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F5 BIG-IP ロード・バランサを用い OracleAS インフラストラクチャの 高可用性構成 Oracle-F5 Networks ホワイト・ペーパー 2004 8

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F5の BIG-IPロード・バランサを用いた OracleASインフラストラクチャの高可用性構成

Oracle-F5 Networksホワイト・ペーパー 2004年 8月

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F5の BIG-IPロード・バランサを用いた OracleASインフラストラクチャの高可用性構成

概要 ...................................................................................................................... 3 アクティブ-アクティブ方式インフラストラクチャ・ソリューション ..... 4 基本 AFC........................................................................................................ 4 分散 AFC........................................................................................................ 4 基本マルチ・ノード .................................................................................... 5 分散マルチ・ノード .................................................................................... 5

アクティブ-アクティブ方式インフラストラクチャでのロード・ バランサの使用 .................................................................................................. 6 F5の BIG-IPロード・バランサ ....................................................................... 7 基本用語 ........................................................................................................ 7

BIG-IPロード・バランサを使用するアクティブ-アクティブ方式 インフラストラクチャの構成 .......................................................................... 9 定義 ................................................................................................................ 9 構成手順 ...................................................................................................... 11 プールの作成 ......................................................................................... 11 ルールの作成 ......................................................................................... 12 仮想サーバーの作成およびプール/ルールとの関連付け................ 12 モニターの作成およびノードとの関連付け ..................................... 13 冗長 BIG-IPへの情報の伝播 ............................................................... 14

インフラストラクチャのインストール前の手順 .................................. 14 Staticports.ini........................................................................................... 14 ロード・バランサ構成 ......................................................................... 14

インストール .............................................................................................. 15 インストール後の手順 .............................................................................. 15 両方のノードで OIDトラフィックを有効化.................................... 15

検証手順 ...................................................................................................... 15 SSOおよび DASのための SSLプロキシの構成 ................................... 15 ロード・バランサ構成 ......................................................................... 15 SSOの構成............................................................................................. 16 DASの構成 ............................................................................................ 16 検証手順 ................................................................................................. 17

中間層インストール時のロード・バランサ構成 ........................................ 17 付録 A - Staticports.iniテンプレート .............................................................. 18 基本 AFCおよび基本マルチ・ノード・インストール用..................... 18 分散 AFCインストールおよび分散マルチ・ノード・ インストール用 .......................................................................................... 18

F5の BIG-IPロード・バランサを用いた OracleASインフラストラクチャの高可用性構成

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Oracle Corporation発行「Configuring Highly Available OracleAS infrastructure with F5’s BIG-IP Load Balancer」の翻訳版です。

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F5の BIG-IPロード・バランサを用いた OracleASインフラストラクチャの高可用性構成

概要

Oracle Application Serverインフラストラクチャは、アプリケーション・デプロイ

のために集中化されたセキュリティおよび管理プラットフォームを提供します。

これには、Oracle Identity Managementインフラストラクチャの他、集中化された

Product Metadata管理および構成管理の機能を含みます。このインフラストラク

チャは、Oracle9i Application Server 9.0.2への導入以降、引き続き Oracle Application

Server 10g(9.0.4)でも提供されています。

Oracle Application Serverのデプロイメントの高可用性のためには、高可用性を提

供するインフラストラクチャ・サービスが必要です。Oracle Application Server 10g

(9.0.4)リリースは、様々な顧客要件に合せて、多様な高可用性(HA)アーキテ

クチャでインフラストラクチャ配置をサポートします。主な HAソリューション

には、Cold Failover Cluster(CFC)、Active Failover Cluster(AFC)、Multi Node

(ラック・マウント型)インフラストラクチャなどがあります。Active Failover

Clusterおよびマルチ・ノードのインフラストラクチャ・ソリューションは、本質

的にアクティブ-アクティブ方式です。アクティブ-アクティブ方式では、異なる

サーバーにインフラストラクチャ・プロセスの複数のインスタンスがあり、同時

にリクエストの処理を意味します。すべてのアクティブ-アクティブ方式配置で、

ハードウェア・ロード・バランサは、このような同時にアクティブなインスタン

ス全体に、着信 OID(Oracle Internet Directory)、SSO(Single Sign On)、および

DAS(Delegated Administrative Service)の各サービス・リクエストを分配します。

いずれかのインスタンスで障害が発生すると、ロード・バランサは単に以後のリ

クエストを有効なインスタンスに送ります。

したがって、ロード・バランシングとフェイルオーバーの機能を提供するハード

ウェア・ロード・バランサは、アーキテクチャにとって不可欠といえます。さら

に、ロード・バランサの SSLアクセラレータ機能も、Single Sign Onおよび DAS

における HTTPSベースへの接続に SSLプロキシとして使用できます。高可用性

の実現には、常にロード・バランサを冗長的に配置します。このホワイト・ペー

パーは、オラクル社および F5 Networks社により共同で執筆されたもので、F5の

BIG-IPロード・バランサを高可用性(HA)インフラストラクチャ配置で使用する

場合の構成および運用上のベスト・プラクティスについて説明します。

F5の BIG-IPロード・バランサを用いた OracleASインフラストラクチャの高可用性構成

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アクティブ-アクティブ方式インフラストラクチャ・ソリューション

