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バイオ燃料をめぐる情勢 平成186大臣官房環境政策課 資料2

バイオ燃料をめぐる情勢 - maff.go.jp...2.日本におけるバイオ燃料の現状 (1)品確法(揮発油等の品質の確保等に関する法律) ガソリンにエタノールを3%(

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  • バイオ燃料をめぐる情勢

    平成18年6月大臣官房環境政策課

    資料2

  • 目次

    1.輸送用バイオ燃料の種類・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    2.日本におけるバイオ燃料の現状・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    3.諸外国の現状と施策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    4.輸送用バイオ燃料に係る政府の方針の推移・・・・・・・・・・・・

    5.国産輸送用バイオ燃料導入の検討にあたっての諸条件・・

    6.国産バイオマスによるE3実証試験の各地区概要・・・・・・・・

  • 1.輸送用バイオ燃料の種類

    現在の主な輸送用バイオ燃料の種類は以下のとおり。

    ● バイオエタノールサトウキビ等の糖質、とうもろこし等のデンプン質や木質系のセ

    ルロール等を糖化し、アルコール発酵、蒸留して製造されるバイオマスを原料としたエタノール。

    【バイオエタノールの主な利用方法】① バイオエタノールを直接混合

    バイオエタノールをガソリンと直接混合させた燃料。日本では体積量で3%までのバイオエタノールをガソリンと混合(E3)することが可能。

    ② バイオエタノールからETBEを製造し、ガソリンと混合ETBE(エチル・ターシャリー・ブチル・エーテル)は、

    イソブテン(石油製造過程の副生物)とバイオエタノールから製造されるガソリンの添加剤。日本では、体積量で7%(エタノール3 相当分)までのETBEをガソリンと混合すること%が可能。

    ● バイオディーゼル燃料主に菜種油、大豆油、パーム油等の植物油をメチルエステル化等

    の化学処理をして製造される燃料で、軽油に混合又は代替として利用。

    ● エタノールの構造式

    ● ETBEの構造式

    ● バイオディーゼルの製造方法

    バイオディーゼル

    廃食用油 触媒 メチルエステル

    メタノール グリセリン

    - エタノール -

    - ETBE -

  • 2.日本におけるバイオ燃料の現状

    (1)品確法(揮発油等の品質の確保等に関する法律)ガソリンにエタノールを3%( として約7% )までETBE 。

    混合することが認められている。バイオディーゼルについては、一般のディーゼル車での使用

    を前提とした混合軽油の規格の検討が経済産業省において進められている。

    (2)バイオエタノールの利用の現状・ バイオエタノール導入に当たっては、給油設備の改修等燃料

    流通段階での水分混入防止のための施設整備に経費がかかることや、国産の穀物を食用向け価格で供給してエタノールを製造したのではガソリンと価格競争力を持ち得ないこと等から、エタノールの利用は進んでおらず、現時点では、全国6地区において、 の実証試験が進められているのみである。E3

    ● 我が国における国産バイオマスによるE3実証試験

    1.北海道十勝地区 ((財)十勝振興機構等)【農林水産省、経済産業省、環境省】

    ・規格外小麦等からの燃料用エタノール製造とE3実証。(18年4月 実験プラント設置)

    2.山形県新庄市(新庄市)【農林水産省】・ソルガム(こうりゃん)からの燃料用エタノール製造とE3実証。(現在、栽培試験を実施)

    3.大阪府堺市(大成建設、丸紅、大阪府等) 【環境省】

    ・建築廃材からの燃料用エタノール製造とE3実証。(19年1月 大規模実証プラント設置予定)

    4.岡山県真庭市(三井造船等)【経済産業省】・製材所端材からの燃料用エタノール製造実証。(18年小規模 実証プラント設置)

    5.沖縄県宮古島(りゅうせき)【環境省】・サトウキビ(糖蜜)からの燃料用エタノール製造とE3実証。(17年 実証プラント設置。大規模化の予定)

    6.沖縄県伊江村(アサヒビール、JA伊江、伊江村等)

    【農林水産省、経済産業省、環境省、内閣府】・サトウキビ(新品種)からの燃料用エタノール製造とE3実証。(17年 小規模実証プラント設置)

