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軟弱地盤とその対策
不動テトラ(株)より
目次
1. 軟弱地盤の概念と課題
2. 地盤改良の方法
3. 地盤改良の適用方法
沖積平野
沼沢地
谷あいの軟弱堆積物
人工地盤(埋立地、盛土)
地質・形態
1.軟弱地盤の概念と課題
日本における軟弱地盤の判定基準例
支持層 30以上 3m以上
軟弱地盤 4以下 10m以
上
軟弱地盤 2以下 5m以上
軟弱地盤 =0 2m以上
鉄道
軟弱地盤 30%以上 = 0 10以下 砂
軟弱地盤 50%以上 5以下 4以下 粘土
軟弱地盤 100%以上 5以下 4以下 泥
高速道路
普通 25 - 50 5 - 10 4 - 8
軟弱 12.5 –
25 2.5 - 5 2 - 4
非常に軟弱 12.5以
下 2.5以下 2以下
道路
含水比 長期許容支持力
コーン
指数 一軸強度 N値 層厚 土質
判定
地質条件
構造物
単位 : tf/m2(×10kN/m2)
軟弱地盤の判定基準例(その2)
軟弱地盤 20以下 フィルダム
軟弱地盤 10以下 10以下 建築
建設後も調査は
不必要
(問題なし)
50以上 5以上
層厚が大きければ調査が必要
20 – 50 2 – 5
沈下、安定のために詳細な調査
が必要 20以下 2以下
新幹線
含水比 長期許容支持力
コーン
指数 一軸強度 N値 層厚 土質
判定
地盤条件
構造物
単位: tf/m2(×10KN/m2)
軟弱地盤の概念
高含水比の粘性土
ゆるい砂質土
埋 立 地
沖積平野
(土質特性による規定)
すべり・支持力不足
変形(圧密沈下)
変形(液状化)
軟弱地盤で生じる課題
(地域)
すべり破壊(盛土) 構造物の傾斜(橋台等)
粘性土
すべり・支持力不足
地盤のすべりによって、構造物が破壊すること
道路盛土 盛土荷重
粘性土地盤
すべりの例 こんなクラックが生じ… すべり破壊する
基礎のすべり破壊のメカニズム
セロハンテープ
外力
粘着力の例
外力 外力
この面の粘着力・摩擦力が足りない
粘着力や摩擦力(せん断抵抗)の不足で、ある面ですべりが生じる
摩擦力の例
だるま落とし
変形 (圧密沈下)
構造物が数十年,数百年に渡って変形し続けること (即時に起きるなら、問題ではない)
何年後かに…
粘性土地盤 粘性土地盤
上載荷重による粘性土地盤の沈下
沈下・傾斜
タンク等
荷重
水
圧密沈下量
水
水 水 水
圧密のメカニズム
土粒子
土粒子間の間隙水が徐々に絞り出されることで 長い時間をかけて土の体積が減少する
沈下による亀裂
沈下による杭の抜け上がり
圧密沈下による建物への影響
ゆるい砂質土層
建物の傾斜・基礎地盤の崩壊
変形 (液状化)
地震時に生じる地盤の液状化によって、構造物が変形すること (常時は問題が生じない)
表面水 液状化状態
a. 液状化前 c. 液状化 (上層部のみ)
d. 液状化の終了 b. 液状化 (浮遊状態)
ゆるい砂の骨格が地震動によって壊される
地震動
液状化のメカニズム
液状化による盛土の崩壊
液状化によるエプロンの陥没
埋設物浮上り 噴砂
直接基礎構造物の倒壊
地盤改良とは...