Oracle Application Server 10g(9.0.4)の主要なアクティブ-アクティブ方式インフラ

ストラクチャ高可用性ソリューションは、Active Failover Cluster(AFC)およびマ

ルチ・ノード・インフラストラクチャ・ソリューションです。理解しやすくする

ため、データベース層、OID層、Web層(Oracle Single Sign-Onおよび Delegated

Administrative Serviceアプリケーションを稼働する Oracle HTTPサーバーと OC4J

インスタンスがあります)の 3つの層の配置を仮定します。次のブロック・ダイ

アグラムに、このアーキテクチャの配置を示します。アーキテクチャの基本配置

と分散配置の両方が示されています。このような高レベル・ブロック・ダイアグ

ラムは、様々なアクティブ-アクティブ方式のアーキテクチャを説明することが目

的です。複雑なトラフィックも一緒に表示した詳細なダイアグラムは別に提供さ

れています。ここでのデータベース層は常に Real Application Clusters(RAC)ベー

スとして仮定します。ただし、多くの場合、これはコールド・フェイルオーバー・

クラスタ構成で配置されるデータベースとしても可能です。

基本 AFC

図 1: 基本 Active Failover Clusterのブロック・ダイアグラム

基本 AFC配置(前述の図 1)には、1つのハードウェア・クラスタの 2つのノー

ド上に 3つの層が示されています。この場合、単一のインストール・セッション

で、ハードウェア・クラスタにすべての層がインストールされます。

分散 AFC

図 2: 分散 Active Failover Cluster

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一般的な分散 AFC配置におけるWeb層の 2つのインスタンスは、データベース

と OID層を持つクラスタとは異なる 2台のマシンに置かれます。この場合、ハー

ドウェア・クラスタで 1回のインストールが必要です。これにより、データベー

ス層と OID層がインストールされます。Web層のその後のインストールは、別の

マシンで独立して行われます。Web層の各インスタンスに対し 1回のインストー

ルが必要です。

基本マルチ・ノード

図 3: 基本マルチ・ノード・インフラストラクチャのブロック・ダイアグラム

基本マルチ・ノード・インフラストラクチャ HA配置(前述の図 3)は、2台の独

立したマシンに(冗長性のため)OID層およびWeb層があり、RACクラスタとし

てデータベース層を持ちます。データベース層は、OracleAS repCA(リポジトリ

構成アシスタント)を使用して既存の RACデータベースに作成されます。OID層

およびWeb層は、複数のマシンの同じ Oracle Homeに一緒にインストールされま

す。マシンへの各インストールは、独立したインストール・セッションです。

分散マルチ・ノード

図 4: 分散マルチ・ノード構成

分散マルチ・ノード構成(図 4)は、ハードウェア・クラスタ上の RACデータベー

ス層と 2台以上の独立したマシン上の OID層と 2台以上の独立したマシン上の

Web層を持ちます。この場合、OID層は、同じ RACクラスタに共存できますが、

データベース・インストールとは別の Oracle Homeに置きます。データベース層

は、OracleAS repCA(リポジトリ構成アシスタント)を使用して既存の RACデー

タベースで作成されます。OID層は、2台以上の独立したマシンへ別々にインス

F5の BIG-IPロード・バランサを用いた OracleASインフラストラクチャの高可用性構成

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トールされます。これは、それぞれ独立したインストールです。Web層も、独立

したインストール・セッションである各インストールで複数のマシン上にインス

トールされます。

ここではこれらのアーキテクチャの完全な説明と詳細なインストールについて説

明しませんが、他のオラクル・ドキュメントと関連ホワイト・ペーパーでは説明

しています。基本AFC構成のインストールは、『Oracle Application Server 10g イン

ストレーション・ガイド』で説明しています。分散AFC構成のインストールは、

ホワイト・ペーパー『高可用性の分散ID管理』で説明しています。基本および分

散マルチ・ノード構成のインストールは、ホワイト・ペーパー『ID管理の可用性

を高める配置例: マルチボックスID管理』で説明しています。

アクティブ-アクティブ方式インフラストラクチャでのロード・バランサの使用

前述したアーキテクチャのすべてのバリエーションでのハードウェア・ロード・

バランサは、LDAPトラフィックに対する着信リクエストを OID層に送り、HTTPトラフィックに対する着信リクエストをWeb層に送る構成がされています。これらは、インフラストラクチャのクライアント、中間層ノード、またはユーザー・

ブラウザからリクエストされます。データベースに対する Oracle Netトラフィックは、Oracle Netロード・バランシングで、Oracle Net接続記述子と複数アドレスをそのアドレス・リストに指定することによりロード・バランシングされます。

