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労働安全衛生法の石綿規制等について 平成30年6月27日 大阪労働局 健康課 1 資料3

労働安全衛生法の石綿規制等について労働安全衛生法の石綿規制等について 平成30年6月27日 大阪労働局 健康課 1 資料3 1.石綿について

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  • 労働安全衛生法の石綿規制等について

    平成30年6月27日

    大阪労働局 健康課

    1

    資料3

  • 1.石綿について 2.石綿対策における労働安全衛生行政の位置づけ 3.労働安全衛生法令における労働者の石綿ばく露防止措 置の体系 4.建築物の解体等における石綿対策(石綿障害予防規則) 5.石綿含有建築用仕上塗材の石綿障害予防規則上の取 扱い及び今後の動向について 6.石綿分析用資料の禁止見直し等、労働安全衛生法施行 令等の一部改正について(平成30年6月1日施行) 7.離職後の健康管理のための健康管理手帳制度について

    本日の次第

    2

  • 石綿について 1

    • 石綿の種類

    • クリソタイル(白石綿)

    • アモサイト(茶石綿)

    • クロシドライト(青石綿)

    ・ トレモライト

    ・ アクチノライト

    ・ アンソフィライト

    • 石綿の有害性

    • 石綿の特質

    • 繊維状 劈開(へきかい) 微細で飛散

    • 強く 変化しにくい

    • 人への吸入経路 • 鼻腔→咽頭→喉頭→気管→気管支→細気管→肺胞道→肺胞嚢

    3

  • 石綿について 2

    • 石綿による疾病

    • 石綿肺(じん肺の一種)

    • 肺がん

    • 中皮腫(がんの一種)

    • 良性石綿胸水・胸膜炎

    • びまん性胸膜肥厚

    • 解体工事等における石綿対策の中心

    • 飛散させない • 隔離・立入禁止

    • 湿潤化

    • 吸入させない • 保護具

    • 作業計画 管理体制

    4

  • 0

    100,000

    200,000

    300,000

    400,000

    1930 1945 1960 1975 1990 2005

    輸入量(トン)

    わが国の石綿輸入量の推移

    これまでに約1000万トンが輸入されてきた その大半が建材として使用された

    ※ 最も多く使用されていたのは1970年代~1990年代前半

    75

    吹付け禁止

    95

    青・茶禁止

    04

    原則禁止

    5

  • 石綿含有建材の使用状況

    「目で見るアスベスト建材(第2版)」(国土交通省)より

    6

    過去に輸入した石綿の多くが建材として使用された 建築物では、様々な建材に石綿が使用されている

    ※上図以外にも、建築物で使用されている石綿建材はある

  • 石綿使用建築物の解体棟数(推計) 石綿使用建築物の解体棟数は、ピークに向けて

    現在よりも、さらに増加していくと見込まれる

    7

    耐用 年数 (年)

    RC構造 住宅 47

    事務所等 50

    S造 住宅 34

    事務所等 38

    出典:社会資本整備審議会建築分科会 アスベスト対策部会(第5回)を一部改変

    ・対象建築物は0.1重量%以上のアスベストを含む可能性のある民間建築物

    ・建築物は、右表の耐用年数(「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」(平成20年財務省令第32号)による)で解体されるものと仮定した

    石綿使用民間建築物の

    解体棟数(推計)

    (年)

    (棟)

  • 石綿関連疾患の労災補償等状況(年別)

    ※ 当該年度における労災保険法に基づく保険給付の支給決定件数及び石綿救済法に基づく特別遺族給付金の支給決定件数の合計。 8

    0

    500

    1,000

    1,500

    2,000

    2,500

    3,000建設業

    全産業計

    石綿関連疾患による労災認定等件数は

    建設業で近年500件程度で推移している

  • 石綿関連疾患別の労災補償等状況

    ※ 平成28年度における労災保険法に基づく保険給付の支給決定件数(確定値)

    9

    226

    283

    47

    7 23

    肺がん

    中皮腫

    石綿肺

    良性石綿胸水

    びまん性胸膜肥厚

  • 0

    1,000

    2,000

    3,000

    4,000

    5,000

    6,000

    7,000

    8,0001

    95

    9

    19

    62

    19

    65

    19

    68

    19

    71

    19

    74

    19

    77

    19

    80

    19

    83

    19

    86

    19

    89

    19

    92

    19

    95

    19

    98

    20

    01

    20

    04

    20

    07

    20

    10

    20

    13

    死亡者数 1972年

    労働安全衛生法施行

    GDPの推移

    ※翌年3月末までに業務上が確定したものを計上

    2015年初めて 1000人を下回る

    【参考】死亡労働災害件数との比較 現在、石綿関連疾患の労災認定等件数は

    死亡災害件数と同程度である。

    10

  • 1.石綿について 2.石綿対策における労働安全衛生行政の位置づけ 3.労働安全衛生法令における労働者の石綿ばく露防止措 置の体系 4.建築物の解体等における石綿対策(石綿障害予防規則) 5.石綿含有建築用仕上塗材の石綿障害予防規則上の取 扱い及び今後の動向について 6.石綿分析用資料の禁止見直し等、労働安全衛生法施行 令等の一部改正について(平成30年6月1日施行) 7.離職後の健康管理のための健康管理手帳制度について

    本日の次第

    11

  • 石綿は、製造、輸入、使用、譲渡、提供を禁止(安衛法)

    石綿の廃棄処理

    既存施設における除去等の推進 (使用実態調査、低利融資、費用補助)

    ただし、現に使用されている物については、引き続き使用 されている間(※)は、禁止の規定は適用されない。 (※)例えば建材として建物に組み込まれている状態

    石綿対策(建築物等の関係、全体像)

    各省所管施設、所管業種施設 その他関係部局(各省)

    石綿の除去等

    労働者を雇用する事業者に除去等を義務づけ(石綿則)

