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2019社会保障5 子ども・家庭と福祉 〇子どもの権利条約等の沿革 〇国際社会における子ども・家庭の権利保障の歴史 〇子ども・家庭福祉の行政機関 〇児童福祉の施設 〇子育て支援・少子化対策に関する施策 〇児童虐待に関する施策 〇母子保健に関する施策

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2019社会保障5

子ども・家庭と福祉

〇子どもの権利条約等の沿革

〇国際社会における子ども・家庭の権利保障の歴史

〇子ども・家庭福祉の行政機関

〇児童福祉の施設

〇子育て支援・少子化対策に関する施策

〇児童虐待に関する施策

〇母子保健に関する施策

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1900(明治32)年 エレン・ケイ『児童の世紀』 1922(大正 11)年 国際児童救済基金連合「世界児童憲章」

1924(大正 13)年 国際連盟「児童の権利に関するジュネーブ宣言」 1930(昭和 5)年 アメリカ児童憲章 1947(昭和 22)年 児童福祉法(日本) 1948(昭和 23)年 国連「世界人権宣言」 1951(昭和 26)年 児童憲章(日本) 1959(昭和 34)年 国連総会「児童の権利に関する宣言」 1978(昭和 53)年 ポーランドが国連人権委員会に「子どもの権利に関する条約」 草案を提出

1979(昭和 54)年 国連・国際児童年 1989 (平成 1 )年 1 1 月 20 日 国連総会「子どもの権利に関する条約」(「児童の 権利に関する宣言」採択30周年記念日) 1990(平成 2)年 国連子どもサミット(ニューヨーク国連本部) 1993 (平成 5 )年 厚生省子どもの未来21プラン ( 権利行使の主体としての子ども)

1994(平成 6)年 日本が子どもの権利に関する条約を批准, 158番目の締約国,5 月22日発効 2000(平成 12)年 児童虐待防止法施行

子どもの権利条約等の沿革

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①白亜館(ホワイトハウス)会議 1909年アメリカ

セオドア・ルーズベルト(Roosevelt, T.)のもと、 1909年に第1回白亜館会議(ホワイトハウス会議)が開催され、 「児童は緊急なやむをえない理由がない限り、 家庭生活から引き離されてはならない」 という趣旨の児童福祉の基本原理が示された。

②世界児童憲章草案 1922年イギリス

セーブ・ザ・チルドレンの創設者エグランタイン・ジェブによる 第一次世界大戦の反省に立ち、子どもの権利を保障する ための具体的な事項をまとめ、綱領として発表。家庭を重視 する立場をとりながら、児童福祉の国の責務にも言及。

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1.国際社会における子ども・家庭の権利保障の歴史 ①

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③児童の権利に関するジュネーブ宣言(1924年国際連盟)

第一次世界大戦で多くの子どもが命を失ったことの反省として、「人類が児童に対して最善のものを与えるべき義務を負う」という子どもの適切な保護が、「児童の権利に関するジュネーブ宣言」として国際的機関で初めて宣言されました。①心身の正常な発達保障②要保護児童の援助③危機時の児童最優先の援助④自活支援・搾取からの保護⑤児童の育成目標」の5項目の宣言

④アメリカ児童憲章 1930年アメリカ

第三回白亜館会議(1930年)、フーバー大統領の時代に、 Children's Charter(アメリカ児童憲章)が採択されています。 人種、皮膚の色、境遇を問わず、 すべての児童の権利が明記されています。

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1.国際社会における子ども・家庭の権利保障の歴史 ②

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⑤世界人権宣言(1948年国際連盟)

1948年12月10日の第3回国連総会で、すべての人民とすべての国が達成すべき人権の共通基準として採択された。第2次大戦中の著しい人権侵害に対

する反省と、自由実現を戦争目的に掲げた連合国側勝利の結果、戦後の国際社会の組織化を意図した国際連合の目的、任務の中にも基本的人権の尊重が定められた。世界人権宣言が採択された12月10日は、世界人権デーとされ、日本はこの日に先立つ1週間を人権週間としている。

⑥児童権利宣言 (1959年国際連合)

ジュネーブ宣言を引き継ぎ、1948年の世界人権宣言を具体化したもので, 基本的人権と人間の尊厳および価値に関する信念を確認している。 さらに児童は特別保護を必要とするものであるとし「人類は児童に対して最善のものを与える義務を負うものである」としている。全文と10ヵ条からなる簡潔なもので差別の禁止、保護を受ける権利、国籍を持つ権利、愛情と 理解に満ちた養育をうける権利などが規定されている。

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1.国際社会における子ども・家庭の権利保障の歴史 ③

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⑦国際児童年(1979年国際連合)

