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69 石油・天然ガスレビュー アナリシス 三次元物理探査船「資源」による 調査活動についての報告 独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)では、わが国周辺海域に賦存する石油・ 天然ガス資源の精細なデータを効率的・機動的に収集することを目的に、経済産業省(経産省)所有の公 船として導入した三次元物理探査船「資源」(以下「資源」という)(写1)の運航管理および調査を受託し、 平成20年度よりこの「資源」を活用した海上での「国内石油天然ガス基礎調査」を実施している。ここでは、 調査概要、「資源」の概要、調査方法、データ処理の概要、データの活用等について紹介する。 じめに 1. 調査概要 JOGMEC 物理探査船グループ (1)重要性と背景 東日本大震災以降、わが国では石油・天然ガスの需要 が増大しており、平成 2 4 年度末時点では 1 次エネルギー 供給源の約 7 割を占め、石油・天然ガスは今後も重要な 函館港を出港する「資源」(平成 26年 4月) 写1 出所:JOGMEC

三次元物理探査船「資源」による 調査活動について …...69石油・天然ガスレビュー JOGMEC K Y M C アナリシス 三次元物理探査船「資源」による

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69 石油・天然ガスレビュー

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三次元物理探査船「資源」による調査活動についての報告

 独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)では、わが国周辺海域に賦存する石油・天然ガス資源の精細なデータを効率的・機動的に収集することを目的に、経済産業省(経産省)所有の公船として導入した三次元物理探査船「資源」(以下「資源」という)(写1)の運航管理および調査を受託し、平成20年度よりこの「資源」を活用した海上での「国内石油天然ガス基礎調査」を実施している。ここでは、調査概要、「資源」の概要、調査方法、データ処理の概要、データの活用等について紹介する。

はじめに

1. 調査概要

JOGMEC物理探査船グループ

(1)重要性と背景

 東日本大震災以降、わが国では石油・天然ガスの需要が増大しており、平成24年度末時点では1次エネルギー供給源の約7割を占め、石油・天然ガスは今後も重要な

函館港を出港する「資源」(平成 26 年 4 月)写1

出所:JOGMEC

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エネルギー資源の一つとして位置づけられる。しかし、わが国は国内資源に乏しいことから、その供給源のほとんどを海外からの輸入に依存しており、資源の安定的かつ低廉な供給確保の観点から、資源外交を含めた多方面の対応が不可欠である。 一方、世界第6位の排他的経済水域を有するわが国にとって、周辺海域に賦存する石油・天然ガスは、その供給安定性の観点からして、最も安定的なエネルギー資源である。 このため、国は、民間企業の事業活動を補完し、促進することによって、国内における資源の探鉱・開発を進め、国産石油・天然ガス資源の生産量拡大を目指す観点から、国の事業として、基礎物理探査*1 および基礎試

錐すい

*2 から成る国内石油天然ガス基礎調査を実施している。 これまでの学術的調査等の結果、わが国周辺海域に45カ所、総面積にして約84万㎢の海域において、水深2,000m以下で、かつ堆積物の厚さ2,000m以上の堆積盆地のあることが判明している(図1)。 国内石油天然ガス基礎調査は、わが国における油田・ガス田の探鉱・開発という企業活動を視野に入れて、国が先導的に調査を行うもので、その実施の際には積極的に世界の先端技術導入に努めてきた。その一つが三次元物理探査技術である。 油田・ガス田を発見するには、実際に坑井を掘削すること(試掘)により原油・天然ガスが地下に賦存しているか否かを確認する必要があるが、その成否は試掘に際してのロケーション選定が重要な鍵を握る。 三次元物理探査は、従来の二次元物理探査に比べ試掘ロケーション選定の精度を飛躍的に高めるものであり、平成20年2

月に経産省所有の公船としてわが国初の三次元物理探査船「資源」が導入された(写2)。

秋田沖海域で三次元物理探査中の「資源」(平成 25 年 8 月)写2

出所:JOGMEC

石油・天然ガス賦存ポテンシャルの高いエリア(堆積物の厚さ 2,000m 以上の堆積盆)図1

出所: 内閣官房総合海洋政策本部「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」(平成 25 年12 月)