圧密・排水 締固め 固結
2.地盤改良の方法
地盤に物理/化学的処理を行い、その性質を変化させること。
3つの基本的な方法がある。
土中水 の動き
無改良 or プレロード工法
ドレーン材
バーチカルドレーン工法
透水性の大きいドレーンを打設することで、透水性の小さい区間での水の移動距離を短くして、速やかに圧密/排水できるようにする。
バーチカル ドレーン
ペーパードレーン
(スウェーデン)
サンドドレーン (アメリカ)
サンドドレーン
袋詰めサンドドレーン
プラスチックボードドレーン
その他ドレーン
圧密・排水
サンドドレーン工法
施工手順
ホッパー
使用材料
2016/7/18
プラスチックボードドレーン工法
施工手順
位置決め 打ち込み 引き抜き 材料切断
ドレーン材
・締まった砂杭(サンドコンパクションパイル)を造成して砂杭のせん断強度を粘性土に与える。
・盛土する場合は、杭間粘土の圧密も促進される。
サンドコンパクションパイル工法 動的:打ち戻し(振動)式SCP工法
静的:静的締固め砂杭工法
締固め(粘性土)
良く締固まった砂地盤 ゆるい砂地盤
緩い砂質土を振動させたり、せん断変形させることで、密な砂に変化させる。
締固め(砂質土)
締固め
打戻し式サンドコンパクションパイル工法 (コンポーザー)
静的締固め砂杭工法 (SAVEコンポーザー)
振動棒工法 (バイブロロッド工法)
表層締固め工法 (マンモスバイブロタンパー工法)
振動式SCP工法
施工手順
ケーシング
打戻し 引抜き
拡径
砂杭
締固め 締固め
施工時の地盤変化 (砂質土の場合)
施工機械 機械構成
静的締固め砂杭工法
施工状況
小さな騒音…市街地でも施工が可能
SAVEマリーン
dB
m
静的 振動式
砂
シルト
埋土
粘土
シルト質
砂混り
粘土質
ハハハハ
ハハハハ
ハハハハ
ローム
粘土混り
砂質
シルト混り
○ ○ ○ ○
○ ○ ○ ○
○ ○ ○ ○
○○
礫
N値
0
2
4
6
8
10
12
14
0 5 10 15 20 25 30
事前N値
事後N値1(SAVE)
事後N値2(SAVE)
事後N値3(SCP)
事後N値4(SCP)
Fc
0
2
4
6
8
10
12
14
0 20 40 60 80 100土質 砂杭
(%)
(m)
深さ
改良効果
施工方式の違い
2016/7/18 集合教育プログラム レベル1 軟弱地盤と対策 23
高圧噴射攪拌
グラウト噴射系攪拌工法
エアーグラウト噴射系攪拌工法
水・エアーグラウト噴射系攪拌工法
機械攪拌混合
スラリー系機械攪拌式深層混合
粉体系機械攪拌式深層混合
固化材の
注入
土粒子
固化地盤
固化材 土粒子
間隙
軟弱地盤
粘土や砂質土の粒子を、主にセメント系固化材で固結させる。
固結
スラリー系(機械撹拌式)深層混合処理
施工機械
出来型 (掘り起こし
たもの)
施工手順 機械構成
施工状況 (飛散防止フード使
用)
粉体系(機械撹拌式)深層混合処理
セメントの粉を空気で搬送する。
(空気は地表に排出される)
(高圧噴射撹拌)深層混合処理
改良範囲 (撹拌翼の届かない距離も固結可能)
噴射状況
矢板などとの一体性が
求められる箇所に適用
H.W.L +2.80
L.W.L ±0.00
既設鋼矢板
+1.00
-20.5
既設CDM
+4.00
-12.6
JACSMAN
グラベルドレーンおよびサンコンパクション
-3.00
5.40 2.50
+2.80
約35m
約13m
1.4
03.7
0
φ2300
φ1250
0.900.9
02.1
5
シラス層
その他の固化工法 浅層~中層混合処理
スラリー吐出部と攪拌部
施工状況
撹拌装置を前後させて、地表付近を全面改良する。
圧 密 沈 下
軟弱地盤の課題に対して、
地盤改良工法はどのように適用されるのか?
すべり・安 定
液 状 化
3.地盤改良の適用方法
締 固 め
圧密・排水
固 結 ?