第31回国連総会は1979年を国際児童年と宣言し,国連児童基金(ユニセフ)

を国際児童年に関する諸活動の中心機関に指定する旨決議した。同決議は,児童の福祉向上を経済社会開発計画の中に組み入れるよう各国,関係諸機関に要請している。「児童権利宣言」(59年採択)の20周年を記念して実施。ビューティフルネームはゴダイゴというバンドによる「国際児童年」のテーマ曲。

⑧子どもの権利条約 (1989年国際連合)(1994年日本批准)

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1989年11月20日,第44回国連総会で全会一致で採択,90年9月2日国際条約として発効した。日本は94年4月批准,5月22日に発効。公定訳では〈児童の権利に関する条約〉という。地球をおおう子どもの憲法(マグナカルタ)ともいわれる。子どもの権利についての最初の国際文書は,第1次世界大戦による一般市民,とくに子どもたちの受けた心身のトラウマ(外傷)への反省から生まれた〈児童の権利に関する宣言〉(ジュネーブ宣言,1924)である。

「子どもの権利に関する条約」について政府は「児童の権利に関する条約」と訳しているが、広報上は双方の併用が認められている。この条約の特徴の第一は、すべての人間を無差別平等に保障する理念にたって、子どもも大人と同じ人権の主体として認めようとする点である

1.国際社会における子ども・家庭の権利保障の歴史 ④

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⑨児童福祉法(1947年日本)

「すべて国民は、児童が心身ともに健やかに生まれ、且つ、育成されるよう努めなければならない」(第1条第1項)、「すべて児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない」(第1条第2項)ことが規定され、その時々の社会のニーズに合わせて改正を繰り返し、児童福祉の基盤として位置づけられていま

す。児童福祉法に基づき、さまざまな問題から家庭で暮らすことのできない児童等への施設サービス(児童養護施設、乳児院、母子生活支援施設等)や、保育所における保育サービス、障がい児に対する在宅・施設サービス等が実施されている他、少子化の一層の進行や、児童虐待といった新たな課題に対応すべく、「次世代育成支援対策推進法」や「児童虐待防止法」による施策の充実が図られています。

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1.国際社会における子ども・家庭の権利保障の歴史 ⑤

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1.国際社会における子ども・家庭の権利保障の歴史 ⑥

⑩児童憲章(1951年日本)

1951年5月5日(子どもの日)に〈児童憲章制定会議〉(内閣総理大臣主宰)によって制定された憲章。日本における子どもの権利宣言ともいうべきものである。内容は,前文,総則3項,本文12条からなり,まず前文で〈日本国憲法の精神〉にもとづき正しい児童観を確立し,〈すべての児童の幸福をはかる〉ことを確認している。そのうえで,総則3項で児童が人権主体であることを,〈人として尊ばれ〉〈社会の一員として重んぜられ〉〈よい環境のなかで育てられる〉べきであるというかたちで求めている。

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2.子ども・家庭福祉の行政機関 ①

①児童相談所 〇児童相談所数=212か所(平成30年10月1日現在) 〇一時保護所数=137か所(平成30年10月1日現在)

□児童福祉法15条により都道府県,指定都市が設置を義務づけられている施 設で,同法に基づいて行われる公的サービス業務の中枢的現業機関。 児童およびその保護者または妊産婦等の福祉ニーズとそれに対応する各 種サービスとを媒介し,これらを結びつけることを基本的機能とし,児童に 関する諸問題について,相談,判定,措置,指導および一時保護を行う。 □児童相談所長は都道府県知事から,調査,判定に基づいて児童を 措置する権限(措置権)を委任され,施設への入所決定,里親・保護 受託者への委託,家庭裁判所への送致等の措置をとる。

□相談の種類として「養護相談」「保健相談」「障害相談」 「非行相談」「育成相談」(性格行動、不登校、適性、しつけ) に分類

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②福祉事務所(家庭児童相談室)

□社会福祉法第14条に規定されている「福祉に関する事務所」をいい、福祉六法 (生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並び寡婦福祉法、老人福祉法、身体 障害者福祉法及び知的障害者福祉法)に定める援護、育成又は更生の措置 に関する事務を司る第一線の社会福祉行政機関です。 □都道府県及び市(特別区を含む。)は設置が義務付けられており、町村は任意 で設置することができます。1993年(平成5年)4月には、老人及び身体障害者 福祉分野で、2003年(平成15年)4月には、知的障害者福祉分野で、それぞ れ施設入所措置事務等が都道府県から町村へ移譲されたことから、都道府県 福祉事務所では、従来の福祉六法から福祉三法(生活保護法、児童福祉法、 母子及び父子並び寡婦福祉法)を所管することとなりました。 □家庭児童相談室は家庭における児童の健全な養育・福祉の向上を目的に、 福祉事務所に設置された相談所。社会福祉主事と家庭児童相談員が指導に あたる。

