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業務・産業用燃料電池について 平成26年2月3日 資源エネルギー庁 燃料電池推進室 資料2

業務・産業用燃料電池について...我が国においては、1998年にPAFC(リン酸形)が業務・産業用として初めて商用化。より発電効率が高い

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業務・産業用燃料電池について

平成26年2月3日

資源エネルギー庁 燃料電池推進室

資料2

Page 2: 業務・産業用燃料電池について...我が国においては、1998年にPAFC(リン酸形)が業務・産業用として初めて商用化。より発電効率が高い

1.業務・産業用燃料電池の社会的意義

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業務・産業用燃料電池とは①

2

業務・産業用燃料電池についても、エネファームと同様に省エネ・省CO2効果が期待されている(※定量的な効果は精査中)。

また、ガスエンジンコージェネ等と同様に、災害時や系統停電時における重要負荷への電力を確保することで、BCP(事業継続計画)が可能となり、信頼性の高いエネルギー供給システムが構築できる。

さらに、ガスエンジンコージェネ等との比較では、①発電効率が高く、熱需要の小さい事業者にも適用可能であること、②排気ガス(NOx)が非常に少ないこと、③静音性に優れていること等の優位性がある。

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我が国においては、1998年にPAFC(リン酸形)が業務・産業用として初めて商用化。より発電効率が高いSOFC(固体酸化物形)について、2017年頃までに商用化すべく実証検証中。

こうした中、2013年に米Bloom Energyがモノジェネ型のSOFCを我が国に市場投入。

3

名 称

5kW級業務用SOFC

(仮)FC-5

15式250kW導入機 (ハイブリッドシステム)

15式 1MW導入機 (ハイブリッドシステム)

FP-100i ES-5700

Energy Server

(参考)

ガスエンジン

メーカー 三浦工業 三菱重工 三菱重工 富士電機 Bloom Energy A社

外 観

定格出力(kW) 5 250 1350 105 200 400

発電効率(%-LHV) 48 55 55 42 50-60 39.6

総合効率(%-LHV) 90 73(温水)

65(蒸気)

76(温水) 68(蒸気)

62 - 73.8

ユニット寸法/設置面積

(m/m2(m2/kW))

0.7×1.1×1.8/0.8

(0.15)

12.0×3.2×3.2/40 (0.15)

24.0×5.0×3.2/120

(0.09)

2.2×5.6×3.4/12

(0.11)

9.1×2.6×2.1/24 (0.12)

8.2×3.5×3.6/29 (0.08)

運用方法 ベースロード

コジェネ対応可

ベースロード

コジェネ対応可

ベースロード

コジェネ対応可

ベースロード

コジェネ対応可

ベースロード

コジェネ対応不可

DSS運用

コジェネ対応可

備 考 SOFC

実証中

SOFC

実証中

SOFC

計画中 PAFC

SOFC

拡張性が高い -

市場投入予定時期 2020 2017 2018 商用化済 商用化済 -

業務・産業用燃料電池とは②

[出典]各種資料より作成

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どの程度の普及を目標とすべきか

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業務・産業用燃料電池については、発電効率の高さから将来的に主力となることが期待されているSOFCが我が国では未だに市場投入されていないこともあり、エネファームのような導入目標は示されていない状況。今後、どのようなスケジュール感で、どの程度の導入目標を設定すべきか。

普及目標を検討する際には、下記のような情報を考慮すべきではないか。 <潜在的な市場規模> • コージェネレーションの設置状況 • 業務・産業用燃料電池のターゲット市場 -電力料金とガス料金の関係 -エネルギーの消費構造(電力、熱) <利用者が許容し得る価格> • 業務・産業用燃料電池の経済性 -光熱費削減メリット -競合機器(ガスエンジンコージェネ等)との比較 <現在の技術水準> • 業務・産業用燃料電池の実用化の見通し

業務・産業用燃料電池のエネルギー政策関連の効果や産業政策関連の効果は、普及目標を定めれば試算することができるのではないか。

(参考)エネファームの普及目標 • 台数: 2020年 140万台 2030年 530万台 • 価格: 2016年 70~80万円 2020~2030年 50~60万円

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コージェネレーションの導入推移

潜在的な市場規模①(コージェネレーションの導入推移)

2005年度以降、燃料価格の高騰やリーマンショックを受けて、コージェネレーションの導入量は大きく落ち込み。

しかし、2011年3月の東日本大震災以降、電源確保へのニーズの高まり(BCP)等から、導入量が回復傾向。当初は小型機の導入拡大にとどまっていたが、2012年度には大型機の導入が拡大している(出典:コージェネレーション・エネルギー高度利用センター)。