典型的な OID LDAP接続は、中間層コンポーネントの起動時に、SSO/DASおよび中間層コンポーネントから確立され、接続の寿命の間は常に使用可能で、接続指

向的です。したがって、ロード・バランサは、これらの接続をタイムアウトしな

いことが重要です。また、リクエストの瞬間のみ有効な他の OID LDAPリクエストもあります。OID接続は、2つのポートで確立されます。その 1つは OIDの SSL暗号化接続、もう 1つは非 SSL接続に使用されます。各ポートは、インストール時に定義されます。ポートは、インストーラに自動的に選択させるか、またはユー

ザーの事前定義ができます。アクティブ-アクティブ方式の HAインフラストラクチャのインストールでは、Oracle Installerの Static Ports機能によりポートの事前定義をお薦めします。インストーラによりポートが選択される場合、非 SSL OIDポートのデフォルトは(使用中でない場合)389で、可能なポートは 389と 3060~3129の範囲の空いている 1つです。また SSL OIDポートのデフォルトは 636で、可能なポートは 636と 3130~3199の範囲の空いている 1つです。

Oracle HTTP Serverに対するクライアント接続は、主に SSOサービスおよび DASサービスのためです。これらは、HTTPまたは HTTPSができます。これらの大部分は、インフラストラクチャ自体の外部、主にユーザーのブラウザから送られま

す。ロード・バランサは、いずれかのノードの HTTPサーバーにこのトラフィックを振り分けます。HTTPサーバーは、リクエストをローカル OC4Jインスタンスに転送し、SSO/DASリクエストに対応します。

SSO HTTP/HTTPSリクエストは、本質的にステートレスです。これらの接続に関する滞留時間の要件はありません。DAS HTTP/HTTPSリクエストは、ステート指向であり、滞留時間が必要です。SSOと DASは、同じ OC4Jコンテナで稼働する2つの独立したアプリケーションです。HTTPプロセスの共有セットは、この OC4Jコンテナにトラフィックを送ります。使用される HTTP/HTTPSポートは、インス

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トール時に定義されます。ポートは、インストーラの自動的な選択も、またはユー

ザーの事前定義もできます。アクティブ-アクティブ方式の HAインフラストラクチャのためのインストールでは、Oracle Installerの Static Ports機能によりポートの事前定義をお薦めします。インストーラによりポートが選択される場合、HTTPポートのデフォルトは 7777で、可能なポートは 7777~7877の範囲の空いている1つです。また HTTPSポートのデフォルトは 4443で、可能なポートは 4443~4543の範囲の空いている 1つです。

多くの配置では、ファイアウォールにより、ロード・バランサと一部の層を隔て

ることができます。そのような場合、層がファイアウォールに対する層の位置に

よって、ファイアウォールでの適切なポートのオープンが必要となります。オー

プンが必要なのは、Oracle Netポート、SSL接続と非 SSL接続のための OIDポート、HTTPポートと HTTPSのポートです。

前述のブロック・ダイアグラムでは、複数のロード・バランサを示していますが、

OID層とWeb層の両方に対して同じロード・バランサ・デバイスの使用もあります。

基本 AFCと基本マルチ・ノード構成では、OID層とWeb層がそれぞれ専用のポートで、同じロード・バランサ仮想サーバー・ホスト名を使用します。分散 AFCと分散マルチ・ノード構成では、OID層とWeb層がそれぞれ異なるロード・バランサ仮想サーバーでそれぞれ専用のポートを使用します。

F5の BIG-IPロード・バランサ

このドキュメントでは、BIG-IPロード・バランサについての十分な理解を前提と

しています。次にこの後に役立ついくつかの基本用語について説明します。詳細

は、『BIG-IP Solutions Guide』および『BIG-IP Reference Guide』を参照してくださ

い。次の定義は、これらのガイドからの抜粋です。

この後の説明で仮定している BIG-IPのバージョンは、BIG-IP 4.5です。iControl API

ドキュメントについては、iControl SDK 4.5を参照してください。

基本用語

アプリケーション・トラフィックを適切なサーバーに送るために BIG-IPシステム

による基本要素は 4つあります。それは、仮想サーバー、プール、ルールおよび

ノードです。その他の要素としては、モニター、プロキシなどがあります。一般

に BIG-IPシステムには、複数の仮想サーバー、プール、および関連ノード(メン

バー)を含みます。

プール

プールとは、ロード・バランシング方式にしたがってトラフィックを受信するた

めにグループ分けされたデバイス(サーバー)のセットです。プールのメンバー

は、1つまたは複数のサーバー(ノードと呼ばれる)で構成され、IPアドレスと

ポート(IP address:port)の組合せで定義されます。各プールは、永続性(滞留時

間)定義と使用されるロード・バランシング・アルゴリズムの点でそれぞれ独自

の特性を持ちます。プールは、特定の仮想サーバーや iRuleと関連付けられます。

したがって、仮想サーバーに到着するトラフィックは、通常関連付けられたプー

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ルの 1つに送られます。プールは、リクエストを受け取ると、選択されたロード・