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三次元物理探査船「資源」による調査活動についての報告

(2)目的

 わが国周辺海域の探査実績の少ない海域において、石油・天然ガスの賦存状況を把握するため、「資源」を活用した基礎物理探査、賦存可能性の高い海域での基礎試錐を機動的に実施する。また、得られた成果等を民間企業に橋渡しすることにより、探鉱活動の推進を図る。

(3)計画

 「資源」による基礎物理探査の計画については、平成21年3月に総合海洋政策本部で了承された「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」(以下「旧開発計画」という)に定められており、わが国周辺海域における石油・天然ガスの賦存ポテンシャルの高いエリアのうち、「資源」を効率的、かつ最大限活用することを基本とし、三次元物理探査を行う能力(操船技術・探査技術等)の移転(技術移転)を図りつつ、平成23年度までは約5,000㎢ /年の三次元物理探査を行うこととしている。その後、技術移転がおおむね完了し、本格操業を行う能力がわが国関係者に備わる平成24年度以降、平成30年度までの間は、平均約6,000㎢ /年の探査を実施し、平成30年度までにおおむね6万2,000㎢の三次元物理探査を行うこととしている。 二次元物理探査については、三次元物理探査のための広域調査として、計画的に実施していくこととしている。

 旧開発計画が平成25年12月に改定され、三次元物理探査の調査量については変更がないものの(図2)、探査技術の技術移転の進

しんちょく

捗に係る目標として、「平成27年度末頃までに、日本人のみで三次元物理探査が実施できる体制を構築する」こととされた。

(4)進捗状況

 「資源」による基礎物理探査については、平成25年度末までに、日本周辺の22海域(約3万㎢)について三次元物理探査を実施済みで、ほぼ計画どおりに進捗している(図3)。 なお、技術移転については、操船技術に関しては平成21年3月末には完了、日本人のみで「資源」の操船を実施しているが、探査技術については継続中である。

(5)実施体制

 経産省・資源エネルギー庁から、「資源」の運航管理および同船による物理探査(三次元、二次元)の実施等をJOGMECが受託している。 JOGMECは、三次元物理探査船運航管理JVに船舶運航等を委託するとともに、「資源」の購入先であるPGS社*3 より操業支援や技術移転を受けながら事業を実施している(図4)。

石油・天然ガスの開発計画図2

出所:「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」(平成 25 年 12 月)

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・船舶運航管理・船舶保守管理・3D探査の実施・操業技術移転受け入れ

委託

国内石油天然ガス基礎調査事業

・調査指導員派遣による技術移転の実施・調査船における調査支援等

操業支援技術移転

「資源」導入契約

(*)新日鉄住金エンジニアリングと ニッスイマリン工業を構成員とする 共同企業体 船員供給を含む船舶運航管理を受託

経済産業省(METI)

Petroleum Geo-Services (PGS)

JOGMEC 統括運航管理

三次元物理探査船運航管理JV(*)

「資源」の平成 19 ~ 25 年度の調査実績図3

「資源」プロジェクトの実施体制図4

出所:JOGMEC

出所:JOGMEC

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三次元物理探査船「資源」による調査活動についての報告

(1)主な諸元

 「資源」の要目を表に示す。船体は、全長86.2m、全幅39.6m、喫水7.3mで、総トン数1万395トンである。 平成11年にノルウェーのLangstenS&B社で建造され、日本政府(経産省)の本船取得に伴い平成19年10月から翌年1月にかけ佐世保重工業㈱佐世保造船所で日本籍への船籍変更に伴う改造工事を実施し、平成20年2月より運用を開始した。 本船は推進装置として通常のプロペラではなく、電気推進機(アジマススラスター)4基を装備しており、最大速力は13.5ノットである。最大人員は65名、航続期間は106日となっている。