    建築物等の一定の 石綿が劣化等し、 就業する労働者が 粉じんにばく露する おそれがあるとき

    建築物等の 補修・増改築等 を行うとき

    補修等の内容に応じて 一定の石綿の

    除去等を義務づけ (大気汚染防止法、 建築基準法)

    労働者のばく露防止対策(石綿則)

    一般大気環境への飛散防止対策

    (大気汚染防止法)

    特定建設資材と石綿等付着物の分別

    (建設リサイクル法)

    労働者のばく露防止対策 (石綿則)

    廃棄物の適正処理 (廃棄物処理法)

    12

    下線は厚生労働省の 所管事項

  • レベル1 レベル2 レベル3

    主な建材

    ・吹付け石綿

    ・石綿含有吹付けロックウール

    ・石綿含有吹付バーミキュライト ・石綿含有吹付パーライト

    ・保温材 ・断熱材 ・耐火被覆材

    その他(石綿含有成形板 等)

    労働安全衛生法 (石綿障害予防規則)

    吹き付けられた石綿 保温材、耐火被覆材等

    その他

    大気汚染防止法 特定建築材料 ―

    廃棄物の処理及び清掃に関する法律

    特別管理産業廃棄物(廃石綿等) 石綿含有 産業廃棄物

    建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律

    特定建設資材に付着したもの(付着物)

    ※石綿が、特定建設資材(コンクリート(プレキャスト板等を含む。)、アスファルト・コンクリート、木材)に付着している場合

    石綿建材の種類ごとの各法令の適用(概要)

    ※建材の種類のほか、作業方法、劣化状況によっても法令上求められる措置は異なってくる。 ※法令ごとに区分が完全に一致しているとは限らない。 ※石綿が含有するとみなした場合を含む。 13

  • 14

    【参考】保温材、耐火被覆材等への対象拡大(平成26年6月施行の改正石綿則) 「建築基準整備促進事業における煙突石綿断熱材に係る飛散性に関する調査」(平成20年度~25年度国土交通省)において、煙突石綿断熱材について劣化が進んだもので機械室及び隣接する廊下に飛散が認められた事案が確認された。 ⇒ ボイラーマンなど労働者の石綿ばく露が懸念されるため、平成26年6月から石綿則10条の対象にいわゆるレベル2を追加

    注:レベル1,レベル2,レベル3の呼称は、通称であり、法令用語ではない。

    レベル1 レベル2 レベル3

    主な建材

    ・吹付け石綿

    ・石綿含有吹付けロックウール

    ・石綿含有吹付バーミキュライト

    ・石綿含有吹付パーライト

    ・保温材 ・断熱材 ・耐火被覆材

    その他(石綿含有成形板 等)

    石綿障害予防規則 第10条

    吹き付けられた石綿 保温材、耐火被覆材等

    その他 (第10条は非適用)

    建築基準法 吹付け石綿等 ― ― ―

    【参考】建築基準法では、平成18 年10 月1 日以降、「吹付けアスベスト」及び「アスベスト含有吹付けロックウール(アスベストを0.1 重量%を超えて含有しているものに限る)」を建築物に使用することを

    禁止している。一方、その他のアスベスト含有吹付け材として、「吹付けバーミキュライト(ひる石)」や「吹付けパーライト」の存在も挙げられるが、これらについては、国土交通省において実態調査を行ったところ、有意なアスベスト繊維の飛散は確認されなかったことから、社会資本整備審議会建築分科会アスベスト対策部会の審議を踏まえ、建築基準法の規制の対象とはしていない。(H29.6.22国住備第51号から)

  • 局署と地方公共団体との連携

    廃棄物処理法 自治体廃棄物担当部局

    ※環境省所管法令

    石綿障害予防規則 労働局・労働基準監督署

    ※厚生労働省所管

    大気汚染防止法 自治体環境部局 ※環境省所管法令

    建設リサイクル法 自治体建設部局

    ※国土交通省・環境省所管法令

    建築基準法 自治体建築部局 ※国土交通省所管法令

    届出情報の相互共有 ※届出対象同じ(レベル1、2) ※条例でレベル3対象の自治体も

    事案への合同での対応

    3省合同パトロール 平成22年9月9日基安発0909第2号「再生砕石への石綿含有産業廃棄物の混入防止等の徹底について」

    届出情報の入手 ※のべ床面積80㎡以上 平成20年2月12日基発第0212009号「関係行政機関との連携等による石綿ばく露防止対策の一層の推進について」

    解体工事業者登録情報の入手 3省合同パトロール 平成22年9月9日基安発0909第2号「再生砕石への石綿含有産業廃棄物の混入防止等の徹底について」

    定期調査・報告の石綿情報 民間建築物の石綿使用実態調査 平成20年2月12日基発第0212009号「関係行政機関との連携等による石綿ばく露防止対策の一層の推進について」 平成27年2月2日基安化発0202第1号「都道府県等の建築部局における石綿対策との連携について」

    平成17年7月28日基発第0728008号「石綿ばく露防止対策の推進について」

    15

  • 1.石綿について 2.石綿対策における労働安全衛生行政の位置づけ 3.労働安全衛生法令における労働者の石綿ばく露防止措 置の体系 4.建築物の解体等における石綿対策(石綿障害予防規則) 5.石綿含有建築用仕上塗材の石綿障害予防規則上の取 扱い及び今後の動向について 6.石綿分析用資料の禁止見直し等、労働安全衛生法施行 令等の一部改正について(平成30年6月1日施行) 7.離職後の健康管理のための健康管理手帳制度について