設置主体 都道府県 市(特別区含む) 町村 計

箇所数 207 997 43 1,247

福祉事務所の設置状況(平成29年4月1日現在)

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2.子ども・家庭福祉の行政機関 ②

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3.子ども・家庭福祉の主な専門職種

①児童福祉司

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※児童福祉法等の一部を改正する法律(平成28年法律第63号)による改正後の内容

□児童福祉司の位置づけ 都道府県・指定都市及び児童相談所設置市は、その設置する児童相談所に、 児童福祉司を置かなければならない。(児童福祉法第13条第1項等)

□児童福祉司の主な業務内容(児童相談所運営指針) (1) 子ども、保護者等から子どもの福祉に関する相談に応じること (2) 必要な調査、社会診断※を行うこと ※調査により、子どもや保護者等の置かれている環境、問題と環境の関連、 社会資源の活用の可能性等を 明らかにし、どのような援助が必要であ るかを判断するために行う診断 (3) 子ども、保護者、関係者等に必要な支援・指導を行うこと (4) 子ども、保護者等の関係調整(家族療法など)を行うこと

□ 児童福祉司(スーパーバイザーを含む。)任用後の研修 児童福祉司は、厚生労働大臣が定める基準に適合する研修を受けなけれ ばならない。(児童福祉法第13条第8項)

□人数等 全国の児童相談所(一時保護所含む)に 3,252名(平成30年4月1日現在) 配置され、児童福祉司の数は、政令で定める基準を標準として都道府県 が定める。(児童福祉法第13条第2項)

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3.子ども・家庭福祉の主な専門職種

②家庭相談員

□家庭相談員は、福祉事務所内にある家庭児童相談室において、児童を育て る上でいろいろな問題を抱えている親に対し、助言や指導を行います。 □相談としては児童の不登校や学校での人間関係、家族関係、性格・生活習 慣の問題、発達や言葉の遅れ、非行など多岐にわたっており、問題を抱え た児童の親たちと直接会って相談にのるほか、電話や手紙などでも対応し ています。

□民生委員は、厚生労働大臣から委嘱され、それぞれの地域において、常 に住民の立場に立って相談に応じ、必要な援助を行い、社会福祉の増 進に努める方々であり、「児童委員」を兼ねています。 □児童委員は、地域の子どもたちが元気に安心して暮らせるように、子ど もたちを見守り、子育ての不安や妊娠中の心配ごとなどの相談・支援等 を行います。また、一部の児童委員は児童・家庭福祉に関することを専 門的に担当する「主任児童委員」の指名を受けています

③児童委員・主任児童委員

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4.児童福祉の施設(児童福祉法に規定される施設①)

平成9年(1997)に改正、翌年施行された児童福祉法に規定される施設。助産施設・乳児院・母子生活支援施設・保育所・児童厚生施設・児童養護施設・知的障害児施設・知的障害児通園施設・盲ろうあ児施設・肢体不自由児施設・重症心身障害児施設・情緒障害児短期治療施設・児童自立支援施設・児童家庭支援センターの14種がある。

(1)助産施設 保健上必要があるにもかかわらず、経済的理由により、入院助産を受けること ができない妊産婦を入所させて、助産を受けさせることを目的とする施設。 (2)乳児院 乳児(保健上、安定した生活環境の確保その他の理由によりとくに必要のあ る場合には、幼児を含む)を入院させて、これを養育し、あわせて退院した者 について相談その他の援助を行うことを目的とする施設。 (3)母子生活支援施設 配偶者のない女子またはこれに準ずる事情にある女子およびその者の監護 すべき児童を入所させて、これらの者を保護するとともに、これらの者の自立 の促進のためにその生活を支援し、あわせて退所した者について相談その 他の援助を行うことを目的とする施設。 14

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(4)保育所 日々保護者の委託を受けて、保育に欠けるその乳児または幼児を保育 することを目的とする施設。とくに必要があるときは、日々保護者の委託 を受けて、保育に欠けるその他の児童も保育することができる。 (5)児童厚生施設 児童遊園、児童館など、児童に健全な遊びを与えて、その健康を増進 し、または情操を豊かにすることを目的とする施設。

4.児童福祉の施設(児童福祉法に規定される施設②)

(6)児童養護施設 保護者のない児童(乳児を除く。ただし、安定した生活環境の確保その 他の理由によりとくに必要のある場合には、乳児を含む)、虐待されてい る児童その他環境上養護を要する児童を入所させて、これを養護し、あ わせて退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行うこと を目的とする施設。 (7)知的障害児施設 知的障害のある児童を入所させて、これを保護し、または治療するととも に、独立自活に必要な知識技能を与えることを目的とする施設。