バランシング方式に基づいてプールのメンバーにさらに転送します。プールは、

仮想サーバーから直接またはルールを介してトラフィックの受取り後、任意に

様々な種類の操作ができます。たとえば、HTTPリクエストへのヘッダーの挿入、

パケット内のサービス品質またはサービス・タイプのレベルの設定、フォールバッ

ク宛先に対するリクエストのリダイレクトなどです。

仮想サーバー

仮想アドレスを持つ仮想サーバーは、クライアントがアドレス指定できるホスト

名/IPおよびポートです。それによって、クライアントは、ロード・バランシング・

プールのノードを、直接またはルールを介して間接的に利用できます。つまり、

仮想サーバーとは、BIG-IPがトラフィックをロード・バランシングするデバイス

へのアクセスにクライアントによって使用されるホスト・アドレス/IPです。仮想

サーバーの作成前に、トラフィックの転送先とする実際の物理デバイスのロー

ド・バランシング・プールの構成が必要となります。その後、仮想サーバーを作

成してそのサーバーからのトラフィックの宛先として、そのプールが指定できま

す。さらに、トラフィックの一部を仮想サーバーから事前に定められた基準に基

づく複数のプールへ送る場合、基準を指定するルールを作成しておくと、BIG-IP

により基準に合うプールへ適切にトラフィックが転送されます。

ルール

ルールとは、2つ以上のロード・バランシング・プールの中から選択するユーザー

が作成したスクリプトです。つまり、仮想サーバーにおける特定な着信リクエス

トについて、それを送信するプールをルールは選択します。そのため、トラフィッ

クのリダイレクトに対してより細かいレベルでの制御がルールによって可能にな

ります。

あるリクエストのためにルールから選択されたプールは、それ自体が 1つまたは

複数のメンバーになります。

モニター

モニターは、ノードの状態またはノード・アドレスの確認に使用します。モニター

は、ロード・バランシング・プールのメンバーであるノードで接続とサービスを

確認します。モニターは、設定されたインターバルでその時点のノードまたはサー

ビスのステータスを確認する設計がされています。チェック対象のノードまたは

サービスが指定されたタイムアウト期間内に応答しない場合、またはノードのス

テータスとしてノードのパフォーマンス低下が示された場合、BIG-IPシステムが

自動的にそのプールを外してプールの他のメンバーにトラフィックをリダイレク

トします。ノードまたはサービスが使用可能になると、モニターはこれを検出し、

ノードまたはサービスが自動的にプールへ戻されます。

プロキシ

BIG-IPシステムは、SSL Acceleratorプロキシにより、完全に SSLカプセル化され

たプロトコルで送信されたすべての接続を受け入れて終了できます。オプション

として、ターゲットWebサーバーに対する安全な接続の開始にも SSLプロキシを

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構成できます。インフラストラクチャでは、一般的に SSO/DAS HTTPリクエスト