    本日の次第

    16

  • ① 新規の石綿の製造/使用等を禁止 ※閣僚会合決定により禁止は労働安全衛生法で措置

    ② 労働者の就業する建築物等において吹付け石綿等の損傷・劣化により、労働者が石綿にばく露するおそれのあるときは、事業者等に、除去、封じ込め、囲い込みを義務づけ

    ③ 除去等作業では、湿潤化や保護具など、労働者の石綿ばく露防止の措置を事業者に義務づけ

    労働者の石綿ばく露防止の関係法令

    17

    石綿建材の欠損 繊維くずれなど

    除去・封じ込め・囲い込み

  • 18

    ◆石綿障害予防規則

    ・労働安全衛生法に基づく省令

    ・事業者等に対して労働者のばく露防止措置を罰則付きで義務づけ

    ◆厚生労働大臣指針

    ・労働安全衛生法第28条第1項に基づき、厚生労働大臣が公表。

    ・石綿障害予防規則の規定により事業者が講ずべき措置の適切かつ有効な実施を図るための技術上の指針

    ◆石綿飛散漏洩防止対策徹底マニュアル

    ◆アスベスト分析マニュアル

  • 19

    建築物の解体等作業に係る石綿障害予防規則の措置

    解体作業等における 事前の措置

    情報提供 (発注者・注文者)

    (8条、9条)

    事前調査 (3条)

    作業計画 (4条)

    労働基準監督署への

    事前の届出 (5条等)※1

    解体作業等における措置

    ○発生源対策 ・湿潤化 (13条)

    ○ばく露防止対策 ・呼吸用保護具 ・保護衣 (14条等)

    ○隔離 (6条)

    ○立入禁止 (7条)

    ○健康診断 (40条)

    ○管理 ・石綿作業主任者 (19条、20条)

    ・特別教育 (27条)

    ・付着物の除去 (32条の2)

    ・飲食喫煙の禁止 (33条)

    ・掲示 (34条)

    ・作業の記録 (35条)

    ・保護具等の管理 (46条)

    ※1 石綿障害予防規則以外の届出として、労働安全衛生法第88条第3項に基づく労働安全衛生規則第90条等による事前の届出等もあり

  • 正式名称:

    「建築物等の解体等の作業及び労働者が石綿等にばく露するおそれがある建築物等における業務での労働者の石綿ばく露防止に関する技術上の指針」

    建築物等の解体等の作業

    及び

    労働者が石綿等にばく露するおそれがある建築物等における業務

    での労働者の石綿ばく露防止に関する技術上の指針

    石綿指針2

    石綿指針3

    厚生労働大臣指針の構成

    20

  • 21

    ◆石綿飛散漏洩防止対策徹底マニュアル[2.20版]

    主として大臣指針の具体的留意事項を解説するもの

    ◆アスベスト分析マニュアル[1.20版]

    石綿則3条2項に基づく石綿分析の方法は、労働基準局長通達でJIS A 1481規格群を示し、化学物質対策課長通達に基づき「アスベスト分析マニュアル」で補足・修正を行っている

  • 22

    (S50~ 原則禁止) H17~ 全面禁止 (~H18は1%超)

    H18~ 全面禁止 (0.1%超)

    禁止対象

    吹付け作業

    規則の対象 含有率

    H7~ アモサイト・クロシドライト禁止 (1%超)

    S50~ 5%超 H7~ 1%超 H18~ 0.1%超

    H16 石綿建材等禁止 (1%超) 石綿セメント煙突 押出成形セメント板 住宅屋根用化粧スレート 繊維強化セメント板 窯業系サイディング ほか

    1975 (S50)

    1995 (H7)

    2004 (H16)

    2005 (H17)

    2006 (H18)

    特化則改正

    特化則改正

    安衛令改正

    安衛令改正

    石綿則制定

    安衛令改正

    【参考】労働安全衛生法令における石綿規制の推移

  • 1.石綿について 2.石綿対策における労働安全衛生行政の位置づけ 3.労働安全衛生法令における労働者の石綿ばく露防止措 置の体系 4.建築物の解体等における石綿対策(石綿障害予防規則) 5.石綿含有建築用仕上塗材の石綿障害予防規則上の取 扱い及び今後の動向について 6.石綿分析用資料の禁止見直し等、労働安全衛生法施行 令等の一部改正について(平成30年6月1日施行) 7.離職後の健康管理のための健康管理手帳制度について

    本日の次第

    23

  • 石綿障害予防規則における 建築物等の解体等に係る対策

    • 事前調査・結果の掲示(石綿則第3条)

    • 作業計画(石綿則第4条)

    • 届出(石綿則第5条 安衛則90条)

    • 特別教育(石綿則第27条 安衛則第36条)

    • 作業主任者(石綿則第19条 20条)

    • 保護具等、器具等(石綿則第14条ほか)

    • 湿潤化(石綿則第13条)

    • 隔離・立入禁止等(石綿則第6条 7条 15条)

    24

  • 建設業における石綿ばく露の分類

    • レベル1の作業 石綿吹き付け材 • 著しく発じん量の多い作業 作業場所の隔離 高濃度の発じん量に対応した防じんマスク、保護衣の使用 厳重なばく露対策が必要

    • レベル2の作業 石綿含有保温材、耐火被覆材等 • 比重が小さく、発じんしやすい製品の除去作業 レベル1に準じて高いレベルのばく露対策が必要

    • レベル3の作業 成形板等 • 発じん量の比較的低い作業であるが、破砕、切断等の作業においては発じんを伴う 湿式作業を原則 防じんマスクの使用

    25

  • 26

  • 27

    P.26

  • 28

  • 29

    P.26

  • 30

  • 31

  • 隔離 (石綿則6)

    • 吹き付け石綿の除去作業。(電動ファン付き呼吸用保護具の使用を義務づけ)封じ込め又は吊りボルトを取り付ける等の囲い込み、張り付けられた保温材、耐火被覆材等の除去の作業で石綿等の切断、穿孔、研磨等の作業を行うときは、当該作業場所をそれ以外の作業場所から隔離しなければなりません。