  • (3)バイオディーゼルの利用の現状

    ① 現在、我が国では、京都市、いわき市において、市内の旅館・飲食店や家庭から出される廃食用油(植物油)を回収し、食品廃棄物のリサイクル利用の一環として を製造、ゴミ収BDF集車・市バス等の公用車等に、軽油代替又は軽油混合燃料として導入されている。また、富山市において本年 月からBD11F製造開始予定 (3市計約 )。 3000kl

    また 「菜の花プロジェクト」など市民活動の取組として、、菜の花を植え、食用油として使用した後に回収し、簡易な施設で を製造し、農耕車や公用車に導入されている事例も増BDF加している (廃食用油から石鹸や を製造している市民団。 BDF体は、現在、 以上)140

    ② 軽油卸売価格約 円 (うち軽油引取税 円 )に対し85 /L 32.1 /LBDF 85て、最も大規模な京都市の 施設の製造コストだけで約

    円 。/Lこのため、コストを考慮しない市民活動としてを行う場合を

    除けば、原料である廃食用油を廃棄物として収集する、市町村又は廃棄物処理業者が、事業実施主体となっている。

    ● BDFの取組状況

    福島県いわき市(廃食用油から年間500kl程度製造)【環境省】・ゴミ収集車等にB100として利用

    京都府京都市(廃食用油から年間1500kl程度製造)【農水省、環境省】

    ・ゴミ収集車(220台)にB100として利用。市バスの一部(80台)にB20として利用。

    産・官・学・民のパートナーシップにより、資源循環型社会の地域モデル作りを広げ、地域自立の循環型社会形成の推進を図ることを目的に活動。取り組んでいる自治体、NPO等の数は140を超えており、廃食用油からディーゼル燃料を製造し車に利用する取組も多い。

    菜の花プロジェクト

    産・官・学・民のパートナーシップにより、資源循環型社会の地域モデル作りを広げ、地域自立の循環型社会形成の推進を図ることを目的に活動。取り組んでいる自治体、NPO等の数は140を超えており、廃食用油からディーゼル燃料を製造し車に利用する取組も多い。

    菜の花プロジェクト

    富山県富山市(廃食用油等から年間960kl程度製造予定)【環境省】

  • 3.諸外国の現状と施策

    (1)アメリカ

    ① 利用の状況・原料

    主にトウモロコシ・エタノール生産量( 年)2005

    トウモロコシ約 億トンの生産量のうち約 億トン 約2.8 0.4 (%)がエタノール化向け。約 万 のエタノール生産14 1500 kl

    量。・ の義務化E10

    ミネソタ、ハワイ、モンタナの3州。義務化されていなくても や専用車向けの を販売している州もある。E10 E85

    ② 導入目標・ 年までに年間 億ガロン(約 万 :ガソリン消2012 75 2,840 kl

    費量の約 )に拡大( 年包括エネルギー政策法)7% 2005

    ③ 支援措置・エタノール物品税控除( 年アメリカ雇用創出法)2004・エタノール生産事業者に対する法人税控除、補助・エタノール製造技術開発

    ● アメリカにおけるバイオエタノール生産量

    ● アメリカにおけるバイオエタノールに関する支援策

    ・物品税控除ガソリンに対して、約5.6円/Lの物品税。バイオエタノール分については、

    16円/Lの控除。E10は1.6円/Lの軽減

    ・エタノール製造業者に対する支援小規模エタノール生産事業者(23万kl未満)に対する法人税額控除 約3.5円/L原料トウモロコシを前年度より多く購入した分に対する補助 約4.5円/L

    ● ブッシュ大統領一般教書(2006.1)年までに中東から輸入している石油の %以上を代替す2025 75

    ることを目標に、クリーン・エネルギーの研究開発予算の大幅増加を発表。

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    (百万トン)

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    (万KL)

    2001 2002 2003 2004 200518 21 30 35 38

    224 208227

    265 242812

    960

    1206

    14321500

    飼料等仕向量 エタノール仕向量(推計) エタノール生産量

    エタノール生産量

    トウモロコシ生産量

    出典:F.O.Licht’s WEBER04(2005年は推計値)

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    2001 2002 2003 2004 200518 21 30 35 38

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    飼料等仕向量 エタノール仕向量(推計) エタノール生産量

    エタノール生産量

    トウモロコシ生産量

    出典:F.O.Licht’s WEBER04(2005年は推計値)