(2)構造

 「資源」の主な構造的な特徴を紹介する。「資源」は7層で構成されており、第1層に操船を行うブリッジ(船橋)がある。第2層後部には、乗組員交替や急病人が発生した場合の緊急搬送が可能なヘリデッキがある。第4層には、中央部に観測室があり、観測用のコンピュータ類、モニターが設置され、調査中は調査員が12時間交替で調査全体の管理やデータ処理を行っている。第4層後部はストリーマーデッキで、通常時はストリーマー等調査機器類が保管されている。ストリーマーデッキは、調査時にデッキ後部よりストリーマーの展開・揚収作業を効率的に行うため、第3層との吹き抜け構造に

2. 「資源」の概要

項 目

国 籍 日 本

船籍港 千葉県船橋市

船舶所有者 日本国(経産省)

運航管理者 JOGMEC

全 長 86.2m

垂線間長 78.35m

全 幅 39.6m

型 深 8.5m

喫 水 7.3m

総トン数 1万395トン

定 員 65名

航続期間 106日

最大速力 13.5ノット

主推進機関 電気推進機関(アジマススラスター)×4基

発電機 ディーゼル発電機 3,200kW×4基

「資源」の要目表

出所:JOGMEC

ヘリデッキ ブリッジ

観測室 機関室 (ディーゼル発電機・コンプレッサー)

「資源」の構造図5

出所:JOGMEC

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なっており、2層分の高さがある。 第4層前部は機関室で、ディーゼル発電機、ボイラーが配置されている。第6層後部にガンデッキがあり、エアガン・アレイ、エアガン、テールブイ、作業艇等が保管されている。これらの機器類の海上への投入、回収はデッキ後部より行う。また、船体前部にコンプレッサー室があり、調査時にはエアガン充

じゅうてん

塡用の高圧空気を発生させている(図5)。

(3)推進形式

 本船は、機器設置の自由度を確保し、観測機器に推進機器の振動が影響しないようにプロペラシャフトが不要な電気推進方式を採用し、4基のアジマススラスターを搭載している(図6)。これらアジマススラスターは船首のバウスラスター、船尾の左舷スラスター、右舷スラスター、中央スラスターの構成となっている。アジマススラスターとは、水平方向に回転するポッドにプロペラを装備したもので、ノズルが付いたプロペラの推力方向を360度全方向に自由に変えられる構造となっているので、通常の舵

かじ

を必要としない。さらに可変ピッチプロペラ(回転機構が内蔵され航行中にピッチを任意に変えられる)との組み合わせにより、通常の船舶に比べ、観測に必要な最適船速の維持や任意の方向へ極めて小さい旋回性能を発揮するといった高い操縦性を有している。

(4)安全設備

 本船の安全設備は、非常用消火ポンプ、固定式消火装置、持ち運び式消火器、非常用発電機などの他に、非常脱出用の救命艇(写3)、救命筏

いかだ

を備えている。非常時にこれら安全設備を適切に使用するため、船長はじめ乗組員は、定期的に訓練を行っている。

ガンデッキ

ストリーマー デッキ

ヘリデッキ

アジマススラスター

船尾のアジマススラスター(3 基)が確認できる。もう1基のアジマススタラスターは船首にある。

「資源」船尾部図6

出所:JOGMEC

両舷に設置されている救命艇写3

出所:JOGMEC

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(5)乗組員交替

 「資源」には、JOGMEC船上代表、船員、調査員、看護師等60名が乗船し、調査を実施している。これらの乗組員は、5週間ごとに交替しており、その際「資源」は調査海域付近の港に入港する。 また、乗組員交替時には乗下船する船員の船員法等関係法規に基づく手続き(雇い入れ・雇い止め)が行われるほか、本船への食料品や調査機器類の積み込み、燃料油の補給等を実施している。