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4.児童福祉の施設(児童福祉法に規定される施設③)

(8)知的障害児通園施設 知的障害のある児童を日々保護者のもとから通わせて、これを保護すると ともに、独立自活に必要な知識技能を与えることを目的とする施設。 (9)盲ろうあ児施設 盲児(強度の弱視児を含む)またはろうあ児(強度の難聴児を含む)を入所 させて、これを保護するとともに、独立自活に必要な指導または援助をする ことを目的とする施設。 (10)肢体不自由児施設 上肢、下肢または体幹(胴体と頸部(けいぶ))の機能に障害のある児童を 治療するとともに、独立自活に必要な知識技能を与えることを目的とする 施設。 (11)重症心身障害児施設 重度の知的障害および重度の肢体不自由が重複している児童を入所さ せて、これを保護するとともに、治療および日常生活の指導をすることを 目的とする施設。 16

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(12)情緒障害児短期治療施設 軽度の情緒障害を有する児童を、短期間、入所させ、または保護者の もとから通わせて、その情緒障害を治し、あわせて退所した者につい て相談その他の援助を行うことを目的とする施設。 (13)児童自立支援施設 不良行為をなし、または、なすおそれのある児童および家庭環境その 他の環境上の理由により生活指導等を要する児童を入所させ、または 保護者のもとから通わせて、個々の児童の状況に応じて必要な指導を 行い、その自立を支援し、あわせて退所した者について相談その他の 援助を行うことを目的とする施設。 (14)児童家庭支援センター 地域の児童の福祉に関する各般の問題につき、児童に関する家庭その 他からの相談のうち、専門的な知識および技術を必要とするものに応じ、 必要な助言を行うとともに、市町村の求めに応じ、技術的助言その他必 要な援助を行うほか、児童福祉法に規定される指導を行い、あわせて 児童相談所、児童福祉施設等との連絡調整その他厚生労働省令の定 める援助を総合的に行うことを目的とする施設。

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4.児童福祉の施設(児童福祉法に規定される施設④)

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日本の年間の出生数は、第 1 次ベビーブーム期には約 270 万人、第 2 次ベビーブーム期には約 210 万人であったが、1975(昭和50)年に 200 万人を割り込み、それ以降、毎年減少し続けた。1984(昭和 59)年には 150万人を割り込み、1991(平成 3)年以降は増加と減少を繰り返しながら、緩やかな減少傾向となっている。 2016(平成28)年の出生数は、97 万 6979 人で、前年の 100 万 5677 人より 2 万 8698 人減少し、100万人をきった。 平成30年版 少子化社会対策白書

5.子育て支援・少子化対策に関する施策

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出生数及び合計特殊出生率の年次推移

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平均初婚年齢は、長期的にみると夫、妻ともに上昇を続け、晩婚化が進行している。 2015(平成27)年で、夫が31.1歳、妻が29.4歳となっており、30年前(1985(昭和60)年)と比較すると、夫は2.9歳、妻は3.9歳上昇している。 出生時の母親の平均年齢を出生順位別にみると、2015年においては、第1子が30.7歳、第2子が32.5歳、第3子が33.5歳と上昇傾向が続いており、30年前(1985年)と比較すると第1子では4.0歳、第2子では3.4歳、第3子では2.1歳それぞれ上昇している。 平成30年版 少子化社会対策白書

5.子育て支援・少子化対策に関する施策

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平均初婚年齢と出生順位別母の平均年齢の年次推移

晩婚化、晩産化の進行

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5.子育て支援・少子化対策に関する施策 子育て支援対策①

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子育て支援対策①続き

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5.子育て支援・少子化対策に関する施策

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□エンゼルプラン(1995(平成7)年度~1999(平成11)年度) 1990(平成2)年の「1.57ショック」を契機に、政府は、出生率の低下と子供 の数が減少傾向にあることを「問題」として認識し、仕事と子育ての両立支 援など子供を生み育てやすい環境づくりに向けての対策の検討を始めた。 1994(平成6)年12月、今後10年間に取り組むべき基本的方向と重点施 策を定めた「今後の子育て支援のための施策の基本的方向について」 (エンゼルプラン)(文部、厚生、労働、建設の4大臣合意)が策定された。