    • 但し書きが追加された

    • 併せて、隔離の措置に加えて講ずべき措置を規定したものであること。

    32

  • 但 し 書 き の 内 容

    「同等以上の効果を有する措置」としては、次の方法により石綿等を除去する方法があるほか、今後の技術の進展等により新たな石綿等の飛散防止方法が開発された場合において、当該飛散防止方法が「同等以上の効果を有する措置」に当たると認められるときにおける当該飛散防止措置も含むものであること。

    ① グローブバッグを使用して石綿等を除去する方法

    ② 破損等のない良好な状態の屋根折版を、湿潤な

    状態で手ばらし等により裏張り断熱材をつけたまま除去する方法

    33

  • 隔離の措置に加えて講ずべき措置

    ① 隔離された作業場所の排気に集じん・排気装置を使用すること。

    ② 当該作業場所を負圧に保つこと。

    ③ 当該作業場所の出入口に前室を設置すること。

    ④ あらかじめ、石綿等の粉じんの飛散を抑制するため、隔離された作業場所内の石綿等の粉じんを処理するとともに、吹き付けられた石綿等又は張り付けられた保温材、耐火被覆材等を除去した部分を湿潤化(表面に皮膜を形成し粉じんの飛散を防止することができるような薬液等を塗布等する。)した後でなければ、隔離の措置を解いてはならない こと。

    34

  • HEPAフィルター(JIS Z8122)付き負圧除じん装置 1 (作業場所の内部を負圧に保ち、外部の新鮮空気を内部に吸気し、内部の汚染空気を漏出させないと同時に、HEPAフィルターによって石綿粉じんを除去した空気を外部に放出する装置。作業の開始前その他必要なとき、装置が有効に稼働できる状態にあるか確認する必要がある )

    35

  • HEPAフィルター付負圧装置 2 集じん・排気装置は隔離された作業場所を十分換気できる能力のものを使用する必要があり、作業場所の気積によっては複数の集じん・排気装置を設置する必要がある。また空気が漏えいしていない状態を確認するに当たっては、装置の稼働中に当該作業場所の出入口においてスモークテスターを使用すること等

    の方法をとる。

    36

  • 前室

    負圧に保たれた作業場所

    37

  • 38

  • 39

  • 40

  • 隔離養生された作業箇所と作業台

    41

  • 床に敷かれた養生シート

    42

  • 壁面を養生したところ

    吹き付け石綿

    ビニールシート

    43

  • 立入禁止 (石綿則 7 15)

    石綿含有の保温材、耐火被覆材、断熱材が貼り付けられた建材等を当該保温材、耐火被覆材等が使用されていない部分の切断等により除去する作業を行うときは当該作業に従事する労働者以外の者が立ち入ることを禁止し、その旨を表示しなければなりません。

    44

  • 立ち入り禁止の表示

    45

  • 46

  • 47

  • 電動ファン付呼吸用保護具JIS対応品

    レベル1対応

    保護衣

    48

  • 電動ファンつき呼吸用保護具

    49

  • フイットテスト(陰圧法)

    50

  • 防じんマスクは正しい着用を!

    (誤) (正)

    51

  • 呼吸用保護具の使用の徹底及び適正な使用の推進 「粉じん障害を防止するため事業者が重点的に講ずべき措置」(抜粋) (平成30 年2 月9 日基発0209 第3 号)

    3 呼吸用保護具の使用の徹底及び適正な使用の推進 事業者は、労働者に有効な呼吸用保護具を使用させるため、次の措置を講じること。 (1) 保護具着用管理責任者の選任 平成17 年2月7日付け基発第0207006 号「防じんマスクの選択、使用等について」に基づき、作業 場ごとに、「保護具着用管理責任者」を、衛生管理者、安全衛生推進者又は衛生推進者等労働衛生に 関する知識、経験等を有する者から選任すること。 (2) 呼吸用保護具の適正な選択、使用及び保守管理の推進 事業者は労働者に対し防じんマスクの使用の必要性について教育を行うこと。 また、「保護具着用管理責任者」に対し、次の適正な選択、使用及び保守管理を行わせること。 [1] 呼吸用保護具の適正な選択、使用、顔面への密着性の確認等に関する指導 [2] 呼吸用保護具の保守管理及び廃棄 [3] 呼吸用保護具のフィルタの交換の基準を定め、フィルタの交換日等を記録する台帳を整備するこ と等フィルタの交換の管理 また、顔面とマスクの接地面に皮膚障害がある場合等は、漏れ率の測定や公益社団法人日本保 安用品協会が実施する「保護具アドバイザー養成・確保等事業」にて養成された保護具アドバイ ザーに相談をすること等により呼吸用保護具の適正な使用を確保すること。 (3) 電動ファン付き呼吸用保護具の活用について 電動ファン付き呼吸用保護具の使用は、防じんマスクを使用する場合と比べて、一般的に防護係数 が高く身体負荷が軽減されるなどの観点から、より有効な健康障害防止措置であることから、じん肺法 20 条の3の規定により粉じんにさらされる程度を低減させるための措置の一つとして、電動ファン付き 呼吸用保護具を使用すること。 なお、電動ファン付き呼吸用保護具を使用する際には、取扱説明書に基づき動作確認等を確実に 行った上で使用すること。

    52

  • 53

  • 機械等検定規則の一部を改正する省令要綱等について

    54

    •機械等検定規則(S47年労働省令第45号)の改正 吸気補助具付き防じんマスクを型式検定の対象とすることに伴う型式検定の基準等の改正を行う。 型式検定の合格基準として、型式検定合格標章を付さなければならない箇所を定める規定及び当該 標章の様式の改正 吸気補助具付き防じんマスクの型式検定を受けようとする者が有すべき検査設備に騒音試験設備を 追加