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

0

20

40

60

80

100

120

140

~'8

7

'88

'89

'90

'91

'92

'93

'94

'95

'96

'97

'98

'99

'00

'01

'02

'03

'04

'05

'06

'07

'08

'09

'10

'11

'12

新設容量万kW

新設台数 高効率大型 コージェネ発売

マイクロ コージェネ発売

東日本 大震災

リーマンショック

燃料価格の高騰

発電容量(万kW)

年 度 [出典]コージェネレーション・エネルギー高度利用センター 5

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潜在的な市場規模②(小型機)

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発電効率が高いSOFCは、電気料金単価が高い電灯市場(50kW未満)の事業者に受け入れられやすい。また、10kW未満の発電設備は、一般電気工作物として扱えるため設置の制約が少ない。

→ 10kW未満が主なターゲットになるのではないか。 このうち、特に有力な3~5kW級SOFCの潜在的な市場規模は約10万件(=年間5万kW)との試算もある。

(※10年サイクルと仮定)

[出典]日本ガス協会資料

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中・大型機については、まずは導入台数と導入発電容量が特に大きい100~5000kW級が主なターゲットとなるのではないか。

(参考)発電容量別のコージェネレーションの導入実績 100~500kW級:約1000MW、 500~1000kW級: 約1500MW 、1000~5000kW級:約2000MW

また、SOFCは発電効率が比較的高く、排熱が比較的少ないことから、これまでコージェネレーションの導入が進まなかった熱需要が比較的小さい事業者にも新たに受け入れられる可能性があるのではないか。

潜在的な市場規模③(中・大型機)

[出典]コージェネレーション・エネルギー高度利用センターより作成

コージェネレーションの導入推移

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イノベーター

アーリーアダプター

アーリーマジョリティ

レイトマジョリティ

ラガード

潜在的な市場規模④(新製品の普及に関する一般的な理論)

イノベータ理論:Diffusion of Innovations 新製品・新サービスの市場浸透に関する普及理論学であり、1962年にエベレット・M・ロジャースによって提唱。 同理論によれば、まずはイノベーター(革新者)が市場全体の2.5%を、アーリーアダプター(初期採用者)が市場全体の13.5%を採用するとされている。業務・産業用燃料電池の普及目標についても、まずはこのあたりの数値をもとに検討することとしてはどうか。

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① イノベーター(Innovators:革新者): 市場全体の2.5%。冒険的で、新しいものを進んで採用。商品の目新しさ、商品の革新性という点が重視。便益はほとんど無視される。

② アーリーアダプター(Early Adopters:初期採用者): 市場全体の13.5%。社会と価値観を共有し、時勢には敏感。情報収集を自ら行い、判断する。商品導入時の便益を理解したうえで購入に踏み切る。

③ アーリーマジョリティ(Early Majority:前期追随者): 市場全体の34.0%。新しい様式の採用には比較的慎重派だが平均より早くに取り入れる。

④ レイトマジョリティ(Late Majority:後期追随者): 新しい様式の採用には比較的懐疑的な人。周囲の大多数が使用しているという確証が得られてから同じ選択をする。

⑤ ラガード(Laggards:遅滞者): 最も保守的な人。流行や世の中の動きに関心が薄い。イノベーションが伝統化するまで採用しない。

時間の経過

採用者数

2.5% 13.5% 34.0% 34.0% 16.0%

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利用者が許容し得る価格①(小型機)

[出典]三浦工業資料

よって、需要家のメリットは、 141円/h-61円/h=80円/h

運転時間8,760h/年(24時間365日)では、 約70万円/年のメリットとなる ※電気と熱をともに使用する需要家が、 これらメリットを得ることが出来る。

業務・産業用燃料電池(5kW級)の光熱費メリット

5kWの業務・産業用燃料電池の光熱費削減メリットは年間70万円程度との試算あり。また、業務・産業用分野における一般的な投資回収期間は概ね5年程度。

これらから機械的に計算すれば、5kWの業務・産業用燃料電池が350万円程度(=70万円程度/kW)まで低コスト化すれば、自立的普及は可能なのではないか(※現状では、1,000万円強(=200万円強/kW))。

更に本格普及に向けては、従来のコージェネレーションと同等の価格(50万円程度/kw)まで低コスト化することが必要ではないか。

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求められる発電容量(設備規模)が大きければ大きいほど、一般に経済性をより厳しく評価される傾向にある。

したがって、中・大型の業務・産業用燃料電池の自立的普及に向けては、業務用電気料金単価と同等の発電原価を達成することが必要ではないか。

当該発電原価を達成するためには、設備単価で30万円/kWまで低コスト化することが必要との試算もある( ※現状では、100万円程度/kW)) 。

10

利用者が許容し得る価格②(中・大型機)