(6)安全管理

 国際航路に従事する総トン数500トン以上の船 舶 は、IMO(International Marit ime Organization〈国際海事機関:本部ロンドン〉)で採択されたISM コード(International Safety Management code〈国際安全管理コード〉)の適用が義務付けられており、ISMコード適用船は、同コードが定めるSMS(Safety Management System〈安全管理システム〉)の構築が求められている。「資源」は公船であることから、ISMコードは非適用とされているが、乗組員の安全確保、海難事故による環境破壊の防止は、本船を運航するわれわれの重要な責務である。そのため、SMSを任意で運用している。 本船とJOGMEC本部ではSMSに基づき、乗組員への安全教育、船上での各種訓練の実施、緊急事態対応訓練、マネジメントレビュー等さまざまな取り組みを行い、安全運航に努めている。年4回実施する緊急事態対応訓練は、調査中の重大事故を想定し、本船とJOGMEC本部との間で相互通報訓練を行うもので、本部では緊急事態対策本部の設置を含めた訓練を行っている。また年1回本訓練に引き続き、本部でのマスコミ対応訓練(模

も ぎ

擬記者会見)も併せて行っている(写4)。

(7)保守管理

 船体の安全、機関の良好な運転継続などの堪航性の維持を最小のコストで行うことを目的に、必要な整備や修

理を効果的に実施している。 「資源」は、船体、機関、その他の構成機器が非常に多岐にわたる他、その機器ごとに耐用年数、経年劣化の進行速度が異なるので、船体の物理的、経済的な寿命を考慮した整備、修理が必要となっている。具体的な保守管理としては、保守整備の計画立案・実施、船体をドックに入れる入

にゅうきょ

渠工事および定期検査*4、部品・船用品の在庫管理等を行っている。平成25年度に実施した入渠工事(中間検査)では、救命設備の点検、燃費改善に大きく影響する船体塗装(写5)、アジマススラスターの開放整備などを実施した。

船体塗装工事写5

マスコミ対応訓練(模擬記者会見)写4

出所:JOGMEC

出所:JOGMEC

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(1)探鉱から開発・生産までの流れ

 石油・天然ガスを生産するまでの流れは、図7に示すように、 ①地表・地質調査、物理探査の実施 ②試掘井・探掘井の掘削および評価、採算性の検討 ③生産井の掘削、生産・出荷設備の建設、生産・出荷の3段階に大きく区分され、その第1段階に含まれるのが「資源」が実施している物理探査になる。

(2)物理探査の概要

 自然もしくは人工的なエネルギー源が発する信号を測定することにより、地下の構造を調べる調査法を物理探査と呼ぶ。石油業界で通常用いる手法は、次のように大別される。 ①リモートセンシング(衛星画像を用いる手法) ②重力探査 ③磁力探査 ④弾性波探査 このうち「資源」が行っているのは、「弾性波探査」(海上地震探査)である。

(3)三次元物理探査(弾性波探査)

 物理探査のうち最も直接的で、しかも有効な方法として、人工震源による振動あるいは音波を利用した「弾性波探査」がある。 海域調査でその原理を簡単に説明する。エアガンにより海中で圧縮空気を一気に放出させると、その振動(音波)は弾性波として海底下に伝

で ん ぱ

播する。地中に地層の固さや密度の異なった境界面が存在すると、その弾性波の一部が屈折波や反射波として海中に戻ってくる。これは、山中で起こる山彦(エコー)や医療現場で使用されている超音波診断装置(エコー)と同じ原理である。 このような弾性波を「資源」で曳航している長さ4,800mのストリーマー・ケーブル(以下、ストリーマーという)で検出してデータの収録を行う。 図8は、弾性波探査の概念を示したものである。 ストリーマーは、圧電素子であるハイドロフォンを受振器として内蔵しており、検出した圧力変化を電気信号として出力する。電気信号は、 A/D変換器でデジタル信号に変換された後に船上まで伝送され、観測データとして記録器に収録される。

3. 調査方法

人工的に発生させた物理現象(人工地震、電磁波等)や、天然の物理現象(磁力等)を通じて、高精度の地下情報を取得し、取得データを処理・解析し、鉱床の規模、形態を評価する。

地下の油ガスや岩石を直接採取・検討することにより、鉱床の有無を明らかにし、3D物理探査や試掘から得られたデータより鉱床の規模、品位、形状を確定し、開発の可能性を技術的、経済的側面から評価。