    •防じんマスクの規格(S63年労働省告示第19号)の改正 吸気補助具付き防じんマスクの具備すべき規格として、以下の内容を追加する。 吸気補助具付き防じんマスクの種類(隔離式又は直結式)に応じた吸気補助具付き防じんマスクの 形状を定めること。 吸気補助具の構造の条件として、水、粉じん等の侵入によりその機能に障害を生じるおそれがないもの と定めること。 吸気補助具付き防じんマスクの性能試験として、粒子捕集効率試験、吸気抵抗試験等を定めること。 吸気補助具付き防じんマスクの表示事項として、騒音の程度等を定めること。

    •施行期日 平成30年5月1日

  • 55

    P.47

  • エアレススプレイヤー:電磁コイルにより往復運動するピストンによって薬液を押し出す吹き付け装置

    ※(エアスプレイヤーは、空気の圧力により、石綿粉じんの飛散させることとなる。)

    56

  • 57

  • 真空掃除機(HEPAフィルター付)

    58

  • 59

    P.26

    P.26

  • 作 業 の 記 録(石綿則35)

    石綿を取り扱う作業場において、常時作業に従事する労働者及び周辺業務に従事する労働者について、1月を超えない期間ごとに

    ①労働者の氏名 ②従事した作業の概要及び従事した期間

    ③石綿等の粉じんにより著しく汚染される事態が生じたときは、 その概要及び応急の措置の概要

    を記録する。 ↓

    その労働者が、その事業場で常時当該作業に従事しなくなっ た日から40年保存する。

    60

  • 作 業 の 記 録 2

    • 「著しく汚染される事態」とは、設備の故障等により石綿等の粉じんを多量に吸入した場合等があること。

    • 「その概要」とは、ばく露期間、濃度等の汚染の程度、汚染により生じた健康障害等をいうこと。

    61

  • 作 業 の 記 録 3

    • 作業環境測定の結果の記録、第37条の作業環境測定結果の評価の記録及び第41条の健康診断の結果の記録と併せて、石綿等によるばく露状況を把握し、健康管理に資することとしたものであること。

    また、石綿則3条の事前調査の結果についても併せて40年間保存することが望ましい。

    62

  • 作 業 の 記 録 4

    • 平成21年3月31日以前に周辺業務に従事した労働者については、同日以前に係る作業の記録の作成義務はありません。ただし、そのような場合であっても、事業者は周辺業務に従事した労働者の健康管理のために可能な範囲で作業の記録を作成し、保存するよう努めてください。

    • なお、周辺業務については、石綿の粉じんのばく露量と直接関係がないため、その概要を記載する必要はありませんが、当該周辺作業が行われている作業場において行われている直接業務の概要等を記載してください。(石綿障害予防規則第35条)

    63

  • 64

    石綿含有成形版などの除去について、今後届出の義務化が改正予定です。

  • 1.石綿について 2.石綿対策における労働安全衛生行政の位置づけ 3.労働安全衛生法令における労働者の石綿ばく露防止措 置の体系 4.建築物の解体等における石綿対策(石綿障害予防規則) 5.石綿含有建築用仕上塗材の石綿障害予防規則上の取 扱い及び今後の動向について 6.石綿分析用資料の禁止見直し等、労働安全衛生法施行 令等の一部改正について(平成30年6月1日施行) 7.離職後の健康管理のための健康管理手帳制度について

    本日の次第

    65

  • 施工部位・用途 建築物の内外装仕上

    施工方法 吹付け、こて塗り、ローラー塗りなど

    石綿 主材や下地調整塗材に少量添加のものあり

    66

    建築用仕上塗材とは

    骨材 下地調整塗材 主材

    下塗材

    立体的な造形性を 持つ模様に仕上げる

    写真・図の出典:「建築物の改修・解体時における石綿含有建築用仕上塗材からの石綿粉じん飛散防止処理技術指針」、国立研究開発法人建築研究所、日本建築仕上材工業会、平成28年4月28日

    【圧付け仕上げ塗材(上塗り材なし):吹放し模様の例】

    下 地

  • 67

    建築用仕上塗材が いずれの区分に該当するのか

    当初は通知等で明確にしたものがなかった

    石綿則の適用区分

    1 吹き付けられた石綿等 2 石綿等が使用されている保温材、耐火被覆材等

    3 その他

    ←吹付施工 はこれか?

    ←これか?

    (石綿則の区分)

  • 68

    石綿則の適用区分

    石綿繊維は合成樹脂などによって結合 塗膜が健全な状態では石綿は発散せず

    石綿則の「吹き付けられた石綿等」は 本来、ILO条約等で謳われる

    friableな(くだけやすい、もろい)ものを念頭

    本来別物

  • 69

    石綿則の適用区分

    建築物等に吹付け工法により

    施工されたものは

    「吹き付けられた石綿等」に該当

    こうした本来の制度趣旨も踏まえ 現行制度上の法令適用を検討

  • 70

    「吹き付けられた石綿等」の除去時は 原則負圧隔離

    ただし、「同等以上」の措置による 例外規定あり

    ばく露防止措置

    平成29年3月マニュアル改訂では、

    隔離の要否について、研究機関と業界団体の提案した処理技術指針(※)を「参考にすることができる」と紹介

    (※)建築物の改修・解体時における石綿含有建築用仕上塗材からの石綿粉じん飛散防止処理技術指針(平成28年4月28日、国立研究開発法人建築研究所、日本建築仕上材工業会)

    どういったときにこれに該当するか

    検討課題

  • 71

    ポイント

    ・石綿含有建築用仕上塗材の石綿則の区分の違いは、リスクの違いを示すものではない。

    ・施工当時の工法が重要なのではなく、除去時の発散の程度に応じたばく露防止措置を講じるよう、H29.5.31に通達を発出。

    (H29.3のマニュアル改定でも同趣旨の記載を追加)

    ・隔離の要否を的確に判断できるよう、さらなる検証等が必要。入隅・出隅部など技術的な検討課題も。

    ※現在のマニュアルで紹介する内容は、行政判断をそのまま拘束するものではない(「参考することができる」)