[出典]三菱重工資料

40

35

30

25

20

15

10

0 0 200 400 600 800

発電原価[円

/kWh]

許容設備単価[千円/kW]

業務用電力料金単価(15-17円/kWh)

300千円/kWが目標

業務・産業用燃料電池(250kW~1MW級)の発電原価と設備単価

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2.取組の検討

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これまでの取組の成果(中・大型機)

1.耐久性・信頼性向上 【セルスタック等の開発】 ・ 耐久性向上 (2007年度:13,000時間 → 2012年度:60,000時間)

2.性能・耐久性・信頼性向上 【実証研究、システム開発】 ・ 発電効率向上(2007年度:52% → 2012年度:55%) ・ 連続運転時間向上 (2007年度:3,000時間 → 2012年度:4,000時間) ・ 小型化(システム設置面積)(2007年度:140㎡ → 2012年度:70㎡)

3.トリプルコンバインドシステムの要素技術開発 【要素技術開発】 ・ 高圧下(15気圧)での発電試験に成功し、発電性能の向上を確認 (発電効率18%増;常圧下対比)

カートリッジ試験装置 高圧セルスタック試験装置

12 トリプルコンバインドシステムのイメージ

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2013年度 (平成25年度)

2014年度 (平成26年度)

2015年度 (平成27年度)

目標 ・発電効率48%超 ・総合効率90% システムを製造、耐久評価を開始 目標達成のための課題抽出

目標 ・発電効率48%超 ・総合効率90% 目標のために、平成25年度で確認された課題を克服したシステム機で耐久評価を行う

目標 ・発電効率50%超 ・総合効率90% 耐久評価を開始して、 1000時間での性能低下率0.25%未満の達成に必要な課題を明確化する

1000

時間程度

計5000

時間程度

最新スタック、補機類への交換と運転後分析(システムの増設も含む)

計5000

時間程度 5台

設置

項目 2020年度

(平成32年度) 商品目標

燃料使用量 8.48 kW

スタック効率 59.0 %

発電効率 50.0 %

排熱回収効率 40.0 %

総合効率 90.0 %

耐久性 9万時間以上

飲食店 集合住宅 福祉施設 ビジネスホテル 理容・美容院 小規模店舗 13

業務・産業用燃料電池の早期実用化に向けた実証① (小型機)

NEDO事業において、5kW級業務用システム(SOFC)の実証評価をすることで、2020年の初期導入頃までに、「発電効率50%LHV以上、9万時間以上の耐久見通し、発電システム100万円/kW以下」に資するシステムの実現に必要な課題を抽出して、商品の改良につなげる。

実証スケジュールと内容

対象業種のイメージ

目標仕様

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業務・産業用燃料電池の早期実用化に向けた実証② (中型機)

SOFC-マイクロガスタービン複合発電実証機を使用した試験等を実施し、その結果を基に、規制見直しの検討に資する基礎的知見の蓄積と初期導入促進に向けた課題抽出を行う。

実証スケジュールと内容

対象業種のイメージ

実証機仕様

実証機 東京ガス㈱千住サイト

中規模ホテル 中規模病院 中規模商用施設

項目 仕様

定格出力 250 kW

発電効率 55 %

廃熱回収効率 18 %

総合効率 73 %

燃料 都市ガス13A

2013年度 (平成25年度)

目標

常時監視等、規制見直しの検討に資する基礎的知見の蓄積と初期導入促進に向けた課題抽出を行う。

目標達成のため、SOFC-マイクロガスタービン複合発電実証機を使用した試験等を実施。

実証機1機:東京ガス㈱千住サイト

4000時間程度

SOFC-マイクロガスタービン複合発電の系統

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富士電機製燃料電池の導入状況

業務・産業用燃料電池の実用化の動き① (富士電機)(中型機)

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富士電機は、業務・産業用燃料電池としてPAFC(リン酸形)(105kW)を採用し、1998年にいち早く市場投入。これまでに42台を導入。

発電効率は42%と燃料電池としては比較的低いが、耐久性・信頼性が高い。また、都市ガス、LPガス、水素等の幅広い燃料を使用可能とすることが特徴。最近では、下水処理場等において発生するメタンガスの活用を意図した導入が多い。

純水素供給 ( 北九州市 )

下水消化ガス燃料 ( 山形市 )

火災予防用コージェネ ( Wismar, ドイツ)

都市ガス/ 天然ガス

下水消化ガス /バイオガス

純水素

都市ガス燃料 ( 仙台市 )

天然ガス燃料 ( 南アルプス市 )