用として使用されます。このホワイト・ペーパーでは、その例を示します。

BIG-IPロード・バランサを使用するアクティブ-アクティブ方式インフラストラクチャの構成

ここからは、ロード・バランサ構成における最も一般的な要件について検討しま

す。ここでは、基本 BIG-IPセットアップ、VLANのセットアップなど必要となる

事前構成作業が完了していることを前提にします。ここでのロード・バランサ構

成の説明は、アクティブ-アクティブ方式インフラストラクチャ構成において必要

なものに限定します。アクティブ-アクティブ方式インフラストラクチャの構成に

は、このコンテキストで次の手順が重要です。

• 仮想サーバー名、oidPort、oid_sslPortおよび sso_dasPortを決定します。

• 仮想サーバーに割り当てられた IPアドレスを取得し、これが Domain

Name Server(DNS)に含まれていることを確認します。

• 次のガイドラインに基づいて F5 BIG-IPを構成します。

• OracleASインフラストラクチャ・インストール用の staticports.iniファイ

ルを作成し、以前に決定された、ロード・バランサ構成で消費されるポー

トを使用します。

• ロード・バランサとサービス/クラスタ・ノードが異なるセキュリティ・

ゾーンにある場合(1つ以上のファイアウォールにより区切られている場

合)、ファイアウォール間の双方向トラフィックのために適切なポート

がオープンであることを確認します。

• インストールされていないノードやロード・バランサで停止している

ノードを適切にマークします。

• ここで作成した staticports.iniファイルによりインフラストラクチャをイ

ンストールします。

定義

ポート数

次の表に、これから使用するポートを定義します。理解しやすくするため、特定

なサービスに使用されるポートはサービスのすべてのインスタンスで同じと仮定

します。たとえば、server1で OIDに使用されるポートが oidPortの場合、同じポー

トが OIDの冗長インスタンスの OIDにも使用されます。多くの場合、これは

OracleASインストールにより自動です。

サービス ポート

OIDポート oidPort

SSL接続用の OIDポート oid_sslPort

SSOおよび DAS URLで使用される HTTPポート sso_dasPort

Application Server Controlポート emPort

SSOおよび DAS URLで使用される HTTPSポート sso_das_sslPort

F5の BIG-IPロード・バランサを用いた OracleASインフラストラクチャの高可用性構成

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リアル・サーバー

次の表に、この後の説明で必要な物理ホスト名をリストします。これをデータベー

ス層、OID層、Web層(SSOと DAS)の 3つの層に分けました。

サーバー・タイプ ホスト名

データベース層のホスト d1.acme.comと d2.acme.com

OID層のホスト o1.acme.comと o2.acme.com

Web層のホスト s1.acme.comと s2.acme.com

基本 AFCインストールの場合、この 3つの層はすべて同じハードウェア・クラス

タ上にあり、o1=s1=d1および o2=s2=d2となります。分散 AFCインストールの場

合、データベースと OIDは同じクラスタにあり、Web層は別のボックスにあるた

め、d1=o1および d2=o2です。

基本マルチ・ノード HAインストールの場合、OID層とWeb層は同じボックスに

一緒にインストールされるため、o1=s1および o2=s2となります。分散マルチ・ノー

ド・インストールの場合、通常サーバーはすべて異なります。

プール名

次の表に、ロード・バランサで構成されるプールをリストします。プール・メン

バーは、プールが着信リクエストをバランシングする host:portです。

プール・タイプ プール名 プール・メンバー

OIDに対する非 SSL接続 ldap o1.acme.com:oidPort o2.acme.com:oidPort

OIDに対する SSL接続 ldap_ssl o1.acme.com:oid_sslPort o2.acme.com:oid_sslPort

SSOサービスに対する HTTP接続 sso s1.acme.com:sso_dasport s2.acme.com:sso_dasPort

DASサービスに対する HTTP接続 das s1.acme.com:sso_dasport s2.acme.com:sso_dasPort

OID層での EMポートに対する HTTP接続 em_ldap o1.acme.com:emPort o2.acme.com:emPort

Web層での EMポートに対する HTTP接続 em_sso s1.acme.com:emPort s2.acme.com:emPort

SSOサービスに対する HTTPS接続 sso_ssl s1.acme.com:sso_das_sslPort s2.acme.com:sso_das_sslPort

DASサービスに対する HTTPS接続 das_ssl s1.acme.com:sso_das_sslport s2.acme.com:sso_das_ssl port

仮想サーバー

この表は、OID層とWeb層の仮想サーバーを一覧表示しています。仮想サーバー

のホスト名は、Domain Name Serverの一部として必要です。

基本 AFCインストールおよび基本マルチ・ノード・インフラストラクチャ・イン

ストールの場合、両方の層に対して 1つのみの仮想サーバー・ホスト名、つまり

oid=ssoが存在します。これらのアーキテクチャの分散形式では、oid≠ssoです。

F5の BIG-IPロード・バランサを用いた OracleASインフラストラクチャの高可用性構成

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仮想サーバーは、virtualhost:port(service)ベースで BIG-IPに作成されます。理解

しやすくするため、仮想サーバー・ポートが、マップされるプールのポートと同

じであると仮定しました。たとえば、仮想サーバーの oidポートはプールの oidポー

トと同じであり、すなわち OIDがリスニングするポートと同じです。ただし、こ

れらは異なっていてもかまいません。ただしこれは、インストール後のみ可能で

す。OIDアクセス・ポートまたは SSOアクセス・ポートの変更に必要な詳しい手

順は、『Oracle Application Server 管理者ガイド』を参照してください。

仮想サーバー・タイプ 仮想サーバー名

OID層の仮想サーバー oid.acme.com:oidPort

OID層(SSL)の仮想サーバー oid.acme.com:oid_sslPort

Web層の仮想サーバー sso.acme.com:sso_dasPort

OID層の EMの仮想サーバー oid.acme.com:emport

SSO層の EMの仮想サーバー sso.acme.com:emport

Web層(SSL)の仮想サーバー sso.acme.com:sso_das_sslport

ルール

Web層仮想サーバーは、ssoプールと dasプールの 2つにマップされる予定です。

この場合、着信トラフィックを管理し、2つのプールに分配するルールが必要で

す。

ルールの機能 ルール名

Web層の着信 HTTPトラフィックを ssoプールまたは dasプールのいずれかに送るルール

sso_das_rule

構成手順

プールの作成

BIG-IP構成プールによる新しいプールの作成には、冗長ロード・バランサ構成の

アクティブなロード・バランサに接続し、「プール」をクリックし、「+」ボタン

をクリックします。各プールは個別の作成が必要です。これらのプールの特性に

ついて、次の表で説明します。

プール名 プール・メンバー 永続性 ロード・バランシング

ldap o1.acme.com:oidPort 02.acme.com:oidPort

永続性なし 最小接続(メンバー) またはラウンド・ロビン

ldap_ssl o1.acme.com:oid_sslPort 02.acme.com:oid_sslPort

永続性なし 最小接続(メンバー) またはラウンド・ロビン

sso s1.acme.com:sso_dasPort s2.acme.com:sso_dasPort

永続性なし 最小接続(メンバー) またはラウンド・ロビン

das s1.acme.com:sso_dasPort s2.acme.com:sso_dasPort

アクティブな

HTTP Cookie

方法: 挿入

有効期限: NULL

最小接続(メンバー) またはラウンド・ロビン

F5の BIG-IPロード・バランサを用いた OracleASインフラストラクチャの高可用性構成

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em_ldap o1.acme.com:emPort 02.acme.com:emPort