  • (2)ブラジル

    ① 利用の状況・原料

    主にサトウキビ・エタノール生産量( 年)2005

    サトウキビ約 億トンの生産量のうち約 億トンがエ3.9 1.9タノール化向け。約 万 のエタノール生産量。1700 kl

    ・ ~ の義務化E20 E25ガソリンにエタノールを ~ %の間で混合すること20 25

    を義務づけ。具体的な混合率はエタノール市況等を勘案して決定。

    ② 支援措置・ガソリン税の非課税を実施

    ● ブラジルにおけるバイオエタノール生産量

    ● ブラジルにおけるバイオエタノール支援策

    ・ エタノールに係るガソリン税(63円/L)の非課税

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    1800(万KL)

    2001 2002 2003 2004 2005

    136 148170 182 193

    121145

    164177

    1931150

    1262

    14731566

    1670

    砂糖仕向量 エタノール仕向量 エタノール生産量

    エタノール生産量

    サトウキビ生産量

    出典:F.O.Licht’s WEBER04(2005年は推計値)

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    1800(万KL)

    2001 2002 2003 2004 2005

    136 148170 182 193

    121145

    164177

    1931150

    1262

    14731566

    1670

    砂糖仕向量 エタノール仕向量 エタノール生産量

    エタノール生産量

    サトウキビ生産量

    出典:F.O.Licht’s WEBER04(2005年は推計値)

  • (3)EU

    ① 利用の状況【バイオエタノール】

    ・原料テンサイ(フランス 、小麦(スウェーデン、スペイン、)

    ドイツ等 、トウモロコシ(イギリス)等)・生産量( 年)2005

    25 kl 20 kl 10 klフランス 万 スペイン 万 スウェーデン 万、 、等

    ・フランス、スペインでは 混合ガソリン、スウェーデンETBEでは が販売E10

    【BDF】・原料

    菜種油、ヒマワリ油、大豆油 等・生産量( 年)2004

    ドイツ 万 、フランス 万 、イタリア 万 等104 kl 35 kl 32 kl・一般のディーゼル車向けに を5%以内であれば軽油にBDF

    混合できる規格( )が定められている。B5

    ② 政策目標・バイオ燃料(バイオエタノール、 、 、バイオガスETBE BDF等) 年末 %、 年末 %の導入目標(自動車バイ2005 2 2010 5.75オ燃料導入に係る 指令( ))EU 2003

    ③ 支援措置・バイオ燃料に対する税制優遇措置・休耕地において資源作物を生産する場合に対する支援

    ● EUにおけるバイオ燃料支援策

    ・バイオ燃料に対する税制優遇措置

    2003年に「エネルギー税EU指令」が採択され、加盟国に対してバ

    イオ燃料に対する税制優遇措置を認めている。

    EU各国の輸送用燃料中のエタノール分を対象とする減免措置

    ガソリン燃料課税 エタノールに係る税控除

    円 %ドイツ 91 /l 100円 %スペイン 55 /l 100円 %フランス 82 /l 64円 %スウェーデン 74 /l 100

    EU各国の輸送用燃料中のBDF分を対象とする減免措置

    軽油燃料課税 BDF係る税控除

    円 %ドイツ 66 /l 100円 %スペイン 41 /l 100円 %フランス 58 /l 79円 %イタリア 56 /l 100

    ・EU共通農業政策(休耕地補償)

    小麦、大麦等について休耕を行う場合に支給される休耕地補償

    (4,200円/10a)の例外として、資源作物栽培を休耕とみなす。

    ・2003EU共通農業政策(エネルギー作物栽培補助)

    義務的休耕を行っている農地においてエネルギー作物を生産する

    農業者に約630円/10aの補助を実施。150万haを上限

  • 4.輸送用バイオ燃料に係る政府の方針の推移

    ・ 年 月にバイオマス・ニッポン総合戦略が閣議決定さ2002 12、 、れ バイオマスの利活用の推進が政府の方針となったことを受け

    年度から国産バイオマスを原料とした 実証事業が行われ2004 E3ている。

    ・ 京都議定書目標達成計画( 年 月 日閣議決定)におい2005 4 28て、 年に原油換算 万 の導入が目標と掲げられた。2010 50 kl

    ・ バイオマス・ニッポン総合戦略( 年 月 日閣議決定)2006 3 31において、輸送用バイオ燃料について、国が導入スケジュールを示し、利用に必要な環境を整備し、特に国産バイオマス燃料の利用の促進を図ることとされた。