012

34567

89

10

オフィスビル

病院

大学

展示施設

工場

ホテル

研修施設

下水処理場

実証事業

導入台数

水素

バイオマス系ガス

都市ガス/天然ガス

[出典]富士電機資料

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2013年、米ブルームエナジーとソフトバンクは、合弁会社ブルームエナジージャパンを設立し、モノジェネ型のSOFCを我が国に市場投入。同年11月には、第一号案件となる商用ビル(福岡市)に設置された燃料電池の運転が開始。

本燃料電池の主な特徴は、下記のとおり。 • 発電効率は、初期値60%以上、平均50%以上 • 各モジュール(40kW×5)が独立運転(→1つのモジュールが故障しても、他のモジュールで補完可能)

米国においては、Google、Apple、HONDA、Walmart、Nokia、AT&T、eBay、Bank of America等をはじめとする多数の企業の他、データセンター、病院、銀行、市庁舎等への設置実績あり(※累計100MW超)。

業務・産業用燃料電池の実用化の動き② (ブルームエナジー)(中型機)

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ブルームエナジー製燃料電池の導入事例

福岡Mタワー(日本第1号案件)【200kW】

NOKIA(米国)【400kW】 BD Biosciences(米国)【800kW】 [出典]Bloom Energy Japan資料

米国における導入推移 (累計100MW超)

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企業 Clear Edge Power Bloom Energy

Fuel Cell Energy

Ballard Power

Systems

LG Fuel Cell

Systems GE

開発国 米 米(日) 米(韓) 加 米(韓) 米

システム 外観

- -

形式 PAFC PEFC SOFC MCFC PEFC SOFC SOFC

発電容量 400kW 5kW 200kW 300kW 1.4MW 2.8MW

1MW - -

現状 販売 販売 販売 販売 実証 開発 開発

タイプ コジェネ コジェネ モノジェネ モノジェネ モノジェネ - -

発電効率 総合効率

41% 90%

40% 90%

50-60% -

47% -

40% - - -

備 考 米UTCを吸収(2013年)

連結で25kWまで拡張可

連結で拡張可 日本では

ソフトバンクと合弁

韓Poscoにライセンシング

- Rolls Royceと

合弁 ガスエンジン・ハイブリッド

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海外の動向① (市場予測と参入企業)

業務・産業用燃料電池の2025年の市場規模は、日本で226億円と試算されている一方、諸外国で7,115億円(欧州:1,575億円、北米:4,415億円、アジア(日本以外):1,125億円)との試算もある(※富士経済)。

[出典]独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構資料を加工

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海外の動向② (米国での支援施策)

自家発電導入プログラムに対して、連邦政府が1/3補助、カリフォルニア州が1/3補助を行っており、合計で2/3補助を受けられる。

政府による支援もあり、業務・産業用燃料電池の初期市場が立ち上がりつつある。

例えば、米ブルームエナジー社は、カリフォルニア州の補助対象のうち、7割程度のシェアを占めている模様。

カリフォルニア州自家発導入促進プログラム(SGIP) 申請内訳

申請件数 出力 補助金額

合計 209件 103,657kW $349,867,856

(350億円)

うちブルームエナジー社 153件 74,587kW $257,310,790

(257億円)

ブルームエナジー社 が占める割合

73% 72% 73%

[出典]GREEN EXPLORED誌 (2013年6月)

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今後の取組

• 欧米においては業務・産業用燃料電池の市場は既に立ち上がりつつある。また、一部の欧米企業が我が国の市場に参入し

つつある状況。こうした状況を踏まえれば、商用化に向けた従来の計画を早められるよう、産学官が役割分担を明確にした上で、各種の実証等をメリハリを利かせて行っていくべきではないか。

(参考)商用化に向けて解決すべき主な課題例

様々な電力負荷パターンに応じた運用性検証 様々な環境下(ガス組成、屋内外、気候等)での運用性検証 性能向上(耐久性向上、BCP対応機能の強化等) 低コスト化(燃料電池の低コスト化、量産化等)

①早期商用化に向けた実証

• 市場投入後において、米国等のように普及に向けた導入支援を行うことは必要なのか。

• 仮に導入支援を行うことが必要であっても、導入支援を行うためには下記のような事項を検討することが必須ではないか。

導入支援の意義(エネルギー政策上の意義、普及促進の意義等) 導入支援の効果(普及促進効果等) 市場自立化に向けた道筋(低コスト化に向けた取組と見通し等) 業界全体のコミット 等

②市場投入後の導入支援

• トリプルコンバインド等の次世代技術については、火力発電に関する各種の高効率化が進められている中における有望性や

実現可能性・時期をしっかりと見極めた上で、各種の研究開発等をメリハリを利かせて行っていくべきではないか。

③次世代技術の開発

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