    国でデータ収集を行い、必要な見直しを行っていく

  • 72

    【参考】H29.5.31通達やH29.3改訂マニュアルの概要

    建築用仕上塗材 (その下地調整塗材を含む)(※2) H29.5.31通達

    (H29.3改訂マニュア

    ルも同趣旨) 吹き付けで施工されたもの

    ローラー塗り、こて塗り等で施工されたもの

    石綿則の適用区分(※1)

    「吹き付けられた石綿等」

    その他 建築物等に吹付け工法により施工されたものは、使用目的その他の条件を問わず、石綿障害予防規則の「吹き付けられた石綿等」に該当する 届出 必要 不要

    隔離

    (↓これが通達/マニュアルのポイント)

    除去時の発散の程度等によっては 必要

    石綿含有建築用仕上塗材の除去等を行う際には、「吹き付けられた石綿等」か否かにかかわらず、石綿飛散漏洩防止対策徹底マニュアルにも留意しつつ、除去時等の石綿発散の程度等に応じた適切なばく露防止対策を講じるよう指導すること

    その他(作業主任者、防じんマスクほか各種措置)

    必要

    (※1)石綿則では、石綿含有材料について、「吹き付けられた石綿等」、「石綿等が使用されている保温材、耐火被覆材等」、その他の3つに区分している。

    (※2)建築用仕上塗材とその下地調整塗材を区別して石綿含有の有無が分かる場合は、石綿を含有している材料が吹付けであるか否かによって判断する(H30.1.29基安化発0129第1号)。

  • 73

    【参考】建築用仕上塗材に関する検討経緯

    H26.4 日本建築仕上材工業会が同工業会内に「外壁改修時および解体時におけるアスベスト含有建築用仕上塗材の処理技術指針に関する研究委員会」を設置 ※厚生労働省から日本建築仕上材工業会に除去工法の検討を要望

    H26.6 日本建築仕上材工業会の研究は、独立行政法人建築研究所(現、国立研究開発法人建築研究所)との共同研究に

    (厚生労働省「石綿飛散漏洩防止対策徹底マニュアル」検討委員会(以下「厚労省検討会」で、随時、共同研究の進捗が報告される)

    H28.4.28 日本建築仕上材工業会と国立研究開発法人建築研究所が、「建築物の改修・解体時における石綿含有建築用仕上塗材からの石綿粉じん飛散防止処理技術指針」を提案(公表)

    H28年度 厚労省検討会で、処理技術指針の内容を検討

    H29.3.17 石綿飛散漏洩防止対策徹底マニュアルを改定 →処理技術指針の内容を、まずは「参考にすることができる」と紹介(H29.4.3通知)

    H29.5.30 環境省から、厚労省マニュアルを参考に通知発出(5/31に厚労省も再度通達)

    H29.9.28 厚労省検討会で、今後のデータ収集について議論

    H29.1.29 下地調整塗材の適用について通達を発出

    H30年~ 現場測定などを予定

    ※除去工法の検討とは別に、労働局から本省に相談がなされるなど、建築用仕上塗材の石綿則の区分について疑義が浮上した。

  • 石綿飛散漏洩防止対策徹底マニュアルに記載の工法

    石綿則第6 条ただし書きにより粉じん飛散防止に関し隔離措置と同等の措置と判断できる工法は、下線を

    施した③、⑤、⑦、⑨、⑩、⑪、⑫、⑬、⑮である。また、隔離措置と同等の措置と判断できる新しい処理工法が今後開発される可能性もある。

    ① 水洗い工法

    ② 手工具ケレン工法

    ③ 集じん装置併用手工具ケレン工法

    ④ 高圧水洗工法(15MPa 以下、30~50MPa 程度)

    ⑤ 集じん装置付き高圧水洗工法(15MPa 以下、30~50MPa 程度)

    ⑥ 超高圧水洗工法(100MPa 以上)

    ⑦ 集じん装置付き超高圧水洗工法(100MPa 以上)

    ⑧ 超音波ケレン工法

    ⑨ 超音波ケレン工法(HEPA フィルター付き掃除機併用)

    ⑩ 剥離剤併用手工具ケレン工法

    ⑪ 剥離剤併用高圧水洗工法(30~50MPa 程度)

    ⑫ 剥離剤併用超高圧水洗工法(100MPa 以上)

    ⑬ 剥離剤併用超音波ケレン工法

    ⑭ ディスクグラインダーケレン工法

    ⑮ 集じん装置付きディスクグラインダーケレン工法

    粉じん飛散防止に関し隔離措置と同等の措置と判断できる工法を採用する場合は、原則として隔離措置を必要としないとしている。しかし、処理工法を適切に実施して粉じん飛散を防止するためには、装置の使用方法、剥離剤の適用の可否等に精通していることが必要となる。

    74

  • 1.石綿について 2.石綿対策における労働安全衛生行政の位置づけ 3.労働安全衛生法令における労働者の石綿ばく露防止措 置の体系 4.建築物の解体等における石綿対策(石綿障害予防規則) 5.石綿含有建築用仕上塗材の石綿障害予防規則上の取 扱い及び今後の動向について 6.石綿分析用資料の禁止見直し等、労働安全衛生法施行 令等の一部改正について(平成30年6月1日施行) 7.離職後の健康管理のための健康管理手帳制度について

    本日の次第

    75

  • 労働安全衛生法施行令の一部改正 石綿障害予防規則等の一部改正 (H30.4.6公布 / H30.6.1施行)

    76

    ①製造等禁止の対象となる石綿の範囲の改正 石綿のうち、石綿分析用試料等について、新規の輸入・製造などを可能とするため、製造等を禁止する対象から除外。あわせて、許可や届出などをその際の条件等として規定。

    ②石綿分析作業における発散抑制措置の改正 石綿の分析の作業について、局所排気装置等の排気口を屋内に設けられることとし、その際に排気口から石綿粉じんの排出防止措置を講じることを義務付け。