軟弱地盤への地盤改良の適用
課題の解決手段 改良法
圧 密 沈 下
圧密促進
課 題
せん断抵抗増加 すべり・安 定 固 結
締 固 め
液 状 化
締固め工法の適用例
すべり面を遮る様に、サンドコンパクションを打設
すべり面の一部の摩擦力が増大することで、すべりを防止する
盛土のり面下 受働崩壊部分 主働崩壊部分
2016/7/18 集合教育プログラム レベル1 軟弱地盤と対策 31
固結工法の適用例
すべり円・破壊面を遮る様に、深層混合処理を行う
一部の面が固結されるため、破壊が生じなくなる
盛土のり面下 擁壁直下
圧密工法の適用例
すべり面の粘土層を圧密促進するために、ドレーンを打設する
盛土下の粘土を圧密させると、粘着力が増大する → すべり抵抗が大きくなる
盛土下
有効鉛直応力σv'
粘着力c
1
3
軟弱地盤への地盤改良の適用
課題の解決手段 改良法
圧密促進
課 題
せん断抵抗増加 すべり・安
定 固 結
締 固 め
液 状 化
粘性土の圧密を促進
圧 密 沈 下
圧密促進
粘性土でなくする 固 結
圧密工法の適用例
長期沈下する粘土層を圧密促進するために、ドレーンを打設
粘土の圧密沈下を供用開始前に終わらせることで、 供用中の変形を避ける
構造物下に打設
沈下に応じた余盛り
圧密促進とは
沈下を早めて供用後の
残留沈下を少なくする プレロードを併用して
さらに工期短縮を図る場合
沈下量S
時間
無対策地盤の沈下
ドレーン地盤の沈下
供用開始 盛土高
供用開始からの沈下が小さい →メンテナンスが少なくて済む
ドレーンのみ
ドレーン+プレロード
プレロード
目標沈下量
固結工法の適用例
長期沈下する粘土層を(一部)固結し、圧密沈下しない地盤に変える
固結した土(ソイルセメント)は沈下変形しないので、
長期的に形状を保持できる
構造物下に打設
軟弱地盤への地盤改良の適用
課題の解決手段 改良法
圧密促進
課 題
せん断抵抗増加 すべり・安 定 固 結
締 固 め
粘性土の圧密を促進 圧 密 沈 下
圧密促進
粘性土でなくする 固 結
液状化の発生を防止 液 状 化 固 結
排 水 (圧密促進)
締 固 め
“液状化現象”を理解し対策を考える
①緩く堆積し
④非排水状態において
②飽和した
③砂地盤(粒状体)が、
⑤繰り返しせん断を受け
締 固 め
地下水位低下
固 結
液状化とは・・・
ることで生じる、泥状化である。
対策は・・・
排 水(圧密促進)
(固結壁による)
せん断変形抑止
が考えられる。
締固め工法の適用例
ケーシング
打戻し 引抜き
拡径
砂杭
締固め 締固め
サンドコンパクションパイルで砂地盤を密に締固める
埋設物の浮き上がり防止 杭の変形/破壊の防止
砂
シルト
埋土
粘土
シルト質
砂混り
粘土質
ハハハハ
ハハハハ
ハハハハ
ローム
粘土混り
砂質
シルト混り
○ ○ ○ ○
○ ○ ○ ○
○ ○ ○ ○
○○
礫
N値
0
2
4
6
8
10
12
14
0 5 10 15 20 25 30
事前N値
事後N値1(SAVE)
事後N値2(SAVE)
事後N値3(SCP)
事後N値4(SCP)
Fc
0
2
4
6
8
10
12
14
0 20 40 60 80 100土質 砂杭
(%)
(m)
深さ
締固め効果 サンドコンパクションパイルの締固め機構
ブロック改良,接円改良 (深層混合処理工法)
格子状の固結壁 (TOFT工法) 固化
固結工法の適用原理
TOFT工法
施工概念図 施工状況
(深層混合処理機による)
出来型
TOFT工法の適用例と効果確認例
適用対象/方法は、締固め工法と同様
人工材によるドレーン工法 (ドレーンパイプ工法)
砕石パイル工法 (グラベルドレーン工法) 排水
排水工法の適用原理
グラベルドレーン工法
施工手順 施工状況
排水工法の適用例 液状化すると構造物に影響を及ぼす砂地盤に、
透水性の高いドレーンを打設し、排水性を高める。
適用対象/方法は、締固め・固結と同様。
透水性の悪い 原地盤
透水性の良い ドレーン
軟弱地盤・課題・地盤改良の適用
改良法
圧密促進
課 題
すべり・安 定 固 結
締 固 め
圧 密 沈 下 圧密促進
固 結
液 状 化 固 結
排 水 (圧密促進)
締 固 め
ま と め
高含水比の粘性土
ゆるい砂質土
埋立地
沖積平野