アクティブな

HTTP Cookie

方法: 挿入

有効期限: NULL

最小接続(メンバー) またはラウンド・ロビン

ern_sso s1.acme.com:emPort s2.acme.com:emPort

アクティブな

HTTP Cookie

方法: 挿入

有効期限: NULL

最小接続(メンバー) またはラウンド・ロビン

それに加え、プールのそれぞれについて次の有効(デフォルトにより)が必要で

す。

Enable SNAT

Enable NAT

ルールの作成

ルールの作成には、「Rules」をクリックし、「+」をクリックして、新しいルー

ルを追加します。

SSO_DAS_rule

if (http_uri starts_with "/oiddas/") { use pool das } else { use pool sso }

仮想サーバーの作成およびプール/ルールとの関連付け

仮想サーバーを作成してそれぞれ対応するプールまたはルールと関連付けます。

仮想サーバーの作成には、「Virtual Servers」をクリックし、「+」をクリックし

て、新しい仮想サーバーを追加します。

Address サービス プール ルール

oid.acme.com oidPort ldap なし

oid.acme.com oid_sslPort ldap_ssl なし

sso.acme.com ssoPort なし sso_das_rule

oid.acme.com emPort em_Idap なし

sso.acme.com emPort em_sso なし

その他のデフォルト・エントリは、仮想サーバー作成に適しています。

OIDサービスに関係する仮想サーバーの場合(oid.acme.com:oidPortと

oid.acme.com:oid_sslPort)、TCP Enabledがチェックされ、Idle Connection Timeout

TCP(seconds)が十分に大きい値(たとえば 345600)に設定されていることを確

認してください。これは、「Virtual Services Properties」画面で利用できます。

F5の BIG-IPロード・バランサを用いた OracleASインフラストラクチャの高可用性構成

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Oracle Corporation発行「Configuring Highly Available OracleAS infrastructure with F5’s BIG-IP Load Balancer」の翻訳版です。

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モニターの作成およびノードとの関連付け

次のモニターを作成します。モニターの作成には、「Monitors」をクリックし、

「+」をクリックして、新しいモニターを追加します。

モニター名 構成

infra_http httpから継承

Interval: 20

Timeout: 61

Send String: GET /sso/status

Receive Rule: OC4J_SECURITY is running

infra_ldap ldapから継承

Interval: 20

Timeout: 61

Username: cn=orcladmin

Pas sword: orcladmin_password

Filter: cn=databasename

infra_ldap_ssl tcpから継承

Interval: 20

Timeout: 61

モニターのインターバルとタイムアウトは、必要な要件に基づいて調整が必要で

す。

インターバルは、BIG-IPがサービスをピングする頻度です。またタイムアウトは、

サービスを停止する決定までに待つ最大時間です。

インターバル時間が短いと(たとえば 5秒)、ピングの頻度が高くなりますが、

サービスが停止した場合の自動フェイルオーバーが速くなります。

タイムアウトの最小値は、interval*3+1です。ネットワーク遅延のため、低速のバッ

クエンド・サーバーや負荷の高いサーバーでは、偽のアラームの防止に、この値

を高めに調整する必要があります。

OPMN(Oracle Process Manager and Notification server)プロセスは、アプリケーショ

ン・サーバー・コンポーネント・プロセスをモニターして再起動することに注意

してください。したがって、ここで指定するインターバルとタイムアウトの値が、

コンポーネントの ORACLE_HOME/opmn/conf/opmn.xmlに指定されたピング・タ

イムアウト値および再起動タイムアウト値で正しく機能することは重要です。前

述の値は、推奨されるデフォルト設定です。

モニターの作成後、次のノードとモニターを関連付けます(ノード関連付け)。

モニター名 ノード

infra_http s1.acme.com:sso_dasport s2.acme.com:sso_dasPort

infra_ldap o1.acme.com:oidPort o1.acme.com:oidPort

infra_ldap_ssl o1.acme.com:oid_sslPort o1.acme.com:oid_sslPort

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Application Server Control関係のプールのモニターは、オプションで停止できるた