  • ①既存石綿分析用試料等の不足への対応 ・6種類ある石綿のうち一部は国内に既に在庫がなく、その他の石綿も近い将来国内に在庫がなくなる状況。標準試料や技能試験等のための試料の確保に支障

    ※建材中の石綿分析は、分析の対象となる物と、酸処理等により調整した石綿の「標準試料」とを比較することにより行う方法がある

    ※建材中の石綿分析は、難易度が高い。分析精度の確保のためにはトレーニングが必要であり、専門家からは石綿分析技術者の能力について懸念が示されている。

    ②石綿の調査・分析の精度向上のための環境整備 ・建材の成分等は、日本国内と海外では異なるため、技能試験等のためには我が国の建材に応じた石綿分析用試料を国内で調整・確保することが重要 ・国内の分析機関が海外の専門機関から石綿分析用試料を輸入するのは実務的に難しく、分析の精度向上のハードルになっていると分析業界から指摘がある。 ・近年、解体時等の事前調査で石綿を見落とす事案が散見されている。石綿の調査に関する知識・技能の向上を図るためには、石綿建材の実物を用いて教育を行うことが重要だと専門家から指摘されている。

    労働者の石綿による健康障害防止対策を一層推進するため 石綿分析作業等における健康障害防止措置の水準を確保しつつ 石綿のうち石綿分析用試料や教育用のものの製造等を可能とすべき

    石綿分析等における課題

    77

  • ○石綿分析用試料等の禁止規制の見直しに当たって関係団体からヒアリングを行った際に、(一社)建築物石綿含有建材調査者協会から、石綿分析用試料等について、「必要な設備は、密閉設備または石綿則16条に従うこと。ただし、排気口についてはHEPAフィルターによるろ過除じん方式により屋内排気を可能等すること」との会員意見が提出された。 ○これを踏まえ、厚生労働省労働基準局長が専門家を参集して行う「化学物質による労働者の健康障害防止措置に係る検討会」において、石綿の分析の作業について局所排気装置等の排気口を屋内に設けること等について検討を行った。

    石綿の分析の作業について、局所排気装置等の排気口を屋内に設けられることとし、その際に排気口から石綿粉じんの排出防止措置を講じることを義務付け。

    石綿分析作業における局所排気装置等の 要件の見直し(排気口の屋内設置)

    78

  • 79

    (これまで)

    〇石綿 ⇒ 禁止。ただし、・・・

    〇石綿分析用試料の石綿(原材料含む)

    ※禁止前に製造・輸入したものは禁止を除外 (平成18年政令257号附則第2条第1項・第2項)

    ※建材からの採取試料など、使用せずに廃棄するようなものを分析することは違反しない。

    (昭和47年9月18日基発第602号)

    ※上記以外に、分析など試験研究目的の使用等は労働局長の許可が必要

    (安衛法第55条ただし書き、安衛令第16条第2項)

    ①製造等禁止の対象となる石綿の範囲の改正

  • 80

    (平成30年6月1日以降) 〇既存の石綿分析用試料等はこれまで通り。 (石綿則46条の2の届出等は不要、安衛則86条は変更なし)

    〇新規の石綿分析用試料等

    (例)精度管理、標準試料、ライブラリーサンプル、分析方法の開発・検証

    ・石綿調査の教育用も認める(安衛令第16条第1項)

    ・輸入や使用は、労働基準監督署長に届出 ※輸入は署に2部提出し、受付印ありの副本を輸入時に税関に提出 (石綿則第46条の2、平成30年5月31日事務連絡)

    ・譲渡提供時は確実な包装等(石綿則第46条の2)

    ・製造は大臣許可(+署への届出) (石綿則第46条の2~第46条の4)

    ①製造等禁止の対象となる石綿の範囲の改正

  • 81

    〇石綿分析作業は、局所排気装置等の排気口を屋内に設けられることとし、その場合に排気口からの石綿粉じんの排出防止措置を義務付けた。

    (石綿則第16条第1項第3号・第2項第2号、平成30年5月28日基発0528第1号)

    【石綿粉じんの排出防止措置】

    1 除じん装置は、ろ過方式とし、HEPAフィルターなど捕集効率が99.97%以上のろ過材を使用

    2 正常に除じんできていることを確認するため措置(①設置時等の除じん確認、②月次点検、③半年に1回の総繊維数濃度測定、④これらに基づく改善措置) ※①~④をすべて講じる

    ②石綿分析作業における発散抑制措置の改正

  • 82

    2 正常に除じんできていることの確認

    ①局所排気装置等の設置時・移転時やフィルターの交換時に、除じん装置が適切に粉じんを捕集することを確認する。

    【確認の方法】

    (例1)微粒子計測器(パーティクルカウンター)により排気の粒子濃度を室内のバックグラウンドと比較する

    (例2)スモークテスターをたいて排気口で粉じんが検出されないことを粉じん相対濃度計(デジタル粉じん計)または微粒子計測器により確認する

    ②石綿分析作業における発散抑制措置の改正

  • 83

    2 正常に除じんできていることの確認

    ②除じん装置を1ヶ月に1回点検する。

    【点検の主な内容】

    ・除じん装置の主要部分の損傷、脱落

    ・異常音等の異常の有無

    ・除じん効果の確認 (除じん効果の確認方法は、①と同じ)

    ②石綿分析作業における発散抑制措置の改正

  • 84

    2 正常に除じんできていることの確認

    ③石綿分析作業中に、除じん装置の排気口において、半年に1回、総繊維数濃度を測定(ろ過捕集方式/計数方法)。

    ⇒管理濃度の10分の1を上回らないことを確認

    ※計数は技術等を要するため、十分な経験及び必要な能力を有する者が望ましい 【参考】

    ・(公社)日本作業環境測定協会 石綿分析技術の評価事業(カテゴリー2)

    ・(一社)日本環境測定分析協会 位相差顕微鏡によるアスベスト繊維計数技能試験(試験所)