□新エンゼルプラン(2000(平成12)年度~2004(平成16)年度) 1999年12月、「少子化対策推進基本方針」(少子化対策推進関係閣僚会 議決定)と、この方針に基づく重点施策の具体的実施計画として「重点的 に推進すべき少子化対策の具体的実施計画について」(新エンゼルプラ ン)(大蔵、文部、厚生、労働、建設、自治の6大臣合意)が策定された。 新エンゼルプランは、従来のエンゼルプランと緊急保育対策等5か年事 業を見直したもの。これまでの保育関係だけでなく、雇用、母子保健、相 談、教育等の事業も加えた幅広い内容となり、地域子育て支援センター の整備などを掲げた。

5.子育て支援・少子化対策に関する施策の内容①

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□少子化社会対策基本法 (2003(平成15)年9月~) 2003(平成15)年7月、議員立法により、少子化社会において講じられる施策 の基本理念を明らかにし、少子化に的確に対処するための施策を総合的に 推進するために「少子化社会対策基本法」(平成15年法律第133号)が制定 され、同年9月から施行された。そして、同法に基づき、内閣府に、内閣総理 大臣を会長とし、全閣僚によって構成される少子化社会対策会議が設置され た。また、同法は、少子化に対処するための施策の指針としての大綱の策 定を政府に義務付けている。 □少子化社会対策大綱 (2004(平成16年)6月~2010(平成22)年1月) 子どもが健康に育つ社会、子供を生み、育てることに喜びを感じることのできる 社会への転換を喫緊の課題とし、少子化の流れを変えるための施策に集中的 に取り組むこととしていた。

5.子育て支援・少子化対策に関する施策の内容②

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□「新しい少子化対策について」 (2006(平成18)年6月~2007(平成19)年度) 2005(平成17)年、日本は1899(明治32)年に人口動態の統計をとり始めて以 来、初めて出生数が死亡数を下回り、出生数は106万人、合計特殊出生率は 1.26と、いずれも過去最低を記録した。 こうした予想以上の少子化の進行に対処し、少子化対策の抜本的な拡充、強 化、転換を図るため、2006(平成18)年6月、少子化社会対策会議において「新し い少子化対策について」が決定された。 ◎児童手当における乳幼児加算の創設 ◎放課後子どもプラン

5.子育て支援・少子化対策に関する施策の内容③

□「子どもと家族を応援する日本」重点戦略(2007(平成19)年12月~) 重点戦略では、就労と出産・子育ての二者択一構造を解決するためには、 「働き方の見直しによる仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実現」 とともに、その社会的基盤となる「包括的な次世代育成支援の枠組みの構 築」(「親の就労と子どもの育成の両立」と「家庭における子育て」を包括的に 支援する仕組みの構築)に同時並行的に取り組むとした。

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5.子育て支援・少子化対策に関する施策の内容④

□放課後子ども総合プランの策定 (2014(平成26)年7月~) 保育所を利用する共働き家庭等においては、児童の小学校就学後も、その 安全・安心な放課後等の居場所の確保という課題に直面している。このいわ ゆる「小1の壁」を打破するためには、児童が放課後等を安全・安心に過ごす ことができる居場所についても整備を進めていく必要がある。 このプランにおいては、2019(平成31)年度末までに、放課後児童クラブに ついて、約30万人分を新たに整備するとともに、全ての小学校区で、放課後 児童クラブ及び放課後子供教室を一体的又は連携して実施し、うち一体型の 放課後児童クラブ及び放課後子供教室について、1万か所以上で実施するこ とを目指している。

□少子化社会対策大綱(子ども・子育てビジョン)の策定 (2010(平成22)年1月~2015(平成27)年3月) 子ども・子育て支援施策を行っていく際の3つの大切な姿勢として、「1生命(いのち) と育ちを大切にする」、「2困っている声に応える」、「3生活(くらし)を支える」を示すと ともに、これらを踏まえ、「目指すべき社会への政策4本柱」と「12の主要施策」に従っ て、具体的な取組を進めることとされた。

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□子ども・子育て支援新制度本格施行までの経過(2010(平成22)年1月~) 2010(平成22)年1月の少子化社会対策大綱(「子ども・子育てビジョン」)の閣議決 定に合わせて、少子化社会対策会議の下に、「子ども・子育て新システム検討会議」 が発足し、新たな子育て支援の制度について検討を進め、2012(平成24)年3月には、 「子ども・子育て新システムに関する基本制度」を少子化社会対策会議において決 定した。これに基づき、子ども・子育て支援法等の3法案を2012年通常国会(第180 回国会)に提出し、2014(平成26)年度には、消費税引上げ(5%→8%)の財源を活 用し、待機児童が多い市町村等において「保育緊急確保事業」が行われた。

□待機児童の解消に向けた取組 (2013(平成25)年4月~)

