっている。教職員一人一人が時間内にすべきことはする意識をもつことが大切。一人一人の教職員の事務処理能力を高めたいものである。多忙化を理由に本来教職員が各自しなければならないことがないがしろにされている。質が低下し几帳面さがなくなっている。周囲の人と上手く付き合うことができて、仕事のきちんとできる教員の適正な配置が必要である。管理職からのパワーハラスメントが一部の教師に向けられ、他の一部の教師は許される不公平感を日々感じている。適切かつ人徳のある人が管理職に任命されていない。少しぐらい忙しくても報われるものならば職員は大丈夫だと思う。マイナス面を少なくすることが大事。マイナス面の多忙感が問題(生徒指導等)教諭としての役割が果たせなくなっている。(以前とは求められる教育が異なっている)質の高い教員が減っており、専門職としてのプライドがなくなってきている。教育の本質が他に追いやられ、受験教育も今の生徒に合うものではない。西洋の様に、哲学、芸術をきちんと学ぶようにすべき。私立大学が多すぎる。高等教育はもっと精選したものを対象に行うべきであると思う。正論ではあるが、急な思いつきの要求をする管理職も多い。見通しをもった無駄のない経営を心がける学校でありたい。きめ細やかで、綿密さを要求される学校運営は時代の要請であり、仕方ないことである。これに応じた改善策を講じるべきだと思う。最近は外部からの多忙化の原因は減ってきたように思う。どちらかというと校内で工夫すべき改善点がたくさんあるのではないか…。

●教職員の個人の事情や性差、資質等による業務の軽重に差がある

有給休暇をとりやすい職場づくりは大切であるが、休んだ職員の穴埋めに当たる職員の負担の大きさにも目を向けるべき。小学校では高学年担任の業務内容が多く希望者が年々減っている。又、特別支援学級の担任の業務内容が少なく給与もよいという状態になっている。業務内容の見直しが必要。適材適所で校務分掌は決定しているが、量はかなり違う。平均化と給与への処遇が必要と考える。特定の教員に仕事が偏りすぎ。学級担任の仕事が多すぎるのに対し、副担任は仕事がない。勤務時間外まで部活動指導が義務付けられており、その間は仕事は全くできないことにいつも疑問を感じている。スタッフが少ないので仕方ない部分もある。土日の部活はスポーツ少年団だが、男の先生はボランティアで参加している。例えば教科部会の役員を引き受けて、その仕事が大変な人は、校務分掌を軽減して欲しい。真面目に取り組むと多忙感が大きくなる。新任者は病気が心配。年休は名ばかりで全然取れない。問題ある生徒は男の先生が担任したり、部活は男の先生が担当したりする等、業務内容に偏りがある。近年、病休を取る教員が増えているので、その対応は考える必要がある。頑張っているのに病気をして、復職が難しい教員もいる。多忙やストレスで休む職員があると、その授業や校務を他の教員が負担し、ますます多忙となる。指導力の低い教員の配置の仕方を考えることで、多忙化はかなり改善されるのではないかと考える。多忙感はその人を取り巻く環境により大きく違ってくる。学校経営が重要な鍵。教師全員が経験に応じて平等に校務を分担する。今は、一部の男性教師に仕事が偏ることが多い。仕事が多くても少なくても給料は変わらないという現状がある。講師(臨時任用)が多く、仕事を任せられない。その分のしわ寄せが来ている。