    ②石綿分析作業における発散抑制措置の改正

  • 85

    2 正常に除じんできていることの確認

    ④これら①~③で問題が認められた場合は、直ちに必要な改善措置

    (例:補修・フィルターの交換等)

    ②石綿分析作業における発散抑制措置の改正

  • 86

    ②石綿分析作業における発散抑制措置の改正

    除じん装置の検査項目 (石綿則第22条の定期自主検査の項目)

    石綿則22条 石綿則16条 年に1回 (定自検)

    半年に 1回

    月1回 設置・移転時、フィルタ交換時

    イ 構造部分の摩耗、腐食、破損の有無及びその程度

    通常の場合と同様

    ○ (※3)

    ロ 当該装置内におけるじんあいのたい積状態

    - -

    ハ ろ過除じん方式の除じん装置にあっては、ろ材の破損又はろ材取付部等の緩みの有無

    - -

    ニ 処理能力(※1) ○

    (※4) ○

    (※5) ○

    (※5) ホ イからニまでに掲げるもののほか、性能を保持するため必要な事項(※2)

    - ○

    (※3) -

    ※1 除じん装置の「処理能力」については、除じん処理の効果を確認するための測定が必要であること。(平成17年3月18日基発第0318003号)

    ※2 除じん装置の「必要な事項」には、除じん装置の性能が低下した場合における排気量の調整等を含むこと。(平成17年3月18日基発第0318003号)

    ※3 前述の通り(平成30年5月28日基発0528第1号)。点検内容は、石綿則第20条第2号(平成17年3月18日基発第0318003号)に準じたものとしている。

    ※4,5 前述の通り。(平成30年5月28日基発0528第1号)

    正常に除じんできていることを確認するための措置(整理表)

  • 87

    【参考】有機則等の特例許可との比較

    ②石綿分析作業における発散抑制措置の改正

    石綿の分析の作業 有機則等の 特例許可

    対象作業 石綿の分析の作業

    に限定 様々な作業が 対象になりうる

    発散防止抑制措置 排出防止措置を講じた屋内排気口に限定

    様々なものを申請しうる(※1)

    手続き 安衛法88条の 計画届

    署長への申請・許可 (※2)

    (※1)排気口を屋内に設けることだけでなく、様々な発散防止抑制措置が対象になり得る

    (※2)申請は本省の専門家検討会の審査結果を踏まえて所轄労働基準監督で処理する。発散防止抑制措置特例実施許可制度の運用に係る一部変更について(平成29年7月13日基安発0713第1号)に示されているものは本省の専門家検討会の審査手続きを経ずに所轄労働基準監督署で処理できる。

  • 1.石綿について 2.石綿対策における労働安全衛生行政の位置づけ 3.労働安全衛生法令における労働者の石綿ばく露防止措 置の体系 4.建築物の解体等における石綿対策(石綿障害予防規則) 5.石綿含有建築用仕上塗材の石綿障害予防規則上の取 扱い及び今後の動向について 6.石綿分析用資料の禁止見直し等、労働安全衛生法施行 令等の一部改正について(平成30年6月1日施行) 7.離職後の健康管理のための健康管理手帳制度について

    本日の次第

    88

  • 健康管理手帳について

    健康管理を目的とする制度であって、がんその他の重度の健康障害を発生させるおそれのある業務のうち、政令で定める業務に従事して、一定の要件に該当する労働者は、離職の際又は離職の後に住所地の都道府県労働局長(離職の際は事業場の所在地を管轄する労働局長)に申請することにより、健康管理手帳が交付されます。

    健康管理手帳の交付を受けると、指定された医療機関で、定められた項目による健康診断を決まった時期に無料で受ける(石綿の場合は年に2回、じん肺の場合は年に1回)ことができます。

    離職する方で、交付用件に該当する労働者に対して、健康管理手帳制度についてお知らせください。

    制度の概要

    89

  • 健康管理手帳について

    (1) 両肺野に石綿による不整形陰影があり、又は石綿による胸膜肥厚があること。

    (石綿取扱いの直接業務又は周辺業務が該当)

    (2) 下記の作業に1年以上従事していた方。(ただし、初めて石綿の粉じんにばく露

    した日から10年以上経過していること。)(直接業務のみが該当)

    ・石綿の製造作業

    ・石綿が使用されている保温材、耐火被覆材等の張付け,補修もしくは除去の作業

    ・石綿の吹付けの作業又は石綿が吹き付けられた建築物,工作物等の解体、破砕等の作業

    (3) (2)の作業以外の石綿を取り扱う作業に10年以上従事していた方。

    (直接業務のみが該当)

    石綿健康管理手帳交付用件

    90

    じん肺健康管理手帳交付用件

    ・粉じん作業に従事していた者で、じん肺管理区分が管理2又は管理3であること。

  • じん肺管理区分決定申請について

    (1) 事業場による「エックス線写真の提出」(じん肺法第12条)

    事業場において、じん肺法に基づくじん肺健康診断を実施した場合であって、

    「じん肺所見あり」とじん肺健康診断を実施した医師が判定した者について、事業

    者は、エックス線写真等を事業場を管轄している都道府県労働局あて提出し、じん

    肺管理区分決定を受けなければならない。

    (2) 個人による「じん肺管理区分決定申請」(じん肺法第15条)

    じん肺にかかるおそれのある粉じん作業に常時従事する労働者または労働者

    であった者は、いつでもじん肺管理区分の決定を受けることができる。

    91

    「じん肺の所見あり」とは、じん肺健康診断結果証明書(じん肺法施行規則様式第3号)の「エ

    ックス線写真による検査」の「4.エックス線写真の像」の「イ.小陰影の区分」が1/0から3/+である場合、又は「ロ.大陰影の区分」がABCのいずれかである場合は、「じん肺の所見あり」となります。

  • ご安全に ご静聴ありがとうございました