評価の結果、開発に移行。

資源探査

(物理探査) 試掘、探掘 評価 開発に移行

対象地域の事前調査

鉱業権の取得

物理探鉱調査

地表・地質調査

鉱業権の放棄

試掘井、探掘井の掘削

採算性の検討

Yes No

生産井の掘削

生産・出荷設備の建設

原油・天然ガスの出荷

生産

一般的な石油・天然ガス開発フロー図7出所:JOGMEC

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三次元物理探査船「資源」による調査活動についての報告

 図9にストリーマー、写6に観測室(多数の大型モニターで各種データを監視)の写真を示した。 この観測データをコンピュータで処理・解析を行うことにより、反射波断面図を作成することができ、地層の形状や厚さ・基盤岩の深度など、地下構造を解明する上で重要な情報を得ることができる。 

(4)調査機器

①エアガン   エアガンは、水中で圧縮空気を瞬

間的に放出する機器で、現在海域調査において最も使用されている震源であり、簡便性・安全性の両面で大きな利点を有している。 � 図10に海上調査震源であるエア

ガン、図11に「資源」のエアガン・アレイとエアガン・アレイ波形(概念図)を示す。

   エアガンの震源波形には、必ず1次振動(Primary:圧縮空気の放出

ストリーマー曳航図(三次元弾性波探査概念)図8出所:JOGMEC

エアガン

ストリーマーケーブル

反射波

テールブイ

フロントブイ

海底面

ストリーマーを10本曳航した場合、左右のエアガン・アレイを交互に発振することによって、20通りの断面データを同時に取得できる。

ストリーマー図9出所:JOGMEC

A/D Module

観測室写6

出所:JOGMEC

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による直接波)に伴って発生するバブルノイズ(Bubble:圧縮空気放出による気泡)とゴースト波(Ghost:Primaryの海面からの反射波)が存在し、取得データの処理・解析において問題となる。

   エアガンは一定の水深で発震を行うため、放出された空気はすぐには海面上の空気中に散布されない。そのためバブルは、空気圧力が静水圧と等しくなるまで拡大し、その後に収縮する。このバブルの拡大と収縮

圧縮した空気を海中に瞬時に放出して弾性波(音波)を発生させる。 右写真は、圧縮空気放出の瞬間。

海上調査震源(エアガン)図10

出所:Bolt 社カタログ

赤い波形がエアガン・アレイの総合波形となる。 Primary

Ghost

Bubble

Pres

sure

Time

「資源」のエアガン ・ アレイとエアガン ・ アレイ波形(概念図)図11

出所:JOGMEC

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三次元物理探査船「資源」による調査活動についての報告

は複数回繰り返され、2次振動(バブルノイズ)としてデータに現れる。

   そのバブルノイズを抑制するためには、異なった容量のエアガンを複数組み合わせたエアガン・アレイを使用する(図11)。これは、バブルの周期がエアガン容量によって異なるという性質を利用した方法である。エアガン・アレイに組まれた各エアガンを一斉に発震すると、バブル同士が打ち消し合い、赤線で示したアレイ総合波形を得ることができる。「資源」では両舷にエアガン・アレイをそれぞれ3対曳航しており、片舷ずつ交互に発震し、1発震につき約50ℓの高圧圧縮空気(2,000PSI)を放出して地下構造の調査を行っている。

   なお、各エアガンのソレノイド・バルブを開くための信号は、各エアガンの機械的な作動差異を修正して一斉に発震する必要があることから、0.1ms(ミリ秒)の精度で各エアガン発震を制御できる機器を装備しており、本船の装備で海底下数千メートルの地下構造の解明が可能である。

②�ストリーマーに取り付ける主な曳航機器   直接ストリーマーに取り付けるものは、図12に示

すようにストリーマーの曳航深度を調整するDigiBIRD

(Compass Bird)、ストリーマーの横方向の位置を制御するDigiFIN、各ストリーマーやエアガン・アレイの相対位置を測定するDigiRANGE、ストリーマーが沈んでしまった時に風船によって強制的に浮力を持たせるSRD(Streamer Retrieval Devices)などがある。