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各種研究大会等に携わる人材が固定化している。採用が少ない中,いろいろな校務をこなせるように育成していかないと大量退職の後、ますます一部の年齢層に負担がかかることが予想される。中学校の現場では、担任が部活動主任を行い、生徒会を担当するといったことが平気で行われている一方、5時前に帰宅する先生がいる。職務の不平等感が無いようにできないのかと常日頃から考える。教職員一人一人において多忙の「格差」がある限り、環境によっては改善しても負担のかかるまじめで一生懸命な教職員は常に多忙なのではないか。教職員全員が、子供たちのために教育に熱意を持って取り組んでいくことが、まずは多忙化の軽減の近道ではないかと考える。一生懸命に働ける職場環境をつくる中央機関、教育委員会、管理職の努力が重要である。児童の指導を行う上で,必要または有効と思われることは数限りなくあり,効果を上げたいと思えば思うほど忙しくなる。また,そのような姿勢で臨んでいる教師には,指導の難しいクラスの担任や,責任ある校務分掌を任されることが多く,さらに多忙となる。逆に,指導効果を上げられない教師は,任せることのできる仕事も少なく,教員による仕事量の差は広がる一方である。

●教育行政の在り方を見直すべきである。

現在、様々な改革がなされているが、全体のバランスや総合的にとらえた改革でなく、一面的で思いつきと思われるような改革が見られ、このことで学校が振り回されている面もある。各教育委員会および各学校の管理職が現場の実態、状況をしっかり把握することが一人一人の教職員の負担減につながると思う。これから授業数が増えるが、増える時数をどこで生み出すのか…。現場のことを本当に理解している人たちが考えているのか、疑問に思うことが今回の学習指導要領の改訂に多く見られる。学力を上げることを求められる。補習等の時間を設定して下位の子を引き上げるようにすれば、正規の授業が楽になる。しかし、現実問題として補習に地域ボランティアや臨時職員等の手を借りないと教師1人で学力を引き上げるのが難しい。そのために教師の負担がまた増えてしまっている。市教委から送られてくる調査文書の提出期限がもらってすぐの場合がある。早めに送ってもらえると時間をやりくりできる。問題行動の原因が保護者にある場合が増加している。保護者への教育は学校からでなく専門の機関がすぐできるように学校と連動してほしい。行政が、次々と新しい取組をするので、報告することが増え、結局現場を多忙にしている。核になる施策に絞って、徹底させるようにした方が、教育も充実し、多忙感の軽減につながると考える。近年、全国学力調査も行われ自治体や学校で競争のようにその対策に追われている。結果公表も云々されているが、やはり自治体ごと、また学校ごとの競争になり、終わりもないことが子供も教師も更に多忙感の増している原因の1つだと思う。免許更新制や授業内容の増加等、子供のためのものなのか疑問に思うものが多い。教職員のメンタル面での相談が多く、業務が多忙になっている。相談窓口が近くにあるとよい。ほとんどの教職員は、子どもの成長のため時間を費やし、真摯に教育活動を行っている。一部の職員による不祥事で無駄な調査報告が増えることで、ますます多忙になったり、教員の評価が落とされたりしている。また、給与カット等で多忙化どころか、教育専門職としてのモチベーションも落とされているように感じる。教員がやる気をもって、意欲的に教育活動に専念できる教育環境を早急に整えるべきである。市町村が主催する行事への児童参加依頼については学校任せにせず、主催団体で責任を持って行う。(例:「文化の日の行事の一環として児童に意見文を発表して欲しい」というなら、文の内容から、添削まで市教委でやって欲しい。多忙化が進むと、新たに教員になろうと思う若い人は減ってしまう。すばらしい教員を育てるため、集めるために何かしらの対策をした方がよい。校内の事件や問題について、事実を確かめるために時間がかかりすぎる。防犯カメラ、監視カメラを導入して事実がすぐに確認できるようにするべき。安心できる学校生活を送るために必要。国は地域のネットワーク作りに力を入れようとしている。今後、ますます、学校の仕事内容は増え、地域との連携が求められると思われる。新学習指導要領で2年生にも6時間授業を求めているが、児童の発達段階への考慮はその時々で簡単にかえられるものなのだろうか疑問を感じる。30人学級を実現して一人一人を大切にする教育を実現する。教師の精神的負担を少しでも軽くしたい。