め、ここには示しません。ただし、必要に応じて同様のモニターが作成できます。

infra_ldapモニターが orcladminパスワードを表示することでこれを作成できない

場合、非 SSL oidポートのかわりに infra_ldap_sslモニターが使用できます。

冗長 BIG-IPへの情報の伝播

特に冗長ロード・バランサの配置が推奨されているため、ここでのアクティブな

ロード・バランサの構成を、冗長構成の他のロード・バランサに伝播が必要です。

BIG-IP Configuration Utilityでは、ホームページで「Redundant Properties」をクリッ

クし、「Synchronize Configuration」をクリックします。

これは、新しく作成された構成を冗長ロード・バランサに伝播し、アクティブな

ロード・バランサで障害が発生した場合に新しい構成をすぐに使用できるように

します。

インフラストラクチャのインストール前の手順

ここでは、各種アクティブ-アクティブ方式のインフラストラクチャ配置のインス

トールで一般的なインストール前の手順について説明します。これは、この構成

での BIG-IPロード・バランサに関係する手順です。その他の詳細なインストール

前の手順については、『Oracle Application Server 10g インストレーション・ガイ

ド』を参照してください。

Staticports.ini

各層に staticports.iniファイルを作成します。

Oracleインストーラの Static Ports機能により、インストールに特定なポートの使

用が保証されます。これらのポートは、関係するすべてのノードで確実にフリー

なことを前提としています。計画プロセスでは、各種ポート(oidPort、oid_sslPort、

httpPort、emPort)の決定に考慮が必要となります。

理解しやすくするため、すべてのノードとすべてのマシンで emPortが同じである

と仮定しました。テンプレートについては、付録 Aを参照してください。

ロード・バランサ構成

インストール中に 1つの OIDにのみロード・バランサをポイントすることがイン

フラストラクチャ・インストールの要件です。ロード・バランサは、両方のノー

ドにトラフィックを送りながら、層の中のインストールされたノードにはトラ

フィックを送らない構成が必要となります。

インストールされていないノードにトラフィックを送らないためには、「Nodes」

をクリックしてから、インストールされていないノードをクリックし、これらの

インストール前に次を操作します。

インストールされていない OIDノードの「Enable Session」を無効にする。

o2.acme.com:oidPort

インストールされていない OIDノードの「Enable Connections」を無効にする。

o2.acme.com:oid_sslPort

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インストール

インフラストラクチャのインストールです。構成に応じて、1つ以上のインストー

ル・セッションが必要なことがあります。どの場合も、ファイル staticports.iniの

使用に必要な引数を指定してインストールを開始してください。

インストール後の手順

ここで説明するインストール後の手順は、この構成での BIG-IPロード・バランサ

に関係するものであり、アクティブ-アクティブ方式のインフラストラクチャ配置

のすべてのインストールで共通です。その他の詳細なインストール後の手順につ

いては、『Oracle Application Server 10g インストレーション・ガイド』と『Oracle

Application Server 10g Notes』を参照してください。

両方のノードで OIDトラフィックを有効化

すべてのノードに対する OIDトラフィックの有効化には、「Nodes」をクリック

してから、インストールされていないノードをクリックし、それぞれのインストー

ル前に次を操作します。

インストールされていない OIDノードの「Enable Session」を有効にする。

o2.acme.com:oidPort

インストールされていない OIDノードの「Enable Connections」を有効にする。

o2.acme.com:oid_sslPort

検証手順

http://sso.acme.com:sso_dasPort/oiddasに複数回アクセスして検証します。

http://sso.acme.com:sso_dasPort/pls/orassoに複数回アクセスして検証します。

SSOおよび DASのための SSLプロキシの構成

一般的セキュリティ要件は、クライアント・ブラウザからロード・バランサへの

トラフィックの SSL暗号化です。その場合、ロード・バランサは、SSLアクセラ

レータとして機能し、変換された httpトラフィックをWeb層 HTTPリスナーに送

ります。これは、SSOログインに必要なセキュリティを提供しますが、Web層マ

シンに対する SSLの負荷はありません。このためのWeb層と BIG-IPロード・バ

ランサを構成する、インストール後の手順を次に示します。

この例では、SSOアクセス URLを login.acme.comに、ポートを 443(標準 https

ポート)に変更します。

ロード・バランサ構成

「Proxy」をクリックし、「+」をクリックして新しいプロキシを作成することで、

次の SSLプロキシを作成します。プロキシは、次のプロパティを持つ必要があり

ます。

Proxy Type: SSL

Proxy Address: login.acme.com

Proxy Service: https

Destination Address: sso.acme.com

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Destination Service: sso_dasPort