   その他に、ストリーマーを潮流の力によって凧たこ

の原理を利用して横方向に広げるパラベイン(別名:ディフレクター、ドア)(写7)があり、鳥

ちょうかん

瞰図で示すと図13のようになる。

DigiBIRD(Cable Leveler & Compass)

プロセッサーによる制御で羽の角度を自動的に調整して、ケーブル設定深度を保持します。

音響測位によって、ストリーマーとAir gunの相対位置を測定Tail BuoyやGun FloatにはGPSが設置されています。 ストリーマーの横方向の位置を制御します。

ストリーマーが切断等によって沈没した場合、取り付け位置を浮上させます。

ストリーマーに取り付ける主な曳航機器図12

出所:Geospace 社および ION 社のカタログより引用

パラベイン写7

出所:JOGMEC

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   また、各ストリーマーの最後尾には、テールブイ(GPS、フラッシュライト、反射板付き)(写8)を曳航しており、自船だけでなく他の航行船舶への目印にもなる。

(5)調査体制と業務内容

 地震探査データの収録作業を実施する調査員は、以下の五つの職種に分類され、1チーム22名で構成されている。 ◦ ナビゲーター: 曳航機器類の運用と

保守を行う。 ◦ オブザーバー:探査機器類の運用と保

守を行う。 ◦ クオリティコントロール:収録中の

データの品質管理を行う。 ◦ 船上データ処理:収録したデータに対

するノイズ除去処理を行う。 ◦ メカニック:エアガン等の機器類の運

用と保守を行う。 「資源」が調査海域に到着すると、調査機器の展開を開始する。まず、パラベインを片舷ずつ展開し、船尾のストリーマーデッキにおいてストリーマーにさまざまな曳航機器を取り付けながら海中へ投入し、展開

していく。全てのストリーマーを展開後、ガンデッキにおいてエアガン・アレイを展開し、バブルテスト(エアガンの調整)を実施し、調査を開始する。通常、機器の展開

STR.8

STR.2

STR.10

100m

STR.3

STR.6

STR.4

STR.9

STR.5

STR.7

450m

STR.1 Streamer

Air gun

Paravane/Deflector/Door

テールブイ写8

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パラベイン曳航図図13

出所:JOGMEC

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三次元物理探査船「資源」による調査活動についての報告

には2日、揚収には1日を要する。 データ収録中は、ストリーマーが絡まないように、ストリーマー間の相対位置を測定しながら側方位置の調整を行っている。また、エアガンの発震の同期精度や機器不良がないかを確認するとともに、ストリーマーの深度を一定に保つための調整を行っている。データ収録中にエアガンの発震の同期精度や機器不良がある場合には、

「資源」が探査を行っていない回頭中を利用してエアガン・アレイを揚収し、修繕・点検を行っている。データ

の品質という観点から、データ収録中は機器不良やノイズ源の特定を行うとともに、1測線の収録ごとに、データに影響があるノイズ源を記載したログ(ラインログ)と収録データを所定のフォーマット(SEGYデータ)に直している。 船上データ処理は、データ収録によって得られたラインログとSEGYデータを用いて、収録データに含まれたさまざまなノイズを除去していく。船上処理作業に関しては、第4章で陸上の処理作業とともに詳しく述べる。

4. データ処理の概要

(1)データ処理について

 「資源」の船上で収録された地震探査データ中には、実際の地質構造からの反射波(1次反射波)だけでなく、さまざまな種類のノイズ*5 が含まれている。地下構造を明らかにするために必要となる反射波信号は、これらの優勢なノイズ中に微弱な信号として埋もれている。 データ処理の目的を大きく分類すると、次のようになる。 ◦ 優勢な各種のノイズに埋もれた微弱な信号の強調・