都市部を中心に深刻な問題となっている待機児童の解消の取組を加速化させるた め、2013(平成25)年4月、2013年度から2017(平成29)年度末までに約40万人分の保育の受け皿を確保することを目標とした「待機児童解消加速化プラン」を新たに策定し、待機児童解消に向けた「緊急集中取組期間」である2013年度及び2014(平成26)年度において、約22万人分(当初目標値20万人)の保育の受け皿拡大を達成した。

5.子育て支援・少子化対策に関する施策の内容④

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□地方創生の取組(2014(平成26)年9月~) 人口急減・超高齢化という我が国が直面する大きな課題に対し、①「東京一 極集中」の是正、②若い世代の就労・結婚・子育ての希望の実現、③地域 の特性に即した地域課題の解決という3つの視点を基本として、魅力あふれ る地方を創生していくことが必要であるとし、「まち・ひと・しごと創生本部」を 発足させた。さらに、2014年11月には、「まち・ひと・しごと創生法」が成立し、 12月27日には、日本の人口・経済の中長期展望を示した「まち・ひと・しごと 創生長期ビジョン」と、今後5年間の目標や施策の基本的方向、具体的施策 を取りまとめた「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を閣議決定した。

5.子育て支援・少子化対策に関する施策の内容⑤

□少子化危機突破のための緊急対策(2013(平成25)年6月~) 2013(平成25)年3月から内閣府特命担当大臣(少子化対策)の下で、「少 子化危機突破タスクフォース」が発足し、同年5月28日には、「『少子化危機 突破』のための提案」が取りまとめられた。提案をもとに「少子化危機突破 のための緊急対策」を決定した。この緊急対策で「子育て支援」及び「働き 方改革」をより一層強化するとともに、「結婚・妊娠・出産支援」を新たな対 策の柱として打ち出し、これらを「3本の矢」として、結婚・妊娠・出産・育児 の「切れ目ない支援」の総合的な政策の充実・強化を目指すこととされた。

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5.子育て支援・少子化対策に関する施策の内容⑥

□新たな少子化社会対策大綱の策定と推進(2015(平成27)年3月~) 新たな「少子化社会対策大綱」の策定に向けて、2014(平成26)年11月に、 内閣府特命担当大臣(少子化対策)の下、2014年11月に、有識者による「新 たな少子化社会対策大綱策定のための検討会」を発足させ、検討を進めた。 新たな「少子化社会対策大綱」は、従来の少子化対策の枠組みを越えて、 新たに結婚の支援を加え、①子育て支援策の一層の充実、②若い年齢で の結婚・出産の希望の実現、③多子世帯への一層の配慮、④男女の働き方 改革、⑤地域の実情に即した取組強化の5つの重点課題を設けている。また、 重点課題に加え、長期的視点に立って、きめ細かな少子化対策を総合的に 推進することとしている。

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□子ども・子育て本部の設置 (2015(平成27)年4月~) 2015(平成27)年4月の「子ども・子育て支援新制度」の施行に合わせて、内 閣府に、内閣府特命担当大臣(少子化対策)を本部長とし、少子化対策及 び子ども・子育て支 援の企画立案・総合調整並びに「少子化社会対策大 綱」の推進や子ども・子育て支援新制度の施行を行うための新たな組織で ある「子ども・子育て本部」を設置した。

□子ども・子育て支援新制度の施行 (2015(平成27)年4月~) 2012(平成24)年に成立した子ども・子育て関連3法( ①「子ども・子育て支援 法」(平成24年法律第65号)、②「就学前の子どもに関する教育、保育等の 総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律」(平成24年法律 第66号)、③「子ども・子育て支援法及び就学前の子どもに関する教育、保 育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律の施行に 伴う関係法律の整備等に関する法律」(平成24年法律第67号)をいう。)に基 づく「子ども・子育て支援新制度」について、2015(平成27)年4月1日から本 格施行された。

5.子育て支援・少子化対策に関する施策の内容⑦

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□ニッポン一億総活躍プランの策定 (2016(平成28)年6月~) 「ニッポン一億総活躍プラン」においては、経済成長の隘路である少子高齢化 に正面から立ち向かうこととし、「希望出生率1.8」の実現に向け、若者の雇 用安定・待遇改善、多様な保育サービスの充実、働き方改革の推進、希望す る教育を受けることを阻む制約の克服等の対応策を掲げ、2016年度から 2025(平成37)年度の10年間のロードマップを示している。

□「働き方改革実行計画」の策定 (2017(平成29)年3月~) 「ニッポン一億総活躍プラン」において、一億総活躍社会に向けた最大の チャレンジと位置付けられた働き方改革については、働き方改革の実現を 目的とする実行計画の策定等に係る審議に資するため、2016年9月より、 内閣総理大臣を議長とする「働き方改革実現会議」が開催された。時間外 労働の上限規制の在り方など長時間労働の是正、同一労働同一賃金の 実現などによる非正規雇用の処遇改善等をテーマに討議が行われ、2017 年3月に「働き方改革実行計画」が取りまとめられた