    ・ 年 月に経済産業省が公表した「新・エネルギー国家戦2006 5略」において、国産バイオエタノール生産拡大に向けた地域の取組に対する支援などが明記された。

    ● 京都議定書目標達成計画(抜粋)

    ● バイオマス・ニッポン総合戦略(輸送用燃料部分の概要)

    ● 新・エネルギー国家戦略(抜粋)3.運輸エネルギーの次世代化計画

    ② 燃料多様化に向けた環境整備ⅰ)バイオマス由来燃料供給インフラの整備

    バイオエタノールの活用に係る実証実験を引き続き進める。③ バイオマス由来燃料、GTL等新燃料の供給確保

    ⅰ)バイオマス由来燃料の供給促進・経済性向上国産バイオエタノール生産拡大に向けた地域の取組に対する支援、開発輸入支

    援のあり方、バイオエタノール大規模実証事業、木材等セルロール系原料からの高効率エタノール製造技術開発等、バイオマス由来燃料の経済性向上に向けた支援策を導入する。

    4.新エネルギーイノベーション計画② 周辺関連産業や地域との融合を通じた厚みのある「産業構造」の形成

    ⅲ)風力、バイオマスなどを活用した地域ビジネスの育成バイオマスエネルギーについては、必要に応じ助成・税制等による関連設備の

    導入支援を継続

    排出削減見込量(万t-CO2)

    排出削減量の積算時に見込んだ前提※

    新エネルギー導入量<1,910万kl(原油換算)>

    事業者による事業活動を通じた新エネルギー利用等の促進製造事業者:新エネルギー設備の効率向上等の技術開発消費者:住宅に太陽光発電システム、太陽熱高度利用システム等の新エネルギーを積極的に導入

    ・導入段階における支援・技術開発・実証段階における支援・普及啓発・RPS法の円滑な施行等・グリーン購入法に基づく率先導入の推進・バイオマスタウンの構築・分散型新エネルギーのネットワーク構築・未利用エネルギーの有効利用(新エネルギー関連分野)・再生可能エネルギーを集中的に導入するモデル地域の整備に係る補助・バイオエタノール燃料の利用設備導入に係る補助・高効率廃棄物エネルギー利用施設・バイオマス利用施設等の整備に係る補助・地方公共団体による新エネルギー技術の率先導入に係る補助

    ・新エネルギー導入の総合的計画策定、実施、評価の推進・公共施設等における導入促進・新エネルギーの導入支援・グリーン購入法に基づく率先導入の推進

    約4,690

    ・太陽光発電118万kl、風力発電134万kl、廃棄物発電+バイオマス発電586万kl、太陽熱利用90万kl、廃棄物熱利用186万kl、バイオマス熱利用308万kl(輸送用燃料におけるバイオマス由来燃料(50万kl)を含む) 、未利用エネルギー5万kl、黒液・廃材等483万kl

    ※これらの内訳は、一応の目安

    新エネルギー対策の推進(バイオマス熱利用・太陽光発電等の利用拡大)

    対策効果

    対策評価指標<2010年度見込み>

    2.施設・主体単位の対策・施策e.エネルギー供給部門の省CO2 化

    各主体ごとの対策 国の施策地方公共団体が実施することが

    期待される施策例具体的な対策

    バイオマス輸送用燃料の利用の促進○ 国が導入スケジュールを示し、利用に必要な環境を整備

    ① 利用設備導入に係る支援② 利用状況等を踏まえ、海外諸国の動向も参考としつつ、多様な手法の検討

    ○ 特に、国産バイオマス輸送用燃料の利用促進① 関係省庁連携による利用実例の創出② 原料農産物等の安価な調達手法の導入や関係者の協力体制の整備③ 低コスト高効率な生産技術の開発

    (高バイオマス量農作物、木質系からのエタノールなど)

  • 5.国産輸送用バイオ燃料導入の検討にあたっての諸条件

    ① 価格競争力

    ・ ガソリンは、製油所出荷価格 円 だが、ガソリン税を66 /L加えると 円 。120 /L

    CIF 97 /L・ また ブラジル産エタノール 価格は関税込みで 円、(ガソリン税抜き 。)

    ・ 一方、民間が公表している試算によれば、飼料価格に準じた価格を原料価格とした場合、糖みつを原料としたエタノール 円 、規格外小麦を原料としたエタノール 円 とさ90 /L 98 /Lれている(ガソリン税抜き 。)