抽出(フィルタリング処理)。 ◦ 三次元的に複雑な地下構造条件下で、色々な方向か

ら到来する反射波を本来の正しい反射点に戻すことで正確な地下構造を知ること(三次元マイグレーション処理)。

 ◦ 岩質・岩相や貯留岩内の石油・天然ガスの胚

はいたい

胎に対応した反射波の振幅や位相を正しく保存すること。

となり、これらの作業を通して、地質構造解釈(データ解釈)作業に必要な良質の三次元可視化データを提供することができる。

(2)データ処理概要

①基本データ処理フロー   データ処理の流れは基本的に、観

測データ中に存在するノイズの特徴に基づき、まず取り除きやすく、かつ他のノイズ除去手法に影響を及ぼすようなノイズから、順次除去していく。各種ノイズが除去された後、

地質構造からの1次反射波のみで構成されたデータに対して、各種計算や補正を行う。最後に、データ解釈がしやすい三次元のイメージデータを作成する。

②船上データ処理(プリプロセッシング)   「資源」船上でデータ処理を行う目的の一つは、収録

データの品質を船上で把握・管理し数種のテスト処理を事前に行い、後のデータ処理に重大な影響を及ぼさないかを確認することである。また、データを取得しながら、並行してプリプロセッシングを行うことで、データ処理期間の短縮化が図れる点が挙げられる。船上で

観測室内のデータ処理室写9

出所:JOGMEC

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はデータ処理室のシステムを用いて、写10のように作業を実施している。

 ◦ ノイズ除去処理(例:波浪ノイズ)    図14は、観測データ中に存在する「波浪ノイズ」

を除去する処理例を示している。“除去前”が観測データ、“除去後”がノイズ除去処理後、“差”が「波浪ノイズ」である。データ処理では、このようなノイズを観測データから取り除いていく。

除去前(観測データ) ノイズ除去後

差(波浪ノイズ)

データ処理作業の様子写10

波浪ノイズ除去処理(Swell Noise の除去)図14

出所:JOGMEC

出所:JOGMEC

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三次元物理探査船「資源」による調査活動についての報告

 ◦ エアガン発震で生じるバブル効果の除去    エアガンで発震された元々の信号は海中において

膨張・収縮を繰り返すため、その入力信号は孤立波ではなく、持続した振動波形となっている。このようなバブル効果を含んだ発震信号を理想的な孤立波

に変換して、観測データを見やすくする処理が必要となる。

    図15は、このようなバブル効果を含んで観測されたデータからバブルノイズを除去した結果を示しており、反射波形が整理されて見やすくなっている。

バブルノイズ除去処理図15

データ処理後の三次元データ図16

出所:JOGMEC

出所:JOGMEC

PrimaryBubble

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③データ処理センター(TRC)での処理   データ処理センター(TRC)では高速・高機能のコ

ンピュータシステムが設置されており、船上では実施が困難で複雑な多重反射波*6の除去処理、トレース・レギュラリゼーション処理*7、速度解析*8、三次元重合前時間マイグレーション処理*9 といったデータ処

理作業を実施することが可能である。

④データ処理結果   一連のデータ処理を施された地震探査データの最終

結果は、肉眼では決して見ることのできない地下深部の詳細な三次元地質構造を与えてくれる(図16)。

「資源」の調査により得られた成果は、主目的である石油・天然ガスの探鉱に活用する他に、防災など公共の利益に

適したものにも利用してもらえるよう、申請による許可の手続きを経て、利用できる体制となっている。

5. データの活用

6. 広報活動

 当該基礎調査事業について、広く国民に事業内容を理解してもらうことを目的に広報活動を行っている。

(1)これまでの主な活動内容

①「資源」一般公開(平成22年3月、平成24年3月実施)   母港である千葉県船橋において、一般、関係者とメ

ディア向けに見学会を実施し、総勢440名の見学者が

訪れた。

②�BS-TBSグローバルナビフロント番組放映(平成24年8月放映)

   苫小牧港寄港中に、同番組の取材を受け、船内を紹介した映像が放映された。

「資源」一般公開の様子写11

出所:JOGMEC

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三次元物理探査船「資源」による調査活動についての報告

③�小学館「ドラえもんふしぎのサイエンス」誌への「資源」紹介の投稿(平成25年4月発刊)

(2)現在および今後の活動予定

①�TEPIA(一般財団法人 高度技術社会推進協会)先端技術館へのパネル、映像、模型等の展示(平成26年5月~)