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全日教連の見解

文部科学省は、平成 20 年 10 月 17 日、平成 19 年度における公立学校教職員の人事行政の状

況調査結果を公表した。同調査によると、希望降任教員数は 106 人いることが分かり、調査開始

以来過去最多となった。その主な理由として「健康上の問題 56 名(53%)」、「職務上の問題 29 名

(27%)」「家庭の事情 20 名(19%)」等が挙げられている。同調査から、自らのリーダーシップ

を発揮し、よりよい学校経営を実現しようとする学校管理職員の厳しい勤務実態が伺える。

また、条件附採用期間を経て正式採用とならなかった者は、平成 15 年度(111 名)と比べると

約3倍(301 名)となった。その内、病気による依願退職者が全体の3割程度(103 名)いること

も分かり、その多くは神経症やうつ等の精神疾患であった。1年目から担任を持って教科指導や

生徒指導、事務処理等多くの業務をこなし、かつ、問題を持つ児童生徒や保護者への対応等で追

い込まれていく教員が少なくないと思われる。希望降任教員や条件附採用期間中の病気による依

願退職者の中には、情熱を持って教育に携わっていた者もいたはずである。このような教員がこ

れ以上増えれば、教育現場に優秀な人材を確保することは困難になる。早急に有効な手立てを打

たなければならない。

今回のモニター調査では、多忙化の原因を「全体」「校種別」「職種別」「年齢別」に分析した。

また、有効と思われる改善策についても、モニターの意見を集約した。教育現場で実際に教育活

動に携わる教職員の意見を基に、教職員の多忙化を改善し、よりよい教育の創造につながる方策

をまとめ、全日教連の見解として関係諸機関等、各方面にアピールしていく。

(1) 教職員定数の改善

設問1「勤務時間外(持ち帰りを含む)に行っている業務」、設問2「休憩時間が取れない主な

原因」のどちらにおいても「校務分掌に関わる業務」を選んだ回答者の割合が最も高かった。一

人一人の校務分掌に関わる業務が質・量ともに大きな負担となっている。これを改善するために

最も効果が高いと思われるのは、教職員定数の改善である。

学校現場で教職員が分担して行っている校務分掌は、教科指導や特別活動、児童生徒の安全管

理や問題行動への対応等、教育活動と直結・連動しているものも少なくない。これらの業務を行

うためには、教職員としての専門性が必要となる。

具体的な定数改善案として、全日教連はこれまで「1学年に対する教職員数は、各学年学級数

に小学校は 1.5 を、中学校は 2.0 を乗じた数とする」ことを要望してきた。これを臨時採用でな

く、正式採用の教職員とすることで、一人一人にかかる校務分掌は質・量ともに今よりも改善さ

れ、一人一人の児童生徒にきめ細かく対応しながら、教育活動に専念することができるようにな

ると考える。

(2) 副校長・主幹教諭・指導教諭等の新しい職の設置推進

学校管理職員は、PTAの会議等に出席したり、研究授業の事前研修会等に指導者として出席

したりする機会が多いため、夜遅くまで業務に携わっている。加えて、学校運営の責任者として

教職員への指導、保護者への対応、関係諸機関との連携等の重責を担っている。

現在、校長を補佐する役割は教頭であり、他の教職員はあくまでもそれぞれ任された業務に従

事しているに過ぎない。

そこで、副校長・主幹教諭・指導教諭等の新しい職の設置を推進することで、学校管理職員を

補佐し、学校運営に深く携わるスタッフを増やすことが効果的であると考える。また、これらの

職に任命された教職員にとっては、早い時期から学校運営に携わることで、将来の学校管理職員

として必要な資質・能力・人格・識見等を高めることもできる。さらに、教職員給与に減り張り

をつけ、優秀な教員に対してその職責に見合った処遇をすることもできる。

Page 43: 教職員の多忙化の改善 調査結果ª¿査結果詳細.pdf第10期 全日教連モニター調査② 教職員の多忙化の改善についての調査結果 全日本教職員連盟

(3) 専門機関への委嘱