5.子育て支援・少子化対策に関する施策の内容⑧

□子ども・子育て支援法の改正 (2016(平成28)年4月~) 2016(平成28)年通常国会において、子ども・子育て支援の提供体制の充実 を図るため、事業所内保育業務を目的とする施設等の設置者に対する助成 及び援助を行う事業を創設するとともに、一般事業主から徴収する拠出金率 の上限を引き上げる等の改正を行った。

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認定こども園数の推移(上)、 地域型保育事業数(下2015.4)

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5.子育て支援・少子化対策に関する施策

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6.児童虐待に関する施策

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6.児童虐待に関する施策

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6.児童虐待に関する施策

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■平成28年度の児童相談所での児童虐待相談対応件数 →過去最多 全国210か所の児童相談所が児童虐待相談として対応した件数は122,578件 (速報値) 主な増加要因 ○ 心理的虐待に係る相談対応件数の増加 (平成27年度:48,700件→平成28年度:63,187件(+14,487件)) ○ 警察等からの通告の増加 (平成27年度:38,524件→平成28年度:54,813件(+16,289件)) (平成27年度と比して児童虐待相談対応件数が大幅に増加した自治体からの聞き取り) ○ 心理的虐待が増加した要因として、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力 がある事案(面前DV)について、 警察からの通告が増加。 ○ その他、児童相談所全国共通ダイヤル(189)の広報やマスコミ報道等により国民や学 校等関係機関の児童虐待への意識が 高まったことに伴う通告の増加。 ◎平成28年度に、児童相談所に寄せられた虐待相談の相談経路は、警察等、近隣知人、 家族、学校 等からの通告が多くなっている。

平成29年上半期における児童虐待の状況について(平成29年9月28日 警視庁)

■警察から児童相談所に通告した児童数は30,262人と上半期統計を取り始めた 平成23年以降6年連続で増加。 ■態様別では、心理的虐待が約7割、身体的虐待が約2割を占める。 なお、心理的虐待については、その6割強を面前DV(児童が同居する家庭に おける配偶者等に対する暴力)が占める。

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6.児童虐待に関する施策

児童相談所における児童虐待相談対応件数は27年間で約100倍以上に増加しています。

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虐待の種類とは、(1)身体的虐待(殴る、蹴るなどの身体に加えられる暴力)、(2)性的虐待(児童にわいせつな行為をする、させること)、(3)ネグレクト(必要な養育を行わずに放置する、食事を与えないなど)、(4)心理的虐待(暴言を浴びせる、おびえさせる、子どもの前でDVをするなど)の4つです。 40

児童相談所での虐待相談の内容別件数の推移

○ 平成29年度は、心理的虐待の割合が最も多く、次いで身体的虐待の割合が多い。

6.児童虐待に関する施策

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(1) 保護者側のリスク要因 妊娠、出産、育児を通して発生するもの、保護者自身の性格や、精神疾患などの 心身の不健康から発生するもの (例)・望まない妊娠で、妊娠そのものを受け入れられない・生まれた子どもに愛情を持てない ・保護者が未熟で、育児不安、ストレスが蓄積しやすい・マタニティブルー、産後うつ病、 精神疾患、知的障害、慢性疾患、アルコール依存、薬物依存 等により、 心身が不安定になりやすい ・保護者自身が虐待経験を持っている・攻撃的な性格、衝動的な性格など

(2) 子どもの側のリスク要因 手がかかる乳児期の子ども、未熟児、障がい児などのほか、子どもの側に何らかの育て にくさがある場合など

(3) 養育環境のリスク要因 複雑で不安定な家庭環境や家族関係、夫婦関係、社会的孤立や経済的な不安、 母子の健康保持・増進に努めないことなど (例)・家族や同居人、住む場所が変わるなど、生活環境が安定しない ・家庭内で、夫婦の不和やDVが起こっている ・親戚や地域と関わりを持たず、孤立している・失業や仕事が安定しないなどで、 経済的に行き詰っている・母子共に必要な定期健診を受けていないなど

児童虐待が起こる背景にはさまざまな要因

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6.児童虐待に関する施策

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5.児童虐待に関する施策

虐待を受けている子どもや支援を必要としている家庭を早期に発見し、適切な保護や支援を図るためには、関係機関の間で情報や考え方を共有し、適切な連携の下で対応していくことが重要です。このため、関係機関により、子どもや保護者に関する情報の交換や支援内容の協議を行う場として、法律上、要保護児童対策地域協議会(子どもを守る地域ネットワーク)が規定されており(児童福祉法第25条の2)、地方自治体はその設置に努めるものとされています