   東京都南青山にあるTEPIA先端技術館において、

活動を紹介するため、パネル、調査機器の一部の展示等を行っている。

②�テクノオーシャン2014へのパネル、映像、模型等の展示(平成26年10月予定)

   神戸において、海洋の科学技術に関する国際コンベンション(テクノーシャン2014)の開催に際し、われわれの活動を紹介するため、パネル等を展示する予定。

 三次元物理探査船「資源」により取得したデータは陸上に送られ、データ処理・解釈を施し、石油・天然ガスの賦存が期待される地下構造が明らかになる。その後、国による基礎試錐や民間による試掘等により商業化のための経済性評価が行われ、開発へと進んでいくことが期待される。実際、これまでの調査の結果、有望な海域も発見されつつある。

 こうした取り組みが現在は開発フロンティアと言える日本周辺海域の石油・天然ガスの開発を後押しし、将来的に石油・天然ガスの国内生産量の増加、ひいてはわが国のエネルギー資源の安定供給確保に資することが期待される。 それに向かって、JOGMECは三次元物理探査船「資源」の運航管理および調査を安全かつ効率的に取り組んでいく。

おわりに

TEPIA 先端技術館の「資源」の展示写12

出所:JOGMEC

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<注・解説>*1: 国が行う物理探査。人工的に発生させた音波が地層の境界面で反射して戻ってきたもの(反射波)を受振器で捉え、

地下の地質構造を調査するもの。三次元物理探査は、その地質構造を空間的に把握することが可能な高精度音波探査のことを指す。

*2: 石油・天然ガスに関して国が行う試掘のこと。さまざまなデータを基に地質解釈を行って集油・集ガスの可能性が高い地域として選定されたエリアにおいて、地下の地質構造を直接的に把握するため、大型掘削装置等を用いて実際に掘削を行う。

*3: ノルウェーのPetroleum Geo-Services ASAは海底下の石油や天然ガスに係る地質情報を調査する大手資源探査会社。地質情報を正確かつ効率的に収集するために同社が開発したラムフォーム(Ramform)型と呼ばれる独特な船型の探査船をこれまで欧州造船所で複数隻建造し、運航してきている。

*4: 〈船舶定期検査の種類〉                                        定期検査:最長5年ごとに本船をドックに入れ、船体、機関の全般について詳細に行う検査。1回目(船齢5年目)、2回目(船齢10年目)と経年に従い、検査の範囲、箇所、内容と方法について留意が必要となる。       中間検査:建造後、最初の定期検査の間(2回目または、3回目の年次検査の時期)、および定期検査間に本船をドックに入れ、船体と機関について行う検査。                               年次検査:毎年行う比較的簡単な検査。

*5: 観測データ中には、ランダムノイズの他に、海面~海底間での繰り返し多重反射波、波浪ノイズ、潮流・波浪ノイズ、船舶ノイズ、エアガン震源のバブルノイズ、漂流物衝突によるノイズ等々、さまざまな種類のノイズが存在している。

*6: 海底面と海面間、地層間でさまざまなモードで繰り返す反射波のこと。*7: ビン(Bin)と呼ばれる調査領域(反射点分布の領域)を細かく分割した小さなセル内での反射点分布の特性(反射点

の数、オフセット分布、アジマス分布)を均一化する処理のこと。*8: 受振された反射波データからノイズ(ランダムノイズと多重反射波)を除去し、マイグレーション処理を実施する

ためには地下の速度構造を知ることが必要となる。*9: 見かけの観測反射波を本来の反射点位置に戻す操作のこと。

執筆者紹介

JOGMEC�物理探査船グループグループリーダー以下、総務企画チーム(8名)、調査チーム(11名)、運航管理チーム(4名)およびデータ処理チーム(22名)の計46名で構成されており、物理探査船「資源」を用いた調査に係る企画立案、予算・契約管理、調査実施計画の立案、調査資機材の調達、運航管理、安全管理、保守管理、物理探査データの処理を主な業務としている。なお、データ処理チームは、膨大なデータを処理する高速・高機能のコンピュータが設置してあるTRC(石油開発技術センター)で業務を行っている。

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