Destination Target: Local Virtual Server

SSL Certificate: <appropriate entry>

SSL Key: <appropriate entry>

使用の環境に合ったプロパティをテストします。

SSOの構成

それぞれのWeb層のマシンで、次の変更を実行します。

• IPチェックをオフにします。

° SSO管理ページにログインします

(http://sso.acme.com:sso_dasPort/pls/orasso)。

° 「SSO Server Administration」をクリックします。

° 「Edit SSO Server configuration」をクリックします。

° 「Verify IP addresses for requests made to the SSO Server」の選択を

解除します。

• プロキシ・サーバーを有効にします。

° いずれかのWeb層インストールから次を実行します。

$ORACLE_HOME/sso/bin/ssocfg.sh https login.acme.com 443

° 各Web層インストールの ORACLE_HOMEの

$ORACLE_HOME/Apache/Apache/conf/httpd.confで次を変更します。

KeepAlive Off ServerName login.acme.com Port 443

° 次を同じ httpd.confファイルに追加します。

LoadModule certheaders_module libexec/mod_certheaders.so

SimulareHttps on

° Web層で httpサーバーを再起動します。

DASの構成

OID層のいずれかのノードから次を操作します。

° OID管理ツールを開始します。

ORACLE_HOME環境変数を設定します。

必要に応じて、DISPLAY環境変数を設定します。

OID管理ツール$ORACLE_HOME/bin/oidadminを開始します。

° Serverをローカル・ホストに設定し、Portを oidPortに設定します。

° cn=orcladminとしてログインします。

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° 「Entry Management」→「cn=OracleContext」→「cn=Products」→

「cn=DAS」→「cn=OperationURLs」と順にナビゲートして、

「orcldasurlbase」の入っているエントリに移動します。

° 次のようにorcldasurlbase属性値を変更して、「Apply」をクリックします。

https://login.acme.com/

検証手順

https://login.acme.com/oiddasに複数回アクセスして検証します。

https://login.acme.com/pls/orassoに複数回アクセスして検証します。

中間層インストール時のロード・バランサ構成

中間層のインストール時、OID層(oid.acme.com)に使用されるロード・バランサ

仮想サーバーは、インストール中 1つのノードのみをポイントする構成が必要で

す。サービスの中断を最小限にしながら、これを可能にするには、次に示すロー

ド・バランサ構成での設定が必要です。

中間層インストール前に、仮想サーバーoid.acme.comに対して

1つを除くすべての OIDノードの「Enable Session」を無効にする。

(たとえば o1.acme.com:oidPort)

中間層インストールの成功後、仮想サーバーoid.acme.comに対して

すべての OIDノードの「Enable Session」を有効にする。

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付録 A - Staticports.iniテンプレート

基本 AFCおよび基本マルチ・ノード・インストール用

テンプレート staticports.iniファイル

Oracle HTTP Server port = httpPort Oracle HTTP Server Listen port = httpPort Oracle HTTP Server SSL port = http_sslPort Oracle HTTP Server Listen (SSL) port = http_sslPort Oracle HTTP Server Diagnostic port = nnnn Oracle Notification Server Request port = nnnn Oracle Notification Server Local port = nnnn Oracle Notification Server Remote port = nnnn Application Server Control RMI port = nnnn Application Server Control port = emPort Oracle Management Agent port = nnnn Oracle Internet Directory port = oidport Oracle Internet Directory (SSL) port = oid_sslPort

分散 AFCインストールおよび分散マルチ・ノード・インストール用

OID層のテンプレート - staticports.ini.oidファイル

Oracle Notification Server Request port = nnnn Oracle Notification Server Local port = nnnn Oracle Notification Server Remote port = nnnn Application Server Control RMI port = nnnn Application Server Control port = emPort Oracle Management Agent port = nnnn Oracle Internet Directory port = oidport Oracle Internet Directory (SSL) port = oid_sslPort

Web層のテンプレート - staticports.ini.ssoファイル

Oracle HTTP Server port = httpPort Oracle HTTP Server Listen port = httpPort Oracle HTTP Server SSL port = http_sslPort Oracle HTTP Server Listen (SSL) port = http_sslPort Oracle HTTP Server Diagnostic port = nnnn Oracle Notification Server Request port = nnnn Oracle Notification Server Local port = nnnn Oracle Notification Server Remote port = nnnn Application Server Control RMI port = nnnn Application Server Control port = emPort Oracle Management Agent port = nnnn

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F5の BIG-IPロード・バランサを用いた OracleASインフラストラクチャの高可用性構成 2004年 8月 著書: Pradeep S.Bhat、HA Systems Group、オラクル社 寄稿者: Randy Cleveland、F5 Networks Oracle Corporation World Headquarters 500 Oracle Parkway Redwood Shores, CA 94065 U.S.A. 海外からのお問合せ窓口: 電話: +1.650.506.7000 ファックス: +1.650.506.7200 www.oracle.com このドキュメントはあくまで参考資料であり、掲載されている情報は予告なしに変更されることがあります。 内容の誤りがある場合は、オラクル社までお知らせください。 オラクル社は、このドキュメントに関する保証を行うものでなく、また、記載の内容に対して責任を負いません。 Oracleはオラクル社の登録商標です。 このガイドで使用されているさまざまな製品名およびサービス名には、オラクル社の商標が含まれています。 その他のすべての製品名およびサービス名は、各社の商標です。 Copyright © 2004 Oracle Corporation All rights reserved.

F5 Networks, Inc. 401 Elliott Avenue West Seattle, WA 98119 U.S.A. 海外からのお問合せ窓口: 電話: +1.206.272.5555 ファックス: +1.206.272.5556 www.f5.com

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