    ② 石油連盟の方針・ 石油連盟は 「輸送用燃料におけるバイオエタノール利用、

    2010 36 kl/について積極的に取り組み、 年度において、約 万年のバイオエタノールを として導入することを目指ETBEす 」ことを 年 月 日発表。。 2006 1 18

    (注)ただし、ETBEは「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法

    律」における第2種監視化学物質と判定されているため、ETBEをガ

    ソリンに混合するために必要なリスク評価を行っているところ。

    ● バイオエタノールの生産コスト

    0

    20

    40

    60

    80

    100

    120

    140

    160

    ガ ソ リ ン

    (円/㍑)

    ガソリン税

    製油所出荷価格

    製造コスト

    120円/L

    53.8円/L

    66.2円/L

    ①ガ ソ リ ン  18年5月1日現在の卸売価格(出典:石油専門商社)

    ②ブラジル産エタノール  CIF価格:18年3月現在(出典:経済産業省)   関税23.8%

    ③糖 蜜  原料費:糖蜜2000円/トン(環境政策課試算)  =エタノール原料7円/L (2200㌧の糖蜜から720KLのエタノールを製造) ④規格外小麦 (財)十勝振興機構試算:小麦22円/kg =エタノール原料52円/L (2.7万㌧の小麦から11600KLのエタノールを製造)

    (注1)各製造コストには施設の設置コスト及びランニ    ングコストを含む。(注2)小売価格は、これに流通経費、消費税がかかる。

    7円/L

    83.4円/L

    144.2円/L

    糖  蜜

    148.4円/L

    CIF価格

    76.4円/L

    18.2円/L

    関 税

    ブラジル産エタノール

    151.8円/L

    46円/L

    52円/L

    規格外小麦

    53.8円/L53.8円/L

    53.8円/L

  • 6.国産バイオマスによるE3実証試験の各地区概要

    ① 北海道十勝地区((財)十勝振興機構等)

    目的 エネルギー作物としての最適種を明らかにするための栽

    培・変換技術の研究。寒冷地での実用化について、エタノ

    ール製造、E3製造、自動車への供給実証を通じて明らかに

    する。

    進捗状況 ・ 2003~2005年度に、コメ、てんさいなどのエネルギー

    作物としての栽培実験をこれまでに実施。

    ・ 2006年4月、バイオリサイクル研究による試験プラント

    が完成。テンサイ、規格外小麦等を原料としたエタノー

    ル変換実験を実施予定。

    予算等 ・農林水産省・北海道開発局 北海道エネルギー作物実証調査

    ( )3.5百万円 2003~2005年度

    ・農林水産省 バイオリサイクル研究

    ( )1,395百万円の内数 2004~2005年度

    ・経済産業省 バイオマス等未活用エネルギー実証試験事業

    8百万円(2004年度)

    ・環境省 地球温暖化対策技術開発事業

    20百万円(2004~2005年度)

    ② 山形県新庄市(新庄市、玉川大学等)

    目的 ソルガムをバイオエタノール向けとして遊休農地に作付

    けした場合の実用化の可能性について、エタノール製造、

    E3製造、自動車への供給実証を通じて明らかにする。

    進捗状況 ・ 2005年度は、ソルガムの栽培試験を実施。ソルガム収

    穫量は 7t/10a、糖度は17~18度。収穫物の一部を原料

    として、玉川大学にエタノール製造を委託。

    ・ 2006年度は、ソルガムの栽培からエタノール製造まで

    一貫した試験を行い、変換効率等に関するデータ収集を

    実施する予定。

    予算等 ・農林水産省 バイオマスの環づくり交付金

    4百万円(2005年度)

    ③ 大阪府堺市(大成建設、丸紅、大阪府等)

    目 的 ・ 自然界の微生物で発酵できないC5糖を遺伝子組み換え

    菌を用いて発酵させることによりエネルギー効率を上

    げ、逆有償の廃木材からのエタノール生産の商用化を目

    指す。

    進捗状況 ・ 2006年度に、建設廃材を原料とした商用プラントを建

    設 2007年1月運転開始予定 施設能力は1,400kl/年 建。 。 (

    廃 48,000t/年)の予定。

    予算等 ・環境省 地球温暖化対策技術開発事業

    17百万円(2004年度) 47百万円(2005年度)