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7.母子保健に関する施策

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※妊婦健診費用については、全市町村において14回分を公費助成。 また、出産費用については、医療保険から出産育児一時金として原則42万円を支給。

妊娠・出産等に係る支援体制の概要 7.母子保健に関する施策

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6.母子保健に関する施策

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7.母子保健に関する施策

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乳幼児健康診査(1歳6か月児健診・3歳児健診)について 7.母子保健に関する施策

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※平成17年度に一般財源化(地方交付税措置)受診人数・受診率:厚生労働省「地域保健・健康増進事業報告」(平成25年度)による。)

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母子健康手帳について 7.母子保健に関する施策

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未熟児養育医療給付事業

○未熟児(身体の発育が未熟のまま出生した乳児(1歳未満)であって、正常児が

出生時に有する諸機能を得るに至るまでのもの)に対して、医療保険の自己負担分を補助する制度(昭和33年度創設)。

○目的 養育のため病院又は診療所に入院することを必要とする未熟児に対し、その養 育に必要な医療の給付を行う。 ○対象者 次のいずれかに該当するもので、医師が入院養育を必要と認めた未熟児 ・ 出生時の体重が2,000g以下のもの ・ 生活力が特に薄弱であって、正常児が出生時に有する諸機能を得るに 至っていないもの ○ 給付の範囲 ① 診察 ②薬剤又は治療材料の支給 ③ 医学的処置、手術及びその 他の医療 ④病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他 の看護 ⑤ 移送 ○補助根拠 母子保健法第20条、第21条の3 ○ 指定医療機関 厚生労働大臣又は都道府県知事が医療機関を指定 ○ 実施主体 市区町村 ○ 補助率 1/2(負担割合:国1/2、都道府県1/4、市区町村1/4)

7.母子保健に関する施策

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「健やか親子21」の推進

「健やか親子 21」は、21 世紀の母子保健の取組みの方向性と目標を示し、関係機関・団体が一体となって推進する国民運動であり、2001(平成13)年から取組みを開始した。 「健やか親子 21(第 2 次)」(2015(平成 27)年度~2024 年度)では、3 つの基盤課題と 2 つの重点課題 を設定し、「すべての子どもが健やかに育つ社会」

の実現に向けて取り組むこととしている。なお、この取組みの一環である「マタニティマーク」については2017(平成 29)年 3 月で 11 周年を迎えた。これからの 10 年に向け、マークの意味を正しく理解していただく等の取組みを進める

「マタニティマーク ファクトブック」を作成し公表した。引き続き妊産婦にやさしい環境づくりを推進していく。

「健やか親子21(第2次)」の課題は、以下の通り。 基盤課題A 切れ目ない妊産婦・乳幼児への保健対策 基盤課題B 学童期・思春期から成人期に向けた保健対策 基盤課題C 子どもの健やかな成長を見守り育む地域づくり 重点課題①育てにくさを感じる親に寄り添う支援 重点課題②妊娠期からの児童虐待防止対策

7.母子保健に関する施策

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「健やか親子21」とは

○ 関係者が一体となって推進する母子保健の国民運動計画 ○ 21世紀の母子保健の取組の方向性と目標や指標を示したもの ○ 第1次計画(平成13年~平成26年)・第2次計画(平成27年度~平成36年度)

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7.母子保健に関する施策

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7.母子保健に関する施策

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「健やか親子21(第2次)」における課題の概要 7.母子保健に関する施策

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各種法令による児童等の年齢区分①

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各種法令による児童等の年齢区分②

※ 子ども・若者育成支援推進法の規定に基づき策定された「子ども・若者ビジョン」において

は、それぞれ対象となる者を次のように定義している。・子ども:乳幼児期(義務教育年齢に達するまで)、学童期(小学生)及び思春期(中学生からおおむね18歳まで)の者。・若者:思春期、青年期(おおむね18歳からおおむね30歳未満まで)の者。施策によっては、40歳未満までのポスト青年期の者も対象。

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児童福祉司の概要等について

児童相談所関連データ

少子化社会対策大綱(概要)

少子化社会対策大綱施策の具体的内容

少子化社会対策大綱施策に関する数値目標

母子保健関連施策

厚生労働白書 平成29年版

平成30年版 少子化社会対策白書 全体版(PDF版)

学習を深めるために!参考資料等

平成30年度全国児童相談所一覧

児童相談所関係資料

平成29年度 児童相談所での児童虐待相談対応件数<速報値>

児童虐待防止対策について