学校全体で行う業務が肥大化していることも、教職員の多忙化につながっていると考えられる。モニ

ター調査では、会計処理や報告のための調査・文書作成等の事務が多いことを、多忙化の理由として選

んでいる回答者の割合が最も高かった。

教職員が行っている事務の中には、例えば、各種学校諸費の会計処理等、教職員としての専門性を必

要としないものもある。学校事務職員が不足しているため、こういった事務も教職員が分担して行って

いるのが現状である。

各学校に、事務に携わる職員を複数配置すれば、直接児童生徒に関わりのない事務を委嘱することが

できる。例えば、行事予定等の各家庭へのお知らせ、教育委員会等への報告書等の文書作成、学校ホー

ムページの更新、教材・教具の管理、児童生徒が使うプリント類の印刷、学年会計・学級会計を含めた

学校諸費の処理等、一般的に教職員が分担している事務の一部は委嘱できるものと考える。

また、多忙化の原因として児童生徒の問題行動が増えていることを挙げた回答者の割合も高い。教職

員と児童生徒・保護者とがコミュニケーションをとることは大切なことであり、全てを専門機関に任せ

ることは好ましくないが、教育相談を行っている機関や、医療機関、警察等と連携し、問題を地域社会

全体で解決しようとする土壌を育てることも大切であると考える。時には、カウンセラーや医師、警察

署の署員等が学校に入り、一緒に問題解決にあたることも必要であろう。このような取組は以前から行

われているが、より一層連携の強化を進めていかなければならない。

(4) 事務の簡略化

設問4で多忙化の改善策をいくつか挙げたところ、「似たような調査・報告は一本化、電子化したり

する等、教育行政機関が連携して事務の軽減に努める」を選んだ回答者の割合が最も高かった。学校現

場ではまだ、報告先が違うだけで調査内容が重複することがある。また、電子メールを使った報告がで

きず、その分報告期限に余裕のないものもある。また、学校間や教職員間で共通のソフトを使用し、デ

ータのやりとりを簡単にしたり、管理を一本化したりすることも事務負担軽減の有効な手段になると考

えられる。

無駄を省き簡略化することで、報告の数を減らしたり、負担を軽減したりすることが大切である。国、

都道府県、市町村が連携を取り合い、調査報告の数や内容、調査方法等の実態を把握した上で、このよ

うな業務の負担軽減を図らなければならない。

(5) 条件附採用期間中の職務の見直し

教育公務員特例法第 12 条により、公立の幼稚園・小学校・中学校・高等学校・中等教育学校・特別

支援学校の教諭・助教諭・講師に係る条件附採用期間は 1年とされている。この期間を良好な成績で勤

務した後に、正式に公務員として採用となる。教諭については、この期間中、校内 60 日程度、校外 30

日程度の初任者研修を受講する。

今回のモニター調査では、若い教員が時間外にしている業務として、添削や学年だより・学級だより

の作成等を挙げる傾向が、他の年代に比べて強く出ていた。教職員としての業務に慣れていない初任者

は、一つ一つの日常業務に時間がかかることが、このことから読み取れる。また、他の年代においても

業務が多忙になっており、先輩から後輩へ、教師としてのノウハウを伝える時間や場が少なくなってき

ている。

このような現状の中、全体として70%以上の初任者が、担任を持っている。初任者の業務の負担は

非常に大きいと言える。その結果、せっかく夢を持って教職の世界に入ったにも関わらず、病気による

依願退職で若者が教壇を去っている現実がある。このような現状が続けば、ますます教育界に優秀な人

材を確保することが難しくなる。

条件附採用期間中の職務を見直し、先輩教職員の背中を見ながらじっくりと学ぶ環境を整え、一方で

初任者研修によって知見と人格を高められるようにすることが大切であると考える。そのためには、や

はり教職員定数を改善し、初任者の校務分掌等の職務負担を軽減したり、保護者とのトラブルの解消を

サポートしたり、学級経営や学習指導を先輩から学んだりできるようにし、ゆとりを持って条件附採用

期間の職務に専念できるようにしなければならないと考える。