    ・環境省 地球温暖化対策ビジネスモデルインキュベータ事業

    ( ) ( )150百万円 2004年度 470百万円 2005年度

    ④ 岡山県真庭市(三井造船、岡山県等)

    目 的 ・ 製材残材を原料としたエタノールの輸送用燃料として

    の利用の可能性について、エタノール製造、E3製造、自

    動車への供給実証を通じて明らかにする。

    製造コスト(目標値) 60円/L(原料は無償で供給)

    ・ セルロース糖化、C5糖とC6糖の同時発酵が可能な遺伝

    子組み換え菌を利用。

    進捗状況 ・ 2005年度は、製材残材約170t/年からエタノールを約27

    kl/年製造。

    ・ 2005年10月から、公用車10台にJAのスタンドを利用し

    て走行実験中。

    予算等 ・経済産業省 バイオマス等未活用エネルギー実証試験事業

    、 ( )189百万円(2004年度) 39百万円 2005年度

  • ( 、 )⑤ 沖縄県伊江島 九州・沖縄農業研究センター アサヒビール等

    バイオマス量の大きな品種のサトウキビを用い、通常の品種目的

    よりも多く得られる糖みつとバガスによる高効率なエタノールの

    生産・製造の可能性について、高バイオマス量さとうきびの栽培

    からエタノール製造、E3製造、自動車への供給実証を通じて明

    らかにする。

    進捗状況 ・ 2005年度は、糖度は従来種に比べて低く、バガスは約3

    倍の収量という栽培試験結果。

    ・ 2006年1月から公用車4台で走行実験中。

    、 、 、・ 2006年度以降 エタノール製造量 公用車台数を増やし

    最終的には、E3用のエタノール全てを高バイオマス量サ

    トウキビから1klのエタノールを生産し、公用車63台にE3

    を供給する予定。

    予算等 ・農林水産省 バイオマスの環づくり交付金

    162百万円(2005年度)

    ・経済産業省 バイオマス等未活用エネルギー実証試験事業

    83百万円(2005年度)

    ・環境省 地球温暖化対策技術開発

    50百万円(2005年度)

    ● 伊江島での実証試験の概要

    高バイオマス量サトウキビ30t/年

    農水省

    エタノール製造後工程設備

    発酵により糖分からエタノール

    を生成

    経産省

    E3ガソリン製造・供給

    設備

    環境省

    ・エタノール製造前工程設備サトウキビから糖分を抽出

    ・液糖製造設備

    ・粉糖製造設備

    液糖9t/年

    粉糖1t/年

    粗糖2t/年

    E3ガソリン37kL/年

    JA伊江:E3ガソリン供給設備の設置伊江村:公用車(63台)走行試験

    年間走行距離:37万㎞

    エタノール1kL/年

    左:従来種右:高バイオマス量サトウキビ

    広域安定生産技術の開発

    環境省

    サトウキビ60t/年

    (50㌃のサトウキビ畑にて栽培)

    10

  • ⑥ 沖縄県宮古島

    目 的 糖みつを原料にしたエタノールの輸送用燃料としての実

    用化を検証するため、エタノール製造、E3製造、自動車へ

    の供給実証を行う。

    実験状況 ・ 2005年度にプラントを建設し、約300Lのエタノールを生

    産、10月から自動車100台で走行実験中。

    ・ 2006年度は、約1,500Lのエタノールを生産し、500台の

    自動車で走行実験を行う予定であり、最終的には、宮古

    島全島E3化に向けて規模拡大予定。

    予算等 ・環境省 地球温暖化対策技術開発

    ( )130百万円(2004年度) 430百万円 2005年度

    ● 宮古島の将来像

    サトウキビ農業

    (3,133ha)

    サトウキビ

    17万t

    サトウキビ

    17万t

    粗糖:1.8万㌧

    糖 蜜5,190㌧

    糖 蜜5,190㌧

    2,240㌧2,240㌧2,950㌧2,950㌧

    エタノール製造工場エタノール製造工場

    バ ガ ス4.3万t

    エタノール:720KL

    E3:2.4万KL

    配合飼料等配合飼料等堆肥原料等堆肥原料等

    島内SS:約18カ所

    引取業者引取業者

    製糖工場製糖工場

    E3ガソリン製造施設

    E3ガソリン製造施設

    製糖工場のボイラー燃料として利用

    3.6万t

    0.7万t

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    資料2.pdfバイオ燃料をめぐる情勢目次

    Taro12-資料2本体.pdf